JP3592784B2 - 車両の予測走行軌跡の算定・表示装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、各種車両の運転支援用として利用される車両の予測走行軌跡の算定・表示装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
乗用車やトラックなどの各種の車両については、運転の安全性を高めるために、周辺の車両などの障害物を検出して車線変更などへの警報を発するレーダーシステムや、道路に不慣れな人に案内情報を提供するナビゲーションシステムなど各種の運転支援システムが開発されつつある。このような各種の運転支援システムのうち比較的最近のものとして、各種のセンサを利用して車両の走行状態を検出し、この検出した走行状態に基づいて車両の予測走行軌跡を算定し、これをヘッドアップ型表示装置に表示する車載用表示システムが知られている。
【0003】
すなわち、本出願人が先に特許出願した「車両用表示装置」と題する特許出願(特開昭64ー83424 号公報) によれば、図9に示すような構成のヘッドアップ型表示装置を含む車載用表示装置が開示されている。車速、加減速度、舵角、ヨーレイトなど車両の走行状態を示す各種の情報がセンサで検出されてコンピュータで処理され、車両の予測走行軌跡が算定される。算定された予測走行軌跡はプロジェクター32からスクリーン31に投射される。このスクリーン31とフロントガラスとを通して前方を見ている運転者には、図10に示すように、車両の前方の景色とスクリーン31から反射されて視野に入って来る予測走行軌跡Cとが重畳されて感得される。この例では、現在の運転状態を保持することにより道路に沿って走行可能であることが予測されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先願の発明では、車体横すべり角を考慮した高精度の予測走行軌跡を算定するうえで必要な路面とタイヤとの間の摩擦係数である路面摩擦係数を光学式センサなどを用いて検出している。しかしながら、現状では、路面摩擦係数をセンサで検出する方法は、高い検出精度を実現するのが困難であるという問題がある。
従って、本発明の目的は、検出精度の低い路面摩擦係数センサを使用することなしに車体横すべり角を考慮した高精度の予測走行軌跡を算定して表示できる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置を提供することにある。
【0005】
また、上述した先願の発明では、表示データや表示方法に関する基本的な技術的思想を開示しているが、利便性の向上など詳細な点については検討の余地がある。
従って、本発明の目的は、見易さなどの利便性の向上などを図った車両の予測走行軌跡の算定・表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置は、車輪コーナリングパワーの複数の異なる予測値を使用して複数の予測ヨーレイトを算定する手段と、この複数の予測ヨーレイトと実測したヨーレイトとを比較することにより実測したヨーレイトに最も近いヨーレイトを検出し、その算定に使用された車輪コーナリングパワーを使用して車両の予測走行軌跡を算定する手段と、この算定された予測走行軌跡をヘッドアップ型表示装置に表示する手段とを備えている。
【0007】
【作用】
旋回運動に伴う車体の予想走行軌跡は、車体の速度(車速)とヨーレイトとを用いて解析できる。ここで、車体のヨーレイトとは、水平面(xーy平面)内の車体の重心位置に立てた鉛直軸(z軸)の回りの車体の回転角速度を意味する。図5に示すように、車体が一定の車速Voで前進しながら一定のヨーレイトγoで回転しているものとする。図5において、xーy平面の原点に重心が存在した車体がt秒後に到達する位置をPT (xT ,yT )とする。まず、車体の横すべりを無視するものとすれば、t秒後の到達点PT において車体の中心線がx軸となす角(ヨー角φ)は、次式で与えられる。
φ=γo・t ・・・(1)
【0008】
従って、
このように、車速とヨーレイトとが一定であれば、この車体のT秒後の位置PT (xT ,yT )を(2)式と(3)式とから容易に算定できる。なお、この車体の予測走行軌跡は、原点を通る半径R=Vo/γoの円弧となる。
【0009】
実際には、車速Voもヨーレイトγも共に変化するので、車両の予測走行軌跡を算定するための数式は複雑なものとなる。特に、ヨーレイトγの変化は、運転者のハンドル操作の他に車体の横すべりによっても生ずる。この車体の横すべりは、図6に示すように、車体の重心の軌跡に対する接線と、車体中心線とがなす角度(車体横すべり角)βによって表される。車速Voは一定とおき、車両が原点に位置していた時刻からt秒経過後の車両のヨー角をφ、車体横すべり角をβとする。
【0010】
この場合、図7を参照すれば、明らかなように、車両の進行方向がx軸となす角度は、(φ+β)となる。従って、t秒後の車両の位置 PT (xT ,yT )は、
となる。
【0011】
上述した車両の旋回運動を、重心の廻りの回転と車体の横すべりの線形な2自由度で系で表現する式として、次式が知られている。
ただし、δfは前輪舵角、Aij ,Bk は車速Voと車両の設計諸元で定まる定数であり、以下のように与えられる。
【0012】
である。
【0013】
なお、車両が4輪操舵の場合は、(6)式の右辺の第2項は、
となる。ただし、δrは後輪舵角である。
【0014】
(7)式から明らかなように、車速Voが一定であれば、(6)式のAij ,Bk は全て定数になる。従って、ある時点のヨーレイトγo と、車体横すべり角βoと、ドライバーが操舵する前輪操舵角δfとが判明していれば、以後のヨーレイトγと車体横すべり角βとを(6)式から数値積分によって算定できる。例えば、図8に示すように、ドライバーが一定の車速のもとで時刻toから時刻t1 にかけてランプステップ状に操舵角δf分の前輪操舵を行った結果、時刻t1 においてヨーレイトγoと車体横すべり角βoが発生したものとする。この場合、時刻t1 以後のヨーレイトγと車体横すべり角βは、(6)式から数値積分によって図8に例示するような値として算定される。
【0015】
図8に例示されるように、ヨーレイトγは、振動しながら最終値γssに収斂してゆく。近似的には、応答遅延時間Tγをもって最終値γssに達する。同様に、車体横すべり角βも応答遅延時間Tβをもって最終値βssに達する。このように、操舵に対する車両の応答遅延時間を考慮したヨーレイトγと車体横すべり角βの予測値を算定し、この算定値を用いて(4)式、(5)式の積分を行うことにより、車両の応答を考慮した高精度の予測走行軌跡が得られる。なお、このような車両の応答を考慮することなく、ヨーレイトγの検出値だけを用いて算定した車両の予測走行軌跡としては、時刻t1 におけるヨーレイトの検出値γoと一定の車速Voとに基づく半径R=Vo/γoの円弧が算定される。
【0016】
上述のように、ドライバーのハンドル操作に対する車体の応答を考慮に入れて予測したヨーレイトγと車体横すべり角βとを用いて車両の予測走行軌跡を算定すれば、ヨーレイトの検出値のみに基づいて算定した場合よりもはるかに高精度の予想走行軌跡を得ることができる。また、ドライバーは、自己のハンドル操作に対して定まる車両の将来の走行軌跡を高精度で知ることができ、車両を目標とするコースに沿わせるための適正な操縦が容易になる。ここで問題となるのは、上記車体横すべり角を考慮した予測走行軌跡の算定に際して必要になる前輪コーナリングパワーCfと後輪コーナリングパワーCrが高精度の検出が困難な路面摩擦係数に依存して変化することである。
【0017】
すなわち、前輪コーナリングパワーCfは前輪横すべり角αと前輪コーナリング力Fcとの関係を示す曲線の傾斜(dFc/ dα)で与えられる。この曲線は、α<5の範囲では直線で、α≧5の範囲では一定値(最大コーナリング力)Fcmax になるような折れ線で近似できる。すなわち、重力の加速度をGとすれば、
Fcmax ≒5Cf・G ・・・(9)
を得る。ここで、タイヤと路面との摩擦係数をμとすれば、
Fcmax ≒μmG ・・・(10)
を得る。
【0018】
(9)式と(10)から、
Cf=μm/5 ・・・(11)
さらに、前輪と後輪は同じタイヤで同じ路面上を走行していることから
Cf≒Cr≒μm/10 ・・・(12)
と近似できる。
【0019】
車輪コーナリングパワーを決定する路面摩擦係数μは、タイヤの磨耗の程度などに依存してゆっくりと変化する部分と、雨などによる路面の濡れ具合や、路面を構成する素材の変化などに応じて比較的短時間で変化する部分とがある。この発明では、路面摩擦係数の短時間内の変化に対処するため、車輪コーナリングパワーとして複数の予測値が設定され、それぞれを用いて複数の予測ヨーレイトが算定され、これらの予測ヨーレイトと実測されたヨーレイトとが比較され、実測結果に最も近い予測ヨーレイトの算定に使用された車輪コーナリングパワーを用いて予測走行軌跡が算定される。
以下、実施例と共に本発明を更に詳細に説明する。
【0020】
【実施例】
図2は、本発明の一実施例の車載用表示装置構成を示すブロック図であり、21はCPU、22は入力インタフェース回路、23はデータメモリ、24は画面メモリ、25は表示制御部、26はプロジェクタ、27はスクリーン、28はキーボードである。スクリーン27は、図9に示した従来装置の場合と同様に、運転席とフロントグラスとの間に配置されており、運転者がスクリーン27上に投影された画像と車両の前方の景色とを重畳した状態で感得できるように構成されている。
【0021】
CPU21は、各種のセンサによって検出される車速、操舵舵角、ヨーレイト、加減速などの車両の走行状態を示す各種の情報を入力インタフェース回路22を介して受け取り、これらをデータメモリ23に走行履歴情報として保存しながら次々に処理してゆくことにより、予測走行軌跡を算定する。図1は、CPU21による予測走行軌跡の算定方法を説明するための概念図である。
【0022】
ドライバーの操舵に基づき操舵手段11で操舵角δfが発生すると、これが車体12に伝達され、応答遅延時間を伴ってヨーレイトγが発生する。このヨーレイトγの予測値がCPU21内の予測ヨーレイト算定部13内で(6)式に従って算定される。この予測ヨーレイトの算定と並行して、CPU21内の予測車体すべり角算定部14内で予測車体すべり角βが(6)式に従って算定される。ヨーレイトγの予測値は、車輪コーナリングパワー(Cf =Cr )の中心値と、この中心値の前後に10%ずつの距離を保って設定されている2種類の車輪コーナリングパワーの計3個の値のそれぞれを用いて行われる。
【0023】
これに対して、予測車体すべり角βの算定は、車輪コーナリングパワーの中心値を用いて行われる。図8の場合の時刻t1 における予測車体すべり角βoは、予測走行軌跡算定部15で算定された予測走行軌跡に引いた接線と、ヨーレイトγの積分値から求めた車両の重心のまわりの回転角度とから算定される。車輪コーナリングパワーの中心値を用いて算定された予測ヨーレイトγAと,予測すべり角βAとはCPU21内の予測走行軌跡算定部15に供給され、作用に関して既に説明した(4),(5),(6)式に従って予測走行軌跡が算定される。CPU21内の描画部18は、上記予測走行軌跡を用いて表示画面の描画を行う。
【0024】
車輪コーナリングパワーの中心値を用いて算定されたヨーレイトの予測値γAと、この中心値の前後に10%ずつの距離を保って設定された2種類の異なる車輪コーナリングパワーを用いて算定されたヨーレイトの予測値γB,γCは、波形発生回路16供給される。各予測値γA、γB、γCから時間的に変化するヨーレイトの波形が発生されて比較部17に供給され、ヨーレイトの実測値γと比較される。比較部17は、車輪コーナリングパワーの中心値を用いて算定されたヨーレイトの予測値γAが、実測されたヨーレイトと最も良く一致していれば、予測ヨーレイト算定部13にも予測すべり角算定部14にも中心値変更指令を発しない。
【0025】
比較部17は、車輪コーナリングパワーの中心値を用いて算定されたヨーレイトの予測値γAよりも、この中心値の前後に10%ずつずれた車輪コーナリングパワーを用いて算定されたヨーレイトの予測値の一方γB又はγCのいずれの方が近い場合には、この近い方のヨーレイトの予測値の算定に使用された車輪コーナリングパワーの値を新たな中心に変更させる中心値変更指令を予測ヨーレイト算定部13と予測すべり角算定部14に発する。このようにして、実測されたヨーレイトと最も良く一致する予測ヨーレイトの算定に使用された車輪コーナリングパワーが中心値として新たに設定され、その前後に10%ずつ離して2種類の車輪コーナリングパワーが新たに設定される。
【0026】
CPU21内の描画部18は、図3に例示するように、まず、車両の現在の重心の位置を原点とするXーY平面内に、予測走行軌跡算定部15で算定された車両の重心の予測走行軌跡Gを描く。次に、描画部18は、予測走行軌跡G上に車体の長さよりも短い一定の間隔を保ちながら点群G0 ,G1,G2,G3・・・を配置する。更に、描画部18は、重心の予測走行軌跡G上に配列した点群G0 ,G1,G2,G3・・・のそれぞれに車体の重心を一致させながら矩形で近似した車体の輪郭を示す枠体B0,B1,B2,B3・・・・を配列してゆく。
【0027】
この枠体で近似した車体の長さと横幅のそれぞれは、実際の車体の長さと横幅の最大値のそれぞれに等しい値に設定される。最後に描画部18は、上記予測走行軌跡G上に配列された枠体の群のそれぞれを原点上に設定した一定の高さの位置から鳥瞰した場合の鳥瞰図に変換し、これを図2の画面メモリ24内に書込んでゆく。CPU21によって画面メモリ24内に書込まれた車体列の鳥瞰図は、表示制御部25によって周期的に読出されてプロジェクタ26に供給され、ここからスクリーン27に投射される。
【0028】
スクリーン27に投射された車体列の鳥瞰図B1,B2,B3・・・・は、スクリーン27で反射されて運転者の視野に飛び込む。この結果、運転者は、プロジェクタ26から投射された車体列の鳥瞰図B1,B2,B3・・・・と車両前方の道路の景色とが重畳された図4に例示するような情景を見ることになる。このように、車体の幅が表示されるため、急カーブの狭い道路などをうまく曲がりきれるかどうかなどを、運転者は的確に予測できる。
【0029】
運転者がキーボード28から車種などを入力すると、これがCPU21によって車体の幅や長さに変換され、データメモリ23に登録される。以後の、予測走行軌跡の算定とその描画データの作成に際してはこのデータメモリ23に登録された車体の寸法が使用される。CPU21は、車体列の平面図を鳥瞰図に変換する際に、原点上に配置する視点の高さをキーボード28からの指令に応じて変更することにより、運転者に応じた鳥瞰図に変更する。
【0030】
上述した図4の場合には、重心の予測走行軌跡G上に常時一定の間隔で点群G0,G1,G2,G3・・・を配列した。しかしながら、この配列の間隔を車速に応じて自動的に変更したり、キーボード28からの指令に応じて随時変更する構成としてもよい。また、点群を一定の幾何学的間隔で配列する代わりに、一定の時間間隔、例えば、0.1 秒間隔の通過位置に点群G0,G1,G2,G3・・・を配列する構成とすることもできる。
【0031】
走行速度や加速度の値に応じて予測走行軌跡を異なる色彩又はパターンで表示することもできる。例えば、走行速度が所定値未満の状態では予測走行軌跡が安全を意味する緑色で表示され、走行速度の上昇につれて表示色が注意を喚起する黄色に変更され、さらに速度が上昇すると表示色が一層強く注意を喚起する赤色に変更される。表示色だけでなく、走行速度や加速度の値に応じて強く注意を喚起する縞模様のゼブラパターンなどで表示される。
【0032】
本発明の車両用表示装置では、ヘッドアップ型表示装置で表示される予測走行軌跡によって前方の景色の一部が隠されてしまうため、道端の自転車や歩行者などが見落されるおそれが伴う。このような不都合を回避するには、予測走行軌跡の表示を必要最小限度にとどめることが有効である。この目的から、図4の例では、車体を閉じた矩形状の枠体で表現する代わりに、前後の線分を省いて車両の横幅のみを示す平行2線分で表現してもよい。
【0033】
以上、車速が一定の場合について本発明を説明した。しかしながら、ブレーキやアクセルの操作量の検出値から車速の変化を予測し、この予測した車速を用いて予測走行軌跡を算定する構成とすることもできる。
【0034】
以上詳細に説明したように、本発明の予測走行軌跡の算定・表示装置は、車輪コーナリングパワーの複数の異なる予測値に基づき算定した複数の予測ヨーレイトと実測ヨーレイトとを比較することにより最も確度の高い車輪コーナリングパワーを検出し、この車輪コーナリングパワーに基づき車両の予測走行軌跡を算定し表示する構成であるから、現状では検出精度の低いセンサを使用することなく予測走行軌跡を高精度に算定し表示できるという効果がある。
【0035】
また、本発明の一実施例によれば、車両の予測走行軌跡を示す曲線上に所定の間隔で点群を配列し、この点群のそれぞれに車両の幅とほぼ同一の幅を有する枠体などを配置したものを鳥瞰図として表示する構成であるから、見易さなどが向上するという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置が実行する予測走行軌跡の算定処理の内容を説明するための概念図である。
【図2】上記実施例に係わる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】上記実施例の算定・表示装置が作成中の表示画像の一例を示す概念図である。
【図4】上記実施例の算定・表示装置による表示画像と車両前方の景色とが重畳された様子の一例を示す図である。
【図5】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図6】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図7】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図8】本発明の作用を説明するための概念図である。
【図9】先行技術に係わる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置の外観を示す斜視図である。
【図10】上記先行技術に係わる車両の予測走行軌跡の算定・表示装置による表示画像と車両前方の景色とが重畳された様子の一例を示す図である。
【符号の説明】
11 操舵手段
12 車体
13 予測ヨーレイト算定部
14 予測すべり角算定部
15 予測走行軌跡算定部
16 波形発生部
17 比較部
21 CPU
26 プロジェクタ
27 スクリーン
Claims (5)
- 操舵角及びヨーレイトを検出する手段を備え車両の予測走行軌跡を算定し表示する車両予測走行軌跡の算定・表示装置であって、
車輪コーナリングパワーの複数の異なる予測値を使用して複数の予測ヨーレイトを算定する手段と、
この複数の予測ヨーレイトと実測したヨーレイトとを比較することにより実測したヨーレイトに最も近い予測ヨーレイトの算定に使用した車輪コーナリングパワーの予測値を検出し、この検出した車輪コーナリングパワーの予測値を使用して車両の予測走行軌跡を算定する手段と、
この算定された予測走行軌跡をヘッドアップ型表示装置に表示する手段と、
を備えたことを特徴とする車両の予測走行軌跡の算定・表示装置。 - 操舵角及びヨーレイトを検出する手段を備え車両の予測走行軌跡を算定し表示する車両予測走行軌跡の算定・表示装置であって、
車輪コーナリングパワーの予測値の中心値とその前後に離散した複数の値を使用して複数の予測ヨーレイトを算定する手段と、
前記車輪コーナリングパワーの予測値の中心値を使用して予測車体横すべり角を算定する手段と、
前記複数の予測ヨーレイトと実測したヨーレイトとを比較することにより実測したヨーレイトに最も近い予測ヨーレイトの算定に使用した車輪コーナリングパワーの予測値を検出し、この検出した車輪コーナリングパワーの予測値を前記車輪コーナリングパワーの予測値の中心に設定する手段と、
前記車輪コーナリングパワーの予測値の中心値を用いて算定された前記予測ヨーレイトと前記予測車体横すべり角とを用いて車両の予測走行軌跡を算定する手段と、
この算定された予測走行軌跡をヘッドアップ型表示装置に表示する手段と、
を備えたことを特徴とする車両の予測走行軌跡の算定・表示装置。 - 請求項1又は2のいずれかにおいて、
前記予測ヨーレイトは車速一定の近似のもとに算定されることを特徴とする車両の予測走行軌跡の算定・表示装置。 - 請求項2又は3のいずれかにおいて、
前記中心値の前後に離散した複数の値は、前記中心値の 10 %だけこの中心値の前後に離散した2個の値であることを特徴とする車両の予測走行軌跡の算定・表示装置。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記予測走行軌跡は、車両の重心その他の着目点の予測走行軌跡を示す曲線上に所定の間隔で点群を配列し、この点群のそれぞれに前記着目点を一致させながら車両の幅とほぼ同一の幅を有する枠体若しくは平行な2本の線分を配置したもの又は前記平行な2本の線分を配置したものへの外接線の鳥瞰図として表示されることを特徴とする車両の予測走行軌跡の算定・表示装置。
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1995
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