JP3591342B2 - 太陽電池モジュールとその製造方法および製造装置 - Google Patents

太陽電池モジュールとその製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐久性に優れたフレキシブルな太陽電池モジュールとその製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池はクリーンエネルギー源として期待されている。なかでも形状の自由度の高いフレキシブルな太陽電池はガラス等の透光性基板、建築物やシート状レジャー用品等に接着固定しやすく、利用価値が高い。
太陽電池は屋外で用いられることが多く、耐候性が必要である。
【0003】
フレキシブルな太陽電池モジュール(以下モジュールと記す)はフレキシブル基板とその上に形成された多数の太陽電池素子からなる太陽電池ユニット(以下ユニットと記す)がシート状に形成されたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAと記す)からなる封止シートで封止されて、またはさらに耐候性の樹脂シートで被覆されてなり、耐久性を向上されている。
【0004】
本件の出願人はフレキシブルなモジュールの巻き取り可能なロール搬送式の製造方法および製造装置を既に開示している。図7は従来のロール搬送式の太陽電池モジュールの製造装置を模試的に示す搬送方向に沿っての断面図である。あらかじめ積層された表面耐候性体シートと接着材シートの積層シートF1はロールR1から、主配線13はロールR3から繰り出され、重ねられる。シートF1上にユニットマウント部でユニット11が、例えば10mm間隔で、搭載され、ついで従配線12が主配線13とユニットの電極とに重ねて貼り付けられる。さらに、ロールR2から繰り出されるあらかじめ積層された背面防湿フィルムと接着材シートの積層シートF2により被覆される。そして、圧着ロールRpで加熱加圧され仮接着された後、真空ラミネーター部L1で真空脱気および加熱架橋が行われラミネートされてモジュールMjとされ、その後モジュールを巻き取るために冷却されて巻き取りロールR4に巻き取られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
真空ラミネート部でのEVAの架橋反応を利用した硬化条件は、通常150 ℃、15分であり、冷却時間は約15分である。このように高温と長時間(150 ℃、約30分)が必要であり、また真空脱気工程を含むため製造工程はいわゆるバッチ式になり製造時間が長いなどの問題点がある。
【0006】
またEVAのシートは、EVA原料に架橋剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤、また接着性を向上させるためのシラン化合物が配合され、押し出し加工によりシート化されると同時に、表面に自己融着を防止するための凹凸加工が必要なため高価である。
【0007】
EVAの架橋反応時間を短縮するためには、低温分解性過酸化物をEVAに添加する方法が提案されている。しかし材料寿命を長くし、架橋時間を短縮しようとすると過酸化物の活性化エネルギーを大きくしなければならず、架橋時間を15分より短くしようとするとより過酸化物の急激な分解により気泡が発生する問題点があった。真空ラミネーターの能力にもよるが、真空ラミネーターのサイクルは、30分から50分である。さらに、EVAは一度押し出し機で加熱され溶融して押出し成形用金型より押し出された後、冷却してフィルム化された後、再度モジュール化の際に再度加熱されるため、熱効率が悪いという問題もある。
【0008】
ユニットとその製造方法は、本件の出願人により特開平6−342924号公報に開示されている。この際フレキシブルなプラスチック基板上に蒸着された金属電極層との密着力が信頼性上重要である。十分な接着力を得るためには、プラスチック基板の選定が重要である。
本発明の目的は、高速で連続生産が可能であり、モジュール製造時の熱効率の良いモジュール製造方法と製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、フレキシブルなプラスチック基板とその上に形成された太陽電池素子からなる太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの電極に接続された配線を有する中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体を用いて被覆する太陽電池モジュールの製造方法において、前記中間シートが押出し成形用金型の供給口から入り押し出し口を通過するまでの間に、その両面に向けて可塑化された耐候性樹脂ゴム弾性体を押し出し、耐候性樹脂ゴム弾性体とともに前記押し出し口を通過することによって、前記中間シートの両面にシート状の耐候性樹脂ゴム弾性体が密着するようにする。
【0010】
フレキシブルなプラスチック基板とその上に形成された太陽電池素子からなる太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの電極に接続された配線を有する中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体を用いて被覆する太陽電池モジュールの製造方法において、押出し成形用金型から前記中間シートの両面に向けてシート状に押出し成形した直後の粘着性を有する耐候性樹脂ゴム弾性体を、前記中間シートの両側から圧着することとする。
【0011】
前記中間シートは、太陽電池素子が形成された長尺のままのフレキシブルなプラスチック基板と電極に前記配線が施されたものであると良い。
前記中間シートは、個別化された太陽電池ユニットの基板を互いに端部を接着して長尺化した後、前記配線が施されたものであると良い。
前記中間シートは、連続した長尺の支持シートの1面に個別化された前記太陽電池ユニットが固着され、他の面上に前記配線が施されたものであると良い。
【0012】
前記配線は、前記中間シートの太陽電池ユニットの受光面の反対面上に、絶縁性の着剤層または粘着剤層と導電性薄板の積層体のテープからなる主配線が固定され、さらにこの導電性薄板と所定の背面電極とが導電性粘着テープまたは導電性接着テープからなる従配線により電気的に接続されることによって行われると良い。
【0013】
前記主配線と前記従配線の接続は支持シートの所定の背面電極対応部分に開けた穴の中で行われると良い。
前記支持シートは芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエステル系樹脂またはポリイミドからなると良い。
【0014】
前記耐候性樹脂ゴム弾性体は、分子中に架橋性エチレン、架橋性塩化ビニリデンまたは架橋性弗化ビニリデンを含む透明プラスチックであると良い。
前記耐候性樹脂ゴム弾性体はエチレン酢酸ビニル共重合体であり、エチレン酢酸ビニル共重合体の架橋反応には紫外線または電子線を照射すると良い。
【0015】
前記耐候性樹脂ゴム弾性体は分解半減期が1時間以下となる温度が110 ℃以下である過酸化物を含有するエチレン酢酸ビニル共重合体であると良い。
前記耐候性樹脂ゴム弾性体はテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体であり、前記被覆後冷却して固化すると良い。
【0016】
前記耐候性樹脂ゴム弾性体はテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体であり、電子線を照射して架橋反応を行うと良い。
前記太陽電池モジュールの受光面側の耐候性樹脂ゴム弾性体には補強材としてガラス繊維またはガラス織布が埋め込まれており、その厚みは0.7 mm以下0.2 mm以上であると良い。
【0017】
前記受光面とは反対側面の耐候性樹脂ゴム弾性体には補強剤として、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維の不織布または織布が埋め込まれていると良い。
前記太陽電池ユニットのフレキシブルプラスチックフィルム基板は、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミドまたはポリイミドからなり、かつ光透過率は50% 以下、かつ線膨張係数は 2×10−5/℃以下、フィルム厚さは60μm 以下であると良い。
【0018】
前記耐候性樹脂ゴム弾性体の被覆の直後に、さらに耐候性プラスチックフィルムを太陽電池モジュールの片面または両面に貼り付けると良い。
前記被覆により製造された太陽電池モジュールをロールに巻き取ると良い。
【0019】
太陽電池モジュールの第1の製造方法を実施する製造装置において、前記押し出し成形用金型は、近傍が十分に冷却された供給口と、前記中間シートの搬送速度より流動速度が小さくなるように前記耐候性樹脂ゴム弾性体を押出す押出し口を有することとする。
【0020】
太陽電池モジュールの第2の製造方法を実施する製造装置において、前記中間シートの両面に向けて耐候性樹脂ゴム弾性体をシート状に押し出す一対の押出し成形用金型と、前記押出し成形用金型から押し出されたシート状の耐候性樹脂ゴム弾性体を前記中間シートの両面に圧着する一対のロールを備えたこととする。
【0021】
上記の太陽電池モジュールの製造方法により製造された太陽電池モジュールであって、前記配線は背面電極群の領域内に収められていることとする。
本発明によれば、次のような作用によりそれぞれの効果が期待できる。
このように連続した中間シートを、押し出し成形した耐候性樹脂ゴム弾性体シートを連続して被覆したため、モジュールの製造は極めて高速化される。
【0022】
また、押出し成形用金型の中でまたはシート化直後の耐候性樹脂ゴム弾性体の可塑化物が、中間シートを包むように圧接するので、気泡は発生せず、外観不良は少なくまた、モジュールの信頼性は高い。
【0023】
加熱ロールを押し出し機の近傍に配置することにより、僅かな加熱エネルギーで半溶融の耐候性樹脂ゴム弾性体の表面に、ロールの圧接作用により、耐候性フィルムを気泡なく貼付けられる。さらに本方法でモジュール化したものは、原因は不明であるが、表面にシワの発生がない。
【0024】
耐候性樹脂ゴム弾性体の可塑化(高温化)の手段として押し出し成形機を用い、モジュールの製造の最終工程で1回の冷却工程を行うのでモジュール製造における熱効率は良い。
【0025】
紫外線架橋または電子線架橋を行うこととにより、押し出し成形時より低い温度で架橋できる。このため、特に架橋時にモジュールを加圧しなくとも気泡の発生がない。またテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体(THV)では、冷却硬化のみで良く、工程は簡便である。
【0026】
フレキシブルプラスチック基板a−Si太陽電池ユニットのフレキシブルプラスチック基板の熱膨張係数とフレキシブルプラスチック基板a−Si太陽電池ユニット固定用連続な絶縁性体シートの熱膨張係数の差をできるだけ少なくすることにより、製造時および屋外使用で生じる温度差で発生する熱応力を少なくできる。
【0027】
太陽電池ユニットをフレキシブルプラスチック基板a−Si太陽電池で構成し、前記太陽電池ユニットを構成したシート状支持体をコアーに巻かれた状態で押し出し機に供給し、最終工程で巻き取る工程とすることにより連続工程とすることができる。
【0028】
太陽電池モジュールの表面の実効弾性率を小さくすることにより、表面を伸ばすための応力が低下し、巻き取りし易くなる。
太陽電池モジュールの厚みを薄くすることにより、同じ曲率で曲げた場合でも表面伸びが少なくなり曲げ易くなる。
配線を発電領域の中に収めたので、面積当たりの発電効率が高い。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる太陽電池ユニットとしては、フレキシブルなプラスチックフィルム基板を使用した太陽電池であれば良い。これらの代表例として、a−Siを用いた太陽電池ユニットがある。本発明に用いられるa−Si太陽電池としては、特開平6−342924号公報に開示のプラスチックフィルム基板上でa−Si太陽電池素子の直列接続が形成されている太陽電池が好ましい。
図3はフレキシブルプラスチックフィルム基板を使用した太陽電池ユニットを示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるxX断面図である。
【0030】
以下ユニットの製造工程について説明する。
ポリパラフェニレンテレフタルアミド(アラミドフィルム、光透過率35% )からなる厚み50μm 、幅500mm 、長さ200 m のフレキシブルなプラスチック基板1aに直径1.5 φの貫通孔h1を抜き加工により連続的に開けた。そしてプラスチック基板1aの両面に銀電極層を連続的に蒸着により成膜し、第1電極層1bおよび第2電極層1cとした。次に、貫通孔h2を開孔後、第1電極層をレーザー加工し、分離線1iを形成した。そしてシランガスなどのプラズマCVD によりa−Si光電変換層1dを成膜し、第3電極層1e(ITOからなる透明導電膜)、 ニッケルからなる第4電極層1fを成膜した。そして太陽電池素子を形成するためにレーザー加工により分離線1iより幅狭い分離線1kを形成した。さらに背面電極層をレーザ加工し分離線1jをいれ、第3電極および第4電極を形成し、太陽電池素子の直列接続を完成した。直列接続の両端の電極が出力電極Eoとなる。適当な直列接続数を太陽電池ユニットUとした。
【0031】
本発明に用いられる太陽電池ユニットの少なくとも受光面側の金属電極については、a−Siで覆われ露出しないことが重要である。このため、第一電極層1bにおけるレーザー加工幅(分離線1i)は、a−Siのレーザー加工幅の1.3 倍以上である必要がある。切断後のユニットの変形防止のため必要によりa−Si側に封止樹脂(EVA等)をロールラミネートする場合もある。そして太陽電池としての特性を測定した後、裁断して約500mm ×800mm のユニットに個別化する。
【0032】
太陽電池ユニットの各部の接着性を向上させるために、シラン系、チタン系などの接着助材(カップリング剤)を塗布する。
【0033】
このような太陽電池ユニットの各構成要素とフレキシブルプラスチック基板との接着強度の安定性もまたモジュールの信頼性への影響が大きい。プラスチック基板としては、芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリアミドイミドが好適である。フレキシブルプラスチック基板と銀、クロム、ニッケル等の蒸着金属との初期接着強度は、通常蒸着温度が高い方が良く、150 ℃から350 ℃の基板温度で蒸着される。通常のプラスチック基板では、その熱膨張係数が大きいため、高温で蒸着した場合、太陽電池が通常使用される20℃から100 ℃の温度範囲では、その初期接着強度は、冷却により発生する熱応力のため、顕著に低くなる。このためフレキシブルプラスチック基板の好ましい熱膨張係数(室温から150 ℃の範囲) としては、 2×10−5/K以下、より好ましくは、 1×10−5/K以下である。金属の熱膨張係数は、150 ℃〜300 ℃の範囲では、 2×10−5/K前後であるが、プラスチックの場合は、急激に熱膨張が大きくなる200 ℃以上での高温でのフィルムとしての熱収縮率が小さい材料が良く、好ましくは、0.2%以下より好ましくは、0.12%以下である。これ以上の熱膨張係数、熱収縮率になると、フレキシブル基板上に構成された金属電極との接着性が悪くなる問題がある。また、ユニットまたはモジュールが設置作業時に加えられる引っ張り力に耐えられるためには、フレキシブル基板の厚みは25μm 以上であることが好ましい。一方、ロールへの巻き取りや、曲率半径の小さい設置場所への適合性からは殆ど制限はないが、フィルムの製造面からは200 μm が限度である。
【0034】
またフレキシブルプラスチック基板に要求される基板として、重要なことは、イオン性不純物が少ないことである。好ましい温水抽出性イオン性不純物量としては、ハロゲン化合物等の陰イオン抽出物の合計が、試料1g当たり20μg以下、ナトリウム、カリウム、アンモニウムとうの陽イオン抽出物の合計が、試料1g当たり40μg以下であることが好ましい。
【0035】
本発明に係る太陽電池ユニットのモジュール化(後で詳細に説明する)においては、耐候性樹脂ゴム弾性体による被覆は耐候性樹脂ゴム弾性体を押し出し成形機によりシートに成形すると同時または成形した直後に行うので、耐候性樹脂ゴム弾性体はまだ硬化していない。そのため、被覆時には、実質的に連続化されていること、および太陽電池ユニットおよび配線は相互の位置がずれないようになんらかの支持シートに固定されていることが必要である。太陽電池ユニットおよび配線およびこれらが固定された連続した長尺のシートを中間シートということにする。
【0036】
中間シートは太陽電池ユニットの個別化される前の連続した基板自体であるか、または個別化された太陽電池ユニットを搭載された連続した樹脂シートであり、次に説明する3つの形態がある。
【0037】
図4は連続した太陽電池ユニットの中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。 1枚の長尺の連続したフレキシブル基板1a自体が中間シートSmの支持部材である。太陽電池素子C(図3における第1電極1b、光電変換層1dおよび第3電極1eの3層部分)が、裏面には複数の電極Eが蒸着により形成されており、金属箔リボンからなる主配線2aは絶縁性の接着材または粘着材のリボンからなる固定部材2bにより電極Eと導通しないように電極Eの上に基板1a長手方向に固定されている。導電性接着剤付きの金属箔からなる従配線3は太陽電池ユニットUの所定の出力電極Eoと主配線2aとを接続して、各太陽電池ユニットUの出力を並列接続している。
【0038】
本方法が本発明の実施形態としては理想的であるが、現状では次の問題点がある。太陽電池ユニットの製造歩留まりが100%でないため、不良ユニットの除去ができない。その対策として以下の2種は特性が確認された良好なユニットのみを用いた中間シートがある。
【0039】
図5は個別の太陽電池ユニットを再度接続した中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。
個別化された太陽電池ユニットUの基板の端部を接着または融着して1枚の再び連続化して支持部材(支持シート)としたものであり、その他は図1に同じである。
【0040】
この方法には次の問題点がある。中間シート化する際に接合部に段差ができる。段差はモジュール製造時に気泡等の発生原因、巻き取り時の特性変化原因、外観不良原因となる。融着の場合は、融着部の金属電極等を除去する必要がある。接着の場合は接着部の金属電極等を除去しなくてもよいが、個別モジュールに切断した場合、蒸着金属断面が露出する。
【0041】
図6は個別の太陽電池ユニットを他の支持シートに搭載した中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。連続した支持シート4aの一面には接着材シート4bにより複数の個別化された太陽電池ユニットUが固定され、他の面には2本の主配線2aが固定部材2bにより固定されている。支持シート4aと接着材シート4bの太陽電池ユニットUの所定の電極部に対向する部分に開けられた接続用穴Hの中で從配線3は出力電極Eoと主配線2aとを接続している。こうして各太陽電池ユニットUの並列接続がなされている。
本方法は主配線を支持シートのユニットを接着固定する反対面にあらかじめ、固定しておくことができ、作業性が良好となる。
【0042】
次に太陽電池ユニットを固定する支持シート4aの材料について述べる。
支持シート用材料としては、押し出し成形時の温度においても十分な引張り強度が必要である。高温での引張り強度が、強い材料としては、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー類またはポリイミド等がある。これらのシート厚みとして10μm から100 μm が好適である。これらの材料のうち特に熱膨張係数が 4×10−5/K以下が好ましく、より好ましくは、 3×10−5/K以下である。熱膨張係数が 4×10−5/K以上では太陽電池モジュールへの熱サイクルの際に発生する応力が大きくなり、変形やそれに伴う短絡や高抵抗化などが生ずる問題がある。この点からは支持シートの材料は太陽電池ユニットに用いたフレキシブルプラスチックフィルム基板と同一とすることが好ましい。さらにこれらシートの表面は、接着性向上の目的で、コロナ放電処理、化学的処理、接着助材の塗布等の表面処理が行われていることが好ましい。
【0043】
支持シートへの太陽電池ユニットの固定に用いる接着部材4bには、THV、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂またはアクリル樹脂等からなるのシート状または液状接着材、または耐熱性粘着材を用いることができる。
【0044】
本発明に係る上記の中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体により被覆する、すなわち太陽電池ユニットのモジュール化には、次の2つの方法がある。
第1の方法では、耐候性樹脂ゴム弾性体による被覆は、耐候性樹脂ゴム弾性体の押し出し成形機によるシート化と同時に行われる。第2の方法では、耐候性樹脂ゴム弾性体による被覆は、耐候性樹脂ゴム弾性体の押し出し成形機によるシート化の直後に行われる。
【0045】
図1は本発明に係る第1の方法の太陽電池モジュールの製造装置を模式的に示す断面図である。
モジュール製造装置では、1つの押し出し型(押出し成形用金型)T1を共有する2台の押し出し成形機Mが主要部である。その中間シート搬送上手には中間シートを供給するロールRmが備えられている。押出し成形用金型の搬送下手には、必要により、表面保護膜供給部Raまたは/および背面保護膜供給部Rbとこれらの保護膜を一体化するロールRtが備えられる。そして耐候性樹脂ゴム弾性体を加熱して架橋する硬化装置B、次いで冷却する冷却ロールRc、最後にモジュールMjを巻き取るロールReが備えられる。
【0046】
ただし、押し出し成形機を押出し成形用金型の押し出し方向に直交するように配置した場合は押し出し成形機は1台とすることも可能である。
押し出し成形機Mは、通常のプラスチックシート押し出し用の成形機を用いることができる。押し出し成形機が2台の場合は、2台の押し出しスピードが同じに調整できる制御装置を備えていることが好ましい。
【0047】
押出し成形用金型T1の耐候性樹脂ゴム弾性体押し出し口Toの反対面には中間シートの供給口Tiが設けられている。押し出し機の加熱されて可塑化され耐候性樹脂ゴム弾性体はスクリュー部で加圧され、押出し成形用金型の樹脂押し出し口Toから中間シートの移動速度に合わせて押し出される。中間シートは供給口Tiから入り、可塑化された耐候性樹脂ゴム弾性体と共に押し出し口Toを通過し、中間シートの両面に耐候性樹脂ゴム弾性体シート5が付着される。耐候性樹脂ゴム弾性体は押し出す時に圧接され、耐候性樹脂ゴム弾性体シート5は、中間シートの周囲に気泡なく密着してされる。この押出し成形用金型の特長は、中間シート供給口からの耐候性樹脂ゴム弾性体の流出を防止するために、中間シート供給口の近傍は十分に冷却されて、中間シートの搬送速度より流動速度を小さくなるようにしてあることである。
【0048】
図2は本発明に係る第2の方法の太陽電池モジュールの製造装置を模式的に示す断面図である。
第1の方法と違って、2つの押出し成形用金型T2は独立しており、それぞれに耐候性樹脂ゴム弾性体はシート化され、シート化された直後に、ロールRpにより中間シートに圧着される。
【0049】
以降、いずれかの方法によって耐候性樹脂ゴム弾性体に被覆された中間シートはさらに表面保護膜6aまたは/および背面保護膜6bに被覆される。供給ロールRaまたは/およびRbから供給された表面保護膜6aまたは/および背面保護膜6bは、ロールRtにより耐候性樹脂ゴム弾性体と一体化される。耐候性樹脂ゴム弾性体がロールRtに到達するときには、まだ可塑化された状態であるので、薄い表面保護膜のみを加熱できる程度の少ない熱量をロールRtから供給するだけで十分な接着力が得られる。
【0050】
ついで耐候性樹脂ゴム弾性体シート5は、硬化装置Bにより加熱され架橋され、耐候性を付与されてから、ロールReに巻き取られる。
モジュール化の際ユニットに懸かる応力を少なくする手段の1つは弾性率の小さい耐候性樹脂ゴム弾性体を用いることである。本発明者は実験から、弾性率が7000MPa 以下、より好ましくは500MPa、もっとも好ましくは0.1 から20MPa とすれば良いことを確認した。
【0051】
また、耐候性樹脂ゴム弾性体は太陽電池ユニットの構成材料であるAg、Ni等の金属、ガラス、ITO等の金属酸化物との接着性が優れていることが好ましい。これらのシート状接着材の具体例としては、EVA、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンクロライド共重合体(THV)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0052】
これらの耐候性樹脂ゴム弾性体には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、カップリング剤が配合される。
架橋剤である過酸化物としては、パーヘキサ3M、パーヘキサC,パーヘキサO 、パーヘキサV 、パーブチルC 、パークイミルD 、パーブチルC 、パーブチルP (以上日本オイル(株) の商品名)等があげられる。
【0053】
カップリング剤の選定は、強力な接着力を得るためには重要である。シート状接着材には、次のカップリング剤を用いることができる、
ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン
ビニルトリエトキシシラン
ビニルトリメトキシシラン
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
β−(3,4−エポキシエポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
メトキシシラン。
【0054】
シランカップリング剤は、通常EVAをシート化後、塗布または、含侵により表面に付着される。この選定で注意することは、ユニットと直接接するため、イオン化しやすく、クロル等のハロゲン、アミノ基、メルカプト基を含有するものは、a−Si、金属電極に影響を与えるため使用しない方が好ましいことである。
【0055】
さらに好ましい耐候性樹脂ゴム弾性体はTHVである。THVは、フッ素系ポリマーであり、フッ素含有率が70% 前後であり難燃性程度を示す限界酸素指数は70であり、通常空気中では燃焼しない。THVは、130 ℃以上で熱融着可能であり架橋しなくとも、十分な耐久性を有している。しかし、より耐熱性を向上させるためには、電子線架橋することができる。
【0056】
被覆時に発生する保護膜のしわ、またはフレキシブルプラスチック基板太陽電池ユニットの変形等の外観不良を防止し、歩留まりを良くするためには、EVAのラミネート時の収縮をできるだけ少なくする必要がある。EVAラミネート時の収縮を少なくする手段としては、ガラス繊維等の繊維状フィラーを埋設することが知られているが、フィラーが多すぎるとコアーへの巻き取り性が悪くなる問題がある。
【0057】
THVにも同様にガラス繊維の埋設は有効である。とくにTHV用ガラス繊維の表面処理剤としては、ビニルシラン系およびアミノシラン系材料が有効である。これらのビニルシラン系処理剤としては次の物が挙げられる。ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、CH=CHSi(OCOCHCH−CHSi(OCF、CH−CHSiCHCOOCSi(OCHである。これらのビニルシラン系化合物で処理したガラス短繊維を添加することにより、モジュール強度の向上、加熱収縮率の低減、熱膨張係数の低減が図れる。アミノシラン系処理剤としては次の物が挙げられる。N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどである。
【0058】
次に表面保護膜6aについて述べる。
表面保護膜には次に挙げられるの特性が要求される。
透明性が良好なこと。
紫外線に対して劣化しないこと
EVA等の封止樹脂との接着性が良好で、湿度、紫外線で劣化しないこと。
透湿率が低いこと。
【0059】
これらを満足する材料として、本発明では耐候性樹脂ゴム弾性体と接する面をコロナ処理、プラズマ処理あるいはアルカリ処理等の表面処理した四フッ化エチレン−六フッ化エチレン共重合体(FEP)や四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、あるいは融点が250 ℃以上のTHV等のフッ素系の高分子材料を用いている。
【0060】
また、太陽電池素子の効率を最大限発揮するために、表面での光反射を防止するためには、表面保護膜の屈折率を1.5 以下より好ましくは1.4 以下とすることにより、反射損失を低くできる。
【0061】
次に本発明の実施例を説明する。
実施例1−1
この実施例では支持シートを用いた中間シート(図6)を用い、図1に示したモジュール製造装置を使用した。
【0062】
以下各部について詳細に説明する。
表面耐候性フィルムには住友スリーエム社製THV500Gの50μm 厚のフィルムを用いた。
耐候性樹脂ゴム弾性体には住友スリーエム社製THV200G(ペレット)を用いた。
【0063】
太陽電池ユニット(図3)の製造方法は次の通りである。
フレキシブルなプラスチック基板1aとして、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(アラミドフィルム、光透過率35% )からなる厚さ50μm 、幅 500mm、長さ 200m のシートを用いた。先ず、プラスチック基板1aに孔h1をプレス打ち抜き加工により開けた。ついでプラスチック基板1aの両面にAg/ZnOよりなる第1電極層1bおよび第2電極層1cを連続的に蒸着した。そして孔h2をプレス打ち抜き加工により開けた後、片面のa-Si太陽電池素子を構成する単位に分割するためにレーザーにより幅0.4mmの分離線1iを形成した。ついでa-Siの連続成膜装置により、n-i-p 接合を有するa-Si層1dを形成した。そしてa-Si層の表面にITOよりなる透明な第3電極層1eをマスク蒸着により形成した。次に背面に第4電極層1fとしてNi層を形成した。連続成膜装置よりプラスチック基板を取り出し、レーザーによりa-Si層側および背面側にレーザー加工し幅0.2mmの分離線1jを形成した。そして約40cm×80cmの太陽電池ユニットに裁断後、太陽電池特性を測定し、良品ユニットのみを残した。
【0064】
太陽電池モジュール化前の中間シートは既に図6に基づき説明した通りである。
中間シートは上記の太陽電池ユニットU(400mm ×800mm )、ポリイミドからなるフレキシブルな支持シート4a、絶縁性のエポキシ系接着材シート4bで構成した。主配線2aとして幅10mm、厚さ0.15mmのハンダメッキ銅箔を、接着部材2bとしてエポキシ系接着材を用いた。従配線3として幅10mm、長さ100mm アクリル樹脂/カーボンNi複合系の導電性粘着剤付きアルミ箔(ポリエステルフィルム裏打ちタイプ)を用いた。
そしてTHVとの接着性を向上する目的でアミノシラン系化合物をディップにより中間シートの全面に塗布した。
【0065】
太陽電池モジュールの製造条件は次の通りである。
先ず、2台の押し出し機のホッパーに十分に乾燥したペレット状のTHVを投入後、押出成形機の温度設定 160℃、押出し成形用金型部の温度を中央部 155℃、押し出し口付近を150 ℃に、押し出し速度2 m/分に設定した。
【0066】
製造した太陽電池モジュールには下記の3つの項目の信頼性試験を実施した。信頼性試験の実施にあっては、半田付けによりリード線を主配線の端部に取り付けた。
製造したモジュール100 枚について、モジュール外観を観察し気泡、表面のシワの発生数を調べ外観検査とした。
【0067】
高温高湿通電試験の条件は85℃、95% RH、140mA 、1000hとした。
促進耐候性試験:キセノンランプ(0.55mW/cm(波長340nm))のウェザロ試験を5000h 時間行った後、引っ張り試験(JISK7113準拠、ダンベル試験片JIS 2号試験片)を行った。
実施例1−2
図1に示すユニット基板自体を支持シートとした中間シートを用いた以外は実施例1−1と同様にモジュールを製造した。
【0068】
中間シートを次のように作成した。連続した太陽電池ユニットを実施例1−1と同様に製造後、幅のみを410 mmに切断した。研削処理により素子間の不要部分の金属電極を剥離した後、全面に、耐候性樹脂ゴム弾性体との接着性向上を目的にエトキシシラン化合物を塗布した。
【0069】
モジュールを製造後、特性を評価し不良部分を除去した。
実施例1−3
図5に示す個別ユニットのつなぎ合わせ基板自体を支持シートとした中間シートを用いた以外は実施例1−1と同様にモジュールを製造した。
【0070】
中間シートを次のように製造した。太陽電池素子を実施例1−1と同様に製造後、415 mm×800 mmに切断した後、特性を評価し良品ユニットのみを用いた。研削処理により素子間の不要部分の金属電極を剥離した後、全面に、エポキシ系接着材を用いて、接続し中間シートの製造した。最後に耐候性樹脂ゴム弾性体との接着性向上を目的としてエトキシシラン化合物を塗布した。
実施例2
表面耐候性フィルムとしての厚さ25μm ETFEフィルム、耐候性樹脂ゴム弾性体として紫外線−加熱併用硬化タイプのEVAを用いた。また、背面防湿材料として、両面をコロナ処理した厚さ25μm ETFEフィルムを用い、下記に示す条件で太陽電池モジュールの製造を行った以外は実施例1−1と同様に製造した。
【0071】
紫外線−加熱併用硬化タイプのEVAの組成は次の通りである。
紫外線吸収剤:2−ハイドロキシ−4−n− オクトキシベンゾフェノン(0.5%)
酸化防止剤:トリス(モノ− ノニルフェニル)フォスフェイト(0.5%)
熱分解型架橋剤:1.1−ビス(t−ブチルプロキシ)3.3.5 トリメチルシクロヘキサン(0.3%)
紫外線型架橋剤およびカップリング剤:メトキシシラン(0.5%)
EVAは酢酸ビニル樹脂含有率 25%。
【0072】
太陽電池モジュールの製造条件は次の通りである。
押出成形機の温度設定 100℃
押出し成形用金型部の温度 中央部 95 ℃、押し出し口付近 90℃
押し出し速度 1.5 m/分
硬化条件
温度 100 ℃
硬化時間 8 分
実施例3
耐候性樹脂ゴム弾性体のシートを成形直後に中間シートを被覆する方式のモジュール製造装置(図2)を用い、下記に示す条件で太陽電池モジュールの製造を行った以外は実施例1−1と同様にモジュールを製造した。
【0073】
太陽電池モジュールの製造条件は次の通りである。
押出成形機の温度設定 100℃
押し出し成形機スクリュウ回転数100 rpm
押出し成形用金型部の温度 中央部 95 ℃、押し出し口付近 90℃
押し出し速度 1.5 m/分
実施例4
硬化装置として、電子線照射装置(エナジーサイエンス社製、カーラン型)を用いて下記に示す条件で太陽電池モジュールの製造を行った以外は実施例1−1と同様に製造した。
太陽電池モジュールの製造条件は次の通りである。
【0074】
押出成形機の温度設定 100℃
押出し成形用金型部の温度 中央部 95 ℃、押し出し口付近90℃
押し出し速度 2 m/分
硬化条件は次の通りである。
【0075】
温度 100 ℃
実施例5
耐候性樹脂ゴム弾性体として、長さ3mm ガラス短繊維を20wt% 添加したEVAを用いた以外は、実施例1−1と同様に製造した。
実施例6
表面側にガラス不織布を用いた以外は、実施例1と同様にモジュールを製造した。ガラス不織布は中間シートに沿わせて、押出し成形用金型の中間シート供給口から搬送した。
実施例7
背面側にあらかじめTHVを含浸したガラス織布を背面保護膜供給部(図1)を用いて貼り付けた以外は、実施例1−1と同様にモジュールを製造した。
実施例8
図6に示す支持シートとして芳香族ポリアミド(旭化成工業 (株) 製、商品名アラミカ、25μm 厚さ)を用いた以外は実施例1−1と同様に製造した。
比較例1
実施例1−1の太陽電池ユニットを用い、従来のモジュール製造装置(図7)によりモジュールを製造した。
上記の実施例および比較例の製造条件を表1に示す。
【0076】
【表1】
Figure 0003591342
また、これらの試験結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0003591342
表2から、本発明に係るモジュールの製造方法では、製造速度は180〜240ユニット/hと従来の(比較例)10ユニット/hに比べ20倍前後高速化が確認できた。また、気泡やシワの発生率も減少した。
また、高温高湿通電試験およびウェザロ試験においても問題は発生しなかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、フレキシブルなプラスチック基板とその上に形成された太陽電池素子からなる太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの電極に接続された配線を有する中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体を用いて被覆する太陽電池モジュールの製造方法において、前記中間シートが押出し成形用金型の供給口から入り押し出し口を通過するまでの間に、その両面に向けて可塑化された耐候性樹脂ゴム弾性体を押し出し、耐候性樹脂ゴム弾性体とともに前記押し出し口を通過することによって、前記中間シートの両面にシート状の耐候性樹脂ゴム弾性体が密着するようにする、あるいは押出し成形用金型から前記中間シートの両面に向けてシート状に押出し成形した直後の粘着性を有する耐候性樹脂ゴム弾性体を、前記中間シートの両側から圧着するようにしたため、従来の真空ラミネート法に比べ、従来法に比べ約20倍の製造速度の高速で連続生産が可能となる。
【0079】
耐候性樹脂ゴム弾性体シートの製造と中間シートへの被覆被服を同時に行うため、モジュール製造時の熱効率は良い。
耐候性樹脂ゴム弾性体へのガラス繊維の添加、ガラス不織布、ガラス織不布等の埋設によりモジュール製造時のユニットへの応力を小さくすることができる。
【0080】
太陽電池ユニットのフレキシブルプラスチックフィルム基板を、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミドまたはポリイミドからなり、かつ光透過率は50% 以下、かつ線膨張係数は 2×10−5/℃以下としたので、モジュールをコアーに巻き取れるようになり、製造の高速化と保管場所の低減ができるようになる。
また、配線を背面電極群の領域内に収めるようにしたため、モジュールの面積当たりの発電効率は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の太陽電池モジュールの製造装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る第2の太陽電池モジュールの製造装置を模式的に示す断面図である。
【図3】フレキシブルプラスチックフィルム基板を使用した太陽電池ユニットを示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるxX断面図である。
【図4】連続した太陽電池ユニットの中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。
【図5】個別の太陽電池ユニットを再度接続した中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。
【図6】個別の太陽電池ユニットを他の支持シートに搭載した中間シートを示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるxX断面図であり、(c)は(a)におけるyY断面図である。
【図7】従来のロール搬送式の太陽電池モジュールの製造装置を模試的に示す搬送方向に沿っての断面図である。
【符号の説明】
F1 積層シート
F2 積層シート
R1 ロール
R2 ロール
R3 ロール
R4 巻き取りロール
Rp 圧着ロール
Rt 加熱ロール
Rc 冷却ロール
Rm 中間シート供給ロール
Re 巻き取りロール
C 太陽電池素子
U 太陽電池ユニット
1a プラスチック基板
1b 第1電極
1c 第2電極
1d 光電変換層構成
1e 第3電極
1f 第4電極
h1 接続孔
h2 集電孔
E 背面電極
Eo 出力電極
2a 主配線
2b 固定部材
3 従配線
Sm 中間シート
4a 支持シート
4b 接着材シート
5 耐候性樹脂ゴム弾性体シート
6a 表面保護膜
6b 背面保護膜
Mj 太陽電池モジュール
H 接続用穴
M 押し出し成形機
T1 押出し成形用金型
T2 押出し成形用金型
To 押し出し口
Ti 中間シート供給口
B 架橋装置

Claims (21)

  1. フレキシブルなプラスチック基板とその上に形成された太陽電池素子からなる太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの電極に接続された配線を有する中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体を用いて被覆する太陽電池モジュールの製造方法において、前記中間シートが押出し成形用金型の供給口から入り押し出し口を通過するまでの間に、その両面に向けて可塑化された耐候性樹脂ゴム弾性体を押し出し、耐候性樹脂ゴム弾性体とともに前記押し出し口を通過することによって、前記中間シートの両面にシート状の耐候性樹脂ゴム弾性体が密着するようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. フレキシブルなプラスチック基板とその上に形成された太陽電池素子からなる太陽電池ユニットおよび太陽電池ユニットの電極に接続された配線を有する中間シートを耐候性樹脂ゴム弾性体を用いて被覆する太陽電池モジュールの製造方法において、押出し成形用金型から前記中間シートの両面に向けてシート状に押出し成形した直後の粘着性を有する耐候性樹脂ゴム弾性体を、前記中間シートの両側から圧着するようにしたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記中間シートは、太陽電池素子が形成された長尺のままのフレキシブルなプラスチック基板と電極に前記配線が施されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記中間シートは、個別化された太陽電池ユニットの基板を互いに端部を接着して長尺化した後、前記配線が施されたものであることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記中間シートは、連続した長尺の支持シートの1面に個別化された前記太陽電池ユニットが固着され、他の面上に前記配線が施されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記配線は、前記中間シートの太陽電池ユニットの受光面の反対面上に、絶縁性の着剤層または粘着剤層と導電性薄板の積層体のテープからなる主配線が固定され、さらにこの導電性薄板と所定の背面電極とが導電性粘着テープまたは導電性接着テープからなる従配線により電気的に接続されることによって行われることを特徴とする請求項1ないし5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記主配線と前記従配線の接続は支持シートの所定の背面電極対応部分に開けた穴の中で行われることを特徴とする請求項6に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記支持シートは芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、ポリエステル系樹脂またはポリイミドからなることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体は、分子中に架橋性エチレン、架橋性塩化ビニリデンまたは架橋性弗化ビニリデンを含むことを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体はエチレン酢酸ビニル共重合体であり、エチレン酢酸ビニル共重合体の架橋反応には紫外線または電子線を照射することを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体は分解半減期が1時間以下となる温度が110 ℃以下である過酸化物を含有するエチレン酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体はテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体であり、前記被覆後冷却して固化することを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  13. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体はテトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体であり、電子線を照射して架橋反応を行うことを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  14. 前記太陽電池モジュールの受光面側の耐候性樹脂ゴム弾性体には補強材としてガラス繊維またはガラス織布が埋め込まれており、その厚みは0.7 mm以下0.2 mm以上であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  15. 前記受光面とは反対側面の耐候性樹脂ゴム弾性体には補強剤として、ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維の不織布または織布が埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし14に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  16. 前記太陽電池ユニットのフレキシブルプラスチックフィルム基板は、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミドまたはポリイミドからなり、かつ光透過率は50% 以下、かつ線膨張係数は 2×10−5/℃以下であることを特徴とする請求項1ないし8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  17. 前記耐候性樹脂ゴム弾性体の被覆の直後に、さらに耐候性プラスチックフィルムを太陽電池モジュールの片面または両面に貼り付けることを特徴とする請求項1ないし16に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  18. 前記被覆により製造された太陽電池モジュールをロールに巻き取ることを特徴とする請求項1ないし17に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  19. 請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法を実施する製造装置において、前記押し出し成形用金型は、近傍が十分に冷却された供給口と、前記中間シートの搬送速度より流動速度が小さくなるように前記耐候性樹脂ゴム弾性体を押出す押出し口を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造装置。
  20. 請求項2に記載の太陽電池モジュールの製造方法を実施する製造装置において、前記中間シートの両面に向けて耐候性樹脂ゴム弾性体をシート状に押し出す一対の押出し成形用金型と、前記押出し成形用金型から押し出されたシート状の耐候性樹脂ゴム弾性体を前記中間シートの両面に圧着する一対のロールを備えたことを特徴とする太陽電池モジュールの製造装置。
  21. 請求項1ないし18に記載の太陽電池モジュールの製造方法により製造された太陽電池モジュールであって、前記配線は背面電極群の領域内に収められていることを特徴とする太陽電池モジュール。
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