JP3587645B2 - 揺動散水防除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、果樹園において、防除や散水を行ったり、ゴルフ場や畑等の圃場で円形或いは扇形状に水平面方向に散水したり、防除を行うことができる可搬式の揺動散水防除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、果樹園において、防除や散水を行ったり、ゴルフ場や畑等の圃場で円形或いは扇形状に水平面方向に散水したり、防除を行える可搬式の揺動散水防除機は本出願人より提案済である。例えば、特願平8−155332の如くである。
このような揺動散水防除機においては、揺動ケースを左右方向の第一の軸心を中心に設定角度で揺動可能とし、該揺動ケース上にスプリンクラーを配置し、該スプリンクラーを第一の軸心に対して直角方向の第二の軸心を中心に設定角度で揺動可能に構成して、揺動ケースおよびスプリンクラーを揺動させて防除を行なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のような揺動散水防除機において、スプリンクラーのノズルの吐出方向が上方に向いているときには、ノズルと棚面との距離が短いため吐出液が分散されずに単位面積当たりの散布量が多くなり、ノズルの吐出方向が上方から斜め上方へ移動するにつれてノズルと棚面との距離が長くなっていき、吐出液が広範囲に分散して単位面積当たりの散布量が少なくなるので、散布むらが生じていた。
また、ノズルの吐出方向が上方に向いていてノズルと棚面との距離が短い場合には、棚面に当たる吐出液の圧力が高いため、果実や枝を損傷する恐れがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。即ち、揺動ケースを左右方向の第一の軸心を中心に設定角度で揺動可能とし、該揺動ケース上にスプリンクラーを配置し、該スプリンクラーを第一の軸心に対して直角方向の第二の軸心を中心に設定角度で揺動可能に構成した揺動散水防除機において、該揺動散水防除機の上方に、メッシュ部材を配設したことである。
【0005】
また、請求項1記載の揺動散水防除機において、前記メッシュ部材を、揺動ケースの両側に設けて該揺動ケースを支持する軸受ケースの一方もしくは両方により、支持部材を介して支持したことである。
【0006】
また、請求項1記載の揺動散水防除機において、前記メッシュ部材の中央部の網目をその他の部分よりも細かく構成したことである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を、添付の図面を基に説明する。図1は可搬式揺動散水防除機を用いて防除作業を行っている状態を示す図、図2は可搬式揺動散水防除機の全体正面図、図3は同じく図2における右側面図、図4は同じく図2における左側面図、図5は同じく底面図、図6は軸受ケースを示す斜視図、図7はスプリンクラケースの凹部を示す正面図、図8は可搬式揺動散水防除機の正面断面図、図9は切換弁を示す平面図、図10は同じく平面図、図11は水車ノズルを示す正面断面図、図12は揺動角度の設定機構を示す側面図、図13は減速機構を示す正面断面図、図14は最終の減速ギアの噛合状態を示す側面図、図15は同じく側面図、図16はリリーフ弁を示す側面図、図17は同じく平面断面図、図18は同じく正面断面図、図19は水抜弁を示す正面断面図、図20はスプリンクラーを示す正面図、図21は同じく平面図、図22は揺動角度明示板を示す平面図、図23はブレーカを示す平面図、図24はブレーカの別実施例を示す側面図、図25は同じく平面図、図26はブレーカの第三の実施例を示す側面図、図27は同じく平面図、図28はメッシュ部材を示す斜視図、図29はメッシュ部材を取付けた可搬式揺動散水防除機を示す正面図、図30は可搬式揺動散水防除機の配置状態を示す正面図、図31は同じく平面図である。
【0008】
まず、可搬式揺動散水防除機1は、果樹園等の防除作業や散水作業に利用できるものであり、図1に示すように、動力噴霧機2またはポンプ等の給水口と連通したホース3を薬剤タンク6または川や井戸等に接続して、吐出口と連通したホース4を分岐管5を介して可搬式揺動散水防除機1の吸入口に連通している。本発明の可搬式揺動散水防除機1は後述する揺動ケースDの前後方向の揺動(前後往復回動)と、揺動ケースD上に設けたスプリンクラー14の水平往復回動によって、薬液または水を半球状に吐出して、前後左右及び上方の作物に防除や散水ができるようにしている。なお、薬剤タンク6を高所に配置することで、動力噴霧機2を用いずに散布することもできる。また、ホース4の代わりに棚の上に配管したり、地中に配管したりすることもできる。
【0009】
そして、可搬式揺動散水防除機1の全体構成から説明する。図2〜図8に示すように、左右両側に軸受ケース10L・10Rを配置し、該軸受ケース10L・10Rはスタンド13によって支持され、該軸受ケース10L・10Rの間に揺動ケースDが左右方向の第一の軸心P(図8)を中心に揺動自在に支持されている。スタンド13の左側上部から右水平方向に突出した支持ピン13aは前記軸受ケース10Lの左側面に設けた共通支持穴10dに摺動自在に嵌入し、支持ピン13b・13bは軸受ケース10Rの防除支持穴55b・55bへ嵌入して、軸受ケース10L・10Rを支持している。
【0010】
また、揺動ケースD下面には被嵌合部となる散水支持穴12f・12fを設けて、前記支持ピン13b・13bを防除支持穴55b・55bから差替えることにより、第二の軸心Q(図8)を鉛直方向に固定して、軸受ケース10Lと揺動ケースDとで可搬式揺動散水防除機1を支持することもできる。
揺動ケースDはスプリンクラケース11とギヤケース12からなり、前記軸受ケース10Rは本体55とストレーナケース56から分割可能に構成されている。該軸受ケース10L・10R及びスプリンクラケース11とギヤケース12は組み立てた状態で、円筒状或いは玉子形に構成している。該軸受ケース10Rの軸心P位置の外側に突出した給水口56aはプラグなどを接続して連通可能なように構成されて、前記分岐管5に連通するホースを接続できるようにして、水又は薬液を送れるようにしている。
【0011】
図6、図7に示すように、軸受ケース10Lの右側下部には、切り欠き部10e・10eを左右内側方向に形成して、果樹園などで草刈りを行なうときなど可搬式揺動散水防除機1を使用しない場合に、該切り欠き部10e・10eを周りの棚や枝に設けたワイヤなどに引っかけて、係止することができ、作業の邪魔にならないようにすることができる。
また、スプリンクラケース11の下部には凹部11aを形成して、軸受ケース10Lの下部に設けた空隙部10fに手の指などを差し入れ易くして、該空隙部10fを持って容易に持ち運びができるよう構成している。
そして、スプリンクラケース11の凹部11aの内側面には水抜弁59を設けて、防除や散水が終了したときに、可搬式揺動散水防除機1内に残留する薬液や水などを排出できるようにしている。
【0012】
図8において、前記揺動ケースD内はギヤケース12内に圧力室Aとギヤ室Bを配置し、スプリンクラケース11内に送水室Cを配置している。該圧力室A内に水流管22F・22Rと弁機構を収納し、ギヤ室B内に減速機構9を収納し、送水室C内に水車23を収納している。
前記スプリンクラケース11上にスプリンクラー14が配設されており、挿入孔11bに螺嵌された該スプリンクラー14の基部パイプ15は、その軸心(第二の軸心)Qが前記第一の軸心Pに対して直角方向に配設されており、該スプリンクラー14のノズル16は第一の軸心Pに対して直角方向の前記第二の軸心Qを中心に回動可能に配置されている。
【0013】
このようにして、給水口56aにホースを接続し、給水口56aに送水することによって、その水流を利用して、スプリンクラケース11とギヤケース12を揺動し、スプリンクラー14も同時に往復回動して、半球状に散布、または、第一の軸心Pを中心とした揺動を止めて、手動操作で前記支持ピン13b・13bを防除支持穴55b・55bから抜いて、散水支持穴12f・12fの位置を支持ピン13b・13bに合わせるために揺動ケースDを回し、支持ピン13b・13bを散水支持穴12f・12fに差替えて第二の軸心Qを鉛直方向に向け、該第二の軸心Qを中心として水平方向に連続的に360°回動させて水平面円形状に散水または防除するようにしている。
【0014】
次に具体的な構成を説明する。前記スタンド13は鋳造や樹脂成型などにより形成されている。図2〜図5に示すように、スタンド13は、略矩形状に形成した枠状部材であるベース部13cと、該ベース部13cの軸受ケース10L側端から上方に立設した支持部13dと、ベース部13cの軸受ケース10R側端から上方に立設した支持部13eなどとから構成されている。該支持部13dは側面視略三角形状に形成され、その頂部からは内側方向に支持ピン13aが突出して、軸受ケース10Lの共通支持穴10dに摺動自在に嵌入している。
そして、前記支持部13eの上下方向における途中部からは、後方に突出して上方に屈曲した支持アーム13fが突出して、該支持部13e及び支持アーム13fの上端には支持ピン13b・13bが設けられ、軸受ケース10Rの防除支持穴55b・55bへ嵌入して、揺動ケースDが揺動可能に可搬式揺動散水防除機1を支持している。この支持状態において防除を行なうのである。
【0015】
また、前記ギヤケース12の右側下面には、前記支持ピン13b・13bの位置に合わせて前記第二の軸心Qと平行に散水支持穴12f・12fが設けられ、前記スタンド13の支持ピン13b・13bを前記防除支持穴55b・55bから抜脱し、該スタンド13を左方向へずらして支持ピン13b・13bを前記散水支持穴12f・12fへ嵌入すると、前記スプリンクラー14が第二の軸心Qが垂直になる位置で固定された状態となり、可搬式揺動散水防除機1が支持されることとなり、この状態においてはスプリンクラー14を第二の軸心Qを中心に回動させて散水を行えるのである。
尚、前記ベース部13cの下面からは接地部13g・13g・・・を下方に突出させ、可搬式揺動散水防除機1を設置する際に、該接地部13g・13g・・・を土中に埋め込んで設置状態を安定させるようにしている。
【0016】
前記軸受ケース10Lは図8に示すように、左右方向の軸心(第一の軸心P)位置に貫通孔10aを開口して、スプリンクラケース11の左側の軸心位置に側方へ突出した支持軸11aを回転自在に支持し、ネジ18によって抜け止めしている。
軸受ケース10Rは本体55とストレーナケース56とに分割可能に構成され、ストレーナケース56には軸心位置に貫通孔10bを開口した供給口56aを設け、本体55のギヤケース12の右側面の軸心位置には連通孔を開口して、パイプ状の連結管19を挿入している。そして、本体55とストレーナケース56とでストレーナ20を挟持して、軸受ケース10R内に該ストレーナ20を配設している。
【0017】
前記ストレーナ20は略半球状に形成し、表面積を大きくして目詰まりしにくいよう構成して、ストレーナ20のメンテナンスを行なう間隔を長くして作業性を向上させている。また、ストレーナケース56を本体55から取り外すと、ストレーナ20を容易に取り出せるので作業性がよい。
尚、ストレーナ20のメッシュの開口部の大きさは、後述するスプリンクラー4のノズル16径よりも小さく構成しており、本実施例においては、例えば10メッシュないし12メッシュとしている。
【0018】
前記ギヤケース12の左側は開放されて、その開放部分をギヤケース蓋21によって閉じられ、ギヤケース12の内部には直径方向に仕切り壁12bが設けられ、該仕切り壁12bによってギヤケース12内を圧力室Aとギヤ室Bに分割している。そして、スプリンクラケース11をギヤケース12にネジで固定することによってギヤケース蓋21を同時に固定し、スプリンクラケース11とギヤケース蓋21によって送水室Cを形成している。前記圧力室Aはギヤケース12の右側面に開口した連通孔12cによって前記連結管19と連通され、該圧力室A内には水流管22F・22Rが第一の軸心Pと平行に一対配置されている。
【0019】
該水流管22F・22Rの左端はギヤケース蓋21に固設して、図9、図10、図11に示すように水流管22F・22Rの左端部には吐出口80Fa・80Raを有した水車ノズル80F・80Rが設けられ、該吐出口80Faは水車23の羽根の一側面に向かって、吐出口80Raは羽根の他側面に向かって吐出するように構成されて、何れか一方より吐出することにより水車23を回転できるようにしている。
該水流管22F・22Rの右端には、吸入口22Fb・22Rbが設けられ、該吸入口22Fb・22Rbの右側には切換弁24が配置されて、該切換弁24はシーソー状に構成されて前後中央を吸入口22Fb・22Rbの側部でピン24aにて枢支し、切換弁24を傾倒させて吸入口22Fb・22Rbの何れか一方を閉じ、他方を開ける構成としている。
【0020】
そして、この切換弁24に対向して(右側に)、ギヤケース12の右面に弁アーム25を配置して、切換弁24を切り換えられるようにしている。即ち、該弁アーム25は平面視T字状に構成されて、前後方向の当接部25aの両端部が切換弁24に当接する部分とし、当接部25aの中央部から後方に突出した当接部25b先端が後述するカム26への当接部分とし、当接部25bの基部(当接部25aの前後中央)に枢支ピン25cを設けて、該枢支ピン25cがギヤケース12の右面に前後方向に揺動自在に支持されている。該支持孔12dは平面視扇形の孔として当接部25bの揺動をガイドしている。
また、水流管22Rと切換弁24との間にはスプリング57を介装して、切換弁24が吸入口22Fbを閉じているときには、該スプリング57が死点越えとなって吸入口22Fbを閉じる方向に付勢し、切換弁24が吸入口22Rbを閉じているときには吸入口22Rbを閉じる方向に付勢するように構成して、該切換弁24のチャタリングを防止している。
【0021】
次に、水車ノズルの構造について説明すると、図11、図16に示すように、前記水車ノズル80F・80Rは、水流管22R・22Fの吸入口22Fb・22Rbとは反対方向の先端部(左端部)に設けられ、水流管22R・22Fから上方へ向けて形成されている。該水車ノズル80F・80Rは上部に吐出口80Fa・80Raを有して、該吐出口80Fa・80Raから水流管22R・22Fを通じて供給される薬液や水などの吐出液を吐出するのである。
水流管22R・22Fは、水車ノズル80F・80Rの配設位置よりも吸入口22Fb・22Rbとは反対の方向へ延設して空隙を形成し、溜まり部(圧力室)22Faとしている。そして、吐出口80Fa・80Raから吐出される吐出液が、水車23の羽根側面23a・23a・・・に対して略直角に当たるような位置及び角度に該吐出口80Fa・80Raを配置して、効率よく水車23を回転させている。
また、水車23の羽根は、略ギアの歯形状に形成して羽根高さを小さく構成し、効率よく回転するようにしている。
【0022】
尚、前記水流管22F・22Rの径方向の断面積は、後述するスプリンクラー14のノズル16の径方向の断面積に対して10倍ないし20倍の大きさ、好ましくは15倍の大きさに形成している。また、前記吸入口22Fb・22Rbの径方向の断面積は、前記ノズル16の径方向の断面積に対して4倍ないし10倍の大きさ、好ましくは8倍の大きさに形成し、水車ノズル80F・80Rの吐出口80Fa・80Raの径方向の断面積は、前記ノズル16の径方向の断面積に対して3倍ないし6倍の大きさ、好ましくは4倍の大きさに形成している。
これにより、揺動ケースD内を流れる薬液や水の圧力損失を減少させることができるので、構造の簡略化が図れ、コストダウンが可能となっている。
【0023】
そして、図12に示すように、軸受ケース10Rの左側面にはリング状の凹部10cが設けられ、該凹部10cにカム26・26が設定間隔を開けて固定されている。この間隔は図4における第一の軸心Pを中心とした上下方向の揺動角度θ1となっている。よって、このカム26・26の取付位置を同一円周上で変更するか、或いは、カム26の円周方向の幅を変更することによって、揺動角度を変更することができる。また、前記弁アーム25と点対称の位置、即ち180°ズレた位置に突起を設けてストッパー27とし、該ストッパー27はギヤケース12の右側面より突設されて、弁アーム25により切換弁24を切り換えても反対方向に回転しなかったり、切換弁24を切り換えることができない場合等、ストッパー27がカム26に当接して揺動回動を停止して、弁アーム25等の破損を防止するようにしている。
【0024】
そして、前記ギヤケース蓋21の軸心部に軸受28を固定し、該軸受28とギヤケース蓋21に駆動軸29を回転自在に支持し、該駆動軸29の左端に水車23を固設し、送水室C内に配置している。駆動軸29右側には駆動歯車30を固設し、該駆動歯車30は減速機構9の左端の減速歯車31と噛合している。該減速機構9は図8、図13に示すように、ギヤケース蓋21とギヤケース12の右側面との間に伝動軸33F・33Rが平行に横架され、該伝動軸33F・33R上に交互に減速歯車31・31・・・と減速歯車31’及び最終の減速歯車32が遊嵌されて、ギヤ室B内に収納されている。該減速歯車31・31’・32は二連歯車で構成され、前後一方の大径歯車が、他方の小径歯車に噛合するように配設して、順次減速を行い減速歯車32に駆動力を伝えるようにしている。
【0025】
前記減速歯車31’は大径歯車31a’と小径歯車31b’とで構成され、減速歯車32は大径歯車32aと小径歯車32bとで構成されており、該小径歯車31b’および大径歯車32aはオーバル(楕円)歯車としている。
該小径歯車31b’と大径歯車32aとは、お互いの長軸(短軸)同志が垂直になるように噛合しており、スプリンクラー14のノズル16の吐出方向が上方を向いている防除範囲の中央部においては、図14に示すように最終の減速歯車32が最も速く回転するように噛合させて、揺動ケースDの回動速度が速くなるよう構成し、前記ノズル16の吐出方向が最も横向きに近くなる防除範囲の端部においては、図15に示すように最終の減速歯車32が最も遅く回転するように噛合させて、揺動ケースDの回動速度が遅くなるよう構成している。
これにより、揺動ケースDを等速度で回動させた場合には、防除範囲の中央部では多くなり、端部では少なくなる単位面積当たりの吐出液の散布量が略同じとなり、むらの無い良好な散布ができるようになった。
【0026】
前記最終の減速歯車32の小径歯車は軸受ケース10Rの左側面の軸心部に固設した固設歯車34と噛合している。該固設歯車34はリング状に構成されて、右側面を軸受ケース10Rの左側面に固設して、上半分をギヤ室Bに露出させている。つまり、ギヤケース12はギヤ室Bの軸心部の仕切り壁12bの上部に開口部を設けて、ギヤケース12のギヤ室Bの右側面を、圧力室Aの右側面よりも右側へ張り出して構成し、固設歯車34の上半分をギヤ室B内に露出できるように構成している。
【0027】
以上のように構成することによって、供給口56aに水が送られてくると、ストレーナ20によって濾過されて、圧力室A内に水が入り、切換弁24によって選択された水流管22F・22Rのいずれか一方に水が入って、その側の吐出口80Fa(または80Ra)より水が水車23の羽根に向かって吹き出し、水車23を回転させる。
【0028】
この場合、水流管22F・22Rへ入ってきた水は、該水流管22F・22Rから直接水車ノズル80F・80Rへ流れ込むものと、一旦溜まり部22Faまで達してその後水車ノズル80F・80Rへ流れ込んでいくものとがあり、溜まり部22Faが圧力室として作用するので、吐出口80Fa・80Raから吐出される水は整流されて、無駄なく水車23の羽根に当てることができ、効率よく水車を回転させることができる。
また、吐出口80Fa・80Raは、吐出された水が水車23の羽根側面23aに対して略直角に当たるような位置、及び角度に配設されているので、吐出された水のエネルギーを無駄なく水車23に伝達することができて、効率よく水車を回転させることができるのである。
【0029】
このように水車23は回転させられ、この回転は駆動軸29より駆動歯車30、減速歯車31へと伝えて、減速歯車31・31・・・によって減速されて減速歯車32に伝える。この減速歯車32は固設歯車34と噛合しているので、固設歯車34に回動力を伝えようとするが、固設歯車34は軸受ケース10Rに固定されているので、その回動力は、固定側の軸受ケース10L・10Rに枢支された揺動ケースD(ギヤケース12とスプリンクラケース11)が第一の軸心Pを中心に回動するようになる。
【0030】
そして、上方向または下方向に回動して、設定範囲の端部まで回動すると、弁アーム25の当接部25bがカム26に当接し、当接部25aが回動されて、切換弁24を回動して、水流管22F(22R)の空いている吸入口22Fb(22Rb)を閉じて、他方の吸入口22Rb(22Fb)を開いて、他方の吐出口80Ra(80Fa)から水を吐出して、水車23の羽根の反対面に向かって吹き出し、水車23を逆回転させる。この逆回転によって揺動ケースDを第一の軸心Pを中心に逆方向へ回動する。このようにして、設定範囲の端部で弁を切り換えて回転方向を変更して往復揺動するようにしている。
【0031】
また、図16、図17、図18に示すように、前記ギヤケース蓋21にはリリーフ弁35が配設されており、該リリーフ弁35はギヤケース蓋21に貫通孔21aを開口して、該貫通孔21aの送水室C側の周囲をバルブシートに形成し、弁軸35aを挿入してバネ35cで付勢して弁体35bをバルブシートに着座させて閉じるようにしている。そして、ギヤケース12の側面より操作軸36を挿入し、該操作軸36先端の圧力室A内には押圧カム37を固設し、前記弁軸35a先端に当接可能に配置し、ギヤケース12外側の操作軸36上にはレバー38を固設し、該レバー38を回動操作することで、押圧カム37が弁軸35aを押す解除位置と、押圧しない作動位置とを変化させることができるようにしている。
【0032】
このような構成において、押圧カム37が弁軸35aから離れた作動位置にあるときは、リリーフ弁35は圧力室Aを設定圧力に維持して、圧水は吐出口80Faまたは80Raより吐出させて水車23を回転して、揺動ケースDを揺動するようにし、かつ、ポンプの異常やウォーターハンマー等で設定圧以上の水圧が発生したときには、その水圧で弁体35bを押し開いて圧力室Aから送水室Cへ直接流し、圧力がかかって破損したりすることを防止している。
尚、この状態において送水を停止すると、揺動ケースDを軸受ケース10Rに対して回動させるためには、該揺動ケースDに内蔵した減速機構9により、大きな力が必要となっている。
【0033】
そして、揺動を停止して、散水作業を行う場合には、レバー38を略180°回動して、押圧カム37を弁軸35aに押し当てた位置に維持して、リリーフ弁35を強制的に開け、圧力室Aと送水室Cの間の圧力差をなくして、吐出口80Faまたは80Raより吐出させなくして水車23が回転しないようにする。
【0034】
この散水時にはスプリンクラー14は360°回転させるので、垂直以外の傾斜した状態では、下側の散水位置では地面に向けて吐出してしまい、無駄となるので、スプリンクラー14の回転軸心である第二の軸心Qが略垂直となるようにして、水平面方向に散水できるようにする必要がある。
しかし、軸受ケース10L・10Rがスタンド13に支持された防除時の支持状態において、スプリンクラー14が、第二の軸心Qが垂直にならない位置で停止した場合に、この位置から第二の軸心Qが略垂直となる位置まで回動するには前述のように大きな力が必要である。
ところが、スタンド13の支持ピン13b・13bを防除支持穴55b・55bから抜脱すると、揺動ケースDは軸受ケース10Lの貫通孔10aによって回転自在に支持されているので、第二の軸心Qが略垂直となる位置まで、揺動ケースDを力をかけずに容易に回動することができるのである。
【0035】
そこで、スタンド13の支持ピン13b・13bを前記防除支持穴55b・55bから抜脱して、軸受ケース10Lに軸支されている揺動ケースDを、該軸受ケース10Lに対して回動自在の状態にし、スタンド13を左方向へずらして、支持ピン13b・13bが揺動ケースDの散水支持穴12f・12fの位置と合うように揺動ケースDを回動し、支持ピン13b・13bを散水支持穴12f・12fに嵌入するのである。
散水支持穴12f・12fは、スタンド13の支持ピン13b・13bが嵌入された状態で、スプリンクラー14の第二の軸心Qが垂直に位置するように設けてあるので、可搬式揺動散水防除機1は、スプリンクラー14の第二の軸心Qが垂直に固定された状態でスタンド13により支持されることとなる。
【0036】
以上のように、可搬式揺動散水防除機1をスタンド13により支持して、防除状態と散水状態とを切り換えるように構成したので、例えば防除終了時にスプリンクラー14の第二の軸心Qが垂直に位置していなくても、力をかけずに、また容易に散水状態へ切換えることができ、操作性を大きく向上させることができた。
また、支持ピン13aが共通支持穴10dに嵌入しているので、切換え操作中にスタンドが可搬式揺動散水防除機1から脱落しにくくなっており、作業性を向上している。
【0037】
また、スプリンクラケース11上部には、スプリンクラー14を取り付けるための平面を構成し、この平面の中央に送水室Cに連通する挿入孔11bを開口し、該挿入孔11bに基部パイプ15を螺装している。このようにして、スプリンクラー14を出来るだけ第一の軸心Pに近づけて配置し、上下揺動時のモーメントが小さくなるようにしている。
【0038】
一方、スプリンクラケース11下部には、凹部11aを形成して、該凹部11aの右側面に水抜孔58を開口し、該水抜孔58は水抜弁59により開閉可能に構成されている。通常の使用状態においては、図19に示すように、送水室Cと凹部11aとを連通する水抜孔58に水抜弁59が開閉自在に嵌入し、該水抜孔58の送水室C側の周囲はバルブシートに形成し、該水抜弁59はスプリング60に付勢されて、弁体59bをバルブシートに着座させて水抜弁59を閉じるようにしている。そして、防除や散水などの作業が終了した後に、前記水抜弁59の弁軸59aを押して水抜孔58を開口すると、送水室C内に残留していた薬液や水などを、該水抜孔58から排出することができるのである。
これにより、送水室C内に残留した薬液や水に含まれる不純物などがヘドロ状に沈殿して、水車23などの駆動部の動きが阻害されることを防止することができる。
【0039】
次に、スプリンクラー14の構成を図20、図21より説明する。前記基部パイプ15上に本体41下部の軸部41aを回転自在に嵌合し、該軸部41a上にバネ42を介装して、このバネ圧によって本体41を回転しないように一定圧力で付勢している。前記本体41の中途部に水平面より上方へ設定角度傾斜して側方へ吐出するようにノズル16を配設している。
【0040】
また、前記本体41上部に門型の支持部41bを設け、該支持部41bの中央に第二の軸心Qと一致する枢支軸41cを設け、該枢支軸41cに反動アーム43を回動自在に支持し、該反動アーム43はその外周に外嵌したバネ47によってノズル16側へ回動するように付勢され、支持部41bで止められている。該反動アーム43の一端はノズル16の出口まで延設され、吐水される液体の一部を取り込んで図21の矢印の如く導くガイド部43aを設け、他端は反対方向の規制体44まで延設され、重り43bを固定し、その下部に当接部43cを形成している。
【0041】
前記規制体44は本体41側部より突出した枢支軸48に枢支され、規制体44の一端(図20紙面右側)の規制板44aは本体側部に突設した回動規制ピン50U・50Dの間に挿入し、他端は前記当接部43c下方へ延設している。前記枢支軸48上には更にレバーアーム49が枢支され、該レバーアーム49の一端の規制杆49aは前記回動規制ピン50U・50Dの間に挿入し、レバーアーム49の側部には切換レバー45が回動可能に取り付けられて下方へ突出され、レバーアーム49の他端にはロッド51を枢支し、該ロッド51の他側を前記規制体44に摺動自在に挿入し、該ロッド51上の規制体44の間にバネ52を外嵌している。
【0042】
そして、リング状部材の円周の両端から半径方向外側に突出させた切換えストッパー46・46を、基部パイプ15とバネ42との間の位置で、軸部41aに上下方向に連続して並べ、回転自在に環装している。尚、該切換ストッパー46・46は前記切換えレバー45の下部が当接する位置としている。但し、前記切換えストッパー46はバネ42によってその位置を維持するように付勢され、切換えレバー45が当接して回動する程度では回転しないように構成している。
この切換えストッパー46・46をそれぞれ軸部41a上で任意位置に回転させ、該切換えストッパー46・46の突出部の位置を変化させることにより、スプリンクラー14の回動角度を自由に設定でき、薬剤の散布方向(範囲)を任意に設定することができる。
【0043】
また、切換えストッパー46・46の先端は下方に屈曲させて角度指示部46aを形成し、スプリンクラケース11上面の平面部には、図22に示すように角度目盛が表示されている揺動角度明示板99を設けて、設定したスプリンクラー4の揺動角度を認識し易くしている。
これにより、スプリンクラー4の揺動角度の調節が容易となる。
【0044】
このような構成において、切換レバー45がJ位置(図20)のときは、ノズル16より吐出した液の一部がガイド部43aに当たり、その水圧によって反動アーム43はバネ47に抗して矢印M方向(43’)へ回動する。この位置ではノズル16からの吐水によって当たらない位置となるので、バネ47の力によって元の位置へ回動して戻し、反動アーム43は支持部41bに当たりその慣性力によて本体41はN方向へ回動する。このとき本体41は軸部41aに外嵌したバネ42によってブレーキがかけられて安定して回動させることができる。そして、ガイド部43aが元の位置戻ったので、再び吐水圧によってM方向へ回動される。この動作が繰り返されて本体41は徐々に右方向に回転される。
【0045】
このように回転されて、切換レバー45がカム46に当接して回動されると、レバーアーム49は回動規制ピン50Uに当接して切換レバー45はK位置で停止する。このとき、規制杆49bが下方へ回動されてロッド51が死点越えとなって、バネ52の付勢力によって規制体44は上方へ回動され、他端の規制板44aは下方へ回動されて回動規制ピン50Dに当接して停止する。このように規制体44が上方へ回動すると、反動アーム43の当接部43cは規制体44に当接するようになり、吐水によって反動アーム43はM方向へ回動することができず、そのM方向への回動力は本体41をM方向へ回動し、スプリンクラー14を逆方向へ回動することができる。そして、切換レバー45がカム46に当接してK位置からJ位置へ回動されると、規制体44は下方へ下げられて、スプリンクラー14はN方向へ回動するようになる。このようにして往復回動が繰り返されるのである。
【0046】
そして、切換レバー45をH位置まで回動すると、切換レバー45はカム46に当接できなくなり、反転することがないために、同一方向にのみ回転する。この状態は散水位置としており、前述したように360°回転しても地面側に吐水しないように、前記ツマミ38を回動してリリーフ弁35を開くとともに、スタンド13の支持ピン13b・13bを前記防除支持穴55b・55bから抜脱して、散水支持穴12f・12fに嵌入し、スプリンクラー14を該スプリンクラー14の回転軸心である第二の軸心Qが垂直となる状態で散水作業を行うようにしている。
【0047】
また、前記ノズル16はノズル体90の基部90aに開孔しており、ノズル16の先端には図23に示すように、吐出口16aが形成されている。ノズル16の先端部からは、前方に向かってアーム90bが延出され、平面視においてノズル16よりも外側に配置されている。該アーム90bの先端部にはブレーカ91が配設されている。
ブレーカ91の軸部91bは先端にいくにつれて段階的に細く形成されて、その最先端部は針状に形成されており、該軸部91bのつまみ部91a側には螺子が形成されている。該ブレーカ91はアーム90bの先端部の螺子孔に外側より螺合させて、軸部91bの先端部をアーム90bの内側に突出させ、ノズル16の吐出口16aから吐出された吐出液が当たる位置に配置している。また、ブレーカ91のつまみ部91aとアーム90bとの間にバネ92を介装して螺子が緩まないよう付勢している。
【0048】
このように構成して、前記吐出口16aから吐出された吐出液が軸部91bに当たって、霧状に拡散して均一に散布されるよう構成している。
そして、つまみ部91aを回動させることで、アーム90bの内側に突出する軸部91bの長さを変化させて吐出液の当たり具合を変え、散布状況に応じて拡散状態を調節するのである。この場合、軸部91bは先端にいくにつれて段階的に細く形成されているので、吐出液の当たり具合がどの程度であるかが一見して分かるのである。
【0049】
ブレーカは次のようにも構成できる。図24、図25に示すように、ノズル体93の基部93aの先端部からアーム93bが前方に延出され、該アーム93bは平面視においてノズル16よりも外側に配置されている。
アーム93bの先端には、ブレーカ94がビス95によって取付けられている。ブレーカ94は略円盤状に形成され、その外周からは複数の突起部94b・94b・・・が半径方向外側に突出し、略等間隔に配置されている。また、突起部94b・94b・・・はそれぞれ異なった長さに形成されている。
この突起部94b・94b・・・の内の一つが、吐出口16aから吐出された吐出液が当たる位置に配置されて、吐出液を拡散して均一に散布するよう構成している。
そして、前記ビス95を緩めてブレーカ94を回動させ、異なった長さの突起部94bを吐出液が当たる位置に配置することで、拡散状態を調節することができるように構成している。
【0050】
また、ブレーカは次のようにも構成できる。図26、図27に示すように、ノズル体96の基部96aの先端部からアーム96bが前方に延出され、該アーム96bは平面視においてノズル16よりも外側に配置されている。
アーム96bの先端部内側にはブレーカ97がビス98によって取付けられている。ブレーカ94は略円盤状に形成され、その外周部には面方向と垂直にピン97b・97b・・・が略等間隔に立設しており、該ピン97b・97b・・・はそれぞれ異なった長さに形成されている。
ブレーカ97はピン97b・97b・・・の先端が内側に向くようにアーム96bに取付けられ、ピン97b・97b・・・の内の一つが、吐出口16aから吐出された吐出液が当たる位置に配置されて、吐出液を拡散して均一に散布するよう構成している。
そして、前記ビス98を緩めてブレーカ97を回動させ、異なった長さの突起部97bを吐出液が当たる位置に配置することで、拡散状態を調節することができるように構成している。
【0051】
次に、可搬式揺動散水防除機1の上方に配設したメッシュ部材82について説明する。メッシュ部材82は、図28、図29に示すように金網などの網状部材82aを、該網状部材82aの周囲を囲む枠部材82bに張設して構成している。メッシュ部材82の両側からは、棒状部材である支持部材83・83が側方に突出し、途中部で下方に屈曲してその先端は固定具84・85に固設されている。
一側方の支持部材に取付た板状部材の固定具84は、ビス86などによって軸受ケース10Lに取付固定して、リング状に形成して他側方の支持部材に取付けた固定具85は、軸受ケース10Rの給水口56aに嵌入し、該給水口56aに接続するプラグ88などによって、座金87を介して共締めして取付固定されている。このように、揺動しない固定部分である軸受ケース10L・10Rに取付け固定して、可搬式揺動散水防除機1の上方にメッシュ部材82を配設している。
【0052】
尚、固定具85は、リング状部材の一部を切り欠いて爪状に形成した固定具85aなどを用いてもよく、限定するものではない。
また、メッシュ部材82は、支持部材83・83と固定具84・85を片側のみに設けて、軸受ケース10Lもしくは軸受ケース10Rのどちらか一方のみで支持させてもよい。
【0053】
このように構成したので、スプリンクラーのノズル16の吐出方向が上方に向いているときには、ノズル16から吐出された吐出液がメッシュ部材82に当たって平面方向に分散し、ノズル16からの距離が短い上方の棚面においても、斜め方向や散布範囲の前後左右端での散布量と略同等の散布量となり、全体的に均一に散布できる。
また、吐出液がメッシュ部材82に当たることで、吐出液の吐出圧が弱められるので、果実や枝を損傷することもないのである。
【0054】
そして、前記メッシュ部材82は、側面視において略円弧状もしくは略山形に形成して、メッシュ部材82の上面に落ち葉などが堆積しないよう構成し、網状部材82aは周辺部よりも中央部のメッシュを細かく構成しているので、ノズル16から棚面までの距離に応じて吐出液を分散させたり、棚面に当たる吐出液の圧力の大きさに応じて吐出圧を弱めたりして、さらに均一に散布することができ、果実や枝の損傷を防止することができる。
【0055】
吐出液の散布量を均一にする手段として、次のようにも構成できる。前述のように、ノズルから上方に散布する場合は、ノズルと棚面との距離が短いため単位面積当たりの散布量が多くなり、ノズルの吐出方向が上方から斜め上方へ移動するにつれて吐出液が広範囲に分散して単位面積当たりの散布量は少なくなる。
図30、図31に示すように、可搬式揺動散水防除機1を略等間隔に植設された果樹と果樹との間に、略等間隔に複数設置するのである。
可搬式揺動散水防除機1の吐出液の散布範囲は略半球状であり、その半球の半径Wの間隔を可搬式揺動散水防除機1の設置間隔としている。本実施例の場合は、例えば半径Wを6ないし8メートルとしている。
【0056】
このように構成することで、散布量が少ない前後左右端部では隣に配置した可搬式揺動散水防除機1からも散布が行なわれることとなり、上方への散布量と略同程度の散布量を得ることができて、均一で良好な防除が可能となるのである。この可搬式揺動散水防除機1の配置方法は、散布量を均一にする手段として単独で行なってもよいが、前述のメッシュ部材82を上方に配設した可搬式揺動散水防除機1を本実施例のように配置すると、更に均一な防除が可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。即ち、揺動散水防除機の上方に、メッシュ部材を配設したので、全体的に均一に散布できるようになり、散布むらのない良好な防除効果を得ることができた。また、吐出液の吐出圧が弱められるので、果実や枝を損傷を防止することができた。
【0058】
また、前記メッシュ部材を、揺動ケースの両側に設けた軸受ケースの一方もしくは両方により支持部材を介して支持したので、メッシュ部材の配置位置が固定されて、常に同様の状態で均一に散布できるようになり、散布むらのない良好な防除効果を得ることができ、果実や枝を損傷を防止することができた。
【0059】
また、前記メッシュ部材の中央部の網目をその他の部分よりも細かく構成したので、ノズルから棚面までの距離に応じて吐出液を分散させたり、棚面に当たる吐出液の圧力の大きさに応じて吐出圧を弱めたりして、さらに均一に散布することができ、果実や枝の損傷を防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】可搬式揺動散水防除機を用いて防除作業を行っている状態を示す図である。
【図2】可搬式揺動散水防除機の全体正面図である。
【図3】同じく図2における右側面である。
【図4】同じく図2における左側面図である。
【図5】同じく底面図である。
【図6】軸受ケースを示す斜視図である。
【図7】スプリンクラケースの凹部を示す正面図である。
【図8】可搬式揺動散水防除機の正面断面図である。
【図9】切換弁を示す平面図である。
【図10】同じく平面図である。
【図11】水車ノズルを示す正面断面図である。
【図12】揺動角度の設定機構を示す側面図である。
【図13】減速機構を示す正面断面図である。
【図14】最終の減速ギアの噛合状態を示す側面図である。
【図15】同じく側面図である。
【図16】リリーフ弁を示す側面図である。
【図17】同じく平面断面図である。
【図18】同じく正面断面図である。
【図19】水抜弁を示す正面断面図である。
【図20】スプリンクラーを示す正面図である。
【図21】同じく平面図である。
【図22】揺動角度明示板を示す平面図である。
【図23】ブレーカを示す平面図である。
【図24】ブレーカの別実施例を示す側面図である。
【図25】同じく平面図である。
【図26】ブレーカの第三の実施例を示す側面図である。
【図27】同じく平面図である。
【図28】メッシュ部材を示す斜視図である。
【図29】メッシュ部材を取付けた可搬式揺動散水防除機を示す正面図である。
【図30】可搬式揺動散水防除機の配置状態を示す正面図である。
【図31】同じく平面図である。
【符号の説明】
A 圧力室
D 揺動ケース
P 第一の軸心
Q 第二の軸心
1 可搬式揺動散水防除機
9 減速機構
10L・10R 軸受ケース
12 ギアケース
14 スプリンクラー
82 メッシュ部材
82a 網状部材
82b 枠部材
83 支持部材
84 固定具
85・85a 固定具
Claims (3)
- 揺動ケースを左右方向の第一の軸心を中心に設定角度で揺動可能とし、該揺動ケース上にスプリンクラーを配置し、該スプリンクラーを第一の軸心に対して直角方向の第二の軸心を中心に設定角度で揺動可能に構成した揺動散水防除機において、該揺動散水防除機の上方に、メッシュ部材を配設したことを特徴とする揺動散水防除機。
- 請求項1記載の揺動散水防除機において、前記メッシュ部材を、揺動ケースの両側に設けて該揺動ケースを支持する軸受ケースの一方もしくは両方により、支持部材を介して支持したことを特徴とする揺動散水防除機。
- 請求項1記載の揺動散水防除機において、前記メッシュ部材の中央部の網目をその他の部分よりも細かく構成したことを特徴とする揺動散水防除機。
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