JP3588113B2 - エアゾール缶用シール構成 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、医薬エアゾール配合物を入れるための缶に関する。別の態様では、本発明は、このようなエアゾール缶に使用するためのシール部材に関する。さらに別の態様では、本発明は、1,1,1,2−テトラフルオロエタンを噴射剤として含むエアゾール配合物を入れる方法に関する。
関連技術の説明
医薬エアゾール配合物は、典型的に計量投与バルブを備えた金属、プラスチック又はガラスバイアルに入れられる。このバルブは、典型的には、バルブフェルールをバイアル本体に対して、弾性材料製中間シールを本体とフェルールとの間に圧縮した状態でクリンプすることによりバイアル本体に取りつけられる。中間シールは、フェルールガスケットをバイアル本体の上縁とフェルールガスケットの対向面との間に配置し且つ圧縮した形態であってもよいし、Oリングをバイアル本体周囲に配置し、且つバイアル本体とバルブフェルールの環状フランジとの間に圧縮した形態であってもよい。
バルブシールとして使用される材料には、ニトリルゴム、ブチルゴム、ネオプレン及びこのような目的のためにWO92/11190(Marecki)に開示¥示されているようなある種の熱可塑性材料などがある。医薬エアゾール配合物は、噴射剤漏れに対して影響されやすく、薬剤を適当な濃度に保持する必要があるので、おそらく他のエアゾール配合物よりも影響されやすい。しかしながら、医薬エアゾール配合物に関連した使用についてのバルブシール材料の適性は、配合物に使用される噴射剤及び他の成分に依存する(例えば、WO92/11190及びWO92/14444参照)。従来の噴射剤はまもなく段階的に製造停止となるので、計量投与医薬エアゾールに使用される薬剤は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及び炭化水素等の新しい噴射剤を用いて配合しなければならない。したがって、このような代替噴射剤に基づく医薬エアゾール配合物が長期に保存できるシール方法、材料及びバイアル構成を考案することが必要である。
本発明によれば、バイアル本体と、バルブフェルールと、(i)エチレン約80〜約95%と1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選択される一種以上のコモノマー合計約5〜約20%との共重合体を含んでなる熱可塑性エラストマーと(ii)スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体を含んでなる熱可塑性エラストマーから選択される材料を含んでなる第一シールと、ネオプレン、ブチルゴム又はニトリルゴムを含んでなる第二シールとを含んでなる医薬エアゾール配合物を入れるためのエアゾール缶であって、
前記バイアル本体がバイアル開口部を形成している壁を備えてなり、前記バルブフェルールがバイアル開口部を閉じ、前記バイアル本体と前記第一シールと前記バルブフェルールとがチャンバーを形成し、前記第一シール部材が相対的に前記チャンバーにより近く配置され、前記第二シール部材が前記チャンバーから相対的に離れて配置され、そして前記バルブフェルールとバイアル本体がシール部材の各々と対向シール係合しているエアゾール缶が提供される。
本発明のエアゾール缶では、第一と第二シールの両方、例えば、フェルールガスケット又はOリングと、Oリング等の第二シールを用いて、噴射剤が医薬エアゾール配合物、特にエタノール等の極性共溶媒を含有するヒドロフルオロカーボン噴射剤(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)を含んでなる噴射剤を主成分とする配合物から漏れる量を減少させている。
【図面の簡単な説明】
図面では、同様な要素を、同様な参照番号で示してある。第1図は、延長した閉鎖位置に計量投与バルブを備えている本発明のエアゾール缶の好ましい実施態様の断面図である。
第2図は、第1図の実施態様の断面図であり、バルブが圧縮解放位置にある。
第3図は、本発明の実施態様の断面図であり、バルブフェルールが、バイアル本体の内部に沿って延びている一般的に円筒状のフランジを備えている。
第4図は、本発明の別の実施態様の断面図であり、バルブフェルールばバイアル本体の内部に沿って延びている一般的に円筒状のフランジを備えている。
第5図は、本発明の実施態様の断面図であり、バルブフェルールとバイアル本体が、相補型ラジアルフランジを含んでなる。
第6図は、本発明の実施態様の断面図であり、第一シールが溶液ガスケットである。
発明の詳細な説明
本発明は、バイアル本体とバルブフェルールとを含む、これらを一緒に組み立ててエアゾール缶を形成する。通常のステンレス鋼、ガラス及びプラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)バイアル本体を含む噴射剤を主成分とする医薬エアゾール配合物を入れるのに有用ないずれのバイアル本体を用いてもよい。同様に、バルブフェルールは、バイアル本体に取りつけられ且つクリンプするか所定の位置に固定してバイアル本体の開口部を閉じることのできるいずれのバルブアセンブリーでもよい。適当なバルブフェルールには、前記フェルールとバイアル本体が、下記する2つのシール部材の各々と対向シール係合できるようにフェルールとバイアル本体を構成且つ配置したいずれのバルブフェルールも含まれる。典型的な適当なフェルールには、バイアル本体の外部に沿って延びている一般的に円筒状のスカートを含んでなるもの、バイアル本体の内部に沿って延びる一般的に円筒状のスカートを含んでなるもの及びバイアル本体上の相補型ラジアルスカートに沿って延びているラジアルスカートを含んでなるものなどがある。米国特許第4,597,512号(Wilmot)、第4,427,137号(Dubini)、第4,407,481号(Botton等)、第4,271,875号(Meshberg)及び第3,738,542号(Ruscitti)に開示されているような計量投与バルブアセンブリーを含んでなるバルブフェルールが好ましい。
バイアル本体とバルブフェルールがチャンバーを形成し、そして相対的にチャンバーにより近い第一環状シールと、チャンバーから相対的に離れている第二環状シールとを含んでなる二重シール組み合わせ体でシールされている。第一シールと第二シールは、構成が同じであっても異なっていてもよい。一般的に対向表面を有し、そのうちの1つがバルブフェルールに対してシールでき、他方がバイアル本体に対してシールできるいずれの環状シール部材も適当である。第一及び第二シールの適当な断面形状(例えば、長方形、円形、楕円形、両凹形等)は、フェルール及びバイアル本体の構成に依存し、当業者により容易に選択できる。
第一シールは、エアゾール缶のチャンバー又はチャンバー付近をシールする役割を果たす。第一シールは、好ましくはバルブフェルール上のガスケット表面及びバイアル本体に対してシールするフェルールガスケット、好ましくはバイアル本体上の環状リムである。第二シールは、エアゾール缶のチャンバーから相対的にさらに離れている領域(即ち、第一シールが第二シールとチャンバーとの間にある領域)をシールする役割を果たすOリング等の環状シールである。適当な第二シールには、バイアル本体に対してシールするとともに、バイアル本体の外部に沿って一般的に円筒状や、バイアル本体の内部に沿って一般的に円筒状や、バイアル本体上の相補形スカートに沿って半径方向に延びているもの等のバルブフェルールスカートに対してシールするものなどがある。
本発明のエアゾール缶に使用される第一シールは、エチレン約80〜約95%と1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選択される一種以上のコモノマー合計約5〜約20%との共重合体を含んでなる熱可塑性エラストマー、例えば、WO92/11190(Marecki)に開示されているものから構成されてもよい。この種の典型的な熱可塑性エラストマーには、
FLEXOMER(商標)DFDA1137NTポリオレフィン(Union Carbide製)、エチレン約91モル%と1−ブテン約9モル%との共重合体を含んでなる熱可塑性エラストマー(この共重合体は、密度が0.905g/cm3(ASTM D−1505)、メルトインデックスが1.0g/10分(ASTM D−1238)であると言われている);
FLEXOMER(商標)DFDA1138NT7ポリオレフィン(Union Carbide製)、エチレン約91モル%と1−ブテン約9モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.900g/cm3(ASTM D−1505)、メルトインデックスが0.4g/10分(ASTM D−1238)である熱可塑性エラストマー;
エチレン約95モル%と、1−ブテン約1モル%と、1−ヘキセン約4モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.910g/cm3(ASTM D 1238)、メルトインデックスが約0.5g/10分(ASTM D 1238)であるFLEXOMER(商標)DFDA1163NT7ポリオレフィン(Union Carbide製);
エチレン約94モル%と、1−ブテン約1モル%と、1−ヘキセン約5モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.910g/cm3(ASTM D 1505)、メルトインデックスが約1.0g/10分(ASTM D 1238)であるFLEXOMER(商標)DFDA1164NT7ポリオレフィン(Union Carbide製);
エチレン約90モル%と1−ブテン約10モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.900g/cm3(ASTM D 1505)、メルトインデックスが約1.0g/10分(ASTM D1238)であるFLEXOMER(商標)1491NT7ポリオレフィン(Union Carbide製);
エチレン約92モル%と1−ブテン約8モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.905g/cm3(ASTM D 1505)、メルトインデックスが約0.85g/10分(ASTM D1238)であるFLEXOMER(商標)9020NT7ポリオレフィン(Union Carbide製);
エチレン約80モル%と1−ブテン約20モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.900g/cm3(ASTM D 1505)、メルトインデックスが約5.0g/10分(ASTM D1238)であるFLEXOMER(商標)9042NTポリオレフィン(Union Carbide製);
エチレン約90モル%と1−オクテン約10モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.912g/cm3(ASTM D 792)、メルトインデックスが約3.3g/10分(ASTM D1238)であるATTANE(商標)4602ポリオレフィン(Dow製);
エチレン約92モル%と1−オクテン約8モル%との共重合体を含んでなり、密度が0.912g/cm3(ASTM D 792)、メルトインデックスが約1.0g/10分(ASTM D 1238)であるATTANE(商標)4701ポリオレフィン(Dow製)などがある。
これらの材料のうち最も好ましいものは、FLEXOMER(商標)DFDA1085ポリオレフィン及びFLEXOMER(商標)DFDB1085ポリオレフィンである。これらは、各々エチレン約80モル%及び1−ブテン約20モル%を含んでなり、密度0.884g/cm3(ASTM D−1505)及びメルトインデックス約0.8g/10分(ASTM D 1238)であり、後者は、タルクをポリオレフィン共重合体(Union Carbide)の粘着性を減少するに効果的な量含んでなる。
第一シールに適当な別の種類の熱可塑性エラストマーは、通常に譲渡された同時継続出願第07/878,041号(Marecki)に開示されているものなどのスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体である。このような熱可塑性エラストマーは、任意にさらにポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、さらに任意にポリジメチルシロキサン又はポリメチルオクチルシロキサンなどのシロキサンを含んでなる。これらのブロック共重合体は、好ましくは密度約0.87〜約0.97g/cm3、より好ましくは約0.89〜0.91g/cm3である。ショアーA高度は好ましくは約40〜約95、より好ましくは約50〜約75であり、メルトインデックスは好ましくは約0.3〜約3g/10分である。
この種のある種の適当な熱可塑性エラストマーは、市販されている。他のものは、当業者に知られており、例えば、米国特許第4,386,179号、第4,481,323号及び第4,511,354号(これらは全て、引用することに明細書の開示の一部とされる)に開示されている方法を用いて調製できる。この種の好ましい熱可塑性エラストマーには、以下のものなどがある:
KRATON(商標)G1657ゴム等のKRATON(商標)Gゴム(テキサス州ヒューストンにあるShell Chemical社製);
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−001(Concept Polymer Technologies)、ポリプロピレン変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロック共重合体と、ジメチルシロキサンと、鉱油とを含んでなり、密度0.90g/cm3及びメルトインデックス0.25g/10分を有する材料;
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−051、ポリプロピレン変性SEBSブロック共重合体と、鉱油と、米国特許第4,613,640号(Deisler等;これに開示されている事項全体は、引用することにより本明細書の開示の一部とされる)に記載されているようなポリメチルオクチルシランとを含んでなり、密度0.90g/cm3及びメルトインデックス2.7g/10分を有する材料;
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−041、ポリプロピレン変性SEBSブロック共重合体とポリメチルシロキサンとを含んでなり、密度0.90g/cm3を有する材料;
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−085、ポリプロピレン変性SEBSブロック共重合体と、鉱油と、ポリメチルオクチルシロキサン等のシロキサンとを含んでなり、密度0.90g/cm3を有する材料;
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−003、ポリジメチルシロキサン変性SEBSブロック共重合体と、ポリプロピレンと、鉱油とを含んでなり、密度0.90g/cm3を有する材料;
C−FLEX(商標)熱可塑性エラストマーR70−026、ポリプロピレン変性SEBSブロック共重合体と、ポリジメチルシロキサンと、鉱油とを含んでなり、密度0.90g/cm3を有する材料。
また、このような熱可塑性エラストマーは、加工助剤、色材、滑剤、シリカ、タルク又は鉱油等の通常のポリマー添加物を少量含んでもよい。
二重シール組み合わせのある種の構成が好ましい。第一シールは、上記したような熱可塑性エラストマーを含んでなることが好ましい。より好ましくは、前記第一シールが、エチレン約80〜約95%と1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選択される一種以上のコモノマー合計約5〜約20%との共重合体、最も好ましくはエチレン約80%と1−ブテン約20%との共重合体(例えば、Flexomer(商標)DFDB1085)を含んでなる熱可塑性エラストマーを含んでなる。
第二シールは、ネオプレン、ブチルゴム又はニトリルゴム、最も好ましくはニトリルゴムを含んでなる。
上記した実施態様は、噴射剤としてHFC−134aを使用する医薬エアゾール配合物と関連して使用する時に特に有用であり、配合物がエタノールも含有している時にはさらに有用である。
第一及び第二シールが図面に関連して記載し説明したように互いに分離しており且つ異なることが好ましい。しかしながら、第一及び第二シールが互いに一体である実施態様も本発明の範囲内である。例えば、第一及び第二シールは、一方の層が第一シールを構成し、他方の層が第二シールを構成する二層化ワッシャーの形態でもよい。また、シールは、一方の材料からなるコアと、もう一方の材料からなる外面とを備えている同軸Oリングの形態でもよい。このような実施態様では、外面が第一シールを構成し、コアが第二シールを構成するであろう。
第1図及び第2図において、エアゾール缶10は、バイアル本体12とバルブフェルール14とを含んでなる。フェルールガスケット16により表される第一シールは、ガスケット表面18及びバイアル本体12の環状リム20とシール係合している。Oリング22により表される第二シールは、バイアル本体12における配合物チャンバー60及び開口部26からさらに離れ且つバイアル本体12の外部とシール係合している。また、Oリング22は、バルブフェルール14の一般的に円筒状であるスカート24とシール係合しており、このスカートは、バイアル本体12の外部に沿って延びている。
バルブフェルール14は、計量投与バルブアセンブリー40を含んでなる。このバルブアセンブリーは、バルブステム42及びダイヤフラム44を含んでなる。バルブフェルールは、フェルール開口46を形成している壁を備えており、ダイヤフラムは、ダイヤフラム開口48を形成する壁を備えている。バルブステムは、ダイヤフラム開口を通過し、それと慴動シール係合している。また、ダイヤフラムは、バルブフェルール14とシール係合している。ダイヤフラムの寸法は、当業者により容易に選択できる。
バルブステム42は、ダイヤフラム開口48と慴動係合している。らせんバネ50は、第1図に示したように、延びている閉鎖位置にバルブステムを保持している。バルブステム42は、バルブステムにおける出口チャンバー54と連通しているオリフィス52を形成している壁を備えている。また、バルブステムは、流路56を形成している壁も備えている。
説明した実施態様において、バイアル本体12は、配合物チャンネル60を形成している。説明した実施態様は、タンクシール開口64を形成している壁を備えているタンクシール62と、入口端68と入口開口70と出口端72とを備えている計量タンク66を備えている。また、計量タンクは、所定容積(例えば、50μL)の計量チャンバー74を形成している壁を備えている。計量タンク66の出口端72は、ダイヤフラム44とシール係合しておリ、バルブステム42は入口開口70を通過し且つタンクシール62と慴動係合している。
エアゾール缶10は、バルブフェルール14に固定され且つ保持チャンバー78と開口80を形成している壁を備えている任意の保持キャップ76をさらに含んでなる。
缶10の操作を、第1図及び第2図示す。第1図において、装置は、延長閉鎖位置にある。開口80により、保持チャンバー78と配合物チャンバー60との間が開放連通され、エアゾール配合物82が保持チャンバーに入る。流路56により、保持チャンバーと計量チャンバー74との間が開放連通され、所定量のエアゾール配合物が入口開口70を通って計量チャンバーに入ることができる。ダイヤフラム44は、計量タンクの出口端72をシールする。
第2図は、圧縮された開放位置にある缶10を示す。バルブステム42が押し下げられるにつれて、入口開口70とタンクシール開口64が実質的にシールされ、したがって、計量チャンバー74内の計量投与配合物を隔離するように流路56がタンクシール62に対して移動する。バルブステムをさらに押し下げると、オリフィス52がフェルール開口46を通過し、計量チャンバーに入るとすぐに、計量投与量が周囲圧に暴露される。噴射剤が迅速に蒸発することにより、計量投与量がオリフィスを強制通過し出口チャンバー54に入る。缶10は、一般的に得られたエアゾールを患者が吸入しやすくするアクチュエータと組み合わせて使用される。
第3図〜第5図では、計量投与量バルブアセンブリーに関するバルブフェルールの構成部品は、実質的に第1図及び第2図に関連して上記したとおりである。
第3図において、バイアル本体112とバルブフェルール114は、バルブフェルール上のガスケット表面118及びバイアル本体112の環状リム120とシール係合している第一シール116によりチャンバー160にシールされてチャンバー160を形成している。第二シール122は、チャンバー160からさらに離れ、且つバイアル本体112の内部の比較的チャンバー160から離れた領域とシール係合している。また、第二シール122は、バイアル本体112の内部に沿って延びているスカート124とシール係合している。
第4図において、バイアル本体212とバルブフェルール214は、バルブフェルール上のガスケット表面218及びバイアル本体212の相対的チャンバー260の近くの領域とシール係合している第一シール216よりシールされてチャンバー260を形成している。第二シール222は、チャンバー260から相対的に離れ、且つバイアル本体に212の内部とシール係合している。また、第二シール222は、バイアル本体212の内部に沿って延びているスカート224とシール係合している。
第5図において、バイアル本体312とバルブフェルール314は、バルブフェルールのガスケット表面318及びバイアル本体312の相対的にチャンバー360の近くの領域とシール係合している第一シール316によりシールされてチャンバー360を形成している。第二シール322は、チャンバー360から相対的に離され、且つバイアル本体312のラジアルスカート320とシール係合している。また、第二シール322は、バルブフェルールの相補形ラジアルスカート324とシール係合している。
第6図は、実質的に第1図及び第2図に示したようであるが、例えば、第1図及び第2図に示した任意の保持キャップ76に相当する要素を有しないフェルール414を備えた本発明の別の実施態様を示している。フェルール414は、バイアル本体412の外部に沿って延びている一般的に円筒状のスカート424を備えている。第一シール416は、ワッシャー形状溶液ガスケットであり、ガスケット表面418及びバイアル本体412の環状リム420とシール結合している。また、第一シール416は、計量タンク466の外部465を包囲し且つそれとシール係合して、フェルールの内部表面が配合物と接触しないようにしている。第二シール、Oリング422は、実質的に第1図及び第2図に関連して上記したとおりである。
本発明の特に好ましい装置は、実質的に第1図及び第2図に記載し説明したとおりの計量投与装置である。他の特定の構成、計量投与等は当該技術分野において周知であり、本発明の二重シール組み合わせ体とともに使用するのに適当である。
医薬エアゾール配合物は、一般的に薬剤、噴射剤並びにいずれかの必要な補助薬及び賦形剤(例えば、EP−A−372,777(Purewal等;引用することにより本明細書の開示の一部とされる)に開示されているような補助溶剤、界面活性剤等)を含有している。個々の配合成分及びシール材料によっては、シール材料は、配合成分に対して不安定(例えば、反応性又は過度に膨潤性)であることがある。したがって、第一及び第二シールを、第一シールが第二シールが不安定である配合成分に対して効果的なバリヤーを提供するように選択することが好ましい。
医薬エアゾール配合物(又はプラセボ配合物)を、実質的に第1図及び第2図に示すようなエアゾール缶であって、フェルールガスケットがFlexomer(商標)DFDB1085ポリオレフィン又は上記で列挙したような別の熱可塑性エラストマーを含んでなり、Oリングがニトリルゴム又はシール材料として使用するのに公知の別の熱硬化性エラストマーを含んでなるエアゾール缶に入れると、漏洩量は、同様な缶であるがOリングがない缶の漏洩量と比較して実質的に減少する。このシール構成は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227)などのヒドロフルオロカーボン噴射剤及びエタノールなどの極性補助溶剤を含む医薬エアゾール配合物との関連で使用する時に漏洩量を減少させるのに特に役立つ。
以下の実施例において、フェルールガスケットは全てFLEXOMER(商標)DFDA1085ポリオレフィン(Union Carbide)から作製し、Oリング(ブナ−N、ニトリルゴム)はカリフォルニア州アービンにあるParker Seal Groupから入手し、そして懸濁エアゾール配合物は超微粉砕アルブテロールスルフェート0.385%と、オレイン酸0.029%と、エタノール14.440%及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン85.146%(全ての%は、配合物の総重量に対する重量基準である)から構成されていた。
全てのバイアルをシールした後、直立位置で2週間の保証期間周囲条件で保存し、その後初期重量を測定し、次に初期重量を測定してから1週間後、3週間後及び6週間後に再びバイアルの重量を測定した。次に、経時的質量損失を一年に外挿し、mg/年で表した。
実施例1
15mLアルミニウムエアゾールバイアル30個各々に、上記懸濁配合物7.6gを常温で充填した。次に、全てのバイアルに、適当なクリンプセッティングを用いて、ニトリルゴム製ダイヤフラム(DB−218、イリノイ州シカゴにあるAmerican Gasket and Rubber製)を備えた25μLバルブを嵌合した。バイアルのうちの10個(ロットA)を、実質的に第1図及び第2図に示したようなガスケットシールフェルールと、フェルールガスケット(Oリングを使用しない)とを用いてシールした。バイアルのうちの10個(ロットB)を、溶液フェルール(Oリングのみによりエアゾール缶に対してシールするように構成及び配置されたフェルール)とOリングとを用いてシールした。バイアルのうち10個(ロットC)を、ガスケットシールフェルール(実質的に第1図及び第2図に示したようなもの)と、フェルールガスケットと、Oリングとを用いてシールした。これらの3ロットに関する漏洩量データを、表1に示す。
表 1
ロット シール 時間(週) 漏洩量(mg/年)
A フェルール 1 229±9
ガスケット 3 222±10
6 235±10
B Oリング 1 217±16
3 243±11
6 271±13
C 両方 1 133±8
3 120±8
6 136±8
実施例2
15mLアルミニウムエアゾールバイアル30個各々に、上記懸濁エアゾール配合物7.6gを常温で充填した。次に、全てのバイアルに、FLEXOMER(商標)GERS1085ポリオレフィン(Union Carbide製)製ダイヤフラムを備えた25μLバルブを嵌合した。バイアルのうちの10個(ロットD)を、(実質的に第1図及び第2図に示したような)ガスケットシールフェルールと、フェルールガスケット(Oリングを使用しない)とを用いてシールした。バイアルのうちの10個(ロットE)を、溶液フェルールとOリングとを用いてシールした。バイアルのうち10個(ロットF)を、ガスケットシールフェルール(実質的に第1図及び第2図に示したようなもの)と、フェルールガスケットと、Oリングとを用いてシールした。これらの3ロットに関する漏洩量データを、表2示す。
表 2
ロット シール 時間(週) 漏洩量(mg/年)
D フェルール 1 132±8
ガスケット 3 120±11
6 135±10
E Oリング 1 112±12
3 128±9
6 157±10
F 両方 1 71±45
3 67±65
6 88±72
実施例3
15mLアルミニウムエアゾールバイアル30個各々に、上記懸濁エアゾール配合物7.6gを常温で充填した。バイアルのうちの10個(ロットG)を、ブラインドガスケットフェルール(実質的に第1図及び第2図に示したようなものであるが、関連バルブアセンブリー40又はフェルール開口46を備えていない)と、フェルールガスケット(Oリングを使用しない)とを用いてシールした。バイアルのうちの10個(ロットH)を、ブラインド溶液フェルールとOリングとを用いてシールした。バイアルのうち10個(ロットI)を、ブラインドガスケットフェルールと、フェルールガスケットと、Oリングとを用いてシールした。30個のバイアル全てに関して、計量タンクを、フェルールをバイアルにクリンプする前にフェルールにクリンプした。これらの3ロットに関する漏洩量データを、表3示す。
表 3
ロット シール 時間(週) 漏洩量(mg/年)
G フェルール 1 132±10
ガスケット 3 130±9
6 141±9
H Oリング 1 135±8
3 170±7
6 201±8
I 両方 1 5±5
3 −2±2
6 10±2
表1〜3の結果から明らかなように、フェルールガスケットとOリングを含む本発明の例示したエアゾール缶(ロットC、F及びI)は、単一シールしかない比較例よりも漏洩量が低い。Oリングが一つのみである缶(ロットB、E及びH)は、Oリングシールに対するエタノールの影響と思われる経時的な漏洩量の増加を示す。
Claims (8)
- バイアル本体と、第一シールと、第二シー ルと、バルブフェルールとを含んでなる、医薬エアゾー ル配合物を入れるためのエアゾール缶であって、前記バ イアル本体がバイアル開口部を形成している壁を備えて おり、前記バルブフェルールがバイアル開口部を閉じ、 前記バイアル本体と前記第一シールと前記バルブフェル ールがチャンバーを形成し、前記バルブフェルールおよ びバイアル本体が前記第一シールおよび第二シールの各 々と対向シール係合しておリ、前記第一シールよりも前 記第二シールが不安定な1種以上の医薬エアゾール配合 成分に対するバリヤーを前記第一シールが提供すること を特徴とするエアゾール缶。
- 前記第一シールが、エチレン80〜95%と、 1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる 群から選ばれる1種以上のコモノマー合計5〜20%の共 重合体を含んでなる熱可塑性エラストマーを含んでなる 請求項1記載のエアゾール缶。
- 前記第一シールがさらにタルクを含んでな る請求項2記載のエアゾール缶。
- 前記第一シールがスチレン−エチレン/ブ チレン−スチレンコポリマーを含んでなる請求項1記載 のエアゾール缶。
- 前記第二シールがブナゴム、ネオプレン、 ブチルゴムまたはニトリルゴムを含んでなる請求項1記 載のエアゾール缶。
- 前記医薬エアゾール配合物がさらにエタノ ールを含んでなる請求項1記載のエアゾール缶。
- 前記バルブフェルールが前記バイアル本体 の外壁に沿って延びるフランジを含み、前記バイアル本 体と前記フランジが前記第二シール部材と対向シール係 合している請求項1記載のエアゾール缶。
- 前記バルブフェルールが、前記バイアル本 体の外部もしくは内部に沿って延びているかまたは相補 型ラジアルスカートに沿って延びている円筒状のスカー トを含んでなる請求項1記載のエアゾール缶。
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