JP3588791B2 - 浴室ユニットの床パン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は浴室ユニットの床パンに関するものである。
浴室ユニットの床パンの要求仕様として以下が挙げられる。
▲1▼ 浴室出入口の段差が低いこと。
浴室と脱衣室との間のスムーズな往来を保証するために、特に高齢者に配慮して、浴室出入口の段差を低くする必要がある。
▲2▼ 浴槽の跨ぎ高さが低いこと。
浴槽への出入りを容易にするために、特に高齢者に配慮して、浴槽の跨ぎ高さを低くする必要がある。
▲3▼ 排水トラップの排水管接続部の建築躯体床からの適正な高さが確保されていること。
排水トラップから延びる排水管の適正な傾斜を確保するために、排水トラップの排水管接続部の建築躯体床からの適正な高さを確保する必要がある。
【0002】
洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有し、排水トラップが床パン最下部に取り付けられた従来の床パンで、且つピットの無い平坦な建築躯体床上に載置される床パンで、上記の要求仕様の幾つかを満たすものとして、以下が挙げられる。
(1) 図5に示すように、床パンの第2部分2を第1部分1の下方に配設し、且つ建築躯体床Aからの設置高さを低くし、浴室出入口の段差H1と浴槽Bの跨ぎ高さH2とを低くして、床パン要求仕様の▲1▼と▲2▼とを満たした床パン。
(2) 図6に示すように、床パンの第2部分2を第1部分1の下方に配設し、且つ建築躯体床Aからの設置高さを適正に確保し、浴槽Bの跨ぎ高さH2を低くし、且つ排水トラップ4の排水管接続部4aの建築躯体床Aからの高さH3を適正に確保して、床パン要求仕様の▲2▼と▲3▼とを満たした床パン。
(3) 図7に示すように、床パンの第1部分1と第2部分2との間に段差を設けず、且つ建築躯体床Aからの設置高さを適正に確保し、浴室出入口の段差H1を低くし、且つ排水トラップ4の排水管接続部4aの建築躯体床Aからの高さH3を適正に確保して、床パン要求仕様の▲1▼と▲3▼とを満たした床パン。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す床パンには、排水トラップ4の排水管接続部4aの建築躯体床Aからの高さH3が低くなり、床パン要求仕様の3を満たさないという問題がある。
図6に示す床パンには、床パンの第1部分1の高さが増加して浴室出入口の段差H1が高くなり、床パン要求仕様の1を満たさないという問題がある。
図7に示す床パンには、浴槽Bの跨ぎ高さH2が大になり、床パン要求仕様の2を満たさないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有し、ピットの無い平坦な建築躯体床上に載置される床パンで、上記の床パン要求仕様の全てを満たす浴室ユニットの床パンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有する床パンの第2部分が第1部分より下方に配設され、床パンの第1部分に第1排水口が形成され、床パンの第2部分に第2排水口と第3排水口とが形成され、第3排水口は床パンの第2部分の最下部に形成され、第2排水口が浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に水密状態で接続され、第2排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分が上に凸に屈曲して管トラップが形成され、第1排水口から延びる排水管と第3排水口から延びる排水管が前記管トラップに、当該管トラップの封水面よりも下方で接続され、第3排水口から延びる排水管に逆止弁が配設され、管トラップの封水面の高さが、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一に、且つ床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定されることを特徴とする浴室ユニットの床パンを提供する。
【0006】
本発明においては、洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有する床パンの第2部分が第1部分より下方に配設され、床パンの第1部分に第1排水口が形成され、床パンの第2部分に第2排水口と第3排水口とが形成され、第3排水口は床パンの第2部分の最下部に形成され、第2排水口が浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に水密状態で接続され、第3排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分が上に凸に屈曲して管トラップが形成され、第1排水口から延びる排水管と第2排水口から延びる排水管が前記管トラップに、当該管トラップの封水面よりも下方で接続され、第3排水口から延びる排水管に逆止弁が配設され、管トラップの封水面の高さが、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一に、且つ床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定されることを特徴とする浴室ユニットの床パンを提供する。
【0007】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、浴槽載置部を含む第2部分を洗い場部を含む第1部分より下方に配設することにより、浴槽の跨ぎ高さを低くする。
【0008】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、床パンの第2部分から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分を上に凸に屈曲させて管トラップを形成して、管トラップを含む床パンの厚さを薄くすることにより、管トラップの排水管接続部の建築躯体床からの適正な高さを確保しつつ、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差を低くすることを可能にする。
【0009】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、第2排水口を浴槽の排水孔に水密状態で接続することにより、浴槽の湯水を第2部分に流すことなく直接第2排水口から排水する。
【0010】
第1部分に第1排水口を形成し、第2部分の最下部に第3排水口を形成することにより、第1部分に大量の湯水が排出された場合、該湯水の一部を第1排水口を介して排水し、残余の湯水を第1部分より低い第2部分へ流入させた後、第3排水口を介して排水する。
【0011】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、浴槽の湯水を第2部分に流すことなく直接第2排水口から排水し、第1部分に大量の湯水が排出された場合に、第1部分より低い第2部分を遊水池として機能させて、第1部分から速やかに排水することにより、浴室出入口を介して床パンから脱衣室へ漏水する事態の発生を防止する。
【0012】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、第3排水口から延びる排水管に逆止弁を配設することにより、第2排水口から延びる排水管を流れる大量の浴槽排水により管トラップがオーバーフローし、浴槽排水が第3排水口から床パンの第2部分へ逆流するのを防止する。
【0013】
本発明においては、第2排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さ又は第3排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さが、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一に、且つ床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定される。
【0014】
第2排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さ又は第3排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さを、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一として、管トラップを含む床パンの厚さを薄くすることにより、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして、浴室出入口の段差を低くすることを可能にする。
【0015】
第2排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さ、又は第3排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さを、床パンの第2部分の最下部の高さを超えないようにして、排水が第3排水口から床パンの第2部分ヘ逆流するのを防止する。
【0016】
本発明の好ましい態様においては、第1排水口は、床パンの第1部分の浴槽長手方向の中央部に形成される。
【0017】
第1排水口を、床パンの第1部分の浴槽長手方向の中央部に形成し、傾斜落差を小さくして、第1部分の厚さを薄くすることにより、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差を低くすることを可能にする。
【0018】
本発明の好ましい態様においては、第2排水口は、床パンの第2部分の浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に密接状態で接続される。
【0019】
第2排水口を、床パンの第2部分の浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に密接状態で接続することにより、第2排水口を浴槽の排水孔に水密状態で接続し、浴槽排水が第2部分に溢れ出る事態の発生を防止する。
【0020】
【実施例】
本発明の第1実施例に係る浴室の床パンを図1に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る浴室の床パン100は、洗い場を含む第1部分1と、浴槽載置部を含む第2部分2とを有している。第2部分2は第1部分1より下方に配設されている。第1部分1の第2部分2との境界部に隆起した土手部1aが形成されている。土手部1aの頂部は、第1部分1の周縁の立ち上がり部である巾木1bの頂部よりも下方に位置決めされている。第1部分1は浴室出入口側の端部から土手部1aヘ向かって下方ヘ傾斜している。
床パン100はピットの無い平坦な建築躯体床A上に載置されている。
【0021】
第1部分1の土手部1aに隣接する部分に第1排水口3が形成されている。第1排水口3に逆ベルタイプの排水トラップ4が接続されている。逆ベルタイプの排水トラップ4の排水管接続部4aに排水管5が接続されている。排水管5は下方へ傾斜しつつ側方ヘ延びている。
第2部分2の浴槽載置部に第2排水口6が形成されている。第2排水口6から排水管7が延びている。排水管7の第2部分1の下方で延在する部分7aが上に凸に屈曲し、排水管7の屈曲部7aと屈曲部7aより上流の部分とにより、管トラップ8が形成されている。屈曲部7aの下流端、すなわち管トラップ8の排水管接続部8aから、下方へ傾斜した排水管7の延長部が側方ヘ延びている。
第2部分2の最下部に第3排水口9が形成されている。第3排水口9から排水管10が延びている。排水管10は管トラップ8に接続されている。排水管10に逆止弁13が取り付けられている。
逆ベルタイプの排水トラップ4、管トラップ8の封水面の高さhは、第2部分2の最下部の高さと略同一になるように、且つ第2部分2の最下部の高さを超えないように設定されている。
【0022】
第2排水口6の直上に浴槽200の排水孔21が位置決めされている。第2排水口6は、第2部分2と浴槽200との間に配設され、浴槽200の重さを受けて浴槽200の底面と第2部分2の上面とに圧接した環状パッキン12を介して、浴槽200の排水孔21に密接状態で接続されている。
【0023】
上記構成を有する本実施例に係る室ユニットの床パン100においては、浴槽載置部を含む第2部分2を洗い場部を含む第1部分1より下方に配設することにより、浴槽の跨ぎ高さH2を低くしている。
【0024】
本実施例に係る室ユニットの床パン100においては、逆ベルタイプの排水トラップ4を床パンの第1部分1、すなわち床パンの最下部以外の部位に取り付け、床パンの第2部分2から延びる排水管7の床パンの第1部分1の下方で延在する部分7aを上に凸に屈曲させて管トラップ8を形成して、逆ベルタイプの排水トラップ4と管トラップ8とを含む床パンの厚さを薄くすることにより、逆ベルタイプの排水トラップ4の排水管接続部4aの建築躯体床Aからの高さH3と、管トラップ8排水管接続部8aの建築躯体床Aからの高さH4とを適正に確保しつつ、第1部分1の建築躯体床Aからの高さを低くして浴室出入口の段差H1を低くすることを可能にしている。
【0025】
本実施例に係る浴室ユニットの床パン100においては、第2排水口6を環状パッキン12を介して浴槽200の排水孔21に密接状態で、ひいては水密状態で接続することにより、浴槽200の湯水を第2部分2に流すことなく直接第2排水口6から排水している。第1部分1に第1排水口3を形成し、第2部分の最下部に第3排水口9を形成することにより、第1部分1に大量の湯水が排出された場合、該湯水の一部を第1排水口3を介して排水し、残余の湯水を土手部1aを乗り越えさせて第1部分1より低い第2部分2へ流入させた後、第3排水口9を介して排水している。本実施例に係る浴室ユニットの床パン100においては、浴槽200の湯水を第2部分2に流すことなく直接第2排水口6から排水し、第1部分1に大量の湯水が排出された場合に、第1部分1より低い第2部分2を遊水池として機能させて、第1部分1から速やかに排水することにより、浴室出入口を介して床パン100から隣接する脱衣室へ漏水する事態の発生を防止している。
【0026】
本実施例に係る浴室ユニットの床パン100においては、第3排水口9から延びる排水管10に逆止弁13を配設することにより、第2排水口6から延びる排水管7を流れる大量の浴槽排水により、管トラップ8がオーバーフローし、浴槽排水が第3排水口9から床パンの第2部分2へ逆流するのを防止している。
【0027】
本実施例に係る浴室ユニットの床パン100においては、逆ベルタイプの排水トラップ4、管トラップ8の封水面の高さhを、床パンの第2部分2の最下部の高さと略同一として、逆ベルタイプの排水トラップ4と管トラップ8とを含む床パンの厚さを薄くすることにより、第1部分1の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差H1を低くすることを可能にしている。管トラップ8の封水面の高さhを、床パンの第2部分の最下部2の高さを超えないように設定して、排水が第3排水口9から床パンの第2部分2ヘ逆流するのを防止している。
【0028】
本発明の第2実施例に係る浴室の床パンを図2に基づいて説明する。
図2から分かるように、本実施例においては、第3排水口9から延びる排水管10の床パンの第1部分1の下方で延在する部分10aが上に凸に屈曲し、排水管10の屈曲部10aと屈曲部10aより上流の部分とにより、管トラップ11が形成されている。屈曲部10aの下流端、すなわち管トラップ11の排水管接続部11aから、下方へ傾斜した排水管10の延長部が側方ヘ延びている。管トラップ11の封水面の高さhは、第2部分2の最下部の高さと略同一になるように、且つ第2部分2の最下部の高さをを超えないように設定されている。第2排水口6から延びる排水管7が管トラップ11に接続されている。
上記を除き、第2実施例に係る浴室の床パンの構造は、第1実施例に係る浴室の床パンの構造と同様である。
本実施例に係る浴室の床パンにおいても、第1実施例に係る浴室の床パンの効果と同様の効果が得られる。
【0029】
本発明の第3実施例に係る浴室の床パンを図3に基づいて説明する。
図3から分かるように、本実施例においては、第1排水口3には逆ベルタイプの排水トラップは接続されていない。第1排水口3から延びる排水管13が管トラップ8に接続されている。
上記を除き、第2実施例に係る浴室の床パンの構造は、第1実施例に係る浴室の床パンの構造と同様である。
本実施例に係る浴室の床パンにおいても、第1実施例に係る浴室の床パンの効果と同様の効果が得られる。
【0030】
本発明の第4実施例に係る浴室の床パンを図4に基づいて説明する。
図4から分かるように、本実施例においては、第1排水口3には逆ベルタイプの排水トラップは接続されていない。第1排水口3から延びる排水管13が管トラップ11に接続されている。
上記を除き、第2実施例に係る浴室の床パンの構造は、第2実施例に係る浴室の床パンの構造と同様である。
本実施例に係る浴室の床パンにおいても、第2実施例に係る浴室の床パンの効果と同様の効果、ひいては第1実施例に係る浴室の床パンの効果と同様の効果が得られる。
【0031】
上記実施例において、第1排水口3は、床パンの第1部分1の浴槽長手方向の中央部に形成するのが望ましい。床パンの第1部分1には第1排水口3へ向かう傾斜が形成されるので、第1排水口3を、床パンの第1部分1の浴槽長手方向の端部に形成せず中央部に形成することにより、傾斜落差を小さくして、第1部分1の厚さを薄くすることができ、ひいては第1部分1の建築躯体床Aからの高さを低くして浴室出入口の段差H1を低くすることが可能となる。
【0032】
上記実施例において、第2排水口6を、床パンの第2部分2上に載置した排水管を介して、浴槽200の排水孔21に水密状態で接続しても良い。
【0033】
上記実施例において、床パンの第1部分1と第2部分2とは一体形成されても良く、別体で形成され浴室に載置される際に連結されても良い。
上記実施例において、逆ベルタイプの排水トラップ4は、床パン100とは別体で形成されて第1部分1に接続されても良く、第1部分1と一体形成されても良い。
上記実施例において、逆ベルタイプの排水トラップ4の一部が第1部分1の土手部1aに掛かっても良い。
第1実施例、第2実施例において、床パンの第1部分1に設ける排水トラップを逆ベルタイプの排水トラップ4としたが、床パンの第1部分1に設ける排水トラップは逆ベルタイプに限定されない。管トラップでも良く、或いは他の形式のトラップでも良い。
土手部1aの一部を切り欠いて、床パンの第1部分1に大量の湯水が排出された場合に、第2部分2へ湯水が流れ込み易くなるようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、浴槽載置部を含む第2部分を洗い場部を含む第1部分より下方に配設することにより、浴槽の跨ぎ高さを低くしている。
【0035】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、排水トラップを床パンの第1部分、すなわち床パンの最下部以外の部位に取り付け、床パンの第2部分から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分を上に凸に屈曲させて管トラップを形成して、排水トラップと管トラップとを含む床パンの厚さを薄くすることにより、排水トラップと管トラップの排水管接続部の建築躯体床からの適正な高さを確保しつつ、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差を低くすることを可能にしている。
【0036】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、浴槽の湯水を第2部分に流すことなく直接第2排水口から排水し、第1部分に大量の湯水が排出された場合に、第1部分より低い第2部分を遊水池として機能させて、第1部分から速やかに排水することにより、浴室出入口を介して床パンから脱衣室へ漏水する事態の発生を防止している。
【0037】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、第3排水口から延びる排水管に逆止弁を配設することにより、第2排水口から延びる排水管を流れる大量の浴槽排水により管トラップがオーバーフローし、浴槽排水が第3排水口から床パンの第2部分へ逆流するのを防止している。
【0038】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、排水トラップの封水面の高さ及び第2排水口から延びる排水管又は第3排水口から延びる排水管に形成された管トラップの封水面の高さを、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一として、排水トラップと管トラップとを含む床パンの厚さを薄くすることにより、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして、浴室出入口の段差を低くすることを可能にしている。管トラップの封水面の高さを、床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定して、排水が第3排水口から床パンの第2部分ヘ逆流するのを防止している。
【0039】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、床パンの第2部分に形成された第2排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分を上に凸に屈曲させて管トラップを形成し、或いは床パンの第2部分に形成された第3排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分を上に凸に屈曲させて管トラップを形成して、管トラップを含む床パンの厚さを薄くすることにより、管トラップの排水管接続部の建築躯体床からの適正な高さを確保しつつ、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差を低くすることを可能にしている。
【0040】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、第1排水口を、床パンの第1部分の浴槽長手方向の中央部に形成し、傾斜落差を小さくして、第1部分の厚さを薄くすることにより、第1部分の建築躯体床からの高さを低くして浴室出入口の段差を低くすることを可能にしている。
【0041】
本発明に係る浴室ユニットの床パンにおいては、第2排水口を、床パンの第2部分の浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に密接状態で接続することにより、第2排水口を浴槽の排水孔に水密状態で接続し、浴槽排水が第2部分に溢れ出る事態の発生を防止している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る浴室ユニットの床パンの断面図である。(a)は管トラップの図示を省略した図であり、(b)は逆ベルタイプの排水トラップの図示を省略した図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る浴室ユニットの床パンの断面図である。(a)は管トラップの図示を省略した図であり、(b)は逆ベルタイプの排水トラップの図示を省略した図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る浴室ユニットの床パンの断面図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る浴室ユニットの床パンの断面図である。
【図5】従来の浴室ユニット床パンの断面図である。
【図6】従来の浴室ユニット床パンの断面図である。
【図7】従来の浴室ユニット床パンの断面図である。
【符号の説明】
1 床パンの第1部分
2 床パンの第2部分
3 第1排水口
4 逆ベルタイプの排水トラップ
4a 排水管接続部
5 排水管
6 第2排水口
7 排水管
8 管トラップ
8a 排水管接続部
9 第3排水口
10 排水管
11 管トラップ
11a 排水管接続部
12 環状パッキン
13 逆止弁
H1 浴室出入口の段差
H2 浴槽の跨ぎ高さ
H3、H4、H5 排水トラップの排水管接続部の建築躯体床からの高さ
h 排水トラップの封水面の高さ
100 浴室ユニットの床パン
200 浴槽
A 建築躯体床
Claims (4)
- 洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有する床パンの第2部分が第1部分より下方に配設され、床パンの第1部分に第1排水口が形成され、床パンの第2部分に第2排水口と第3排水口とが形成され、第3排水口は床パンの第2部分の最下部に形成され、第2排水口が浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に水密状態で接続され、第2排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分が上に凸に屈曲して管トラップが形成され、第1排水口から延びる排水管と第3排水口から延びる排水管が前記管トラップに、当該管トラップの封水面よりも下方で接続され、第3排水口から延びる排水管に逆止弁が配設され、管トラップの封水面の高さが、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一に、且つ床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定されることを特徴とする浴室ユニットの床パン。
- 洗い場を含む第1部分と浴槽載置部を含む第2部分とを有する床パンの第2部分が第1部分より下方に配設され、床パンの第1部分に第1排水口が形成され、床パンの第2部分に第2排水口と第3排水口とが形成され、第3排水口は床パンの第2部分の最下部に形成され、第2排水口が浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に水密状態で接続され、第3排水口から延びる排水管の床パンの第1部分の下方で延在する部分が上に凸に屈曲して管トラップが形成され、第1排水口から延びる排水管と第2排水口から延びる排水管が前記管トラップに、当該管トラップの封水面よりも下方で接続され、第3排水口から延びる排水管に逆止弁が配設され、管トラップの封水面の高さが、床パンの第2部分の最下部の高さと略同一に、且つ床パンの第2部分の最下部の高さを超えないように設定されることを特徴とする浴室ユニットの床パン。
- 第1排水口が、床パンの第1部分の浴槽長手方向の中央部に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室ユニットの床パン。
- 第2排水口が浴槽載置部に載置された浴槽の排水孔に密接状態で接続されることを特徴とする請求項1乃3の何れか1項に記載の浴室ユニットの床パン。
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JPH10176358A (ja) | 1998-06-30 |
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