JP3587191B2 - バッテリパック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリパックに関し、例えばPDA(Personal Digital Assistants )に適用することができる。本発明は、電池側の面に電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、これとは逆側の面に電子部品を面実装し、電池側の面に、電子部品を面実装していない第2の配線基板とを、電池に沿って配置することにより、厚みの増大を極力少なくして、ICカード等のインターフェースを兼用することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、個人用の情報携帯端末においては、携帯してコンピュータに取り込んだ種々の情報の確認等に利用されるようになされ、このため携帯に不便とならないように小型形状により作成され、さらには薄型形状により形成されて胸のポケット等に収めることができるようになされている。
【0003】
またこのため情報携帯端末においては、駆動用のバッテリパックを交換可能に保持し、必要に応じてバッテリパックを交換して、電池切れにより使用困難とならないようになされている。またバッテリパックにおいても、薄型により形成して、携帯性を損なわないようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのような情報携帯端末においては、種々の情報機器に接続可能とすることにより、携帯して使用可能な範囲を拡大することができ、一段と利便性を向上することができる。
【0005】
しかしながらこの種の情報携帯端末においては、小型形状により形成されていることにより、このような各種機器に接続可能なインターフェースを設けるスペースも限られ、これにより接続可能な機器が制限される欠点がある。
【0006】
この欠点を解決する1つの方法として、この種のインターフェースをバッテリパックで兼用することが考えられ、このようにすればこの種の情報携帯端末に接続可能な機器を従来に比して一段と増大できると考えられる。
【0007】
すなわち、例えばクレジットカード形状のICカードを接続可能として、このICカードに記録された個人情報等をアクセスできるようにする場合、情報携帯端末に装着した際に露出するバッテリパックの側面等に開口を形成し、この開口よりICカードを装着できるようにすることにより、さらにはこのようにして装着したICカード、情報携帯端末との入出力回路をバッテリパックに設けることにより、バッテリパックを利用してICカードを利用可能とすることができると考えられる。
【0008】
しかしながらこのようにバッテリパックを利用してICカードのインターフェースを構成する場合にあっては、バッテリパック内の限られた空間に、二次電池との間で十分な絶縁を確保して、この種の入出力回路等を確実に保持することが必要になる。特に、この種の情報携帯端末においては、薄型に作成することが求められることにより、このようにICカードのインターフェースを兼用するように構成した場合でも、厚みの増大を極力、少なくすることが求められる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、厚みの増大を極力少なくして、ICカード等のインターフェースを兼用することができるバッテリパックを提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、樹脂成形体が、電池に沿って、電池側面に、電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、電池側とは逆側の面に、電子部品を面実装し、電池側面に、電子部品を面実装していない第2の配線基板とを保持し、この第1の配線基板に面実装された電子部品が、電池の電力を制御する制御回路であるようにする。
【0011】
請求項1の構成によれば、電池に沿って、電池側面に、電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、電池側とは逆側の面に、電子部品を面実装し、電池側面に、電子部品を面実装していない第2の配線基板とを保持することにより、この第1の配線基板においては、実装部品が電池に近接して保持され、この電子部品については電池との間の熱的な結合が大きくなる。また第1の配線基板においては、実装部品を適宜選定することにより、実装部品が電池に密着するように保持しても、半田付けの部位等については、実装部品に応じた空間距離を確保することができる。これに対して第2の配線基板においては、電池に極めて近接して保持することができる。これによりこの第1の配線基板に面実装された電子部品が、電池の電力を制御する制御回路であるようにすれば、電池の温度による電力の制御を向上し、また十分な空間距離により安全性を確保することができる。これに対して第2の配線基板においては、制御回路に比して安全性に比較的考慮を払う必要の無いICカード等の入出力回路を構成して、電池に沿った方向の十分なスペースを利用してこれらを配置することができ、これらにより厚みの増大を防止することができる。これらにより全体的な厚みの増大を極力少なくして、ICカード等のインターフェースを兼用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)実施の形態の構成
図2は、本発明の実施の形態に係る情報携帯端末を背面側より示す斜視図である。この情報携帯端末1は、PDAであり、表面に液晶表示パネルが設けられ、また表面等に各種操作子、インターフェースが配置され、これにより例えばパーソナルコンピュータ等に接続してパーソナルコンピュータの情報をアップロードして確認できるようになされ、またパーソナルコンピュータに各種の情報をダウンロードできるようになされている。
【0014】
この情報携帯端末1は、背面に、バッテリパック2を装着可能に凹部1Aが形成され、またこの凹部1Aの根元の部分にバッテリパック2の電源等を受けるコネクタ1Bが設けられる。またこの凹部1Aの側面に、バッテリパック2を係止する係止片等が形成される。これにより情報携帯端末1は、矢印Aにより示すように、バッテリパック2を凹部1Aに押し当ててスライドさせることにより、バッテリパック2を装着し、このバッテリパック2の電源により動作できるようになされている。またさらにはこれとは逆にバッテリパック2を操作して、バッテリパック2を取り外すことができるようになされている。
【0015】
情報携帯端末1は、このバッテリパック2を介して、裏面に接点を有してなるキャッシュカード形状のICカード3を装着できるように構成される。このため情報携帯端末1は、コネクタ1Bに、電源端子、このバッテリパック2を介したICカード3のアクセスに必要な各種端子が配置されるようになされている。
【0016】
またバッテリパック2においては、凹部1Aを覆って、情報携帯端末1の背面より全体が飛び出すように形成され、情報携帯端末1の下端側に対応する側面に、ICカード3を差し込む開口2Aが形成され、さらにこの開口2Aの奥に、ICカード3を受ける端子、この端子に接続される入出力回路等が設けられるようになされている。これにより情報携帯端末1においては、バッテリパック2を装着した後、矢印Bにより示すように、ICカード3をバッテリパック2の開口2Aに押し込むことにより、バッテリパック2を介してICカード3をアクセスできるようになされている。
【0017】
図1は、バッテリパック2を示す分解斜視図である。バッテリパック2は、上ケース4及び下ケース5による外装ケースにより全体を覆って、薄板形状により形成される。
【0018】
下ケース5は、樹脂材料を射出成形して、両長辺、一方の短辺に壁面が形成されてなる略長方形形状により形成される。下ケース5は、この両長辺の外側面に、情報携帯端末1の凹部1Aに形成された係止片と噛み合う突起5Aが形成され、これにより情報携帯端末1に装着できるようになされている。
【0019】
また下ケース5は、情報携帯端末1のコネクタ1Bに対応する個所に長方形形状の開口5Bが形成され、この開口5Bを内側より覆い隠して、短辺に沿って延長するように、内側壁面に密着して配線基板6が配置される。
【0020】
ここでこの配線基板6には、開口5Bにより露出する部位に、コネクタ1Bに対応する電極6Bが配置され、バッテリパック2においては、この電極6Bを介して、情報携帯端末1に電源を供給し、また充電装置に装着して充電用の電力を入力することができるようになされ、さらにはこの電極6Bを介してICカード3との間で入出力するデータ等を送受できるようになされている。このため配線基板6は、内側面が表面実装に係る部品実装面に設定され、このICカード3に係る電極6Bについて、サージ電圧対策用のツェナーダイオードがこの部品実装面に配置され、さらにこのICカード3に係る電極6Bの接続を後述する入出力回路に導くコネクタ6Cがこの部品実装面に実装されるようになされている。また同様に、二次電池との間で電力を入出力する端子6Dが配置されるようになされている。
【0021】
これらのうち端子6Dは、配線基板6の長手方向、両端部に設けられて、十分な間隔が設けられる。また端子6Dは、所定の金属板材を加工して形成され、先端が上ケース4側に延長するように半田付けして配置され、これにより十分に電力損失を低減できるように構成される。これに対してコネクタ6Cは、長手方向のほぼ中央の部分に配置され、可撓性を有するシート状の配線材料であるフレキシブル配線基板10のコネクタにより形成される。これによりこのバッテリパック2では、ICカード3の内部配線用にフレキシブル配線基板10を適用して、その分、形状を小型化するようになされている。
【0022】
さらに下ケース5は、長辺側、内側壁面に、凹部5Cが形成され、この凹部5Cによりスペーサー7を位置決めして保持する。ここでスペーサー7は、樹脂を射出成形して形成され、この凹部5Cによって、上ケース4及び下ケース5による外装ケースの内側壁面に位置決めされて保持される。すなわちスペーサー7は、下ケース5の凹部5Cに対応して凸部7Aが外側壁面に形成され、凹部5Cに凸部7Aが噛み合って、バッテリパック2の長手方向に変位しないように、また下ケース5との間で所定の空隙を形成するように、下ケース5に配置される。
【0023】
バッテリパック2においては、これによりスペーサー7により区切られる内部空間のうち、情報携帯端末1側の一方の内部空間については、スペーサー7と下ケース5とにより形成し、この内部空間に二次電池8を保持するようになされている。
【0024】
ここで二次電池8は、板形状による非水系二次電池であり、正極及び負極にそれぞれ金属板材による端子8A及び8Bが接続されるようになされ、この端子8A及び8Bの先端が、配線基板6の端子6Dの内側にて、上ケース4側に延長するように形成される。
【0025】
スペーサー7は、図3に示すように、凸部7Aが形成されて、下ケース5の内側壁面に沿って延長する棒状の側板7Bと、この側板7B間を接続する底板7Cとにより形成される。スペーサー7は、長手方向の略中央部分からICカード3を差し込んで奥側となる側において、底板7Cに大きく切り欠き7Dが形成されるようになされている。またこの長手方向の略中央部分よりICカード3を差し込む側においては、中央の部分を避けて、両側板7B側に、それぞれ所定の大きさによる開口7E及び7Fが底板7Cに形成されるようになされている。
【0026】
スペーサー7は、このように切り欠き7D及び開口7E、7Fを形成して残る部位のうち、一方の開口7E側の部位、他方の開口7Fの根元側の部位を除いて、底板7C、側板7Bの上側面が同一の高さにより形成され、この同一の高さにより形成された面によりICカード3の下側面をガイドするようになされている。またこのようなガイドに供さない一方の開口7E側の部位、他方の開口7Fの根元側の部位については、薄肉により形成され、その分、樹脂材料の使用量を低減し、全体重量の増大を防止するようになされている。これらによりバッテリパック2においては、このようにICカード3の下側面をガイドする部位については、ICカード3の両縁部に対応する側板7Bと、これら側板7Bの中央の差し込み側の部位を確保し、これにより確実にICカード3をガイドすることができるようになされている。
【0027】
スペーサー7は、このようにして開口7E、7F、切り欠き7Dが形成されてなる底板7Cの二次電池8側面に、第1及び第2の配線基板9及び11が二次電池8に沿って配置され、これら配線基板9及び11がフレキシブル配線基板12により接続され、また配線基板6側の配線基板9がフレキシブル配線基板10により配線基板6と接続される。さらにこれら配線基板9及び11のうち、ICカード3を差し込んで奥側となる配線基板9にICカード3の端子に接続するコネクタ9A、ICカード3の挿入を検出するスイッチ9Bが配置され、ICカード3を差し込んでこれらコネクタ9A及びスイッチ9Bが確実に動作できるように、底板9Cの厚みが設定されるようになされている。
【0028】
さらにスペーサー7は、配線基板9等を配置して下ケース5に配置した際に、配線基板6、二次電池8の端子6D、8A、8Bが配線基板9側に飛び出すように、配線基板6側に微細な空隙が形成される。スペーサー7は、この隙間より飛び出す端子6D、8A、8Bが配線基板9に半田付けされる。
【0029】
すなわち配線基板9は、両面が面実装による実装面に設定され、周辺部に形成された貫通孔9Hによりスペーサー7の底板、二次電池8側面に配置されるようになされている。配線基板9は、このようにしてスペーサー7に配置して、ICカード3側面に、コネクタ9A及びスイッチ9Bが配置される。このうちスイッチ9Bは、ICカード3のストッパーとしても機能し、ICカード3が差し込まれると、接点をオン状態に切り換えるようになされている。これに対してコネクタ9Aは、このようにスイッチ9Bがオン状態となるまでICカード3が差し込まれると、ICカード3の接点と接触するようになされている。
【0030】
さらに配線基板9は、この部品実装面の周縁部に、端子6D、8A、8Bに対応してランド9Dが形成され、これにより配線基板9側に飛び出す端子6D、8A、8Bをランド9D側に折り曲げて半田付けすることができるようになされている。
【0031】
配線基板9は、残る二次電池8側の実装面にこれら以外の実装部品が配置され、これによりこれらの実装部品がICカード3の挿入を妨害しないようにする。ここでこの二次電池8側に実装される実装部品においては、図4に示すように、二次電池8の充放電を制御する充放電制御回路15、配線基板11との間の接続に供するフレキシブル配線基板12のコネクタ9E、配線基板6との間の接続に供するフレキシブル配線基板10のコネクタ9Fとにより構成される。
【0032】
ここで充放電制御回路15は、放電時においては、二次電池8の放電電流を監視して短絡等の事故による過大な放電電流による放電を防止し、また二次電池8の端子電圧の監視により過放電を防止する。また充電時においては、充電電流の監視により異常な充電を防止し、また過充電を防止する。また充放電制御回路15は、これら充放電の際に、二次電池8の温度を監視し、異常な発熱を防止する。
【0033】
配線基板9においては、図5に裏面より見て示すように、この充放電制御回路15が、長方形形状による樹脂パッケージの集積回路IC1、同様の樹脂パッケージによるトランジスタQ1及びQ2により形成される。さらにこれら3つの集積回路IC1、トランジスタQ1及びQ2のパッケージの上端面がほぼ二次電池8のスペーサー7側面に接触するように形成され、これにより二次電池8の温度変化を迅速に検出して確実に充放電制御できるようになされている。
【0034】
配線基板9は、このように二次電池8側に実装されてなるトランジスタQ1及びQ2が並んで配置され、これらトランジスタQ1及びQ2を間に挟むように、スペーサー9Gが部品実装面に接着により配置される。ここでこのスペーサー9Gは、部品実装面からの高さが、トランジスタQ1及びQ2のパッケージの上端面とほぼ一致するように形成され、これによりこのように二次電池8に近接して配線基板9を配置して、衝撃等によりスペーサー7が撓んだ場合に、トランジスタQ1及びQ2、集積回路IC1に与えられる衝撃を緩和し、断線、短絡等の事故を有効に回避できるようになされている。
【0035】
配線基板9は、ランド9Dを介して二次電池8の正側及び負側電極がこの充放電制御回路15に接続され、またランド9Dを介してこの充放電制御回路15が配線基板6に接続され、これにより情報携帯端末1に電力を供給し、また二次電池8を充電できるようになされている。
【0036】
また配線基板9は、スイッチ9Bの接点出力、コネクタ9Aの各端子がコネクタ9E、フレキシブル配線基板12を介して配線基板11に導かれ、さらにこの配線基板11の入出力がフレキシブル配線基板12、コネクタ9Eを順次介してこの配線基板9に導かれた後、コネクタ9F、フレキシブル配線基板10を介して配線基板6に接続される。
【0037】
ここで入出力回路16は、スイッチ9Bの接点を監視することにより、ICカード3の装着、脱着を検出して通知する。さらに配線基板9、フレキシブル配線基板12を介して得られる情報携帯端末1からの制御によりICカード3に記録された情報を読み出して出力し、またこれとは逆に情報携帯端末1からの情報をメモリカード3に記録する。
【0038】
配線基板11は、この入出力回路16が長方形形状による樹脂パッケージの集積回路IC2(図3)により形成される。配線基板11は、配線基板9と同様に、スペーサー7の二次電池8側に配置される。配線基板11は、スペーサー7に配置して、スペーサー7側となる面が面実装に係る部品実装面に形成され、スペーサー7の開口7Eに対応する部位にコネクタ11Aが配置されるのに対し、開口7Fに対応する部位に集積回路IC2が配置されるようになされている。これにより配線基板11は、スペーサー7に開口を有効に利用して、二次電池8を配置するスペースを十分に確保するようになされている。
【0039】
なおこのようにして配線基板9及び11を配置した場合、配線基板9においては、二次電池8との間で十分な絶縁距離を確保することができるのに対し、配線基板11においては、二次電池8に裏面が密着する場合も考えられることにより、配線基板9に比して、十分な絶縁距離を確保できなくなり、二次電池8の外装による絶縁と、配線基板11の裏面の絶縁層により二次電池8との間の絶縁が保たれることになる。しかしながら配線基板9においては、エネルギー密度の高い二次電池8の充放電制御に係る回路部品を実装するのに対し、配線基板11においては、ICカード3の入出力に係るインターフェースを構成するものであることから、このように配線基板9と分離することにより、二次電池8に近接して保持するようにしても、十分な信頼性を確保することができる。
【0040】
上ケース4は、下ケース5に、二次電池8、スペーサー7等を配置した後、下ケース5に配置されて接着等により固定される。上ケース4は、下ケース5と同様に、樹脂材料を射出成形して形成され、内側壁面によりICカード3の側面をガイドし、またICカード3を差し込む開口2Aが形成されるようになされている。スペーサー7は、下ケース5に配置した際に、側面が上ケース4側に飛び出すように形成され、上ケース4は、下ケース5の側面に側面が突き当たり、さらに側面の内側がこのスペーサー7の飛び出した部位に突き当たるようになされている。
【0041】
(2)実施の形態の動作
以上の構成において、このバッテリパック2においては(図2)、情報携帯端末1の背面に配置されて、この情報携帯端末1に駆動用の電源を供給し、またこの情報携帯端末1に装着されたまま情報携帯端末1を充電装置に接続して、さらにはこの情報携帯端末1より取り外して充電装置に装着して、充電装置からの電源により充電される。またバッテリパック2は、情報携帯端末1の背面に配置して、開口2AよりICカード3が差し込まれると、さらにはこのようにして差し込んだICカード3が引き抜かれると、情報携帯端末1にこれらが通知される。またICカード3が差し込まれた状態で、ユーザーによる情報携帯端末1の操作により、情報携帯端末1に保持された各種の情報がICカード3に記録され、またこれとは逆にICカード3に記録された情報が情報携帯端末1によりアクセスされる。これによりこの実施の形態においては、バッテリパック2をICカード3のインターフェースに兼用することができ、その分、情報携帯端末1に接続可能な機器を増大させ、情報携帯端末1の使い勝手を向上することができる。
【0042】
バッテリパック2においては、情報携帯端末1の凹部1Aに配置されて装着され、情報携帯端末1に装着した際に、情報携帯端末1の裏面より盛り上がるように形成され、この盛り上がった部位の下側側面にICカード3を差し込む開口2Aが形成され、またこの盛り上がった部位にICカード3の入出力回路16(図4)が二次電池8の充放電制御回路15と共に配置される。
【0043】
すなわちバッテリパック2においては(図3)、配線基板9に充放電制御回路15、コネクタ9A、スイッチ9B等が実装され、また配線基板11に入出力回路16、コネクタ11Aが実装され、これら配線基板9及び11がフレキシブル配線基板12により接続されてスペーサー7に配置される。さらに下ケース5に端子6D、コネクタ6C、フレキシブル配線基板10等を配置してなる配線基板6が配置され、この下ケース5に、二次電池8が配置された後、フレキシブル配線基板10により配線基板6及び9が接続されてスペーサー7が配置される。また端子6D、8A、8Bが折り曲げられてランド9Dに半田付けされた後、上ケース4が配置される。
【0044】
これによりこのバッテリパック2においては、充放電制御回路を構成する電子部品を二次電池8側面に面実装してなる第1の配線基板9と、これは逆側の面に電子部品を面実装し、二次電池側面には何ら電子部品を面実装していない第2の配線基板11とが、二次電池8に沿って配置される。
【0045】
これにより第1の配線基板9に実装されてなる充放電制御回路を構成する電子部品については、二次電池8に接近させて、ほとんど密着するように保持することができ、二次電池8との間の熱的な結合が大きくすることができる。これによいバッテリパック2において、この充放電制御回路においては、二次電池8の温度変化に敏感に反応して温度特性に係る各種制御の精度を向上することができる。すなわち満充電容量、放電可能容量等においては、温度により変化することにより、これら満充電の制御、過放電を防止した放電の制御等について精度を向上することができる。また急激な二次電池8の温度変化についても対応することができ、これにより事故等に迅速に対応することができる。
【0046】
またこのようにして配置して、第1の配線基板9においては、樹脂モールドによる集積回路、トランジスタが配置され、これらの電子部品の面実装が二次電池8側であることにより、これら電子部品が二次電池8に接触しても、半田付けの部分、さらには配線基板9のランド、配線パターンにあっては、十分な絶縁距離を確保することができる。これにより十分な信頼性を確保することができる。
【0047】
これに対して第2の配線基板11においては、第1の配線基板9と共に、二次電池8に沿って配置されることにより、十分な面積を確保することができる。また何ら電子部品を実装していない面を二次電池8側に設定することにより、この二次電池8側の面の配線基板11に適用される絶縁処理により絶縁して、この配線基板11に実装するICカード3の入出力回路16については、十分な絶縁を確保して、十分な信頼性を確保することができる。
【0048】
これにより厚みの増大を有効に回避して、ICカード3のインターフェースを兼用することができる。
【0049】
このようにして電子部品を実装してなる第2の配線基板11においては、スペーサー7の対応する部位に開口が形成されていることにより、その分バッテリパック2においては、厚みを少なくすることができる。
【0050】
(3)実施の形態の効果
以上の構成によれば、電池側の面に電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、これとは逆側の面に電子部品を面実装し、電池側の面に、電子部品を面実装していない第2の配線基板とを、電池に沿って配置することにより、厚みの増大を極力少なくして、ICカード等のインターフェースを兼用することができる。
【0051】
またこの第1及び第2の配線基板を接続し、電力を出力するコネクタ6Bを第2の配線基板と情報携帯端末1との接続に兼用することにより、全体構成を簡略化することができる。
【0052】
また第1の配線基板を介して、第2の配線基板を情報携帯端末に接続することにより、内部接続についても構成を簡略化することができる。
【0053】
また射出成形体であるスペーサーにおいて、第2の配線基板に実装された電子部品に対応する部位に開口を形成することにより、その分、全体の厚みを薄くすることができる。
【0054】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、第1の配線基板側に、ICカードの挿入を検出するスイッチ、コネクタを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ICカードの差し込み口を逆側に作成し、又はICカードの差し込みの方向を逆向きにする等により、第2の配線基板側にスイッチ、コネクタを配置するようにしてもよい。
【0055】
また上述の実施の形態においては、ICカードの入出力回路を第2の配線基板側に構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、切手大の大きさによるメモリカードのインターフェースを構成する場合、赤外線通信等のインターフェースを構成する場合等にも広く適用することができる。
【0056】
また上述の実施の形態においては、非水系二次電池によるバッテリパックに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の二次電池によるバッテリパック、さらには充電困難な電池によるバッテリパックに広く適用することができる。
【0057】
また上述の実施の形態においては、PDAのバッテリパックに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば携帯電話等、各種の情報携帯端末のバッテリパック、さらには各種映像機器、音響機器のバッテリパック等に広く適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、電池側の面に電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、これとは逆側の面に電子部品を面実装し、電池側の面に、電子部品を面実装していない第2の配線基板とを、電池に沿って配置することにより、厚みの増大を極力少なくして、ICカード等のインターフェースを兼用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバッテリパックを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るバッテリパックを情報携帯端末と共に示す斜視図である。
【図3】図2のバッテリパックのスペーサーを周辺構成と共に示す分解斜視図である。
【図4】図2のバッテリパックの接続を示すブロック図である。
【図5】第1の配線基板の二次電池側面を示す平面図である。
【符号の説明】
1……情報携帯端末、2……バッテリパック、3……メモリカード、4……下ケース、5……上ケース、6、9、11……配線基板、7……スペーサー、8……二次電池、10、12……フレキシブル配線基板

Claims (7)

  1. 電子機器に装着されて電源を供給するバッテリパックにおいて、
    前記電源を出力する電池と、
    前記電池と積層されて保持される樹脂成形体と、
    前記電池、前記樹脂成形体とを保持する外装ケースとを備え、
    前記樹脂成形体が、
    前記電池に沿って、
    前記電池側面に、電子部品を面実装してなる第1の配線基板と、
    前記電池側とは逆側の面に、電子部品を面実装し、前記電池側面に、電子部品を実装していない第2の配線基板とを保持し、
    前記第1の配線基板に面実装された前記電子部品が、
    前記電池の電力を制御する制御回路である
    ことを特徴とするバッテリパック。
  2. 前記第1及び第2の配線基板が接続され、
    前記外装ケースの前記電力を出力する端子が形成されてなる部位において、前記第2の配線基板が前記電子機器に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  3. 前記第2の配線基板は、
    前記第1の配線基板を介して前記電子機器に接続される
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  4. 前記樹脂成形体は、
    前記第2の配線基板に実装された前記電子部品に対応する部位に、開口が形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  5. 前記第2の配線基板に面実装された前記電子部品が、
    外部機器との間の入出力回路を構成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  6. 前記外部機器が、
    キャッシュカード形状によるICカードであり、
    前記外装ケース及び前記樹脂成形体は、
    前記電池とは逆側に、前記ICカードを差し込む空隙を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
  7. 前記電池が、
    非水系二次電池であり、
    前記制御回路は、
    前記電池からの前記電力の供給の制御に加えて、前記電池の充電を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリパック。
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