JP3586137B2 - 可変容量型油圧モータの容量制御装置 - Google Patents

可変容量型油圧モータの容量制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に設けられる可変容量型油圧モータのモータ容量を可変に制御するのに好適に用いられる可変容量型油圧モータの容量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、可変容量型油圧モータは、油圧ショベル等の建設機械において走行用または旋回用の油圧モータとして用いられる。そして、例えば走行用の油圧モータとして用いる場合には、容量可変アクチュエータでモータ容量を大容量と小容量とに切換えることにより、大容量のときには油圧モータを高トルクで低速回転させ、小容量のときには低トルクで高速回転させるものである。
【0003】
そして、油圧モータの容量制御装置としては、油圧モータに外部から作用する負荷圧に応じてモータ容量を可変に制御するため、油圧モータの負荷圧をパイロット圧として容量制御弁に供給し、このパイロット圧に従って容量制御弁を大容量位置と小容量位置とに選択的に切換えることにより、容量可変アクチュエータに給排する圧油を切換制御する構成とした自己圧制御式の容量制御装置が知られている(例えば、特開昭54−101068号公報)。
【0004】
この種の従来技術による自己圧制御式の容量制御装置は、油圧パイロット式のスプール弁からなる容量制御弁を、油圧モータの負荷圧であるパイロット圧に応じて小容量位置と大容量位置とに切換制御し、パイロット圧に対するスプールの受圧面積を大容量位置と小容量位置とで変化させることにより、容量切換時のハンチングを防止する構成としている。
【0005】
即ち、油圧モータはモータ容量を小容量から大容量に切換えると、これに伴って負荷圧が減少する傾向があるため、負荷圧の減少に応じてモータ容量が大容量から再び小容量へと切換えられてしまうことがある。そして、モータ容量が小容量に切換わったときには負荷圧が増大するために、モータ容量が小容量から再び大容量に切換えられるといった所謂ハンチング現象を生じる。
【0006】
そこで、このようなハンチング現象を防止するために、上記の従来技術では、容量制御弁のパイロット圧に対する受圧面積を大容量位置と小容量位置とで変化させ、モータ容量を切換えるパイロット圧(負荷圧)の設定値に、例えば後述の図5に示すようなヒステリシス特性を与えているものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、油圧モータの方向制御弁と油圧源との間に位置する油圧ポンプ側の管路部、または方向制御弁とカウンタバランス弁との間の管路部からモータ駆動圧となる圧油を取出し、この圧油を容量制御弁のパイロット圧に用いると共に、容量可変アクチュエータに給排する圧油としても使用する構成としている。
【0008】
このため、従来技術にあっては、方向制御弁を切換位置から中立位置に戻してモータ駆動圧をタンク圧レベルまで低下させたときに、容量制御弁の切換位置に拘らず、容量可変アクチュエータに給排する圧油もタンク圧まで低下することになり、油圧モータの慣性回転時にはモータ容量がオペレータの意図に反した容量になる場合がある。
【0009】
これに対して、カウンタバランス弁と油圧モータとの間の管路部から前記圧油を導出する構成にすることも可能である。しかし、この場合には油圧ショベル等の車両(慣性体)を停止させるときに、ブレーキ圧によってモータ容量が切換わることがあるため、例えば左,右の走行用油圧モータ間でモータ容量が異なってしまい、車両の停止操作が難しくなるという問題が生じる。
【0010】
即ち、車両がモータ小容量で走行している状態から停止するときに、左,右の走行用油圧モータの負荷圧(ブレーキ圧)が路面状態等により変動し、一方の油圧モータ側でブレーキ圧が瞬間的に増大すると、自己圧制御により一方のモータ容量のみが大容量となって左,右のモータ容量がアンバランスになる。そして、一方の油圧モータ側ではブレーキ圧の急増により急ブレーキがかかり、結果的には車両が曲進、蛇行する等の不具合が発生する虞れがある。
【0011】
また、他の従来技術として、例えば特開昭57−43002号公報には、容量可変アクチュエータに圧油を選択的に供給するメイン切換弁と、油圧モータの負荷圧を感知し該メイン切換弁を負荷圧に応じて切換制御するパイロット弁とからなる自己圧制御式の容量制御装置が開示されている。
【0012】
しかし、この場合にも油圧モータと方向制御弁との間の管路部から圧油を取出し、この圧油を容量制御弁のパイロット圧に用いると共に、容量可変アクチュエータに給排する圧油としても使用する構成としているので、前述した従来技術と同様の問題が生じるものである。
【0013】
一方、別の従来技術として、例えば特開平1−116301号公報には、外部指令圧を用いてモータ容量を大容量と小容量とに切換えるため、容量制御弁のスプールに外部指令圧を受圧する段差部を設け、この段差部側で外部指令圧を受圧する受圧面積をスプールの摺動位置(切換位置)に応じて変化させる構成としたものが開示されている。
【0014】
しかし、この場合にはスプールの段差部側にスリーブを挿嵌し、外部指令圧に対する受圧面積をスプールの段差部とスリーブとの相対位置に応じて変化させる構成としているため、スプールとは別体のスリーブが必要となり、これによって部品点数が増加し、容量制御弁の構造が複雑になる上に、外部指令圧を用いる容量制御装置に適用が限られ、汎用性を高めることが難しいという問題がある。
【0015】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、モータ容量を安定させて自動的に制御でき、停止操作時等でのオペレータの負担を軽減できる上に、適用範囲を広げて汎用性を高めることができるようにした可変容量型油圧モータの容量制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、容量可変部を有し油圧源からの圧油により回転駆動される可変容量型油圧モータと、該油圧モータを油圧源に接続する一対の給排通路の途中に設けられ前記油圧源から油圧モータに給排する圧油の方向を切換える方向制御弁と、該方向制御弁と油圧モータとの間に位置して前記一対の給排通路の途中に設けられたカウンタバランス弁と、前記油圧モータの容量可変部を駆動しモータ容量を変化させる容量可変アクチュエータと、前記油圧モータの負荷圧をパイロット圧として受圧するスプールを有し該スプールの摺動変位に従って小容量位置と大容量位置とに切換わることにより前記容量可変アクチュエータに給排する圧油を切換制御する容量制御弁とからなる可変容量型油圧モータの容量制御装置に適用される。
【0017】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記一対の給排通路のうち前記カウンタバランス弁と油圧モータとの間に位置する通路部には、前記一対の給排通路のうち高圧側となる給排通路の圧油を、前記容量可変アクチュエータを駆動するための圧油として前記通路部から導出する圧油導出手段を設け、前記カウンタバランス弁には、または前記方向制御弁とカウンタバランス弁との間には、前記容量制御弁に供給するためのパイロット圧を前記一対の給排通路のうち高圧側の給排通路から導出するパイロット圧導出手段を設け、前記容量制御弁は、該パイロット圧導出手段からのパイロット圧に従って前記小容量位置と大容量位置とに切換制御されるときに、該パイロット圧を受圧する前記スプールの受圧面積を切換位置に応じて変化させる構成としたことにある。
【0018】
このように構成することにより、容量可変アクチュエータに供給するための圧油を、油圧モータとカウンタバランス弁との間の給排通路から圧油導出手段を用いて導出することができ、例えば油圧モータの慣性回転時にも容量可変アクチュエータに圧油を供給し続けることができる。そして、この状態では方向制御弁とカウンタバランス弁との間の給排通路から油圧モータの負荷圧をパイロット圧として導出することにより、容量制御弁が慣性回転時のブレーキ圧に影響されて切換わるのを防止でき、油圧モータの容量を安定した状態に保つことができる。また、容量制御弁は、前記パイロット圧に応じて大容量位置と小容量位置とに切換制御されるときに、前記パイロット圧を受圧するスプールの受圧面積変化するので、容量制御弁の切換圧力(パイロット圧)にヒステリシス特性を与えることができる。
【0019】
また、請求項2の発明によると、パイロット圧導出手段は、カウンタバランス弁に設けられ各給排通路のうち高圧側となる給排通路の圧油を導出する高圧導出ポートにより構成している。
【0020】
これにより、方向制御弁とカウンタバランス弁との間に位置する一対の給排通路のうち高圧側の給排通路を流れる圧油(モータ駆動圧)の一部を、カウンタバランス弁に設けた高圧導出ポートから取出し、これをパイロット圧として容量制御弁に供給することができる。
【0021】
一方、請求項3の発明では、パイロット圧導出手段は、カウンタバランス弁と方向制御弁との間に位置して一対の給排通路間に設けられ該各給排通路のうち高圧側となる給排通路から圧油を選択的に導出する高圧選択弁により構成している。この場合には、高圧選択弁を用いてモータ駆動圧をパイロット圧として取り出すことができる。
【0022】
また、請求項4の発明によると、容量制御弁は、スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポートおよび容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断するスプールと、該スプールの軸方向一側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを他側に向けて常時付勢する付勢手段と、前記スプールに設けられ、前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる第1の受圧部と、前記スプールに形成された有底穴からなり、該スプールの軸方向に延びて軸方向他側の端面に開口した有底の軸穴と、該軸穴の開口端を閉塞するように該軸穴内に摺動可能に挿嵌され、該軸穴の底部との間に油室を画成すると共に該油室内の油圧反力を受承するピストンと、前記軸穴の底部によって形成され、前記油室内の圧力を受圧することにより前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、前記油室に対応する位置で前記スプールに形成され、該スプールがスプール摺動穴内を変位するときに前記油室をパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる油路とから構成している。
【0023】
このように構成することにより、油圧モータの負荷圧(パイロット圧)が小さい状態ではスプールを付勢手段によって他端側へと摺動変位させ、パイロット圧が上昇したときには第1の受圧部がパイロット圧を受圧することにより付勢手段に抗してスプールを摺動変位させることができる。また、油路はスプールの摺動変位に応じて油室を互いに圧力の異なるパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる。そして、油室がパイロットポートに連通したときには、スプールは油室内に導かれたパイロット圧を第2の受圧部で受圧し、タンクポートに連通したときにはパイロット圧の受圧が解除されるため、第1,第2の受圧部によるスプールの合計の受圧面積は、油室が油路を介していずれのポートに連通しているかによって変化することになり、この受圧面積の変化を活用して容量制御弁の切換圧力にヒステリシス特性を与えることができる。
【0024】
また、請求項5の発明によると、容量制御弁は、スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポート、外部指令圧ポートおよび容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断するスプールと、該スプールの軸方向他側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを一側に向けて常時付勢する付勢手段と、前記スプールの軸方向一側に設けられ、前記外部指令圧ポートから導かれた外部指令圧を受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる指令圧受圧部と、該指令圧受圧部と軸方向で対向して前記スプールに設けられ、該スプールを前記付勢手段の付勢方向に摺動変位させるため前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧する第1の受圧部と、前記スプールに形成された有底穴からなり、該スプールの軸方向に延びて端面に開口した有底の軸穴と、該軸穴の開口端を閉塞するように該軸穴内に摺動可能に挿嵌され、該軸穴の底部との間に油室を画成すると共に該油室内の油圧反力を受承するピストンと、前記軸穴の底部によって形成され、前記油室内の圧力を受圧することにより前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、前記油室に対応する位置で前記スプールに形成され、該スプールがスプール摺動穴内を変位するときに前記油室をパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる油路とから構成している。
【0025】
このように構成することにより、外部指令圧を用いて容量制御弁を切換制御でき、例えば外部指令圧をタンク圧レベルまで低下させた状態では、パイロットポートからのパイロット圧に拘りなく、付勢手段によりスプールを一方向の摺動位置に保ち、容量制御弁を例えば大容量位置に固定することができる。そして、外部指令圧を大きくしスプールを付勢手段に抗して他方向に変位させた場合には、スプールが油圧モータの負荷圧に応じて一方向または他方向に摺動変位可能な状態となり、パイロット圧に対するヒステリシス特性をもった容量の切換制御を行うことができる。
【0026】
さらに、請求項6の発明によると、容量制御弁は、スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポートおよび容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断するスプールと、該スプールの軸方向一側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを他側に向けて常時付勢する付勢手段と、前記スプールに設けられ、前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる第1の受圧部と、前記スプールの一側端面に開口した有底穴からなり、前記タンクポートに常時連通されるストッパ摺動穴と、該ストッパ摺動穴内に挿嵌され、前記スプールが付勢手段に抗して摺動変位したときのストロークエンドを規制するストッパと、前記ストッパ摺動穴の径方向外側に位置して前記スプールの外周側とスプール摺動穴との間に形成され、前記スプールが摺動変位するときに前記パイロットポートに対して連通,遮断される環状の油室と、該油室内の圧力を受圧するために前記スプールに形成され、前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、前記油室とストッパ摺動穴との間に位置して前記スプールに形成され、該油室が前記パイロットポートに対して遮断されている間は該油室をストッパ摺動穴内に連通させ、該油室が前記パイロットポートに連通したきには前記ストッパによりストッパ摺動穴との連通が遮断される油路とから構成している。
【0027】
このように構成することにより、油圧モータの負荷圧(パイロット圧)が小さい状態ではスプールを付勢手段によって他端側へと摺動変位させ、パイロット圧が上昇したときには第1の受圧部がパイロット圧を受圧することにより付勢手段に抗してスプールを摺動変位させることができる。また、油室はスプールの摺動変位に応じてパイロットポートに連通するまで、油路によりストッパ摺動穴を通じてタンクポートと連通し、パイロットポートに連通したときにはストッパによりタンクポートから遮断される。そして、油室がパイロットポートに連通したときには、スプールは油室内に導かれたパイロット圧を第2の受圧部で受圧し、タンクポートに連通したときにはパイロット圧の受圧が解除されるため、第1,第2の受圧部によるスプールの合計の受圧面積は、油室がいずれのポートに連通しているかによって変化することになり、この受圧面積の変化を活用して容量制御弁の切換圧力にヒステリシス特性を与えることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による可変容量型油圧モータの容量制御装置を、油圧ショベル等の走行用油圧モータに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示し、図中、1はタンク2と共に油圧源を構成する油圧ポンプで、該油圧ポンプ1は油圧ショベルの原動機(図示せず)によって回転駆動され、タンク2内から吸込んだ作動油を高圧の圧油として後述の油圧モータ3等に供給するものである。
【0030】
3は走行用の油圧モータで、該油圧モータ3は、例えば斜板式または斜軸式の可変容量型油圧モータにより構成され、斜板または弁板等からなる容量可変部3Aを有している。そして、油圧モータ3は後述のサーボアクチュエータ10を用いて容量可変部3Aを傾転角が大きくなる矢示A方向に傾転駆動するときに、モータ容量が大容量側へと増大され、傾転角が小さくなる矢示B方向に傾転駆動するときにはモータ容量が小容量側に減少されるものである。
【0031】
4A,4Bは油圧モータ3を油圧ポンプ1とタンク2に接続した一対の給排通路としての主管路で、該主管路4A,4Bは、後述の方向制御弁5等を介して油圧ポンプ1からの圧油を油圧モータ3に給排し、これによって油圧モータ3は正転または逆転し、油圧ショベル(車両)を前進または後進させるものである。また、主管路4A,4Bは、後述のカウンタバランス弁6と方向制御弁5との間が通路部としての油圧源側の管路部4A1 ,4B1 となり、カウンタバランス弁6と油圧モータ3との間が他の通路部としてのアクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 となっている。
【0032】
5は主管路4A,4Bの途中に設けられた走行用の方向制御弁で、該方向制御弁5は、図1に示す如く例えば4ポート3位置の方向制御弁として構成され、油圧ショベルのオペレータが操作レバー5Aを切換操作することにより、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換操作される。
【0033】
そして、方向制御弁5は切換位置(ロ)で、油圧ポンプ1からの圧油を主管路4Aを介して油圧モータ3に供給し、油圧モータ3を例えば正方向に回転させると共に、油圧モータ3からの戻り油を主管路4Bを介してタンク2へと排出させる。また、方向制御弁5を切換位置(ハ)に切換えたときには、圧油の供給方向が逆転し、油圧モータ3は逆方向に回転駆動される。
【0034】
6は油圧モータ3に付設されたブレーキ弁を構成するカウンタバランス弁で、該カウンタバランス弁6は、油圧源側の管路部4A1 ,4B1 とアクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 との間に設けられた一対のチェック弁7A,7Bと、該チェック弁7A,7Bと並列関係をなして油圧源側の管路部4A1 ,4B1 とアクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 との間に配設された圧力制御弁8とにより構成されている。
【0035】
そして、カウンタバランス弁6の圧力制御弁8は、方向制御弁5にほぼ連動して中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換わり、油圧ポンプ1からの圧油が油圧モータ3に給排されるのを補償する。また、カウンタバランス弁6は油圧モータ3の慣性回転時等に圧力制御弁8が中立位置(イ)に復帰することにより、油圧モータ3とカウンタバランス弁6との間でアクチュエータ側の管路部4A2 または4B2 内にブレーキ圧を発生させるものである。
【0036】
ここで、カウンタバランス弁6の圧力制御弁8は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁からなり、高圧導出ポートとなるセンタバイパスポート8Aを有している。そして、圧力制御弁8は中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換わったときに、センタバイパスポート8Aが油圧源側の管路部4A1 ,4B1 のうち高圧側の管路部4A1 に接続され、切換位置(ハ)に切換わったときには管路部4B1 に接続される。
【0037】
これにより、圧力制御弁8のセンタバイパスポート8Aは、油圧モータ3の負荷圧であるモータ駆動圧を後述のパイロット管路27内に導くパイロット圧導出手段を構成し、後述の容量制御弁11をパイロット管路27からのパイロット圧Pに応じて切換制御させる。また、圧力制御弁8が中立位置(イ)に復帰したときには、センタバイパスポート8Aが後述のタンク管路30に接続されることにより、パイロット管路27内のパイロット圧はタンク圧レベルまで自動的に低下するものである。
【0038】
9は油圧モータ3とカウンタバランス弁6との間に位置して主管路4A,4Bの管路部4A2 ,4B2 間に設けられた高圧選択弁としてのシャトル弁で、該シャトル弁9は主管路4A,4Bの管路部4A2 ,4B2 のうち高圧側の圧油を選択し、選択した圧油を後述の高圧管路28、容量制御弁11を介してサーボアクチュエータ10に供給するものである。そして、シャトル弁9は高圧管路28と共に圧油導出手段を構成している。
【0039】
10は油圧モータ3に付設された容量可変アクチュエータとしてのサーボアクチュエータで、該サーボアクチュエータ10は、油圧モータ3の容量可変部3Aを駆動する傾転ピストン10Aを有し、常時はスプリング10Bにより容量可変部3Aを矢示A方向の大傾転(大容量)側に付勢している。そして、サーボアクチュエータ10は油圧室10C内に高圧の圧油が供給されると、傾転ピストン10Aにより容量可変部3Aをスプリング10Bに抗して矢示B方向に駆動し、モータ容量を大容量から小容量に切換える構成となっている。
【0040】
11は油圧モータ3にサーボアクチュエータ10と共に付設された容量制御弁で、該容量制御弁11は、図2等に示すように弁ハウジング12と、該弁ハウジング12内に摺動可能に設けられた後述のスプール19およびピストン21等とによって構成されている。また、容量制御弁11は、図1に示す如く6ポート2位置の油圧パイロット式切換弁等からなり、パイロット管路27からのパイロット圧Pにより大容量位置(a)と小容量位置(b)とに切換制御されるものである。
【0041】
そして、容量制御弁11は小容量位置(b)にあるときに、高圧管路28からの圧油をサーボアクチュエータ10の油圧室10Cに後述の給排管路29を介して供給し、傾転ピストン10Aにより容量可変部3Aを傾転角が小さくなる矢示B方向に駆動させる。また、容量制御弁11は大容量位置(a)に切換わったときに給排管路29をタンク管路26に接続し、油圧室10C内の圧油をタンク2に向けて排出させることにより、サーボアクチュエータ10のスプリング10Bで容量可変部3Aを傾転角が大きくなる矢示A方向に駆動させる。
【0042】
ここで、容量制御弁11の弁ハウジング12には、一端側が開口端13Aとなり、他端側が閉塞端13Bとなった段付のスプール摺動穴13が形成され、該スプール摺動穴13の外周側には環状の油溝14A,14B,14C,14D,14E,14Fが軸方向に離間して形成されている。
【0043】
また、弁ハウジング12には軸方向に互いに離間してタンクポート15A,15C,15F、パイロットポート15B、高圧ポート15Dおよび圧油給排ポート15Eが形成され、これらのポート15A〜15Fは油溝14A〜14Fを介してスプール摺動穴13内に連通するものである。
【0044】
16はスプール摺動穴13の開口端13A側を閉塞した蓋体で、該蓋体16は弁ハウジング12の一部を構成し、後述するスプール19の一端側端面との間には油溝14A内に位置してばね室17を形成している。また、蓋体16の内側面には、ばね室17内に向けて突出するロッド状のストッパ18が設けられ、該ストッパ18はスプール19のストロークエンドを図3に示す如く規制するものである。
【0045】
19は弁ハウジング12のスプール摺動穴13内に挿嵌されたスプールで、該スプール19は図2、図4に示す如く外周側にランド19A,19B,19C,19Dが軸方向に互いに離間して形成され、ランド19Bとランド19Cとの間には、油溝14B,14C間を連通,遮断する環状溝19Eが形成されている。また、スプール19のランド19Cとランド19Dとの間には、油溝14D,14E間を連通,遮断する他の環状溝19Fが形成され、該環状溝19Fとランド19Dとにより、圧油給排ポート15Eは高圧ポート15Dとタンクポート15Fとに選択的に連通,遮断されるものである。
【0046】
ここで、スプール19は一端側に位置するランド19A側が最大径となった段付スプールとして形成され、ランド19Bに対向するランド19Aの段差部(端面側)は、パイロット管路27からのパイロット圧Pを受圧する第1の受圧部19Gとなっている。そして、ランド19Aは外径Da 、ランド19Bは外径Db に形成され、受圧部19Gは数1の式による受圧面積S1 を有している。
【0047】
【数1】
Figure 0003586137
【0048】
これにより、受圧部19Gは受圧面積S1 をもってパイロット管路27からのパイロット圧Pを常時受圧し、パイロット圧Pの昇圧時にスプール19を後述の戻しばね24に抗して矢示C方向に摺動変位させるものである。
【0049】
20はスプール19に形成され軸方向に延びた有底穴からなる軸穴で、該軸穴20は一端側が底部となって閉塞され、他端側がスプール19の端面に開口している。そして、軸穴20は図4に示すように比較的小さい穴径Dc (Dc <Db <Da )をもって形成され、軸穴20の底部は後述する油室22内の圧力を、
【0050】
【数2】
S2 =Dc×π/4
なる受圧面積S2 をもって受圧する第2の受圧部20Aとなっている。
【0051】
21は軸穴20内に摺動可能に挿嵌されたピストンで、該ピストン21は軸穴20の開口端側を常に閉塞し、その一端側は軸穴20の底部との間に油室22を画成している。また、ピストン21の他端側は、図3に示す如くスプール19の端面から軸方向に突出し、油室22内のパイロット圧Pによる油圧反力を受承すべくスプール摺動穴13の閉塞端13B側に当接している。
【0052】
23は油室22に対応する位置でスプール19の径方向に穿設された油路としての小孔で、該小孔23は環状溝19Eの位置でスプール19の外周面に開口し、スプール19の摺動位置に応じて油室22をタンクポート15C(油溝14C)とパイロットポート15B(油溝14B)とに選択的に連通,遮断するものである。
【0053】
この場合、スプール19は、小孔23による油室22とタンクポート15C,パイロットポート15Bとの連通,遮断を零ラップで行うため、ランド19B,19C間の環状溝19Eが、油溝14B,14C間の離間寸法に対応する軸方向長さをもって形成されている。そして、小孔23は油室22をパイロットポート15Bに連通させるときに、環状溝19Eにより油室22をタンクポート15Cに対してほぼ同時に遮断し、油室22をタンクポート15Cに連通させるときにはパイロットポート15Bに対してほぼ同時に遮断する構成となっている。
【0054】
24は蓋体16とスプール19の軸方向一側との間に位置してばね室17内に配設された付勢手段を構成する戻しばねで、該戻しばね24は一端側がストッパ18の外周側に挿通され、他端側はスプール19の一端側に嵌合等の手段により取付けられている。そして、戻しばね24はスプール19を矢示D方向へと閉塞端13B側に向け付勢力Fa をもって常時付勢し、これにより容量制御弁11は、図1に示す小容量位置(b)に保持されるものである。
【0055】
25は油圧モータ3からのドレン(漏洩油)をタンク2側に排出するドレン管路、26は容量制御弁11のタンクポート15A,15C,15Fをタンク2に常時接続するタンク管路を示している。
【0056】
また、27は容量制御弁11のパイロットポート15Bに接続されたパイロット管路で、該パイロット管路27はカウンタバランス弁6のセンタバイパスポート8Aに接続され、油圧モータ3のモータ駆動圧(負荷圧)をパイロット圧Pとして容量制御弁11のパイロットポート15Bに導くものである。
【0057】
28はシャトル弁9を容量制御弁11の高圧ポート15Dに接続した高圧管路で、該高圧管路28は、主管路4A,4Bの管路部4A2 ,4B2 からシャトル弁9で選択した高圧側の圧油を容量制御弁11の高圧ポート15Dに導くものである。
【0058】
29はサーボアクチュエータ10の油圧室10Cを容量制御弁11の圧油給排ポート15Eに接続した給排管路である。さらに、30はカウンタバランス弁6のセンタバイパスポート8Aに接続された他のタンク管路で、該タンク管路30はカウンタバランス弁6の圧力制御弁8が中立位置(イ)に復帰したときに、センタバイパスポート8Aをタンク2に接続し、パイロット管路27内のパイロット圧Pをタンク圧レベルまで低下させるものである。
【0059】
本実施の形態による容量制御弁11を備えた油圧ショベルの走行用油圧回路は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0060】
まず、油圧ショベルのオペレータが車両を走行駆動するために、図1に示す方向制御弁5を中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換えると、油圧ポンプ1からの圧油はモータ駆動圧となって主管路4A側から油圧モータ3に供給される。そして、このときにカウンタバランス弁6の圧力制御弁8は管路部4A1 ,4B1 間の差圧で中立位置(イ)から切換位置(ロ)側に切換わり、油圧モータ3からの戻り油を圧力制御弁8を介して主管路4B(管路部4B1 )側からタンク2へと排出させ、これによって車両は前進方向に走行駆動される。
【0061】
一方、走行用の方向制御弁5を中立位置(イ)から切換位置(ハ)に切換えたときには、主管路4B側にモータ駆動圧が供給され、油圧モータ3は前述の場合とは逆向きに回転駆動される。そして、この場合には圧力制御弁8が中立位置(イ)から切換位置(ハ)に切換わり、油圧モータ3からの戻り油を圧力制御弁8を介して主管路4A(管路部4A1 )側からタンク2へと排出させ、これによって車両は後進方向に走行駆動される。
【0062】
ここで、車両の走行時に圧力制御弁8が中立位置(イ)から切換位置(ロ)または(ハ)に切換わった状態では、圧力制御弁8のセンタバイパスポート8Aが油圧源側の管路部4A1 または4B1 に接続され、モータ駆動圧はパイロット圧Pとなってパイロット管路27から容量制御弁11のパイロットポート15Bに供給される。
【0063】
また、アクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 側ではシャトル弁9によってモータ駆動圧が選択され、選択された圧油は高圧管路28から容量制御弁11の高圧ポート15Dに導かれる。
【0064】
そして、容量制御弁11のパイロットポート15Bに供給されたパイロット圧Pは、図2に示すスプール19の受圧部19Gに作用し前記数1の式による受圧面積S1 をもって、スプール19を押圧力F1 で戻しばね24の付勢力Fa に抗して矢示C方向に押圧する。
【0065】
【数3】
F1 =S1 ×P
また、戻しばね24の付勢力Fa は、
【0066】
【数4】
Fa =S1 ×P1 =(S1 +S2 )×P2
なる関係を満たすように予め設定され、図5に示す特性線31の如くパイロット圧Pが圧力P1 ,P2 (P1 >P2 )の間で変化するときに、モータ容量の切換制御圧にヒステリシス特性が与えられるものである。
【0067】
即ち、車両が坂道を登る登坂走行時等には、油圧モータ3の負荷圧が上昇し、パイロット圧Pは圧力P1 以上まで上昇する。そして、このときにスプール19は、矢示C方向の押圧力F1 (F1 =S1 ×P1 )をもって戻しばね24を図3に示す如く撓み変形させ、ストッパ18に当接するストロークエンドまで摺動変位する。
【0068】
これにより、容量制御弁11は戻しばね24の付勢力Fa に抗して図1に示す小容量位置(b)から大容量位置(a)へと切換わり、容量制御弁11の高圧ポート15Dはスプール19のランド19Dにより圧油給排ポート15Eに対して遮断されると共に、該圧油給排ポート15Eがタンクポート15F(タンク管路26)に連通される。
【0069】
このため、サーボアクチュエータ10は油圧室10Cが給排管路29、容量制御弁11の圧油給排ポート15E、タンク管路26等を介してタンク2と接続され、スプリング10Bによって油圧モータ3の容量可変部3Aを矢示A方向へと大傾転側に駆動する。これにより、油圧モータ3は登坂走行に備えて高トルクで低速回転できるようにモータ容量が大容量に制御される。
【0070】
また、このときに容量制御弁11はスプール19内の油室22が、図3に示すように小孔23、環状溝19E、油溝14Bを介してパイロットポート15Bに接続されることにより、油室22内には例えば圧力P1 以上のパイロット圧Pが供給される。
【0071】
そして、スプール19は受圧部19Gで受圧面積S1 をもってパイロット圧Pを受圧すると共に、油室22内の受圧部20A側では、前記数2の式による受圧面積S2 をもってパイロット圧Pを受圧するので、このときにスプール19は受圧部19Gと受圧部20Aとの合計の受圧面積(S1 +S2 )をもってパイロット圧Pを受圧し続けることになる。
【0072】
この結果、油圧モータ3の容量が小容量から大容量に変化して、モータ駆動圧(負荷圧)が僅かに低下した場合でも、パイロット圧Pが圧力P2 以上である間はスプール19が、
【0073】
【数5】
F2 =(S1 +S2 )×P
【0074】
【数6】
F2 ≧Fa (但し、P≧P2 )
なる押圧力F2 をもって、図3中に示す如く戻しばね24を矢示C方向に撓み変形させ、容量制御弁11を大容量位置(a)に保つものである。
【0075】
一方、車両の登坂走行が終わり、例えば平地の直進走行等に移った場合には、パイロット圧Pが、図5に示す圧力P2 以下まで低下する。これによって、スプール19の押圧力F2 は、戻しばね24の付勢力Fa よりも小さくなるので、スプール19は戻しばね24により矢示D方向に押戻され、図2に示す初期位置まで摺動変位し、容量制御弁11は再び小容量位置(b)に復帰する。
【0076】
そして、このときには容量制御弁11の高圧ポート15Dが圧油給排ポート15Eに連通されるので、サーボアクチュエータ10は油圧室10C内に、シャトル弁9で選択した高圧管路28からの圧油が給排管路29等を介して供給され、傾転ピストン10Aにより油圧モータ3の容量可変部3Aを矢示B方向へと小傾転側に駆動する。これにより、油圧モータ3の容量を平地走行に適した小容量に制御でき、車両を低トルクで高速走行させることができる。
【0077】
また、このときに容量制御弁11はスプール19内の油室22が、図2に示すように小孔23、油溝14Cを介してタンクポート15Cに接続され、油室22内の圧力はタンク圧レベルまで低下する。このため、スプール19は油室22内の受圧部20A側でパイロット圧Pを受圧することなく、受圧部19G側でのみ受圧面積S1 をもってパイロット圧Pを受圧することになり、スプール19は受圧面積S1 に減少される。
【0078】
この結果、油圧モータ3の容量が大容量から小容量に変化して、モータ駆動圧(負荷圧)が僅かに増加した場合でも、パイロット圧Pが圧力P1 に達するまでの間はスプール19が、数7の式による押圧力F1 で戻しばね24を図2中の矢示C方向に押圧するに留まり、
【0079】
【数7】
F1 <Fa (但し、P<P1 )
スプール19は戻しばね24により初期位置に付勢され、容量制御弁11を小容量位置(b)に保持するものである。
【0080】
かくして、本実施の形態によれば、カウンタバランス弁6の圧力制御弁8にセンタバイパスポート8Aを設け、主管路4A,4Aの管路部4A1 ,4B1 から油圧モータ3の負荷圧であるモータ駆動圧をセンタバイパスポート8Aによりパイロット管路27内に導き、これをパイロット圧Pとして容量制御弁11のパイロットポート15Bに供給する構成としている。
【0081】
また、油圧モータ3とカウンタバランス弁6との間に位置する主管路4A,4Bの管路部4A2 ,4B2 間にはシャトル弁9を設け、該シャトル弁9により選択した管路部4A2 ,4B2 のうち高圧側の圧油を、高圧管路28、容量制御弁11を介してサーボアクチュエータ10に供給する構成としている。
【0082】
これにより、車両の走行途中で方向制御弁5を切換位置(ロ)または(ハ)から中立位置(イ)に戻して車両を停止させようとするとき、または降坂時に方向制御弁5を微操作しているようなときに、カウンタバランス弁6の圧力制御弁8が中立位置(イ)に復帰し、油圧モータ3が慣性回転を続ける間にも、管路部4A2 ,4B2 に発生するブレーキ圧をシャトル弁9により圧油として取出し、この圧油を高圧管路28からサーボアクチュエータ10に向けて供給し続けることができる。
【0083】
そして、このときにカウンタバランス弁6の圧力制御弁8は中立位置(イ)に復帰し、センタバイパスポート8Aをタンク管路30を通じてタンク2に連通させるため、パイロット管路27内のパイロット圧Pをタンク圧レベルまで自動的に下げ、容量制御弁11が慣性回転時のブレーキ圧に影響されて切換わるのを防止でき、容量制御弁11を図1に示す小容量位置(b)に保持できると共に、油圧モータ3を小容量に安定した状態に保つことができる。
【0084】
このため、従来技術で述べたように、油圧モータ3の慣性回転時にモータ容量がオペレータの意図に反した容量になるのを防止でき、例えば左,右の油圧モータ3の負荷圧(ブレーキ圧)が路面状態等により変動して左,右のモータ容量がアンバランスになる等の不具合を解消できる。そして、慣性回転時の負荷に影響されてブレーキ圧が急増し、油圧モータ3に急ブレーキがかかる等の不具合もなくなり、車両が曲進、蛇行する等の問題も解消することができる。
【0085】
また、容量制御弁11のスプール19には一端側に最大径のランド19Aを設けて環状の受圧部19Gを形成し、該受圧部19Gによりパイロットポート15Bからのパイロット圧Pを受圧面積S1 をもって受圧させると共に、スプール19の他端側から軸方向に延びる有底の軸穴20内には、ピストン21を摺動可能に挿嵌して油室22を画成し、該油室22を小孔23によりスプール19の摺動位置に応じてタンクポート15Cとパイロットポート15Bとに選択的に連通,遮断する構成としている。
【0086】
そして、スプール19が図2に示す初期位置、即ち容量制御弁11が小容量位置(b)にある間は、油室22をタンクポート15Cに連通させることにより、スプール19のパイロット圧Pに対する受圧面積を受圧部19G側の受圧面積S1 のみに減少させ、モータ駆動圧(パイロット圧P)が圧力P1 以上に上昇するまでスプール19を戻しばね24によって初期位置に保持でき、容量制御弁11を小容量位置(b)に保つことができる。
【0087】
また、モータ駆動圧が圧力P1 以上に上昇したときには、スプール19が戻しばね24に抗してストロークエンドまで摺動変位することにより、油室22内に小孔23を通じてパイロットポート15Bからのパイロット圧Pを導入し、油室22内の受圧部20Aによる受圧面積S2 分だけスプール19の受圧面積を増大させ、合計の受圧面積(S1 +S2 )をもってパイロット圧Pを受圧し続けることができる。
【0088】
このため、油圧モータ3の容量が小容量から大容量に増加し、モータ駆動圧が僅かに減少したような場合でも、大きな受圧面積(S1 +S2 )をもってスプール19を図3に示すスロークエンドに保持でき、モータ駆動圧が平地走行時の圧力P2 以下に低下するまで、容量制御弁11を大容量位置(a)に切換えておくことにより、油圧モータ3のモータ容量を大容量に保つことができる。
【0089】
従って、本実施の形態によれば、油圧モータ3のモータ容量を安定させて自動的に制御でき、停止操作時等でのオペレータの負担を軽減させ、車両が曲進、蛇行したりするのを防止できる。また、外部指令圧等を必要とすることなくモータ容量を自己圧制御でき、容量制御弁11等からなる容量制御装置の適用範囲を広げて汎用性を高めることができる。
【0090】
そして、容量制御弁11の切換制御圧に圧力P1 ,P2 の範囲でヒステリシス特性を与えることができ、容量の切換えに伴うハンチング現象を防止できると共に、容量制御を安定させて自動的に行うことができる。また、容量制御弁11を弁ハウジング12、スプール19、ピストン21および戻しばね24によって構成できるため、部品点数を少なくして組立時の作業性を向上できる上に、全体をコンパクトに形成して小型化を図ることができる。
【0091】
また、スプール19を一端側が大径となった段付スプールとして形成し、スプール19の外周側にはパイロット圧Pの受圧部19Gを設ける構成としているから、スプール19の軸方向長さを短くでき、容量制御弁11全体を小型化することができる。
【0092】
さらに、スプール19内に画成した油室22は、容量制御弁11の切換制御時にパイロットポート15Bとタンクポート15Cとにほぼ零ラップで連通,遮断される構成としているため、パイロット圧Pに対するスプール19の受圧面積を容量の切換時に瞬間的に増減させることができ、スプール19を初期位置とストロークエンドとの間で円滑に摺動変位できると共に、モータ容量の切換えに伴うハンチング現象の発生を良好に抑えることができ、安定した容量制御を実現することができる。
【0093】
次に、図6ないし図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、容量制御弁に外部指令圧ポートを追加して設け、外部指令圧を外部選択手段で選択することにより、モータ容量を大容量に固定する制御と、容量自動切換制御とを運転条件に合わせて選択的に行う構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0094】
図中、41は本実施の形態で採用した容量制御弁で、該容量制御弁41は、図7に示すように弁ハウジング42と、後述のスプール49およびピストン51等とによって構成されている。そして、容量制御弁41は前記実施の形態で述べた容量制御弁11とほぼ同様に構成されているものの、該容量制御弁41は後述する指令圧管路58からの外部指令圧とパイロット管路27からのパイロット圧Pにより大容量位置(a)と小容量位置(b)とに切換制御されるものである。
【0095】
ここで、容量制御弁41の弁ハウジング42には、一端側が開口端43Aとなり、他端側が閉塞端43Bとなった段付のスプール摺動穴43が形成され、該スプール摺動穴43の外周側には環状の油溝44A,44B,44C,44D,44Eが軸方向に離間して形成されている。
【0096】
また、弁ハウジング42には軸方向に互いに離間して外部指令圧ポート45A、パイロットポート45B、タンクポート45C,45F、高圧ポート45Dおよび圧油給排ポート45Eが形成され、これらのポート45A〜45Eは油溝44A〜44Eを介してスプール摺動穴43内に連通するものである。
【0097】
46はスプール摺動穴43の開口端43A側を閉塞した蓋体で、該蓋体46は弁ハウジング42の一部を構成し、後述するスプール49の一端側端面との間には油溝44A内に位置して外部指令圧室47を形成している。
【0098】
48はスプール摺動穴43の閉塞端43Aとスプール49の他端側端面との間に形成されたばね室で、該ばね室48内には後述の戻しばね55、ストッパ54等が配設されている。また、ばね室48はタンクポート45F、タンク管路26を介してタンク2に常時接続されている。
【0099】
49は弁ハウジング42のスプール摺動穴43内に挿嵌されたスプールで、該スプール49は図7、図8に示す如く外周側にランド49A,49B,49C,49Dが軸方向に互いに離間して形成され、ランド49Bとランド49Cとの間には、油溝44B,44C間を連通,遮断する環状溝49Eが形成されている。また、スプール49のランド49Cとランド49Dとの間には、油溝44D,44E間を連通,遮断する環状溝49Fが形成され、該環状溝49Fとランド49Dとにより、圧油給排ポート45Eは高圧ポート45Dとタンクポート45Fとに選択的に連通,遮断されるものである。
【0100】
ここで、スプール49は一端側に位置するランド49A側が最大径となった段付スプールとして形成され、ランド49Bに対向するランド49Aの段付部(端面側)は、パイロット管路27からのパイロット圧を受圧する環状の第1の受圧部49Gとなっている。そして、該受圧部49Gは前述した第1の実施の形態によるスプール19の受圧部19Gと同様に、前記数1の式による受圧面積S1 を有している。
【0101】
また、スプール49のランド49A側に位置する一端側端面は、前記受圧部49Gとは逆向きに外部指令圧を受圧する指令圧受圧部49Hとなり、該受圧部49Hは、外部指令圧室47内で後述の数8式による受圧面積S3 を有する構成となっている。
【0102】
50はスプール49に形成され軸方向に延びた有底穴からなる軸穴で、該軸穴50は一端側が底部となって閉塞され、他端側がスプール49の端面に開口している。そして、軸穴50は第1の実施の形態で述べた軸穴20とほぼ同様に、その底部側に受圧面積S2 をもった第2の受圧部50Aを有するものである。
【0103】
51は軸穴50内に摺動可能に挿嵌されたピストンで、該ピストン51は軸穴50の開口端側を常に閉塞し、その一端側は軸穴50の底部との間で油室52を画成している。また、ピストン51の他端側は、図7に示す如くスプール49の端面から軸方向に突出し、油室52内のパイロット圧Pによる油圧反力を受承すべくストッパ54の端面に当接している。
【0104】
53は油室52に対応する位置でスプール49の径方向に穿設された油路としての小孔で、該小孔53は、第1の実施の形態で述べた小孔23とほぼ同様に、スプール49の摺動位置に応じて油室52をタンクポート45C(油溝44C)とパイロットポート45B(油溝44B)とに選択的に連通,遮断するものである。
【0105】
そして、小孔53は、スプール49の摺動変位時に油室52とパイロットポート45B,タンクポート45Cとの連通,遮断を零ラップで行うため、小孔53に常時連通する環状溝49Eが、油溝44B,44Cの離間寸法に対応した溝幅をもって形成されている。
【0106】
54はスプール摺動穴43の閉塞端43B側に位置して弁ハウジング42内に設けられたストッパで、該ストッパ54は円柱状のロッド等からなり、スプール摺動穴43の閉塞端43B側からばね室48内に向けて突出している。そして、ストッパ54の一端側はピストン51の他端に当接すると共に、スプール49が図8に示す如く摺動変位したときには、スプール49の端面に当接し、該スプール49のストロークエンドを規制するものである。
【0107】
55は弁ハウジング42とスプール49との間に位置してばね室48内に配設された付勢手段を構成する戻しばねで、該戻しばね55は一端側がスプール49の端部に嵌合等の手段を用いて取付けられ、他端側はストッパ54の外周側に挿通されてスプール摺動穴43の閉塞端43Bに当接している。そして、戻しばね55はスプール49を矢示C方向に付勢力Fb をもって常時付勢し、これにより容量制御弁41は、図6に示す大容量位置(a)に保持されるものである。
【0108】
56は外部指令圧用の油圧源となるパイロットポンプ、57は該パイロットポンプ56の最大吐出圧を決めるリリーフ弁で、該リリーフ弁57はパイロットポンプ56の吐出側に過剰圧が発生すると開弁し、この過剰圧をタンク2側にリリーフさせるものである。
【0109】
58は容量制御弁41の外部指令圧ポート45Aに接続された指令圧管路、59は該指令圧管路58をタンク2とパイロットポンプ56とに選択的に接続する外部選択手段としての圧力選択弁で、該圧力選択弁59は油圧ショベルのオペレータ等が操作レバー59Aを手動操作することにより、容量固定位置(c)と自動切換位置(d)とのいずれかに切換えられる。
【0110】
そして、圧力選択弁59を容量固定位置(c)に切換えている間は、指令圧管路58がタンク2に接続されることにより、容量制御弁41の外部指令圧室47は圧力がタンク圧レベルとなって、図7に示すようにスプール49が初期位置に戻しばね55等で付勢されるのを許し、容量制御弁41は図6に示す大容量位置(a)に保持されるものである。
【0111】
また、圧力選択弁59を自動切換位置(d)に切換えている間は、指令圧管路58がパイロットポンプ56側に接続され、後述の減圧弁60により設定された圧力値Pg の外部指令圧が容量制御弁41の外部指令圧室47に供給される。そして、容量制御弁41のスプール49は、外部指令圧47内の受圧部49Hが圧力値Pg の外部指令圧を受圧することにより、戻しばね55に抗して矢示D方向に押圧されるものである。
【0112】
60はパイロットポンプ56と圧力選択弁59との間に設けられた減圧弁で、該減圧弁60は指令圧管路58内に供給する外部指令圧が、後述の数9〜数12の式を満たす圧力値Pg 以上に昇圧するのを抑えるため、常時は開弁し、パイロットポンプ56からの吐出圧が圧力値Pg 以上に上昇すると、閉弁して吐出圧の供給を停止するものである。
【0113】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、容量制御弁41に外部指令圧ポート45A、外部指令圧室47等を設け、圧力選択弁59により外部指令圧を選択して供給する構成としたから、下記のような作用効果を得ることができる。
【0114】
即ち、圧力選択弁59を容量固定位置(c)に切換えている間は、指令圧管路58がタンク2に接続され、容量制御弁41の外部指令圧室47は圧力がタンク圧レベルとなるため、スプール49には矢示D方向の押圧力が発生することはなく、スプール49が図7に示す初期位置に戻しばね55等で付勢され続けることにより、容量制御弁41は図6に示す大容量位置(a)に保持され、油圧モータ3は大容量に固定される。
【0115】
一方、圧力選択弁59を容量固定位置(c)から自動切換位置(d)に切換えると、容量制御弁41の外部指令圧室47には指令圧管路58、外部指令圧ポート45Aを通じて圧力値Pg の外部指令圧が供給される。
【0116】
この場合、スプール49のランド49Aは、第1の実施の形態で述べたスプール19のランド19Aと同様に、図4に例示した外径Da を有しているので、スプール49の受圧部49Hは外部指令圧室47内で下記の数8式による受圧面積S3 をもって外部指令圧を受圧するものである。
【0117】
【数8】
S3 =(Da×π/4)
そして、外部指令圧を圧力値Pg に設定したときには、
【0118】
【数9】
F3 =S3 ×Pg
なる押圧力F3 をもってスプール49は矢示D方向に押圧される。
【0119】
また、スプール49は図7に示す初期位置において、パイロットポート45Bから導かれるパイロット圧Pを受圧部49Gで受圧面積S1 をもって受圧すると共に、油室52内の受圧部50A側でも受圧面積S2 をもって受圧するから、前記数5による押圧力F2 がスプール49には図7中の矢示C方向に働いている。
【0120】
そして、戻しばね55は付勢力Fb でスプール49を矢示C方向に付勢しているため、スプール49には矢示C方向に押圧力F2 と付勢力Fb とが作用し、矢示D方向には外部指令圧による押圧力F3 が作用し、
【0121】
【数10】
F3 >F2 +Fb
なる関係を満たすときに、スプール49は圧力値Pg の外部指令圧により図8に示すストロークエンドまで摺動変位する。
【0122】
これにより、スプール49はパイロット圧Pが図5に例示した特性線31の如く圧力P2 以下まで低下した状態で、外部指令圧室47に圧力値Pg の外部指令圧が供給されたときに、図8に示すストロークエンド位置に摺動変位し、容量制御弁41は図6に示す大容量位置(a)から小容量位置(b)へと切換制御されるものである。
【0123】
そして、図8に示すストロークエンドの状態では、スプール49内の油室52が小孔53、油溝44Cを介してタンクポート45Cに接続され、油室52内の圧力はタンク圧レベルまで低下する。このため、スプール49は油室52内の受圧部50A側でパイロット圧Pを受圧することなく、受圧部49G側でのみ受圧面積S1 をもってパイロット圧Pを受圧することになり、スプール49は受圧面積S1 に減少される。
【0124】
この結果、スプール49は前記数3による押圧力F1 と付勢力Fb とが図8中の矢示C方向に作用し、矢示D方向には外部指令圧による押圧力F3 を受けることによって、
【0125】
【数11】
F3 >F1 +Fb
なる関係を満たす間は、ストロークエンドである小容量位置(b)に容量制御弁41が保持される。
【0126】
そして、油圧モータ3の容量が大容量から小容量に変化し、モータ駆動圧(負荷圧)が僅かに増加した場合でも、パイロット圧Pが圧力P1 に達するまでの間はスプール49が、数11の式による関係下で図8に示すストロークエンドに留まるものである。
【0127】
次に、この状態でパイロット圧Pが図5に例示した圧力P1 以上まで上昇すると、スプール49の受圧部49Gに発生する矢示C方向の押圧力F1 が大きくなるために、
【0128】
【数12】
F3 <F1 +Fb
但し、P≧P1
となり、スプール49は外部指令圧室47内の圧力に抗して矢示C方向に摺動変位し、図7に示す初期位置に復帰すると共に、容量制御弁41は図6に示す大容量位置(a)に戻るものである。
【0129】
そして、この状態ではスプール49の受圧面積が面積(S1 +S2 )に増加するため、モータ容量が小容量から大容量に変化するに伴ってモータ駆動圧が僅かに減少するような場合でも、容量制御弁41を大容量位置(a)に保持でき、モータ駆動圧(パイロット圧P)が再び圧力P2 以下に減少するまで、モータ容量を大容量に保つことができる。
【0130】
従って、本実施の形態では、外部指令圧用の圧力選択弁59を容量固定位置(c)に切換えている間は、モータ容量を大容量に固定でき、例えば車両のステアリング操作等を容易に行うことができ、オペレータの負担を軽減できる。また、圧力選択弁59を自動切換位置(d)に切換えたときには、モータ駆動圧が増,減するに応じて容量制御弁41を自動的に切換制御でき、モータ容量の自己圧制御を適切に行うことができる。
【0131】
そして、車両の走行途中で方向制御弁5を切換位置(ロ)または(ハ)から中立位置(イ)に戻して車両の停止操作を行うとき、または降坂時に方向制御弁5を微操作しているようなときに、カウンタバランス弁6の圧力制御弁8が中立位置(イ)に復帰し、油圧モータ3が慣性回転を続ける間には、管路部4A2 ,4B2 に発生するブレーキ圧をシャトル弁9により圧油として取出し、この圧油を高圧管路28からサーボアクチュエータ10に向けて供給することができる。
【0132】
また、このときにカウンタバランス弁6の圧力制御弁8は中立位置(イ)に復帰し、センタバイパスポート8Aをタンク管路30を通じてタンク2に連通させるため、パイロット管路27内のパイロット圧Pをタンク圧レベルまで自動的に下げることができ、容量制御弁11が慣性回転時のブレーキ圧に影響されて切換わるのを防止できる。
【0133】
これにより、外部指令圧用の圧力選択弁59を容量固定位置(c)に切換えている間は、モータ容量を大容量に固定したままの状態に保持でき、油圧モータ3の慣性回転時にモータ容量が変動するの防止できる。また、圧力選択弁59を自動切換位置(d)に切換えているときには、油圧モータ3の慣性回転によりモータ駆動圧がタンク圧レベルに低下するため、これに応じて容量制御弁41を小容量位置(b)に切換えた状態に保持でき、油圧モータ3を小容量に安定した状態に保つことができる。
【0134】
次に、図9は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第2の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、主管路4A,4Bの管路部4A1 ,4B1 間に高圧選択弁としてのシャトル弁71を設け、該シャトル弁71で選択した高圧側の管路部4A1 または管路部4B1 側からモータ駆動圧をパイロット圧Pとしてパイロット管路27内に導く構成としたことにある。
【0135】
ここで、シャトル弁71は、方向制御弁5とカウンタバランス弁72との間に位置する管路部4A1 ,4B1 間に配設され、容量制御弁41のパイロットポート45Bにパイロット管路27を介してパイロット圧Pを導出するパイロット圧導出手段を構成している。
【0136】
また、本実施の形態で採用したカウンタバランス弁72は、前記第1の実施の形態で述べたカウンタバランス弁6とほぼ同様に、油圧源側の管路部4A1 ,4B1 とアクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 との間に設けられた一対のチェック弁7A,7Bと、該チェック弁7A,7Bと並列関係をなして油圧源側の管路部4A1 ,4B1 とアクチュエータ側の管路部4A2 ,4B2 との間に配設された圧力制御弁73とにより構成されている。しかし、カウンタバランス弁72の圧力制御弁73は、例えば4ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁からなり、センタバイパスポート等は有していないものである。
【0137】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第2の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0138】
次に、図10ないし図13は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、容量制御弁の弁ハウジングとスプールとの間に環状の油室を形成し、該油室をスプールの摺動変位に応じてタンクポートとパイロットポートとに選択的に連通させることにより、パイロット圧に対するスプールの受圧面積を変化させる構成としたことにある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0139】
図中、81は本実施の形態で採用した容量制御弁で、該容量制御弁81は、図11、図12に示すように弁ハウジング82と、後述のスプール88およびストッパ92等とによって構成されている。そして、容量制御弁81は前記第1の実施の形態で述べた容量制御弁11とほぼ同様に構成され、パイロット管路27からのパイロット圧Pにより大容量位置(a)と小容量位置(b)とに切換制御されるものである。
【0140】
そして、容量制御弁81は小容量位置(b)にあるときに、高圧管路28からの圧油をサーボアクチュエータ10の油圧室10Cに給排管路29を介して供給し、傾転ピストン10Aにより容量可変部3Aを傾転角が小さくなる矢示B方向に駆動させる。また、容量制御弁81は大容量位置(a)に切換わったときに給排管路29をタンク管路26に接続し、油圧室10C内の圧油をタンク2に向けて排出させることにより、サーボアクチュエータ10のスプリング10Bで容量可変部3Aを傾転角が大きくなる矢示A方向に駆動させる。
【0141】
ここで、容量制御弁81の弁ハウジング82には、一端側が開口端83Aとなり、他端側が閉塞端83Bとなった段付のスプール摺動穴83が形成され、該スプール摺動穴83の外周側には環状の油溝84A,84B,84C,84D,84Eが軸方向に離間して形成されている。そして、油溝84Aは弁ハウジング82の一端側に位置して2段階に拡径した段付の油溝として形成されている。
【0142】
また、弁ハウジング82には軸方向に互いに離間してタンクポート85A,85E、パイロットポート85B、高圧ポート85Cおよび圧油給排ポート85Dが形成され、これらのポート85A〜85Eは油溝84A〜84Eを介してスプール摺動穴83内に連通するものである。
【0143】
86はスプール摺動穴83の開口端83A側を閉塞した蓋体で、該蓋体86は弁ハウジング82の一部を構成し、後述するスプール88の一端側端面とストッパ92との間の位置にばね室87を形成するものである。
【0144】
88は弁ハウジング82のスプール摺動穴83内に挿嵌されたスプールで、該スプール88は図11、図12に示す如く外周側にランド88A,88B,88C,88Dが軸方向に互いに離間して形成されている。また、スプール88にはランド88Cとランド88Dとの間に油溝84C,84D間を連通,遮断する環状溝88Eが形成され、該環状溝88Eとランド88Dとにより、圧油給排ポート85Dは高圧ポート85Cとタンクポート85Eとに選択的に連通,遮断されるものである。
【0145】
ここで、スプール88は一端側が2段階に拡径した段付スプールとして形成され、ランド88B,88C間の環状段部は第1の受圧部88Fとなっている。また、スプール88のランド88A,88B間に位置する環状段部は、後述する油室90内の圧力を受圧する第2の受圧部88Gとなっている。そして、スプール88の受圧部88Fは、パイロットポート85Bから導かれるパイロット圧Pを受圧面積S4 をもって受圧し、受圧部88Gは図12に示す如く油室90がパイロットポート85Bと連通したときに、油室90内のパイロット圧Pを受圧面積S5 をもって受圧するものである。
【0146】
89はスプール88の一端側に形成され、軸方向に延びた有底穴からなるストッパ摺動穴で、該ストッパ摺動穴89は一端側がスプール88の端面に開口し、他端側は底部となって閉塞されている。そして、ストッパ摺動穴89はランド88A,88Bの径方向内側に位置し、ランド88Cの外径寸法にほぼ対応する穴径をもって形成されている。
【0147】
90はストッパ摺動穴89の径方向外側に位置してスプール88の外周側とスプール摺動穴83との間に形成された環状の油室で、該油室90はスプール88のランド88Bにより油溝84B(パイロットポート85B)に対して連通,遮断されるものである。そして、油室90は図12に示すようにパイロットポート85Bに連通したときに、受圧面積S5 の受圧部88Gにパイロット圧Pを受圧させ、スプール88に対して矢示C方向に向けた押圧力(S5 ×P)を発生させるものである。
【0148】
91は油室90に対応する位置でスプール88の径方向に穿設された油路としての小孔で、該小孔91は油室90を内側のストッパ摺動穴89(ばね室87)内に連通させ、スプール88が図11に示す初期位置にある間は、油室90を後述の油穴92Aを介してタンクポート85Aに連通させるものである。
【0149】
92はストッパ摺動穴89内に摺動可能に挿嵌されたストッパで、該ストッパ92は有底筒状体として形成され、一端側の底部が後述の戻しばね93により蓋体86に当接されている。また、ストッパ92の開口端側はストッパ摺動穴89内に位置し、図12に示す如くスプール88が矢示C方向に変位したときに、小孔91をばね室87に対して遮断すると共に、スプール88のストロークエンドを規制するものである。
【0150】
これにより、図12に示すスプール88のストロークエンドでは、油室90がばね室87に対して遮断され、パイロットポート85Bに連通することにより、受圧部88Gに矢示C方向に向けたパイロット圧Pによる押圧力を発生する。なお、ストッパ92には径方向の油穴92Aが形成され、ストッパ92内は該油穴92Aを介してタンクポート85Aと常時連通しているものである。
【0151】
93はスプール88のストッパ摺動穴89とストッパ92との間に位置してばね室87内に配設された付勢手段を構成する戻しばねで、該戻しばね93は一端側がストッパ92の底部側に当接され、他端側はストッパ摺動穴89内でスプール88の一端側に当接されている。そして、戻しばね93はスプール88を矢示D方向へと閉塞端83B側に向けて常時付勢し、これにより容量制御弁81は、図10に示す小容量位置(b)に保持されるものである。
【0152】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、容量制御弁81が図10に示す小容量位置(b)にある間は、油室90がタンクポート85A側に連通することにより、スプール88の受圧面積は受圧部88Fによる受圧面積S4 に限られ、容量制御弁81が大容量位置(a)に切換わったときには、図12に示す如く油室90をパイロットポート85Bに連通させることにより、スプール88の受圧面積は受圧部88F,88Gによる合計の受圧面積(S4 +S5 )に増加でき、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を奏するものである。
【0153】
なお、前記各実施の形態では、シャトル弁9により選択した圧油を高圧管路28等を介してサーボアクチュエータ10の油圧室10C側に供給するものして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば特開平1−116301号公報に記載の如く油圧モータに圧油を給排する一対の給排通路からそれぞれ圧油を取出す構成としてもよいものである。
【0154】
また、前記各実施の形態では、可変容量型油圧モータとして走行用の油圧モータ3を用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば旋回用の油圧モータまたはロープウインチ用の油圧モータ等にも適用できるものである。
【0155】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、容量可変アクチュエータを駆動するための圧油を、油圧モータとカウンタバランス弁との間の給排通路から圧油導出手段を用いて導出し、方向制御弁とカウンタバランス弁との間の給排通路からは油圧モータの負荷圧をパイロット圧としてパイロット圧導出手段により導出すると共に、容量制御弁をパイロット圧に応じて小容量位置と大容量位置とに切換制御するときには、パイロット圧を受圧するスプールの受圧面積変化させる構成としたので、例えば油圧モータの慣性回転時にも容量可変アクチュエータに圧油を供給し続けることができ、この状態で方向制御弁とカウンタバランス弁との間の給排通路からパイロット圧を導出することによって、容量制御弁が慣性回転時のブレーキ圧に影響されて切換わるのを防止でき、油圧モータの容量を安定した状態に保つことができる。そして、容量制御弁は、パイロット圧を受圧するスプールの受圧面積を変化させることにより、容量制御弁の切換圧力(パイロット圧)にヒステリシス特性を与えることができ、モータ容量を安定させて自動的に制御できると共に、停止操作時等でのオペレータの負担を軽減でき、容量制御装置の適用範囲を広げて汎用性を高めることができる。
【0156】
また、請求項2に記載の発明によると、パイロット圧導出手段は、カウンタバランス弁に設けられ各給排通路のうち高圧側の給排通路から圧油を導出する高圧導出ポートにより構成しているため、方向制御弁とカウンタバランス弁との間に位置する一対の給排通路のうち高圧側の給排通路を流れる圧油の一部を、カウンタバランス弁に設けた高圧導出ポートからパイロット圧として容量制御弁に導出することができ、部品点数を減らして組立時の作業性を向上できる。
【0157】
一方、請求項3に記載の発明では、パイロット圧導出手段を、カウンタバランス弁と方向制御弁との間に位置して一対の給排通路間に設けられ該各給排通路のうち高圧側の給排通路から圧油を選択的に導出する高圧選択弁により構成しているため、高圧選択弁を用いてモータ駆動圧をパイロット圧として導出することができ、油圧モータの慣性回転時にもモータ容量を安定させて制御できる。
【0158】
また、請求項4に記載の発明は、容量制御弁を弁ハウジング、スプール、付勢手段、第1の受圧部、有底の軸穴、該軸穴の底部との間に油室を画成したピストン、前記油室をパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる油路および前記軸穴の底部によって形成された第2の受圧部により構成しているため、第1,第2の受圧部によるスプールの合計の受圧面積を、油室が油路を介していずれのポートに連通しているかによって変化させ、容量制御弁の切換圧力にヒステリシス特性を与えることができる。従って、容量の切換えに伴うハンチング現象を防止でき、容量制御を安定させて自動的に行うことができると共に、部品点数を少なくして組立時の作業性を向上でき、容量制御装置全体をコンパクトに形成して小型化を図ることができる。
【0159】
一方、請求項5に記載の発明は、外部指令圧を用いて容量制御弁を切換制御でき、例えば外部指令圧をタンク圧レベルまで低下させた状態では、パイロットポートからのパイロット圧に拘りなく、付勢手段によりスプールを一方向の摺動位置に保ち、容量制御弁を例えば大容量位置に固定することができる。そして、外部指令圧を大きくしスプールを付勢手段に抗して他方向に変位させた場合には、スプールが油圧モータの負荷圧に応じて一方向または他方向に摺動変位可能な状態となり、パイロット圧に対するヒステリシス特性をもった容量の切換制御を行うことができる。
【0160】
従って、外部指令圧を下げている間は、例えばモータ容量を大容量に固定したままの状態に保持でき、油圧モータの慣性回転時にモータ容量が変動するの防止できる。また、外部指令圧を大きくしたときには、油圧モータの慣性回転によりモータ駆動圧がタンク圧レベルに低下するに応じて容量制御弁を、例えば小容量位置に切換えた状態に保持でき、油圧モータを小容量に安定した状態に保つことができる。
【0161】
さらに、請求項6に記載の発明は、油圧モータの負荷圧が小さい状態ではスプールを付勢手段によって他端側へと摺動変位させ、パイロット圧が上昇したときには第1の受圧部でパイロット圧を受圧させることにより付勢手段に抗してスプールを摺動変位させることができる。そして、油室がパイロットポートに連通したときには、油室内に導かれたパイロット圧を第2の受圧部で受圧でき、タンクポートに連通したときにはパイロット圧の受圧を解除できるため、第1,第2の受圧部によるスプールの合計の受圧面積を、油室がいずれのポートに連通しているかによって変えることができ、容量制御弁の切換圧力にヒステリシス特性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による容量制御装置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図である。
【図2】図1中の容量制御弁を拡大して示す縦断面図である。
【図3】スプールがストロークエンドまで摺動変位した状態を示す容量制御弁の縦断面図である。
【図4】図2中のスプールを示す縦断面図である。
【図5】容量制御弁による切換制御圧のヒステリシス特性を示す特性線図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による容量制御装置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図である。
【図7】図6中の容量制御弁を拡大して示す縦断面図である。
【図8】スプールがストロークエンドまで摺動変位した状態を示す容量制御弁の縦断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による容量制御装置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態による容量制御装置が適用された油圧ショベルの走行用油圧回路図である。
【図11】図10中の容量制御弁を拡大して示す縦断面図である。
【図12】スプールがストロークエンドまで摺動変位した状態を示す容量制御弁の縦断面図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ(油圧源)
2 タンク
3 油圧モータ
4A,4B 主管路(給排通路)
4A1 ,4B1 油圧源側の管路部(通路部)
4A2 ,4B2 アクチュエータ側の管路部(通路部)
5 方向制御弁
6,72 カウンタバランス弁
8,73 圧力制御弁
8A センタバイパスポート(パイロット圧導出手段)
9 シャトル弁(圧油導出手段)
10 サーボアクチュエータ(容量可変アクチュエータ)
11,41,81 容量制御弁
12,42,82 弁ハウジング
13,43,83 スプール摺動穴
15B,45B,85B パイロットポート
15C,15F,45C,45F,85A,85E タンクポート
15D,45D,85C 高圧ポート
15E,45E,85D 圧油給排ポート
19,49,88 スプール
19G,49G,88F 第1の受圧部
20,50 軸穴
20A,50A,88G 第2の受圧部
21,51 ピストン
22,52,90 油室
23,53,91 小孔(油路)
24,55,93 戻しばね(付勢手段)
45A 外部指令圧ポート
49H 指令圧受圧部
71 シャトル弁(パイロット圧導出手段)
89 ストッパ摺動穴
92 ストッパ

Claims (6)

  1. 容量可変部を有し油圧源からの圧油により回転駆動される可変容量型油圧モータと、該油圧モータを油圧源に接続する一対の給排通路の途中に設けられ前記油圧源から油圧モータに給排する圧油の方向を切換える方向制御弁と、該方向制御弁と油圧モータとの間に位置して前記一対の給排通路の途中に設けられたカウンタバランス弁と、前記油圧モータの容量可変部を駆動しモータ容量を変化させる容量可変アクチュエータと、前記油圧モータの負荷圧をパイロット圧として受圧するスプールを有し該スプールの摺動変位に従って小容量位置と大容量位置とに切換わることにより前記容量可変アクチュエータに給排する圧油を切換制御する容量制御弁とからなる可変容量型油圧モータの容量制御装置において、
    前記一対の給排通路のうち前記カウンタバランス弁と油圧モータとの間に位置する通路部には、前記一対の給排通路のうち高圧側となる給排通路の圧油を、前記容量可変アクチュエータを駆動するための圧油として前記通路部から導出する圧油導出手段を設け、
    前記カウンタバランス弁には、または前記方向制御弁とカウンタバランス弁との間には、前記容量制御弁に供給するためのパイロット圧を前記一対の給排通路のうち高圧側の給排通路から導出するパイロット圧導出手段を設け、
    前記容量制御弁は、該パイロット圧導出手段からのパイロット圧に従って前記小容量位置と大容量位置とに切換制御されるときに、該パイロット圧を受圧する前記スプールの受圧面積を切換位置に応じて変化させる構成としたことを特徴とする可変容量型油圧モータの容量制御装置。
  2. 前記パイロット圧導出手段は、前記カウンタバランス弁に設けられ前記各給排通路のうち高圧側となる給排通路の圧油を導出する高圧導出ポートにより構成してなる請求項1に記載の可変容量型油圧モータの容量制御装置。
  3. 前記パイロット圧導出手段は、前記カウンタバランス弁と方向制御弁との間に位置して前記一対の給排通路間に設けられ該各給排通路のうち高圧側となる給排通路から圧油を選択的に導出する高圧選択弁により構成してなる請求項1に記載の可変容量型油圧モータの容量制御装置。
  4. 前記容量制御弁は、
    スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポートおよび前記容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、
    該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断する前記スプールと、
    該スプールの軸方向一側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを他側に向けて常時付勢する付勢手段と、
    前記スプールに設けられ、前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる第1の受圧部と、
    前記スプールに形成された有底穴からなり、該スプールの軸方向に延びて軸方向他側の端面に開口した有底の軸穴と、
    該軸穴の開口端を閉塞するように該軸穴内に摺動可能に挿嵌され、該軸穴の底部との間に油室を画成すると共に該油室内の油圧反力を受承するピストンと、
    前記軸穴の底部によって形成され、前記油室内の圧力を受圧することにより前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、
    前記油室に対応する位置で前記スプールに形成され、該スプールがスプール摺動穴内を変位するときに前記油室をパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる油路とから構成してなる請求項1,2または3に記載の可変容量型油圧モータの容量制御装置。
  5. 前記容量制御弁は、
    スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポート、外部指令圧ポートおよび前記容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、
    該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断する前記スプールと、
    該スプールの軸方向他側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを一側に向けて常時付勢する付勢手段と、
    前記スプールの軸方向一側に設けられ、前記外部指令圧ポートから導かれた外部指令圧を受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる指令圧受圧部と、
    該指令圧受圧部と軸方向で対向して前記スプールに設けられ、該スプールを前記付勢手段の付勢方向に摺動変位させるため前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧する第1の受圧部と、
    前記スプールに形成された有底穴からなり、該スプールの軸方向に延びて他側端面に開口した有底の軸穴と、
    該軸穴の開口端を閉塞するように該軸穴内に摺動可能に挿嵌され、該軸穴の底部との間に油室を画成すると共に該油室内の油圧反力を受承するピストンと、
    前記軸穴の底部によって形成され、前記油室内の圧力を受圧することにより前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、
    前記油室に対応する位置で前記スプールに形成され、該スプールがスプール摺動穴内を変位するときに前記油室をパイロットポートとタンクポートとに選択的に連通させる油路とから構成してなる請求項1,2または3に記載の可変容量型油圧モータの容量制御装置。
  6. 前記容量制御弁は、
    スプール摺動穴を有し、該スプール摺動穴の軸方向に離間して高圧ポート、タンクポート、パイロットポートおよび前記容量可変アクチュエータへの圧油給排ポートが設けられた弁ハウジングと、
    該弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され、該スプール摺動穴内を軸方向に摺動変位することにより前記圧油給排ポートを高圧ポート,タンクポートに選択的に連通,遮断する前記スプールと、
    該スプールの軸方向一側と前記弁ハウジングとの間に設けられ、該スプールを他側に向けて常時付勢する付勢手段と、
    前記スプールに設けられ、前記パイロットポートから導かれたパイロット圧を常時受圧することにより前記スプールを該付勢手段に抗して摺動変位させる第1の受圧部と、
    前記スプールの一側端面に開口した有底穴からなり、前記タンクポートに常時連通されるストッパ摺動穴と、
    該ストッパ摺動穴内に挿嵌され、前記スプールが付勢手段に抗して摺動変位したときのストロークエンドを規制するストッパと、
    前記ストッパ摺動穴の径方向外側に位置して前記スプールの外周側とスプール摺動穴との間に形成され、前記スプールが摺動変位するときに前記パイロットポートに対して連通,遮断される環状の油室と、
    該油室内の圧力を受圧するために前記スプールに形成され、前記第1の受圧部と共に前記スプールの受圧面積を変化させる第2の受圧部と、
    前記油室とストッパ摺動穴との間に位置して前記スプールに形成され、前記油室がパイロットポートに対して遮断されている間は前記油室をストッパ摺動穴内に連通させ、前記油室がパイロットポートに連通したきには前記ストッパによりストッパ摺動穴との連通が遮断される油路とから構成してなる請求項1,2または3に記載の可変容量型油圧モータの容量制御装置。
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