JP3593378B2 - 動圧流体軸受を備えたモータ - Google Patents

動圧流体軸受を備えたモータ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はモータに関する。より詳細には、動圧流体軸受を備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、例えば、図6に示すような、動圧流体軸受を使用しているスピンドルモータが、当業者に知られている。図6に示されているような動圧流体軸受を使用している公知のスピンドルモータ1では、固定ベース部材2のボス部3にシャフト4の下端部が固着され、更にこのボス部3の半径方向外方にはステータ5が固着されている。シャフト4の上端部には小径部6が設けてあり、この小径部6にスラストプレート7が嵌合固着され、かつこのスラストプレート7の上面を、同様に前記小径部6に嵌合しているブッシュ8が保持されている。該ブッシュ8の半径方向外方であって前記スラストプレート7の上面にはカバープレート9が配置されている。このカバープレート9の半径方向外方にはスリーブ部材10が設けられており、カバープレート9及びスリーブ部材10が相互に固定され、これらはシャフト保持部材を構成する。
【0003】
更に、スリーブ部材10の一部はスラストプレート7を保持しかつそこから該スラストプレート7の下方に伸長し、このスリーブ部11がシャフト4の中間に形成されているラジアル動圧流体軸受手段12を支承している。また、スリーブ部材10は前記ステータ5の半径方向外方において当該ステータ5に対置する位置にロータマグネット13を支持している。更にまた、スリーブ部材10はその半径方向外方にハブ14を有し、このハブ14が磁気デイスク(図示せず)を保持している。そして、スラストプレート7の上面とカバープレート9の下面との間、スラストプレート7の下面とスリーブ部材10との間にオイルが介在されてスラスト動圧流体軸受手段を構成し、またシャフト4とスリーブ部材10との間にオイルが介在されてラジアル動圧流体軸受手段を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなスピンドルモータにおいては、作動時には極めて高速度で回転するため、スラスト動圧流体軸受手段においてオイルが遠心力によって半径方向外方に流動し、スラスト動圧流体軸受手段のオイルが不足する傾向にある。スラスト動圧流体軸受手段においてオイルが不足すると、スラストプレートとスリーブ部材とが金属接触し、軸受手段において焼き付きが発生する恐れがある。また、この種のモータでは、オイルを余分に保持するための溜部、即ち所謂オイル溜部が存在していなかった。このため軸受部に介在するオイルの量を厳密に計測する必要があり、もしオイルの量が所定値よりも多いと余分なオイルが軸受部から外部に漏れるという危険がある。また、このように予め余分なオイルを軸受部に保持するということが出来ないため、長時間にわたって軸受を使用すると、オイルが蒸発して軸受部のオイルが減少し、軸受の寿命が短くなるという恐れがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決し、高速回転時に生ずるオイル不足による焼き付けを防止することができる動圧流体軸受手段を備えたモータを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、シャフトと、シャフトを軸受保持するシャフト保持部材と、シャフトに設けられたスラストプレートと、を有し、スラストプレートの上面及び下面とシャフト保持部材との間にスラスト動圧流体軸受手段が夫々介在され、シャフトとシャフト保持部材との間にラジアル動圧流体軸受手段が介在されたモータにおいて、スラストプレートは円板状部材から構成され、シャフト保持部材における、円板状部材の外周面と対向する内周面は円筒状であり、円板状部材の外周面とシャフト保持部材の内周面との間には環状空間が規定され、環状空間の一部に余剰のオイルが収容され、円板状部材には、環状空間を大気に連通するための連通孔が設けられており、モータが回転していないときには、環状空間内のオイルはその下部に溜まり、環状空間内の、オイルの上方に存在する空間が、連通孔を介して大気に連通し、モータが高速回転しているときには、環状空間内のオイルは遠心力によってシャフト保持部材の内周面に沿って保持され、内周面に沿って保持されたオイルを介して、スラストプレートの上面側のスラスト動圧流体軸受手段のオイルと、スラストプレートの下面側のスラスト動圧流体軸受手段のオイルとが、連続した状態となり、また環状空間内の、内周面に保持されたオイルの内側に生成される空間が、連通孔を介して大気に連通される。
【0007】
【作用】
本発明のモータでは、スラストプレートの外周面とシャフト保持部材の内周面との間に規定される環状空間の一部に余剰オイルが収容される。従って、環状空間の一部が余剰オイルの溜めとして、また環状空間の残部が空気室として作用し、この空気室が連通孔を介して大気に連通され、温度変化により空気室の空気が膨張したときには、この空気は連通孔を通して大気に排出される。また、モータの高速回転時にシャフト保持部材の内周面に遠心力によって貼り付いたオイルを介してスラストプレートの上下面側のスラスト動圧流体軸受手段のオイルが連続した状態となる。従って、シャフト保持部材の内周面に保持されたオイルに作用する遠心力と、スラスト動圧流体軸受手段のオイルに作用する遠心力の分力とが均り合い、スラスト動圧流体軸受手段のオイルが遠心力によって半径方向外方へ流動することが阻止され、スラスト動圧流体軸受手段におけるオイル不足が防止される。
また、このとき、シャフト保持部材の内周面に貼り付いたオイルの内側に生成される空気室が連通孔を介して大気に連通されるようになる。
【0008】
【実施例】
図1は、本発明のモータの第1の具体例の要部を示している。図1において、図示のモータは、固定ベース部材のボス部(図示せず)へ下端部が固定保持されているシャフト21を備えている。このシャフト21の上端部にはスラストプレート23が一体に設けられている。スラストプレート23は円板状部材から形成され、その外周面は実質上円筒状である。シャフト21のスラストプレート23より下側の部分、即ち第1の部分24の外径は比較的大きく、一方シャフト21のスラストプレート23より上側の部分、即ち第2の部分22の外径は比較的小さく、上記第1の部分24の外径の約半分程度である。シャフト21の第2の部分22の半径方向外方であって前記スラストプレート23の上方にはカバープレート25が配設されている。カバープレート25には、図6に示すと同様に、スリーブ部材26が取り付けてある。この例でも、カバープレート25とスリーブ部材26とは相互に固定されてシャフト保持部材を構成している。スリーブ部材26の一部はスラストプレート23の外周面を保持しかつそこからスラストプレート23の下方に伸長し、更にシャフト21の中間に設けられたラジアル動圧流体軸受手段27を支持している。
【0009】
ラジアル動圧流体軸受手段27は、シャフト21に軸方向に間隔を置いて形成された一対のラジアルベアリング溝28、29から構成され、シャフト21に代えてスリーブ部材26の内周面に形成することもできる。前記シャフト21を保持している前記ベース部材のボス部50には、ステータ52が固着保持されている。図6に示すように、このステータ52の半径方向外方において当該ステータ52に対向する位置に、前記スリーブ部材26はロータマグネット(図示せず)を支持している。更に、スリーブ部材26は、図6に示すように、その半径方向外方にハブ(図示なし)を有し、このハブに磁気デイスク(図示せず)が保持されている。これにより、スラストプレート23と、このスラストプレート23の上面、側面及び下面を取り巻いているシャフト保持部材(カバープレート25及びスリーブ部材26)と、の間に、スラスト動圧流体軸受手段54a,54bが設けられ、またシャフト21とスリーブ部材26との間に、ラジアル動圧流体軸受手段27が設けられている。
【0010】
実施例では、スラスト動圧流体軸受手段54a,54bは、スラストプレート23の上面及び下面に形成されたベアリング溝から構成されている。このスラスト動圧流体軸受手段54a,54bのベアリング溝は、スラストプレート23に代えて、カバープレート25及び/又はスリーブ部材26に形成することもできる。
【0011】
ラジアル動圧流体軸受手段27及びスラスト動圧流体軸受手段54a,54bに関連して、更に、次の通り構成されている。即ち、カバープレート25の半径方向内方部分とシャフト21の第2の部分22との間にはモータの外部、即ち大気に連通する大気通路31が規定されている。カバープレート25の半径方向内方部分の下面には、そこから半径方向内方に向けて上方に所定角度(a°)で傾斜するテーパ部32が設けてある。また、テーパ部32に続いてその外側には凹部56が設けられており、この凹部56はスラストプレート23の上面と協働して第1のオイル溜め空間58を規定する。オイル溜め空間58は、モーターを倒立して万一スラスト端部の環状空間にあるオイルが漏れだしてきてもその余剰オイルを十分収容するようにその容積を比較的大きくするのが望ましい。実施例では、シャフト21の小径部22の基部に幾分径の大きい肩部60が設けられており、この肩部60とカバープレート25の内径端部との間隔が小さく設定されている。従って、スラストプレート23の上面側に配設されたスラスト動圧流体軸受手段54aの外側に、テーパ部32から構成されたテーパシール手段が配設され、このテーパシール手段の外側に、肩部60とカバープレート25から構成された絞りシール手段が配設され、これら一対のシール手段の間にオイル溜め空間58が配置される。尚、テーパ部32の角度aは5乃至15°であるのが好ましい。
【0012】
スリーブ部材26の、前記シャフト21に面している下方部分には、シャフト21の下方に向けて半径方向外方に所定角度(b°)で傾斜するテーパ部37が設けてある。また、スリーブ部材26の下端部とボス部50の上端部との間隔は小さく設定されており、かく絞られた部位が絞りシール手段として機能する。更に、ボス部50の内周部には環状の凹部62が設けられ、この凹部62を規定する内周面は下方に向けて半径方向外方に拡がっている。この凹部62は、シャフト21と協働して余剰オイルを収容する第2のオイル溜め空間として作用し、その容積を比較的大きくするのが好ましい。尚、テーパ部37の角度bは5乃至15°であるのが好ましい。
【0013】
図1に示すように、スラスト動圧流体軸受手段54a,54bからラジアル動圧流体軸受手段27に渡って、即ち、スラストプレート23の上面、周側面、下面及びシャフト21の下端部に渡ってオイルが充填されている(スラストプレート23の周側面については、後に詳述する)。そして、これらの動圧流体軸受手段27及び54a,54bからオイルが漏洩しないように、実施例では、テーパ部32及び37の最大間隔が、シャフト21とシャフト保持部材との間隔よりも大きく設定されている。これによりテーパ部32及び37からのオイルの流出が困難となる。
【0014】
スラストプレート23に関連して、更に、次の通り構成されている。図1と共に図2を参照して説明する。スラストプレート23の外周面は円筒形であり、その外周面は軸線方向(図1及び図2において上下方向)に直線状に延びている。このスラストプレート23を受け入れこれに対向するスリーブ部材26の部位26aの内周面も、スラストプレート23の外周面形状に対応して円筒状であり、部位26aの内周面及びスラストプレート23の外周面の間隔は、上記軸線方向に実質上同一となっており、これら両者は間に環状空間64を規定する。この環状空間64には、その一部にオイル66が収容される。このオイル66の量は、上記環状空間64の約半分程度であるのが望ましく、オイル66の量が多くなると、後述する連通孔がオイル66により閉塞されるようになり、一方オイル66の量が少なくなると、高速回転時にスラスト動圧流体軸受手段54a,54b間を接続するオイル層が形成されなくなる。
【0015】
スラストプレート23には、更に、周方向に実質上180度の間隔を置いて一対の連通孔42が形成されている。連通孔42の一端はスラストプレート23の外周面、即ち環状空間64に開口し、その他端はスラストプレート23の上面に開口している。実施例では、図1及び図2に明確に示す通り、連通孔42の一端開口はスラストプレート23の軸線方向中央部に開口し、その他端開口はテーパ部32に開口し、仮に連通孔42を通してオイル66が送給されたとしてもテーパ部32及びこれに続く第1のオイル溜空間58にて空気とオイル66とが分離され、オイル66はスラスト動圧流体軸受手段54aに戻される一方、空気は大気通路31を通してモータ外部に排出される。
【0016】
次いで、上述したモータの作用効果について説明する。
モータが回転していないときには、オイル66は、図2に示す状態に保持される。即ち、オイル66は自重によって環状空間64の下部に集まり、スラストプレート23の下面側のスラスト動圧流体軸受手段54bのオイル66bと環状空間64に収容されたオイル66cとが連続した状態になるが、かかるオイル66cとスラストプレート23の上面側のスラスト動圧流体軸受手段54aのオイル66aとは空気室を介して分離した状態に保持される。また、連通孔42の一端開口は、少なくともその一部が環状空間64内のオイル66cの上方に位置し、環状空間64の空気室と連通する。従って、温度変化等により上記空気室の空気が膨張しても、膨張した空気は連通孔42、第1のオイル溜め空間58及び空気通路31を通して外部に排出され、空気膨張による悪影響が回避される。
【0017】
一方、モータが高速回転しているときには、オイル66は、図3に示す状態に保持される。即ち、スリーブ部材26の高速回転によって遠心力がスラスト動圧流体軸受手段54a,54bのオイル66a,66b及び環状空間64内のオイル66cに作用し、環状空間64内のオイル66cはスリーブ部材26の部位26aの内周面に貼り付いた状態に保持され、またスラストプレート23の上下面側のスラスト動圧流体軸受手段54a,54bのオイル66a,66bは半径方向外方に流動する傾向にある。それ故に、図3に示す通り、スラスト動圧流体軸受手段54a,54bのオイル66a,66bは半径方向外方に流動してスリーブ部材26の内周面に保持されているオイル66cの層まで流れ、上面側のスラスト動圧流体軸受手段54aのオイル66aと下面側のスラスト動圧流体軸受手段54bのオイル66bとが、スリーブ部材26の内周面のオイル66c(このオイル層の軸線方向両端部は幾分弧状となってオイル66a,66bに接続される)を介して連続した状態となる。かく連続した状態においては、容易に理解される如く、スリーブ部材26に保持されたオイル66cは、これと一体に高速で回転するために比較的大きい遠心力が作用する。一方、上下面側のスラスト動圧流体軸受手段54a,54bのオイル66a,66bに作用する遠心力はスリーブ部材26の内周面で支えられ、この内周面に貼り付いているオイル66cに作用する遠心力と均り合い、スラスト動圧流体軸受手段54a,54bのオイル66a,66bの半径方向外方への流動が抑えられ、高速回転時のオイル不足が防止される。また、かかる高速回転時においても、オイル66はスリーブ部材26の内周面に貼り付く故に、連通孔42の一端開口は、図3に示す通り、環状空間64における、オイル66の層の半径方向内側に生成される空気室に連通し、空気室とモータとの連通状態が維持され、温度変化による上記不都合が解消される。
【0018】
図4及び図5は、本発明に従うモータの第2の具体例の要部を示している。
図4及び図5を参照して、スラストプレート123の外周面は円筒形であり、その外周面は軸線方向(上下方向)に直線状に延びている。このスラストプレート123を受け入れこれに対向するスリーブ部材126の部位126aの内周面は、その軸線方向中央部がスラストプレート123の外周面から最も離隔する弧状に延びている。そして、部位126aの内周面及びスラストプレート123の外周面の間隔は、スラストプレート123の両端部において最も小さく、その軸線方向中央部において最も大きくなっており、両者はそれらの間に環状空間164を規定している。この環状空間164には、その一部にオイル166が収容される。このオイル166の量は、第1の具体例と同様に、上記環状空間164の約半分程度であるのが望ましく、オイル166の量が多くなると、後述する連
通孔がオイル166により閉塞されるようになり、一方オイル166の量が少なくなると、高速回転時にスラスト動圧流体軸受手段154a,154b間を接続するオイル層が形成されなくなる。
【0019】
スラストプレート123には、第1の具体例と同様に、周方向に実質上180度の間隔を置いて一対の連通孔142(図4及び図5において1個のみ示す)が形成されている。連通孔142の一端はスラストプレート123の外周面、即ち環状空間164に開口し、その他端はスラストプレート123の上面に開口している。この例でも、連通孔142の一端開口はスラストプレート123の軸線方向中央部に開口している。
この第2の具体例のその他の構成は、上記第1の具体例と実質上同一である。
【0020】
次いで、このモータの作用効果について説明する。
モータが回転していないときには、オイル166は、図4に示す状態に保持される。即ち、オイル166は自重によって環状空間164の下部に集まり、スラストプレート123の下面側のスラスト動圧流体軸受手段154bのオイル166bと環状空間164に収容されたオイル166cとが連続した状態になるが、かかるオイル166cとスラストプレート123の上面側のスラスト動圧流体軸受手段154aのオイル166aとは空気室を介して分離した状態に保持される。また、連通孔142の一端開口は、少なくともその一部が環状空間164内のオイル166cの上方に位置し、環状空間164の空気室と連通する。従って、温度変化等により上記空気室の空気が膨張しても、膨張した空気は連通孔142を通して外部に排出される。
【0021】
一方、モータが高速回転しているときには、オイル166は、図5に示す状態に保持される。即ち、スリーブ部材126の高速回転によって遠心力がスラスト動圧流体軸受手段154a,154bのオイル166a,166b及び環状空間164内のオイル166cに作用し、環状空間164内のオイル166cはスリーブ部材126の部位126aの内周面に貼り付いた状態に保持され、またスラストプレート123の上下面側のスラスト動圧流体軸受手段154a,154bのオイル166a,166bは半径方向外方に流動する傾向にある。それ故に、図5に示す通り、スラスト動圧流体軸受手段154a,154bのオイル166a,166bは半径方向外方に流動してスリーブ部材126の内周面に保持されているオイル166cの層まで流れ、上面側のスラスト動圧流体軸受手段154aのオイル166aと下面側のスラスト動圧流体軸受手段154bのオイル166bとが、スリーブ部材126の内周面のオイル166cを介して連続した状態となる。この具体例では、部位126aの内周面が弧状となっているので、第1の具体例に比して、上述の連続したオイル166の層に加わった遠心力の分力が効率的にオイル116a,166bを保持する事になる。かく連続した状態においては、スリーブ部材126に保持されたオイル166cは、これと一体に高速で回転するために比較的大きい遠心力が作用する。一方、上下面側のスラスト動圧流体軸受手段154a,154bのオイル166a,166bに作用する遠心力はスリーブ部材126の弧状内周面で支えられ、この内周面に貼り付いているオイル166cに作用する遠心力と均り合い、スラスト動圧流体軸受手段154a,154bのオイル166a,166bの半径方向外方への流動が抑えられ、高速回転時のオイル不足が防止される。また、かかる高速回転時においても、オイル166はスリーブ部材126の弧状内周面に貼り付く故に、連通孔142の一端開口は、図5に示す通り、環状空間164における、オイル166の層の半径方向内側に生成される空気室に連通し、空気室とモータとの連通状態が維持され、温度変化による上記不都合が解消される。
以上の通りであるので、第2の具体例でも第1の具体例と同様の効果が達成される。
【0022】
本発明のモータの具体例について説明したが、本発明はかかる具体例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0023】
例えば、図示の具体例では、スラストプレートに連通孔を2個設けているが、これに限定されず、例えば連通孔を1個又は3個以上設けるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明のモータでは、スラストプレート23、123の外周面とシャフト保持部材の内周面との間に規定される環状空間64、164の一部に余剰オイル66、166が収容される。それ故に、環状空間64、164の一部が余剰オイル66、166の溜め部として、また環状空間64、164の残部が空気室として作用し、この空気室が連通孔42、142を介して大気に連通され、温度変化により空気室の空気が膨張したときには、この空気は連通孔42、142を通して大気に排出される。また、モータの高速回転時には、シャフト保持部材の内周面に遠心力によって貼り付いたオイル66c、166cを介してスラストプレート23,123の上下面側のスラスト動圧流体軸受手段54a,54b,154a,154bのオイル66a,66b,166a,166bが連続した状態となる。従って、シャフト保持部材の内周面に保持されたオイル66c,166cに作用する遠心力と、スラスト動圧流体軸受手段54a,54b,154a,154bのオイル66a,66b,166a,166bに作用する遠心力の分力とが均り合い、スラスト動圧流体軸受手段54a,54b,154a,154bのオイル66a,66b,166a,166bが遠心力によって半径方向外方へ流動することが阻止され、スラスト動圧流体軸受手段54a,54b,154a,154bにおけるオイル不足が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータの第1の実施例を示す要部断面図。
【図2】図1のモータのスラストプレート及びその近傍を示す拡大部分断面図。
【図3】図1のモータを高速回転させたときのオイルの状態を示す、図2に対応する拡大部分断面図。
【図4】本発明のモータの第2の実施例におけるスラストプレート及びその近傍を示す拡大部分断面図。
【図5】図4のモータを高速回転させたときのオイルの状態を示す、図4に対応する拡大部分断面図。
【図6】公知のモータの例を示す断面図。
【符号の説明】
21 シャフト
23,123 スラストプレート
25 カバープレート
26,126 スリーブ部材
27 ラジアル動圧流体軸受手段
32,37 テーパ部
42,142 連通孔
54a,54b,154a,154b スラスト動圧流体軸受手段
64,164 環状空間
66,66a,66b,66c,166,166a,166b,166c オイル

Claims (5)

  1. シャフトと、該シャフトを軸受保持するシャフト保持部材と、該シャフトに設けられたスラストプレートと、を有し、該スラストプレートの上面及び下面と該シャフト保持部材との間にスラスト動圧流体軸受手段が夫々介在され、該シャフトと該シャフト保持部材との間にラジアル動圧流体軸受手段が介在されたモータにおいて、
    該スラストプレートは円板状部材から構成され、該シャフト保持部材における、該円板状部材の外周面と対向する内周面は円筒状であり、
    該円板状部材の該外周面と該シャフト保持部材の該内周面との間には環状空間が規定され、該環状空間の一部に余剰のオイルが収容され、
    該円板状部材には、該環状空間を大気に連通するための連通孔が設けられており、
    モータが回転していないときには、該環状空間内の該オイルはその下部に溜まり、該環状空間内の、該オイルの上方に存在する空間が、該連通孔を介して大気に連通し、モータが高速回転しているときには、該環状空間内の該オイルは該シャフト保持部材の該内周面に沿って保持され、該内周面に沿って保持された該オイルを介して、該スラストプレートの上面側の該スラスト動圧流体軸受手段の該オイルと、該スラストプレートの下面側の該スラスト動圧流体軸受手段の該オイルとが、連続した状態となり、また該環状空間内の、該内周面に保持された該オイルの内側に生成される空間が、該連通孔を介して大気に連通される、ことを特徴とするモータ。
  2. 該シャフト保持部材の該内周面は軸線方向に実質上直線状に延び、該シャフト保持部材の該内周面と該円板状部材の該外周面との間隔は該軸線方向に実質上一定である請求項1記載のモータ。
  3. 該シャフト保持部材の該内周面は、軸線方向中央部が該円板状部材の該外周面から最も離隔するように弧状に延び、該シャフト保持部材の該内周面と該円板状部材の該外周面との間隔は、該円板状部材の両端部において最も小さく且つ該円板状部材の該軸線方向中央部において最も大きい請求項1記載のモータ。
  4. 該環状空間のほぼ半分の部分に余剰の該オイルが収容される請求項1記載のモータ。
  5. 該連通孔の一端は、該円板状部材の該外周面における軸線方向中央部に開口している請求項1記載のモータ。
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