JP3588519B2 - 光学的記憶装置 - Google Patents

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    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/085Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam into, or out of, its operative position or across tracks, otherwise than during the transducing operation, e.g. for adjustment or preliminary positioning or track change or selection
    • G11B7/08505Methods for track change, selection or preliminary positioning by moving the head

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  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOカートリッジ等の掛け換え自在な媒体に対し光学的に情報を記録し再生するための光学的記憶装置に関し、特に、キャリッジの軽量化に伴う機械的なオフセットに対し安定したシーク制御を可能とするための光学的記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクは、近年急速に発展するマルチメディアの中核となる記憶媒体として注目されており、例えば3.5インチのMOカートリッジを見ると、128MBや230MB等のMOカートリッジが提供されている。
このようなMOカートリッジを使用する光ディスクドライブは、ディスクトップ型のパーソナルコンピュータの外部記憶装置として提供されている。更に、近年、急速に普及している携帯性に優れたノートブック型のパーソナルコンピュータでの使用も強く望まれている。
【0003】
このため光ディスクドライブを外部記憶装置として標準装備するためには、小型化と薄型化が必要となる。例えばディスクトップ型のパーソナルコンピュータに現在実装されているHDDやFDDは約17mm程度であり、光ディスクドライブについても同程度に薄型化する必要がある。
光ディスクドライブにあっては、媒体のトラックを横切る方向にリニア駆動型のピックアップ機構を設けている。このピックアップ機構は、固定光学ユニットとVCMによりリニア駆動されるキャリッジに搭載した可動光学ユニットで構成される。可動光学ユニットにはレンズアクチュータが設けられ、トラッキングコイルの通電により対物レンズをトラックを横切る方向に移動し、かつフォーカスコイルの通電により対物レンズを上下方向に移動させる二次元的な自由度が要求される比較的複雑な機構をもつ。
【0004】
更に、レンズアクチュエータには対物レンズの中心を固定光学ユニットからの光ビームの光軸に一致させた位置を中心に、トラッキングコイルの通電でインナ側又はアウタ側に対物レンズを微小距離だけ動かすことができ、このレンズの中立位置からのレンズの光軸ずれ量を検出するため、通常、レンズ位置センサを搭載している。
【0005】
このようなVCMで駆動されるレンズアクチュエータやレンズ位置センサ等を搭載したキャリッジについても、装置の小型化薄型化に伴い、可能な限り構造を簡単にすることで大幅な軽量化が進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ディスクドライブ小型薄型化に伴ってキャリッジ質量も軽量化された結果、キャリッジを媒体の半径方向に移動させるベアリングとレールの摩擦および筐体とキャリッジとの間を信号線接続するFPCバンドによるテンション等の機械的な抗力がシーク制御において無視できなくなっている。
【0007】
特に、ベアリングとレールの摩擦や信号線接続用のFPCバンドのテンションは、装置毎にばらつきをもち、また、キャリッジの位置によって異なった値を持ち、また装置内の温度によっても異なる可能性がある。
その結果、従来のシーク制御にあっては、目標速度と測定された現在速度の差をゲイン倍したものを制御電流としているが、この制御演算にはキャリッジ位置による機械的な外乱量は考慮されていないため、キャリッジ質量が小さい場合は特に不安定な状態に陥り、シーク性能が低下する問題があった。
【0008】
本発明は、キャリッジの軽量化に伴い摩擦やテンション等の機械的なオフセットの影響があっても、安定したシーク制御を可能とする光学的記憶装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。本発明の光学的記憶装置は、光ビームを媒体に照射する対物レンズを搭載したキャリッジを媒体のトラックを横切る方向に移動させるキャリッジアクチュエータ(VCM)64、少なくともキャリッジアクチュエータ64の駆動により光ビームを目標トラック位置に移動させるシーク制御部90を備える。
【0010】
このような光学的記装置について本発明にあっては、少なくとも記憶部145、バイアス電流演算部146及び補正部115を設ける。記憶部145には、キャリッジを媒体半径方向に設定した複数の測定位置に移動して保持した際にキャリッジアクチュエータ64に流す駆動電流を測することによって求められたキャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流を記憶している。
【0011】
バイアス電流演算部146は、シーク制御部90によるシーク中に、キャリッジの現在位置により記憶部145を参照して対応するバイアス電流Vdを求める。補正部115は、バイアス電流によりキャリッジアクチュエータに供給する駆動電流を補正する。
更に、本発明は、バイアス電流測定部142を設けている。バイアス電流測定部142は、キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に、キャリッジアクチュエータ64に流れる駆動電流を測定してキャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流として記憶部145に記憶する。
【0012】
このように所定の測定位置へキャリッジを移動し、その位置を保持するために必要なキャリッジアクチュエータに流すバイアス電流を測定して記憶し、シーク中に現在位置に対応するバイアス電流を求めてシーク電流を補正し、これによって、キャリッジのベアリングとレールの摩擦、及びFPCバンドによるテンション等による機械的なオフセットに起因した外乱分を除去することができ、安定したシーク動作が可能となる。
【0013】
ここでキャリッジは、対物レンズを媒体のトラックを横切る方向に移動させ留レンズアクチュエータ60を搭載しており、バイアス電流測定部142の測定には次の4つのモードがある。
(測定モード1)
測定モード1において、バイアス電流測定部142は、トラック番号Tnで指定される媒体の測定トラックに光ビームをシークさせる。シークが完了したら、レンズアクチュエータ60のトラックサーボ78をオンして光ビームをトラックに追従させると同時に、キャリッジアクチュエータ64のダブルサーボ118をオンしてレンズ位置センサ47で検出される対物レンズの位置を中立位置(ゼロ位置)に保持するようにキャリッジアクチュエータ64にダブルサーボ電流Vdを流す。このダブルサーボ電流Vdを機械的なオフセットを除去するために必要な測定位置でのバイアス電流として測定して記憶部145に記憶する。
【0014】
(測定モード2)
測定モード2において、バイアス電流測定部142は、トラック番号Tnで指定される媒体の測定トラックに光ビームをシークさせる。シークが完了したら、トラックサーボ78をオフした状態で、キャリッジアクチュエータ64のキャリッジ位置サーボ128をオンしてキャリッジ位置センサ48の検出位置を保持するようにキャリッジアクチュータ64に位置ロック電流を流す。この位置ロック電流を機械的なオフセットを除去するために必要な測定位置でのバイアス電流として測定して記憶部145に記憶する。
【0015】
(測定モード3)
測定モード3において、バイアス電流測定部142は、キャリッジ位置センサ48により検出可能な測定位置を指定し、キャリッジ位置センサ48を用いたキャリッジ位置サーボ128のオンによりキャリッジアクチュエータ64を駆動してキャリッジを測定位置に移動させる。測定位置への移動完了後に、キャリッジ位置サーボ128をオフすると同時にトラックサーボ78をオンして光ビームをトラックに追従させる。
【0016】
更に、キャリッジアクチュエータ64のダブルサーボ118のオンによりレンズ位置センサ47により検出される対物レンズの位置を中立位置に保持するようにキャリッジアクチュエータ64にダブルサーボ電流Vdを流す。このダブルサーボ電流を機械的なオフセットを除去するために必要な測定位置でのバイアス電流として測定して記憶部145に記憶する。
【0017】
(測定モード4)
測定モード4において、バイアス電流測定部142は、キャリッジ位置センサ48により検出可能な測定位置を指定し、キャリッジ位置センサ48を用いたキャリッジアクチュエータ64のキャリッジ位置サーボ128のオンによりキャリッジを測定位置に移動させる。そして、移動完了後に測定位置を保持するようにキャリッジアクチュエータ64に位置ロック電流を流す。この位置ロック電流を機械的なオフセットを除去するために必要な測定位置でのバイアス電流として測定して記憶部145に記憶する。
【0018】
バイアス電流測定部142は、各測定位置でキャリッジアクチュエータ64のバイアス電流を複数回測定して平均値を求める。キャリッジ位置センサ64としては、筐体のレール上を移動するキャリッジの絶対位置を検出する例えばPSD(Position Sencing Dvice) 等を使用する。バイアス電流測定部142は、装置完成後の調整工程でバイアス電流を測定して記憶部145に記憶する。
【0019】
勿論、装置起動時、媒体装着後の初期化処理時やコマンド待ち時間に、バイアス電流を測定して記憶部145に記憶してもよい。
補正部115は、キャリッジアクチュエータ64を速度制御すると同時にレンズアクチュエータ60により対物レンズを中立位置にロックするコアース制御中に、記憶部145を参照により求めたバイアス電流値を、コアース制御によってキャリッジアクチュエータに供給するシーク電流Vsに加算するこ。
【0020】
また補正部115は、レンズアクチュエータ60を速度制御すると同時にキャリッジアクチュエータ64により対物レンズを中立位置にロックするファイン制御中に記憶部145の参照により求めたバイアス電流値を、ファイン制御によってキャリッジアクチュエータ64に供給するダブルサーボ電流Vdに加算する。より具体的には、シーク制御は、目標トラックまでのトラックデファレンスが規定値以上のロングシークと規定値未満のショートシークに分かれる。ロングシークは、キャリッジを速度制御するコアース制御、レンズアクチュエータを速度制御するファイン制御、光ビームを目的トラックに引き込む減速制御に分かれる。ショートシークは、ファイン制御と減速制御からなる。このファイン制御中、キャリッジアクチュエータは対物レンズを中立位置に保つようにキャリッジを駆動するダブルサーボを受ける。
【0021】
従って、補正部115は、コアース制御中は、記憶部145の参照により求めたバイアス電流値Vnを、キャリッジアクチュエータ64に供給するシーク電流Vsに加算する。これに対しファイン制御中は、記憶部145の参照により求めたバイアス電流値Vnを、キャリッジアクチュエータ64に供給するダブルサーボ電流Vdに加算する。
【0022】
測定モード1,2において、バイアス電流演算部146は、シーク中の現在トラック番号Tnにより記憶部145を参照して両側に位置する2つの測定トラック番号の各バイアス電流値を読み出し、直線補間により現在トラック番号のバイアス電流値Vnを算出する。またバイアス電流演算部146は、シーク中の現在トラック番号Tnにより記憶部145を参照して両側に位置する2つの測定トラック番号の内、現在トラック番号に近い方の測定トラック番号のバイアス電流値Vnを選択する。
【0023】
測定モード3,4について、バイアス電流演算部146は、シーク中にキャリッジ位置センサ48により検出される現在位置Pnにより記憶部145を参照して両側に位置する2つの測定位置の各バイアス電流値を読み出し、直線補間により現在位置Pnのバイアス電流値Vnを算出する。またバイアス電流演算部146は、シーク中にキャリッジ位置センサ48により検出される現在位置Pnにより記憶部145を参照して、両側に位置する2つの測定位置の内、現在位置に近い方の測定位置のバイアス電流値Vnを選択する。
【0024】
測定されたバイアス電流値を記憶する記憶部145としては、装置電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリを使用する。
【0025】
【発明の実施の形態】
<目次>
1.装置構造
2.回路構成
3.測定モード1,2と制御モードA,B
4.測定モード3,4と制御モードC,D
5.その他の実施形態
1.装置構造
図2は本発明の光学的記憶装置、即ち光ディスクドライブの外観説明図である。図2において、ドライブ本体150の前部には媒体挿入口を開口したフロントベセル152が設けられる。フロントベセル152の媒体挿入口には、扉154が両側の上部を軸として回動自在に取り付けられ、かつ内蔵したバネにより閉鎖方向に付勢されている。
【0026】
このためMOカートリッジ媒体の挿入及び排出に伴って扉は開閉する。フロントベセル152の周囲には、イジェクトボタン158及び動作表示LED160が設けられる。フロントベセル152の高さは約17mmであり、ドライブ本体150はそれより若干低い高さとなる。
図3は図2のドライブ本体150の組立分解図である。ドライブ本体150は上部よりプリント基板176、カートリッジホルダ178、ドライブベース180、レンズキャリッジ184、スライドプレート194、スピンドルユニット196及びカバー202で構成される。このうちドライブベース180から下側のカバー202については、更に図4に裏側から見た状態で組立分解図を示している。
【0027】
図3において、プリント基板176にはドライブ本体150の制御に必要なコントロール回路が実装されている。カートリッジホルダ178は下部に位置するドライブベース180との間に媒体収納空間を形成し、前方から挿入されたMOカートリッジ媒体を位置決めする。また電磁石44が装着される。ドライブベース180はレンズキャリッジ184、スライドプレート194及びスピンドルユニット196の装着を行う。
【0028】
レンズキャリッジ184は可動光学系を構成し、対物レンズ186を搭載している。対物レンズ186に対しては、図4のドライブベース180の底部側に設けた固定光学ユニット208からのレーザビームが入射し、上方に位置する媒体にビームスポットを照射し、また戻り光を固定光学ユニット208に戻す。
レンズキャリッジ184の両側にはVCMのコイル部190−1,190−2が配置され、コイル部190−1,190−2は固定配置される磁気ヨーク部192−1,192−2にギャップを介して配置される。したがって、コイル部190−1,190−2に通電することで、磁気ヨーク部192−1,192−2との間でリニアモータが形成され、レンズキャリッジ184を媒体のトラックを横切る方向に動作することができる。
【0029】
レンズキャリッジ184には、対物レンズ186を媒体のトラックを横切る方向に移動させるレンズアクチュエータ、及び対物レンズ186を光軸方向に移動してフォーカス制御を行うためのフォーカスアクチュエータが搭載されている。
スライドプレート194はMOカートリッジ媒体の挿入に伴って、スピンドルユニット196の下部に位置するターンテーブル198に媒体ハブを装着させる。MOカートリッジ媒体を排出する場合には、図4のイジェクトモータユニット204の駆動により、図3においてスライドプレート194をドライブベース180に対し奥行き方向に一体に移動し、ターンテーブル198を下方に下げて媒体とのロックを解除し、カートリッジホルダ178に設けたバネにより、MOカートリッジ媒体をイジェクトさせる。
【0030】
スピンドルユニット196はプレート200上にターンテーブル198を装着しており、ターンテーブル198の内部にはスピンドルモータが組み込まれている。このスピンドルユニット196は、プレート200をドライブベース180の下側に組み付けることで、その開口182にターンテーブル198が位置することになる。
【0031】
図5は図2のドライブ本体につき、図3のプリント基板176及びカートリッジホルダ178を外した状態の平面図である。図5において、スピンドルユニットにおけるターンテーブル198の中心にはスピンドルシャフト205が設けられており、スピンドルシャフト205に下側となる媒体挿入口から挿入されたMOカートリッジの媒体のハブが連結される。
【0032】
この媒体挿入に伴い、スピンドルシャフト205に媒体ハブが位置したときにマグネットチャッキングで吸引し、ハブをスピンドルシャフト205に連結させる。レンズキャリッジ184は、上方に向けて対物レンズ186を配置している。レンズキャリッジ184は両側に配置したコイル部190−1,190−2の通電により、磁気ヨーク部192−1,192−2に対し上下方向、即ちスピンドルシャフト205に装着した媒体のトラックを横切る方向に移動する。
【0033】
ターンテーブル198の手前となる媒体挿入側にはFPC212が配置され、ターンテーブル198に内蔵したスピンドルモータとの電気的な接続を行っている。このFPC212は、側面側に取り出されたFPC210に続いており、プリント基板側との接続を行う。
入り口側に配置したFPC212には、ライトイネーブルセンサ214、ライトプロテクトセンサ214及びカートリッジ挿入センサ218が配置されている。これら3つのセンサ214,216,218はピンスイッチ等が使用される。ライトイネーブルセンサ216は、MOカートリッジ媒体に設けたライトイネーブルとライトプロテクトの入れ替えノブのライトイネーブル位置を検出する。
【0034】
ライトプロテクトセンサ216は、媒体のライトイネーブルとライトプロテクト切替ノブのライトプロテクト位置を検出する。カートリッジ挿入センサ218は、ドライブ本体150に対するMOカートリッジ媒体の挿入を検出し、ドライブの起動を行わせる。具体的には、スピンドルモータによりターンテーブル198を回転し、コントローラの動作を開始させる。
【0035】
図6は図2のドライブ本体150の背面側であり、図4のカバー202を外した状態で示している。図6において、スライドプレート194はドライブベース180側に固定されたピン222,224に対し、ガイド溝230,232によって媒体挿入方向にスライド自在に装着されており、更にコイルバネ226,228により媒体挿入側に付勢されている。
【0036】
このため、図の下側となる媒体挿入口側からMOカートリッジを挿入すると、スライドプレート194が一体に移動し、ピン222,224にガイド溝230,232の下側が当たる位置でロックし、この状態でターンテーブルに媒体ハブを装着することになる。
またレンズキャリッジ184に相対した図の上部側には、固定光学ユニット208が設けられている。固定光学ユニット208には、レーザダイオード記録再生用のディテクタ、トラッキング及びフォーカス制御用のディテクタ、更にそれらの光学系が組み込まれている。
【0037】
キャリッジ184は、ドライブベース180側に配置した2本のガイドレール220−1,220−2に対し、ローラベアリング234,236,238により光ディスクの半径方向に移動自在に配置されている。キャリッジ184の右側に突出したコイル部190−1の端面とドライブベース180側との間には、FPCバンド240が装着される。
【0038】
FPCバンド240は一端をベース固定部242によってドライブベース180側に固定し、他端をキャリッジ固定部244によってキャリッジ184側に固定しており、その間をU字型に撓ませている。尚、FPCバンド240はベース固定部242で固定された後、上側に折り曲げられてFPC210に至るが、FPCバンド240を示すために、一部を破断して示している。
【0039】
このため、シーク制御によりキャリッジ184がガイドレール220−1,220−2に沿って移動する場合、FPCバンド240のU字型の撓み部分は、キャリッジ184の位置によって変形し、キャリッジ184に加わるテンションが変化する。またガイドレール220−1,220−2上を転動するベアリング234,236,238の摩擦も、キャリッジ184の位置によって変化する。
【0040】
更に、キャリッジ184に対しては、ベース側に対する絶対位置を検出するためのキャリッジ位置センサ48が設けられる。キャリッジ位置センサ48としては、PSDが使用される。この実施形態では、キャリッジ184の左側のVCMの磁気ヨーク部192−1に沿ったインナ・アウタ方向にPSDのセンシングプレート250を固定し、キャリッジ184にセンシングプレート250に光を照射するLD252を搭載している。
【0041】
センシングプレート250とLD252で構成されるPSDは、センシングプレート250にLD252からの光が当ると、光の当った位置からインナー側とアウタ側の各々に対するプレートの長さに依存した電流量の変化が得られ、キャリッジの絶対位置を検出することができる。
図7は図3のレンズキャリッジ184に搭載されたレンズアクチュエータ60を取り出している。レンズアクチュエータ60は、固定ベース300に装着した保持部302の側面に4本のワイヤ304−1〜304−4(304−4は図示せず)を片持ち状態で支持し、ワイヤ304−1〜304−4の先端に可動ベース306を4点で支持している。
【0042】
このため可動ベース306は4本のワイヤ304−1〜304−4の撓みによって、固定側となる保持部302に対し三次元的の自由度をもっている。可動ベース306上には、対物レンズ186が搭載され、下部で反射された固定光学ユニットからのビーム光軸305をもつ光ビームを集光して上方に位置する媒体面に結像し、また媒体からの戻り光を同じ径路で固定光学ユニットに戻している。
【0043】
可動ベース306には、トラッキングコイル308とフォーカスコイル310が搭載される。トラッキングコイル308は固定ベース300に設けたヨーク312の下側の水平部分を巻き回すように位置し、コイルの通電により可動ベース306を介して対物レンズ186を矢印314で示すアウター方向又は矢印316で示すインナー方向に移動させる。フォーカスコイル310は、ヨーク312の垂直部分を巻き回すように位置し、その通電により可動ベース306を介して対物レンズ186を上下方向に移動させる。
【0044】
レンズアクチュエータ60には、固定光学系からのビーム光軸305に対する対物レンズ186のレンズ光軸の位置ずれを検出するレンズ位置センサ47が設けられる。即ち、レンズ位置センサ47は、対物レンズ186の支持リング318の外側に相対配置され、検出面側にLDと2分割ディテクタを配置している。対物レンズ186の光軸が図示のようにレーザビームの光軸305に一致していると、レンズ位置センサ47のLDからの光は、支持リング318の周面に法線方向から入射して100%反射し、2分割ディテクタの2つの受光出力は同じになることから、その差からレンズ位置信号(LPOS)は零となる。対物レンズ186が移動して光軸305からずれると、ずれ量に応じて2分割ディテクタ上の受光位置も変化し、ずれ量に応じた大きさと極性のレンズ位置信号が得られる。
【0045】
レンズ位置センサ47から得られるレンズ位置信号(LPOS)は、VCMによるキャリッジ移動を主体としたコアース制御において、ビーム光軸に対するレンズ位置ずれを零に保つようにレンズアクチュエータ60を駆動するレンズロック制御に用いられる。またレンズアクチュエータ60を主体としたファイン制御において、対物レンズの光軸の位置ずれを零に保つようにVCMによりキャリッジを駆動するダブルサーボによるレンズロック制御に用いられる。
2.回路構成
図8は、図2のドライブ本体150に設けられるコントローラ及びエンクロージャ側の回路ブロックである。本発明の光ディスクドライブは、コントローラ10とエンクロージャ12で構成される。コントローラ10には光ディスクドライブの全体的な制御を行うMPU14、上位装置との間でコマンド及びデータのやり取りを行うインタフェースコントローラ16、媒体に対するデータのリードライトに必要な処理を行うフォーマッタ18、バッファメモリ20を備える。
【0046】
バッファメモリ20は、この実施形態にあっては、MPU14、インタフェースコントローラ16及びフォーマッタ18で共用される。フォーマッタ18に対しては、ライト系統としてエンコーダ22とレーザダイオード制御回路24が設けられ、レーザダイオード制御回路24の制御出力はエンクロージャ12側の光学ユニットに設けたレーザダイオードユニット30に与えられている。レーザダイオードユニット30はレーザダイオードとモニタ用の受光素子を一体に備える。
【0047】
レーザダイオードユニット30を使用して記録再生を行うMOカートリッジ媒体として、この実施形態にあっては、128MB及び230MBのいずれかを使用することができる。この場合の記録方式は、ピットポジション記録(PPM記録)である。また媒体の記録フォーマットはZCAV(ゾーン定加速度方式)であり、128MB媒体は1ゾーン、230MB媒体は10ゾーンとなる。
【0048】
フォーマッタ18に対するリード系統としては、デコーダ26、リードLSI回路28が設けられる。リードLSI回路28に対しては、エンクロージャ12に設けたディテクタ32によるレーザダイオードユニット30からのビームの戻り光の受光信号がヘッドアンプ34を介してID信号及びMO信号として入力されている。
【0049】
リードLSI回路28には、AGC回路、フィルタ、セクタマーク検出回路、シンセサイザ及びPLL等の回路機能が設けられ、入力したID信号及びMO信号によりリードクロックとリードデータを作成し、デコーダ26に出力している。またスピンドルモータ40による媒体の記録方式としてゾーンCAVを採用していることから、リードLSI回路28に内蔵したシンセサイザに対してはMPU14によりゾーン対応のクロック周波数の切替え制御が行われている。
【0050】
MPU14に対しては、エンクロージャ12側に設けた温度センサ36の検出信号が与えられている。MPU14は温度センサ36で検出した装置内部の温度に基づき、レーザダイオード制御回路24におけるリード、ライト、イレーズの各発光パワーを最適値に制御する。MPU14はドライバ38により、エンクロージャ12に設けているスピンドルモータ40を制御する。
【0051】
ここでMOカートリッジ媒体の記録フォーマットはゾーンCAVであることから、スピンドルモータ40を例えば2700rpmの一定速度で回転させる。またMPU14はドライバ42を介して、エンクロージャ12側に設けた電磁石44を制御する。電磁石44は、ローディングされたMOカートリッジ媒体のビーム照射側と反対側に配置されており、記録時及び消去時に媒体に外部磁界を供給する。
【0052】
DSP15は、レンズキャリッジに搭載した対物レンズのトラッキング制御及びフォーカス制御のサーボ機能を備える。このためエンクロージャ12側の光学ユニットに媒体からのビーム戻り光を受光する2分割ディテクタ46を設け、FES検出回路(フォーカスエラー信号検出回路)49が2分割ディテクタ46の受光出力からフォーカスエラー信号を作成してDSP15に入力している。
【0053】
またTES検出回路(トラッキングエラー信号検出回路)50が2分割ディテクタ46の受光出力からトラッキングエラー信号E1を作成し、DSP15に入力している。更に、レンズ位置センサ47からのレンズ位置信号E2、キャリッジ位置センサ48からの絶対位置を示すキャリッジ位置信号E3がDSP15に入力している。
【0054】
DSP15はフォーカスサーボ及びトラッキングサーボのための各種の演算を実行し、その演算結果をMPU14に出力する。MPU14はDSP15の演算結果に基づき、ドライバ54を介してフォーカスアクチュエータ56を駆動し、ドライバ58を介してレンズアクチュエータ60を駆動し、更にドライバ62を介してレンズキャリッジのVCM64を駆動する。更にイジェクトスイッチに応じてイジェクトモータ52も駆動することができる。
【0055】
DSP15の機能として実現されるシーク制御部11によるシークは、目標トラックまでの残りトラック数が多い場合のロングシークと、目標トラックまでの移動トラック本数が少ない場合のショートシークに分けられる。ショートシークは、レンズアクチュエータ60の駆動を主体とした低速シーク制御であり、レンズアクチュエータ60を速度制御するファイン制御と、目標トラックに光ビームを引き込む減速制御に分けられる。またファイン制御中はタブルサーボをオンし、対物レンズの光軸ずれを零に保持するレンズロックのためにVCM64を駆動するレンズロック制御が行われる。
【0056】
ロングシークは、最初、VCM64を速度制御する高速シーク制御となるコアース制御を行い、目標トラックまでの残りトラック数が規定値に低下すると、レンズアクチュエータ60を速度制御するファイン制御に切り替え、最終的に減速制御を行う。VCM64を速度制御するコアース制御中はレンズ位置サーボをオンし、対物レンズの光軸ずれを零に保持するレンズロックのためにレンズアクチュエータ60を駆動するレンズロック制御が行われる。
【0057】
ショートシークのレンズアクチュエータ60を主体としたファイン制御及びロングシークにおけるVCM64を主体としたコアース制御の各々における速度制御は、目標トラック迄の残りトラック数に応じて目標速度を設定し、実際の計測ビーム速度が目標速度に追従するように制御する。この速度制御は、加速期間、定速期間及び減速期間の速度プロフィールをもつ。
【0058】
目標トラックの直前の減速制御は、例えば目標トラックの0.5トラック手前で予め設定した減速電流をレンズアクチュエータ60に流す。また目標トラックの1〜2トラック手前のトラッキングエラー信号からビーム速度を検出し、このビーム速度を零とするために0.5トラック手前から流す減速電流の値をリアルタイムで計算し、最適化された減速制御を行ってもよい。
【0059】
DSP15のシーク制御部11は、更に、光ディスクドライブを製造した後の調整工程において、図6に示したキャリッジ184の移動に伴なうガイドレール220−1,220−2とローラベアリング234,236,238との間の摩擦、及びFPCバンド240のテンションに対し、予め定めた複数の測定位置にキャリッジ184を移動して保持し、この位置保持のためにキャリッジアクチュエータとしてのVCM64に流す電流をバイアス電流として測定し、記憶部としての測定位置テーブルに記憶するバイアス電流測定処理を行う。
【0060】
このバイアス電流測定処理は、測定位置の指定方法と測定位置での位置制御の方法の相違により、図9の測定モード1〜4に分けられる。測定モード1,2は測定位置の指定を媒体のトラック番号で行う。これに対し、測定モード3,4は、測定位置の指定をキャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48のセンサ値で指定している。
【0061】
また測定モード1,2の相違は、測定位置でのキャリッジの位置保持の制御にある。即ち、測定モード1はトラッキングエラー信号に基づいたトラックサーボによるオントラック制御を行い、同時にレンズ位置を零位置に保持するタブルサーボをオンし、このときVCM64に供給するダブルサーボ電流を測定する。これに対し測定モード2は、測定位置でトラックサーボをオフし、測定位置でキャリッジ位置センサ48の検出位置を保つようにVCM64を位置制御する所謂位置ロックサーボをオンし、このときのVCM64に供給する位置ロック電流を測定する。
測定モード3,4の相違も測定モード1,2と同じであり、測定モード3は、測定位置でトラックサーボ及びダブルサーボを各々オンしてタブルサーボ電流を測定する。測定モード4は、測定位置でキャリッジ位置センサ48による位置ロックサーボをオンし、位置ロック電流を測定する。これら測定モード1〜4については、後の測定処理において更に詳細に説明する。
【0062】
図10は、調整工程での測定処理によりVCM64の機械的なオフセットに対しキャリッジの位置を保持するバイアス電流の位置測定テーブルが作成された後、光ディスクドライブのシーク中に行われるオフセット補正の制御モードであり、測定モードとテーブル読み出し値の演算処理の相違により、制御モードA〜Dに分けられる。
【0063】
まず制御モードA,Bは、図9の測定モード1,2により作成された測定位置テーブルを使用するもので、テーブル参照値としてトラック番号Tnを使用する点で共通する。相違点はバイアス電流の演算処理にあり、制御モードAは、現在トラック番号でテーブルを参照した際にその両側に位置する測定トラック番号のバイアス電流値の直線補間により現在トラックのバイアス電流を算出する。
【0064】
これに対し制御モードBは、現在トラック番号に対し隣接する測定トラック番号の内、近い方の測定トラック番号のバイアス電流値を選択する所謂隣接近似とする。
制御モードC,Dは、図9の測定モード3,4により作成された測定位置テーブルを使用するもので、テーブル参照値としてキャリッジ位置センサ48の位置検出値Pnを使用する点で共通する。相違点はバイアス電流の演算処理にあり、制御モードCは、現在キャリッジ位置でテーブルを参照した際にその両側にある測定キャリッジ位置のバイアス電流値の直線補間により、現在キャリッジ位置のバイアス電流を算出する。
【0065】
これに対し制御モードDは、現在キャリッジ位置に対し隣接する測定キャリッジ位置の内、近い方の測定キャリッジ位置のバイアス電流値を選択する隣接近似とする。
3.測定モード1,2と制御モードA,B
図11は図8のDSP15によるシーク制御部11の機能ブロック図であり、図9の測定モード1,2に基づいて測定位置テーブルを作成した後、図10の制御モードA,Bによりシーク電流の補正を行うことを特徴とする。
【0066】
図11において、エンクロージャ12側にはシーク制御に必要なレンズアクチュエータ60と、トラッキングエラー信号E1を検出するためのディテクタ46と、対物レンズの位置を検出するレンズ位置センサ47を示し、トラッキングエラー信号E1及びレンズ位置信号E2を出力するようにしている。
またエンクロージャ12にはキャリッジアクチュエータとしてのVCM64と、ベース側に設けられてキャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48を示しており、キャリッジ位置センサ48からはキャリッジ位置信号E3が出力される。図8のDSP15のシーク制御部11は、レンズ位置サーボ回路66、トラックサーボ回路78、速度制御回路90、ダブルサーボ回路118で構成される。
【0067】
またキャリッジ位置センサ48を用いた測定位置への位置制御と位置ロック制御のためにキャリッジ位置サーボ回路128が設けられる。更に、指定された測定位置でVCM64に流すバイアス電流を測定してテーブルを作成し、測定後のシーク中にテーブル参照によりバイアス電流を求めてシーク電流を補正するためのオフセット補正回路140が設けられる。
【0068】
レンズ位置サーボ回路66は、加算点68にレジスタ70によりゼロ位置をセットし、レジスタ70のゼロ位置を目標位置としてレンズ位置センサ47からのレンズ位置信号E2との位置偏差をとり、ゲイン設定器72で所定のゲインG2を掛け合わせ、位相補償器74でサーボ帯域の高域の位相に進み位相補償を施した後、サーボスイッチ76を介してレンズアクチュエータ60を駆動するようにしている。
【0069】
サーボスイッチ76は、目標トラックまでの残りトラック数が例えば50トラックを超えるロングシークで、VCM64を速度制御するコアース制御の際にオンとなり、VCM64によるキャリッジの移動に対し、キャリッジ上に搭載したレンズアクチュエータ60による対物レンズの光軸ずれをゼロとするレンズロックを掛ける。
【0070】
トラックサーボ回路78は、レジスタ82でセットしたトラッキングエラー信号のゼロ位置を加算点80に与え、加算点80でディテクタ46の受光出力から得られたトラッキングエラー信号E1との偏差をとり、ゲイン設定器84で所定ゲインG1を乗じた後、位相補償器86で位相補償を施し、サーボスイッチ88を介してレンズアクチュエータ60を駆動する。
【0071】
サーボスイッチ88は、シーク中はオフとなっており、シーク完了により目的トラックに達したときにオンして光ビームをトラックに追従させるオントラック制御を行う。
速度制御回路90は、目標速度設定部100と速度演算部102を有する。目標速度設定部100は、レジスタ98にセットした目標トラック番号とトラックゼロクロス回路92及びトラックカウンタ94で形成される現在トラック番号との差で与えられる目標トラックまでの残りトラック数をトラックディファレンス演算部96で演算し、このトラックディファレンスに対応して予め定めた目標速度を目標速度設定部100で加算点106に出力する。
【0072】
速度演算部102は、トラックカウンタ94のカウント値とトラックゼロクロス回路92で検出されるトラッキングエラー信号E1のゼロクロス点で起動され、ゼロクロス点の時間間隔を計数するタイマ104の計数結果を入力し、タイマ104で計数したゼロクロス時間間隔の逆数として光ビーム速度を演算し、加算点106に出力する。
【0073】
加算点106は目標速度と現在のビーム速度との速度偏差を取り出し、ゲイン設定器108で所定ゲインG3を乗じ、位相補償器110で位相補償を施して速度制御信号を出力する。速度制御回路90からの速度制御信号は、ロングシークにおける最初のコアース制御の際にはサーボスイッチ112がオフ、サーボスイッチ114がオンとなっていることから、加算点116を介してキャリッジアクチュエータとしてのVCM64にシーク電流Vsとして供給され、VCM64の速度制御を行う。
【0074】
ロングシークにおけるコアース制御中に残りトラックが規定トラック例えば50トラックとなると、サーボスイッチ114がオフ、サーボスイッチ112がオンとなり、速度制御回路90からの速度制御信号はレンズアクチュエータ60に供給され、レンズアクチュエータによって光ビームの速度制御するファイン制御を行う。
【0075】
目標トラックまでの残りトラック数が例えば50トラック数未満となるショートシークの際には、最初からサーボスイッチ112がオン、サーボスイッチ114がオフとなり、レンズアクチュエータ60の速度制御によるファイン制御を開始することになる。
ダブルサーボ回路118は、レジスタ122にレンズ位置センサ47のゼロ位置を目標位置としてセットし、加算点120でレンズ位置センサ47からのレンズ位置信号E2との位置偏差を取り出し、ゲイン設定器124で所定ゲインG4を乗じた後、位相補償器126で位相補償を施し、ダブルサーボ電流Vdとしてサーボスイッチ114及び加算点116を介してVCM64に供給する。
【0076】
サーボスイッチ114は、シーク中におけるファイン制御の際にオンとなる。このときサーボスイッチ114はオフとなりサーボスイッチ112がオンとなって、レンズアクチュエータ60を速度制御しており、レンズアクチュエータ60の速度制御と並行してVCM64によりレンズ位置をゼロ位置に保持してレンズロックするためのダブルサーボを行う。
【0077】
キャリッジ位置ロックサーボ回路128は、キャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48を用いた位置サーボを行う。このため、レジスタ132に目標位置となるセンサ位置の値をセットし、加算点130でキャリッジ位置センサ48からのキャリッジ位置信号E3との位置偏差を取り出し、ゲイン設定器134で所定ゲインG5を乗じた後、位相補償器136で位相補償を施し、キャリッジ位置制御信号Vlとしてサーボスイッチ138,加算点116を介してVCM64に供給している。
【0078】
キャリッジ位置ロックサーボ回路128によるキャリッジの位置制御の際には、速度制御用のサーボスイッチ114及びダブルサーボ用のサーボスイッチ127のそれぞれはオフとなりサーボスイッチ138のみがオンとなることで、レジスタ132にセットしたセンサ位置にVCM64の位置制御によりキャリッジを移動し、その位置に保持する位置ロック制御を行うことになる。
【0079】
オフセット補正回路140には、バイアス電流測定部142、トラック番号をセットするレジスタ144、測定位置テーブル145及びバイアス電流演算部146、速出制御回路90からのシーク電流Vsにバイアス電流Vnを加算する加算点148、及びタブルサーボ回路118からのダブルサーボ電流Vdにバイアス電流Vnを加算する加算点116が設けられる。
【0080】
バイアス電流測定部142は、この実施形態にあっては、図9の測定モード1または測定モード2のいずれかの指定に従ってバイアス電流測定処理を行う。バイアス電流測定部142による測定結果は、測定位置テーブル145に記憶される。測定位置テーブル145としては、光ディスクドライブの電源を切っても記憶内容を保持することのできるフラッシュROM等の不揮発性メモリを使用する。
【0081】
測定位置テーブル145は、予め複数の測定トラック番号をインデックスとして準備しており、バイアス電流測定部142により、測定処理の際にテーブルの測定トラック番号を順次読み出して速度制御回路90のレジスタ98に目標トラック番号としてセットすることで測定位置へのシーク制御を行わせ、シーク完了状態で各測定モードに応じた測定トラック位置での保持状態でVCM64に対するダブルサーボ回路118からのダブルサーボ電流Vdを測定して記憶する。
【0082】
バイアス電流演算部146は、調整工程で測定位置テーブル145が作成された後の光ディスクドライブの使用状態でシーク制御が起動されると、シーク中に得られる現在位置のトラック番号をセットし、セットした現在トラック番号により測定位置テーブル145を参照し、両側に位置する2つの測定トラック番号のバイアス電流値を測定位置テーブル145から読み出し、バイアス電流Vnを演算する。
【0083】
バイアス電流演算部146は、図10に示した制御モードAの場合には、測定位置テーブル145から読み出した2つの測定トラック番号のバイアス電流に基づく直線補間により現在トラックTnのバイアス電流Vnを求める。また図10の制御モードBの場合には、現在トラック番号に近い方の測定トラック番号のバイアス電流値を選択して、そのまま現在トラック番号のバイアス電流Vnとする。
【0084】
バイアス電流演算部で求めた現在トラック番号でのバイアス電流Vnは、コアース制御の際には速度制御回路90からのシーク電流Vsに加算点148で加算され、一方、ファイン制御の際には加算点116でダブルサーボ回路118からのダブルサーボ電流Vdに加算され、それぞれVCM64に供給する。このため加算点148,116がバイアス電流による機械的なオフセットの補正部として機能する。
【0085】
図12は、図11のオフセット補正回路140に設けたバイアス電流測定部142に図9の測定モード1を設定した場合の測定処理のフローチャートである。まずステップS1で、測定位置テーブル145のインデックスとなっている測定トラックを示す先頭のトラック番号を読み込む。測定位置テーブル145は例えば図13のように、トラック番号TnとVCMバイアス電流値Vnの格納領域をもち、初期状態にあっては、予め定めた測定位置を示すトラック番号T1〜T12が記憶されている。
【0086】
ステップS1で測定位置テーブル145からトラック番号を読み込んだならば、速度制御回路90の目標トラックレジスタ98にトラック番号をセットし、測定トラック番号へのシークを行う。この測定トラック番号へのシークは、光ディスク媒体のトラック数を例えば2000トラックとすると、図13のトラック番号T1〜T12により2000トラックを均等に10分割していることから、測定トラック番号の間隔は200トラックとなる。
【0087】
その結果、測定トラックへのシークは全てロングシークとなる。ロングシークの際にはサーボスイッチ112がオフ、サーボスイッチ114がオンとなり、VCM64にシーク電流Vsを供給したVCM64の速度制御によるコアース制御をまず行い、残りトラック数が規定トラック数例えば50トラックとなったらサーボスイッチ114をオフすると同時にサーボスイッチ112をオンして、レンズアクチュエータ60にシーク電流Vsを供給して速度制御するファイン制御に切り替え、目標となる測定トラック番号の直前で減速制御に切り替えてシークを完了する。
【0088】
もちろんコアース制御の際には、サーボスイッチ76がオンとなり、レンズ位置サーボ回路66によるレンズアクチュエータ60の位置制御でレンズロックが掛けられ、またファイン制御に切り替わった場合にはサーボスイッチ124がオンとなり、ダブルサーボ回路118によるVCM64のダブルサーボでレンズロックが掛けられる。
【0089】
読み込まれた測定位置となるトラック番号へのシークが完了すると、サーボスイッチ76がオフとなってレンズ位置サーボ66によるレンズロックを解除し、同時にサーボスイッチ112もオフとなって速度制御が解除され、更にサーボスイッチ88がオンしてトラックサーボ回路78によるオントラック制御となる。このオントラック制御にあっても、サーボスイッチ124はオン状態を維持しており、ダブルサーボ回路118によるVCM64のダブルサーボ制御により、レンズアクチュエータ60によるトラックへの光ビームの追従に対し常に対物レンズの光軸ずれをゼロとするようなキャリッジの動きを作り出すダブルサーボが行われている。
【0090】
このようにしてステップS2で測定トラック番号へのシークが完了してオントラック状態となったならば、ステップS3でタイマをスタートし、ステップS4では、VCM64に供給している電流、即ちダブルサーボ回路118からのダブルサーボ電流VdをDSP15に内蔵したDAコンバータによりサンプリングして積算する。
【0091】
このキャリッジのVCM64に対する電流のサンプリングによる積算は、ステップS5で、起動したタイマにより所定時間が経過するまで繰り返される。ステップS5で所定時間の経過が判別されるとステップS6に進み、サンプリング回数によって積算したキャリッジVCM電流を平均化してバイアス電流を求め、ステップS7で測定結果を図13の例えばトラック番号T1のように、VCMバイアス電流値V1として測定位置テーブル145に記憶する。
【0092】
次にステップS8で全ての測定位置での測定終了の有無をチェックし、測定が終了していなければ次のトラック番号T2を読み出して、ステップS1からの処理を繰り返す。トラック番号T12までの全ての測定位置での処理が終了すれば、一連の測定処理を終了する。
図14は図12の測定処理で得られたVCMバイアス電流値の実測値の説明図である。この実測値にあっては、横軸に示す最アウタから最インナまでの測定トラック番号T1〜T12ごとにVCMバイアス電流値を平均化してプロットしている。この測定トラック番号T1〜T12は、この実施形態における光ディスク媒体の記録フォーマットとしてゾーンZ1〜Z10にゾーン分割したゾーンCAVフォーマットに対応し、各ゾーン中心を測定トラック番号としている。
【0093】
図14の測定トラック番号に対するVCMバイアス電流値の実測結果から明らかなように、キャリッジが中央の測定トラックT6においてキャリッジの位置を保持するVCMバイアス電流値はゼロであり、この位置では機械的なオフセットが加わっていないことが分かる。
これに対しキャリッジをインナ側に移動すると、キャリッジを各測定トラック位置に保持するためのVCMバイアス電流値がマスナス側に増加し、最インナ側に向かうにつれてキャリッジにかかる機械的なオフセットが大きくなることが分かる。
【0094】
またトラック番号T6からキャリッジをアウタ側に移動した場合にも、キャリッジの移動に伴ってVCMバイアス電流値はインナ側とは逆にプラス方向に増加しており、インナ側とは逆向きの機械的なオフセットが増加していることが分かる。
図15は、図11のバイアス電流測定部142に対し測定モード2を指定した場合の測定処理のフローチャートである。まずステップS1で、測定位置テーブル145から最初のトラック番号を読み込み、ステップS2で、読み込んだトラック番号へシークする。測定モード2にあっては、ステップS3で、シーク完了の際に図11のサーボスイッチ88をオフしてトラックサーボ回路78によるレンズアクチュエータ60のトラックサーボをオフする。
【0095】
その代わりにステップS4でサーボスイッチ138をオンし、シーク完了時にキャリッジ位置センサ48より検出されているキャリッジの測定位置をキャリッジ位置サーボ回路128のレジスタ132に目標位置としてセットし、シーク完了時のキャリッジ位置を目標位置とする位置ロックサーボを行う。もちろんサーボスイッチ127はオフとなっており、ダブルサーボは解除される。
【0096】
このキャリッジ位置サーボ回路128によるキャリッジの位置ロック状態でステップS5に進み、タイマをスタートし、ステップS6でキャリッジVCM電流をサンプリングして積算する。即ち、キャリッジ位置サーボ回路128よりVCM64に供給される位置ロック電流をサンプリングして積算することになる。
ステップS7でタイマスタートから所定時間を経過すると、ステップS8に進み、積算したキャリッジVCM電流をサンプリング回数で割って平均化し、この測定結果をステップS9で測定位置テーブル145に記憶する。以上の処理をステップS10で全ての測定位置での測定を終了するまで繰り返す。
【0097】
図16,図17は、図11のバイアス電流測定部142による測定処理が完了して測定位置テーブル145が作成された後のシーク制御のフローチャートであり、測定モード1または測定モード2で作成された測定位置テーブル145を対象に、現在トラック番号のバイアス電流を直線補間により演算するバイアス電流演算部146における制御モードAの処理である。
【0098】
図16において、シークコマンドの受領により目標トラック番号を認識するとシーク制御が起動され、まずステップS1で現在のトラック番号を読み、目標トラック番号までのディファレンスを計算した後、シークを開始する。次にステップSで目標トラック番号までのディファレンスからシークモードを決定する。ディファレンスが所定トラック例えば50トラック以上であれば、ステップS3〜S12のコアース制御に入る。
【0099】
これに対しディファレンスが50トラック未満であった場合には、ステップS13以降のファイン制御に入る。いまディファレンスが所定トラック数以上であったとすると、コアース制御に進み、まずVCM60に対し規定の加速電流を流し、キャリッジの移動を開始する。これに伴い、ステップS3で図11の速度制御回路90に設けているトラックカウンタ94のカウンタ動作を開始し、ステップS4で、サーボスイッチ76をオンすることでレンズロックサーボをオンする。
【0100】
次にステップS5でトラックカウンタ94の計数結果に基づき、速度演算部102で現在速度を算出し、ステップS6で、そのときのトラックディファレンスに基づいて発生されている目標速度との差を加算点106で求め、ゲイン設定器108で所定ゲインを乗算し、シーク電流Vsとする。次にシーク電流の補正処理を行う。
【0101】
即ち、ステップS7でシーク開始から現在までのトラックカウンタ94のカウント値とシーク開始トラック番号から現在トラック番号Tnを算出する。続いてステップS8で、算出した現在トラック番号Tnにより測定位置テーブル145を参照し、現在トラック番号Tnが間に含まれる両側の2つの測定トラック番号(Ta,Tb)及びVCMバイアス値(Va,Vb)を求める。
【0102】
そしてステップS9で、
Vn={(Vb−Va)/(Tb−Ta)}・(Tn−Ta)+Va
により、直線補間によって現在トラック番号(Tn)のVCMバイアス値(Vn)を算出する。
ステップS10で、求めた現在のトラック番号(Tn)のVCMバイアス値 (Vn)をシーク電流(Vs)に加算点148で加算し、ステップS11で、補正したシーク電流(Vs)をVCM64に対するドライバに出力する。ステップS12にあっては、ファイン制御に切り替えるための残りトラック数をチェックしており、残りトラック数が所定値以下になるまでステップS5〜S11の処理を繰り返す。
【0103】
ステップS12で残りトラック数が所定値以下になると、図17のステップS13〜S21のファイン制御に進む。ファイン制御にあっては、ステップS13でサーボスイッチ76のオフによりレンズ位置サーボ回路66によるレンズロックサーボを解除し、同時にサーボスイッチ112をオン、サーボスイッチ114をオフとし、速度制御回路90の出力をレンズアクチュエータ60に切り替え、更にサーボスイッチ124をオンして、ダブルサーボ回路118によるVCM64のダブルサーボを有効とする。
【0104】
次にステップS14で、レンズアクチュエータ60に対する速度制御回路90による速度制御処理を行う。この速度制御処理はコアース制御の場合と同じであり、目標速度設定部100でそのときの目標トラックまでのトラックディファレンスに応じた目標速度を発生し、加算点106で現在のビーム速度を演算してその偏差を求める。
【0105】
この速度偏差にゲイン設定器108でファイン制御用のゲインG3´を乗じて速度制御電流を求め、レンズアクチュエータ60を速度制御する。次にステップS15で、レンズ位置信号のずれをダブルサーボ回路118の加算点120で検出し、ゲイン設定器124でゲインG4を乗ずることでダブルサーボ電流(Vd)を算出する。
【0106】
次に算出したダブルサーボ電流(Vd)のVCMバイアス値による補正を行う。即ち、ステップS16で現在のトラックカウンタ値とシーク開始トラック番号から現在トラック番号(Tn)を算出し、ステップS17で測定位置テーブル145の参照により現在トラック番号(Tn)が間に含まれる2つの測定トラック番号(Ta,Tb)及びVCMバイアス値(Va,Vb)を求め、ステップS18で直線補間の計算により現在トラック番号(Tn)のVCMバイアス値(Vn)を算出する。
【0107】
そしてステップS19で、算出したVCMバイアス値(Vn)を加算点116でダブルサーボ電流(Vd)に加算し、ステップS20で、補正したダブルサーボ電流(Vd)をキャリッジを駆動するVCM64の裏側に出力する。このようなステップS14〜ステップS20の処理を、ステップS21で残りトラック数が減速制御を開始するための所定値に達するまで繰り返す。
【0108】
ステップS21で残りトラック数が所定値例えば3トラックとなると、ステップS22からの減速制御に切り替わる。減速制御にあっては、ステップS22で、そのときのトラッキングエラー信号のゼロクロス間隔で算出される現在速度からレンズアクチュエータ60に流すブレーキ電流を算出し、予め定めたトラック位置例えば0.5トラック手前のタイミングで算出されたブレーキ電流を流して、減速制御により目標トラックへの引き込みを行う。
【0109】
減速制御が終了すると、ステップS23で、引き込みトラックの戻り光による復調でID部をリードして現在トラック番号を読み込み、ステップS24でIDリードで読み込んだ現在トラック番号がシークコマンドにより設定された目標トラック番号に一致しているか否かチェックする。一致していればシークを正常終了としてリードまたはライトなどのアクセスに移行する。現在トラック番号が目標トラック番号に一致していない場合には、図16のステップS1に戻ってリトライ処理を行う。
【0110】
図18は、図16,図17のフローチャートにおいてロングシークとなった場合のコアース制御、ファイン制御及び減速制御のタイムチャートである。一方、図16のステップS2で現在トラックから目標トラックまでのディファレンスが50トラック未満であった場合には、図17のステップS13からのファイン制御に進んで、ファイン制御からシーク制御を開始する。
【0111】
このファイン制御における処理も、ロングシークにおけるコアース制御からファイン制御に切り替わった場合の処理と全く同じであり、図18(B)のタイムチャートに示すファイン制御及び減速制御となる。
図19は、図11の実施形態において測定モード1または測定モード2で作成された測定位置テーブル145を対象に、VCMバイアス値を現在トラック番号に近い方の測定トラック番号の値から選択して構成する制御モードBによるシーク制御のフローチャートである。
【0112】
図19,図20のシーク制御は、コアース制御におけるステップS8のVCMバイアス値の決定と、図20のファイン制御におけるステップS16でのVCMバイアス値の決定の仕方が図16,図17の制御モードAの場合と異なる。即ち、図19の制御モードBのコアース制御にあっては、ステップS8で現在のトラック番号(Tn)に最も近い測定トラック番号(Ta)のVCMバイアス値(Va)を測定位置テーブル145から読み出し、これをステップS9で現在トラック番号(Tn)のVCM値(Vn)としてシーク電流(Vs)に加算して補正する。
【0113】
同様にファイン制御中についても、ステップS16で現在のトラック番号(Tn)に最も近い測定トラック番号(Ta)のVCMバイアス値(Va)を読み出し、ステップS17で現在トラック番号(Tn)のVCMバイアス値(Vn)としてダブルサーボ電流(Vd)に加算して補正している。それ以外の処理は図16,図17のフローチャートと同じである。
4.測定モード3,4と制御モードC,D
図21は図9の測定位置をキャリッジ位置センサ48の値により指定する測定モード3又は測定モード4により測定位置テーブル145を作成し、この測定位置テーブル145を使用してシーク制御中にシーク電流及びダブルサーボ電流を補正する図10の制御モードC及び制御モードDを行うシーク制御部11の実施形態の機能ブロック図である。
【0114】
図21の機能ブロック図にあっては、オフセット補正回路140に設けたレジスタ144に対し、測定モード1,2の現在トラック番号のセットとは異なり、キャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48のキャリッジ位置信号E3に基づく位置センサ現在値Pnをセットするようにしたことを特徴とする。
【0115】
またバイアス電流測定部142は、測定モード1,2の場合の測定トラック番号の指定とは異なるキャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48の検出位置を測定位置とした図22の構造をもつ測定位置テーブル145を準備している。図22の測定位置テーブル145にあっては、キャリッジ位置としてP1〜P12の12箇所を予め記憶しており、このキャリッジ位置P1〜P12にキャリッジを移動して位置を保持した状態でそのときのVCM64に対する電流を測定して、図22のようなVCMバイアス電流値V1〜V12を格納したテーブルを作成する。それ以外の構成は図11と同じである。
【0116】
図23は図21のバイアス電流測定部142に測定モード3を指定した場合の測定処理のフローチャートである。測定モード3の測定処理にあっては、まずステップS1でサーボスイッチ88をオフし、トラックサーボ回路78によるレンズアクチュエータ60のトラック追従制御を解除する。
続いて測定位置テーブル145をステップS2で参照し、最初の測定位置を示すキャリッジ位置センサ値を読み込み、キャリッジ位置サーボ回路128のレジスタ132に目標センサ位置としてセットし、サーボスイッチ138のオンによりキャリッジ位置ロックサーボをオンする。
【0117】
このときトラックサーボ回路78のサーボスイッチ88をオフする以外に他のサーボスイッチ76,114,127も全てオフとなっており、キャリッジ位置サーボ回路128によるVCM64のキャリッジ位置ロックサーボの制御のみが行われる。このキャリッジ位置ロックサーボによるVCM64の駆動で、位置偏差をゼロとするレジスタ132の目標位置にキャリッジが移動して位置ロックされると、ステップS4でキャリッジ位置ロックサーボをサーボスイッチ138のオフにより解除する。
【0118】
次にステップS5で、サーボスイッチ88のオンによりトラックサーボ回路78を有効とし、且つサーボスイッチ127のオンによりダブルサーボ回路118を有効とし、光ビームのトラック引き込みを行う。この結果、測定位置で光ビームを引き込みトラックに追従させるオントラック制御が行われる。
次にステップS6でタイマをスタートし、ステップS7で、このときVCM64に供給されるダブルサーボ電流(Vd)をキャリッジVCM電流としてサンプリングして積算し、ステップS8で所定時間を経過したら、ステップS9で、サンプル回数により積算したキャリッジVCM電流を割って平均値を求め、ステップS10で測定位置テーブル145に測定結果を記憶する。以上の処理を、ステップS11で、全ての測定位置での測定が終了するまで繰り返す。
【0119】
図24は図21のバイアス電流測定部142に測定モード4を指定した場合の測定処理のフローチャートである。測定モード4の測定処理にあっては、図23の測定モード3の場合と同様、ステップS1〜S3で測定位置テーブル145から読み出したキャリッジ位置センサ値による測定位置にキャリッジ位置ロックサーボによってキャリッジを移動して位置ロックする。
【0120】
位置ロックが完了したならば、その位置ロック状態を維持したままステップS4でタイマをスタートし、ステップS5で、位置ロック状態でキャリッジのVCM64に流れるキャリッジVCM電流、即ち位置ロック電流をサンプリングごとに積算する。ステップS6で所定時間経過したならば、ステップS7で、積算したキャリッジVCM電流をサンプル回数で割って平均化し、ステップS8で測定位置テーブル145に測定結果を記憶し、ステップS9で、全ての測定位置での測定が終了するまでこれを繰り返す。
【0121】
図25,図26は、図21のバイアス電流測定部142による測定モード3または測定モード4で作成された測定位置テーブル145を使用したシーク中の補正を行う制御モードCのフローチャートである。制御モードCにあっては、図16,図17の制御モードAの場合と同様、現在位置のVCMバイアス値を直線補間により求めるようにしたことを特徴とする。
【0122】
この図25,図26のシーク制御におけるシーク開始、コアース制御、ファイン制御及び減速制御の手順は、図16,図17と基本的に同じである。相違点は、コアース制御におけるステップS7〜S9及びファイン制御におけるステップS16〜S18の測定位置テーブル145の参照について、トラック番号ではなくキャリッジ位置センサ48で検出可能な現在キャリッジ位置(Pn)及びVCMバイアス測定キャリッジ位置(Pa,Pb)を使用している点である。
【0123】
もちろん、ステップS9,S18におけるVCMバイアス値(Vn)の直線補間による算出も、測定キャリッジ位置(Pa,Pb)を使用する点は図16,図17と相違するが、他の点は全く同じである。
図27,図28は、図21のバイアス電流測定部142で測定モード3,4により作成された測定位置テーブル145を使用し、現在キャリッジ位置による測定位置テーブル145の参照によりVCMバイアス電流演算部146における演算として最も近いキャリッジ測定位置のVCMバイアス値を選択する制御モードDによるシーク制御のフローチャートである。
【0124】
この図27,図28の測定モード3,4を対象とした制御モードDの処理にあっては、同じく現在トラック番号に最も近い測定トラック番号のVCMバイアス値を選択する図19,図20の制御モードBにおける処理と基本的に同じである。相違点は、コアース制御におけるステップS7〜S8及び図28のファイン制御におけるステップS15〜S16で、トラック番号(T)の代わりにキャリッジ位置センサ48のキャリッジ位置(P)を使用している点である。
5.その他の実施形態
上記の実施形態にあっては、図8のように、エンクロージャ12側にレンズ位置センサ47及びキャリッジ位置センサ48を設けた光ディスクドライブを対象としているが、図9に示した測定モード1にあっては、キャリッジ位置センサ48は使用せず、また測定モード2及び4についてはレンズ位置センサ47は使用していない。
【0125】
したがって、測定モード1で直線補間の制御モードA、または隣接近似の制御モードBを採用する場合には、キャリッジの絶対位置を検出するキャリッジ位置センサ48をもたない光ディスクドライブであってもよい。
また測定モード2及び4については、キャリッジを測定位置にロックした状態でレンズ位置センサ47に基づくダブルサーボを行っていないことから、レンズ位置センサ47を除去することができる。しかしながら、VCM64の速度制御でキャリッジを移動させるコアース制御中にあっては、レンズロックのためにレンズ位置信号が必要であり、またレンズアクチュエータ60の速度制御によるファイン制御中にあっても、ダブルサーボによるVCM64の制御によるレンズロックが必要となる。
【0126】
しかし、光ビームが移動している場合には、光ビームの移動に伴ってトラッキングエラー検出回路50より出力されるトラッキングエラー信号E1の包絡線を検出することで、疑似的にレンズ位置信号が得られる。即ち、ビーム移動中に対物レンズの光軸ずれが起きると、トラッキングエラー信号に光軸ずれに応じたオフセットが生じ、このオフセットをトラッキングエラー信号の包絡線検波により検出することで、レンズ位置センサ47を設けたと同等なレンズ位置信号を疑似的に得ることができる。
【0127】
このため、トラッキングエラー検出信号の包絡線検波で得られる疑似的なレンズ位置信号を使用すれば、図7のレンズアクチュエータにレンズ位置センサ47を設ける必要がなくなる。レンズアクチュエータにレンズ位置センサ47を設ける必要がなければ、その分だけレンズアクチュエータ60の構造を簡単にし、より一層、光ディスクドライブの小型、薄型化を図ることができる。
摩擦、及びベース側とキャリッジを信号線接続するFPCバンドのテンションなどによる機械的なオフセットに起因した外乱分を除去することができ、装置の小型薄型化に伴ってキャリッジの軽量化が行われても、機械的な外乱による影響を受けることなく、安定したシーク動作が可能となる。
【0128】
また上記の実施形態にあっては、光ディスクドライブを製造した後の調整工程において、VCMバイアス値の測定処理を行って測定位置テーブルに記憶させているが、キャリッジのベアリングとレールの間の摩擦及び、ベース側とキャリッジを信号線接続するFPCバンドによるテンションは、経年変化により変化したり、使用中における装置内の環境温度によっても変わる。
【0129】
そこで、例えば光ディスクドライブの電源を投入した際の初期化診断処理の一つとしてVCMバイアス値の測定処理を行ってもよい。同様に、電源投入からの時間経過に応じて所定タイミングで測定処理を行うようにしてもよい。
【0130】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、キャリッジを所定の測定位置に移動してその位置を保持するために必要なバイアス電流を測定して記憶し、シーク中にキャリッジの現在位置に対応するバイアス電流を求めて、キャリッジアクチュエータに流す電流を補正し、これによってキャリッジのベアリングとレールの間の摩擦、及びベース側とキャリッジを信号線接続するFPCバンドのテンションなどによる機械的なオフセットに起因した外乱分を除去することができ、装置の小型薄型化に伴ってキャリッジの軽量化が行われても、機械的な外乱による影響を受けることなく、安定したシーク動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図
【図2】本発明の装置外観図
【図3】図2の装置の組立分解図
【図4】図3のドライブケースから下側カバーまでを底面から見た組立分解図
【図5】図3の組立状態の平面図
【図6】図3の組立状態の底面図
【図7】本発明に用いるレンズアクチュエータの構造説明図
【図8】本発明の回路ブロック図
【図9】本発明におけるバイアス電流測定モードの説明図
【図10】本発明におけるシーク制御モードの説明図
【図11】測定モード1,2に対応した本発明のシーク制御部の機能ブロック図
【図12】本発明の測定モード1の測定処理のフローチャート
【図13】図12の測定モード1で生成される測定位置テーブルの説明図
【図14】図12の測定処理で得られたトラック番号に対するバイアス電流の実測結果の説明図
【図15】本発明の測定モード2の測定処理のフローチャート
【図16】測定モード1,2に対応した直線補間の制御モードAによる本発明のシーク制御のフローチャート
【図17】測定モード1,2に対応した直線補間の制御モードAによる本発明のシーク制御のフローチャート(続き)
【図18】図16,図17によるロングシーク時とショートシーク時のビーム速度と制御モードのタイムチャート
【図19】測定モード1,2に対応した隣接近似の制御モードBによる本発明のシーク制御のフローチャート
【図20】測定モード1,2に対応した隣接近似の制御モードBによる本発明のシーク制御のフローチャート(続き)
【図21】測定モード3,4に対応した本発明のシーク制御部の機能ブロック図
【図22】図21の測定モード3で生成される測定位置テーブルの説明図
【図23】本発明の測定モード3の測定処理のフローチャート
【図24】本発明の測定モード4の測定処理のフローチャート
【図25】測定モード3,4に対応した直線補間の制御モードCによる本発明のシーク制御のフローチャート
【図26】測定モード3,4に対応した直線補間の制御モードCによる本発明のシーク制御のフローチャート(続き)
【図27】測定モード3,4に対応した隣接近似の制御モードDによる本発明のシーク制御のフローチャート
【図28】測定モード3,4に対応した隣接近似の制御モードDによる本発明のシーク制御のフローチャート(続き)
【符号の説明】
10:コントローラ
10−1:低速シーク制御部
10−2:高速シーク制御部
11:シーク制御部
12:エンクロージャ
14:MPU
15:DSP
16:インタフェース
17:速度制御部
18:フォーマッタ
20:バッファメモリ
22:エンコーダ
24:レーザダイオード制御回路
26:デコーダ
28:リードLSI回路
30:レーザダイオードユニット
32:ディテクタ
34:ヘッドアンプ
36:温度センサ
38,42,54,58,62:ドライバ
40:スピンドルモータ
44:電磁石
46:ディテクタ
47:レンズ位置センサ(LPOS)
48:キャリッジ位置センサ(PSD)
49:FES検出回路
50:TES検出回路
52:イジェクトモータ
55:トラックゼロクロス検出回路(TZC回路)
56:フォーカスアクチュエータ
60:レンズアクチュエータ
64:VCM(キャリッジアクチュエータ)
66:レンズ位置サーボ回路
68,80,106,116,120,130,148:加算点
70,82,122,132,144:レジスタ
72,84,108,124,134:ゲイン設定器
74,86,110,126,136:位相補償器(PC)
76,88,112,114,124,138:サーボスイッチ
78:トラックサーボ回路
80,100,112:サーボスイッチ
90:速度制御回路
92:トラックゼロクロス検出回路(TZC)
94:トラックカウンタ
96:トラックディファレンス演算部
100:目標速度設定部
102:速度演算部
118:タブルサーボ回路
128:キャリッジ位置ロックサーボ回路
140:オフセット補正回路
142:VCMバイアス値測定部(バイアス電流測定部)
145:測定位置テーブル(記憶部)
146:VCMバイアス値演算部(バイアス電流演算部)
150:ドライブ本体
152:フロントベセル
154:扉
158:イジェクトボタン
160:動作表示LED
176:プリント基板
178:カートリッジホルダ
180:ドライブベース
182:開口
184:レンズキャリッジ
186:対物レンズ
190−1,190−2:コイル部
192−1,192−2:磁気ヨーク部
194:スライドプレート
196:スピンドルユニット
198:ターンテーブル
200:プレート
202:カバー
204:イジェクトモータユニット
206:イジェクトユニット収納部
208:固定光学ユニット
210,212:FPC(フレキシブルプリント回路)
214:ライトイネーブルセンサ
216:ライトプロテクトセンサ
218:カートリッジ挿入センサ
220−1,220−2:ガイドレール
222,224:ピン
226,228:コイルバネ
230,232:ガイド溝
236:ローラベアリング
240:FPCバンド
242:ベース固定部
244:キャリッジ固定部
250:センシングプレート
252:LD
300:固定ベース
302:保持部
305:ビーム光軸
304−1〜304−4:ワイヤ
306:可動ベース
308:トラッキングコイル
310:フォーカスコイル
312:ヨーク

Claims (14)

  1. 光ビームを媒体に照射する対物レンズを搭載したキャリッジを媒体のトラックを横切る方向に移動させるキャリッジアクチュエータと、
    少なくとも前記キャリジアクチュエータの駆動により光ビームを目標トラック位置に移動させるシーク制御部と、
    を備えた光学的記憶装置に於いて、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して求められた前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流を記憶する記憶部と、
    前記シーク制御部によるシーク中に、前記キャリッジの現在位置により前記記憶部を参照して対応するバイアス電流を求めるバイアス電流演算部と、
    前記バイアス電流演算部で求めたバイアス電流により前記キャリッジアクチュエータヘの駆動電流を補正する補正部と、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流として前記記憶部に記憶するバイアス電流測定部とを備え、
    前記キャリッジは、前記対物レンズを媒体のトラックを横切る方向に移動させるレンズアクチュエータを搭載し、
    前記バイアス電流測定部は、
    トラック番号で指定される媒体の測定トラックに光ビームをシークさせ、
    該シーク完了後に、前記レンズアクチュエータのトラックサーボをオンして光ビームをトラックに追従させると同時に、前記キャリッジアクチュエータのダブルサーボをオンしてレンズ位置センサで検出される前記対物レンズの位置を中立位置に保持するように前記キャリッジアクチュエータにダブルサーボ電流を流し、
    前記ダブルサーボ電流を前記バイアス電流として測定して前記記憶部に記憶することを特徴とする光学的記憶装置。
  2. 光ビームを媒体に照射する対物レンズを搭載したキャリッジを媒体のトラックを横切る方向に移動させるキャリッジアクチュエータと、
    少なくとも前記キャリジアクチュエータの駆動により光ビームを目標トラック位置に移動させるシーク制御部と、
    を備えた光学的記憶装置に於いて、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して求められた前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流を記憶する記憶部と、
    前記シーク制御部によるシーク中に、前記キャリッジの現在位置により前記記憶部を参照して対応するバイアス電流を求めるバイアス電流演算部と、
    前記バイアス電流演算部で求めたバイアス電流により前記キャリッジアクチュエータヘの駆動電流を補正する補正部と、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流として前記記憶部に記憶するバイアス電流測定部とを備え、
    前記キャリッジは、前記対物レンズを媒体のトラックを横切る方向に移動させるレンズアクチュエータを搭載し、
    前記バイアス電流測定部は、
    トラック番号で指定される媒体の測定トラックに光ビームをシークさせ、
    該シーク完了後に、前記レンズアクチュエータのトラックサーボをオフした状態で、前記キャリッジアクチュエータのキャリッジ位置サーボをオンしてキャリッジ位置センサの検出位置を保持するように前記キャリッジアクチュータに位置ロック電流を流し、
    前記位置ロック電流を前記バイアス電流として測定して前記記憶部に記憶することを特徴とする光学的記憶装置。
  3. 光ビームを媒体に照射する対物レンズを搭載したキャリッジを媒体のトラックを横切る方向に移動させるキャリッジアクチュエータと、
    少なくとも前記キャリジアクチュエータの駆動により光ビームを目標トラック位置に移動させるシーク制御部と、
    を備えた光学的記憶装置に於いて、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して求められた前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流を記憶する記憶部と、
    前記シーク制御部によるシーク中に、前記キャリッジの現在位置により前記記憶部を参照して対応するバイアス電流を求めるバイアス電流演算部と、
    前記バイアス電流演算部で求めたバイアス電流により前記キャリッジアクチュエータヘの駆動電流を補正する補正部と、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流として前記記憶部に記憶するバイアス電流測定部とを備え、
    前記キャリッジは、前記対物レンズを媒体のトラックを横切る方向に移動させるレンズアクチュエータを搭載し、
    前記バイアス電流測定部は、
    キャリッジ位置センサにより検出可能な測定位置を指定し、前記キャリッジ位置センサを用いたキャリッジ位置サーボのオンにより前記キャリッジアクチュエータを駆動してキャリッジを前記測定位置に移動させ、
    前記測定位置への移動完了後に、前記キャリッジ位置サーボをオフすると同時に前記レンズアクチュエータのトラックサーボをオンして光ビームをトラックに追従させ、更に、前記キャリッジアクチュエータのダブルサーボのオンによりレンズ位置センサにより検出される前記対物レンズの位置を中立位置に保持するように前記キャリッジアクチュエータにダブルサーボ電流を流し、前記ダブルサーボ電流を前記バイアス電流として測定して前
    記記憶部に記憶することを特徴とする光学的記憶装置。
  4. 光ビームを媒体に照射する対物レンズを搭載したキャリッジを媒体のトラックを横切る
    方向に移動させるキャリッジアクチュエータと、
    少なくとも前記キャリジアクチュエータの駆動により光ビームを目標トラック位置に移動させるシーク制御部と、
    を備えた光学的記憶装置に於いて、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して求められた前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流を記憶する記憶部と、
    前記シーク制御部によるシーク中に、前記キャリッジの現在位置により前記記憶部を参照して対応するバイアス電流を求めるバイアス電流演算部と、
    前記バイアス電流演算部で求めたバイアス電流により前記キャリッジアクチュエータヘの駆動電流を補正する補正部と、
    前記キャリッジを媒体半径方向の複数の測定位置に移動して保持した際に前記キャリッジアクチュエータに流れる駆動電流を測定して前記キャリッジに加わる機械的なオフセットを除去するバイアス電流として前記記憶部に記憶するバイアス電流測定部とを備え、
    前記バイアス電流測定部は、
    キャリッジ位置センサにより検出可能な測定位置を指定し、前記キャリッジ位置センサを用いた前記キャリッジアクチュエータのキャリッジ位置サーボのオンによりキャリッジを前記測定位置に移動させ、
    該移動完了後に測定位置を保持するように前記キャリッジアクチュエータに位置ロック電流を流し、前記位置ロック電流を前記バイアス電流として測定して前記記憶部に記憶することを特徴とする光学的記憶装置。
  5. 請求項乃至4の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、
    前記バイアス電流測定部は、前記測定位置でキャリッジアクチュエータのバイアス電流を複数回測定して平均値を求めることを特徴とする光学的記憶装置。
  6. 請求項乃至4の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、
    前記キャリッジ位置センサは、筐体のレール上を移動するキャリッジの絶対位置を検出することを特徴とする光学的記憶装置。
  7. 請求項1乃至4の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、
    前記バイアス電流測定部は、装置完成後の調整工程でバイアス電流を測定して記憶部に記憶することを特徴とする光学的記憶装置。
  8. 請求項1乃至3の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、
    記補正部は、前記キャリッジアクチュエータを速度制御すると同時に前記レンズアクチュエータにより対物レンズを中立位置にロックするコアース制御中に、前記記憶部を参照により求めたバイアス電流値を、前記コアース制御によって前記キャリッジアクチュエータに供給するシーク電流に加算することを特徴とする光学的記憶装置。
  9. 請求項1乃至3の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、
    前記補正部は、前記レンズアクチュエータを速度制御すると同時に前記キャリッジアクチュエータにより対物レンズを中立位置にロックするファイン制御中に、前記記憶部を参照により求めたバイアス電流値を、前記ファイン制御によって前記キャリッジアクチュエータに供給するダブルサーボ電流に加算することを特徴とする光学的記憶装置。
  10. 請求項1又は2の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、前記バイアス電流演算部は、
    シーク中の現在トラック番号により前記記憶部を参照して両側に位置する2つの測定トラック番号の各バイアス電流値を読み出し、直線補間により現在トラック番号のバイアス電流値を算出することを特徴とする光学的記憶装置。
  11. 請求項1又は2の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、前記バイアス電流演算部は、
    シーク中の現在トラック番号により前記記憶部を参照して両側に位置する2つの測定トラック番号の内、現在トラック番号に近い方の測定トラック番号のバイアス電流値を選択することを特徴とする光学的記憶装置。
  12. 請求項3又は4の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、前記バイアス電流演算部は、
    シーク中に前記キャリッジ位置センサにより検出される現在位置により前記記憶部を参照して両側に位置する2つの測定位置の各バイアス電流値を読み出し、直線補間により前記現在位置のバイアス電流値を算出することを特徴とする光学的記憶装置。
  13. 請求項3又は4の何れかに記載の光学的記憶装置に於いて、前記バイアス電流演算部は、
    シーク中に前記キャリッジ位置センサにより検出される現在位置により前記記憶部を参照して両側に位置する2つの測定位置の内、現在位置に近い方の測定位置のバイアス電流値を選択することを特徴とする光学的記憶装置。
  14. 請求項1乃至4の何れかに記載光学的記憶装置に於いて、前記測定されたバイアス電流値を記憶する記憶部は、装置電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリを使用したことを特徴とする光学的記憶装置。
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