JP3588707B2 - 波形整形回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の制御等に用いる速度発電機等の波形整形回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すように、列車の追突脱線を防ぐためのATC等の保安装置では、軌道回路を介して地上より送られてくる信号をATC受電器で受け、ATC受信器で復調判別し、その周波数等より制限速度指令を解読してATC制御装置に受け渡し、ATC制御装置は、その制限速度に基づいて車軸に結合された速度発電機TGによって発生する速度に比例した周波数の信号から速度を検出し、制限速度を超過した場合にブレーキ指令を出力してブレーキを作用させるものである。
このとき、速度発電機TGの交流出力のパルスへの変換や、ATC受信器とATC制御装置との間のパルス周波数で符号化した信号の入力、さらにはATC制御装置の外部条件の入力に接点信号、電圧信号等が用いられ、その入力に波形整形回路が用いられる。
その内の一つである速度発電機からの速度信号の入力には、従来より図9に示すように、速度発電機(TG)21によって発電された交流信号を波形整形回路1によってパルスに変換し、そのパルスを計数して速度を計算し、基準速度と比較する等の手段で速度制御を行う。このとき、ATC等の保安制御においては、もしも速度発電機(TG)21の巻線の断線、波形整形回路1の故障によりパルスが検出されなくなったとき、それが停止と見なされ、列車速度が制限速度を超えてもブレーキが作動しない、という問題がある。そのため、列車が停止あるいは停止に近い速度では速度発電機(TG)21に交流電圧が発生しないか、あるいは非常に小さな出力電圧の状態では波形整形回路1で自己発振を起こさせ、巻線が断線した場合にはその自己発振が停止するようにし、ATC制御装置ではその周波数の下限を下回ると故障とみなして、ブレーキを作用させる制御を行なうことによってフェイルセイフを実現している。
図9の波形整形回路1は、従来の波形整形回路の1つであり、マルチバイブレータの1種である。この回路では、トランジスタTr1、Tr2とコンデンサC及びトランジスタTr1のベース抵抗R1、R2によって正帰還回路を構成し、オンオフ発振を起こすものであり、かつ、速度発電機(TG)21の交流出力に同期するように、トランジスタTr1のベースに速度発電機(TG)21の出力を接続している。このため、列車の速度がある一定以下になると、波形整形回路1は自己発振し、それ以上の速度では速度発電機(TG)21の周波数に同期する。なお、VBは電源、PC1はフォトカプラ、22はインピーダンス調整用負荷抵抗(RL)、41はシュミットトリガインバータ、42は出力プルアップ抵抗(R5)、R1,R2,R3,R4,R6,R7は抵抗、Cはコンデンサを表す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の波形整形回路1は、列車のある一定速度以下では自己発振するが、この場合発振周波数が回路定数のR1、R2、Cやその他の条件によって変動するため、特に停止時の発振周波数が変動すると、速度発電機(TG)21の断線検知を行うことが困難になる。このため、断線検知を確実にするに当って、停止時の発振周波数を回路定数変動のための余裕を見込んで設定してやらなければならない、という問題がある。
また、従来の波形整形回路1では、低周波数による自己発振を行うため、コンデンサCの容量が大きくなり、回路が大型化すると共に、定数変動の小さい電解コンデンサ等の大容量コンデンサを用いなければならない、という問題がある。また、波形整形回路1が自己発振型であるため、速度発電機(TG)21の出力電圧が規定値より少し大きいと、回路がそれに同期して発振する引き込み現象によって規定より低い速度でも発振するようになるため、断線検知の周波数を下回ることもあり、誤って断線と判定される場合がある等装置を実現する上で制約が多い、という問題がある。
さらに、従来の波形整形回路1では、その利用目的が速度発電機(TG)21の波形整形に限定され、他で波形整形した信号を入力することができず、異なる回路で入力するしかない、という問題がある。その他に、接点あるいは電圧で入力したい信号等に利用することができず、巻線型の速度発電機を使用しない場合は波形整形回路の入力回路を変更しなければならない、あるいはその回路を他の目的に利用することが不可能であった。
【0004】
本発明の課題は、速度発電機の入力、故障発生の検知を高信頼化すると共に、接点信号、電圧パルスの入力に共通して利用可能な波形整形回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、所定入力電圧において電流を所定範囲に制限する手段と、その電流を2つに分流し、その一方を第1の抵抗器を通して信号電圧発生源に供給する第1の回路手段と、その他方を電流検出素子とそれに直列な第2の抵抗器に供給する第2の回路手段を備える波形整形回路であって、第2の回路手段の電流検出素子とそれに直列な第2の抵抗器の接続点に励振回路手段を接続すると共にオン・オフの励振電流を流入し、信号電圧発生源および第1,2の回路手段の正常時には、電流検出素子から励振電流に応じたオン・オフの交番信号を出力し、信号電圧発生源および第1,3の回路手段の故障時には、電流検出素子から直流信号を出力する。
また、所定入力電圧において電流を所定範囲に制限する手段と、その電流を2つに分流し、その一方を第1の抵抗器を通して信号電圧発生源に供給する第1の回路手段と、その他方を電流増幅手段の制御端子に供給する第2の回路手段と、一方、所定入力電圧において電流を電流検出素子及び電流増幅手段とそれに直列な第2の抵抗器に供給する第3の回路手段を備える波形整形回路であって、第3の回路手段の電流増幅手段とそれに直列な第2の抵抗器の接続点に励振回路手段を接続すると共にオン・オフの励振電流を流入し、信号電圧発生源および第1〜3の回路手段の正常時には、電流検出素子から励振電流に応じたオン・オフの交番信号を出力し、信号電圧発生源および第1〜3の回路手段の故障時には、電流検出素子から直流信号を出力する。
【0006】
本発明は、自己発振による波形整形回路ではなく、外部より励振信号を与える波形整形回路として構成したので、安定した波形整形が可能であり、また、回路定数とは独立して、正確かつ一定範囲の任意の励振周波数を設定することができ、さらに、大容量コンデンサを不要としたため、小型化が可能であり、総じて、速度発電機の入力、故障発生の検知の高信頼化が図られる。
また、入力信号が速度発電機出力だけでなく、フェールセーフを実現する接点信号、電圧パルスの入力波形整形にも用いることが可能であり、波形整形回路の汎用性を高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による波形整形回路の基本原理を示す。図1において、1は波形整形回路、21は速度発電機(TG)、22は速度発電機21から見たインピーダンス調整用負荷抵抗(RL)、3は入力及び波形整形回路1のための電源、41は微小なノイズの除去とシャープなオンオフ信号を得るためのシュミットトリガインバータ、42は波形整形出力プルアップ抵抗である。
波形整形回路1は、抵抗、ダイオード、フォトカプラより構成され、11はフォトカプラ(PC1)、12は入力抵抗(R1)、13は定電流供給用抵抗(R2)、14は励振制御用抵抗(R4)、15、16は回路保護用ダイオード(D1)、(D2)、17は励振電流制限用抵抗(R4)である。
定電流供給用抵抗(R2)13は、電源(VB)3から波形整形回路1に供給する電流を制限し、その他の抵抗R1、R3より比較的高い値とすることにより定電流源として働く。この抵抗(R2)13から供給する電流は、2つの回路つまりダイオード(D1)15側の回路とダイオード(D2)16側の回路に分流し、共通線上で再び合流する。このとき、波形整形の対象となる速度発電機(TG)21はダイオード(D1)15側の分流回路に、その信号変化を検出するフォトカプラ(PC1)11はダイオード(D2)16側の分流回路に挿入する。このように、抵抗R2をR1、R3より十分に大きな値に設定すると、2つの分流回路においては、その一方の電流が変化すると、他方の分流回路の電流はそれと逆な電流変化を起こすという差動的な動作をする。
【0008】
本実施形態において、先ず、基本動作である励振の無い場合の動作を説明する。電源3より供給される電圧VBにより、定電流供給用抵抗13にはバイアス電流IBが流れる。このような状態で速度発電機21の出力電圧VTGが0の場合(列車停止状態)には、バイアス電流IBの一部はフォトカプラ11の入力電流ID(定常値ID、瞬時値iD)となって分流する。その分流電流の割合は、抵抗12、14の抵抗値やダイオード15、16の電圧電流特性及びフォトカプラ11の発光ダイオードの順電圧降下特性により決まり、各々の抵抗値を適切に選ぶことにより、フォトカプラ11の入力電流IDは所望の値に設定される。このフォトカプラ11の入力電流IDは、その出力トランジスタをオンとし、列車の停止状態ではシュミットトリガインバータ41を通して最終出力TGOUTを‘1’状態に保つ。
一方、列車が加速して徐々に速度発電機21の出力電圧、周波数が高なるに従って、フォトカプラ11の入力電流iDはその影響を受け、速度発電機11の出力電圧VTGが正ではiDを増加方向に、負では減少方向に変化する。このとき、フォトカプラ11の入力電流iDは速度発電機11の出力電圧VTGが0の場合でも出力トランジスタがオンになるように分流比を決めておくと、正電圧のとき、フォトカプラ11の出力トランジスタはオンのままであり、負電圧のとき、出力トランジスタをオンからオフに変化させる。
【0009】
図2に、その動作波形を示す。図2において、VTGは速度発電機11の出力電圧、iDはフォトカプラ11の入力電流、VOUTはフォトカプラ11の出力電圧、TGOUTは波形整形回路1の最終出力を表す。
波形整形回路1の最終出力TGOUTは、列車の停止状態では‘1’であり、列車の加速に伴って速度発電機11の出力電圧VTGが大きくなり、フォトカプラ11の出力トランジスタをオフするような電圧になったとき、最終出力TGOUTに速度発電機21の出力周波数と等しい周波数のパルス信号が現われる。
これにより、断線検知の不要な波形整形の場合には、波形整形回路1の最終出力TGOUTをそのまま利用することができる。
【0010】
ここで、この場合の速度発電機21の最小感動電圧VTGminは、フォトカプラ11の入力電流を0にする電圧であるので、フォトカプラ11の入力ダイオード16の電圧降下を一定と見なせば、その定常入力電流ID及び抵抗値12、13でほぼ決まり、
VTGmin=(R1+R2)×ID
となる。
また、このような波形整形回路1の使い方は、断線検知の不要な速度検出に用いられ、通常は、パターン付ATSのような列車進行距離に応じた連続速度パターンを発生するための距離パルスとして用いられる。この場合は検出できる速度発電機21の最小感動電圧VTGminが極力小さな値となることが望まれる。
そのためには、抵抗R1、R2は極力小さな値であることが望まれるが、その一方で、速度発電機21側ではその発電特性が負荷インピーダンスの影響を受けるため、複数の回路が共通して1つの発電機出力を利用する場合には、抵抗R1、R2の値を極力高くすることが望まれる。
【0011】
図3は、本発明の他の実施形態を示す。図1の実施形態と異なるところは、トランジスタ(TR1)18と電流制限抵抗(R6)19を設けることにある。本実施形態は、トランジスタ18を介して小さな電流を増幅してフォトカプラ11を駆動することにより、入力インピーダンスを高めることに特徴がある。
本実施形態の動作は、トランジスタ18が追加になってバイアス電流IB、フォトカプラ11の入力電流iDに対応するトランジスタ18の入力電流が小さくなっており、その電流を増幅してフォトカプラ11の入力とする以外は基本的に図1の実施形態と同じ動作となる。
【0012】
以上、図1と図3の実施形態は断線検知の不要な場合の例である。この場合は速度発電機TGの巻線等が断線しても、速度が0即ち停車状態と区別することができないため、ブレーキ制御用には従来と同様に停止時には自己発振する回路が用いられる。
【0013】
図4は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態は、基本となる波形整形回路1の外側に励振回路5を設け、励振回路5から波形整形回路1に励振信号を加え、列車が停止状態にはその励振信号に応じた周波数の最終出力TGOUTを得ることに特徴がある。この点で本実施形態は他励発振型の波形整形回路であり、本実施形態では速度発電機TGの巻線等の断線検知が可能である。
励振回路5は、フォトカプラ(PC2)51とその駆動ゲート52により構成する。フォトカプラ(PC2)51にフォトカプラ入力電流制限用抵抗(R7)53を接続する。
【0014】
本実施形態の動作を説明する。いま、励振回路5の駆動ゲート52にオン・オフする励振信号EXINを加えると、フォトカプラ(PC2)51が励振信号EXINによりオンオフし、励振回路5から波形整形回路1の励振入力端EXに励振電流が加えられる。この励振電流が抵抗(R3)14に流れ、その電圧が増加する。その結果トランジスタ(TR1)18のベース・エミッタ電圧が低くなり、トランジスタ(TR1)18の電流が減少し、さらにはオフの状態になる。その結果として、波形整形回路1の最終出力TGOUTは励振信号EXINのオン・オフに応じた交番信号となり、列車が停止状態には励振信号EXINのオン・オフに応じた最終出力TGOUTを出力する。これは、従来の自己発振型の波形整形回路と同様な機能を実現するになる。
【0015】
ところで、速度発電機21の巻線が断線した場合及び波形整形回路1に故障が発生した場合、列車の停止状態と区別するため、その出力が交番しない直流とならなければならない。以下それぞれの場合について説明する。
本実施形態において、速度発電機21の巻線が断線した場合は、その巻線の内部抵抗(50Ω前後)に比べて負荷抵抗(RL)22(最小値500Ω程度)が大きいため、入力抵抗(R1)12と直列に負荷抵抗が入り、入力電圧が上昇する。その結果、励振回路5から供給する励振電流ではトランジスタ(TR1)18をオフさせることはできず、その最終出力TGOUTは‘1’のままの状態、つまり直流(周波数=0)になる。なお、この負荷抵抗22は断線検知の感度を高めるために、できるだけ大きいことが望まれる。
また、波形整形回路1の故障の場合は、故障モードとして、抵抗の断線、ダイオードの断線および短絡、トランジスタの各端子の断線、端子間の短絡を仮定する。
先ず、入力抵抗12あるいはダイオード15が断線した場合、バイアス電流IBが全てトランジスタ18の入力電流になるため、トランジスタ18はオンになったままの状態で励振電流の有無に拘らず、最終出力TGOUTは‘1’のままの状態、つまり直流(周波数=0)になる。次に、抵抗13及びダイオード16が断線した場合は、トランジスタ18の入力電流が0となり、トランジスタ18はオフ、最終出力は‘0’のままの状態、つまり直流(周波数=0)になる。さらに、トランジスタ18のコレクタ、エミッタ間が短絡した場合は、制御不能の状態となり、最終出力TGOUTは‘1’に固定され、トランジスタ18のコレクタ、エミッタ間が断線した場合は‘0’に固定され、それぞれ直流(周波数=0)になる。
また、ダイオード15及び16は保護用であり、この短絡が不安全出力になることはないが、ダイオード15の短絡は、トランジスタ18の入力電圧が低下(通常0.6〜0.8V)し、トランジスタ18の入力となる定常電流IDが流れなくなり、出力TGOUTは‘0’に固定となる。一方、ダイオード16の短絡は、トランジスタ18の入力となる定常電流IDを増加させ、励振電流を供給してもトランジスタ18をオフさせることができず、最終出力TGOUTは‘1’に固定となる。いずれも最終出力TGOUTは直流(周波数=0)になる。
同様に、フォトカプラ11の短絡、断線故障は、最終出力TGOUTを‘1’または‘0’に固定し、直流(周波数=0)とする。この場合電流増幅率の変動は、トランジスタ18による単純なオンオフ制御であるため、入力に無関係であり、特別な動作になることはない。
【0016】
以上、外部からの励振によって速度発電機21の断線及び波形整形回路1の故障を検知する動作を説明したが、その励振信号の与え方を図5に示す。
図5において、マイクロコンピュータ等を用いた制御回路6は、波形整形回路1の出力をシュミットトリガインバータ41を介して入力し、カウントして速度を測定検出すると共に、励振回路5を制御して速度発電機21の断線及び波形整形回路1の故障を検知する。
その動作を図6を用いて説明する。図6において、上段より速度発電機21の電圧出力VTG、励振信号EXIN、図1におけるフォトカプラ11の入力電流または図3におけるトランジスタ18の入力電流iD及び波形整形回路1の最終出力TGOUTである。
先ず、列車が停止中で速度発電機21の出力電圧VTGが0の場合、制御回路6から励振信号EXINを予め規定した周波数で励振回路5を交番させると、入力電流iDは励振信号EXINの周波数に応じて交番し、波形整形回路1の最終出力TGOUTはそれに同期して交番する。
続いて、列車が加速して速度発電機21の出力VTGの電圧、周波数が上昇して、検出限界を超すと、その波形が入力電流iDに現れる。この時、制御装置6が励振信号EXINを停止すると、波形整形回路1の最終出力TGOUTには速度発電機12の出力周波数と等しい周波数のパルス出力を得る。
この場合、制御回路6からの励振信号EXINを停止させず、誤ってそのまま継続して励振を続けた場合、結果として速度発電機21の出力VTGと励振信号EXINとが重畳されたかたちで最終出力TGOUTが出力されるため、最終出力TGOUTの波形を乱すが、励振電流そのものが微小であるため、影響は小さく、また、それにより波形整形回路1の周波数が低くなる(不安全側になる)ことはない。これは、列車の速度が高くなるに従ってその影響は小さくなるので、誤って励振を続けても不安全になることはない。
【0017】
本実施形態では、速度信号となる速度発電機の断線検知及び波形整形回路の故障検知を行う際に、自己発振ではなく他励による交番信号を発生させ、この交番信号を用いるため、発振周波数が回路定数によらず、正確かつ一定の範囲で任意の周波数とすることができ、また、形状が大きく、寿命が問題となる大容量コンデンサを不要とするため、回路の高信頼化とともに回路の小型化が可能となる。
【0018】
図7は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態は、速度発電機TGの波形整形だけではなく、外部信号としてフェールセーフを実現するリレー接点あるいは電圧等の入力や、さらにはパルス入力の波形整形に用いる例である。ここで、リレー接点あるいは電圧等の入力は、そのままでは入力回路の故障により誤って入力されるため、これを防ぐ観点から励振型の波形整形回路を用い、一方、パルス入力は励振の必要がない。
図7において、波形整形回路1a,1a’と電源(VB1)3aの間にそれぞれ入力(リレー)接点23a,23a’を接続し、波形整形回路1bと電源(VB2)3bの間に入力(リレー)接点23bを接続し、波形整形回路1cと電源(VB3)3cの間にフォトカプラ(パルス入力)24を接続する。この場合、入力接点23a、23a’、23bは、電源(VB1)3aまたは電源(VB2)3bと共に外部から電圧入力を行うときの外部信号源である。また、フォトカプラ24は、電源(VB3)3cと共に外部からパルスの形式で電圧入力を行うときの外部信号源である。波形整形回路1a、1a’、1b、1cは全て制御回路6に共通に接続し、波形整形回路1a、1a’、1bは励振回路5に共通に接続する。この場合、速度発電機TGの入力と異なり、波形整形回路1a、1a’、1b、1cには波形整形回路の電源入力VINを入力として使用し、速度発電機TGの場合の入力端SINは共通線COMに接続する。
波形整形回路1a、1a’、1bには制御回路6の指令により励振回路6から励振信号を印加し、外部信号がオン(電圧印加)していないにも拘らず、入力がオンとなっているような故障モードでは励振入力に応じてその出力が交番せず、波形整形回路の最終出力は直流(周波数=0)となって、入力のオフ状態を誤ってオンと判断することはない。なお、パルス入力の場合は、波形整形回路1cの励振を行う必要はない。
このように、本実施形態によれば、速度発電機の入力のみならず、フェールセーフを実現する接点あるいは電圧入力、さらにはパルス入力等その利用範囲が広く、同一構成の波形整形回路を多目的に利用することが可能となり、波形整形回路を汎用的に利用することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自己発振による波形整形回路ではなく、外部より励振信号を与える波形整形回路として構成したので、安定した波形整形が可能であり、また、回路定数とは独立して、正確かつ一定範囲の任意の励振周波数を設定することができ、さらに、形状が大きく、寿命が問題となる大容量コンデンサを不要としたため、小型化が可能であり、総じて、速度発電機の入力、速度発電機の断線検知及び波形整形回路自身の故障発生の検知の高信頼化が図られる。
また、入力信号が速度発電機出力だけでなく、フェールセーフを実現する接点信号、電圧パルスの入力波形整形にも用いることが可能であり、波形整形回路の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による波形整形回路の基本原理図
【図2】本発明の動作波形図
【図3】本発明の他の実施形態
【図4】本発明の他の実施形態
【図5】本発明の励振信号の与え方を示すブロック図
【図6】本発明の動作波形図
【図7】本発明の他の実施形態
【図8】本発明の主たる応用分野の典型的な列車制御システムの構成図
【図9】従来例の波形整形回路の回路構成図
【符号の説明】
1:波形整形回路 11:フォトカプラ 12:分流抵抗器
13:電流制限抵抗器 14:分流制御抵抗器 18:トランジスタ
21:速度発電機 22:負荷抵抗器 23:接点
24:フォトカプラ 3:電源
41:シュミットトリガインバータ 42:プルアップ抵抗器
5:励振回路
Claims (2)
- 所定入力電圧において電流を所定範囲に制限する手段と、その電流を2つに分流し、その一方を第1の抵抗器を通して信号電圧発生源に供給する第1の回路手段と、その他方を電流検出素子とそれに直列な第2の抵抗器に供給する第2の回路手段を備える波形整形回路であって、
前記第2の回路手段の前記電流検出素子とそれに直列な前記第2の抵抗器の接続点に励振回路手段を接続すると共にオン・オフの励振電流を流入し、前記信号電圧発生源および前記第1,2の回路手段の正常時には、前記電流検出素子から前記励振電流に応じたオン・オフの交番信号を出力し、前記信号電圧発生源および前記第1,2の回路手段の故障時には、前記電流検出素子から直流信号を出力することを特徴とする波形整形回路。 - 所定入力電圧において電流を所定範囲に制限する手段と、その電流を2つに分流し、その一方を第1の抵抗器を通して信号電圧発生源に供給する第1の回路手段と、その他方を電流増幅手段の制御端子に供給する第2の回路手段と、一方、前記所定入力電圧において電流を電流検出素子及び前記電流増幅手段とそれに直列な第2の抵抗器に供給する第3の回路手段を備える波形整形回路であって、
前記第3の回路手段の前記電流増幅手段とそれに直列な前記第2の抵抗器の接続点に励振回路手段を接続すると共にオン・オフの励振電流を流入し、前記信号電圧発生源および前記第1〜3の回路手段の正常時には、前記電流検出素子から前記励振電流に応じたオン・オフの交番信号を出力し、前記信号電圧発生源および前記第1〜3の回路手段の故障時には、前記電流検出素子から直流信号を出力することを特徴とする波形整形回路。
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