JP3591401B2 - 表面検査装置の調整方法及び表面検査装置用調整装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄鋼板等の被検査体の表面疵を光学的に検出する表面疵検出装置において表面検査装置の調整方法及び表面検査装置用調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板等の表面検査では、被検査体に光を照射してこの被検査面から反射光をカメラで受光し、受光した光を解析する事によって、被検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面検査装置が提案されている。
【0003】
このような表面検査装置では、装置の設置時に光を照射する照明系及び反射光を受光するカメラ等の受光采の調整を最適になるように調整している。また経時変化等により照明系、受光系にズレが生じていないかを定期的に検査、調整を行っている。
【0004】
調整方法の従来技術としては特開平08−136473号公報に開示されている技術が存在する。この技術は、離れた位置に第1及び第2の線M,Nがありさらにその間に幅の異なる少なくとも2本の線a,b,cを平行に引いた基準板40(図11)を使い、カメラのピント確認、視野幅確認、カメラからの電気信号が幅方向で一定になるように、出力の調整、確認を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では受光系のピント、視野幅、出力調整の確認はできるが、受光カメラの回転ズレや、被検査体を検査する長手方向へのズレ量を確認することができないという課題があった。
【0006】
回転ズレや長手方向ズレは薄鋼板のようなシート状の被検査体を連続的に検査する場合に使われるラインセンサカメラ等を使った場合に必要な調整項目であり特に複数台のカメラを横に並べて使用した場合には重要な調整項目である。
【0007】
本発明の目的は、表面検査装置の受光カメラの回転ズレ及び長手方向ズレの確認し得る基準板を用いた表面検査装置の調整方法及び表面検査装置用調整装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[構成]
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0010】
本発明は、表面にラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板を被検査体が測定を行う位置に設置するステップと、前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射するステップと、照明光が照射された前記基準板面の光学画像をラインセンサカメラで撮影し、該光学画像を電気的信号に変換するステップと、前記ラインセンサカメラで変換された電気的信号から輝度分布を得るステップと、前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるステップと、求められたエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離を求めるステップと、求められた複数のエッジ位置と、それぞれのエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出するステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明は、被検査体に対して光源から光を照射し、該被検査体からの反射光をラインセンサカメラで受光し、受光した光を解析して被検査体の表面に存在する表面疵を検出する表面検査装置の前記ラインセンサカメラのズレを調整する表面検査装置用調整装置であって、表面に前記ラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板と、この基準板を前記被検査体の検査が行われる位置に設置する取り付け治具と、前記光源から前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射し、前記カメラが撮影した前記基準板面からの反射光像から、輝度分布を得る手段と、前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるエッジ位置算出手段と、前記基準線と三角形のエッジとの距離が前記ラインセンサカメラの各画素に対応して登録されたデータベースと、前記エッジ位置算出手段で求められたエッジ位置と、前記データベースに格納された該エッジ位置における前記基準線から三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法で算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をラインセンサカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出する検出部とを具備してなることを特徴とする。
【0012】
[作用]
本発明は、上記構成によって以下の作用・効果を有する。
【0013】
基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたパターンを具備して基準板を用いることによって、表面検査装置の受光系であるカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを簡単に求めることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係わる表面検査装置及び表面検査装置用調整装置の概略構成を示す図である。
【0016】
表面検査装置の一部である表面検査ヘッド10に通常被検査体が流れる位置に基準板30が設置されている。表面検査ヘッド10は、例えば図に示すように光を照射する光源11と被検査体からの反射光を受光するラインセンサカメラ12から構成されている。なお、光源11からの照明光13は基準板30に入射し、その反射光14はミラー15を介してラインセンサカメラ12に入射する。基準板30は、設計上のラインセンサカメラ12の視野位置に移動できるように基準板移動ステージ16上に設置されている。基準板移動ステージ16はステージコントローラ17で移動が制御される。基準板30が載置される基準板移動ステージ16は、基準板取り付け治具18を介して、表面検査ヘッド10に取り付けられ、表面検査ヘッド10の調整確認を行うときに付けられるようになっている。
【0017】
ラインセンサカメラ12で受光した基準板30の画像は画像処理部19を通してズレ検出部20に送られる。ズレ検出部20には後述するデータが登録されたデータベース21が接続されている。ズレ検出部20でラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出する。
【0018】
表面検査装置は、基準板移動ステージ16,ステージコントローラ17,基準板取り付け治具18,画像処理部19,ズレ検出部20,データベース21とから構成されている。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態に係わる基準板に描かれたパターンを示す平面図である。図2に示すように、基準板30に描かれたパターン31は、基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたものである。この基準板に描かれたパターンは、あらかじめカメラの視野中心にどの位置が来るかを決められてありカメラのn番目の画素に対応した基準線からの距離bn がズレ検出装置のデータベース21に登録されている(図3)。
【0020】
図4(a)に示すような状態で測定を行った場合を考える。この時、画像処理部19で得られるカメラ輝度分布データは、図4(b)に示すようなものになる。この輝度分布データをズレ検出部21に送り、設定されたしきい値に対する輝度の明暗パターンのエッジ位置(図中A1 〜A6 )を求める。明暗パターンのエッジ位置に対応する画素位置から先に説明したデータベース21を参照し、エッジ位置と基準線との距離Bn を求める(図5)。そして、エッジ位置と基準線との距離から最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線の式を求める。
【0021】
t×(エッジ位置)+C=基準線距離
t:最小自乗法で求めた直線の傾き
C:最小自乗法で求めた接片
ここでカメラが回転ズレが生じている場合を考える。図6に示すように、基準線とカメラ視野とが交わることがある。そこで各データからそのまま量小自乗法で求めた場合と、得られたエッジ位置A1 〜An のうち1点だけを順次基準線からの距離を0として最小自乗法で演算し直した場合とで、これらのうちから自乗誤差が最も小さい直線をラインセンサカメラ視野位置とする。
【0022】
自乗誤差=Σ{Bn −(t×An +c)}2
n :各暗部のエッジNo.
An :エッジ位置
Bn :エッジ位置An に対する基準データ(クロスする位置は1点だけ0に置き換える)
t :最小自乗法で求めた直線の傾き
C :最小自乗法で求めた接片
カメラが全くずれておらず、カメラの視野と基準線とが重なった場合、図7に示す様に輝度のパターンが見られないこともある。この場合にはステージを動かしてラインセンサカメラに対する基準板の位置を少しずらし、パターンが見られることを確認する事でカメラが全くずれていないことを確認できる。
【0023】
視野位置の直線を求めた後、視野両端での基準線からのズレ量は最小自乗法で求めた直線の式に視野両端位置を代入しL1 ,L2 を求める(図8)。この値から長手方向ズレ及び回転ズレは以下の式で求まる。
【0024】
長手方向ズレ=(L1 +L2 )/2
回転ズレ(回転角)=sin−1{(|L1 |+|L2 |)/カメラ視野サイズ}
この値があらかじめ設定されている許容値内に入っているかを判断し許容値以内の場合にはOKとし、許容値以上の場合には回転ズレ及び長手方向ズレを調整する。
【0025】
[第2の実施形態]
次に、実際の調整について説明する。
【0026】
図1に示した構成の測定例について説明する。図1に示したラインセンサカメラの構成は図9に示すように3台ずつの組み合わせが基本となり、ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 でほぼ同一視野を見ている。この時、カメラの前には、それぞれ偏光角が異なったフィルターを付けて3つの条件で反射光量を受光している。ラインセンサカメラb1 〜b3 ,c1 〜c3 ,d1 〜d3 も同様である。
【0027】
このように複数台のラインセンサカメラa1 〜a3 ,b1 〜b3 ,c1 〜c3 ,d1 〜d3 が横に並んでいる場合にはカメラ回転ズレ及び長手方向ズレ調整が非常に重要である。今回製作した基準板は検査装置半幅分の大きさで製作してあるため右側半分を測定する場合には基準板取り付け位置を変更する必要がある。
【0028】
ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 について測定した例を図10に示す。先にも示したように各カメラの視野位置はあらかじめ決められているので、基準距離データベースから各エッジ位置での基準線距離を求める。
【0029】
この時ラインセンサカメラa1 ,a2 はあるしきい値を決めて求めることが出来るが、ラインセンサカメラa3 は輝度のパターンが得られない。この場合、ラインセンサカメラがずれていない可能性があるためステージを使って基準板を1mm移動させたところ輝度パターンが得られた。またマイナス方向に基準板を移動させてみると輝度パターンが得られた。以上からラインセンサカメラa3 についてはズレが生じていないことが確認できる。
【0030】
また、ラインセンサカメラa1 ,a2 については基準線距離データとエッジ位置から最小自乗法で直線を求め。また各エッジ位置の基準線距離を順次0にした時の各直線を求めてその自乗誤差を比較し一番小さい値を使ってラインセンサカメラa1 ,a2 それぞれの視野両端位置L1 ,L2 を求めた結果を以下に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から判るように、長手方向ズレはラインセンサカメラa1 の視野が0.25mmずれているだけであった。今回確認した装置では装置の長手方向分解能を3mmで設計をしているため長手方向ズレに関してはラインセンサカメラa1 からラインセンサカメラa3 全て許容内であることが確認できた。また回転ズレに関しても|L1 |+|L2 |で見てみると、最もズレが大きいラインセンサカメラa1 でも2.5であり、長手方向ズレを考慮してもズレ量は2.75mmで分解能3mmの許容内に入っており、カメラa2 ,a3 は長手方向分解能以内のため問題ないことが確認できた。
【0033】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたパターンを具備して基準板を用いることによって、表面検査装置の受光系であるカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを簡単に求めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる表面検査装置及び表面検査装置用調整装置の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施形態に係わる基準板に描かれたパターンを示す平面図。
【図3】ラインセンサカメラのn番目の画素に対応した基準線からの距離bn が登録されたデータベースの概念を示す図。
【図4】図4(a)は測定状態の概要を示す図、図4(b)は画像処理部で得られるラインセンサカメラ輝度分布データを示す図。
【図5】暗部エッジ位置からの基準板距離の参照例を示す図。
【図6】基準板の基準線とラインセンサカメラ視野とが交わった状態を示す図。
【図7】ラインセンサカメラの視野と基準板の基準線とが重なって輝度のパターンが見られない状態を示す図。
【図8】回転ズレ、長手方向ズレが生じている例を示す図。
【図9】第2の実施形態に係わるカメラの配置構成を示す図。
【図10】ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 を用いた基準板を測定した例を示す図。
【図11】従来の基準板の概略構成を示す図。
【符号の説明】
10…表面検査ヘッド
11…光源
12…ラインセンサカメラ
13…照明光
14…反射光
15…ミラー
16…基準板移動ステージ
17…ステージコントローラ
18…基準板取り付け治具
19…画像処理部
20…ズレ検出部
21…データベース
30…基準板
31…パターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄鋼板等の被検査体の表面疵を光学的に検出する表面疵検出装置において表面検査装置の調整方法及び表面検査装置用調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板等の表面検査では、被検査体に光を照射してこの被検査面から反射光をカメラで受光し、受光した光を解析する事によって、被検査面に存在する表面疵を光学的に検出する表面検査装置が提案されている。
【0003】
このような表面検査装置では、装置の設置時に光を照射する照明系及び反射光を受光するカメラ等の受光采の調整を最適になるように調整している。また経時変化等により照明系、受光系にズレが生じていないかを定期的に検査、調整を行っている。
【0004】
調整方法の従来技術としては特開平08−136473号公報に開示されている技術が存在する。この技術は、離れた位置に第1及び第2の線M,Nがありさらにその間に幅の異なる少なくとも2本の線a,b,cを平行に引いた基準板40(図11)を使い、カメラのピント確認、視野幅確認、カメラからの電気信号が幅方向で一定になるように、出力の調整、確認を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術では受光系のピント、視野幅、出力調整の確認はできるが、受光カメラの回転ズレや、被検査体を検査する長手方向へのズレ量を確認することができないという課題があった。
【0006】
回転ズレや長手方向ズレは薄鋼板のようなシート状の被検査体を連続的に検査する場合に使われるラインセンサカメラ等を使った場合に必要な調整項目であり特に複数台のカメラを横に並べて使用した場合には重要な調整項目である。
【0007】
本発明の目的は、表面検査装置の受光カメラの回転ズレ及び長手方向ズレの確認し得る基準板を用いた表面検査装置の調整方法及び表面検査装置用調整装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[構成]
本発明は、上記目的を達成するために以下のように構成されている。
【0010】
本発明は、表面にラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板を被検査体が測定を行う位置に設置するステップと、前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射するステップと、照明光が照射された前記基準板面の光学画像をラインセンサカメラで撮影し、該光学画像を電気的信号に変換するステップと、前記ラインセンサカメラで変換された電気的信号から輝度分布を得るステップと、前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるステップと、求められたエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離を求めるステップと、求められた複数のエッジ位置と、それぞれのエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出するステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明は、被検査体に対して光源から光を照射し、該被検査体からの反射光をラインセンサカメラで受光し、受光した光を解析して被検査体の表面に存在する表面疵を検出する表面検査装置の前記ラインセンサカメラのズレを調整する表面検査装置用調整装置であって、表面に前記ラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板と、この基準板を前記被検査体の検査が行われる位置に設置する取り付け治具と、前記光源から前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射し、前記カメラが撮影した前記基準板面からの反射光像から、輝度分布を得る手段と、前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるエッジ位置算出手段と、前記基準線と三角形のエッジとの距離が前記ラインセンサカメラの各画素に対応して登録されたデータベースと、前記エッジ位置算出手段で求められたエッジ位置と、前記データベースに格納された該エッジ位置における前記基準線から三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法で算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をラインセンサカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出する検出部とを具備してなることを特徴とする。
【0012】
[作用]
本発明は、上記構成によって以下の作用・効果を有する。
【0013】
基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたパターンを具備して基準板を用いることによって、表面検査装置の受光系であるカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを簡単に求めることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係わる表面検査装置及び表面検査装置用調整装置の概略構成を示す図である。
【0016】
表面検査装置の一部である表面検査ヘッド10に通常被検査体が流れる位置に基準板30が設置されている。表面検査ヘッド10は、例えば図に示すように光を照射する光源11と被検査体からの反射光を受光するラインセンサカメラ12から構成されている。なお、光源11からの照明光13は基準板30に入射し、その反射光14はミラー15を介してラインセンサカメラ12に入射する。基準板30は、設計上のラインセンサカメラ12の視野位置に移動できるように基準板移動ステージ16上に設置されている。基準板移動ステージ16はステージコントローラ17で移動が制御される。基準板30が載置される基準板移動ステージ16は、基準板取り付け治具18を介して、表面検査ヘッド10に取り付けられ、表面検査ヘッド10の調整確認を行うときに付けられるようになっている。
【0017】
ラインセンサカメラ12で受光した基準板30の画像は画像処理部19を通してズレ検出部20に送られる。ズレ検出部20には後述するデータが登録されたデータベース21が接続されている。ズレ検出部20でラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出する。
【0018】
表面検査装置は、基準板移動ステージ16,ステージコントローラ17,基準板取り付け治具18,画像処理部19,ズレ検出部20,データベース21とから構成されている。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態に係わる基準板に描かれたパターンを示す平面図である。図2に示すように、基準板30に描かれたパターン31は、基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたものである。この基準板に描かれたパターンは、あらかじめカメラの視野中心にどの位置が来るかを決められてありカメラのn番目の画素に対応した基準線からの距離bn がズレ検出装置のデータベース21に登録されている(図3)。
【0020】
図4(a)に示すような状態で測定を行った場合を考える。この時、画像処理部19で得られるカメラ輝度分布データは、図4(b)に示すようなものになる。この輝度分布データをズレ検出部21に送り、設定されたしきい値に対する輝度の明暗パターンのエッジ位置(図中A1 〜A6 )を求める。明暗パターンのエッジ位置に対応する画素位置から先に説明したデータベース21を参照し、エッジ位置と基準線との距離Bn を求める(図5)。そして、エッジ位置と基準線との距離から最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線の式を求める。
【0021】
t×(エッジ位置)+C=基準線距離
t:最小自乗法で求めた直線の傾き
C:最小自乗法で求めた接片
ここでカメラが回転ズレが生じている場合を考える。図6に示すように、基準線とカメラ視野とが交わることがある。そこで各データからそのまま量小自乗法で求めた場合と、得られたエッジ位置A1 〜An のうち1点だけを順次基準線からの距離を0として最小自乗法で演算し直した場合とで、これらのうちから自乗誤差が最も小さい直線をラインセンサカメラ視野位置とする。
【0022】
自乗誤差=Σ{Bn −(t×An +c)}2
n :各暗部のエッジNo.
An :エッジ位置
Bn :エッジ位置An に対する基準データ(クロスする位置は1点だけ0に置き換える)
t :最小自乗法で求めた直線の傾き
C :最小自乗法で求めた接片
カメラが全くずれておらず、カメラの視野と基準線とが重なった場合、図7に示す様に輝度のパターンが見られないこともある。この場合にはステージを動かしてラインセンサカメラに対する基準板の位置を少しずらし、パターンが見られることを確認する事でカメラが全くずれていないことを確認できる。
【0023】
視野位置の直線を求めた後、視野両端での基準線からのズレ量は最小自乗法で求めた直線の式に視野両端位置を代入しL1 ,L2 を求める(図8)。この値から長手方向ズレ及び回転ズレは以下の式で求まる。
【0024】
長手方向ズレ=(L1 +L2 )/2
回転ズレ(回転角)=sin−1{(|L1 |+|L2 |)/カメラ視野サイズ}
この値があらかじめ設定されている許容値内に入っているかを判断し許容値以内の場合にはOKとし、許容値以上の場合には回転ズレ及び長手方向ズレを調整する。
【0025】
[第2の実施形態]
次に、実際の調整について説明する。
【0026】
図1に示した構成の測定例について説明する。図1に示したラインセンサカメラの構成は図9に示すように3台ずつの組み合わせが基本となり、ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 でほぼ同一視野を見ている。この時、カメラの前には、それぞれ偏光角が異なったフィルターを付けて3つの条件で反射光量を受光している。ラインセンサカメラb1 〜b3 ,c1 〜c3 ,d1 〜d3 も同様である。
【0027】
このように複数台のラインセンサカメラa1 〜a3 ,b1 〜b3 ,c1 〜c3 ,d1 〜d3 が横に並んでいる場合にはカメラ回転ズレ及び長手方向ズレ調整が非常に重要である。今回製作した基準板は検査装置半幅分の大きさで製作してあるため右側半分を測定する場合には基準板取り付け位置を変更する必要がある。
【0028】
ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 について測定した例を図10に示す。先にも示したように各カメラの視野位置はあらかじめ決められているので、基準距離データベースから各エッジ位置での基準線距離を求める。
【0029】
この時ラインセンサカメラa1 ,a2 はあるしきい値を決めて求めることが出来るが、ラインセンサカメラa3 は輝度のパターンが得られない。この場合、ラインセンサカメラがずれていない可能性があるためステージを使って基準板を1mm移動させたところ輝度パターンが得られた。またマイナス方向に基準板を移動させてみると輝度パターンが得られた。以上からラインセンサカメラa3 についてはズレが生じていないことが確認できる。
【0030】
また、ラインセンサカメラa1 ,a2 については基準線距離データとエッジ位置から最小自乗法で直線を求め。また各エッジ位置の基準線距離を順次0にした時の各直線を求めてその自乗誤差を比較し一番小さい値を使ってラインセンサカメラa1 ,a2 それぞれの視野両端位置L1 ,L2 を求めた結果を以下に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から判るように、長手方向ズレはラインセンサカメラa1 の視野が0.25mmずれているだけであった。今回確認した装置では装置の長手方向分解能を3mmで設計をしているため長手方向ズレに関してはラインセンサカメラa1 からラインセンサカメラa3 全て許容内であることが確認できた。また回転ズレに関しても|L1 |+|L2 |で見てみると、最もズレが大きいラインセンサカメラa1 でも2.5であり、長手方向ズレを考慮してもズレ量は2.75mmで分解能3mmの許容内に入っており、カメラa2 ,a3 は長手方向分解能以内のため問題ないことが確認できた。
【0033】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基準線を中心にして上下に互い違いに三角形が描かれたパターンを具備して基準板を用いることによって、表面検査装置の受光系であるカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを簡単に求めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる表面検査装置及び表面検査装置用調整装置の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施形態に係わる基準板に描かれたパターンを示す平面図。
【図3】ラインセンサカメラのn番目の画素に対応した基準線からの距離bn が登録されたデータベースの概念を示す図。
【図4】図4(a)は測定状態の概要を示す図、図4(b)は画像処理部で得られるラインセンサカメラ輝度分布データを示す図。
【図5】暗部エッジ位置からの基準板距離の参照例を示す図。
【図6】基準板の基準線とラインセンサカメラ視野とが交わった状態を示す図。
【図7】ラインセンサカメラの視野と基準板の基準線とが重なって輝度のパターンが見られない状態を示す図。
【図8】回転ズレ、長手方向ズレが生じている例を示す図。
【図9】第2の実施形態に係わるカメラの配置構成を示す図。
【図10】ラインセンサカメラa1 ,a2 ,a3 を用いた基準板を測定した例を示す図。
【図11】従来の基準板の概略構成を示す図。
【符号の説明】
10…表面検査ヘッド
11…光源
12…ラインセンサカメラ
13…照明光
14…反射光
15…ミラー
16…基準板移動ステージ
17…ステージコントローラ
18…基準板取り付け治具
19…画像処理部
20…ズレ検出部
21…データベース
30…基準板
31…パターン
Claims (2)
- 表面にラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板を被検査体が測定を行う位置に設置するステップと、
前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射するステップと、
照明光が照射された前記基準板面の光学画像をラインセンサカメラで撮影し、該光学画像を電気的信号に変換するステップと、
前記ラインセンサカメラで変換された電気的信号から輝度分布を得るステップと、
前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるステップと、
求められたエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離を求めるステップと、
求められた複数のエッジ位置と、それぞれのエッジ位置における前記基準線からの三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出するステップとを含むことを特徴とする表面検査装置の調整方法。 - 被検査体に対して光源から光を照射し、該被検査体からの反射光をラインセンサカメラで受光し、受光した光を解析して被検査体の表面に存在する表面疵を検出する表面検査装置の前記ラインセンサカメラのズレを調整する表面検査装置用調整装置であって、
表面に前記ラインセンサカメラの視野範囲以上の長さの基準線を中心にして上下に互い違いに複数の三角形が描かれたパターンを具備する基準板と、
この基準板を前記被検査体の検査が行われる位置に設置する取り付け治具と、
前記光源から前記基準板表面のパターンに対して照明光を照射し、前記カメラが撮影した前記基準板面からの反射光像から、輝度分布を得る手段と、
前記輝度分布から任意のしきい値に対する明暗パターンのエッジ位置を複数求めるエッジ位置算出手段と、
前記基準線と三角形のエッジとの距離が前記ラインセンサカメラの各画素に対応して登録されたデータベースと、
前記エッジ位置算出手段で求められたエッジ位置と、前記データベースに格納された該エッジ位置における前記基準線から三角形のエッジの距離とから最小自乗法によりラインセンサカメラ視野の直線式を算出した場合と前記得られたエッジ位置のうち1点のみを順次基準線からの距離0として最小自乗法で算出した場合とを比較し、自乗誤差の最も小さい直線をラインセンサカメラ視野位置と決定し、前記直線に視野両端位置を代入して、前記ラインセンサカメラの回転ズレ及び長手方向ズレを検出する検出部とを具備してなることを特徴とする表面検査装置用調整装置。
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