JP3587886B2 - 電動射出成形機の可塑化移動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電動射出成形機の可塑化移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動モータを駆動源とする電動射出成形機の可塑化移動装置においては、駆動部が固定プラテンの下部に固定され、該駆動部を駆動することによってボールねじ機構を介して射出装置を移動させる構造を有する。
図2は従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【0003】
図において、11は射出装置であり、該射出装置11はキャリッジ12に固定され、該キャリッジ12を介してスライドベース13の上を前後に摺動(しゅうどう)するようになっている。また、14は加熱シリンダ、15は該加熱シリンダ14の先端に配設された射出ノズル、16は固定プラテン、17は該固定プラテン16と対向させて配設された可動プラテンである。
【0004】
前記固定プラテン16には固定金型19が、可動プラテン17には可動金型20が取り付けられ、両者間に図示しないキャビティが形成される。そして、前記射出ノズル15から射出された樹脂は前記キャビティに充填(じゅうてん)され、冷却されて成形品になる。
前記キャリッジ12にはスプリングボックス22が固定され、該スプリングボックス22内にスプリング受け24が摺動自在に配設されるとともに、該スプリング受け24の前方 (図における左方) にスプリング25が配設される。そして、前記スプリング受け24には軸26が固定され、前記スプリング25内を通り、前記スプリングボックス22を貫通し、更に前方に延びて射出装置11から突出させられる。
【0005】
また、前記軸26の先端にはボールねじ28が配設され、該ボールねじ28とナット29とが螺合(らごう)する。そして、該ナット29の外周には歯車30が形成され、該歯車30とブレーキ付きのサーボモータMによって駆動される歯車31とが噛合(しごう)させられる。なお、前記サーボモータMは図示しない射出成形機フレームに固定される。
【0006】
前記構成の電動射出成形機の可塑化移動装置において、サーボモータMを正方向に駆動すると歯車31、30及びナット29が回転し、ボールねじ28及び軸26が前方(図における左方)に移動し、スプリング受け24を介してスプリング25を圧縮する。その結果、キャリッジ12及び該キャリッジ12に固定された射出装置11は圧縮されたスプリング25の力によってスライドベース13の上を前方(図における左方)に移動し、射出ノズル15を固定金型19の図示しないスプルーブシュに接触させ、押し付ける。
【0007】
一方、前記射出ノズル15を固定金型19から後退させる場合には、サーボモータMが逆方向に駆動される。この場合、歯車31、30及びナット29が回転し、ボールねじ28及び軸26が後方(図における右方)に移動し、キャリッジ12及び該キャリッジ12に固定された射出装置11は、スプリング受け24を介して、軸26によって後方 (図における右方) に押圧される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、歯車30、31における減速比が固定されるので、射出装置11を高速で移動させようとすると大きなタッチ力を発生させることができず、大きなタッチ力を発生させようとすると射出装置11を高速で移動させることができない。
【0009】
したがって、油圧式射出成形機の可塑化移動装置のような移動速度、ノズルタッチ力を得ることができるようにするためには、サーボモータMの容量を大きくする必要があり、コストが高くなってしまう。
また、ノズルタッチ力を保持するためには、サーボモータMにブレーキ機能を持たせる必要がある。
【0010】
本発明は、前記従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の問題点を解決して、サーボモータの容量を大きくすることなく、射出装置を高速で移動させ、大きくしかも適正なノズルタッチ力によって射出ノズルをスプルーブシュに押し付けることができ、また、ノズルタッチ力を保持するためにサーボモータにブレーキ機能を持たせる必要がない電動射出成形機の可塑化移動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0012】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
【0013】
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。
【0014】
【作用】
本発明によれば、前記のように電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0015】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
したがって、射出装置を移動させる場合、モータを正方向又は逆方向に駆動すると、減速機によって減速された回転が前記運動方向変換装置に伝達され、回転運動が直線運動に変換される。その結果、射出装置は前進又は後退する。
【0016】
また、射出ノズルがスプルーブシュに接触して前記モータの負荷が大きくなると、該モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比が変更される。
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。この場合、モータが停止させられると、減速機の出力軸がロックされる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の要部拡大図、図3は本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図、図4は本発明の実施例における無段変速機の概念図、図5は本発明の実施例における無段変速機の定出力特性図である。なお、図1は図3のX−X断面図であり、また、図5において、横軸に速度比を、縦軸にトルク比を採ってある。
【0018】
図において、11は射出装置であり、該射出装置11はキャリッジ12に固定され、該キャリッジ12を介してスライドベース13の上を前後に摺動するようになっている。また、14は加熱シリンダ、15は該加熱シリンダ14の先端に配設された射出ノズル、16は固定プラテン、17は該固定プラテン16と対向させて配設された可動プラテンである。
【0019】
前記固定プラテン16には固定金型19が、可動プラテン17には可動金型20が取り付けられ、両者間に図示しないキャビティが形成される。そして、前記射出ノズル15から射出された樹脂は前記キャビティに充填され、冷却されて成形品になる。
前記キャリッジ12にはスプリングボックス52が固定され、該スプリングボックス52内にスプリング受け54が進退自在に配設されるとともに、該スプリング受け54の前方 (図1における左方) にスプリング55が配設される。そして、前記スプリング受け54にはナット56が固定され、該ナット56とボールねじ58とが螺合する。前記ナット56及びボールねじ58は、サーボモータ67の回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置を構成する。
【0020】
そして、前記ボールねじ58は前記スプリング55内を前方(図3における左方)に延び、前記スプリングボックス52を貫通し、更に前方に延びて射出装置11から突出させられ、先端は固定プラテン16に固定される。また、前記ボールねじ58は後端側における設定距離、すなわち、射出装置11のストローク分だけスプライン61が形成される。
【0021】
ところで、前記射出装置11のスライドプレート66にサーボモータ67が固定され、該サーボモータ67の回転を減速して前記ボールねじ58に伝達することができるようになっている。そのために、前記サーボモータ67にリングコーン型の減速機68が接続され、該減速機68によって減速された回転は、プーリ69、タイミングベルト70及びプーリ71を介してスプラインナット73に伝達される。
【0022】
該スプラインナット73と前記スプライン61とはスプライン係合されているので、スプラインナット73の回転に伴ってボールねじ58が回転させられる。そして、前記射出ノズル15が図示しないスプルーブシュに接触したことを検出するために、連接棒73が配設される。該連接棒73は、一端が前記スプリング受け54に固定され、スプリング受け54から後方 (図1における右方) に延びるとともに、他端にリング位置スライドバー76が固定される。また、前記連接棒73上の設定位置には位置検出用の突片74が配設され、一方、前記スライドプレート66には近接スイッチ75が配設される。したがって、該近接スイッチ75によってノズルタッチを検出することができる。
【0023】
次に、前記減速機68について説明する。
図4に示すように、入力軸81に入力円板82が、出力軸83に自動調圧カム84を介して出力円板85が固定され、前記入力円板82と出力円板85との間に速度比変更手段としてのコーン87が配設される。該コーン87はコーンリテーナ86に回転自在に支持され、傘部87a、該傘部87aの下方に配設された胴部87b、及び該胴部87bの更に下方に配設された軸87cから成る。そして、前記入力円板82の周縁部が胴部87bに接触させられ、出力円板85の周縁部が傘部87aの周縁裏側に接触させられ、リング88が傘部87aの表面に接触させられる。
【0024】
前記構成の減速機68の特性は図5に示すとおりであり、速度比を小さくするほどトルク比は大きくなり、速度比を大きくするほどトルク比は小さくなる。
そして、前記入力軸81にサーボモータ67を連結し、出力軸83にプーリ69を連結するとともに、前記リング88をスライドバー76に連結するとともに、前記リング88を傘部87aの表面上において移動させることによって、出力軸83の回転数を高くしたり低くしたりすることができる。
【0025】
前記構成の電動射出成形機の可塑化移動装置において、射出装置11を前進させる場合、サーボモータ67を正方向に駆動すると、減速機68によって減速された回転がプーリ69、タイミングベルト70、プーリ71及びスプラインナット73を介してボールねじ58に伝達される。その結果、ナット56が前進し、スプリング受け54及びスプリング55を介してキャリッジ12を前進させ、該キャリッジ12に固定された射出装置11はスライドベース13の上を前進し、射出ノズル15を固定金型19の前記スプルーブシュに接触させ、押し付ける。
【0026】
この時、前記スプリング55は伸びた状態にあり、前記リング88は連接棒73及びスライドバー76によって押されて高速側位置 (図1における右方位置) にある。したがって、射出装置11を高速で移動させることができる。
次に、射出ノズル15が前記スプルーブシュに接触すると、ナット56及びスプリング受け54が前方(図1における左方)に移動するのに対して、射出装置11は停止させられる。したがって、前記スプリング55を撓(たわ)ませ、ナット56及びスプリング受け54が前方に移動すると、前記リング88は低速側位置 (図1における左方位置) に移動する。この場合、スプリング55の撓み量に対応して射出装置11の速度は低速になり、トルクすなわちノズルタッチ力がその分大きくなる。
【0027】
そして、スプリング55が設定値以上撓むと、突片74が近接スイッチ75に接近して近接スイッチ75をオンにし、サーボモータ67を停止させる。この場合、前記減速機68はセルフロック機能を有するので、出力軸83はロックされる。したがって、サーボモータ67を停止させた後においてもノズルタッチ力を保持することができる。
【0028】
一方、前記射出ノズル15を後退させる場合、サーボモータ67を逆方向に駆動すると、減速機68によって減速された回転がプーリ69、タイミングベルト70、プーリ71及びスプラインナット73を介してボールねじ58に伝達される。その結果、ナット56が後退し、スプリング受け54及びスプリング55を介してキャリッジ12を後退させ、該キャリッジ12に固定された射出装置11はスライドベース13の上を後退し、射出ノズル15をスプルーブシュから離す。
【0029】
この時、前記スプリング55は伸びた状態にあり、前記リング88は連接棒73及びスライドバー76によって押されて高速側位置 (図1における右方位置) にある。したがって、射出装置11を高速で移動させることができる。
このように、射出装置11を進退させる場合、すなわち、低負荷時はボールねじ58を高速・低トルクで回転させることができ、ノズルタッチ時、すなわち、高負荷時はボールねじ58を低速・高トルクで回転させることができるので、サーボモータ67の容量を小さくすることができるだけでなく、射出成形のサイクル時間を短くすることができる。
【0030】
また、減速機68のセルフロック機能によって出力軸83をロックすることができるので、サーボモータ67にブレーキ機能を持たせる必要がない。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0032】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
前記射出装置を移動させる場合、モータを正方向又は逆方向に駆動すると、減速機によって減速された回転が前記運動方向変換装置に伝達され、回転運動が直線運動に変換される。その結果、射出装置は前進又は後退する。
【0033】
また、射出ノズルがスプルーブシュに接触して前記モータの負荷が大きくなると、該モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比が変更される。
したがって、射出装置を高速で移動させることができ、ノズルタッチ力を大きくすることができるので、モータの容量を小さくすることができるだけでなく、射出成形のサイクル時間を短くすることができる。
【0034】
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。この場合、モータが停止させられると、減速機の出力軸がロックされる。したがって、モータにブレーキ機能を持たせる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の要部拡大図である。
【図2】従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【図3】本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【図4】本発明の実施例における無段変速機の概念図である。
【図5】本発明の実施例における無段変速機の定出力特性図である。
【符号の説明】
11 射出装置
16 固定プラテン
17 可動プラテン
19 固定金型
56 ナット
58 ボールねじ
67 サーボモータ
68 減速機
【産業上の利用分野】
本発明は、電動射出成形機の可塑化移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電動モータを駆動源とする電動射出成形機の可塑化移動装置においては、駆動部が固定プラテンの下部に固定され、該駆動部を駆動することによってボールねじ機構を介して射出装置を移動させる構造を有する。
図2は従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【0003】
図において、11は射出装置であり、該射出装置11はキャリッジ12に固定され、該キャリッジ12を介してスライドベース13の上を前後に摺動(しゅうどう)するようになっている。また、14は加熱シリンダ、15は該加熱シリンダ14の先端に配設された射出ノズル、16は固定プラテン、17は該固定プラテン16と対向させて配設された可動プラテンである。
【0004】
前記固定プラテン16には固定金型19が、可動プラテン17には可動金型20が取り付けられ、両者間に図示しないキャビティが形成される。そして、前記射出ノズル15から射出された樹脂は前記キャビティに充填(じゅうてん)され、冷却されて成形品になる。
前記キャリッジ12にはスプリングボックス22が固定され、該スプリングボックス22内にスプリング受け24が摺動自在に配設されるとともに、該スプリング受け24の前方 (図における左方) にスプリング25が配設される。そして、前記スプリング受け24には軸26が固定され、前記スプリング25内を通り、前記スプリングボックス22を貫通し、更に前方に延びて射出装置11から突出させられる。
【0005】
また、前記軸26の先端にはボールねじ28が配設され、該ボールねじ28とナット29とが螺合(らごう)する。そして、該ナット29の外周には歯車30が形成され、該歯車30とブレーキ付きのサーボモータMによって駆動される歯車31とが噛合(しごう)させられる。なお、前記サーボモータMは図示しない射出成形機フレームに固定される。
【0006】
前記構成の電動射出成形機の可塑化移動装置において、サーボモータMを正方向に駆動すると歯車31、30及びナット29が回転し、ボールねじ28及び軸26が前方(図における左方)に移動し、スプリング受け24を介してスプリング25を圧縮する。その結果、キャリッジ12及び該キャリッジ12に固定された射出装置11は圧縮されたスプリング25の力によってスライドベース13の上を前方(図における左方)に移動し、射出ノズル15を固定金型19の図示しないスプルーブシュに接触させ、押し付ける。
【0007】
一方、前記射出ノズル15を固定金型19から後退させる場合には、サーボモータMが逆方向に駆動される。この場合、歯車31、30及びナット29が回転し、ボールねじ28及び軸26が後方(図における右方)に移動し、キャリッジ12及び該キャリッジ12に固定された射出装置11は、スプリング受け24を介して、軸26によって後方 (図における右方) に押圧される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、歯車30、31における減速比が固定されるので、射出装置11を高速で移動させようとすると大きなタッチ力を発生させることができず、大きなタッチ力を発生させようとすると射出装置11を高速で移動させることができない。
【0009】
したがって、油圧式射出成形機の可塑化移動装置のような移動速度、ノズルタッチ力を得ることができるようにするためには、サーボモータMの容量を大きくする必要があり、コストが高くなってしまう。
また、ノズルタッチ力を保持するためには、サーボモータMにブレーキ機能を持たせる必要がある。
【0010】
本発明は、前記従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の問題点を解決して、サーボモータの容量を大きくすることなく、射出装置を高速で移動させ、大きくしかも適正なノズルタッチ力によって射出ノズルをスプルーブシュに押し付けることができ、また、ノズルタッチ力を保持するためにサーボモータにブレーキ機能を持たせる必要がない電動射出成形機の可塑化移動装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0012】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
【0013】
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。
【0014】
【作用】
本発明によれば、前記のように電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0015】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
したがって、射出装置を移動させる場合、モータを正方向又は逆方向に駆動すると、減速機によって減速された回転が前記運動方向変換装置に伝達され、回転運動が直線運動に変換される。その結果、射出装置は前進又は後退する。
【0016】
また、射出ノズルがスプルーブシュに接触して前記モータの負荷が大きくなると、該モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比が変更される。
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。この場合、モータが停止させられると、減速機の出力軸がロックされる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の要部拡大図、図3は本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図、図4は本発明の実施例における無段変速機の概念図、図5は本発明の実施例における無段変速機の定出力特性図である。なお、図1は図3のX−X断面図であり、また、図5において、横軸に速度比を、縦軸にトルク比を採ってある。
【0018】
図において、11は射出装置であり、該射出装置11はキャリッジ12に固定され、該キャリッジ12を介してスライドベース13の上を前後に摺動するようになっている。また、14は加熱シリンダ、15は該加熱シリンダ14の先端に配設された射出ノズル、16は固定プラテン、17は該固定プラテン16と対向させて配設された可動プラテンである。
【0019】
前記固定プラテン16には固定金型19が、可動プラテン17には可動金型20が取り付けられ、両者間に図示しないキャビティが形成される。そして、前記射出ノズル15から射出された樹脂は前記キャビティに充填され、冷却されて成形品になる。
前記キャリッジ12にはスプリングボックス52が固定され、該スプリングボックス52内にスプリング受け54が進退自在に配設されるとともに、該スプリング受け54の前方 (図1における左方) にスプリング55が配設される。そして、前記スプリング受け54にはナット56が固定され、該ナット56とボールねじ58とが螺合する。前記ナット56及びボールねじ58は、サーボモータ67の回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置を構成する。
【0020】
そして、前記ボールねじ58は前記スプリング55内を前方(図3における左方)に延び、前記スプリングボックス52を貫通し、更に前方に延びて射出装置11から突出させられ、先端は固定プラテン16に固定される。また、前記ボールねじ58は後端側における設定距離、すなわち、射出装置11のストローク分だけスプライン61が形成される。
【0021】
ところで、前記射出装置11のスライドプレート66にサーボモータ67が固定され、該サーボモータ67の回転を減速して前記ボールねじ58に伝達することができるようになっている。そのために、前記サーボモータ67にリングコーン型の減速機68が接続され、該減速機68によって減速された回転は、プーリ69、タイミングベルト70及びプーリ71を介してスプラインナット73に伝達される。
【0022】
該スプラインナット73と前記スプライン61とはスプライン係合されているので、スプラインナット73の回転に伴ってボールねじ58が回転させられる。そして、前記射出ノズル15が図示しないスプルーブシュに接触したことを検出するために、連接棒73が配設される。該連接棒73は、一端が前記スプリング受け54に固定され、スプリング受け54から後方 (図1における右方) に延びるとともに、他端にリング位置スライドバー76が固定される。また、前記連接棒73上の設定位置には位置検出用の突片74が配設され、一方、前記スライドプレート66には近接スイッチ75が配設される。したがって、該近接スイッチ75によってノズルタッチを検出することができる。
【0023】
次に、前記減速機68について説明する。
図4に示すように、入力軸81に入力円板82が、出力軸83に自動調圧カム84を介して出力円板85が固定され、前記入力円板82と出力円板85との間に速度比変更手段としてのコーン87が配設される。該コーン87はコーンリテーナ86に回転自在に支持され、傘部87a、該傘部87aの下方に配設された胴部87b、及び該胴部87bの更に下方に配設された軸87cから成る。そして、前記入力円板82の周縁部が胴部87bに接触させられ、出力円板85の周縁部が傘部87aの周縁裏側に接触させられ、リング88が傘部87aの表面に接触させられる。
【0024】
前記構成の減速機68の特性は図5に示すとおりであり、速度比を小さくするほどトルク比は大きくなり、速度比を大きくするほどトルク比は小さくなる。
そして、前記入力軸81にサーボモータ67を連結し、出力軸83にプーリ69を連結するとともに、前記リング88をスライドバー76に連結するとともに、前記リング88を傘部87aの表面上において移動させることによって、出力軸83の回転数を高くしたり低くしたりすることができる。
【0025】
前記構成の電動射出成形機の可塑化移動装置において、射出装置11を前進させる場合、サーボモータ67を正方向に駆動すると、減速機68によって減速された回転がプーリ69、タイミングベルト70、プーリ71及びスプラインナット73を介してボールねじ58に伝達される。その結果、ナット56が前進し、スプリング受け54及びスプリング55を介してキャリッジ12を前進させ、該キャリッジ12に固定された射出装置11はスライドベース13の上を前進し、射出ノズル15を固定金型19の前記スプルーブシュに接触させ、押し付ける。
【0026】
この時、前記スプリング55は伸びた状態にあり、前記リング88は連接棒73及びスライドバー76によって押されて高速側位置 (図1における右方位置) にある。したがって、射出装置11を高速で移動させることができる。
次に、射出ノズル15が前記スプルーブシュに接触すると、ナット56及びスプリング受け54が前方(図1における左方)に移動するのに対して、射出装置11は停止させられる。したがって、前記スプリング55を撓(たわ)ませ、ナット56及びスプリング受け54が前方に移動すると、前記リング88は低速側位置 (図1における左方位置) に移動する。この場合、スプリング55の撓み量に対応して射出装置11の速度は低速になり、トルクすなわちノズルタッチ力がその分大きくなる。
【0027】
そして、スプリング55が設定値以上撓むと、突片74が近接スイッチ75に接近して近接スイッチ75をオンにし、サーボモータ67を停止させる。この場合、前記減速機68はセルフロック機能を有するので、出力軸83はロックされる。したがって、サーボモータ67を停止させた後においてもノズルタッチ力を保持することができる。
【0028】
一方、前記射出ノズル15を後退させる場合、サーボモータ67を逆方向に駆動すると、減速機68によって減速された回転がプーリ69、タイミングベルト70、プーリ71及びスプラインナット73を介してボールねじ58に伝達される。その結果、ナット56が後退し、スプリング受け54及びスプリング55を介してキャリッジ12を後退させ、該キャリッジ12に固定された射出装置11はスライドベース13の上を後退し、射出ノズル15をスプルーブシュから離す。
【0029】
この時、前記スプリング55は伸びた状態にあり、前記リング88は連接棒73及びスライドバー76によって押されて高速側位置 (図1における右方位置) にある。したがって、射出装置11を高速で移動させることができる。
このように、射出装置11を進退させる場合、すなわち、低負荷時はボールねじ58を高速・低トルクで回転させることができ、ノズルタッチ時、すなわち、高負荷時はボールねじ58を低速・高トルクで回転させることができるので、サーボモータ67の容量を小さくすることができるだけでなく、射出成形のサイクル時間を短くすることができる。
【0030】
また、減速機68のセルフロック機能によって出力軸83をロックすることができるので、サーボモータ67にブレーキ機能を持たせる必要がない。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電動射出成形機の可塑化移動装置においては、固定金型が取り付けられた固定プラテンと、該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置とを有する。
【0032】
また、該射出装置に固定されたモータと、該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有する。
前記射出装置を移動させる場合、モータを正方向又は逆方向に駆動すると、減速機によって減速された回転が前記運動方向変換装置に伝達され、回転運動が直線運動に変換される。その結果、射出装置は前進又は後退する。
【0033】
また、射出ノズルがスプルーブシュに接触して前記モータの負荷が大きくなると、該モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比が変更される。
したがって、射出装置を高速で移動させることができ、ノズルタッチ力を大きくすることができるので、モータの容量を小さくすることができるだけでなく、射出成形のサイクル時間を短くすることができる。
【0034】
本発明の他の電動射出成形機の可塑化移動装置においては、前記減速機はセルフロック機能を備える。この場合、モータが停止させられると、減速機の出力軸がロックされる。したがって、モータにブレーキ機能を持たせる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の要部拡大図である。
【図2】従来の電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【図3】本発明の実施例における電動射出成形機の可塑化移動装置の概略図である。
【図4】本発明の実施例における無段変速機の概念図である。
【図5】本発明の実施例における無段変速機の定出力特性図である。
【符号の説明】
11 射出装置
16 固定プラテン
17 可動プラテン
19 固定金型
56 ナット
58 ボールねじ
67 サーボモータ
68 減速機
Claims (2)
- (a)固定金型が取り付けられた固定プラテンと、
(b)該固定プラテンと対向させて配設された可動プラテンと、
(c)前記固定プラテンに対して移動自在に配設された射出装置と、
(d)該射出装置に固定されたモータと、
(e)該モータの回転運動を直線運動に変換する運動方向変換装置と、
(f)前記モータの回転を減速して前記運動方向変換装置に伝達する減速機と、(g)前記モータの負荷に対応させて前記減速機の速度比を変更する速度比変更手段とを有することを特徴とする電動射出成形機の可塑化移動装置。 - 前記減速機はセルフロック機能を備えた請求項1に記載の電動射出成形機の可塑化移動装置。
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JP17991994A JP3587886B2 (ja) | 1994-08-01 | 1994-08-01 | 電動射出成形機の可塑化移動装置 |
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JPH0839628A JPH0839628A (ja) | 1996-02-13 |
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- 1994-08-01 JP JP17991994A patent/JP3587886B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0839628A (ja) | 1996-02-13 |
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