JP3587651B2 - 粒子測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、粒子測定装置に関し、特に、血小板の計数を高精度に行う粒子測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、フローサイトメータを利用して、血液中に含まれる赤血球や白血球などの計数・解析が盛んに行われている。
フローサイトメータを用いた粒子測定では、目的の粒子を含む細い試料流に光を照射して、粒子に当たって散乱した前方散乱光の強度と蛍光の強度を計測して、目的の粒子の計数・解析を行う。
【0003】
通常、得られた前方散乱光の強度(FSC)と蛍光の強度(FL)を特徴パラメータとして2次元スキャッタグラムを作成し、このスキャッタグラムを基に種々の解析処理をして赤血球等の粒子が含まれる領域の分画及び粒子の計数が行われる。たとえば、赤血球と血小板はその大きさ、形状が異なっているため、スキャッタグラム上では明確に異なるクラスタとして分離可能である。
【0004】
また、網血小板は、血小板のうち、比較的RNAの含有量の多いものである。網血小板は、再生不良性貧血や急性骨髄性白血病などで、その数が減少することが知られている。したがって網血小板をの計数・解析をすることは、血液疾患の骨髄における血小板造成の指標に有用であると考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、フローサイトメータを用いて作成した2次元スキャッタグラムを用いれば血小板の計数が可能であるが、特徴パラメータを得るための受光素子の感度のばらつき等によっては、精度よく測定できない場合もあった。
また、フローサイトメータで細流化された試料流中の粒子の画像を撮影する測定装置(FIC)によって、2次元スキャッタグラムで求められた血小板の分布集団(クラスタ)の近傍には、血小板とは異なる粒子(分裂赤血球など)が含まれていることがわかった。分裂赤血球とは赤血球がちぎれてできた断片のことである。
すなわち、従来の方法では、分裂赤血球などの非血小板粒子が血小板として計数されていたため、正確な血小板数が算出できなかった。
また、2次元スキャッタグラムの血小板の領域中に分裂白血球(臣核球を含む)が含まれている場合もあり、これは、血小板の誤計数の要因となっていた。
【0006】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、2次元スキャッタグラム上の血小板の領域から非血小板の属する領域を排除して血小板の正確な計数を行うことのできる粒子測定装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、粒子の流れをシース液で取り囲んだ細い試料流に形成するシースフローセルと、前記試料流に光を照射する光照射手段と、照射された粒子から得られる光を検出する検出手段と、検出された光から粒子の特徴パラメータを算出する算出手段と、算出された特徴パラメータの分布図を作成する分布図作成手段と、作成された分布図において血小板が含まれる第1の領域を分画する第1分画手段と、前記第1の領域内において、分裂赤血球が含まれる第2の領域を分画する第2分画手段と、前記第1の領域から前記第2の領域を除いた領域に含まれる粒子の個数を計数する第1計数手段とから構成されることを特徴とする粒子測定装置を提供するものである。
ここで、前記第2分画手段は、作成された分布図上の血小板が含まれる第1の領域内の分布集団の度数分布を求める分布演算手段と、この度数分布の統計学的パラメータに基づいて前記分裂赤血球が含まれる第2の領域を分画する第1分画線を設定する第1分画線描画手段とから構成されるようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
この発明のシースフローセルは、対象粒子を含む試料液をシース液で包んで流すことにより流体力学的効果によって細い試料液の流れを形成させることのできるフローセルであり、これには、従来公知のものを用いることができる。
この発明が対象とする粒子は、血液や尿に含まれる血球や細胞を主としているが、酵母菌や乳酸菌等の微生物等を測定対象としてもよい。血球や細胞の種類を分類するために、細胞内の顆粒や核酸等を特異的な蛍光試薬と反応させ、その蛍光強度を計測するようにすることがある。特に、この発明では、血液中に含まれる血小板の正確な計数を主目的とする。
使用可能な蛍光試薬としては、オーラミンO、アクリジンオレンジ、プロピディウムアイオダイド、エチジウムブロマイド、ヘキスト33342、ピロニンY、ローダミン123などがある。
【0009】
光照射手段には、レーザ、ハロゲンランプ又はタングステンランプのような連続的に光を照射する連続光源を用いることができる。検出手段としては、電気的検出によるもの、光学的検出によるものなどを用いることができる。例えば、光照射手段によって照明された粒子を光学的に検出し粒子の散乱光や蛍光などの光の強度を出力する光検出手段(例えば、フォトダイオード,フォトトランジスタまたはフォトマルチプライヤチューブ)を用いることができる。算出手段は、検出された光から散乱光信号強度,蛍光信号強度,散乱光信号パルス幅,蛍光信号パルス幅などの必要な特徴パラメータを算出する。
【0010】
算出手段、分布図作成手段、第1、第2、第3及び第4分画手段、第1、第2及び第3計数手段、第1及び第2分画線描画手段、及び分布演算手段は、CPU,ROM,RAM,タイマー,I/Oインタフェース等からなるマイクロコンピュータによって構成でき、各手段の機能は、CPUがRAM等に記憶されたプログラムの手順に従って動作することによって実行される。
【0011】
また、分布図作成手段によって作成される分布図は、特徴パラメータの分布状態を表わすものであり、たとえば、縦軸に前方散乱光強度、横軸に蛍光強度を表した2次元スキャッタグラムである。
2次元スキャッタグラム上の各軸の強度は、フォトダイオードの最高感度を255チャンネルとしたときの相対強度(チャンネル)で表わされる。
【0012】
この2次元スキャッタグラムにおいて、分裂赤血球は、第1分画手段で分画された血小板が含まれる第1の領域内であって、血小板の分布集団の近傍、かつ蛍光強度が小さい側に表れることが、特開平8−178826号公報に示すフローサイトメータで撮影した画像によって確かめられている。
【0013】
また、一般に、分裂赤血球は健常人では表れないことが知られているので、健常人の2次元スキャッタグラムを作成し血小板を含む第1の領域を分画し、血小板の分布集団をその度数分布の統計学パラメータに基づいて特定すれば、分裂赤血球の表れる第2の領域が決定できる。
【0014】
また、同様に、分裂白血球も健常人では出現しないことが知られている。出現する場合には、血小板を含む第1の領域の蛍光強度のかなり大きい領域に表れることが、前記したフローサイトメータの画像撮影により確かめられている。
したがって、分裂白血球の表れる領域も、血小板の分布集団の度数分布の統計学パラメータによって決定することが可能である。
【0015】
また、網血小板は、その性質上その内部に含まれる核酸と顆粒量が単一血小板よりも多いことが知られており、このため網血小板は、2次元スキャッタグラム上では、蛍光強度が血小板の分布集団よりも大きい領域に表れることが確かめられている。
この網血小板が含まれる領域も、同様に血小板の分布集団の度数分布の統計学パラメータによって決定することが可能である。
【0016】
この発明の測定装置の一実施例における光学系の部分を図1に示す。この実施例では、散乱光や蛍光を検出するための連続発生レーザ光源21と、粒子画像を撮像するためのパルス光源8との2つの光源を設けている。この2つの光源21,8からの光L1,L2は、シースフローセル5(図1では紙面に直角方向に試料流が流れる)に対して互いに直交するように90°交差させて照射している。
【0017】
また、この実施例では、粒子画像を撮像するためのパルス光は、図2に示すようにシースフローセル5内の試料流に対して、連続発生レーザ光源21の照射位置より(例えば0.5mm程度)下流側に照射するようにしている。このような照射位置をずらすことによって、細胞による散乱光や蛍光に影響されない明瞭な粒子画像を撮像することができる。
【0018】
連続発生レーザ光は、コンデンサレンズ24によって細く絞られてシースフローセル5に導かれた試料流に照射される。この照射領域に粒子が流れてくると、その粒子による散乱光や蛍光が集光レンズ25によって集められ、散乱光はダイクロイックミラー26によって反射され、フォトダイオード27で受光される。緑色,赤色の蛍光は、それぞれダイクロイックミラー28,ミラー29によって反射され、光電子増倍管30,31で受光,増倍される。
【0019】
フォトダイオード27,光電子増倍管30,31によって検出された散乱光強度信号S1および蛍光強度信号S2,S3は、図示していない信号処理装置に渡され、各検出信号パルスの高さ,面積,巾等の情報がA/D変換されたデータとして得られる。たとえば、信号処理装置により、散乱光強度a,信号パルス巾b,緑蛍光強度c,赤蛍光強度dの4つの特徴パラメータが得られる。そして、それらのパラメータを用いて各粒子の種類を実時間で同定する。
【0020】
ビデオカメラによる粒子画像の撮影は、あらかじめ撮像対象として指定された種類の粒子(たとえば血小板)だけを選別して行うようにすることもできる。すなわち、ある粒子の特徴パラメータが、撮像対象としている種類の粒子の特徴パラメータに合致しているかどうかを実時間で比較し、その結果撮像対象としている粒子であると判定されれば、その粒子を撮像するための発光トリガ信号をパルス光源8に対して供給する。
【0021】
パルス光源8は、発光トリガ信号Tsによって一瞬だけ(数十ナメ秒程度)発光するタイプの光源であり、試料流の流速が数m/秒と高速であっても、流れる粒子をブレ無く撮像することができる。パルス光は図2に示すように、光ファイバー22でシースフローセル5へ導かれ、コンデンサレンズ23によって細く絞られて試料流に照射される。光ファイバー22を介して照射することにより、パルス光のコヒーレンシーが落ち、回折縞の少ない粒子画像を撮像することができる。試料流を透過したパルス光は、投影レンズ24によってビデオカメラ10の受光面に結像され、細胞の透過光像が撮像される。ビデオカメラ10からのビデオ信号Vsは画像処理装置11に渡され、ディジタル画像として記憶,保存される。
【0022】
また、画像処理装置では、記憶された粒子画像を解析し、粒子像のエッジ抽出,面積,円相当径,円形度などの画像パラメータが算出される。
なお、この発明では、パルス光源8,ビデオカメラ10,画像処理装置11は、粒子の画像を撮影して、測定された粒子が血小板,分裂赤血球,あるいは分裂白血球であるかどうかを確認するために用いられる付随的な装置であり、2次元スキャッタグラムの作成や各粒子領域の分画処理に直接寄与するものではない。
【0023】
散乱光強度や蛍光強度等の特徴パラメータa〜dのパラメータが組合せられ、2次元スキャッタグラムの作成,表示が行われ、さらに所定の粒子の分画,粒子数の算出が行われる。
以上が、この発明の粒子測定装置の構成の概要である。
【0024】
次に、この発明において、スキャッタグラム上での各粒子領域の分画,及び血小板等の個数を計数する実施例について述べる。
図3に、この発明の血小板及び網血小板数の計数のフローチャートを示す。
主として、次のS1からS4までの4つの処理からなる。
【0025】
前処理S1:
全血試料200μLが、この発明の測定装置内に吸引され、そのうちの10μLがこの測定に使用される。
測定に使用される試料は、直ちに40μLの2.6%オーラミンO溶液(95.9% エチレングリコール)と、1950μLの希釈液(バッファ)と混合される。この混合によって、血小板は非常に短い時間内に蛍光染色される。
【0026】
検出処理S2:
前処理にて混合された試料液2.8μLは、シースフローセルにおいて、488nmのアルゴンイオンレーザ光線が照射される。
試料液中の各粒子で散乱されたレーザ光は、フォトダイオードとフォトマルチプライヤにおいて、光電変化され、前方散乱光強度(FSC:Forward Scatter Intensity)と前方蛍光強度(FL:Fluorescence Intensity)とが測定される。
光電変換された電気信号は、ピータ値においてサンプルホールドされ、さらにA/D変換されて、特徴パラメータとして信号処理装置に与えられる。
【0027】
解析処理S3:
前方蛍光強度FLをX軸に、前方散乱光強度FSCをY軸にとった2次元スキャッタグラムを作成し、2次元スキャッタグラム上において前記検出処理で測定された特徴パラメータをもとに、粒子集団の分画、血小板の計数等が行われる。
この解析処理の詳細については後述する。
【0028】
出力処理S4:
解析処理S3で算出された血小板の計数の結果や2次元スキャッタグラムを、表示装置あるいは印刷装置に出力する。
以上が、この発明のフローチャートであるが、4つの処理(S1からS4)が、各検体ごとに繰り返され、各検体ごとに血小板の計数等が行われる。これらの4つの処理は、信号処理装置内のマイクロコンピュータによって実現できる。
【0029】
図4に、解析処理S3のフローチャートを示す。
信号処理装置において、検出処理S2で求められた各粒子の特徴パラメータを用いて、前方蛍光強度FLをX軸、前方散乱光強度FSCをY軸としたスキャッタグラムをRAM上に展開して作成する(ステップS5)。
図5に、スキャッタグラムの一実施例を示す。
縦軸(Y軸)の前方散乱光強度は、粒子のサイズに対応したものである。
また、横軸(X軸)の前方蛍光強度は、RNA含有量に対応したものである。
【0030】
ステップS6において、スキャッタグラムを赤血球領域と血小板領域の2つに分画する。ここで、分画する方法としては、特願平1−308964号公報に記載された「二次元分布分画方法」を用いることがてきる。
この方法によれば、図5に示すように、スキャッタグラムの左上に存在する赤血球領域と下方部分に存在する血小板領域を分画する分画線を引くことができる。図5において、曲線Eが分画線である。
【0031】
ステップS7において、血小板領域の分布角度を算出する。
ここで分布角度とは、粒子の分布集団の重心とスキャッタグラムの原点を結んだ直線(図5における直線A)の傾き(tanθ)である。
血小板の分布集団の重心は、血小板領域内に存在する各粒子の散乱光強度(FSC)と蛍光強度(FL)のそれぞれの平均値から求められる。
【0032】
ステップS8において、分裂赤血球用の分画線を決定する。
分裂赤血球のない健常人の血液では、血小板の分布集団は、その重心と原点を結んだ直線の直角方向に投影した度数分布において、平均値−標準偏差×3(AV−3SD)におさまると統計学的に推定できる。
また、分裂赤血球は、このAV−3SDをこえる部分に存在することが撮影画像により確認されている。
【0033】
そこで、血小板の分布集団の重心と原点を結んだ直線と平行で、AV−3SDに相当する位置の直線を分裂赤血球用の分画線と決定する。
具体的には、蛍光強度を示すX軸上の−23チャネルを通る傾きtanθの直線を求め、これを分画線とする。図5において、直線Bが、分裂赤血球用の分画線である。
図5では、血小板領域内で、直線Bの左側に位置する領域に属する粒子が分裂赤血球(Frag)とみなされる。この分裂赤血球が存在する領域をFrag領域と呼ぶ。
【0034】
ステップS9において、分裂白血球用の分画線を決定する。
分裂白血球も健常人では出現せず、特定の疾患の検体でのみ出現することが知られている。このような検体を測定し、粒子画像を撮影した場合、蛍光強度を示すX軸上の164チャネルを超える領域に分裂白血球が表れることが確認されている。
【0035】
そこで、X軸上の164チャネルを通る傾きtanθの直線を求め、これを分裂白血球の分画線とする。
図5において、直線Cがこの分画線であり、血小板領域内で、直線Cの右側に位置する領域に属する粒子が分裂白血球(Other)とみなされる。この分裂白血球が存在する領域をOther領域と呼ぶ。
【0036】
ステップS6、ステップS8及びステップS9によって求められた血小板領域と、分画線B,Cによって、高純度の血小板が含まれる領域が特定される。
すなわち、血小板領域内に含まれる粒子のうち、Frag領域の粒子とOther領域の粒子を取り除いたものが、高純度の血小板であると決定できる。
【0037】
次に、ステップS10において、網血小板用の分画線を決定する。
網血小板は、蛍光強度が通常の単一血小板よりも大きい値を示すことが知られており、ここでは、前記した度数分布の平均値+標準偏差×2(AV+2SD)に相当する位置の直線を網血小板用の分画線と定義する。
【0038】
具体的には、スキャッタグラムのX軸上の20チャネルを通る傾きtanθの直線を分画線とし、この直線の右側に位置する血小板を網血小板と判断する。
図5において、直線Dがこの分画線であり、血小板領域内で、直線Dと直線Cとで囲まれた領域に属する粒子が網血小板(RP)とみなされる。この網血小板が存在する領域をRP領域と呼ぶ。
以上のようにして、スキャッタグラム上の粒子は、Frag領域,RP領域,Other領域と血小板の分布集団の領域とに分画される。
【0039】
図6に、分裂赤血球が出現している検体のスキャッタグラムの一実施例を示す。
図6(a)は、赤血球領域と血小板領域とを分画したスキャッタグラムを示しており、図6(b)は、図6(a)からFrag領域を除去した後のスキャッタグラムを示している。血小板領域内で直線BとCとで囲まれた領域が高純度の血小板領域である。
【0040】
次に、ステップS11において、各領域内の粒子の計数を行う。
粒子の計数は、RAM上に展開されたスキャッタグラム上のドット数を、CPUが領域ごとにカウントすることによって行われる。
ここで、Frag領域,RP領域及びOther領域のドット数の計数値を、それぞれ$Frag,$RP及び$Otherと呼ぶ。
【0041】
ステップS12において、上記の計数値と、血小板領域の総ドット数($PLT)とから、それぞれの領域内の粒子数の、血小板領域の全粒子数に対する比率が、次式により求められる。
Frag% =$Frag /$PLT×100 ……(1)
RP% =$RP /$PLT×100 ……(2)
Other%=$Other/$PLT×100 ……(3)
ここで、Frag%は分裂赤血球の全血小板数に対する比率、RP%は網血小板の全血小板数に対する比率、Other%は分裂白血球の全血小板数に対する比率を表わす。
【0042】
また、全血における血小板濃度PLT#(個数/μL)は、分析された試料容積と希釈倍率を用いて、次式により算出される。
PLT#=$PLT÷分析試料容積(μL)÷希釈倍率 ……(4)
さらに、全血における分裂赤血球濃度(Frag#)、網血小板濃度(RP#)及び分裂白血球濃度(Other#)が、次式により算出される。
Frag# =PLT#× Frag%÷100 ……(5)
RP# =PLT#× RP% ÷100 ……(6)
Other#=PLT#×Other%÷100 ……(7)
また、分裂赤血球及び分裂白血球を除いた高純度の血小板の個数(P−PLT#)は、次式によって求められる。
P−PLT#=PLT#−Frag#−Other# ……(8)
【0043】
図6に示した検体について、この発明の解析処理を行って求めた各計数値を以下に示す。
$PLT =1059(ドット)
#PLT =195×10(個/μL)
RP% =0.27(%)
Frag% =0.5(%)
Other%=0.0(%)
RP# =0.53×10(個/μL)
Frag# =0.98×10(個/μL)
Other#=0.0(個/μL)
P−PLT#=194×10(個/μL)
以上のような解析により、高純度の血小板数(P−PLT#)の計数が可能となり、さらに、網血小板の数(RP#)も算出できる。
【0044】
【発明の効果】
この発明によれば、スキャッタグラム上において所定の粒子が存在する領域を分画する分画線を引いて、血小板領域から分裂赤血球等の血小板でない粒子を除去しているので、正確な血小板数の計数が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測定装置における光学系の部分の構成図である。
【図2】この発明の測定装置におけるフローセル部分の構成図である。
【図3】この発明の血小板の分画・計数のフローチャートである。
【図4】この発明の解析処理S3のフローチャートである。
【図5】この発明に関するスキャッタグラムの一実施例である。
【図6】この発明の分裂赤血球が出現している検体のスキャッタグラムの一実施例である。
【符号の説明】
5 フローセル
8 パルス光源
9 投影レンズ
10 ビデオカメラ
11 画像処理装置
21 連続発光レーザ
22 光ファイバー
23 コンデンサレンズ
24 コンデンサレンズ
25 集光レンズ
26 ダイクロイックミラー
27 フォトダイオード
28 ダイクロイックミラー
29 ミラー
30 光電子増倍管
31 光電子増倍管

Claims (5)

  1. 粒子の流れをシース液で取り囲んだ細い試料流に形成するシースフローセルと、
    前記試料流に光を照射する光照射手段と、
    照射された粒子から得られる光を検出する検出手段と、
    検出された光から粒子の特徴パラメータを算出する算出手段と、
    算出された特徴パラメータの分布図を作成する分布図作成手段と、
    作成された分布図において血小板が含まれる第1の領域を分画する第1分画手段と、
    前記第1の領域内において、分裂赤血球が含まれる第2の領域を分画する第2分画手段と、
    前記第1の領域から前記第2の領域を除いた領域に含まれる粒子の個数を計数する第1計数手段とから構成されることを特徴とする粒子測定装置。
  2. 前記第2分画手段が、作成された分布図上の血小板が含まれる第1の領域内の分布集団の度数分布を求める分布演算手段と、この度数分布の統計学的パラメータに基づいて前記分裂赤血球が含まれる第2の領域を分画する第1分画線を設定する第1分画線描画手段とから構成されることを特徴とする請求項1記載の粒子測定装置。
  3. 前記第1の領域内において、分裂白血球が含まれる第3の領域を分画する第3分画手段と、第1計数手段によって計数された粒子の個数から前記第3の領域の粒子の個数を除く第2計数手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の粒子測定装置。
  4. 前記第1の領域内において、網血小板が含まれる第4の領域を分画する第4分画手段と、前記第2計数手段によって計数された粒子の個数から、前記第4の領域に含まれる粒子の個数のみを計数する第3計数手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の粒子測定装置。
  5. 前記第4分画手段が、前記度数分布の統計学的パラメータに基づいて網血小板が含まれる第4の領域を分画する第2分画線を設定する第2分画線描画手段を含むことを特徴とする請求項4記載の粒子測定装置。
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