JP3586917B2 - 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体の製造方法 - Google Patents

2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(以下、ナトリウム塩化合物ということもある。)の重合体又は共重合体の製造方法に関する。特にその重合性の改良を目的とし、得られる重合体等は繊維として使用される他、抄紙用分散剤、凝集剤等として有用な高分子電解質として各種用途に利用される。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、スルホン酸化合物ということもある。)は、合成原料と反応溶媒を兼ねた過剰のアクリロニトリルに、所定量の硫酸又は発煙硫酸、及びイソブチレンを添加し、反応させ、結晶として析出する粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、粗スルホン酸化合物ということもある。)を、反応混合液より分離することにより得られる(特公昭50−30059号公報)。また、この粗スルホン酸化合物を水酸化ナトリウムで中和することにより、粗ナトリウム塩化合物が製造される。
【0003】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムは、それ自体が各種用途に使用され、更に、その単独重合体或いは共重合体は、上記のように繊維又は抄紙用分散剤等として有用な高分子電解質などとして利用されるが、このような各種用途においては、ナトリウム塩化合物そのものに着色がなく、また、重合体とした場合には、高分子量であって、且つ溶解性の高い水溶性重合体とするために高純度のナトリウム塩化合物が必要とされている。
【0004】
しかし、本発明者らが前記の特公昭50−30059号公報に開示された方法を追試した結果では、反応中に副生したイソブチレンのスルホン化物及び硫酸エステル等が、スルホン酸化合物中に不純物として含まれ、得られた結晶を水酸化ナトリウムで中和後、アクリロニトリル、アクリルアミド等と共重合させた場合、得られる共重合体の分子量が低かったり、水不溶解性のゲルが生成したりして、重合体原料として満足に使用し得るナトリウム塩化合物は得られなかった。
【0005】
また、合成反応で得られる粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の結晶中に存在する不純物を除去する方法として、特公昭56−53306号公報には、反応混合物より分離した粗スルホン酸化合物の結晶を、含水酢酸によって再結晶化し、精製する方法が提案されている。しかし、このような再結晶による精製のためには、多くの設備費、労務費を要し、また、製品収量が低下し、経済的に好ましくない。
【0006】
一方、特開平3−33264号公報には、粗スルホン酸化合物を、含水率1.0重量%以上のアクリロニトリルで洗浄することを特徴とする高純度スルホン酸化合物の製造方法が提案されている。この方法によれば、上記再結晶法に比較して、反応時に副生したイソブチレンのスルホン化物及び硫酸エステル等の除去をより経済的に行うことができる。
【0007】
しかし、上記製造方法では、大量の粗スルホン酸化合物の結晶を取り扱う際に、全量を均一に洗浄することはかなり困難であり、水酸化ナトリウムで中和後、得られたナトリウム塩化合物を重合した場合に、重合体の分子量が低く、また水不溶解性のゲルが生成するという問題も生ずる。
【0008】
また、水不溶解性ゲルの発生を抑制するために、重合において重合開始温度を上げる等の手段が挙げられるが、それでは重合度が下がり、そのため所望の重合度の重合体が得られないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、粗スルホン酸化合物の結晶の着色を防止し、アクリルアミド等と共重合した場合に、分子量を高め、水不溶解性ゲルの生成を防止する方法として、鉄の含有量が20ppm以下の硫酸又は発煙硫酸を原料として使用することにより、高純度のスルホン酸化合物が得られることを見い出し、先に出願した。
【0010】
しかし、上記方法では着色はほぼ確実に防止できるものの、反応条件の変動、或いは局部的な反応等により、得られるナトリウム塩化合物をアクリルアミド等と共重合した場合に、時として共重合体の分子量が低く、また水不溶解性のゲルを生じることもあり、高純度のスルホン酸化合物を安定して得ることは難しいことが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの重合性等を改良し、分子量が低い、或いは水不溶解性のゲルが生成する等の問題を生ずることなく重合体又は共重合体を得る方法について、従来の粗スルホン酸化合物の再結晶法、洗浄法等とはまったく異なる観点から鋭意検討を行った結果、本発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明の粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、又はこれとその他の共重合性単量体との重合により重合体を製造する方法は、アクリロニトリルと、硫酸又は発煙硫酸と、イソブチレンとを反応させて得られた結晶状の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含むスラリーから、濾過分離又は遠心分離により過剰のアクリロニトリルを分離し、その後、常圧乾燥又は減圧乾燥をして得られた結晶状の粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、又は上記スラリーから、濾過分離又は遠心分離により過剰のアクリロニトリルを分離し、次いで、アクリロニトリル又は含水アクリロニトリルで洗浄し、その後、常圧乾燥又は減圧乾燥をして得られた結晶状の粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であって、それ以上に精製されていない粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、又はこれとその他の共重合性単量体との重合により重合体を製造する方法において、上記粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとして、上記粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を水の存在下に中和して粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの水溶液を得てから2.5時間以上、5〜30℃の条件で放置された粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを用いることを特徴とする。
【0014】
上記「粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム」は、アクリロニトリル、硫酸又は発煙硫酸及びイソブチレンを使用して合成した粗スルホン酸化合物を、水酸化ナトリウムで「中和」することにより得られる。この粗ナトリウム塩化合物は単独で重合させることもでき、また、他の「共重合性単量体」と共重合させることもできる。共重合性単量体としては、アクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル系単量体が好適である。
【0016】
また、発明において、粗ナトリウム塩化合物の放置時間が2.5時間未満では、得られる重合体等の水溶液の粘度が測定不能なほどに高くなる。この放置時間も技術上は特に上限はなく、上記と同様に長期間放置しても、同様に何ら問題を生ずることはないが、この場合も中和工程と重合工程とを一連の工程として工業的に実施する場合は、放置時間を10〜350時間、特に24〜350時間程度とすることが好ましい。この発明における粗ナトリウム塩化合物の好ましい放置温度も5〜30℃であり、この温度範囲であれば、粗ナトリウム塩化合物水溶液をより安定した状態で保持することができる。
【0017】
以下、粗スルホン酸化合物合成のための原料、中和方法等、及び粗ナトリウム塩化合物の重合について詳述する。
アクリロニトリルとしては、粗スルホン酸化合物の原料及び共重合性単量体いずれに使用する場合も、一般に市販されている工業用のものを特に限定することなく用いることができる。また、アクリロニトリルと硫酸又は発煙硫酸とは等モルで反応が進行するが、反応の進行とともに、生成する粗スルホン酸化合物が析出して反応溶液の粘度が増大し、撹拌が困難となる恐れがあるため、アクリロニトリルを反応溶媒として作用させることが望ましく、その場合は硫酸又は発煙硫酸1モルに対してアクリロニトリルを4.0モル以上用いることが望ましい。
【0018】
また、硫酸又は発煙硫酸も一般に市販され、使用されているものを何ら制限することなく用いることができるが、含有される鉄は可能な限り少ないことが望ましく、鉄が、例えば20ppmを越える場合は、得られる粗スルホン酸化合物が着色することがあり、好ましくない。
【0019】
イソブチレンも一般的なものをそのまま使用することができ、その好ましい添加割合は、硫酸又は発煙硫酸1モル当たり0.8〜1.2モル、より好ましくは0.8〜1.0モルである。イソブチレンの添加割合が、硫酸又は発煙硫酸1モル当たり0.8モル未満の場合は、粗スルホン酸化合物の結晶が着色することがあり、添加割合が1.2モルを越えると副生物が増加する恐れがある。
【0020】
アクリロニトリル、硫酸又は発煙硫酸及びイソブチレンの反応条件は特に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリルと硫酸又は発煙硫酸とを混合し、その後、イソブチレンを添加し反応させる二段連続反応、或いは上記3成分を一度に混合して反応させる一段連続反応等が挙げられる。好ましい反応温度は−10〜70℃であり、30〜50℃の範囲がより好ましい。反応温度が70℃を越えると副生物であるイソブチレンスルホン化物の生成量が増大し、粗スルホン酸化合物が着色することがあり、反応温度が−10℃未満では硫酸エステルが副生するため、粗スルホン酸化合物の収率が低下する傾向にある。
【0021】
上記のようにして反応させ、得られた結晶状のスルホン酸化合物を含む反応スラリーから、通常の濾過分離、遠心分離等の方法により、過剰のアクリロニトリルを分離し、必要に応じてアクリロニトリル又は含水アクリロニトリルで洗浄し、その後、常法により常圧乾燥又は減圧乾燥をして、粗スルホン酸化合物を得ることができる。尚、本発明では、上記粗スルホン酸化合物をそのまま中和した粗ナトリウム塩化合物を使用することができ、また、粗スルホン酸化合物を上記のような再結晶或いは含水アクリロニトリルによる洗浄等の方法によって精製し、この精製品を中和して純度を高めた粗ナトリウム塩化合物を使用することもできる。すなわち、本発明において、上記「粗ナトリウム塩化合物」とは、その原料であるスルホン酸化合物が合成後特に精製処理されているかどうかにかかわりなく、得られる重合体の分子量の低下の抑制及びゲル発生の防止といった効果が十分でないナトリウム塩化合物をも含むものである。
【0022】
粗スルホン酸化合物を分離した濾液はアクリロニトリルを主成分とし、その他未反応硫酸、反応時の副生物等を含んでいる。この濾液はそのまま廃液として処理してもよいが、経済的ではなく、アクリロニトリルを回収、再利用することが望ましい。アクリロニトリルの回収は常法に従って行えばよく、例えば、濾液中の酸分を適宜、中和後、そのまま再利用するか、或いはアクリロニトリルの重合を防止するため、重合防止剤を添加しながら、蒸留により精製して、再利用することもできる。
【0023】
粗スルホン酸化合物を中和するために使用する水酸化ナトリウムは、特に限定されるものではなく、一般の工業用をそのまま使用することができる。例えば最高48重量%の水酸化ナトリウム水溶液として提供されているものでもよく、固形の水酸化ナトリウムを水に溶解して水溶液として使用してもよい。水酸化ナトリウムの使用量はスルホン酸化合物と化学量論的に等量である。
【0024】
また、中和方法も特に限定されることはなく、例えば、予め水を入れた容器に粗スルホン酸化合物を投入して水に溶解し、その後、適宜濃度の水酸化ナトリウム水溶液又は固形の水酸化ナトリウムを加えて中和した後、更に水を加えて重合のための所定濃度に調製する方法でもよく、逆に予め所定濃度になるように希釈された水酸化ナトリウム水溶液に、粗スルホン酸化合物を添加する方法であってもよい。
【0025】
中和温度は好ましくは5〜40℃であり、この温度が5℃未満であると、得られる粗ナトリウム塩化合物の水に対する溶解度が低く、中和後に水溶液がスラリー状になり易く、また、中和時に発生する熱の除去に、より多くの冷却剤が必要となり経済的でない。更に、中和温度が50℃を越える場合は、中和直後から得られた粗ナトリウム塩化合物が重合を開始する恐れがある。
【0026】
尚、粗スルホン酸化合物の水溶液は、溶存酸素がない状態で放置すると重合し易いため、水溶液調製時、好ましくはその後水溶液として放置する間も、水溶液中に空気を吹き込んだりして、ある程度の溶存酸素量を維持することが好ましい。また、中和後の粗ナトリウム塩化合物の水溶液においても、同様に常に適量の溶存酸素を含有させておくことが望ましい。更に、重合の進行を抑えるため、ハイドロキノンモノメチルエーテルを粗ナトリウム塩化合物に対して100ppm以下添加してもよい。このハイドロキノンモノメチルエーテルは100ppmを越える量では、重合抑制の効果が強くなりすぎ、重合に長時間を要する等の問題が生ずる。
【0027】
また、重合時の粗ナトリウム塩化合物の水溶液の濃度は20〜60重量%が好ましい。この濃度が20重量%未満では、所定量の重合体又は共重合体を製造するための反応容器の容量が大きくなり、大型の設備が必要となり好ましくない。また、水溶液濃度が60重量%を越える場合は、粗ナトリウム塩化合物の結晶が析出する可能性があり、均一な重合反応を行うことができなくなる恐れがあり、好ましくない。
【0028】
【作用】
粗ナトリウム塩化合物の重合工程において、重合体の分子量が大きくならなかったり、水不溶解性のゲルが生成するのは、同化合物中に存在する、例えば二重結合を2個以上有する多官能性の不純物が反応して、架橋構造を有する重合体を生成することによる。そのため、従来より、再結晶化、特定の含水率のアクリロニトリルによる洗浄等の方法により、同化合物の純度を高くするための努力がなされてきたが、ゲルの生成が十分に抑えられるほどの高純度のスルホン酸化合物はこれまで得られていない。
【0029】
本発明では、粗スルホン酸化合物の水溶液又は中和後の粗ナトリウム塩化合物の水溶液を、それぞれ特定時間放置後、重合或いは共重合を開始することにより、詳細な作用機構は不明ではあるが、上記多官能性の不純物の架橋反応等の作用が強く抑制され、重合体又は共重合体の分子量の低下、水不溶解性のゲルの生成等が抑えられるものであり、粗スルホン酸化合物又は粗ナトリウム塩化合物の水溶液を単に放置することが、上記のように作用することは今回初めて明らかになったものである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中の単位は、モル及び水不溶性物質の量を除いていずれも重量単位である。
(1) 粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の製造
撹拌機及び入口管と出口管を備えたガラス反応器を2個連結し、下記条件下、第1反応器にアクリロニトリル及び発煙硫酸を導入して、アクリロニトリルと発煙硫酸を混合し、この混合物を第2反応器に導き、第2反応器には更にイソブチレンガスを導入して連続的に反応させた。
【0031】
発煙硫酸1モルに対し、アクリロニトリルを10モル、イソブチレンを0.9モルの割合で供給した。尚、発煙硫酸の濃度は9%である。また、第1反応器は−5〜−15℃に維持し、滞留時間は10分とし、第2反応器は30〜50℃に維持し、滞留時間は40分とした。その後、得られた反応生成物を第2反応器から吸引濾過し、反応液が付着したままのスルホン酸化合物を得、該化合物と等量のアクリロニトリルで洗浄後、減圧乾燥して、粗スルホン酸化合物を得た。収率は供給イソブチレン量に対して90%であった。
【0032】
(2) 粗スルホン酸化合物の中和及び粗ナトリウム塩化合物の重合
実施例1〜6及び比較例1〜2
上記の方法で得た粗スルホン酸化合物の結晶40gを、エアーポンプで空気を導入しながら水60gに溶解し、空気の導入を継続しながら、表1記載の放置時間を経過後、16%NaOH水溶液を加えてpH8に調整し、その後、アクリルアミド123gを添加、混合し、これに更に水を加えてモノマー濃度を20%に調製した。次いで、調製された水溶液を窒素置換し、過硫酸カリウム及び亜硫酸ナトリウムをそれぞれ200ppm加え、10℃で重合を開始した。10時間後に反応容器から共重合体を取り出し、これを100℃で4時間真空乾燥した後、粉砕した。
【0033】
実施例7〜11及び比較例3〜4
粗スルホン酸化合物の結晶を水に溶解し、16%NaOH水溶液を加えてpH8に調整した後、この粗ナトリウム塩化合物水溶液を、表1に示す時間放置したことを除いて実施例1と同様にして共重合体粉末を得た。
【0034】
(3) 共重合体の粘度の測定
上記のようにして得た共重合体の粉末を水溶液にして、以下の条件で粘度を測定した。
粘度測定の条件:
粘度計;B型粘度計
ローター回転速度;6rpm
水溶液の濃度;0.1%
水溶液の温度;25℃
【0035】
(4) 水不溶解性物質の定量
上記の共重合体粉末0.3gを水300gに溶解し、これを80メッシュの網で濾過した場合に、網上に残存したものの容量をメスシリンダーによって測定し、水不溶解性物質を定量した。
上記共重合体の粘度及び水不溶解性物質の量を表1に併記する。
【0036】
【表1】
Figure 0003586917
【0037】
表1の結果によれば、各実施例では、共重合体の粘度が380〜430センチポイズと低く、また、水不溶解性物質の量も0〜25mlと非常に少なく、中和前又は重合前に特定時間放置することによる効果が裏付けられている。特に、酸水溶液では3時間以上、中和塩水溶液では24時間以上放置した場合は、水不溶解性物質は実質的に生成しないか、或いは極く少量生成するのみであり、非常に良好な結果となっている。一方、中和前及び重合前にまったく放置時間をおかなかった比較例1、或いは放置時間が短い比較例2〜4では、いずれの例でも粘度は測定不能であり、不溶解性物質の量も各実施例を大きく越えており、たとえ放置時間をおいたとしても、本発明の下限を下回る短時間ではその効果が不十分であることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム重合体又は共重合体の製造方法によれば、原料化合物の精製処理を特に要することなく、重合工程において、水不溶解性のゲルが生成しないか、又は僅かしか生成せず、また、分子量の低下を生ずることなく重合体等を得ることができる。

Claims (1)

  1. アクリロニトリルと、硫酸又は発煙硫酸と、イソブチレンとを反応させて得られた結晶状の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含むスラリーから、濾過分離又は遠心分離により過剰のアクリロニトリルを分離し、その後、常圧乾燥又は減圧乾燥をして得られた結晶状の粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、又は上記スラリーから、濾過分離又は遠心分離により過剰のアクリロニトリルを分離し、次いで、アクリロニトリル又は含水アクリロニトリルで洗浄し、その後、常圧乾燥又は減圧乾燥をして得られた結晶状の粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であって、それ以上に精製されていない粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム、又はこれとその他の共重合性単量体との重合により重合体を製造する方法において、上記粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとして、上記粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を水の存在下に中和して粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムの水溶液を得てから2.5時間以上、5〜30℃の条件で放置された粗2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを用いることを特徴とする上記重合体の製造方法。
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