JP3589835B2 - 電子回路アセンブリ試験方法及び試験装置及び該試験用アダプタ - Google Patents

電子回路アセンブリ試験方法及び試験装置及び該試験用アダプタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は具備する信号ピンの電圧を制御・観測する手段を内蔵した、マルチチップモジュール(以下、MCMと称す。)や1チップのみ搭載されたLSIやバウンダリスキャンを搭載したプリント回路板(PCB)などの電子回路アセンブリの試験装置、該手段を用いた試験方法、及び該試験に用いる試験機と電子回路アセンブリとの接続のためのアダプタに関する。
【0002】
特に該手段を用いて行う電子回路アセンブリの外部入出力ピンのオープン故障及びショート故障及び内部相互接続試験に関する。
そして、該手段がバウンダリスキャン回路である場合の電子回路アセンブリの試験装置、該手段を用いた試験方法、及び該試験に用いる試験機と電子回路アセンブリとの接続のためのアダプタに関する。特にバウンダリスキャン方式において標準の外部テストモード(EXTEST機能)を使用した電子回路アセンブリの接続試験に関する。
【0003】
LSIチップを搭載したMCMなどの電子回路アセンブリの製造工程において、LSIチップとLSIチップを搭載する基板は、アセンブリ後の工程に修理することが困難であり、また製品のコスト増の要因となる。よって、アセンブリの前工程におけるLSIチップの単体試験及び基板の単体試験により、予め良品と判定されたそれぞれの部品のみが電子回路アセンブリの製造において使用される。
【0004】
そのため、アセンブリ工程後に残存する故障の大部分は半田ブリッチや半田未着を主な原因とするショート(短絡)故障とオープン(開放)故障(所謂、浮き)である。
このような状況下では、アセンブリ後の試験は専ら、LCIチップ間の相互接続や、LSIチップと電子回路アセンブリを構成するパッケージの外部入出力ピンとの間の接続を対象とすることになる。
【0005】
【従来の技術】
従来の具備する信号ピンの電圧を制御・観測する手段を内蔵した電子回路アセンブリの試験、例えば、該手段がバウンダリスキャン回路である場合によく知られるように、電子回路アセンブリの該手段に電源を供給し(該手段がバウンダリスキャン回路である場合には該回路のEXTEST機能により)、電子回路アセンブリのオープン故障とショート故障の検出を同時に行う。
【0006】
このとき、パッケージの外部入出力ピンとLSIチップとの間の接続をチェックするために、試験用回路を制御する外部入出力ピン(以下で適宜、制御ピンとと称する。)の他に、試験対象となる全ての外部入出力ピン(以下で適宜、試験対象ピンと称する。)をテスタのピンエレクトロニクスと接続する。
図13は、従来のバウンダリスキャン試験方法及び試験機を説明する図である。
【0007】
図13に示すバウンダリスキャン方式による試験機などのように、具備する信号ピンの電圧を制御・観測する手段を内蔵した電子回路アセンブリの試験のための上記の方式による試験機は、試験対象の電子回路アセンブリである被試験体の外部入出力ピン中の試験対象となる信号ピンと同数のピンエレクトロニクスのチャンネルを持つ。
【0008】
図13では便宜上省略されているが、試験対象の電子回路アセンブリには通常試験対象ピンとして数百から数千本の信号ピンがあり、そのため、試験機のピンエレクトロニクスのチャンネルも数百から数千個が必要とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
被試験体の外部入出力ピンの実装状態が多ピン状態かつ高密度である場合に、被試験体の外部入出力ピンと試験装置のピンエレクトロニクスの接続に関して、以下に示す二つの問題が存在する。
一つは、物理的制約により、被試験体の外部入出力ピンと試験装置との間に試験対象ピンの全てのピンについて同時に、且つ、それぞれのピンについて独立した電気的接続を得ることが実現困難なことである。例え、実現されえたとしてもその手段を施すことは、その困難さから、非常に高価なものとなってしまう。
【0010】
よって、簡便に上記の電気的接続を取れるようにすることが課題となる。
もう一つの問題は、試験装置のピンエレクトロニクスに、被試験体の試験対象ピンの数に対応する多くのチャンネルを持たせる必要が有ることであり、そのため、試験装置は高価な物となることである。その結果、試験工程は製品のコスト上昇の要因の一つになってしまう可能性がある。
【0011】
よって、試験装置を安価に構成できるようにすることが課題となる。
以上より、本発明は、電子回路アセンブリである被試験体と試験装置との間の独立した電気的接続の個数と対応する試験装置のピンエレクトリニクスのチャンネル数を削減し、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えること、即ち低価格の試験装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、試験対象となる試験対象ピンと試験制御用の入出力ピンとからなる複数の外部入出力ピンと、該試験制御用入出力ピンを介して各試験対象ピンの電圧を独立に制御すると共に該電圧を独立に観測することを可能とする試験手段とを有すると共に被試験体内に設けられた電子回路アセンブリに対しアダプタを用いての試験を行う電子回路アセンブリ試験方法であって、
該被試験体を前記アダプタに対して中間位置まで加圧下降させることにより、該試験制御用入出力ピンを用いて該試験手段制御の接続をし、該接続を維持しつつ該試験対象ピンを開放状態にし、該試験手段を用いて該試験対象ピンのショート故障を検出する第1の試験過程と、
該被試験体を前記アダプタに対して更に加圧下降させることとにより、該接続を維持しつつ、該試験対象ピンを導体のみから構成される短絡用構造物に接触させて互いにショート状態にすると共に該ピンに試験電圧を一括印加し、該試験手段を用いて該試験対象ピンのオープン故障を検出する第2の試験過程とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子回路アセンブリ試験方法において、
前記試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、複数の外部入出力ピンと、該外部入出力ピン中の試験対象ピンの電圧を制御して該電圧の観測が可能であると共に該外部入出力ピン中の制御ピンを介して動作制御される試験手段とを有すると共に被試験体内に設けられた電子回路アセンブリに対し試験を行う電子回路アセンブリ試験装置であって、
該試験手段の制御のための該制御ピンとの接続を担うプローブと、該試験対象ピンをそれぞれ互いにショート状態にさせて試験することの可能な導電性部材とを有し、該被試験体の位置により該制御ピンと該プローブとが接続した第1の状態と、該制御ピンと該プローブとの接続を維持しつつ該試験対象ピンと該導電性部材とショート状態とする第2の状態とに接続状態を切り替え可能な構成としたアダプタを具備し、
該第1の状態で、該試験手段を用いて該開放状態での試験で該試験対象ピンのショート故障を検出し、
第2の状態で、該ショート状態での試験電圧の印加による試験で該試験対象ピンのオープン故障を検出することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記試験対象ピンの電圧を制御すると共に電圧観測可能な試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3又は請求項4の何れか記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記アダプタは、少なくとも一つの変形容易で柔軟な構造を有した短絡用の導電性の部材と、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、該導電性の部材を支持すると共に該プローブを収納する内腔を有する支持体と、からなり、
該プローブは該支持体上の該導電性の部材を貫通して該支持体中の該内腔に収納可能とされる共に、該導電性の部材と接する部分には絶縁手段を設けて該導電性の部材との接続を遮断しており、更に、該内腔中で導電性を持つ弾性体により支持されて、該支持体上の該導電性の部材より高い位置まで該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされており、
該プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該プローブの先端部位置を下降させ、該プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記上方からの押圧による該試験対象ピンと該短絡用の導電性の部材との接触時に、
前記外部入出力ピン中の試験対象ピン及び制御ピン以外のピンが該導電性の部材に接触できないように、該導電性の部材内の該ピンと対応する位置に絶縁装置を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記導電性の部材内の該ピンと対応する位置に設けられた絶縁装置は、該導電性の部材内に貫通されて設けられた絶縁チューブであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記短絡用の導電性の部材は、金属製のワイヤーを編んで構成された導電性の布であることを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項5乃至請求項8の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記のプローブの前記導電性の部材と接する部分に設けられた絶縁手段は該プローブをコートする絶縁膜であり、
該プローブは該導電性の部材と接する部分を絶縁コーティングされたプローブであることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項3又は請求項4の何れか記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
前記アダプタは、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、前記試験対象ピンとの接続により前記ショート状態を形成する互いに短絡された複数の短絡用のプローブと、該接続用プローブ及び短絡用のプローブをそれぞれ収納可能な内腔を有する樹脂ブロックからなり、
該接続用プローブ及び短絡用のプローブはそれぞれ該内腔中で保持されると共に、該接続用プローブは導電性を持つ弾性体により支持されて、該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされ、更に、該押圧の無い状態では該接続用プローブの先端部が該短絡用のプローブの先端部より高い位置となるように設定されており、
該接続用プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該接続用プローブの先端部の位置を下降させ、該接続用プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、複数の外部入出力ピンと、該外部入出力ピン中の試験対象ピンの電圧を制御して該電圧の観測が可能であると共に該外部入出力ピン中の制御ピンを介して動作制御される試験手段と、を有する電子回路アセンブリと、
該試験手段の動作制御を行って該電子アセンブリの持つ該試験対象ピンのショート故障とオープン故障を検出する電子回路アセンブリ試験装置と、
を接続する該試験用アダプタであって、
該手段の制御のための該電子回路アセンブリの接続を担うと共に、該接続を維持しつつ該電子回路アセンブリの持つ該試験対象ピンをそれぞれ開放状態にすること及び互いにショート状態にすることを可能とし、
該試験装置による該試験手段を用いた該開放状態での該試験対象ピンのショート故障検出及び該ショート状態での試験対象ピンへの試験電圧の一括印加を伴う該試験対象ピンのオープン故障検出とを可能としたことを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記試験対象ピンの電圧を制御すると共に電圧観測可能な試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項11又は請求項12の何れか記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
少なくとも一つの変形容易で柔軟な構造を有した短絡用の導電性の部材と、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、該導電性の部材を支持すると共に該プローブを収納する内腔を有する支持体と、からなり、
該プローブは該支持体上の該導電性の部材を貫通して該支持体中の該内腔に収納可能とされる共に、該導電性の部材と接する部分には絶縁手段を設けて該導電性の部材との接続を遮断しており、更に、該内腔中で導電性を持つ弾性体により支持されて、該支持体上の該導電性の部材より高い位置まで該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされており、
該プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該プローブの先端部位置を下降させ、該プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記上方からの押圧による該試験対象ピンと該短絡用の導電性の部材との接触時に、
前記外部入出力ピン中の試験対象ピン及び制御ピン以外のピンが該導電性の部材に接触できないように、該導電性の部材内の該ピンと対応する位置に絶縁装置を設けたことを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記導電性の部材内の該ピンと対応する位置に設けられた絶縁装置は、該導電性の部材内に貫通されて設けられた絶縁チューブであることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項13乃至請求項15の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記短絡用の導電性の部材は、金属製のワイヤーを編んで構成された導電性の布であることを特徴とする。
【0023】
請求項17記載の発明は、請求項13乃至請求項16の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記のプローブの前記導電性の部材と接する部分に設けられた絶縁手段は該プローブをコートする絶縁膜であり、
該プローブは該導電性の部材と接する部分を絶縁コーティングされたプローブであることを特徴とする。
【0024】
請求項18記載の発明は、請求項11又は請求項12の何れか記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、前記試験対象ピンとの接続により前記ショート状態を形成する互いに短絡された複数の短絡用のプローブと、該接続用プローブ及び短絡用のプローブをそれぞれ収納可能な内腔を有する樹脂ブロックからなり、
該接続用プローブ及び短絡用のプローブはそれぞれ該内腔中で保持されると共に、該接続用プローブは導電性を持つ弾性体により支持されて、該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされ、更に、該押圧の無い状態では該接続用プローブの先端部が該短絡用のプローブの先端部より高い位置となるように設定されており、
該接続用プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該接続用プローブの先端部位置を下降させ、該接続用プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする。
【0025】
ここで、本発明にかかる電子回路アセンブリ試験方法及び試験装置における電子回路アセンブリのショート故障及び外部入出力ピンのオープン故障の検出原理について説明する。
初めに、電子回路アセンブリのショート故障、特に電子回路アセンブリの入出力ピン中の試験対象ピンの開放状態でのショート故障検出の原理について、図1を用いて説明する。
【0026】
このショート故障を検出可能とする条件は以下の三条件である。
条件1. 電子回路アセンブリに搭載されるLSIの一部又は全部は、そのLSIの一部又は全部の入出力ピンに加えられている少なくとも二つの異なる電圧値を区別することを可能とする電圧観測手段を内蔵しており、その観測値が試験用回路を介して読み取り可能であること。
【0027】
条件2. 電子回路アセンブリに搭載されるLSIの一部又は全部は、そのLSIの一部又は全部の入出力ピンの電圧値をLSI自身に内蔵する電圧観測手段により区別可能な少なくとも二つの異なる電圧値にすることができる電圧制御手段を内蔵しており、その電圧値が試験用回路を介して制御可能であること。
条件3. ショート故障検出の対象となるそれぞれの配線(以後適宜、”ネット”と称する。)は、少なくとも一つの電圧観測手段を持つピンに接続されると共に少なくとも一つの電圧制御手段を持つピンに接続されているか、又は試験装置のピンエレクトロニクスに接続されているかの何れかを必要とする。
【0028】
上記条件のもと、電子回路アセンブリの入出力ピンが、LSIの電圧制御手段を持つピンと電圧観測手段を持つピンの両方に接続されている場合、該アセンブリの試験対象の入出力ピンを開放にした状態でショート故障を検出することが可能となる。
図1の(A)〜(E)は理想的な場合を示し、図の電子回路アセンブリ200,210,220,230,240中の各LSI201,211,221,231,241の試験対象ピン202,212,222,232,242は、電圧制御手段と電圧観測手段の両方を持っている。このような被試験体では、電子回路アセンブリ200,210,220,230,240の内部配線だけでなく入出力ピン202,212,222,232,242につながる配線の試験も図1に示すように入出力ピン202,212,222,232,242を試験装置と接続せずに、開放状態にしたままで試験することが可能となる。
【0029】
更に、図1(D)及び(E)のようにLSI231,241が開放時の電圧を固定するための抵抗(通常は”pull−up”と呼ばれ、以後そのように称する。)233,243を内蔵している場合には、電圧制御手段同士の競合を避けることができ、デバイスにストレスをかけないでより安全な試験が実行できる。従って、それぞれ異なった電圧(図1中では”High”と”Low”)を加えた二つの配線の間に、図1(A)に示すようにショート故障がない場合は、加えた通りに、High印加ではHighが、Low印加ではLowが読み取れる。
【0030】
しかし、ショート故障が起こっている場合、例えば、図1(B)のようにショート故障213が試験対象ピン212a,212b間に生じている場合、及び図1(C)のように、ショート故障223が試験対象ピン222a,222bとLSI221をつなぐ配線上に生じている場合は何れも、これらの配線の読み取られる電圧は同じ値になるか、又は電圧の差が小さくなる。
【0031】
このとき、片方又は両方で加えた電圧と異なった電圧が読み取られるため、その二つの配線の間でショート故障223が起こっていることが分かる。図1(B)及び(C)では、電圧制御手段(例えば、ドライバ)の競合が起きたときに低電圧(Low)側が高電圧(High)側よりも強く作用しているために、高電圧を加えていた側の電圧観測手段(レシーバ又はコンパレータ)の方で異常(Low読み取り)が検出される。
【0032】
また、図1(D)及び図1(E)のように、LSI231,241が内部にpull−up233,243を有し、ドライバを高インピーダンスの状態(図中、HiZにて示す。)にすることにより、図のように高電圧状態を形成するようにされている場合は、配線上ではHighが読み取られることが期待されるが、図1(D)のようにショート故障234が試験対象ピン232a,232b間に生じている場合、及び図1(E)のように、ショート故障244が試験対象ピン242a,242bとLSI241をつなぐ配線上に生じている場合、何れも図1(B)及び(C)と同様に異常(Low読み取り)が検出される。
【0033】
よって、ショート故障の存在が分かる。
尚、この試験に際し、上記したように電圧制御手段同士の競合を避けることができ、デバイスにストレスをかけないでより安全な試験が実行できる。
次に、電子回路アセンブリの試験対象ピンのオープン故障検出の原理について、図2を用いて説明する。
【0034】
このオープン故障を検出可能とする条件は以下の四条件である。
条件1. 電子回路アセンブリに搭載されるLSIの一部又は全部は、そのLSIの一部又は全部の入出力ピンに加えられている少なくとも二つの異なる電圧値を区別することを可能とする電圧観測手段を内蔵しており、その観測値が試験用回路を介して読み取り可能であること。
【0035】
条件2. 電子回路アセンブリに搭載されるLSIの一部又は全部は、そのLSIの一部又は全部の入出力ピンの電圧値をLSI自身に内蔵する電圧観測手段により区別可能な少なくとも二つの異なる電圧値にすることができる電圧制御手段を内蔵しており、その電圧値が試験用回路を介して制御可能であること。
条件3. オープン故障検出の対象となるそれぞれの配線(以後適宜、”ネット”と称する。)は、少なくとも一つの電圧観測手段を持つピンに接続されると共に少なくとも一つの電圧制御手段を持つピンに接続されているか、又は試験装置のピンエレクトロニクスに接続されているかの何れかを必要とすること。そして、オープン故障検出の対象となる全てのLSIの信号ピンは電圧観測手段と電圧制御手段の両方又は何れか一方を持っていること。
【0036】
条件4. 該アセンブリの入出力ピンを開放した状態での該各ピンの電圧値は不定値とならないこと。
この検出試験は、被試験体である電子回路アセンブリの入出力ピンを一括して外部から電圧を与えて行うため、上記条件3のうち電圧制御手段に関するものは自然と満たされる。電圧は外部から印加されるため、外部入出力ピンにつながっているドライバは試験条件としては必要ではないが、可能ならば、ハイインピーダンス状態に制御されていることが望ましい(このとき、素子の性質によっては素子は損傷を受ける場合がある)。しかし、開放状態での電圧値が不定となる場合はドライバはイネーブルの状態で試験を実行する必要がある。
【0037】
図2(A)及び(B)に示した理想的な場合では、LSI301,311の入出力ピン302,312a,312bにはpull−up303,313が内蔵されていて、ドライバがハイインピーダンスの状態(図中、Hizにて示す。)で入出力ピン302,312a,312bを開放状態にすると、高電圧状態(図中、Highにて示す。)となる。
【0038】
この状態で図2のように入出力ピン302,312a,312bをグランド(GND)に一括ショートすると、図2(A)に示すようにオープン故障が無ければ、全ての配線で同じく低電圧(Low)検出される。
しかし、図2(B)に示すようにオープン故障314が起こっていると、そのネットにつながる入出力ピン312bで高電圧(High)が読み取られ、オープン故障の存在がわかる。
【0039】
以上より、本発明にかかる電子回路アセンブリ試験方法及び試験装置における電子回路アセンブリの外部入出力ピンのショート故障及びオープン故障の検出原理に従う限り、試験対象の外部入出力ピンはショート故障とオープン故障の何れの検出においても個別に試験装置のピンエレクトロニクスに接続される必要が無く、一括した開放状態の形成及び一括したショート状態の形成により各ピンそれぞれの試験が可能であることがわかる。
【0040】
従って、請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載の発明によれば、バウンダリスキャン回路等の試験対象ピンの電圧を制御・観測可能な手段を持つ被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリの試験において、試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出の段階と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出の段階を別々に分けて実行することが可能となる。
【0041】
従って、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間に必要な独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とする。そして、該試験に用いる試験装置において性能を低下させること無く、価格の上昇を抑えることができ、即ち低価格の試験装置の提供できる。
【0042】
請求項5及び請求項8及び請求項9記載の発明によれば、被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける試験対象の信号ピンのショート状態を、該信号ピンをアダプタの持つ導電性の部材、特に、自身の有する柔軟性と変形の容易さから該ピンの押圧に対し変形して対応するとともに、該試験対象ピンを電気的接続を確保しつつ自身の内部に挿入することを許容できる金属製のワイヤーからなる布への挿着により、複数の該信号ピンのそれぞれに対し均等にそして確実に作りだすことが可能である。
【0043】
そしてその金属製のワイヤーからなる布を貫通するように設けられたプローブは導電性であるとともにその高さ位置が可変である。よって、該試験対象ピンの該布への挿着及び該布からの引抜きのための上下動に対応するその高さ位置の変動が可能であり、該試験対象ピンと共に上下動する制御ピンの動きに合わせ常にその接触を維持することが可能である。
【0044】
また、プローブの制御ピンを接触しない側面部等の部分は絶縁コーティングなどにより絶縁性が確保されており、該金属製のワイヤーからなる布との間の電気的接続は完全に遮断されている。
従って、該電子回路アセンブリの試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出の段階と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出の段階を別々に分けて実行することが可能となり、電子回路アセンブリを試験する試験装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
【0045】
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とするとともに、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えること、即ち低価格の試験装置の提供できる。
請求項6及び請求項7記載の発明によれば、被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける試験対象の信号ピンの中で、試験を行なう必要が無い信号ピン又はショート状態を形成したくない信号ピンについては、試験中、それのみをショート状態にせずに開放状態のままを維持することが可能である。
【0046】
そして、それ以外の信号ピンのみを一定の条件でショート状態形成し、ショート状態での開放故障検出が可能となる。
従って、被試験体の特性に合わせた細かい条件下での試験が可能であり、正確な試験が可能となる。
請求項10記載の発明によれば、アダプタに高さの異なる二種類の導電性プローブを設け、高い方を接続用として試験装置のピンエレクトロニクスに接続し、低い方を短絡用として互いにショートし、更に少なくとも高い方のプローブをその高さ位置が可変となるようにした。
【0047】
よって、被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける外部入出力ピンの内の制御ピンと該高い方のプローブとの接触時には該試験対象ピンを開放状態にしたまま制御ピンの試験装置への接続ガ可能となり、更に外部入出力ピンをアダプタに対して押し下げて、高い方の接続用プローブの位置を低い方の短絡用プローブ迄下降させた状態では試験対象ピンを短絡用プローブと接触させることが可能となった。
【0048】
この時、制御ピンの試験装置への接続を維持したまま、独立に複数の試験対象ピンの短絡が可能となる。
従って、該電子回路アセンブリの試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出の段階と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出の段階を別々に分けて実行することが可能となり、電子回路アセンブリを試験する試験装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
【0049】
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とするとともに、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えること、即ち低価格の試験装置の提供できる。
請求項11及び請求項12記載の発明によれば、バウンダリスキャン回路等の試験対象ピンの電圧を制御・観測可能な手段を持つ被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリの試験において、電子回路アセンブリを試験する装置を用いて試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出の段階と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出の段階を別々に分けて実行することが可能となる。
【0050】
従って、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間に必要な独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な電子回路アセンブリ試験を可能とし、該試験に用いる試験装置において性能を低下させること無く、価格の上昇を抑えることができる。
【0051】
請求項13及び請求項16及び請求項17記載の発明によれば、被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける試験対象の信号ピンのショート状態を、該信号ピンを具備する導電性の部材、特に、自身の有する柔軟性と変形の容易さから該ピンの押圧に対し変形して対応するとともに、該試験対象ピンを電気的接続を確保しつつ自身の内部に挿入することを許容できる金属製のワイヤーからなる布への挿着により、複数の該信号ピンのそれぞれに対し均等にそして確実に作りだすことが可能である。
【0052】
そしてその金属製のワイヤーからなる布を貫通するように設けられたプローブは導電性であるとともにその高さ位置が可変である。よって、該試験対象ピンの該布への挿着及び該布からの引抜きのための上下動に対応するその高さ位置の変動が可能であり、該試験対象ピンと共に上下動する制御ピンの動きに合わせ常にその接触を維持することが可能である。
【0053】
また、プローブの制御ピンを接触しない側面部等の部分は絶縁コーティングなどにより絶縁性が確保されており、該金属製のワイヤーからなる布との間の電気的接続は完全に遮断されている。
従って、電子回路アセンブリを試験する装置が行う、該電子回路アセンブリの試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出を別々に分けて実行することが可能となり、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
【0054】
よって、試験に使用する装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とし、性能を低下させること無く電子回路アセンブリの試験装置の価格の上昇を抑えることができる。
請求項14及び請求項15記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する装置被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける試験対象の信号ピンの中で、試験を行なう必要が無い信号ピン又はショート状態を形成したくない信号ピンについては、電子回路アセンブリを試験する装置による試験中、それのみをショート状態にせずに開放状態のままを維持することが可能である。
【0055】
そして、それ以外の信号ピンのみを一定の条件でショート状態形成し、該装置によるショート状態での開放故障検出が可能となる。
従って、被試験体の特性に合わせた細かい条件下での電子回路アセンブリの試験装置による試験が可能であり、正確な試験が可能となる。
請求項18記載の発明によれば、高さの異なる二種類の導電性プローブを設け、高い方を接続用として試験装置のピンエレクトロニクスに接続し、低い方を短絡用として互いにショートし、更に少なくとも高い方のプローブをその高さ位置が可変となるようにした。
【0056】
よって、被試験体であるMCM等の電子回路アセンブリにおける外部入出力ピンの内の制御ピンと該高い方のプローブとの接触時には該試験対象ピンを開放状態にしたまま制御ピンの該試験装置への接続ガ可能となり、更に外部入出力ピンをアダプタに対して押し下げて、高い方の接続用プローブの位置を低い方の短絡用プローブ迄下降させた状態では試験対象ピンを短絡用プローブと接触させることが可能となった。
【0057】
この時、制御ピンの該試験装置への接続を維持したまま、独立に複数の試験対象ピンの短絡が可能となる。
従って、該試験装置が行う、該電子回路アセンブリの試験対象ピンを開放状態にして実行するショート故障の検出と、該信号ピンを複数ショートさせて行なうオープン故障の検出を別々に分けて実行することが可能となり、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
【0058】
よって、試験に使用する電子回路アセンブリの試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とし、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えることができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる電子回路アセンブリの試験方法及び試験装置及び該試験用アダプタが行う試験の目標はMCMや1チップのみ搭載されたLSIやバウンダリスキャンを搭載したプリント回路板(PCB)などの電子回路アセンブリ内の全ての配線について、ショート故障及びオープン故障が無いことを保証することである。
【0060】
従って、電子回路アセンブリの外部入出力ピンのショート故障及びオープン故障の検出と共に、電子回路アセンブリ内部の相互接続におけるショート故障及びオープン故障の検出も非常に重要なものとなる。
この電子回路アセンブリ内部の相互接続の試験については、外部入出力ピンのショート故障又はオープン故障の検出のどちらの過程においても実行可能なものであり、どちらの試験過程で、いずれかの形で取り込むことが望ましい。
【0061】
そして、電子回路アセンブリの外部入出力ピンのショート故障及びオープン故障の検出は以下のように行う。
電子回路アセンブリである被試験体には、この試験に用いる被試験体にとって特別の条件を要求するものではないが、前記したショート故障検出に関する三条件及びオープン故障検出に関する四条件を満たすようにLSI等の電子部品中にバウンダリスキャンセル等の試験対象信号ピンの電圧を制御・観測する手段を搭載する。具体的には、そのような手段を搭載したMCMや1チップのみ搭載されたLSIが被試験体となりえて、更にバウンダリスキャンを搭載したプリント回路板(PCB)なども被試験体となる。
【0062】
この被試験体に対し、ショート故障検出及びオープン故障検出のための試験を、以下の二つの試験過程に分けて行なう。
第一の試験過程は、被試験体中のLSI相互のショート故障、外部入出力ピン相互のショート故障、LSIの信号端子と被試験体パッケージの外部入出力ピン間のショート故障を検出する過程である。
【0063】
この過程においては、被試験体の信号ピン全ピンを開放した状態で試験を行なう。必要な被試験体の試験制御用のピン及び電源ピンのみ試験装置と接続する。
LSI自身のドライバにより被試験ネットの電圧或いは論理値を制御し、任意の二つのネットについて少なくとも一度は互いに異なる値となるように工夫されたパターンを与える。その状態で被試験ネットの電圧或いは論理値を読み出す。
【0064】
互いに異なる電圧或いは論理値に電圧制御されるネット間にショート故障が発生している場合、それらのネットの電圧或いは論理値は同じになるため、いずれかのネットで電圧を制御した電圧或いは論理値とは異なる電圧或いは論理値が読み出される。読み出したネットの電圧或いは論理値を、それぞれのネットのドライバの電圧或いは論理値と比較する。
【0065】
ドライバからそれぞれのネットに印加された電圧或いは論理値と異なった電圧或いは論理値が読み取られた場合、そのネットにショート故障が発生していると診断する。
この過程では、外部入出力のオープン故障が検出されなていないので、ショート故障とオープン故障が同時に発生している場合に、ショート故障が発見されない場合がある。この故障は、第二の試験過程で開放(オープン)故障として検出されることになる。
【0066】
第二の試験過程は、被試験体の外部入出力ピンのオープン故障を検出する過程である。
この過程においては、被試験体の外部入出力ピンを全てショートさせるか、あるいは部分的にショートさせて試験を行なう。第二の試験過程に用いられる被試験体は、第一の試験過程により単一のショート故障がないと判断されたものである。第一の試験過程で故障が見つかった被試験体を第二の試験過程に用いた場合、オープン故障の検出や故障個所の特定が正しく行なえない場合や、素子の破壊の原因となる可能性があるからである。
【0067】
しかし、ショート故障を修理しないで試験を続けることは確かに危険ではあるが、他の手段により該故障を特定でき、そして危険が無いと判断できる場合はオープン故障の検出試験を行うこともあり得る。
ショートさせたピンのグループを、試験装置側から一括して或る試験電圧を印加し、LSI側のバウンダリスキャン回路等の試験対象信号ピンの電圧を制御・観測する手段を通して試験対象ネットの電圧値或いは論理値を観測する。試験装置側からは、被試験体の外部入出力ピンを開放状態にしたときとは異なる電圧或いは論理値に駆動するか、又は、HighレベルとLowレベルの両方の電圧或いは論理値を駆動するかのいずれかである。
【0068】
つまり試験装置から、試験対象の複数のピンをショートさせてなるピンのグループに、被試験体の外部入出力ピンの開放状態にしたときとは異なる電圧或いは論理値に駆動したとき、そのピンのグループにつながる全ネットの電圧或いは論理値のうち、被試験体の外部入出力ピンを開放状態にしたときの電圧或いは論理値と同じものが読めた場合はそのネットにつながる被試験体の外部入出力ピンにオープン故障が発生していると診断する。
【0069】
又は試験装置から、複数ピンをショートさせたピンのグループに、HighレベルとLowレベルの両方の電圧或いは論理値で順に駆動したとき、そのピンのグループにつながる全ネットの電圧或いは論理値のうち、試験装置から与えた電圧或いは論理値がHighである時とLowであるときの両方で同じ電圧或いは論理値が読めた場合はそのネットにつながる被試験体の外部入出力ピンにオープン故障が発生していると診断する。
【0070】
尚、LSIの入出力ピン同士の接続についてのオープン故障の検出は、第一の試験過程に属しても、第二の試験過程に属しても何れでも構わない。
【0071】
【実施例】
(実施例1)
本発明にかかる第一実施例であって、具備する信号ピンの電圧を制御・観測する手段としてバウンダリスキャン回路を内蔵する被試験体を試験対象とする電子回路アセンブリ試験装置について図面を用いて説明する。
【0072】
図3は、本発明にかかる第一実施例である電子回路アセンブリ試験装置の要部の構成を被試験体とともに説明する図である。
本発明にかかる第一実施例である電子回路アセンブリ試験装置1は、バウンダリスキャン回路を持つ電子部品(図ではLSI)22を一個以上搭載し、複数の外部入出力ピン24を有する電子回路アセンブリ(図ではMCM)21の試験をする。
【0073】
そして、少なくとも一つの変形容易で柔軟な構造を有した導電性の部材52を具備し、バウンダリスキャン回路制御のために電子回路アセンブリ21との接続を担うと共に、試験対象の外部入出力ピン24をそれぞれ開放状態にさせて試験すること、及び試験対象の外部入出力ピン24を導電性の部材52に挿着することにより互いにショート状態にさせて試験することの可能なアダプタ51を具備する。
【0074】
そして、該開放状態での試験で電子回路アセンブリ(MCM)21の試験対象の外部入出力ピン24のショート故障を検出し、該ショート状態での試験で電子回路アセンブリ(MCM)21の試験対象の外部入出力ピン24のオープン故障を検出することを特徴とする。
以下でさらに、被試験体の詳細、アダプタの詳細、及びそれらを用いた具体的な試験方法について説明する。
【0075】
初めに、本実施例で用いた被試験体について説明する。
図4は、本実施例の電子回路アセンブリ試験装置の被試験体であるMCMの正面図である。
図3及び図4に示すように、本発明にかかる実施例である電子回路アセンブリ試験装置1の試験に用いた被試験体は、バウンダリスキャン回路を持つ電子部品たるLSI22を3個、基板23上に搭載し、複数の外部入出力ピン24を有する電子回路アセンブリであるMCM(マルチチップモジュール)21である。
【0076】
このとき用いるMCM21は半田ボール25を基板23とLSI22の間に納めてフリップチップ実装されているため、外観検査により半田の未着や半田ブリッジを検査することができない。
そして、このMCM21に搭載される3つのLSIの全ての信号ピンには、双方向のバウンダリスキャンセルが内蔵されている。MCM21上の全ての信号ネットにはプルアップ(pull−up)がなされており、電源投入状態において信号ピン24を開放し、LSI21の全ドライバを高インピーダンス(HiZ)にすると全ての信号ネットはHighレベルになるように設計されている。
【0077】
尚、図3中、TDI,TMS,TCK,TDO,GND,VDDは、TDIはテスト・データ入力ピンを、TMSは電子回路アセンブリ試験装置によるLSIのモード設定用のピンを、TCKはTMSとTDIとTDOの転送同期用(クロック)信号ピンを、TDOは試験データ出力用のピンを、GNDはグランドピンを、VDDは電源ピンを表し、これらはバウンダリスキャンによる試験回路を制御するのに接続が必須とされる制御ピン24aである。
【0078】
この6本のピンに挟まれた図3における6本の非接続のピンが試験対象のピン24bとなる。
次に、本実施例の電子回路アセンブリ試験装置の具備するアダプタ51,71について説明する。
図5は本実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの要部構成を示す構成断面図であり、図5(A)は本実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの一例を示す。そして、図5(B)は本実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの別の例を示す。
【0079】
本実施例の電子回路アセンブリ試験装置の有するアダプタ51,71は、導電性の部材52,72と、この導電性の部材52,72を支持する樹脂ブロック54,74と、樹脂ブロック54,74と挟んで導電性の部材52,72をカバーするように設けられた絶縁板55,75と、配線パターン64,84を表面の一部に形成すると共にこの配線パターン64,84を樹脂ブロック54,74の導電性の部材52,72を支持する面の裏面との間に挟むようにして樹脂ブロック54,74下に設けられたプリント板65,85と、樹脂ブロック54,74及び絶縁板55,75及び導電性の部材52,72及びプリント板65,85を貫通してプリント板65,85にその先端が半田66,86で固定される絶縁性のプローブソケット56,76と、プローブソケット56,76内部に収納された導電性のプローブ62,82からなる。
【0080】
導電性の部材52,72は何れも同一であり、電子回路アセンブリ試験装置1を介してグランド(GND)に接地・接続された導体の板53,73上に金属製のワイヤーをループ形状となるように編んで構成された布状の部材である。
従って、非常に柔軟な構造特性を有して、外部からの押圧に対して自身の形状を変化させることが可能である。具体的にはバウンダリスキャンによるMCM21の試験時に、MCM21の外部入出力ピン24を挿入することを許容し、その挿着が可能である。
【0081】
そして、樹脂ブロック54,74には、MCM21の試験時のアダプタ51,71への挿着の際に、MCM21の外部入出力ピン24の中の試験制御用のピン24aの位置と対応する位置に、樹脂ブロック54,74を貫通する内腔57、77が設けられている。
更に、試験を行なわない外部入出力ピン24の位置と対応する位置に、やはり同様の樹脂ブロック54,74を貫通する内腔58、78が設けられている。
【0082】
また、樹脂ブロック54,74を貫通する内腔57,58,77,78の上部の開口部と対向する位置に、やはり絶縁板55,75を貫通する内腔59,60,79,80が設けられている。
更に、絶縁板55,75にはそれらの内腔57,58,77,78に加え、MCM21の試験時のアダプタ51,71への挿着の際に試験をする外部入出力ピン24bが導電性の部材内に挿着されるための内腔61,81を有している。
【0083】
そして、アダプタ51,71は、絶縁性のプローブソケット56,76内部に収納された導電性のプローブ62,82をプローブソケット56,76を介して、絶縁板55,75の内腔59,79と樹脂ブロック54,74の内腔57と77とを通して、導電性の部材52,72に貫通させて挿着している。
従って、アダプタ51,71による前記のバウンダリスキャン回路制御のための接続は、MCM21のバウンダリスキャン回路に対応する外部入出力ピンの制御ピン24aとプローブ62,82の接触によりなされる。
【0084】
この時、プローブ62,82は、外部入出力ピン24aの先端と接触するその先端表面の形状を、外部入出力ピン24aがズレたり、更にズレて外れたりしないように、内側に窪んだ形状、具体的にはその縦断面がV字形状を形成するような形状として有している。
また、プローブ62,82は、導電性の弾性体により支持されてプローブソケット56,76中に収納されている。よって、その支持によりプローブ62,82の先端部分はプローブソケット56,76の先端の開口部からその一部を突出させている。
【0085】
この弾性体は金属製のバネであることが、その強度と信頼性の点から望ましく、本実施例においてはその金属製のバネ63,83が用いられた。
バネ63,83の支持によりプローブ62,82は外部から加わる押圧に従い、その先端の位置をプローブソケット56,76の先端の開口部の外から、プローブソケット56,76の内部まで上下に移動させることが可能である。
【0086】
よってそのとき、押圧が外部入出力ピン24aの先端によるものであれば、プロープ62,82先端に加わる押圧に反発するバネ63,83の力により、プローブ62,82先端と外部入出力ピン24aの先端の接触による接続は強固なものとなる。
また、プローブ62,82を支えるバネ63,83のプリント板65,85側にある先端はプローブソケット56,76のプリント板65,85を貫通する下側先端からプローブソケット56,76の外側に出て、プローブソケット56,76の貫通する先端をプリント板65,85に固定している半田66,86に接している。
【0087】
この半田66,86はプリント板65,85上の電子回路アセンブリ試験装置1のピンエレクトロニクス2に接続する配線パターン64,84とも接しており、結果的にバネ63,83とピンエレクトロニクス2を電気的に接続することになる。
従って、プローブ62,82は金属製のバネ63,83を介してピンエレクトロニクス2を電気的に接続することになり、ひいては、プローブ62,82と接触して接続するMCM21のバウンダリスキャン回路に対応する外部入出力ピン24aと電子回路アセンブリ試験装置1を電気的に接続することになる。
【0088】
このとき、絶縁性のプローブソケット56,76の作用により、プローブ62,82が貫通する導電性の部材52,72に対する電気的な接続の独立性は確実に確保されている。
また、アダプタ51は、絶縁性の絶縁チューブ67を絶縁板55の内腔60と樹脂ブロック54の内腔58を通して導電性の部材52に貫通させて挿着しており、前記ショート状態で、試験不要な一部の前記外部入出力ピンを絶縁チューブ67内に挿入させて、該試験不要な外部入出力ピンと導電性の部材52との電気的接続を遮断することができる。
【0089】
尚、アダプタ71では、絶縁性の絶縁チューブ67の代わりに、プローブ82を収納して有していないプローブソケット76を用いて、絶縁板75の内腔80と樹脂ブロック74の内腔78を通して導電性の部材72に貫通させて挿着している。このとき、プローブソケット76はプリント板85に対しても、半田による固定は無いが、プローブ82を内部に収納した場合と同様にその先端を貫通させている。
【0090】
よって、前記ショート状態で、試験不要な一部の前記外部入出力ピンを絶縁性のプローブソケット76内に挿入させて、該試験不要な外部入出力ピンと導電性の部材72との電気的接続を遮断することができる。
また、図5(A),(B)にはアダプタ51,71において何れも、プローブソケット56,76に収納されたプロープ62,82が2本と、絶縁性のチューブ67又はプローブを収納しないプローブソケット76が1本と、一つの外部入出力ピン24b挿着用の絶縁板中55,75の内腔61,81が描かれて示されている。
【0091】
しかし、アダプタ51,71は何れも本発明にかかる実施例におけるアダプタの一例を示すものであり、プローブ62,82やピン挿着用の内腔61,81等の数と配置については、試験対象であるMCM等の被試験体の構造に対応させて任意に選択して、アダプタを構成することが可能である。
次に、上記の被試験体及びアダプタを用いた具体的な試験方法について説明する。
【0092】
図6は、バウンダリスキャンによる試験の開始前及び試験中の被試験体MCMとアダプタの状態を説明する図であり、図6(A)は試験前の状態を、図6(B)は前記した第一の試験過程における試験中の状態を、図6(C)は前記した第二の試験過程における試験中の状態を示している。
そして、図7はバウンダリスキャンにより行う本実施例の試験装置の被試験体MCMに対する前記第一の試験過程での試験の原理について説明する図である。
【0093】
また、図8はバウンダリスキャンにより行う本実施例の試験装置の被試験体MCMに対する前記第二の試験過程での試験の原理について説明する図である。
図6(A)は試験開始前の,MCM21をプローブ62上に載せて加圧しない状態の図である。MCM21の外部入出力ピン24aの先端はプローブ62と接触していない。試験開始前はこの状態でMCM21がアダプタ51上に設置される。
【0094】
図6(B)は前記の第一の試験過程におけるMCM21とプローブ62を含むアダプタ51の状態を示す。
第一の試験過程では、MCM21を上方から付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)により定められる中間位置まで加圧下降する。この中間位置は、外部入出力ピン24aとプローブ62の接続はプローブソケット56内部のバネ63の作用により十分なされるが、外部入出力ピン24bは何れも導電性の部材52に接しない位置であり、試験装置や被試験体の状況に応じて任意に決定される。
【0095】
このとき図7に示すように、必要最小限の電源ピン及びグランドピン24aのみが試験装置1と接続し、他の試験対象となる外部入出力ピン24bは何れも導電性の部材52に接続せず全て開放状態となる。
この状態で、LSI22の電子回路アセンブリ試験回路を駆動するのに必要な電源ピンとJTAG(Joint Test Action Group)ピン(TDI,TMS,TCK,TDO)24aが試験装置1と電気的に接続され、任意の二つのネットについて少なくとも一度は互いに異なる値となるように工夫されたパターンを与える。。
【0096】
注目するネットの論理値を読みだしたとき、図7中に示すようなショート部位31があれば、対応するピンで弱論理値ではなく強論理値が読みだされ、ショート故障が認識される。
そして、ショート部位が無く、弱論理値が読みだされればショート故障無しと診断される。
【0097】
尚、この第一の試験でLSIのピン同士のオープン故障の試験も同時に行なう。
図6(C)は前記の第二の試験過程におけるMCM21とプローブ62を含むアダプタ51の状態を示す。
次に、第二の試験過程においては、図に示すように、MCM21を更に加圧してアダプタ51に対して下降させ、付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)により定められた位置にプローブ62は設置される。
【0098】
電源ピンとJTAGピン24aの試験装置1への接続はプローブ62の作用により維持され、導電性の部材52への挿着により、全ての試験対象の信号ピン24bが、図8に示すようにグランド(GND)にショートされる。そして試験を行なわない試験対象の信号ピン24b’は、図6(C)に示すように、絶縁チューブ67内の挿入され、開放が維持される。
【0099】
このとき、試験対象の信号ピン24bにつながるドライバが全てハイインピーダンス(HiZ)になるようにスキャンインを行い、全ての試験対象の信号ピン24bの論理値を読みだす。外部入出力ピン24bにつながる全てのネットは導電性の部材52を介してGNDに接続されているため、オープン故障がなければ、これらのネットの論理は全てLowレベルとなる。この被試験体21のLSI22の信号ピン24にはプルアップ抵抗が内蔵されているので、外部入出力ピン24b”とLSI22との間に図8中に示すオープン故障32があれば、そのピン24b”につながるネットでHighレベルが観測される。
【0100】
MCM21の外部入出力ピン24bにつながるネットに属するLSI22のピンにおいてHighレベルが読みだされれば、そのネットにオープン故障があると診断される。
次に、本発明にかかる電子回路アセンブリ試験装置に使用する、図5(B)に示された絶縁チューブ67の代わりにプローブソケット76を用いるアダプタの別の例を用いて試験を行なうことについて説明する。
【0101】
図9は、バウンダリスキャンにる試験の開始前及び試験中の被試験体MCMとアダプタの別の例の状態を説明する図であり、図9(A)は試験前の状態を、図9(B)は前記した第一の試験過程における試験中の状態を、図9(C)は前記した第二の試験過程における試験中の状態を示している。
図9(A)は試験開始前の,MCM21をプローブ82上に載せて加圧しない状態の図である。MCM21の外部入出力ピン24aの先端はプローブ82と接触していない。試験開始前はこの状態でMCM21がアダプタ71上に設置される。
【0102】
図9(B)は前記の第一の試験過程におけるMCM21とプローブ82を含むアダプタ71の状態を示す。
先に図6で示したアダプタを用いた試験と同様に、第一の試験過程においてMCMにおけるでショート故障の有無が診断される。
尚、この第一の試験でLSIのピン同士のオープン故障の試験も同時に行なう。
【0103】
図9(C)は前記の第二の試験過程におけるMCM21とプローブ82を含むアダプタ71の状態を示す。
先に図6で示したアダプタを用いた試験と同様に、第二の試験過程においてMCMにおけるオープン故障の有無が診断される。
以上より、バウンダリスキャン回路等の具備する外部入出力ピンの電圧を制御・観測する手段を有する電子回路アセンブリの外部入出力ピンに生じるショート故障とオープン故障を、電子回路アセンブリ試験装置の非常に少ないピンエレクトロニクスのチャンネルを用いて実行することができる。
【0104】
(実施例2)
本発明にかかる第二実施例であって、具備する信号ピンの電圧を制御・観測する手段としてバウンダリスキャン回路を内蔵する被試験体を試験対象とする電子回路アセンブリ試験装置について図面を用いて説明する。
図10は、本発明にかかる第二実施例である電子回路アセンブリ試験装置の要部の構成を被試験体とともに説明する図である。
【0105】
本発明にかかる第二実施例である電子回路アセンブリ試験装置101は、複数の外部入出力ピン124と、外部入出力ピン124中の試験対象ピン124bの電圧を制御して該電圧の観測が可能であると共に外部入出力ピン124中の制御ピン124aを介して動作制御される試験手段としてバウンダリスキャン回路を持つ電子部品(図ではLSI)122と、を搭載して有する電子回路アセンブリ(図ではMCM)121の試験を行う。
【0106】
そして、該バウンダリスキャン回路の制御のための制御ピン124aとの接続を担うと共に、試験対象ピン124bをそれぞれ開放状態にさせて試験すること、及び互いにショート状態にさせて試験することの可能なアダプタ151を具備する。
そして、該バウンダリスキャン回路を用い、該開放状態での試験で電子回路アセンブリ(図ではMCM)121の試験対象ピン124bのショート故障を検出し、該ショート状態での試験電圧の印加による試験で試験対象ピン124bのオープン故障を検出する。
【0107】
本実施例で用いた被試験体については、第一実施例の電子回路アセンブリ試験装置1において被試験体である電子回路アセンブリ(MCM)21(図4)と同じものを用いた。
以下でさらに、アダプタ151の詳細、及びそれらを用いた具体的な試験方法について説明する。
【0108】
先ず、本実施例の電子回路アセンブリ試験装置101の具備するアダプタ151について説明する。
図11は本実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの要部構成を示す構成断面図である。
本実施例の電子回路アセンブリ試験装置101の有するアダプタ151は、樹脂ブロック154と、試験装置101のピンエレクトロニクス102に接続する配線パターン164を一部表面に形成して有すると共に樹脂ブロック154の裏面との間に配線パターン164を挟むようにして設けられたプリント板165と、樹脂ブロック154及びプリント板165を樹脂ブロック154の表面たる上面から貫通してプリント板165にその先端が半田166で固定され、樹脂ブロック154の内腔となっている絶縁性のプローブソケット156と、プローブソケット156内部に収納されて前記のバウンダリスキャン回路の制御のための制御ピン124aとの接続を担う導電性の接続用のプローブ152と、試験対象ピン124bとの接続により前記ショート状態を形成する互いにネット155で短絡された複数の短絡用のプローブ153とからなる。
【0109】
この接続用のプローブ152と制御ピン124aとの接続、及び複数の短絡用のプローブ153のネットによる短絡についてはその方法と構成について後に更に詳しく説明する。
そして、接続用プローブ152及び短絡用のプローブ153はそれぞれプローブソケット156中で導電性を持つ弾性体163,171により支持されて、樹脂ブロック154表面のプローブソケット156の開口部から突出する先端部152a,153aが上方からの押圧に従いその高さ位置を上下に可変とされる。
【0110】
この弾性体は金属製のバネであることが、その強度と信頼性の点から望ましく、本実施例においては金属製のバネ163,171が用いられた。
更に、該押圧の無い状態では接続用プローブの先端部152aが短絡用のプローブの先端部153aより高い位置となるように設定されている。
よって、接続用プローブ152上方からの先端部152aと制御ピン124aとの接触により該接続を可能とすると共に、試験対象ピン124bを短絡用のプローブ153に接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とする。
【0111】
このとき、接続用プローブ152上方からの制御ピン124bの押圧により、先端部152aと制御ピン124aとの強い接触が可能となっており、その接触位置は、接続用のプローブ152に設けられた付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)の作用により決定される。
そして更に、外部入出力ピン124の上方からの押圧により接続用プローブ152の先端部152aの位置を下降させ、接続用プローブの先端部152aと制御ピン124aとの接触による該接続を維持したまま、試験対象ピン124bを短絡用のプローブ153の先端部153aに接触させて前記ショート状態での試験を可能としている。
【0112】
尚このときに、短絡用プローブ153上方からの試験対象ピン124bの押圧により、先端部152aと制御ピン124aとの強い接触が可能となっており、その接触位置は、接続用のプローブ152及び短絡用のプローブ153に設けられた付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)の作用により決定される。また、プローブ152,153は、外部入出力ピン124の先端と接触するその先端部152a,153aの表面の形状を、外部入出力ピン124がズレて外れたりしないように、内側に窪んだ形状、具体的にはその縦断面がV字形状を形成するような形状として有している。
【0113】
そして、接続用のプローブ152を支えるバネ163下側のプリント板165側にある先端は、プローブソケット156のプリント板165を貫通する下側先端からプローブソケット156の外側に出て、プローブソケット156の貫通する先端をプリント板165に固定している半田166に接している。
この半田166はプリント板165上の電子回路アセンブリ試験装置101のピンエレクトロニクスに接続する配線パターン164とも接しており、結果的にバネ163と該ピンエレクトロニクス102とを電気的に接続することになる。
【0114】
従って、プローブ152は金属製のバネ163を介してピンエレクトロニクス102を電気的に接続することになり、ひいては、プローブ152と接触して接続するMCM121のバウンダリスキャン回路の制御ピン124aと電子回路アセンブリ試験装置101を電気的に接続することになる。
また、短絡用のプローブ153を支えるバネ171下側のプリント板165側にある先端は、プローブソケット156のプリント板165を貫通する下側先端からプローブソケット156の外側に出て、プローブソケット156の貫通する先端をプリント板165に固定している半田172に接している。
【0115】
この半田172はプリント板165中に設けられたネット155とも接しており、結果的にバネ171とネット155とを電気的に接続することになる。
従って、複数の短絡用のプローブ153の全ては金属製のバネ171を介してネット155と電気的に接続することになり、MCMの試験対象ピン124bに対し、短絡用のプローブ153との接触しより、上記したショート状態を形成することになる。
【0116】
尚、図11にはアダプタ151において、プローブソケット156に収納された短絡用のプロープ153が2本と、その両脇に接続用のプローブ152が2本描かれて示されている。
しかし、アダプタ151は本発明にかかる第二実施例の試験装置の具備するアダプタの一例を示すものであり、プローブ152,153の数と配置については、試験対象であるMCM等の被試験体の構造に対応させて任意に選択して、その他の上記構成要素とともにアダプタを構成することが可能である。
【0117】
次に、上記の被試験体MCM121及びアダプタ151を用いた具体的な試験方法について説明する。
図12は、バウンダリスキャンによる試験の開始前及び試験中の被試験体MCMとアダプタの状態を説明する図であり、図12(A)は試験前の状態を、図12(B)は前記した第一の試験過程における試験中の状態を、図12(C)は前記した第二の試験過程における試験中の状態を示している。
【0118】
図12(A)は試験開始前の,MCM121を接続用プローブ152上に載せて加圧しない状態の図である。試験開始前はこの状態でMCM121がアダプタ151上に設置される。
図12(B)は前記の第一の試験過程におけるMCM121と接続用プローブ152を含むアダプタ51の状態を示す。
【0119】
第一の試験過程では、MCM121を上方から付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)により定められる中間位置まで加圧下降する。この中間位置は、制御ピン124aと接続用プローブ152の接続は十分になされるが、試験対象ピン124bは何れも短絡用プローブ153に接しない位置にある。
よって、制御ピン124aのみが試験装置101のピンエレクトロニクス102と接続し、他の試験対象となる外部入出力ピン124bは全て開放状態となる。
【0120】
この開放状態において第一実施例の場合と同様に前記した試験を行い、MCM121内部の相互接続と入出力ピン124bのショート故障の検出を行うことができる。
次に、第二の試験過程においては、図に示すように、MCM121を更に加圧してアダプタ151に対して下降させ、付き当てる仕組みのストッパー(図示されない)により定められた位置にプローブ152は設置される。
【0121】
制御ピン124aの試験装置101への接続はプローブ152の作用により維持され、短絡用プローブ153との接触により、全ての試験対象の信号ピン124bが、図10に示すようにグランド(GND)にショートされる。
このショート状態において第一実施例の場合と同様に前記した試験を行い、MCM121内部の相互接続と、入出力ピン124bとMCM121の基板の間、該基板上の配線、該基板上の配線とLSI122との間の各オープン故障の検出を行うことができる。
【0122】
以上より、バウンダリスキャン回路等の具備する外部入出力ピンの電圧を制御・観測する手段を有する電子回路アセンブリの外部入出力ピンに生じるショート故障とオープン故障を、電子回路アセンブリ試験装置の非常に少ないピンエレクトロニクスのチャンネルを用いて実行することができる。
【0123】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載の発明によれば、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とする。そして、該試験に用いる試験装置において性能を低下させること無く、価格の上昇を抑えることができ、即ち低価格の試験装置の提供できる。
【0124】
請求項5及び請求項8及び請求項9記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する試験装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とするとともに、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えること、即ち低価格の試験装置の提供できる。
【0125】
請求項6及び請求項7記載の発明によれば、被試験体の特性に合わせた細かい条件下での試験が可能であり、正確な試験が可能となる。
請求項10記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する試験装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とするとともに、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えること、即ち低価格の試験装置の提供できる。
【0126】
請求項11及び請求項12記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間に必要な独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する該試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な電子回路アセンブリ試験を可能とし、該試験に用いる試験装置において性能を低下させること無く、価格の上昇を抑えることができる。
【0127】
請求項13及び請求項16及び請求項17記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
よって、試験に使用する装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とし、性能を低下させること無く電子回路アセンブリの試験装置の価格の上昇を抑えることができる。
【0128】
請求項14及び請求項15記載の発明によれば、被試験体の特性に合わせた細かい条件下での電子回路アセンブリの試験装置による試験が可能であり、正確な試験が可能となる。
請求項18記載の発明によれば、電子回路アセンブリを試験する装置と被試験体との間の独立した電気的接続の数を削減することが可能となる。
【0129】
よって、試験に使用する電子回路アセンブリの試験装置の持つピンエレクトロニクスのチャンネル数を削減でき、簡便な試験を可能とし、性能を低下させること無く試験装置の価格の上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子回路アセンブリの試験対象ピンの開放状態でのショート故障検出の原理について説明する図である。
【図2】電子回路アセンブリの試験対象ピンのオープン故障検出の原理について説明する図である。
【図3】本発明にかかる第一実施例である電子回路アセンブリ試験装置の要部構成を被試験体とともに説明する図である。
【図4】本実施例の電子回路アセンブリ試験装置の被試験体であるMCMの正面図である。
【図5】本発明にかかる第一実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの要部構成を示す構成断面図である。
【図6】第一実施例の電子回路アセンブリ試験装置を用いたバウンダリスキャンによる試験の開始前及び試験中のMCMとアダプタの状態を説明する図である。
【図7】バウンダリスキャンにより行う第一実施例である試験装置のMCMに対する第一の試験過程での試験の原理について説明する図である。
【図8】バウンダリスキャンにより行う第一実施例である試験装置の被試験体MCMに対する第二の試験過程での試験の原理について説明する図である。
【図9】第一実施例の電子回路アセンブリ試験装置を用いたバウンダリスキャンによる試験の開始前及び試験中のMCMとアダプタの別の例の状態を説明する図である。
【図10】本発明にかかる第二実施例である電子回路アセンブリ試験装置の要部の構成を被試験体とともに説明する図である。
【図11】本発明にかかる第二実施例の電子回路アセンブリ試験装置に使用するアダプタの要部構成を示す構成断面図である。
【図12】第二実施例の電子回路アセンブリ試験装置を用いたバウンダリスキャンによる試験の開始前及び試験中のMCMとアダプタの状態を説明する図である。
【図13】従来のバウンダリスキャン試験方法及び試験装置を説明する図である。
【符号の説明】
1,101 電子回路アセンブリ試験装置
2,102 ピンエレクトロニクス
21,121 MCM
22,122,201,211,221,231,241,301,311 LSI
23 基板
24,124 外部入出力ピン
24a,124a 制御ピン
24b,124b 試験対象の信号ピン
24b’ 試験を行なわない試験対象の信号ピン
25 半田ボール
51,71,151 アダプタ
52,72 導電性の部材
53,73 導体の板
54,74,154 樹脂ブロック
55,75 絶縁板
56,76,156 プローブソケット
57,58,59,60,61,77,78,79,80,81 内腔
62,82 プローブ
63,83,163,171 バネ
64,84,164 配線パターン
65,85,165 プリント基板
66,86,166,172 半田
67 絶縁チューブ
152 接続用プローブ
153 短絡用プローブ
155 ネット
200,210,220,230,240,300,310 電子回路アセンブリ
202,212a,212b,222a,222b,232a,232b,242a,242b 開放ピン
302,312a,312b 入出力ピン
213,223,234,244 ショート故障
233,243 pull−up
314 オープン故障

Claims (18)

  1. 試験対象となる試験対象ピンと試験制御用の入出力ピンとからなる複数の外部入出力ピンと、該試験制御用入出力ピンを介して各試験対象ピンの電圧を独立に制御すると共に該電圧を独立に観測することを可能とする試験手段とを有すると共に被試験体内に設けられた電子回路アセンブリに対しアダプタを用いての試験を行う電子回路アセンブリ試験方法であって、
    該被試験体を前記アダプタに対して中間位置まで加圧下降させることにより、該試験制御用入出力ピンを用いて該試験手段制御の接続をし、該接続を維持しつつ該試験対象ピンを開放状態にし、該試験手段を用いて該試験対象ピンのショート故障を検出する第1の試験過程と、
    該被試験体を前記アダプタに対して更に加圧下降させることとにより、該接続を維持しつつ、該試験対象ピンを導体のみから構成される短絡用構造物に接触させて互いにショート状態にすると共に該ピンに試験電圧を一括印加し、該試験手段を用いて該試験対象ピンのオープン故障を検出する第2の試験過程とを有することを特徴とする電子回路アセンブリ試験方法。
  2. 請求項1記載の電子回路アセンブリ試験方法において、
    前記試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする電子回路アセンブリ試験方法。
  3. 複数の外部入出力ピンと、該外部入出力ピン中の試験対象ピンの電圧を制御して該電圧の観測が可能であると共に該外部入出力ピン中の制御ピンを介して動作制御される試験手段とを有すると共に被試験体内に設けられた電子回路アセンブリに対し試験を行う電子回路アセンブリ試験装置であって、
    該試験手段の制御のための該制御ピンとの接続を担うプローブと、該試験対象ピンをそれぞれ互いにショート状態にさせて試験することの可能な導電性部材とを有し、該被試験体の位置により該制御ピンと該プローブとが接続した第1の状態と、該制御ピンと該プローブとの接続を維持しつつ該試験対象ピンと該導電性部材とショート状態とする第2の状態とに接続状態を切り替え可能な構成としたアダプタを具備し、
    該第1の状態で、該試験手段を用いて該開放状態での試験で該試験対象ピンのショート故障を検出し、
    第2の状態で、該ショート状態での試験電圧の印加による試験で該試験対象ピンのオープン故障を検出することを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  4. 請求項3記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記試験対象ピンの電圧を制御すると共に電圧観測可能な試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  5. 請求項3又は請求項4の何れか記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記アダプタは、少なくとも一つの変形容易で柔軟な構造を有した短絡用の導電性の部材と、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、該導電性の部材を支持すると共に該プローブを収納する内腔を有する支持体と、からなり、
    該プローブは該支持体上の該導電性の部材を貫通して該支持体中の該内腔に収納可能とされる共に、該導電性の部材と接する部分には絶縁手段を設けて該導電性の部材との接続を遮断しており、更に、該内腔中で導電性を持つ弾性体により支持されて、該支持体上の該導電性の部材より高い位置まで該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされており、
    該プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
    更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該プローブの先端部位置を下降させ、該プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  6. 請求項5記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記上方からの押圧による該試験対象ピンと該短絡用の導電性の部材との接触時に、
    前記外部入出力ピン中の試験対象ピン及び制御ピン以外のピンが該導電性の部材に接触できないように、該導電性の部材内の該ピンと対応する位置に絶縁装置を設けたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  7. 請求項6記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記導電性の部材内の該ピンと対応する位置に設けられた絶縁装置は、該導電性の部材内に貫通されて設けられた絶縁チューブであることを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  8. 請求項5乃至請求項7の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記短絡用の導電性の部材は、金属製のワイヤーを編んで構成された導電性の布であることを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  9. 請求項5乃至請求項8の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記のプローブの前記導電性の部材と接する部分に設けられた絶縁手段は該プローブをコートする絶縁膜であり、
    該プローブは該導電性の部材と接する部分を絶縁コーティングされたプローブであることを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  10. 請求項3又は請求項4の何れか記載の電子回路アセンブリ試験装置において、
    前記アダプタは、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、前記試験対象ピンとの接続により前記ショート状態を形成する互いに短絡された複数の短絡用のプローブと、該接続用プローブ及び短絡用のプローブをそれぞれ収納可能な内腔を有する樹脂ブロックからなり、
    該接続用プローブ及び短絡用のプローブはそれぞれ該内腔中で保持されると共に、該接続用プローブは導電性を持つ弾性体により支持されて、該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされ、更に、該押圧の無い状態では該接続用プローブの先端部が該短絡用のプローブの先端部より高い位置となるように設定されており、
    該接続用プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
    更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該接続用プローブの先端部の位置を下降させ、該接続用プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験装置。
  11. 複数の外部入出力ピンと、該外部入出力ピン中の試験対象ピンの電圧を制御して該電圧の観測が可能であると共に該外部入出力ピン中の制御ピンを介して動作制御される試験手段と、を有する電子回路アセンブリと、
    該試験手段の動作制御を行って該電子アセンブリの持つ該試験対象ピンのショート故障とオープン故障を検出する電子回路アセンブリ試験装置と、
    を接続する該試験用アダプタであって、
    該手段の制御のための該電子回路アセンブリの接続を担うと共に、該接続を維持しつつ該電子回路アセンブリの持つ該試験対象ピンをそれぞれ開放状態にすること及び互いにショート状態にすることを可能とし、
    該試験装置による該試験手段を用いた該開放状態での該試験対象ピンのショート故障検出及び該ショート状態での試験対象ピンへの試験電圧の一括印加を伴う該試験対象ピンのオープン故障検出とを可能としたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  12. 請求項11記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記試験対象ピンの電圧を制御すると共に電圧観測可能な試験手段は該電子回路アセンブリに内蔵されるバウンダリスキャン回路であることを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  13. 請求項11又は請求項12の何れか記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    少なくとも一つの変形容易で柔軟な構造を有した短絡用の導電性の部材と、前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、該導電性の部材を支持すると共に該プローブを収納する内腔を有する支持体と、からなり、
    該プローブは該支持体上の該導電性の部材を貫通して該支持体中の該内腔に収納可能とされる共に、該導電性の部材と接する部分には絶縁手段を設けて該導電性の部材との接続を遮断しており、更に、該内腔中で導電性を持つ弾性体により支持されて、該支持体上の該導電性の部材より高い位置まで該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされており、
    該プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
    更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該プローブの先端部位置を下降させ、該プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用の導電性の部材に接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  14. 請求項13記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記上方からの押圧による該試験対象ピンと該短絡用の導電性の部材との接触時に、
    前記外部入出力ピン中の試験対象ピン及び制御ピン以外のピンが該導電性の部材に接触できないように、該導電性の部材内の該ピンと対応する位置に絶縁装置を設けたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  15. 請求項14記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記導電性の部材内の該ピンと対応する位置に設けられた絶縁装置は、該導電性の部材内に貫通されて設けられた絶縁チューブであることを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  16. 請求項13乃至請求項15の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記短絡用の導電性の部材は、金属製のワイヤーを編んで構成された導電性の布であることを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  17. 請求項13乃至請求項16の何れか一項記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記のプローブの前記導電性の部材と接する部分に設けられた絶縁手段は該プローブをコートする絶縁膜であり、
    該プローブは該導電性の部材と接する部分を絶縁コーティングされたプローブであることを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
  18. 請求項11又は請求項12の何れか記載の電子回路アセンブリ試験用アダプタにおいて、
    前記試験手段の制御のための前記制御ピンとの接続を担う導電性の接続用のプローブと、前記試験対象ピンとの接続により前記ショート状態を形成する互いに短絡された複数の短絡用のプローブと、該接続用プローブ及び短絡用のプローブをそれぞれ収納可能な内腔を有する樹脂ブロックからなり、
    該接続用プローブ及び短絡用のプローブはそれぞれ該内腔中で保持されると共に、該接続用プローブは導電性を持つ弾性体により支持されて、該内腔から突出する先端部が上方からの押圧に従いその高さ位置を可変とされ、更に、該押圧の無い状態では該接続用プローブの先端部が該短絡用のプローブの先端部より高い位置となるように設定されており、
    該接続用プローブ上方からの該先端部と該制御ピンとの接触により該接続を可能とすると共に、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触しない状態に維持して前記開放状態での試験を可能とし、
    更に、該外部入出力ピンの上方からの押圧により該接続用プローブの先端部位置を下降させ、該接続用プローブの先端部と該制御ピンとの接触による該接続を維持したまま、該試験対象ピンを該短絡用のプローブに接触させて前記ショート状態での試験を可能としたことを特徴とする電子回路アセンブリ試験用アダプタ。
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