JP3589082B2 - 自動変速機のシフトロック解除装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動変速機のシフトロック解除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車に備えられた自動変速機では、シフトレバーを移動させることにより、シフトレンジが切換わるようになっている(類似技術として、特開平9−272361号公報参照)。シフトレバーのノブには操作ボタンが設けられ、この操作ボタンを押すことにより、シフトレバーの下部に設けられたポジションピンが下がって、移動した先のシフトレンジに係合するようになっている。
【0003】
そして、特定のシフトレンジでは、シフトロックによって、ポジションピンの下降が防止され、別のシフトレンジへの移動ができないようにされている。このシフトロックはソレノイドに連結されており、スイッチによりソレノイドに通電すると、シフトロックが解除方向へ回転して、ポジションピンを他のシフトレンジに移動できる。一般に、ソレノイドのスイッチはブレーキペダルに設けられており、ブレーキペダルを踏むと、ソレノイドに通電して、シフトロックが解除されるようになっている。
【0004】
また、シフトロックは非電気的構造によっても解除できるようになっている。これは、工場でバッテリを搭載する前や、バッテリトラブルの際にも、シフトロックを解除して自動車を動かせるようにするためである。
【0005】
そのために、シフトレバーの周辺のパネルには開口が形成され、この開口から解除ボタンを車室内側に突出させている。そして、解除ボタンを押した際のストロークをシフトロックに作用させ、シフトロックを機械的に解除させる構造になっている。この解除ボタンの開口からの突出量は、解除ボタンを押込める量であり、シフトロックに作用させるストロークとなる。従って、この解除ボタンの突出量を大きくした方が、解除ボタンのストロークが大きくなり、シフトロックの解除操作が確実になる。しかし、解除ボタンの突出量をあまり大きくすると、解除ボタンが目立って、シフトレバー周辺の見映えが悪くなる。そのため、解除ボタンの突出量は、操作の確実性と見映えの両方を満足する最適なものにする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、解除ボタンの突出量は、開口の位置の変化により影響を受けるため、解除ボタン自体の位置を正確に決めても、開口が設けられるパネルの取付誤差により、解除ボタンの突出量が相対的に変動してしまい、解除ボタンを最適な突出量に調整するのが困難である。特に、解除ボタンをセンタコンソールのような大きなパネルから突出させる場合は、大きなパネル全体を動かして、その取付位置を調整する必要があり、調整作業が困難である。
【0007】
この発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、解除ボタンの突出量の調整が容易な自動変速機のシフトロック解除装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、車体に組付けられたパネルに開口を形成し、該開口からシフトロックの解除ボタンを車室内側に突出させ、該解除ボタンを車室内側から解除方向へ押した際のストロークをシフトロックに作用させて、該シフトロックを解除させる自動変速機のシフトロック解除装置であって、前記解除ボタンは、パネルの裏側で開口に対して近接・離反自在に支持されたスライド部材と、該スライド部材の上下に突出可能に取付けられると共に前記スライド部材に対して上下方向へ摺動可能に且つ固定可能に係合する作動部材と、前記スライド部材の上方側並びに前記作動部材の突出端側を覆う状態で前記スライド部材に取付けられて前記作動部材を前記スライド部材に対する摺動不能な固定状態にすると共に前記開口から車室内側に突出するキャップ部材とから成り、前記作動部材の前記スライド部材に対する上下方向への摺動により、解除ボタンの操作によるシフトロックの解除までのストロークのロスをなくす最適位置に前記作動部材を摺動させた状態で、前記キャップ部材を前記スライド部材に取付けるものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、スライド部材に作動部材と係合可能な係合面を備えた挟持片を立設形成し、挟持片がスライド部材に取付けられたキャップ部材の内面と作動部材との間で挟持されることにより作動部材側へ押されて係合面が係合し、作動部材がスライド部材に対して摺動不能な固定状態になる。
【0010】
請求項3記載の発明は、挟持片又は作動部材の一方に、作動部材の摺動方向に沿う溝を形成し、他方に溝に係合するリブを形成した。
【0011】
請求項4記載の発明は、スライド部材には作動部材が下方から貫通する貫通部が形成され、このスライド部材の貫通部を、挟持片及び作動部材の幅よりも両側に延長して形成し、該貫通部の両端に係合する爪部をキャップ部材に形成した。
【0012】
請求項5記載の発明は、挟持片の基端部に凹部を形成して、該基端部を薄肉状態にする。
【0013】
請求項6記載の発明は、挟持片の基端部の凹部は、挟持片の外側に形成され、キャップ部材に挟持片の凹部に係合する凸部を形成した。
【0014】
請求項7記載の発明は、パネルの裏側に、スライド部材を開口に対して近接・離反自在に支持するハウジングを形成した。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、キャップ部材を取付ける前は、作動部材がスライド部材に対して摺動可能な係合状態にあるため、この作動部材を押し下げ操作することで、パネルの取付位置にかかわらず、シフトロックに対する最適位置にすることができる。そして、作動部材とスライド部材とは係合状態にあるので、作動部材を最適位置にした後、作動部材のスライド部材に対する位置を維持したまま、スライド部材を最も開口寄り位置にさせる。これにより、開口(パネル)に対するスライド部材の相対的位置は一定となる。また、スライド部材を最も開口寄りに位置させることにより、スライド部材の下方へのストロークを、最大に稼げることになる。そして、最も開口寄りに位置させたスライド部材に対してキャップ部材を取付ける。キャップ部材の取付けにより、作動部材がスライド部材に対して摺動不能な固定状態となる。従って、スライド部材、作動部材、キャップ部材の三者が一体化して、1つの部品である解除ボタンを形成する。
【0016】
また、開口に対する相対的位置が一定のスライド部材にキャップ部材は取付けられるから、取付けられたキャップ部材の開口からの突出量は、パネルの位置にかかわらず、常に操作の確実性及び見映えの点で最適な一定値となる。従って、解除ボタンの突出量の調整が不要となり、従来のような調整作業の困難さはない。更に、解除ボタンは、作動部材が最適位置となるように設定され、3部品が一体化されているため、キャップ部材を押したストローク分だけ解除ボタン全体が一体的に解除方向へ移動し、シフトロックを確実に解除させることができる。従って、解除ボタンの操作によるシフトロックの解除までのストロークのロスをなくすことができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、キャップ部材を取付ける前は、挟持片が作動部材に押付けられず、作動部材はスライド部材に対して摺動可能となる。キャップ部材を取付けると、挟持片が作動部材とキャップ部材との間で挟持されることにより作動部材に押付けられて、作動部材がスライド部材に対して摺動不能な固定状態となる。従って、キャップ部材の取付けにより、作動部材の摺動及び固定を確実に切換えることができ、解除ボタンの設定が容易である。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、溝とリブの係合により、作動部材の貫通部内における幅方向での位置決めを行うことができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、貫通部の両端を利用してキャップ部材の爪部を係合させるため、スライド部材に爪部を係合させるための特別な構造を形成する必要がなく、キャップ部材の成形が容易になる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、挟持片の基端部に凹部を形成して、基端部を薄肉状態にしているため、挟持片が作動部材と離れる方向に曲がりやすくなり、貫通部における作動部材の摺動抵抗が小さくなる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、挟持片の凹部にキャップ部材の凸部を係合することにより、キャップ部材のスライド部材からの抜けが防止される。キャップ部材には凸部と爪部の両方を設けても良いし、凸部を形成した場合は、爪部を省略しても良い。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、スライド部材を支持するハウジングをパネル側に設けたため、車体に組付ける前のパネルに解除ボタンを予め取付けておくことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図7は、この発明の第1実施形態を示している。1はシフトレバーで、シフトレバー1に関するアッセンブリとは別に車両に組付けられるパネル2としてのセンタコンソールフィニッシャの上面部から、上方の車室内側へ突出している。シフトレバー1の上端にはノブ3が取付けられ、ノブ3以外の部分はブーツ4により覆われている。ノブ3の側面には操作ボタン3aが設けられている。この操作ボタン3aを押しながら、シフトレバー1を前後に動かすことにより、希望するシフトレンジが選択されるようになっている。シフトレバー1の側方には選択されたシフトレンジを示すインジケータパネルPが設けられている。インジケータパネルPの前方には解除ボタン5が突出状態で設けられている。この解除ボタン5の構造は後述する。
【0025】
次に、シフトレバー1の下方の構造を説明する。シフトレバー1の下方には、ポジションプレート6が設けられ、このポジションプレート6の中央部にはゲート7が形成されている。このゲート7の上縁には各シフトレンジに対応した係合部が切欠形成されている。ノブ3の操作ボタン3aを押すと、シフトレバー1の下部に設けられたポジションピン8が下降し、シフトレバー1の位置に応じた係合部が選択されるようになっている。ゲート7における最も前側(図2における右側)の係合部9は、「パーキング」に対応している。この係合部9の下側にはシフトロック10が回動自在に設けられている。
【0026】
このシフトロック10にはソレノイド11が連結されており、シフトロック10を図2中のR方向へ回動させることができる。このソレノイド11のスイッチは図示せぬブレーキペダルに設けられており、ブレーキペダルを踏んだ場合に、ソレノイド11に通電され、シフトロック10がR方向へ回動して、係合部9の下部を開放するようになっている。尚、このシフトロック10はソレノイド11に連結されているものの、力を加えれば容易にR方向へ回動するものなので、ポジションピン8が隣接した係合部から前端の係合部9へ入り込む場合は、ポジションピン8でシフトロック10をR側へ押し退けながら係合部9へ入り込む。しかし、いったん係合部9へ入り込んだポジションピン8は、そこから抜け出ようとしても、シフトロック10の上端に当たるため、シフトロック10が回転せず、ソレノイド11を通電させてシフトロック10をR側へ回動させないかぎりは、係合部9から出ることはできない。
【0027】
また、このシフトロック10にはレバー12が突出形成されており、このレバー12の隣接位置には、解除ロッド13が斜めに設けられており、この解除ロッド13の下端でレバー12を押して、シフトロック10をR側へ強制的に回動させることができる。この解除ロッド13にはスプリング14が設けられ、解除ロッド13でレバー12を押した後に解除ロッド13が元の位置に戻るようになっている。この解除ロッド13の上端には、前記解除ボタン5の下端が当接しており、解除ボタン5を下側へ押すことにより、解除ロッド13を押して、シフトロック10を、ソレノイド11によらず、R側へ回動させることができる。
【0028】
次に、解除ボタン5の構造を説明する。この解除ボタン5は、スライド部材15と、作動部材16と、キャップ部材17の3部材から構成されている。スライド部材15は、略全周の縁から上下に突出するフランジ18を有する断面略H状の四角形状をしており、中央部には長方形状の貫通部19が形成されている。この貫通部19の長辺部分の縁は、その一部を上側に延ばして、互いに対向する一対の挟持片20を形成している。この挟持片20の互いに向かう合う内面は水平方向の凹凸面21となっており、その中央部には上下方向に沿う溝22が形成されている。また、この挟持片20の基端部には外側から水平方向の凹部23が形成され、基端部を薄肉状態にしている。従って、挟持片20は基端部を中心にして曲がりやすくなっている。この挟持片20の幅は貫通部19の長辺方向の幅よりも小さく、貫通部19の両端が挟持片20(及び作動部材16)よりも外側に延長された状態になっている。
【0029】
このスライド部材15は、パネル2の開口24部分に下側から取付けられたハウジング25内に予め収納されている。このハウジング25の上下サイズは、スライド部材15の上下サイズよりも大きく、その差の分だけ、スライド部材15はハウジング25内で上下にスライドすることができる。ハウジング25の底面には、パネル2の開口24に対応する開口26が形成されており、この開口26から作動部材16を下方へ突出させることができる。
【0030】
この作動部材16には、途中部分に大径のストッパ27が形成された略棒状の部材で、そのストッパ27よりも上方は水平断面略長方形状をしており、その略長方形状部分の長辺側の対向している一対の側面には、水平方向の凹凸面28が形成されている。また、この凹凸面28の中央部には上下方向に沿うリブ29が形成されている。作動部材16の凹凸面28が形成された部分は、前記スライド部材15の貫通部19に下側から挿入される。作動部材16を貫通部19に挿入することにより、作動部材16と挟持片20の凹凸面21、28同士が対応し、挟持片20を作動部材16に強く押し付ければ、作動部材16が貫通部19で摺動不能な固定状態となり、挟持片20の上端側が作動部材16から離れるように拡開可能なフリーにしておけば作動部材16が貫通部19で摺動可能となる。作動部材16の凹凸面28の幅は挟持片20の幅に合致しており、作動部材16と挟持片20との幅方向における位置決めは、作動部材16のリブ29と、挟持片20の溝22との係合よりなされる。従って、作動部材16を貫通部19に挿入した状態でも、作動部材16の両側には貫通部19の両端まで所定の間隔を残した状態になっている。
【0031】
キャップ部材17は、上方視略長方形状で且つ下側が開口した容器形状をしており、その両側下端には下向きの爪部30が形成されている。キャップ部材17は、パネル2の開口24へ上側から挿入可能で且つ内部に前記挟持片20と作動部材16の上端部を収納可能なサイズになっている。そして、キャップ部材17を開口24から挿入して、爪部30を前記作動部材16の両側から前記貫通部19の両端までの間の貫通部19の余空間部分に係合させることにより、キャップ部材17はスライド部材15に対して取付けられ、上方への抜けが防止される。取付けた状態で、キャップ部材17の爪部30以外の下端は、スライド部材15のフランジ118で囲まれた部分の上面に当接する。このように、貫通部19の両端以外の余空間部分を利用してキャップ部材17の爪部30を係合させるため、スライド部材15にキャップ部材17を取付けるための別な構造を形成する必要がなく、キャップ部材17の成形が容易である。
【0032】
次に、この解除ボタン5を車両に搭載する手順を簡単に説明すると、まず予めシフトレバー1、シフトロック10、解除ロッド13等がアッセンブリされたデバイスを車両の所定位置に取付けて、その後、シフトレバー1を露出させるが、その他の機構を覆うパネル2は、予めスライド部材15並びに作動部材16がアッセンブリされた状態で、前記デバイス上に取付けて、その後、解除ボタン5を作動部材16に取付ける。この取付過程のうち、前記デバイスの取付けは従来と変わらないため詳述は省略し、解除ボタン5並びにキャップ部材17の取付過程を以降で詳細する。
【0033】
まず、解除ボタン5のうちの特に作動部材16をパネル2の開口24に取付ける手順を説明する。図5に示すように、パネル2の下面に固定されたハウジング25の内部に予め収納され、ハウジング25内の最下端にあるスライド部材15の貫通部19に作動部材16の上部を下側からストッパ27がスライド部材15の下面に当接するまで挿入しておく。この作動部材16は、キャップ部材17を取付ける前は、挟持片20の基端部が薄肉状態で挟持片20の上端が外側に曲がりやすくなっていることもあり、挟持片20と作動部材16の凹凸面21、28同士が強く係合せず、スライド部材15の貫通部19において摺動可能である。
【0034】
そして、この作動部材16が組付けられたパネル2を前記デバイス上を覆うように取付ける。このとき作動部材16は最上側に位置しているため、図5に示すように、作動部材16の下端と解除ロッド13上端とは離間した状態にある。
【0035】
次に、この作動部材16を、図6に示すようにスライド部材15に対して下方に摺動させて、下端が解除ロッド13の上端に当接した状態を経て、更に下方へ押し込んで図7に示すように解除ロッド13を作動させる。すなわち、シフトロック10を解除方向Rへ動かすまで作動部材16を押し込む。作動部材16の下端が解除ロッド13の上端を押し込んで一旦シフトロック10の解除状態にしないと、作動部材16を押した際のシフトロック10の解除までのストロークにロスが生じるため、この状態を「最適状態」している。但し、この最適状態は、シフトロック10を解除方向Rへ動かすための機構により異なる。
【0036】
そして、作動部材16を最適位置にした後、作動部材16の押し下げを止めると、作動部材16とスライド部材15とは凹凸面21、28で係合しているため、解除ロッド13に加わるスプリング14の反力で、作動部材16のスライド部材15に対する位置を維持したまま、スライド部材16はハウジング25内の最の最も開口24寄り位置、すなわち上端位置に移動する。これはハウジング25内でのスライド部材25の上下ストロークを解除ロッド13の作動ストローク(この実施形態では解除ロッド13が斜めに移動するため、実際の作動ストロークのうち上下方向成分となる)に合致させていることによる。これにより、シフトレバー1、シフトロック10、解除ロッド13を含む前記デバイスに対するパネル2の上下取付位置に誤差があったとしても、スプリング15と作動部材16との上下摺動によりその誤差を吸収できることになるため、開口24に対するスライド部材15の位置は常に一定となる。また、スライド部材15を最も上端に位置させたため、スライド部材15の下方へのストロークを最大に稼げることになる。
【0037】
次いで、図8に示すように、最も上端に位置させたスライド部材15に対してキャップ部材17を開口24を通して上側から取付ける。すなわち、キャップ部材17の爪部30を、貫通部19の両端に係合させて、挟持片20と、作動部材16の上端部(突出端)を、キャップ部材17内に収納する。キャップ部材17を取付けることにより、挟持片20がキャップ部材17の内面により作動部材16側へ押されるため、両方の凹凸面21、28が強く係合して、スライド部材15に対し作動部材16は貫通部19で摺動不能な固定状態となる。
【0038】
従って、キャップ部材17を取付けることにより、スライド部材15、作動部材16、キャップ部材17の三者が一体化して、1つの部品である解除ボタン5を形成する。また、キャップ部材17の開口24からの突出量Tは、前記デバイスに対するパネル2の上下位置にかかわらず常に一定となる。このようにキャップ部材17の突出量Tが一定になるのは、スライド部材15を最も上寄りに位置させ、そのスライド部材15にキャップ部材17を取付けているからである。このキャップ部材17の突出量Tは、操作の確実性及び見映えの点で最適な一定値であり、面倒な調整作業を必要とすることなく、その最適な突出量Tが得られる。
【0039】
更に、解除ボタン5は3部材が一体化されているため、キャップ部材17を押すと、解除ボタン5全体はキャップ部材17の突出量Tに見合う最大のストロークで下方に移動する。キャップ部材17の下端がスライド部材15の上面に当接しているため、押す力は、キャップ部材17の下端からスライド部材15に確実に伝達され、押す力の伝達経路で変形が生じたりすることはない。解除ボタン5が最大ストロークで下降すれば、解除ロッド13が大きく押されて、シフトロック10をR方向へ大きく回転させることができ、解除操作の確実性が増す。
【0040】
以上のように、この実施形態によれば、シフトレバー1に関するデバイスに対してパネル2に上下方向での取付誤差があっても、キャップ部材17の突出量Tを、面倒な調整を操作を要することなく、常に操作の確実性及び見映えの点で最適な一定値にすることができる。
【0041】
尚、この実施形態では、スライド部材15をパネル2に取付けたハウジング25により支持したが、スライド部材15を開口24寄り位置まで上下移動自在に支持できれば、ハウジング25を用いずに、パネル2以外の部位に取付けた他の部材により支持しても良い。
【0042】
図9は、この発明の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態では、キャップ部材31から爪部を省略し、その代わりに、キャップ部材31の下端内面に、挟持片20の凹部23に係合する凸部32を形成したものである。従って、キャップ部材31を取付けたことにより、凸部32が凹部23に係合して、キャップ部材31の抜けが防止される。また、キャップ部材31の下端がスライド部材15の上面に当接しているため、キャップ部材31を押す力は、スライド部材15に確実に伝達される。尚、キャップ部材31に、この実施形態に係る凸部32と、先の実施形態に係る爪部の両方を形成しても良い。両方設ければ、キャップ部材31がスライド部材15に対して更に確実に取付けられた状態となる。
【0043】
図10並びに図11は、この発明の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態では、スライド部材15Aの挟持片20を貫通部19の長辺部分の一方側のみに立設したもので、この挟持片20の形状並びに、この挟持片20の対向する作動部材16Aの側面の凹凸面28は、第1実施形態と同じである。そして、第1実施形態に比して、他の挟持片が廃止された側には、溝22Aのみが存在し、また作動部材16Aの対応する側面は平面状で、その中央部分には上端がテーパー状になって上下方向に沿うリブ29Aが形成されている。そして、キャップ部材17Aの内面には、前記リブ29Aを間に位置させるように離間したリブ33が形成されている。このリブ33の下端もテーパー状になっている。その他の構成は第1実施形態と同じである。
【0044】
この実施形態によれば、挟持片20が一方で済むので、キャップ部材17Aの幅Wが小さくなり、それに併せて開口24Aも小さくなって、見映えの点で更に有利となる。そして、挟持片20を作動部材16Aに押し付ける力は、キャップ部材17Aの内面のリブ33又は作動部材16Aのリブ29Aによって維持される。また、これらのリブ33、29Aは挿入側がテーパー状になっているため、キャップ部材17Aの取付時に作動部材17Aを誤って押し下げてしまうことが抑制される。尚、挟持片20が一方側だけなので、第1実施形態に比して、作動部材16と挟持片20の凹凸面21、28の係合力が小さいので、凹部23は必ずしも必要ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るシフトレバーを示す斜視図。
【図2】シフトレバーの下方構造を示す断面図。
【図3】解除ボタンを示す分解斜視図。
【図4】組み合わせた作動部材とスライド部材に、キャップ部材を取付ける状態を示す斜視図。
【図5】作動部材を最適位置にする前の状態を示す断面図。
【図6】作動部材を押し下げた状態を示す断面図。
【図7】作動部材を最適位置にした状態を示す断面図。
【図8】キャップ部材を取付けた状態を示す断面図。
【図9】この発明の第2実施形態を示す解除ボタンの断面図。
【図10】この発明の第3実施形態を示す分解斜視図。
【図11】第3実施形態の図8相当の断面図。
【符号の説明】
1 シフトレバー
2 パネル
5 解除ボタン
10 シフトロック
15、15A スライド部材
16、16A 作動部材
17、17A、31 キャップ部材
19 貫通部
20 挟持片
21 挟持片の凹凸面
22、22A 溝
23 凹部
24 開口
25 ハウジング
28 作動部材の凹凸面
29、29A、33 リブ
32 凸部
R 解除方向
T 突出量
Claims (7)
- 車体に組付けられたパネルに開口を形成し、該開口からシフトロックの解除ボタンを車室内側に突出させ、該解除ボタンを車室内側から解除方向へ押した際のストロークをシフトロックに作用させて、該シフトロックを解除させる自動変速機のシフトロック解除装置であって、前記解除ボタンは、パネルの裏側で開口に対して近接・離反自在に支持されたスライド部材と、該スライド部材の上下に突出可能に取付けられると共に前記スライド部材に対して上下方向へ摺動可能に且つ固定可能に係合する作動部材と、前記スライド部材の上方側並びに前記作動部材の突出端側を覆う状態で前記スライド部材に取付けられて前記作動部材を前記スライド部材に対する摺動不能な固定状態にすると共に前記開口から車室内側に突出するキャップ部材とから成り、前記作動部材の前記スライド部材に対する上下方向への摺動により、解除ボタンの操作によるシフトロックの解除までのストロークのロスをなくす最適位置に前記作動部材を摺動させた状態で、前記キャップ部材を前記スライド部材に取付けることを特徴とする自動変速機のシフトロック解除装置。装置。
- スライド部材に作動部材と係合可能な係合面を備えた挟持片を立設形成し、挟持片がスライド部材に取付けられたキャップ部材の内面と作動部材との間で挟持されることにより作動部材側へ押されて係合面が係合し、作動部材がスライド部材に対して摺動不能な固定状態になる請求項1記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
- 挟持片又は作動部材の一方に、作動部材の摺動方向に沿う溝を形成し、他方に溝に係合するリブを形成した請求項2記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
- スライド部材には作動部材が下方から貫通する貫通部が形成され、このスライド部材の貫通部を、挟持片及び作動部材の幅よりも両側に延長して形成し、該貫通部の両端に係合する爪部をキャップ部材に形成した請求項2又は請求項3記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
- 挟持片の基端部に凹部を形成して、該基端部を薄肉状態にする請求項2〜4のいずれか1項に記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
- 挟持片の基端部の凹部は、挟持片の外側に形成され、キャップ部材に挟持片の凹部に係合する凸部を形成した請求項5記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
- パネルの裏側に、スライド部材を開口に対して近接・離反自在に支持するハウジングを形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動変速機のシフトロック解除装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09338099A JP3589082B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 自動変速機のシフトロック解除装置 |
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---|---|---|---|
JP09338099A JP3589082B2 (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | 自動変速機のシフトロック解除装置 |
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