JP3590916B2 - 位置決め方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置でマスク上のパターンを感光基板上に露光する際の感光基板の位置決め方法に関し、特に露光装置のステージ上で感光基板の大まかな位置決め(プリアライメント)を行う場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子又は液晶表示素子等を製造する際に使用される投影露光装置(ステッパー等)、又はプロキシミティ方式の露光装置等の露光装置においては、マスクとしてのレチクル上に形成された回路パターンを感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)上のフォトレジスト層に高い重ね合わせ精度で転写するために、レチクルとウエハとを高精度に位置合わせ(アライメント)することが求められている。
【0003】
このためのアライメントセンサとしては、特開平5−21314号公報に開示されているように、レーザ光をウエハ上のドット列状のアライメントマークに照射し、そのマークにより回折又は散乱された光を用いてそのマークの位置を検出するLSA(Laser Step Alignment)方式、ハロゲンランプを光源とする波長帯域幅の広い光で照明して撮像したアライメントマークの画像データを画像処理して計測するFIA(Field Image Alignment)方式、あるいはウエハ上の回折格子状のアライメントマークに、例えば周波数を僅かに変えたレーザ光を2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置を計測するLIA(Laser Interferometric Alignment)方式等のアライメントセンサがある。また、アライメント方式は、投影光学系を介してウエハの位置を測定するTTL(スルー・ザ・レンズ)方式、投影光学系及びレチクルを介してレチクルとウエハとの位置関係を測定するTTR(スルー・ザ・レチクル)方式、及び投影光学系を介することなく直接ウエハの位置を測定するオフ・アクシス方式に大別される。
【0004】
これらのアライメントセンサによりウエハステージ上に載置されたウエハの少なくとも2点の位置検出を行うことにより、並進方向ばかりでなく回転方向の位置(回転角)の検出も行われる。ウエハの回転角の計測にも使用されるセンサとしては、TTL方式でLIA(Laser Interferometric Alignment)方式、TTL方式でLSA(Laser Step Alignment)方式、又はオフ・アクシス方式でFIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサ等がある。
【0005】
露光装置に対しては、これらのアライメントセンサの検出結果よりレチクルとウエハとを高精度に位置合わせするのと同時に、このアライメントに要する時間を短縮し、高いスループット(単位時間当たりのウエハの処理枚数)を維持することも求められている。従ってウエハをウエハステージへ搬送する段階から最終露光に至る全ての段階で処理効率を高めることが必要となる。ここで、従来の露光装置における最終的なアライメントに至る前のウエハの受け渡し工程における動作について、図17を参照して説明する。
【0006】
図17は、従来の露光装置におけるウエハの受け渡し機構を説明するためのウエハステージ周辺の構成を示し、この図17においてウエハ搬送装置(不図示)から、Xステージ11上の伸縮機構20を介して設けられたセンターアップ19上にウエハ6が受け渡された状態が示されている。センターアップ19は、試料台9、θ回転補正機構8、及びウエハホルダ7の開口にそれぞれ遊嵌する3本のスピンドル部(図17ではその内2本のスピンドル部19a,19bを示す)を有し、伸縮機構20の上下の移動により3本のスピンドル部が、ウエハホルダ7との間でウエハ6の受け渡しを行うためにウエハ6を上下させるようになっている。また、センターアップ19のウエハの裏面との3箇所の接触部は外部の真空ポンプにより吸引(真空吸引)されており、センターアップ19を上下させるときにウエハ6がずれないようになっている。
【0007】
そして、従来はセンターアップ19を降下させてウエハ6をウエハホルダ7上に載置した後、例えば複数本のピンに対してウエハ6の側面を押し当てることによって、接触式のプリアライメントが行われていた。このプリアライメントによって、ウエハ6の回転方向、及び並進方向の大まかな位置決めが行われた後、ウエハホルダ7上にウエハ6が真空吸着されていた。
【0008】
このように、ウエハ6がウエハホルダ7上に真空吸着により静置された後、LSA方式、又はFIA方式等のアライメントセンサによってウエハ6の表面の両端に形成されているアライメントマーク(サーチマーク)の検出信号を生成し、例えばその検出信号がピークとなるときの、試料台9の端部に固定された移動鏡13と外部のレーザ干渉計とにより計測される試料台9の座標を求めることにより、ウエハステージ系の座標系上でのウエハの横ずれ誤差、及び回転誤差が算出される。その結果に基づいて試料台9上のθ回転補正機構(θテーブル)8を駆動してウエハ6の回転誤差を取り除き、レチクルとウエハ6との回転方向の位置合わせ(サーチアライメント)を行う構成となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如き従来の技術においては、ウエハステージ系の座標系の基準となる移動鏡13を設置した試料台9とウエハ6との間にウエハを回転させるためのθ回転補正機構8が設けられているので、ウエハ6を吸着するウエハホルダ7の真空系の吸着力が弱い場合にウエハ6の横ずれが発生したり、試料台9上に複雑な機構が設けてあるのでステージ全体の剛性が弱くなったり、ステージ全体の重量が増すことによりステージ制御性能が向上しないという不都合があった。そこで、例えばθ回転補正機構を試料台9の下に配置することも考えられるが、θ回転補正機構を駆動してウエハ6の回転角を調整するときに、試料台9上の移動鏡13に入射するレーザ干渉計からの光ビームの角度が変化するので、θ回転補正機構8の回転角が制限され、例えばウエハのプリアライメント精度が悪い場合、それを十分に修正できないという不都合があった。
【0010】
更に、従来の露光装置ではウエハホルダ7上にウエハ6を吸着した後、上述のようにLSA方式、又はFIA方式の1つのアライメントセンサによりウエハ6上の2箇所のアライメントマーク(サーチマーク)の位置を検出して、ウエハの横ずれ誤差及び回転誤差を検出していた。しかしながら、そのように1つのアライメントセンサによって2箇所のアライメントマークを検出する場合、各マークが順次そのアライメントセンサの検出領域に入るようにウエハ6を移動する必要があり、1ロット内の全部のウエハについてそのような動作を繰り返すことは露光工程のスループットを低下させる要因となっていた。また、これを回避するために、それら2箇所のアライメントマークを同時に検出するように2つのアライメントセンサを配置するのは、露光装置に設けられた2つのアライメントセンサの配置によって、ウエハ上の2つのアライメントマークの配置が制約を受けてしまうため、例えば大きさの異なるウエハ等への対応が困難であるという不都合がある。
【0011】
これに関して、2つのアライメントセンサの間隔を可変にする機構も考えられるが、このような可変機構は複雑であり、各種センサ等が配置されているウエハステージの周辺には配置しにくいと共に、製造コストが大幅に上昇するという不都合もある。
また、従来はウエハをウエハホルダ7上に載置した後、接触式のプリアライメント機構を用いてウエハの大まかな位置決めが行われていたが、このようにウエハをウエハホルダ7上に載置した後にプリアライメントを行うのでは、スループットを高められないという不都合があった。但し、仮に新たに高いスループットが得られるプリアライメント機構が提案された場合でも、既に接触式のプリアライメント機構を備えた他の露光装置とのマッチングを取れることが望ましい。
【0012】
本発明は斯かる点に鑑み、ウエハステージの構成が簡略化でき、それによりウエハステージの剛性向上及び軽量化を図ることができ、結果として例えばウエハローダ系からウエハステージにウエハを載置する際のウエハの位置決めを高速且つ高精度に行うことができる位置決め方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、例えば接触式のプリアライメントを行う他の露光装置との間で、プリアライメント時の高いマッチング精度を得ることができる位置決め方法を提供することをも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の位置決め方法は、2次元的に移動自在な基板ステージ(11,12)上に保持された実質的に円形で外周部の一部に切り欠き部(FP;NP)を有する感光基板(6;6N)上にマスクパターンを転写する際の前処理工程として、基板ステージ(11,12,29)上にその感光基板を位置決めするための位置決め方法において、感光基板(6;6N)を基板ステージ(11,12,29)の上方の所定の受け渡し点に搬送するものである(ステップ101,102)。
【0014】
更に本発明は、この受け渡し点でその感光基板の外周部の切り欠き部(FP;NP)に設定された1箇所以上の計測点(F;C1,D1)、及びその感光基板の外周部の他の1箇所以上の計測点(C,D;F1)の位置をそれぞれ2次元画像処理系(50,51,52)を用いて非接触に計測すると共に(ステップ103)、それら2次元画像処理系の観察視野(86A,86B,86C)内に接触式の位置決め方式でその感光基板をその基板ステージ上で位置決めする際の基準位置に対応する仮想的位置(A,B,E;A1,B1,E1)を設定し、それら2次元画像処理系により計測されるそれら計測点の位置のその仮想的位置からのずれ量、及びその感光基板を所望の角度回転してその受け渡し点からその基板ステージ上に設定するための基板昇降手段(35〜38)について予め計測された回転中心の座標より、その感光基板をその基板ステージ上に載置したときのその感光基板の位置を予測し(ステップ104)、このように予測された結果に基づいて、その感光基板をその基板ステージ上でその接触式の位置決め方式で位置決めした場合と同じ位置に位置決めする(ステップ106)ものである。
【0015】
斯かる本発明によれば、基板ステージ(11,12,29)から離れた位置にある感光基板(6,6N)の受け渡し点で例えばその感光基板の回転誤差が検出されるため、例えばその受け渡し点からその感光基板をその基板ステージ上に載置する際に、基板昇降手段(35〜38)を介してその回転誤差を補正することができる。従って、その基板ステージ側には回転補正機構を設ける必要がなくなり、その基板ステージの構成が簡略化でき、それによりその基板ステージの剛性向上及び軽量化を図ることができ、結果として例えば基板搬送系(ウエハローダ系等)からその基板ステージ上に感光基板を載置する際の感光基板の位置決めを高速且つ高精度に行うことができる。
【0016】
また、2次元画像処理系(50,51,52)の観察視野(86A,86B,86C)内に接触式の位置決め方式でその感光基板をその基板ステージ上で位置決めする際の基準位置に対応する仮想的位置(A,B,E;A1,B1,E1)を設定し、その感光基板上の計測点の対応する仮想的位置からの位置ずれ量に基づいてその感光基板の位置決めを行っているため、接触式の位置決め(プリアライメント)を行う他の露光装置との間で、その大まかな位置決めを行う際(プリアライメント時)の高いマッチング精度を得ることができる。
【0017】
この場合、その感光基板の外周部のその切り欠き部が1つの楔状の切り欠き部(NP)であるときには、それら2次元画像処理系による計測点は、切り欠き部(NP)に1箇所(F)、及びそれ以外のその感光基板の外周部に2箇所(C,D)設定されることが望ましい。これはその切り欠き部がノッチ部のような凹部であることを意味するが、この場合にそれら3箇所の計測点で感光基板の位置を検出することによって、その感光基板の回転角、及び2次元的な位置を特定できる。
【0018】
一方、その感光基板の外周部のその切り欠き部がエッジが平坦な1つの切り欠き部(FP)であるときには、それら2次元画像処理系による計測点は、切り欠き部(FP)に2箇所(C1,D1)、及びそれ以外のその感光基板の外周部に1箇所(F1)設定されることが望ましい。これはその切り欠き部がオリエンテーションフラット部のような平坦な切り欠き部であることを意味するが、この場合にそれら3箇所の計測点で感光基板の位置を検出することによって、その感光基板の回転角、及び2次元的な位置を特定できる。
【0019】
また、感光基板(6;6N)を基板ステージ(11,12,29)上に載置したときのその感光基板の位置を予測する際に、その感光基板をそのまま基板昇降手段(35〜38)を介してその基板ステージ上に載置した際のその接触式の位置決め方式で位置決めした場合との回転誤差、及び位置ずれ量を求め、その基板昇降手段を介してその感光基板をその基板ステージ上に載置する際にその回転誤差を補正し、その感光基板をその基板ステージ上に載置した後、その基板ステージを介してその位置ずれ量を補正することが望ましい。これによって、その基板ステージの構成を簡略化して、その感光基板の位置決めを高速に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による位置決め方法の実施の形態の一例につき、図1〜図16を参照して説明する。本例は、レチクル上のパターンを投影光学系を介してウエハ上の各ショット領域に縮小投影するステッパー型の投影露光装置でウエハのロード、及びアライメントを行う場合に本発明を適用したものである。
【0021】
図3は、本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図3において、水銀灯等からなる光源、フライアイレンズ、及びコンデンサレンズ等を含む照明光学系IAからの照明光ILのもとで、レチクル1上のパターンが投影光学系3を介して例えば1/4や1/5に縮小されて、フォトレジストが塗布されたウエハ6の各ショット領域に投影露光される。以下、図3の投影光学系3の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図3の紙面に平行にX軸を、図3の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0022】
レチクル1は、レチクル架台31上に載置されたレチクルステージ32上に保持されている。レチクルステージ32は不図示のレチクル駆動系によりXY平面での並進移動及びθ方向(回転方向)への回転ができるようになっている。レチクルステージ32の上端部にはX方向、Y方向共に移動鏡33が設置されており、移動鏡33とレチクル架台31上に固定されたレーザ干渉計34とによってレチクルステージ32のX方向、Y方向の位置が例えば0.01μm程度の分解能で常時検出され、同時にレチクルステージ32の回転角も検出されている。レーザ干渉計34の測定値はステージ制御系16に送られ、ステージ制御系16はその情報に基づいてレチクル架台31上のレチクル駆動系を制御する。また、ステージ制御系16から中央制御系18にレーザ干渉計34の測定値の情報が供給されており、中央制御系18はその情報に基づいてステージ制御系16を制御する構成となっている。
【0023】
一方、ウエハ6は、Xステージ11上の試料台29に固定されたウエハホルダ30上に真空吸着により保持されている。試料台29はウエハ6の、投影光学系3の光軸AX方向(Z方向)の位置及びチルト(傾き)を補正するZチルト駆動部(本例では3個のそれぞれZ方向に移動される部材よりなる)10に支持され、Zチルト駆動部10はXステージ11上に固定されている。また、Xステージ11はYステージ12上に載置され、Yステージ12はウエハベース14上に載置され、それぞれ不図示のウエハステージ駆動系を介してX方向及びY方向に移動できるように構成されている。また、試料台29の上端部にはL字型の移動鏡13が固定され、この移動鏡13と移動鏡13に対向する方向に配置されたレーザ干渉計17とにより試料台29のX方向、Y方向の座標及び回転角が検出される。レーザ干渉計17で計測される座標(X,Y)により規定される座標系をウエハステージの座標系(ステージ座標系)(X,Y)と呼ぶ。
【0024】
レーザ干渉計17の測定値はステージ制御系16に送られ、ステージ制御系16はその情報に基づいてウエハステージ駆動系を制御する。また、ステージ制御系16から中央制御系18にレーザ干渉計17の測定値の情報が供給されており、中央制御系18はその情報に基づいてステージ制御系16を制御する構成となっている。また、ウエハステージの近傍にはウエハを受け渡しするためのウエハ搬送装置39(図4(a)参照)が配置され、ウエハステージ内にはウエハの受け渡し機構が備えられているが、これについては後で詳しく説明する。
【0025】
更に、本例の投影露光装置にはレチクル1とウエハ6との位置合わせを行うためのTTL方式のアライメントセンサ4、及びオフ・アクシス方式でFIA(撮像方式)方式の2つのアライメントセンサ5A及び5Bが備えられている。本例のアライメントセンサ4の中には、LSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサと、LIA(Laser Interferometric Alignment)方式のアライメントセンサとが並列に組み込まれており、必要なアライメント精度等に応じて何れかの方式を使用する。アライメント時には、これらのアライメントセンサ4,5A,5Bの何れかによりウエハ6上に形成されたアライメントマークの位置、又は所定のパターンの位置を検出し、その検出結果に基づき、常時ウエハ6の各ショット領域に前工程で形成されたパターンとレチクル上のパターンとを正確に位置合わせする。これらのアライメントセンサ4,5A,5Bからの検出信号はアライメント制御系15によって処理され、アライメント制御系15は中央制御系18により制御されている。また、試料台29上に、ウエハ6の表面と同じ高さの表面を有する基準マーク部材43が固定され、基準マーク部材43の表面にはアライメントの基準となるマークが形成されている。
【0026】
以上のように、ステージ制御系16及びアライメント制御系15は中央制御系18により制御され、中央制御系18が投影露光装置の全体を統轄的に制御して、一定のシーケンスで露光動作が行われる構成となっている。
次に、本例では投影光学系3のウエハ側の端部付近に3個のオフ・アクシス方式の2次元の画像処理装置50,51,52が配置されている。これらの画像処理装置50〜52はそれぞれ、ウエハが後述のようにウエハホルダ30の上方のローディングポジション(受け渡し位置)に搬送されたときに、ウエハの外周部のエッジ部の像を撮像するものである。画像処理装置50〜52からの撮像信号がアライメント制御系15に供給され、アライメント制御系15では供給された撮像信号からその受け渡し位置にあるウエハの横ずれ誤差、及び回転誤差を算出する。画像処理装置50〜52の配置及び構成については後述する。
【0027】
次に、ウエハ搬送系及びウエハステージ上のウエハの受け渡し機構について図4を参照して説明する。なお、ウエハステージはウエハホルダ30、試料台29、Zチルト駆動部10、Xステージ11、Yステージ12、及びウエハベース14を総称するものである。
図4(a)は本例のウエハ搬送系及びウエハステージ周辺の構成の平面図、図4(b)はその側面図を示す。図4(a)及び(b)において、ウエハステージの−X方向の上方には、ウエハを受け渡しするためのウエハ搬送装置39が配置されている。ウエハ搬送装置39はX方向に直列に並んだウエハアーム21,22、それらのウエハアーム21,22を所定の位置までスライドさせるスライダー23、及びウエハアーム21,22を駆動する不図示のアーム駆動系から構成されている。また、スライダー23は露光装置本体とは独立に設置されており、スライダー23の駆動時の振動が露光装置本体側に伝わらないようになっている。更に、2つのウエハアーム21,22は共にU字状の平板部を有し、それらの上表面にウエハが載置されるようになっている。これらの2つのウエハアーム21,22により露光後のウエハをアンロード(搬出)すると同時に、次のウエハをロードできるようになっている。
【0028】
即ち、ウエハアーム21,22は、ローダ制御装置24からの指令に基づき、スライダー23に沿って、ウエハがウエハステージ系に受け渡されるローディングポジションまで移動し、ウエハアーム22により露光された前のウエハ6Aを搬出する。その後、ウエハアーム21により次に露光されるウエハ6をウエハステージ上に移動し、センターアップ38上に載置する。図4(b)は、スライダー23上のウエハアーム22に露光済みのウエハ6Aが載置され、ウエハアーム21からセンターアップ38の先端部にウエハ6が渡された状態を示している。
【0029】
センターアップ38は、Xステージ11上に設けられた伸縮機構35に支持され、試料台29、及びウエハホルダ30の開口にそれぞれ遊嵌する3本のスピンドル部38a〜38cを有し、伸縮機構35の上下方向(Z方向)への移動により3本のスピンドル部38a〜38cがウエハを上下させてウエハの受け渡しが行われる。3本のスピンドル部38a〜38cの先端にはそれぞれ真空吸着用の吸着孔が形成され、それらの先端はウエハの受け渡し時にはウエハアーム21,22との間で受け渡しのできる高さまで移動し、ウエハをウエハホルダ30上に載置する際には、ウエハホルダ30の表面より低い位置まで移動する。また、スピンドル部38a〜38cの先端を真空吸引することにより、センターアップ38を上下させるときにウエハがずれないようになっている。
【0030】
また、その伸縮機構35はその中心軸35Zを中心としてXY平面上で回転自在に支持され、Xステージ11上に設けられた回転駆動系36により回転する駆動軸37と係合して、回転駆動系36を制御する中央制御系18からの指令により所望の角度まで回転できるようになっている。この回転駆動系36、駆動軸37、及び伸縮機構35からなる回転系は十分な角度設定分解能を持っており、一例として20μradの精度でウエハ6を上から見て時計回り、又は反時計回りの何れにも回転させることができる。
【0031】
また、図4(c)はウエハ搬送系のターンテーブル60を示し、この図4(c)において、ターンテーブル60上のウエハ6が図4(b)のウエハアーム21を介してセンターアップ38に渡される。また、ターンテーブル60の近傍にスリット状の光ビームをウエハ6の外周部に照射する投光部61aと、ウエハ6の外周部を通過した光ビームを受光して光電変換する受光部61bとを含む偏心センサ61が配置され、受光部61bからの検出信号S1が図4(b)の中央制御系18に供給されている。なお、本例の受光部61bは1個のフォトダイオードよりなるが、それ以外に例えば1次元のラインセンサ等を使用して直接ウエハの外周部の位置を検出してもよい。この場合、本例のウエハ6は、図4(a)に示すように外形が円形で、外周部の一部が平坦なオリエンテーションフラット部FPに加工されているものである。
【0032】
そのため、図4(c)において、ターンテーブル60によりウエハ6を吸着保持した状態で回転すると、ウエハ6の偏心及びオリエンテーションフラット部の存在によって偏心センサ61内を通過するウエハ6の幅が変化する。そして、図4(d)に示すように、ターンテーブル60の回転角φに対して受光部61bから出力される検出信号S1は、正弦波状で、且つオリエンテーションフラット部に対応する部分62で低レベルとなるように変化する。中央制御系18では、その検出信号S1及びターンテーブル60の回転角φより、偏心センサ61の中心にそのオリエンテーションフラット部が位置しているときの回転角φ、及びウエハ6の偏心量を求め、そのオリエンテーションフラット部が所定の方向になるようにしてターンテーブル60を静止させる。また、中央制御系18は、その偏心量の情報に基づいて、そのウエハ6をローディングポジションで受け取る際のウエハ用の試料台29の位置を調整する。
【0033】
更に、中央制御系18では、図4(d)に示すように、上述の3個の画像処理装置50〜52による計測点に対応する回転角φ,φ,φにおける検出信号S1、及び所定の回転角φにおける検出信号S1をデジタルデータとして記憶しておく。これに関して、例えば露光装置の仕様上で回転角φ,φ,φに対応する計測点でのウエハ6の位置を計測する必要があるときでも、露光装置のウエハステージの構造上で回転角φに対応する位置には画像処理装置52を配置することが困難で、回転角φに対応する位置に画像処理装置52を配置せざるを得ないことがある。更には、画像処理装置を3個ではなく2個しか配置できないような場合もあり得る。先ず、前者の場合には、中央制御系18では、例えば回転角φ,φ,φ,φでの検出信号S1の値、及び回転角φ,φ,φに対応する計測点でのウエハ6の外周部の位置の計測値より、回転角φに対応する計測点での計測値を推定し、この推定値を用いてウエハ6の横ずれ量や回転誤差を算出する。また、後者の場合には、中央制御系18では、回転角φ,φ,φ,φでの検出信号S1の値、及び例えば回転角φ,φに対応する計測点でのウエハ6の外周部の位置の計測値より、回転角φ,φに対応する計測点での計測値を推定し、これらの推定値を用いてウエハ6の横ずれ量や回転誤差を算出する。
【0034】
一般にこのような算出方法は、他の露光装置に位置決めピンを使用した機械的なプリアライメント機構が搭載されている場合等で、回転角φ,φ,φ,φに対応する位置が、機械的な基準位置となっているときのマッチング用として使用される。但し、本例では後述のように、接触式のプリアライメント機構を用いてプリアライメントを行う場合とほぼ同一の計測点において、2次元の画像処理装置50〜52を介してウエハ6の位置を計測することができるため、図4(c)に示す偏心センサ61を用いて接触式のプリアライメント機構とのマッチングを行う必要があるのは、主に画像処理装置50〜52による観察視野をその接触式のプリアライメント機構のピンの位置の近傍に設定できない場合である。
【0035】
次に、画像処理装置50〜52の配置及び構成について詳細に説明する。
先ず、図5(a)はローディングポジションにあるウエハ6を示し、この図5(a)において、ウエハ6の外周の3箇所のエッジ部に図3の3個の画像処理装置50,51,52のそれぞれの観察視野50a,51a,52aが設定されている。なお、実際の画像処理の対象(観察視野)は矩形領域であるが、説明の便宜上円形領域として表している。この場合、2個の観察視野50a及び51aがオリエンテーションフラット部FP上に設定され、残りの1個の観察視野52aが円周上に設定されている。このようにウエハ6の外周の3箇所のエッジ部の位置を検出することにより、ウエハ6の受け渡し後に瞬時にウエハ6のX方向、Y方向の位置ずれ量(横ずれ量)、及び回転誤差の検出、即ちプリアライメント用の検出が行われる。
【0036】
そのように横ずれ量、及び回転誤差が検出された場合、X方向、Y方向の位置ずれの補正は、ウエハ6がウエハホルダ30上に載置された後に実行される後述のサーチアライメント時の検出位置を調整することで行われる。一方、回転誤差の補正は、図4(b)において、センターアップ38が下降してウエハ6がウエハホルダ30に接触する前に、回転駆動系36を介してセンターアップ38を回転することにより行われる。
【0037】
また、ウエハの中にはオリエンテーションフラット部の代わりに、図5(b)に示すように円形の外周の一部にV字型のノッチ部NPが形成されたウエハ6Nもある。このようなウエハ6Nに対しては、それら3個の観察視野50a〜52aは、1個の観察視野51aがノッチ部NPを覆い、他の2個の観察視野50a,52aが円形の外周のエッジ部を覆うように設定される。この配置により、ウエハ6の受け渡し後に瞬時に、ノッチ部NPを有するウエハ6Nの横ずれ量、及び回転誤差が検出される。
【0038】
図6は、本例の画像処理装置50の一例の構成を示し、この図6において、ランプ、又は発光ダイオード等の光源58からのフォトレジストに対する感光性の弱い波長帯の照明光が、光ガイド57の一端に集光される。そして、光ガイド57の他端から射出された照明光が、コリメータレンズ56、ハーフプリズム54、及び対物レンズ53を介して、3本のスピンドル部38a〜38cの先端上のローディングポジションにあるウエハ6の外周のエッジ部に照射されている。そのエッジ部からの反射光が、対物レンズ53、ハーフプリズム54、及び結像レンズ55を経て2次元CCD等からなる撮像素子59の撮像面にそのエッジ部の像を形成する。撮像素子59からの撮像信号がアライメント制御系15に供給され、アライメント制御系15ではその撮像信号よりウエハ6の検出対象のエッジの位置を求める構成となっている。
【0039】
また、図12は本例の画像処理装置50の別の構成例を示す。この図12において、ランプ又は発光ダイオード等の不図示の光源からのフォトレジストに対する感光性の弱い波長帯の照明光が、光ガイド72の一端に集光される。そして、光ガイド72の他端から射出された照明光が偏向ミラー73により折り曲げられて、試料台29Aの上面の開口部75を通して射出される。試料台29A上に配置されたウエハホルダ30Aには、その開口部75を通過した照明光を通すための切り欠き部74が設けてあり、3本のスピンドル部38a〜38cの先端上のローディングポジションにあるウエハ6の外周のエッジ部に開口部75、切り欠き部74を通過した照明光が照射されるように構成されている。そして、そのエッジ部の近傍を透過した照明光が対物レンズ53A、結像レンズ55Aを経て、2次元CCD等からなる撮像素子59の撮像面にそのエッジ部の像を形成する。撮像素子59からの撮像信号がアライメント制御系15に供給され、アライメント制御系15ではその撮像信号よりウエハ6の検出対象のエッジの位置を求める構成となっている。
【0040】
前記の何れの画像処理装置を使用しても、ウエハ6はセンターアップ38(スピンドル部38a〜38c)上に載置されているため、図6の2点鎖線で示すようにウエハ6の外周のエッジ部は僅かに下方(−Z方向)に撓んでいる。また、ウエハ6の厚さのばらつきによりその撓み量が異なるため、その対物レンズ53及び結像レンズ55よりなる結像光学系は、テレセントリック光学系で、且つ焦点深度が大きい開口数NAを有する必要がある。照明光の波長をλとすると、焦点深度はほぼλ/NAに比例するため、開口数NAを小さくすることにより大きな焦点深度が得られ、その結果としてウエハ6の中で最も大きく撓んでいる部分のエッジ部をも正確に検出できるようになる。例えば、照明光の波長λが0.633μmの場合には、開口数NAを0.03程度にすれば、0.5mm以上の焦点深度が得られ、20μm程度の分解能が得られる。一般に、分解能の1/10程度が検出能力となるので、検出能力は2μm程度となり、高精度なアライメントが可能となる。
【0041】
なお、例えば図5(a)において、特に正確に接触式のプリアライメント機構とのマッチングを取る必要が無い場合には、オリエンテーションフラット部FPや、ウエハの外周の通常のエッジ部の位置検出を行うためには必ずしも2次元の画像処理を行う必要はなく、それぞれ当該エッジ部の法線方向を計測方向とするラインセンサのような1次元の撮像素子、又はその法線方向を走査方向とする撮像管(ITV)からの撮像信号を処理してもよい。これは、それらの位置検出方向が1次元であり、例えば図5(a)の場合には3箇所の1次元の位置検出結果より、ウエハ6のX方向、Y方向の位置ずれ量、及び回転誤差を求めることができるからである。
【0042】
それに対して、正確に接触式のプリアライメント機構とのマッチングを取る必要のある場合で、且つウエハのエッジ部検出用の画像処理装置としてラインセンサを使用する場合に、ローディングポジションへのウエハの搬送精度が悪いと、そのラインセンサの検出領域からマッチングを取るべきウエハの外周位置が外れて、マッチング誤差が大きくなることがある。これについて図14を参照して説明する。
【0043】
先ず、図14(a)は、ウエハ6のオリエンテーションフラット部FPを横切るように2つのラインセンサの直線状の観察視野(検出領域)50a1及び51a1が設定され、ウエハ6の円周上に1つのラインセンサの直線状の観察視野52a1が設定されている場合を示している。そして、図14(c)はそれらの観察視野の内の観察視野50a1の拡大図を示し、この図14(c)において、ウエハ6の外周6a上の観察視野50a1は、例えば前回の露光工程で接触式のプリアライメント機構の位置決め用の基準ピン81Aが接触した計測点Aから非計測方向に離れた位置にある。このとき、計測点Aを通り計測方向に平行な直線82Aがマッチング位置を示す。このように観察視野50a1がマッチング位置からずれていると、ウエハ6の外周部6aの凹凸によって、観察視野50a1内の計測点83Aでの位置と計測点Aでの位置との間に大きな誤差(マッチング誤差)Δ1が生ずる恐れがある。
【0044】
このような場合、既に説明したように図4(c)のターンテーブル60及び偏心センサ61を用いて、図4(d)に示すように、所定の回転角φ,φ,φ,φでのウエハの偏心量を計測し、この計測値を用いて補正を行うことができる。それ以外の補正方法として、ラインセンサの観察視野(検出領域)50a1の非計測方向の幅をその搬送精度程度に広げる方法もある。この方法では、図14(c)に示すように、非計測方向に位置決め用のピン81Aが接触した計測点Aを含む程度に広がった観察視野50a1’を有するラインセンサを使用する。この場合、観察視野50a1’内の画像は、非計測方向に対して光学的、又は電気的に積分されるため、その観察視野50a1’内でのウエハ6の外周6aの位置は平均線84Aで示す位置となる。その平均線84Aは、スリット状の観察視野50a1を用いた場合の計測点83Aよりも、計測方向にマッチング対象の計測点Aに近いため、平均線84Aの位置と計測点Aでの位置との間のマッチング誤差Δ2は、上記の誤差Δ1より小さくなる。即ち、ラインセンサの観察視野(検出領域)を非計測方向に広げて平均化効果を持たせることによって、接触式のプリアライメント機構とのマッチング誤差を低減することができる。
【0045】
更に、ラインセンサではなく、本例のように2次元の画像処理装置50〜52を用いることによっても、マッチング誤差を低減することができる。
図14(d)は2次元の画像処理装置を用いた場合の図14(c)に対応する観察視野を示し、この図14(d)において、その観察視野内の画像に対して画素の走査方向がY方向(計測方向)に設定されている。この場合、先ずその観察視野内でのウエハ6の外周6aの平均線84A’を求め、この平均線84A’の位置(平均位置)を求める。同様に他の2箇所でもウエハ6の外周6aの平均位置を求め、3箇所での平均位置からウエハ6のX方向の位置、Y方向の位置、及び回転角を求める。その後、ウエハ6の位置及び回転角より、マッチングを取るべき計測点Aを通りY方向に平行な直線82Aを含む一列の画素85を特定し、特定された1列の画素85からの撮像信号より、接触式のプリアライメント機構での計測点Aとほぼ同じ計測点でのウエハ6の外周6aの位置を求める。この方法によって、マッチング誤差を低減できる。
【0046】
上述のようにオリエンテーションフラット部FPを有するウエハ6の場合には、オリエンテーションフラット部FPの位置検出も1次元の撮像素子を用いて行うことができる。しかしながら、図5(b)に示すように、ノッチ部NPを有するウエハ6Nのノッチ部NPについては、X方向及びY方向について位置検出を行う必要があるため、ノッチ部NPは2次元の画像処理装置で位置検出を行う必要がある。ここで、ノッチ部NPの検出方法につき図7を参照して説明する。
【0047】
先ず、図7(a)はウエハ6Nのノッチ部NPの拡大図であり、この図7(a)において、従来はウエハホルダ上でウエハ6Nの位置決めを行うためにノッチ部NPに所定の直径dの円柱状の基準ピンを押し当てていた。従って、ノッチ部NPの形状の規格はその基準ピンの形状に基づいて定められていた。そこで、2次元の撮像素子の撮像面と共役なノッチ部NP上の領域を観察視野63とすると、一例としてその観察視野63内の画像データよりノッチ部NPの2つのエッジに接触する直径dの仮想基準ピン64を想定し、この仮想基準ピン64の中心OのX座標、Y座標を検出する。
【0048】
また、別の例として、図7(b)に示すように、観察視野63内の画像データよりノッチ部NPの2つのエッジ65A,65Bの交点Pの座標、及び一方のエッジ65Bとウエハの外周との交点65Cの座標を求める方法もある。この場合、エッジ65A上に交点65Cと対称な位置に交点65Dを仮想的に設け、3つの交点P,65A,65Bを頂点とする三角形を仮定する。そして、底辺である交点65C,65Dの間隔に対して比例配分によって、底辺の間隔がdとなる三角形の位置を求め、この三角形の底辺の中点を中心Oとして、この中心OのX座標、Y座標を求めるようにしてもよい。
【0049】
次に、ウエハの更に別の例、及びそれらに合った検出系の例につき図13(a)及び(b)を参照して説明する。先ず、ノッチ部の種類としては、図13(a)に示すように、6時方向のノッチ部NP1、又は3時方向のノッチ部NP2の何れかを有するウエハ6Mがあり、これらを両方共正確に検出する必要がある。そのため、図13(a)において、ウエハ6Mの底面のウエハホルダ30Bには、ノッチ部NP1,NP2を照射するための切り欠き部30Ba,30Bbと、機械的プリアライメントとして一般的に利用される基準ピンの位置を照射するための切り欠き部30Bc〜30Beが形成され、これらの切り欠き部30Ba〜30Beがそれぞれ図12の画像処理装置によって底面側から照明されるようになっている。ウエハ6Mに6時方向のノッチ部NP1がある場合の位置及び回転角の検出は、円形の観察視野51a2を有する2次元画像処理系と、それぞれ直線状の観察視野50a2及び52a1を有する第1及び第2のラインセンサとを用いて行われる。一方、ウエハ6Mに3時方向のノッチ部NP2がある場合の位置及び回転角の検出は、観察視野51a1を有する2次元画像処理系と、それぞれ直線状の観察視野52a1及び50a1を有する第2及び第3のラインセンサとを用いて行われる。即ち、2個の2次元画像処理系と3個のラインセンサとよりなる5個のセンサで両タイプのウエハに対しプリアライメントが兼用できるような構成とされている。
【0050】
次に、オリエンテーションフラット部の種類としても、図13(b)に示すように、6時方向のオリエンテーションフラット部FP1、又は3時方向のオリエンテーションフラット部FP2の何れかを有するウエハ6Aがあり、これらを両方共正確に検出する必要がある。そのため、図13(b)において、ウエハ6Aの底面のウエハホルダ30Cには、一方のオリエンテーションフラット部FP1の位置に対応した3つの切り欠き部30Ca〜30Ccと、他のオリエンテーションフラット部FP2の位置に対応した3つの切り欠き部30Cd〜30Cfとが形成され、それらの切り欠き部30Ca〜30Cfが底面から図12に示す画像処理装置によって照明されるようになっている。そして、ウエハ6Aに3時方向のオリエンテーションフラット部FP2がある場合の位置及び回転角の検出は、それぞれ観察視野52a2,51a2,50a2を有するラインセンサによって行われ、ウエハ6Aに6時方向のオリエンテーションフラット部FP1がある場合の位置及び回転角の検出は、それぞれ観察視野52a1,51a1,50a1を有するラインセンサによって行われるような構成となっている。これらはウエハステージ上で機械的なプリアライメント系の基準ピン位置上に光学的検出系が配置できる場合を示している。しかしながら、これが困難な場合は、前述のように図4(c)に示すターンテーブル60上の計測結果を用いてウエハの外形を求めることで、基準ピンを用いた位置計測結果に置き換えても構わない。
【0051】
さて、次に、本例の3個の2次元の画像処理装置50〜52を用いて、接触式のプリアライメント機構とのマッチングを行いつつウエハの位置、及び回転角の検出を行う場合の動作の一例につき図15、及び図16を参照して説明する。この場合の画像処理装置50〜52としては、図12に示すように透過照明型の画像処理装置を使用するものとする。
【0052】
先ず、図15(a)は6時方向にノッチ部NPを有するウエハ6Nをローディングポジションに搬送した状態を示し、この図15(a)において、図3の3個の画像処理装置50,51,52の実際の処理対象の観察視野をそれぞれ矩形の観察視野86A,86B,86Cとする。また、観察視野86A〜86Cに対応する領域内で、例えば前回の露光工程で使用された接触式のプリアライメント機構の基準ピンをそれぞれ2点鎖線の仮想ピン82A〜82Cで表す。但し、見易くするために、仮想ピン82A〜82Cはそれぞれ対応する観察視野86A〜86Cの外側に出して表示している。そして、ウエハ6Nの円周上の観察視野86A,86B内で、それぞれ仮想ピン82A,82Bとウエハの外周とが接触する点を仮想位置A,Bとして、ノッチ部NP上の観察視野86C内での仮想ピン82Cの中心を仮想位置Eとする。
【0053】
これらの仮想位置A,B,Eを求めるためには、例えば図3のウエハステージのウエハホルダ30上に仮想位置を示す基準マークが形成された基準ウエハを載置し、レーザ干渉計17の計測値に基づいて接触式のプリアライメント機構の3個の基準ピンの設計上の位置を目標値としてウエハステージを駆動して、その基準マークを順次観察視野86A〜86C内に移動すればよい。そして、対応する画像処理装置50〜52でそれぞれ観察視野86A〜86C内でのその基準マークの位置を検出して、この検出された位置を記憶することによって、仮想位置A,B,Eが設定されたことになる。その基準ウエハとしては、ウエハ外周に切り込みの入ったウエハや、パターンの入ったガラスウエハ等を用いればよい。
【0054】
次に、図4(b)を参照して説明したように、本例のセンターアップ38は中心軸35Zを軸として回転駆動系36によって回転できるように支持されている。そのようにセンターアップ38を回転すると、図15(a)の観察視野86A〜86C内でウエハと仮想ピン82A〜82Cとの接触点である仮想位置A,B,Eの位置が変化する。そこで、実際に上述の基準ウエハをセンターアップ38上に吸着して仮想位置A,B,Eの位置を計測した後、センターアップ38を所定角度回転して再び仮想位置A,B,Eの位置を計測し、計測結果の変動量よりそのセンターアップ38の回転中心O’のステージ座標系での座標を求める。その後、レーザ干渉計17の計測値に基づいて定まるウエハステージの座標系(ステージ座標系)(X,Y)の原点を、その回転中心O’とした新たな座標系を新座標系(X,Y;O’)とする。即ち、この新座標系(X,Y;O’)では、回転中心O’の座標は(0,0)である。
【0055】
そして、仮想位置A及びBはX軸に平行な直線に沿って配列されているものとして、且つ仮想位置A及びBのX方向の間隔をLに設定する。更に、その新座標系(X,Y;O’)において、仮想位置A及びBの座標をそれぞれ(x,a)及び(x,a)として、仮想位置Eの座標を((x+x)/2,b)として、仮想位置A,B,Eの観察視野86A〜86C内での相対座標を記憶しておく。新座標系(X,Y;O’)でのY座標をyとすると、図15(a)に示すように、仮想位置A及びBは、直線(y=a)上に位置している。更に、次式が成立している。
【0056】
−x=L
このとき、ウエハ6Nの底面側からの照明光のもとで、観察視野86A〜86C内のパターンの画像はそれぞれ図15(b)〜図15(d)に示すように、ウエハ部が斜線のような暗部となり、透過部が明部となるため、ウエハ6Nの外周のエッジを暗部と明部との境界部として検出することができる。
【0057】
次に、実際に露光対象とするウエハ6Nが図15(a)に示すように、ローディングポジションに設定されたときのウエハ6Nの位置及び回転角の検出方法を説明する。先ず、ウエハ6Nの外周の円周上の2つの観察視野86A及び86Bにおいては、それぞれ図15(b)及び(c)に示すように、明部と暗部との境界部に対応するその外周のエッジがほぼ直線状となっている。そこで、新座標系(X,Y;O’)において、X座標をx、Y座標をyとして、観察視野86A内のエッジを関数(y=f(x))で表し、観察視野86B内のエッジを関数(y=g(x))で表す。そのためには、観察視野86A,86B内のエッジ検出位置に基づいて最小2乗法による1次関数f(x)及びg(x)の2つの係数を定めればよい。また、ウエハの外周はほぼ円形であるため、1次関数f(x),g(x)の代わりに、(x−x+(y−y=rで表される円弧の関数を使用してもよい。。
【0058】
その後、一方の関数(y=f(x))上の計測点Cの新座標系(X,Y;O’)での座標を(x,y)として、他方の関数(y=g(x))上の計測点Dの新座標系での座標を(x,y)として、計測点C及びDを通る直線がX軸に平行で、且つ計測点C及びDのX方向の間隔がLとなるようにそれらの座標を定める。これは、次式を満たすように座標x,xを求めることを意味する。
【0059】
g(x)=f(x),x−x=L
また、このようにして定まる座標x,xを用いて、Y座標yはf(x)で定まり、Y座標yはg(x)で定まる。
このとき、それら2つの計測点C及びDの中点(X座標は(x+x)/2)を通りY軸に平行な直線(関数x=(x+x)/2で表される)は、ウエハ6Nの中心Oを通る。そこで、その関数x=(x+x)/2で表される直線と、計測点C(x,y)を通り関数(y=f(x))で表される直線に直交する直線との交点(即ち中心O)の座標を求め、この中心Oと計測点Cとの距離を求めると、中心Oから計測点Cまでの半径rが求められる。同様に、その関数x=(x+x)/2で表される直線と、計測点D(x,y)を通り関数(y=g(x))で表される直線に直交する直線との交点(即ち中心O)の座標を求め、この中心Oと計測点Dとの距離を求めると、中心Oから計測点Dまでの半径r’が求められる。なお、上記のように1次関数の代わりに円弧の関数を使用するときは、円の接線に直交する直線との交点が中心Oとなる。
【0060】
更に、ノッチ部NP上の観察視野86Cの画像データから、そのノッチ部NPに基準ピンを押し当てた場合のその基準ピンの中心の座標を求める必要がある。そのため、仮想ピン82Cとそのノッチ部NPとの2箇所の仮想接触点の間隔LMを予め求めておく。そして、図15(d)に示すように、観察視野86C内の画像データに基づいて最小2乗近似法によって、ノッチ部NPの左側のエッジに対応する関数(y=h(x))、及び右側のエッジに対応する関数(y=i(x))を求める。なお、h(x)及びi(x)は1次関数である。その後、ノッチ部NPに仮想ピン82Cを押し当てた場合のその仮想ピン82Cの中心を計測点Fとして、新座標系(X,Y;O’)での計測点Fの座標を(x,y)とする。
【0061】
その後、計測点Fを通りX軸に平行な直線が関数(y=h(x))、及び関数(y=i(x))で定まる直線と交差する2点間の距離がLMで、且つ計測点Fがそれら2点の中点となるように座標(x,y)を定める。このためには、先ず次式を満たすX座標x51,x52を定める。
h(x51)=i(x52),x52−x51=LM
そして、そのように定めたX座標x51,x52を用いて、次式より座標x及びyを求めればよい。これによって、計測点Fの座標が決定される。
【0062】
=(x51+x52)/2,y=h(x51
次に、図15(a)において、計測点C及びDの中点を通りY軸に平行な直線(関数x=(x+x)/2で表される直線)に対応する観察視野86C内の直線のX座標が、仮想位置EのX座標である(x+x)/2によって定められることから、ウエハ6Nの中心Oを回転中心とした場合の、観察視野86C内のノッチ部NPの計測点Fの仮想位置Eからの回転誤差Δθを次式から求める。
【0063】
Δθ={x−(x+x)/2}/(r+r’)
しかしながら、これはあくまでもウエハ6Nの中心Oを回転中心としたときの回転誤差であるため、センターアップの回転中心O’(0,0)を軸としてウエハ6Nを回転した場合、回転誤差Δθは共通であり補正できるが、各計測点C,D,Fでは計測値のオフセットが発生する。よって、その回転誤差Δθを新座標系(X,Y;O’)を基準として計算し、図15(a)において、ウエハ6Nをその回転誤差Δθ分を相殺するように回転中心O’の周りに回転したと仮定する。そして、このときに関数(y=f(x))及び(y=g(x))がそれぞれ関数(y=f’(x))及び(y=g’(x))に変化するものとして、変化後の関数f’(x)及びg’(x)を求める。
【0064】
既に回転誤差Δθは補正されているので、前回と同様に関数(y=f’(x))で定まる直線上の計測点をC’(x’,y’)、関数(y=g’(x))で定まる直線上の計測点をD’(x’,y’)として、計測点C’及びD’がX軸に平行な直線上に配列され、且つそれらの間隔がLとなるように座標x’,x’を求める。即ち、座標x’,x’は次式を満たすように決定される。
【0065】
g’(x’)=f’(x’),x’−x’=L
また、Y座標であるy’及びy’はそれぞれf’(x’)及びg’(x’)で表される。この結果、仮想位置A(x,a)及びB(x,a)と、回転補正後の計測点C’(x’,y’)及びD(x’,y’)との平均的な差分(ΔX,ΔY)は次式のようになる。
【0066】
Figure 0003590916
その差分(ΔX,ΔY)は、接触式のプリアライメント機構でプリアライメントを行った場合の位置に対するウエハ6NのX方向、Y方向への位置ずれ量であり、本例ではその位置ずれ量をサーチアライメント時のオフセットとみなして、サーチアライメント時にウエハステージの移動量を制御することによって補正する。
【0067】
なお、上述の例では、ウエハ6Nの半径r(又はr’)が大きく変動する場合を想定していたが、一般にウエハの外径のウエハ間での誤差は±0.1μm程度しかないので、半径rを固定値としてもよい。
また、ウエハの外径の変動量が大きい場合、図15(a)において仮想ピン82A,82Bとの接触点が異なるため、2つの仮想位置A,Bの間隔Lを固定値として定めることができない。この場合、観察視野86A,86B内のエジによって決定される1次関数f(x),g(x)の傾き(なお、円弧の関数を使用するときは、その円弧に対する接線の傾き)より、ウエハの外周と仮想ピンとの接点を算出し、それら接点間の距離をLとして用いればよい。また、ノッチ部NP内の形状に関しても同様にしてウエハ間の差が大きい場合、仮想ピン82Cの2つの接触点の間隔LMを変数として取り扱うことができるし、形状が安定しているときは、その間隔LMを固定値とすることも可能である。更に、ウエハの外周は円なので、ウエハの外周の近似は2次曲線近似で行ってもよい。また、これまでの計算は、直線(y=a)に対して2次元の画像処理装置の受光系が平行に設置されている場合であるが、設置誤差や設置スペースの制約等によって座標系が回転している場合もある。このように座標系が回転しているときには、ソフトウエア的に補正する必要がある。
【0068】
以上の方法によって、1回の補正計算のみでウエハ6Nの回転誤差Δθ、及びオフセットΔX,ΔYが正確に求められる。更に、上述のように回転補正後の関数f’(x),g’(x)を算出した後、回転補正後の計測点の座標x’,y’等を求める場合、図14(d)で示したように1次関数(f’(x),g’(x))の算出時の近似誤差を、実際に仮想ピンが当たる点として補正すれば更に接触式のプリアライメント機構とのマッチング精度が向上することになる。
【0069】
次に、図16(a)は6時方向にオリエンテーションフラット部FPを有するウエハ6をローディングポジションに搬送した状態を示し、この図16(a)においても、図3の3個の画像処理装置50,51,52の実際の処理対象の観察視野86A,86B,86Cと、観察視野86A〜86Cに対応する領域内で、例えば前回の露光工程で使用された接触式のプリアライメント機構の基準ピンを示す仮想ピン82A〜82Cとが表示されている。但し、見易くするために、仮想ピン82A〜82Cはそれぞれ対応する観察視野86A〜86Cの外側に出して表示している。そして、ウエハ6のオリエンテーションフラット部FP上の観察視野86A,86B内で、それぞれ仮想ピン82A,82Bとウエハの外周とが接触する点を仮想位置A1,B1として、円周上の観察視野86C内での仮想ピン82Cが接触する点を仮想位置E1とする。
【0070】
これらの仮想位置A1,B1,E1を求めるためには、前の例と同様に例えば仮想位置を示す基準マークが形成された基準ウエハを使用すればよい。また、この例でも、図4(b)のセンターアップ38の回転中心O’のステージ座標系での座標を求める。その後、ステージ座標系(X,Y)の原点を、その回転中心O’とすると共に、仮想位置A1及びB1を結ぶ直線がX軸に平行になるようにした新たな座標系を新座標系(X,Y;O’)とする。
【0071】
そして、仮想位置A1及びB1のX方向の間隔をL1に設定する。更に、その新座標系(X,Y;O’)において、仮想位置A1及びB1の座標をそれぞれ(−L1/2,c)及び(L1/2,c)として、仮想位置E1の座標を(x,y)として、仮想位置A1,B1,E1の観察視野86A〜86C内での相対座標を記憶しておく。新座標系(X,Y;O’)でのY座標をyとすると、図16(a)に示すように、仮想位置A1及びB1は、直線(y=c)上に位置している。
【0072】
このとき、ウエハ6の底面側からの照明光のもとで、観察視野86A〜86C内のパターンの画像はそれぞれ図16(b)〜図16(d)に示すように、ウエハ部が斜線のような暗部となり、透過部が明部となるため、ウエハ6の外周のエッジを暗部と明部との境界部として検出することができる。
次に、実際に露光対象とするウエハ6が図16(a)に示すように、ローディングポジションに設定されたときのウエハ6の位置及び回転角の検出方法を説明する。先ず、ウエハ6のオリエンテーションフラット部FP上の2つの観察視野86A及び86Bにおいては、それぞれ図16(b)及び(c)に示すように、明部と暗部との境界部に対応するその外周のエッジがX軸に平行なほぼ直線状となっている。そこで、新座標系(X,Y;O’)において、仮想位置A1及びB1を通り、且つオリエンテーションフラット部FPのエッジに垂直な直線と、そのエッジとの交点をそれぞれ計測点C1(−L1/2,y)及びD1(L1/2,y)として求める。これらの計測点C1,D1を求める際、計測点C1及びD1の近傍の所定範囲のエッジの平均的な位置をそれぞれ座標y及びyとすることによって、検出精度が向上する。
【0073】
また、観察視野86Cにおいて、仮想位置E1を通りX軸に平行な直線と、ウエハ6の外周のエッジとの交点を計測点F1(x,y)とする。座標(x,y)は新座標系での座標であり、これによって、その観察視野86C内のウエハ6の外周のエッジは、直線(x=x)で表される。
次に、オリエンテーションフラット部FP上の2つの計測点C1,D1間の距離はL1なので、ウエハ6の回転誤差Δθは次のようになる。
【0074】
Δθ=(y−y)/L1
ウエハ6の回転誤差Δθはオリエンテーションフラット部FPによって決定されているため、ここではウエハ6の中心Oの位置が分からなくとも、センターアップ38の回転中心O’を中心としてその回転誤差Δθの補正を行うことによって、その回転誤差は補正される。但し、回転中心O’(0,0)を軸として回転すると、観察視野86C内の計測点F1の座標(x,y)がオフセットを持つ。そこで、新座標系(X,Y;O’)をΔθだけ回転させたときの新座標系において、再び仮想位置A1,B1,E1から対応するウエハ6のエッジに対する垂線とそのエッジとの交点C1’,D1’,F1’を求め、これらの交点C1’,D1’,F1’の座標(−L/2,y’),(L/2,y’),(x’,y)を再計算する。その後、次式より、ウエハ6のX方向、及びY方向への位置ずれ量(オフセット)ΔX及びΔYを算出する。
【0075】
ΔX=x’−x
ΔY=(y’+y’)/2−c
これらのオフセットΔX,ΔYは、図15の例と同様にサーチアライメント時にウエハステージの位置を調整することで補正してやればよい。また、図15に示すノッチ部を有するウエハの位置検出でも説明したように、画像データの平均値より求めるウエハ6のエッジと、実際の仮想ピンとエッジとの接触点との間に誤差がある場合には、図14(d)で示したように、画像データ内で最終的に使用するデータを絞り込んで行けばよい。
【0076】
以上のように本例では、ウエハの外周のエッジ位置の検出後、センターアップ38を介して回転誤差を補正し、更に確認のための再検出を行う必要がないように、センターアップ38の回転で発生する誤差を予測して予め計算を行っている。従って、再検出の必要がないため、高速に非接触方式でウエハのプリアライメントが行える。
【0077】
但し、センターアップ38を回転させてウエハをウエハホルダ30上に載置したときに、真空吸着の開始時の振動やウエハの表面とウエハホルダ30の表面との平行度の誤差等により、一定の位置のオフセット、及び回転角のオフセットが付加される場合がある。これに対しては、例えばウエハの載置後のサーチアライメント時に、予め基準ウエハ等を用いて検出してあるウエハのエッジ位置と、実際に載置されたウエハのエッジ位置との差異を例えばオフ・アクシス方式のアライメントセンサ等で検出し、その分をシステムオフセットとして、ウエハの位置ずれ量のオフセットΔX,ΔY、及び回転誤差Δθの算出結果に上乗せすればよい。
【0078】
次に、本例の投影露光装置における位置決め動作の全体の流れの一例につき図1、及び図2のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図1のステップ101において、図4(b)のスライダー23に沿ってウエハアーム21によりウエハ6が搬入され、ローディングポジションにてウエハアーム21の真空吸着が解除されると同時に、センターアップ38が伸縮機構35によって上昇し、センターアップ38上にウエハ6が受け渡される。このとき、同時にセンターアップ38の各スピンドル部38a〜38cの真空吸着がオンにされる(ステップ102)。なお、この段階までに、ウエハ6は図4(c)のターンテーブル60を含む機構を介して外形基準によるX方向、Y方向、及び回転方向(θ方向)へのラフなプリアライメントが終了しており、ウエハ6の位置は、X方向、Y方向に約1〜2mm、回転方向に約5°程度の誤差を持つのみとなっている。
【0079】
この際に、回転誤差はターンテーブル60の回転により補正されており、X方向、Y方向への誤差は、ウエハアーム21からウエハ6をセンターアップ38に受け渡すときのローディングポジションの位置をX方向、Y方向に調整することで補正されている。このようなラフなプリアライメント実行後でも比較的大きさ位置ずれ量、及び回転誤差が残存しているのは、相互に振動を伝えないように、露光装置本体と、ターンテーブル60を含む機構と、スライダー23を含む機構とが独立に設置されているためである。この場合、例えば露光装置本体部とスライダー23を含む機構との間で揺れ条件が異なること等に起因して、スライダー23からセンターアップ38にウエハを受け渡す際に位置ずれ(搬送誤差)が生ずるからである。
【0080】
次に、ステップ103において、図3の3個の2次元の画像処理装置50〜52を用いてウエハ6の外形のエッジ位置計測を行う。この場合、図16を参照して説明したように、ウエハ6のオリエンテーションフラット部FPに沿った2箇所の観察視野86A,86B、及び円形の外周の1箇所の観察視野86Cにおいてそれぞれエッジ位置の計測が行われる。これに関して、従来はウエハ6のプリアライメントを行うために、ウエハホルダ30上で3個の基準ピンに対してウエハ6を押し当てていた。即ち、従来のプリアライメントは接触方式で行われていた。これに対して本例のプリアライメントは、非接触方式と呼ぶことができる。
【0081】
そして、本例の3個の観察視野86A〜86Cは、それぞれ接触方式で使用されていた3個の基準ピンとの接触点の位置と同じ仮想位置A1,B1,E1を含むように設定されている。これによって、仮に図16のウエハ6の直前のレイヤが、接触方式で位置決めを行う露光装置で露光されていたとしても、プリアライメント後のマッチングが取れている、即ち位置ずれ量が少ないという利点がある。なお、仮に投影光学系3の周囲の各種センサ等の配置等によって観察視野86A〜86Cを仮想位置を含む位置に設定できない場合でも、既に説明したように図4(c)のターンテーブル60、及び偏心センサ61を用いたウエハの外形計測の結果を用いて、実測値から基準ピンの位置でのウエハのエッジ位置を正確に推定することもできる。
【0082】
同様に、ウエハが図15に示すようにノッチ部NPを有するウエハ6Nの場合であっても、図15を参照して説明したように、画像処理により仮想位置A,B,Eとウエハ6Nの外周のエッジ位置とのずれ量を求めることにより、接触方式とのマッチングを取ることができる。
なお、ノッチ部NPを有するウエハ6Nに対して、接触方式でプリアライメントを行う露光装置とのマッチングを取る必要がない場合は、例えば図7(b)で説明した方法を用いて、図7(b)において、ノッチ部NPの2つのエッジ65A,65Bの全範囲で位置データを求め、これらの位置データより最小二乗近似計算によって仮想ノッチ形状(2本の近似直線によって規定されるV字形状)を求め、その2本の近似直線の交点をノッチ検出位置としてもよい。これによって、ノッチ部NPの形状誤差に依存することなく、高精度にウエハの位置検出を行うことができる。
【0083】
その後、ステップ104において、ステップ103での計測結果に基づいて、ウエハ6のX方向への位置ずれ量ΔX、Y方向への位置ずれ量ΔY、及び回転誤差Δθを算出する。ここでは、回転誤差Δθも広義の位置ずれ量とみなす。この際に、本例では図16を参照して説明したように、オリエンテーションフラット部FPに沿った観察視野86A,86Bでの検出結果より回転誤差Δθが求められ、観察視野86A〜86Bでの検出結果よりX方向及びY方向へのへの位置ずれ量ΔX,ΔYが求められる。
【0084】
一方、図15に示すように、位置決め対象がノッチ部NPを有するウエハ6Nである場合には、ノッチ部NP上の観察視野86C、及び他の2つの観察視野86A,86Bでの検出結果を処理することによって、X方向及びY方向への位置ずれ量ΔX,ΔYと、回転誤差θとが求められる。
それに続くステップ105において、算出された回転誤差Δθがセンターアップ38の回転で補正できる許容範囲かどうか、及び位置ずれ量ΔX,ΔYがウエハホルダ30で真空吸着可能な許容範囲かどうかを調べ、仮に何れかが許容範囲外であればステップ109に移行する。そして、位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθの何れかが許容範囲外となったのが1回目である場合には、再度上述のラフなプリアライメントを行うためにステップ110に移行して、センターアップ38からスライダー23(ウエハアーム21)にウエハ6を受け渡し、更に図4(c)のターンテーブル60上にウエハ6を戻し、ラフなプリアライメントを実行する。その後、ステップ101に戻ってステップ105までの動作を繰り返す。
【0085】
但し、ステップ105において、再び位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθの何れかが許容範囲外となった場合には、単なる位置ずれ以外の何らかの障害が発生したと認識して、ステップ109を経てステップ111に移行して、エラー情報を出して、オペレータからの指示待ち状態となる。
一方、ステップ105において、位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθの全てが許容範囲内であれば、センターアップ38を下げると同時にウエハの回転誤差Δθを補正し(ステップ106)、ウエハホルダ30にウエハ6が接触したとほぼ同時にスピンドル部38a〜38cの真空吸着をオフにし、ウエハホルダ30上の真空吸着をオンにすることで、ウエハホルダ30上にウエハ6を載置する(ステップ107)。その後、ウエハの位置ずれ量ΔX,ΔYをオフセットとして後述のサーチアライメント位置に加算して、ウエハステージを駆動してウエハを移動することで(ステップ108)、一連のプリアライメントシーケンスが終了する。そして、図2のアライメント(サーチアライメント、及びファインアライメント)のシーケンスに移行する。
【0086】
上述の本例のプリアライメント動作と、図17を参照して説明した従来のプリアライメント動作とを比較すると、図17の従来の方法では、例えば接触方式でウエハ6の回転誤差を計測した後、試料台9上のウエハのθ回転補正機構8によってウエハの回転を補正していた。これに要する時間は1〜2秒であるのに対し、本例の機構ではセンターアップ38を下げるのと同時に許容誤差内になるように予め回転補正を行うので、そのような時間が発生しない。但し、ロットの先頭付近では数枚のウエハをウエハホルダ上で再載置するために時間を要するが、誤差量を平均して補正していく学習効果でロット内のウエハ枚数が多いほど再載置する回数及び時間が減少し、本発明の効果が高くなる。
【0087】
ここで、ウエハの再載置について説明する。ウエハをウエハホルダ30に搭載した後(ステップ107)は、基本的に露光装置間のプリアライメントのマッチングが取れていれば、後のサーチアライメント時にサーチマークが見つからない等のエラーは発生しない。従って、通常の動作では図1のステップ108から図2のステップ112へ移行してよい。
【0088】
しかしながら、以下の▲1▼〜▲3▼のような条件下では、プリアライメント時の位置ずれ量が大きくなって、例えばサーチアライメント時にエラーが発生する恐れがある。
▲1▼センターアップ38の上面とウエハホルダ30の上面との平行度が何らかの原因で悪化し、ウエハのウエハホルダ30への受け渡し時に、回転やオフセット誤差が発生する場合。
【0089】
▲2▼他の露光装置とのプリアライメントのマッチングが取れていないため、ロット単位で一定の回転やオフセット誤差(ウエハの外形とサーチマークとの間の回転やオフセット)が発生する場合。
▲3▼ウエハの1層目への露光後に、ウエハの外形の計測位置に「欠け」が生じ、ウエハ単位で回転やオフセット誤差が発生する場合。
【0090】
そこで、このような恐れのあるときには、図1のステップ108から図18のステップ130Aに移行して、サーチアライメントのエラーが発生しないかどうかをチェックして、エラーが発生するときにはウエハをウエハホルダ30からセンターアップ38に移して回転補正等を行った後に、ウエハホルダ30へ戻すというウエハの再載置を行うことが望ましい。以下、図18のウエハの再載置動作につき説明する。
【0091】
先ず、図18のステップ130Aにおいて、高倍のサーチアライメントを実行する。ウエハ上には図4(a)に示すように、サーチアライメント用の第1サーチマーク47A、及び第2サーチマーク47Bが形成されている。高倍のサーチアライメントでは、図3のFIA方式のアライメントセンサ5Aによってウエハ上の第1サーチマーク47A、及び第2サーチマーク47Bを検出する際に、結像光学系の倍率を高倍にして、且つ1画面のみの画像情報を処理する。その後、ステップ130Bにおいて、サーチアライメントによってウエハのX方向のオフセットδX、Y方向のオフセットδY、及び回転誤差δθが計測可能かどうかを判定する。これは、ステップ130Aで得られた1画面分ずつの画像情報より、2つのサーチマーク47A,47Bが検出可能かどうかで判定される。そして、サーチマーク47A,47Bが検出可能であれば、動作は図2のステップ112に移る。従って、通常はステップ130Aの1画面の高倍サーチアライメントを実行するのみでステップ112に移るため、スループットは殆ど低下しない。
【0092】
一方、ステップ130Bでサーチマーク47A,47Bが検出できないときには、動作はステップ131(モード1)、ステップ132(モード2)、又はステップ133(モード3)の何れかに移行する。モード1、モード2、モード3の選択は予め行っておく。先ず、モード1のステップ131では、アライメントセンサ5Aの倍率を低倍にして視野を広域にして、サーチマーク47A,47Bを検出する。これが低倍画像処理サーチアライメントである。次に、モード2のステップ132では、アライメントセンサ5Aの倍率を高倍にして、且つウエハステージをステッピングさせて画面継ぎを行いながらサーチマーク47A,47Bを検出する。また、モード3のステップ133では、オペレータのアシスト(マニュアルアシスト)によって、例えば第1サーチマーク47Aの座標(FX1,FY1)を計測して、オフセットδX,δYを求めた後、第2サーチマーク47BのY座標FY2を計測して、2つのY座標の差分より回転誤差δθを求める。また、ステップ131及び132の後では、ステップ134で示すように、再びオフセットδX,δY及び回転誤差δθが検出可能かどうか、即ちサーチマーク47A,47Bが検出できたかどうかを判定し、検出できなかったときにはモード3のステップ133に移行して、検出できたときにはδX,δY,δθを求めてステップ137に移行する。
【0093】
また、ステップ133の後のステップ135では、得られた回転誤差δθがセンターアップ38で補正できる範囲かどうかを判定し、補正できない(回転許容値を超える)ときにはステップ136に移行してエラー表示を行い、補正可能であればステップ137に移行する。そして、ステップ137では、センターアップ38の真空吸着のオン、及びウエハホルダ30の真空吸着のオフ後に、センターアップ38をウエハと共に上昇させて、ウエハの回転誤差δθの補正を行う。これは1ロットの1枚目のウエハの場合であり、2枚目以降のウエハについては、その回転誤差δθの補正を図1のステップ106実行時に追加して行う。その後、ウエハホルダ30の真空吸着をオンにして、センターアップ38を降下させてセンターアップ38の真空吸着をオフにする。これでウエハがウエハホルダ30上に再載置されたことになる。次にステップ138で、1枚目のウエハであればサーチアライメント位置をオフセットδX,δY分だけ補正する。また、2枚目以降のウエハであれば、例えば図1のステップ108におけるサーチアライメント位置にそのオフセットδX,δYの補正を追加しておく。その後、動作は図2のステップ112へ移行する。
【0094】
なお、上述の▲1▼,▲3▼の場合はウエハ単位で変化するので、図1のステップ106での補正は行わない(2枚目以降のウエハに関するエラー処理を行う)。それに対し▲2▼の場合は1枚目のウエハにて判断できるので、図18のステップ137の2枚目以降のウエハの処理を実施する。但し、▲1▼,▲2▼,▲3▼の場合が複合している場合、1枚目のウエハのみに誤差が発生している可能性もあるので、計測した結果を2枚目以降フィードバックすると、反対にサーチができない場合もある。このような場合は、前述のように学習機能によって処理することが望ましい。
【0095】
また、図17に示す従来の投影露光装置には、移動鏡13が載置された試料台9とウエハ6との間に駆動系としてのウエハのθ回転補正機構8が存在するが、本例では移動鏡13とウエハ6との間に駆動システムがないためステッピング精度の安定性が高まる。
次に、図2のアライメントのシーケンスにおいて、先ずサーチアライメントが実行される。但し、使用するアライメントセンサの検出可能な範囲(キャプチャーレンジ)が広い場合で、且つプリアライメント精度が良好である場合にはサーチアライメントを省略してファインアライメントに入ることができる。例えばLSA方式、及びFIA方式のアライメントセンサでは検出可能な範囲が広く、例えば±2.5μm程度まで対応可能である。それに対して、LIA方式のアライメントセンサの検出可能な範囲は±1〜2μm程度しかない。そのため、プリアライメント精度が±2.5μm以下ならば、LSA方式、又はFIA方式のアライメントセンサを使用する場合には、サーチアライメントなしにファインアライメントに移行することができる。
【0096】
そこで、図2のステップ112において、使用するアライメントセンサの種類を判別し、LIA方式のアライメントセンサを使用するときにはステップ103以下のサーチアライメントシーケンスに移行し、LSA方式又はFIA方式のアライメントセンサを使用するときには、ステップ121に移行してプリアライメント精度が使用するアライメントセンサの検出可能な範囲外かどうか、即ちサーチアライメントを行うかどうかを判定する。そして、サーチアライメントを行うときにはステップ113に移行し、サーチアライメントを行わないときにはステップ126に移行する。
【0097】
次に、サーチアライメントについて説明するが、ウエハ上にはサーチアライメント用のマークが形成されている。本例のウエハ6上にも、図4(a)に示すように、X方向に所定ピッチで形成されたライン・アンド・スペースパターンよりなるX軸のサーチマーク45Xと、Y方向に所定ピッチで形成されたライン・アンド・スペースパターンよりなるY軸のサーチマーク45Yとを組み合わせたFIA方式用の第1サーチマーク47Aが形成されている。更に、第1サーチマーク47AからほぼY方向に所定間隔離れた位置に、X軸のサーチマーク44Xと、Y軸のサーチマーク44Yとを組み合わせたFIA方式用の第2サーチマーク47Bが形成されている。本例では2つのサーチマーク47A,47Bの位置検出を行うために図3のFIA方式のアライメントセンサ5Aが使用され、後述のようにウエハ6の回転角を検出するためにFIA方式のアライメントセンサ5Bが検出される。そこで、2つのアライメントセンサを区別するために、以下ではアライメントセンサ5Aを「FIA顕微鏡5A」と呼び、アライメントセンサ5Bを「θ顕微鏡5B」と呼ぶ。
【0098】
また、ウエハ6上の全部のショット領域にはそれぞれファインアライメント用のウエハマーク(以下、「ファインマーク」という)も形成されている。具体的に、図4(a)において、ウエハ6上の全ショット領域を代表して表すショット領域SAには、Y方向に伸びた点列状のX軸のファインマーク46X、及びX方向に伸びたY軸のファインマーク46Yも形成されている。これらのファインマーク46X,46Yは、図3のTTL方式のアライメントセンサ4中のLSA方式のアライメントセンサで検出されるマークである。なお、実際に使用されるファインマークとしては、プロセスに応じてLIA方式用のマークや、FIA方式用のマークもある。
【0099】
また、図8(a)及び(b)はウエハ6上のマーク配置を示し、これら図8(a)及び(b)において、第1サーチマーク47Aは、4個のショット領域48A〜48Dに囲まれたストリートライン領域にあり、第2サーチマーク47Bも別の4個のショット領域49A〜49Dに囲まれたストリートライン領域にある。また、円形の観察視野5Aaは図3のFIA顕微鏡5Aの有効観察視野であり、それからX方向に離れた位置にある観察視野5Baは図3のθ顕微鏡5Bの有効観察視野である。
【0100】
次に、サーチアライメントを行うために、ステップ113において、ウエハステージを駆動して、図8(a)に示すようにFIA顕微鏡5Aの観察視野5Aa内に第1サーチマーク47Aを移動する。この状態では、θ顕微鏡5Bの観察視野5Ba内には第2サーチマーク47Bはなく、ショット領域49A,49Bの端部、及びストリートライン領域70がある。その後、これから露光するウエハ6がこのロット中の先頭のウエハかどうかを判定し(ステップ114)、先頭のウエハである場合にはステップ115に移行して、FIA顕微鏡5Aで第1サーチマーク47AのX方向、Y方向の座標(FX1,FY1)を検出する。
【0101】
ここで、ステップ115における検出方法の一例につき図9を参照して説明する。図9(a)は、FIA顕微鏡5Aの観察視野内で実際に撮像素子により撮像される検出範囲68を示し、この図9(a)において、検出範囲68内にX方向に対応する2個の独立の指標マーク66X1,66X2、及びY方向に対応する2個の独立の指標マーク66Y1,66Y2が表示されている。これらの指標マーク66X1,66X2,66Y1,66Y2は、図3のFIA顕微鏡5A内でウエハの表面との共役面に配置され、且つウエハ上のマークを検出するための照明光とは独立の照明光で照明されている。また、FIA顕微鏡5A内にはX方向に対応する方向に走査を行うX軸用の撮像素子と、Y方向に対応する方向に走査を行うY軸用の撮像素子とが並列に設けられ、X軸用の撮像素子は指標マーク66X1,66X2を横切る方向に走査を行って、図7(c)に示す撮像信号SX1を出力する。図7(c)内の信号部67XがX軸のサーチマーク45Xに対応し、その撮像信号SX1をアナログ/デジタル(A/D)変化して画像処理することにより、指標マーク66X1,66X2を基準とした第1サーチマーク47AのX座標が検出される。
【0102】
同様に、Y軸用の撮像素子は指標マーク66Y1,66Y2を横切る方向に走査を行って、図7(b)に示す撮像信号SY1を出力する。図7(b)内の信号部67YがY軸のサーチマーク45Yに対応し、その撮像信号SY1を画像処理することにより、指標マーク66Y1,66Y2を基準とした第1サーチマーク47AのY座標が検出される。但し、指標マークの代わりに、例えばFIA顕微鏡5A内の撮像素子の所定の画素、又は撮像管を使用する際には走査開始点等を基準として位置検出を行ってもよい。
【0103】
その後、ウエハステージを駆動して、図8(b)に示すようにFIA顕微鏡5Aの観察視野5Aa内に第2サーチマーク47Bを移動して(ステップ116)、FIA顕微鏡5Aで第2サーチマーク47BのX方向、Y方向の座標(FX2,FY2)を検出する(ステップ117)。次に、ステップ108において、2つのサーチマーク47A,47Bの位置を基準として、ウエハステージの座標系(X,Y)に回転角θ、及びオフセット((FX1+FX2)/2,(FY1+FY2)/2)を与えた新たな座標系(以下、「XYθ変換座標」と呼ぶ)(X,Y)を導入する。この場合の回転角θは、2つのサーチマーク47A,47Bの間隔をLとして次式で表される。
【0104】
【数1】
θ=arctan{(FY2−FY1)/L}
そして、新たなXYθ変換座標(X,Y)は、ウエハステージの座標系(X,Y)に対して次式で表される。
【0105】
【数2】
Figure 0003590916
【0106】
次に、ステップ119において、XYθ変換座標(X,Y)に従ってウエハステージを駆動して、図8(a)に示すようにFIA顕微鏡5Aの観察視野5Aa内に第1サーチマーク47Aを再び移動する。それに続くステップ120において、ステップ119が終了した状態でθ顕微鏡5Bの観察視野5Ba内に存在するパターン(ストリートライン等)を撮像し、撮像された画像を記憶するか形状の特徴を記憶する。この動作につき図10を参照して説明する。
【0107】
図10(a)はステップ119が終了した状態でのFIA顕微鏡5Aの検出領域68の画像を示し、この図10(a)の画像をY軸の撮像素子でY方向に走査して得られる撮像信号SY1を図11(a)に示す。このようにXYθ変換座標に従って移動すると、第1サーチマーク47Aの中心はFIA顕微鏡5Aの検出領域68の中心に設定される。また、第1サーチマーク47AのY軸用のサーチマーク45Yに対応して、図11(a)の撮像信号SY1は位置Y,Y,Yで下側にピークとなっている。そこで、(Y+Y+Y)/3で求められるY座標YAが第1サーチマーク47AのY方向の位置として検出される。
【0108】
これに対し、図10(b)はステップ119が終了した状態でのθ顕微鏡5Bの検出領域69内の画像を示し、この図10(b)において、X方向に伸びる2つのエッジ部70a,70bに挟まれたストリートライン領域70の上下にそれぞれ、ショット領域49A内のパターン71A、及びショット領域49B内のパターン71Bがある。そして、本例のXYθ変換座標(X,Y)の決定方法から、ストリートライン領域70中に、XYθ変換座標におけるX軸、即ち座標YP の値が0となる直線が存在するため、その直線を一点鎖線の仮想直線70cとする。本例では、図10(b)の画像をY方向(ほぼYP 方向とみなしている)に対応する方向に走査することにより、図11(b)に示す撮像信号SY2を得る。この図11(b)において、下方向への2つのピークの位置SR1及びSR2がそれぞれ、図10(b)のエッジ部70a,70bのY座標に対応する。そこで、図10(b)の仮想直線70cに対応する図11(b)上での位置YB(即ち、Y=0となる位置)を求める。
【0109】
そして、本例では位置YBと両隣の位置SR1,SR2とのそれぞれの間隔ΔSR1,ΔSR2を検出することにより、図10(b)における仮想直線70cとストリートライン領域70の2つのエッジ部70a,70bとのY方向への間隔を求め、これを図3の中央制御系18内に記憶する。更に、エッジ部70a,70bとその他のパターン(パターン71A,71B等)とを正確に識別できるように、図11(b)の撮像信号SY2中の位置SR1,SR2での信号強度、その他のパターンに対応する部分での信号強度、及び位置SR1,SR2とその他のパターンとの間隔等の特徴を求めて中央制御系18内に記憶する。1ロット内のウエハでは2つのサーチマーク47A,47Bとストリートライン領域70との位置関係は同じであるとみなして、2枚目以降のウエハに対しては、図11(b)の撮像信号SY2から位置SR1,SR2を識別し、位置SR1,SR2に基づいて座標Yが0となる位置YBを検出するようにする。
【0110】
なお、上述の例では図11(b)の撮像信号SY2から2つのエッジのピークの位置SR1,SR2を識別しているが、その撮像信号SY2の波形をA/D変換して記憶し、次のウエハで得られた撮像信号の波形との相関をとることで座標Yが0となる位置YBを検出する方法も考えられる。また、上述の例では図10(a)に示すように、第1サーチマーク47Aの中心をFIA顕微鏡5Aの検出領域68の中心に設定しているが、図10(b)に示すように、座標Yが0となる仮想直線70cがθ顕微鏡5Bの検出領域69の中心になるような新しい座標系を設定してもよい。
【0111】
次に、ステップ122に移行して、ウエハ6上の所定のショット領域に付設されたファインマーク46X,46Yの位置検出を行うことによりファインアライメントを行う。ここでは、例えば特開昭61−44429号公報で開示されているようなエンハンスト・グローバル・アライメント(以下、「EGA」という)方式でファインアライメントを行う。即ち、XYθ変換座標に基づいてウエハステージを駆動することにより、アライメントセンサ4を用いて、ウエハ6上から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)に付設されたX軸、及びY軸のファインマークの座標を検出し、この検出結果を統計処理してウエハ6上の全部のショット領域のXYθ変換座標での配列座標を算出する。
【0112】
その後、ステップ123において、そのファインアライメントで算出された各ショット領域の配列座標に基づいて順次ウエハステージを駆動して、ウエハ6上の各ショット領域を露光位置に位置決めしてそれぞれレチクル1のパターン像を投影露光する。この際に、最終的な位置調整ではウエハステージを静止した状態で、レチクル1側のステージを駆動してレチクルとウエハとの相対的な位置ずれ量を補正してもよい。これによってウエハ6への露光が終了し、ウエハ6が搬出された後に、このロット内で次に露光するウエハについて図1のステップ101〜108が実行されてプリアライメントが行われる。その後、そのウエハについて図2のステップ112及び113が実行されてステップ114に移行する。
【0113】
今度のウエハはこのロット内の2枚目以降であるため、動作はステップ114からステップ124に移行して、図8(a)と同様の状態でFIA顕微鏡5Aにより第1サーチマーク47AのX座標、及びY座標(FX1,FY1)を検出するのと同時に、θ顕微鏡5Bによってストリートライン領域70の両側のエッジ部のY座標SR1,SR2を検出する。この際にステップ120で記憶した画像データより、ストリートライン領域70の両側のエッジ部とそれ以外のパターンとの識別を行う。また、それらのY座標SR1,SR2より新たな座標系のY軸の値が0となるときのY座標YBを求める。
【0114】
そして、ステップ125において、ウエハステージの座標系(X,Y)に回転角θ、及びオフセット(Ox,Oy)を与えた新たなXYθ変換座標(X,Y)を導入する。この場合の回転角θは、FIA顕微鏡5Aの検出中心とθ顕微鏡5Bの検出中心との間隔L’と、上述の計測値とを用いて次式で表される。
【0115】
【数3】
θ=arctan{(YB−FY1)/L’}
また、2つのサーチマーク47A,47Bの間隔Lを用いると、1次近似で第2サーチマーク47Bの座標(FX2,FY2)はほぼ(FX1+L,FY2+θ・L)で与えられる。そこで、オフセット(Ox,Oy)をそれら2つのサーチマーク47A,47Bの中点の座標として、新たなXYθ変換座標(X,Y)は、ウエハステージの座標系(X,Y)に対して上述の(数2)で表される。その後はステップ122,123でそのウエハに対するアライメント及び露光が行われる。この際に、2枚目以降のウエハに対してはサーチアライメント時に、FIA顕微鏡5A及びθ顕微鏡5Bで同時計測を行い、X,Y方向の位置及び回転角を一度に求めるため、計測時間が短縮されスループットが向上している。
【0116】
次に、使用するアライメントセンサがLSA方式、又はFIA方式で、且つサーチアライメントを行わない場合の説明を行う。この場合の動作はステップ121からステップ126に移行して、先ずモード選択が行われる。本例ではラフモードと、ファインモードとの2つのモードがある。本例では図1に示すプリアライメントの精度は例えば標準偏差の3倍(3σ)で20μm程度であるため、ファインアライメント開始時の精度としては十分である場合(ラフモード)と、不十分である場合(ファインモード)とに分かれる。そこで、ラフモードのときにはステップ122に移行して、そのプリアライメントの精度のままで、例えば所定個数のサンプルショットの位置計測を行うことによりEGA方式のファインアライメントを行う。
【0117】
一方、ファインモードのときには、指定されたアライメントセンサを用いて、ウエハ上の離れた2箇所のショット領域に付設されたX軸、及びY軸のファインマークの座標を計測し(ステップ127)、その結果からステップ118と同様にXYθ変換座標を求める(ステップ128)。その後、XYθ変換座標に従ってウエハステージを駆動することにより、3番目のサンプルショット以降、又は最初のショット領域も含めてそれぞれ、ファインマークの中心をアライメントセンサの検出領域のほぼ中心に設定して計測を行い(ステップ129)、計測終了後にステップ123で露光を行う。
【0118】
一般的には、LSA方式やFIA方式では検出可能な範囲が広いため、スループットの点で有利なラフモードが選択されるが、例えばFIA方式の画像処理系の画面内ディストーションや倍率誤差等の影響を排除して高精度で測定を行うことが要求される場合は、画面ディストーション等を予め計測して補正するか、又はファインモードが望ましい。また、モード選択は予めプロセスに応じて選択するようにしてもよいが、プリアライメント精度の良否によって自動的にモード選択を行ってもよい。なお、図2のステップ124において、θ顕微鏡5Bの検出範囲内にパターンが存在しない場合は、検出対象パターン無しと判定して、先頭ウエハに対して行ったステップ115〜118を実行した後、ステップ122に移るシーケンスを自動的に選択する。
【0119】
なお、上述の実施の形態では、プリアライメント終了後にサーチアライメント又はファインアライメントに移行できることを前提とした。しかし、例えば他の露光装置でウエハ上の1層目への露光が行われており、その2層目に図3の投影露光装置で露光を行う場合で、且つそれら2つの露光装置間でアライメントセンサの設置位置等のマッチングが取れていないような場合には、ウエハが外形基準で正確に位置合わせされても、サーチマーク47A,47Bがアライメントセンサの観察視野に存在しない程、サーチマーク47A,47Bの位置がX方向、Y方向、回転方向にずれていることがある。このようなときには、ロットの第1ウエハにおいて、図1のプリアライメント終了後にオペレータの指示待ちとし、オペレータによってサーチマーク47A,47Bの位置のマニュアル計測を実施してもよい。そして、その結果をもとに、センターアップ回転機構用の回転角のオフセット、及びサーチアライメント位置のX方向、Y方向へのオフセットを算出して補正してやれば、そのロットの第2ウエハ以降は図1のプリアライメント後に、図2のサーチアライメント又はファインアライメントに自動的に移行することが可能となる。
【0120】
また、上述の実施の形態では、ウエハのローディングポジション上にウエハのエッジ位置のセンサとしての2次元画像処理装置が設置されているが、ウエハサイズ等によってはそのローディングポジションにエッジ位置のセンサを配置するのが困難な場合もある。このようなときには、ウエハをセンターアップ38上に搭載したままで、ウエハステージを駆動して外形計測可能な位置にウエハを移動してもよいし、又は一度ウエハをウエハホルダ30上に設置してからウエハステージを駆動して外形計測可能な位置まで移動しても構わない。
【0121】
更に、本発明はステップ・アンド・リピート型の露光装置のみでなく、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置等の露光装置にも適用できる。
このように本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0122】
【発明の効果】
本発明の位置決め方法によれば、感光基板(ウエハ)の受け渡しが行われた直後に、2次元画像処理装置を用いて非接触で感光基板の外周部のエッジ計測を行うので、感光基板を基板ステージ上に降下させるのと並行して、感光基板の回転誤差の補正(プリアライメント)を行うことができる。従って、プリアライメントに要する時間を短縮できる。また、基板ステージ側に回転機構を設ける必要がないため、基板ステージ(ウエハステージ)の構成が簡略化でき、それにより基板ステージの剛性向上及び軽量化を図ることができ、結果として例えば基板のローダ系から基板ステージに感光基板を載置する際の感光基板の位置決めを高速且つ高精度に行うことができる利点がある。
【0123】
また、2次元画像処理系の観察視野内に接触式の位置決め方式でその感光基板をその基板ステージ上で位置決めする際の基準位置に対応する仮想的位置を設定し、その感光基板上の計測点の対応する仮想的位置からの位置ずれ量に基づいてその感光基板の位置決めを行っているため、接触式の位置決め(プリアライメント)を行う他の露光装置との間で、その大まかな位置決めを行う際(プリアライメント時)の高いマッチング精度を得ることができる。
【0124】
この場合、その感光基板の外周部のその切り欠き部が1つの楔状の切り欠き部であるときに、それら2次元画像処理系による計測点を、その切り欠き部に1箇所、及びそれ以外のその感光基板の外周部に2箇所設定したときには、それら3箇所の計測点で感光基板の位置を検出することによって、その感光基板の回転角、及び2次元的な位置を特定できる。
【0125】
一方、その感光基板の外周部のその切り欠き部がエッジが平坦な1つの切り欠き部であるときに、それら2次元画像処理系による計測点を、その切り欠き部に2箇所、及びそれ以外のその感光基板の外周部に1箇所設定したときには、それら3箇所の計測点で感光基板の位置を検出することによって、その感光基板の回転角、及び2次元的な位置を特定できる。
【0126】
また、感光基板を基板ステージ上に載置したときのその感光基板の位置を予測する際に、その感光基板をそのまま基板昇降手段を介してその基板ステージ上に載置した際のその接触式の位置決め方式で位置決めした場合との回転誤差、及び位置ずれ量を求め、その基板昇降手段を介してその感光基板をその基板ステージ上に載置する際にその回転誤差を補正し、その感光基板をその基板ステージ上に載置した後、その基板ステージを介してその位置ずれ量を補正するときには、その基板ステージの構成を簡略化して、その感光基板の位置決めを高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置合わせ方法の実施の形態の一例のプリアライメント工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明による位置合わせ方法の実施の形態の一例のサーチアライメント工程、及びファインアライメント工程を示すフローチャートである。
【図3】図1及び図2の位置合わせ方法を実施するための投影露光装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】図3の投影露光装置で用いられるウエハ搬送装置、ウエハの受け渡し機構、及びターンテーブル機構等を示す図である。
【図5】(a)はオリエンテーションフラット部を有するウエハを示す平面図、(b)はノッチ部を有するウエハを示す平面図である。
【図6】ウエハのエッジ部を検出するための2次元の画像処理装置50の一例を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図7】ウエハのノッチ部の検出方法の一例の説明に供する図である。
【図8】(a)は第1ファインマーク47AがFIA顕微鏡5Aの観察視野内にある場合を示す平面図、(b)は第2ファインマーク47BがFIA顕微鏡5Aの観察視野内にある場合を示す平面図である。
【図9】(a)はその実施の形態の一例において、1番目のウエハの第1サーチマーク47Aの観察画像を示す図、(b)は図9(a)をY方向に走査して得られる撮像信号を示す波形図、(c)は図9(a)をX方向に走査して得られる撮像信号を示す波形図である。
【図10】(a)は2番目以降のウエハの第1サーチマーク47Aの観察画像を示す図、(b)はその際にθ顕微鏡5Bで観察される画像を示す図である。
【図11】(a)は図10(a)の画像に対応する撮像信号を示す波形図、(b)は図10(b)の画像に対応する撮像信号を示す波形図である。
【図12】画像処理装置50の別の例を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図13】ウエハの種々のノッチ部及びオリエンテーションフラット部の説明図である。
【図14】ラインセンサ、又は2次元の画像処理装置を用いてウエハ6の外周のエッジ位置を検出する方法の説明図である。
【図15】ノッチ部を有するウエハ6Nに対して接触方式のプリアライメント機構とのマッチングを取りながらエッジ位置の検出を行う方法の説明図である。
【図16】オリエンテーションフラット部を有するウエハ6に対して接触方式のプリアライメント機構とのマッチングを取りながらエッジ位置の検出を行う方法の説明図である。
【図17】従来の投影露光装置に用いられるウエハの受け渡し機構を示す構成図である。
【図18】ウエハの再載置を行うかどうかを判定する動作、及びその再載置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 レチクル
3 投影光学系
4 LIA方式、及びLSA方式のアライメントセンサ
5A FIA方式のアライメントセンサ(FIA顕微鏡)
5B FIA方式のアライメントセンサ(θ顕微鏡)
6,6N ウエハ
10 Zチルト駆動部
11 Xステージ
12 Yステージ
15 アライメント制御系
16 ステージ制御系
18 中央制御系
21,22 ウエハアーム
23 スライダー
29 試料台
38 センターアップ
50,51,52 2次元の画像処理装置
86A,86B,86C 観察視野
A,B,E,A1,B1,E1 仮想位置

Claims (4)

  1. 2次元的に移動自在な基板ステージ上に保持された実質的に円形で外周部の一部に切り欠き部を有する感光基板上にマスクパターンを転写する際の前処理工程として、前記基板ステージ上に前記感光基板を位置決めするための位置決め方法において、
    前記感光基板を前記基板ステージの上方の所定の受け渡し点に搬送し、
    該受け渡し点で前記感光基板の外周部の前記切り欠き部に設定された1箇所以上の計測点、及び前記感光基板の外周部の他の1箇所以上の計測点の位置をそれぞれ2次元画像処理系を用いて非接触に計測すると共に、
    前記2次元画像処理系の観察視野内に接触式の位置決め方式で前記感光基板を前記基板ステージ上で位置決めする際の基準位置に対応する仮想的位置を設定し、
    前記2次元画像処理系により計測される前記計測点の位置の前記仮想的位置からのずれ量、及び前記感光基板を所望の角度回転して前記受け渡し点から前記基板ステージ上に設定するための基板昇降手段について予め計測された回転中心の座標より、前記感光基板を前記基板ステージ上に載置したときの前記感光基板の位置を予測し、
    該予測された結果に基づいて、前記感光基板を前記基板ステージ上で前記接触式の位置決め方式で位置決めした場合と同じ位置に位置決めすることを特徴とする位置決め方法。
  2. 請求項1記載の位置決め方法であって、
    前記感光基板の外周部の前記切り欠き部は1つの楔状の切り欠き部であり、
    前記2次元画像処理系による前記計測点は、前記切り欠き部に1箇所、及びそれ以外の前記感光基板の外周部に2箇所設定されることを特徴とする位置決め方法。
  3. 請求項1記載の位置決め方法であって、
    前記感光基板の外周部の前記切り欠き部はエッジが平坦な1つの切り欠き部であり、
    前記2次元画像処理系による前記計測点は、前記切り欠き部に2箇所、及びそれ以外の前記感光基板の外周部に1箇所設定されることを特徴とする位置決め方法。
  4. 請求項1、2、又は3記載の位置決め方法であって、
    前記感光基板を前記基板ステージ上に載置したときの前記感光基板の位置を予測する際に、前記感光基板をそのまま前記基板昇降手段を介して前記基板ステージ上に載置した際の前記接触式の位置決め方式で位置決めした場合との回転誤差、及び位置ずれ量を求め、
    前記基板昇降手段を介して前記感光基板を前記基板ステージ上に載置する際に前記回転誤差を補正し、前記感光基板を前記基板ステージ上に載置した後、前記基板ステージを介して前記位置ずれ量を補正することを特徴とする位置決め方法。
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