JP3591017B2 - 自走式マニュアスプレッダ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、荷箱の先端にビータを設けたマニュアスプレッダで、荷箱を傾けてビータで堆肥の積み込みを行えるようにした自走式マニュアスプレッダに関する。
【0002】
【従来の技術】
車台上の後側に原動枠を前側に先端にビータを横架した荷箱を配設した自走式マニュアスプレッダにおいて、荷箱底面の搬送装置の送り方向とビータの回転方向を堆肥散布時と逆にして堆肥の積み込みが行えるようにする考えは実公昭60−38330号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の自走式マニュアスプレッダは、荷箱が車台に固定されているため、堆肥の山へビータを突っ込んで逆回転させたとしても、荷箱の高さ以下の堆肥を積み込むことができず、ビータより下側の堆肥が車台進行の邪魔になって積み量を増やすことができず実際には堆肥の積み込みに利用できない。
そこで、荷箱を傾けてビータを地面の高さまで下げて積み込みを行えるようにすることが考えられる。
本発明は、荷箱を傾けてビータを地面に接近させることができる荷箱支持構造を具体化することと、その構造において原動枠側から荷台側への動力伝動をベルト伝動で簡単に行えるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
走行装置90を備え原動機32を搭載する自走式の車台1上に荷箱4を搭載し、該荷箱4の開放端側にはビータ3を、又、荷箱4床面には搬送帯22を張設するとともに、該荷箱4のビータ3側を下降傾斜可能に構成するとともに、原動機32の出力軸12に取り付けた原動プーリ13と荷箱4側に設けた従動軸14に取り付けた従動プーリ15の間にベルト16を巻きかけて動力伝達可能に構成し、該原動機32側に枢支したばね支持アーム17と荷箱4をロッド18で連結しこのばね支持アーム17と前記ベルト16に当接するテンションプーリ19のアーム20をばね21でベルト16を張るよう連結し、荷箱4の傾斜に伴ってばね支持アーム47が回動してテンションプーリ19が略同一のテンションをベルト16に付与しながら移動すべくしてなる自走式マニュアスプレッダの構成とする
【0005】
【発明の作用及び効果】
荷箱4の後側が枢支軸5で車台1に連結され、荷箱4の前側が支持リンク6,7と補助リンク9及び油圧シリンダ11で支持されているので、荷箱4が不安定になりがちな構成であるにもかかわらず、左右の振れや前後動に対して強固になる。また、荷箱4の後側が車台1に枢支軸5で枢支されているため、原動枠2と荷箱4の後部の距離や位置があまり変わらないため、原動枠2側から荷箱4の搬送装置やビータ3への動力伝動が簡単な構成にできる。
【0006】
、荷箱4とばね支持アーム17をロッド18で連結しているので荷箱4が傾斜することによって荷箱1が原動枠2から離れるとばね支持アーム17が回動する。原動プーリ13と従動プーリ15に巻き掛けたベルト16をテンションプーリ19で張るようにテンションプーリ19のアーム20と前記ばね支持アーム17をばね21で連結しているので、荷箱4の移動に伴って従動プーリ15の位置が変わってもばね支持アーム17とテンションプーリ19のアーム20との間隔を略一定にしてばね21がテンションプーリ19をベルト16に押し付ける力を一定にすることができる。
このように、原動プーリ13と従動プーリ15の間隔が変化する構成においても、安価なベルト伝動機構で動力を伝動できる。
【0007】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
車台1は左右側部にクローラ30からなる走行装置を具備し、後部の駆動取付部31に原動機32を搭載している。この駆動取付部31の下側にはミッションケース33を取り付けクローラ30に動力を伝動するようにしている。
また、駆動取付部31の上側には、原動機32を覆うように原動枠2を設けている。この原動枠2の後側上部には、操向レバー34,34と走行用油圧変速機60のクラッチ27を断続する走行クラッチレバー35及び走行用油圧変速機60の変速軸を操作する前後進変速レバー36を立設し、後側に向けてハンドル杆37を突設している。
【0008】
車台1の前側には、荷箱4を取り付けているが、その取り付けは、次の如くしている。
荷箱4の後側底部を左右の枢支軸5で車台1に枢支し、中央やや前側底部の左右を中間枢支軸8で屈折可能にした支持リンク6,7で車台1に連結している。また、中間枢支軸8から荷箱4の底面に向けて補助リンク9を設け、この補助リンク9の先端に枢支したローラ38をガイドレール39に嵌合している。ガイドレール39にはローラ38のストップ部40を形成し、ローラ38がこのストップ部40に当たると荷箱4が水平になるように、支持リンク6,7の伸びを制限している。
【0009】
補助リンク9は、荷箱4の底部に取り付けたばね10で支持リンク6,7が伸びるように付勢している。このばね10の付勢力は荷箱4が空荷のとき、荷箱4を水平に保持する程度の力である。
荷箱4の略中央底部と車台1の前部左右中間部との間に複動式油圧シリンダ11を介装している。
従って荷箱4は前側の枢支軸5と支持リンク6,7及び油圧シリンダ11で車台1上に支持していることになる。
【0010】
荷箱4は、底部の前後にローラ41,42を横架し、搬送帯22を巻き掛け、この搬送帯22の前後中間部を多数の支持ローラ43,43で支持して荷重を受けるようにしている。搬送帯22の左右側部には側枠44,45を立設し、後側には後枠46を立設し、前側にビータ3を取り付けている。
ビータ3は、左右側枠47,48間に軸支した回転軸49に回転刃体50を等間隔で配設したもので、図4に示す如く、回転刃体50の湾曲跳出面51が左右両最外側のものは内側に位置し中間部で左右交互に位置するようにして、堆肥の跳ね出し幅をあまり広げないようにしている。
【0011】
このビータ3は、左右側枠47,48の後下部に形成した載置部52を荷箱4の左右側枠44,45の後端に設けた段部53に載置して上部をピン54でビータ3の側枠47,48と荷箱4の側枠44,45を連結して取り付けている。
クローラ30と搬送帯22及びビータ3は、1つの原動機32で駆動しているが、その動力伝動系統は図3に示す如くしている。
【0012】
原動機32の出力軸12に取り付けた原動プーリ13は、3つのベルト溝を有し、1つ目のベルト溝に巻き掛けるベルト55は油圧ポンプ56の入力軸57に取り付けたプーリ58に巻き掛け、2つ目のベルト溝に巻き掛けるベルト16は荷箱4側の従動軸14に取り付けたプーリ15に巻き掛け、3つ目のベルト溝に巻き掛けるベルト59はミッションケース33の側面に取り付けた油圧変速機60の入力軸61に取り付けるプーリ62に巻き掛けている。27はベルト59を張緩して動力伝動を行うクラッチプーリである。
【0013】
荷枠4の後枠46の外側に横架した従動軸14の一端は搬送用油圧変速機26の入力軸に連結し、他端には、ビータ駆動用ギヤ63を取り付けている。
搬送用油圧変速機26に入った動力はギヤケース64の出力軸65に取り付けたスプロケット66と搬送帯22を巻き掛けたローラ41の軸67に取り付けたスプロケット68にチェン69を巻き掛けて搬送帯22を送り方向Aあるいは取り込み方向Bに駆動する。
【0014】
ギヤ63は第1中継軸71に取り付けたギヤ70と噛み合い、この第1中継軸71に取り付けたプーリ72と第2中継軸73に取り付けたプーリ74との間にベルト75を巻き掛け、テンションクラッチ24で動力の断続を行うようにしている。第2中継軸73にはスプロケット76を取り付けビータ3の回転軸49に取り付けたスプロケット77間にチェン78を巻き掛け動力伝動を行っている。
【0015】
原動プーリ13と従動プーリ15の間隔は荷箱4を傾けることによって広がっていくので、図5と図6に示す如くしている。
車台1の駆動取付部31に立設したブラケット79には油圧ポンプ56を取り付け、固定のテンションプーリ80を軸支し、軸支持筒81を突設している。
軸支持筒81には、テンションプーリ19のアーム82を支持する軸83を嵌合している。この軸83にはばね支持アーム17のボス部84を回動可能に外嵌し、軸端にばね引掛アーム20を固着し、テンションプーリ19のアーム82と一緒に軸83を中心に回るようにしている。
【0016】
ばね支持アーム17と荷箱4の後枠46に突設したアーム85をロッド18で連結している。ばね支持アーム17とばね引掛アーム20とは引張ばね21でテンションプーリ19がベルト16を張るようにしている。
このような構成では、図5に示す如く、荷箱4が正規位置(実線位置)から傾斜した位置(想像線位置)に移動してもテンションプーリ19がベルト16に略同一のテンションを付与するよう移動することになる。
【0017】
搬送帯22の正逆転切換とビータ3の駆動停止は図7と図8に示す如く、1本の作業レバー25で行えるようにしている。
操作ボックス86に支軸87を横架し、この支軸87へビータクラッチ24にワイヤー88で連結するクラッチ連結板89を固着した取付筒90をピン91で取り付け、搬送帯22の作動用連動筒92を外嵌している。
取付筒90には、作業レバー25基部の取付板93を外嵌し、この作業レバー25に係合する係合部94を形成した連動板95を固着している。
【0018】
従って、作業レバー25を操作ボックス86のガイド溝96内で散布、停止、積込に移動すると連動板95が回動し同時にクラッチ連結板89も回動してビータクラッチ24をON、OFF、ONに切り換えることになる。
連動筒92の両端に連動板97と作動板98を固着している。連動板97は前記取付筒90の連動板95へ連結板99とばね100でそれぞれピン101,102,103,104で連結している。作動板98は搬送帯22駆動用油圧変速機26の変速軸105に連結したピン106を係合溝107で係合している。
【0019】
ピン106にはピン回動位置調整具108の係合溝109が係合している。
調整具108に立設したピン111を操作ボックス86のカバー112に設けた長孔113から突出させて回り止めとしている。この調整具108は、調整用ダイヤル110を回動すると、長手方向に移動してピン106の位置を変更し、搬送帯22の送り出し速度を変えられるようにしている。
【0020】
以上の構成であるので、作業レバー25を散布位置にするとビータ3が駆動されると共にばね100によって連動筒92が回され、油圧変速機26を搬送帯22が送り出し方向Aに回動するよう駆動する。また、作業レバー25を積込位置にするとビータ3が駆動されると共に連動板99によって連動筒92が回され、油圧変速機26を搬送帯22が取り込み方向Bに回動するよう駆動する。
連動板99はピン103と長孔で連結しているので、調整用ダイヤル110を回すことでピン106を中立位置に戻し連動筒92をばね100の付勢力に抗して回動できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部を断面とした側面図である。
【図2】一部の平面図である。
【図3】全体の伝動経路図である。
【図4】一部の拡大平断面図である。
【図5】一部の拡大側断面図である。
【図6】一部の拡大平面図である。
【図7】一部の拡大斜視図である。
【図8】一部の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 車台
2 原動枠
3 ビータ
4 荷箱
5 枢支軸
6 支持リンク
7 支持リンク
8 中間枢支軸
9 補助リンク
10 ばね
11 油圧シリンダ
12 出力軸
13 原動プーリ
14 従動軸
15 従動プーリ
16 ベルト
17 ばね支持アーム
18 ロッド
19 テンションプーリ
20 ばね引掛アーム
21 ばね

Claims (1)

  1. 走行装置(90)を備え原動機(32)を搭載する自走式の車台(1)上に荷箱(4)を搭載し、該荷箱(4)の開放端側にはビータ(3)を、又、荷箱(4)床面には搬送帯(22)を張設するとともに、該荷箱(4)のビータ(3)側を下降傾斜可能に構成するとともに、原動32)の出力軸(12)に取り付けた原動プーリ(13)と荷箱(4)側に設けた従動軸(14)に取り付けた従動プーリ(15)の間にベルト(16)を巻きかけて動力伝達可能に構成し、該原動32)側に枢支したばね支持アーム(17)と荷箱(4)をロッド(18)で連結しこのばね支持アーム(17)と前記ベルト(16)に当接するテンションプーリ(19)のアーム(20)をばね(21)でベルト(16)を張るよう連結し、荷箱(4)の傾斜に伴ってばね支持アーム(47)が回動してテンションプーリ(19)が略同一のテンションをベルト(16)に付与しながら移動すべくしてなる自走式マニュアスプレッダ。
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