JP3585941B2 - セラミックス基板の表面処理方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、セラミックス基板の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発熱量の大きい電子部品等を実装するための基板等として、各種のセラミックス基板が製造されている。
【0003】
このようなセラミックス基板は、一般的にセラミックスの焼結体からなる絶縁基材の表面などに、配線パターン等のような金属製の導体層が形成されたものとして知られている。
【0004】
図4には、従来におけるセラミックス基板10が例示されている。このセラミックス基板10を構成する絶縁基材11には、表裏の導通を図るためのスルーホール12を構成するスルーホール形成用孔13が形成されている。前記スルーホール形成用孔13内には、導電性金属ペーストが充填されることにより、スルーホール内導体層14が形成されている。そして、セラミックス基板10の表面には、導体パターン15が形成されている。また、前記導体パターン15と、スルーホール形成用孔13の開口部から露出しているスルーホール内導体層14の端面とは、面接触により電気的に接続した状態となっている。
【0005】
前記セラミックス基板10は、例えばグリーンシートに導電性金属ペーストを印刷することによりスルーホール内導体層14を形成した後、焼成を施すという手順を経て作製される。また、焼成を経て得られる絶縁基材(焼結体)11にはラッピング等による表面研磨処理が施され、この処理により肉厚及び表面粗さ等の調節が図られる。そして、絶縁基材11表面に所定の方法(薄膜法、厚膜法、めっき法等)に従って金属膜を形成することにより、最終製品としての導体パターン15を備えるセラミックス基板10が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、セラミックス基板10の場合、同一面内に異種の物質、つまり濡れ性の良い金属部分と濡れ性に劣るセラミックス部分とが混在していることがその特徴として挙げられる。
【0007】
これを換言すると、前記各成膜方法によって導体パターン15を形成したとしても、セラミックス−金属間に化学的な結合力による密着力を充分に期待できないということを意味するものである。
【0008】
よって、このような導体パターン15の場合、セラミックス−金属間の密着力は主として絶縁基材11の表面粗さの大きさ、つまり絶縁基材11表面の凹凸による物理的なアンカー効果に依存することになる。
【0009】
従って、密着性に優れた導体パターン15を得るためには、例えば最終工程にて行われる表面研磨処理により、絶縁基材11の表面粗さを好適なアンカー効果をもたらし得る範囲に設定しておくことなどが有効となる。そして、上記のような対策を施さないときには、密着力不足によって導体パターン15が剥離し易いものとなってしまう。
【0010】
しかし、従来の一般的な方法により表面研磨処理を行うと、絶縁基材11の表面ばかりでなく、スルーホール内導体層14の露出部分も砥粒の攻撃を受ける結果となる。この場合、当該部分の金属がセラミックス部分以上に削り取られ、端面にボイド16等ができてしまうという不具合が生じる。このため、導体パターン15と端面との接続状態が悪くなり、接続信頼性が低下してしまう(図5参照)。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、同一面内にセラミックス部分と金属部分とが混在しているときでも、好適なアンカー効果をもたらし得るような粗化面を容易にかつ確実に形成することができるセラミックス基板の表面処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の第1の発明では、セラミックス酸化物、セラミックス炭化物、セラミックス窒化物及びダイヤモンドから選択される少なくともいずれかを主成分として含む研磨用の砥粒を用いたラッピングを行った後に、アルカリ液を用いたエッチングを行うことによって、窒化アルミニウム製の絶縁基材と金属製の導体層とからなるセラミックス基板に粗化面を形成し、前記絶縁基材(2)の表面粗さ(R a1 )が0.01μm〜5μmの範囲内であり、前記導体層(3)の表面粗さ(R a2 )が0.002μm〜2μmの範囲内であり、かつ前記絶縁基材(2)の表面粗さ(R a1 )が、前記導体層(3)の表面粗さ(R a2 )より大きくなるように設定することを特徴とするセラミックス基板の表面処理方法をその要旨としている。
【0015】
この場合、絶縁基材を構成するセラミックスを窒化アルミニウム(AlN)であることが望ましい。また、導体層を構成する金属を、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)から選択される少なくともいずれかとしても良い。
【0019】
以下、本発明のセラミックス基板、及びこのようなセラミックス基板を製造するときの手順等について説明する。
本発明のセラミックス基板は、窒化アルミニウム製の絶縁基材と金属製の導体層とが少なくとも同一面内にて混在した状態にあることを特色としている。この基板において、絶縁基材の表面粗さ及び導体層の表面粗さは、それぞれ0.01μm〜5μm,0.002μm〜2μmの範囲内である必要がある。
【0020】
絶縁基材の表面粗さが0.01μm未満であると、所定のアンカー効果を得ることができず、セラミックス基板表面に形成された薄膜が剥離し易くなるからである。一方、絶縁基材の表面粗さが5μmを越えると、アンカー効果の向上を図ることはできても、基材表面の平滑性が損なわれることになり、好適ではないからである。
【0021】
また、導体層の表面粗さが2μmを越えた場合、導体層とその上に形成された薄膜との接続状態が悪くなり、特に両者がいずれも導体層であるときには両者間に電気的な接続不良等が発生し易くなる。
【0022】
そして、本発明のセラミックス基板においては、絶縁基材及び導体層の表面粗さを上記範囲内に設定すると共に、絶縁基材の表面粗さを導体層の表面粗さより大きくしておくことが好適である。
【0023】
この場合、絶縁基材の表面粗さ及び導体層の表面粗さは、それぞれ0.1μm〜0.5μm,0.02μm〜0.2μm程度(即ち、前者に対する後者の表面粗さの値が数分の1以下)となることが好ましい。
【0024】
本発明において絶縁基材を構成するセラミックスは、AlNであることが望ましい。その理由は、電子部品等搭載するための基板に要求される高い熱伝導性を有するばかりでなく、後述する諸方法によって表面粗さの好適範囲に容易に調節することができるからである。
【0026】
導体層を構成する金属は、W,Mo,Cuから選択される少なくともいずれかであることが望ましく、特にはWであることが良い。その理由は、これらをペースト状にして印刷することにより、絶縁基材に容易に導体層を形成することができるからである。また、後述する諸方法によって表面粗さの好適範囲に容易に調節することができるからである。また、ここに列挙した金属以外にも、例えばニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)等の金属であっても良い。
【0027】
上記のようなセラミックス基板を作製する場合、まずAlNのセラミックス粉末にバインダ、焼結助剤等を添加しかつ混練することにより、原料スラリーが作製される。そして、前記スラリーを原料としてシート成形またはプレス成形を行うことにより、平板状のグリーンシートが製造される。
【0028】
このようにして得られるグリーンシートには、従来公知の加工法によって、貫通孔等のような導体層形成用の構造が設けられる。そして、例えばW,Ta,Cu等を主成分として含む導電性金属ペーストを作製し、それをグリーンシートに印刷することなどにより、前記貫通孔等に金属製の導体層が形成される。その後、前記グリーンシートは脱脂・仮焼成・本焼成を経ることによって、緻密なセラミックス焼結体となる。
【0029】
次いで、セラミックス焼結体(絶縁基材・導体層)の表面粗さ及び全体の肉厚を所定の範囲に調節することを目的として、物理的方法(ラッピング)または化学的方法(エッチング)による表面処理が行われる。この場合、物理的方法及び化学的方法を組合わせて行なうことが望ましい。そして、これらの表面処理方法のうち少なくともいずれかを施すことによって、セラミックス焼結体に所定の粗化面(絶縁基材の表面粗さが0.01μm〜5μm、導体層の表面粗さが0.002μm〜2μm)が形成される。
【0030】
ラッピングとは遊離砥粒による加工法の一種であり、より詳細にはラップと称する工具と被加工物との間に研磨用の砥粒を介在させた状態で相対運動を行うことによって被加工物を加工するという方法である。
【0031】
そして、本発明において、ラッピングはセラミックス酸化物、セラミックス炭化物、セラミックス窒化物及びダイヤモンドから選択される少なくともいずれかを主成分として含む研磨用の砥粒を用いて行われる。その理由は、硬いセラミックスを研磨して所定の粗化面を得るためには、被加工物と同程度以上の硬さを持つ砥粒を使用する必要があるからである。
【0032】
前記研磨用の砥粒としては、例えばSiCを主成分とするGC砥粒、Al2 O3 を主成分とするWA砥粒、Al2 O3 とZrO2 とを主成分とするFO砥粒、SiO2 を主成分とするFQ砥粒等、最終仕上げ用のダイヤモンド砥粒が挙げられる。
【0033】
GC砥粒を用いた場合、砥粒の粒度は1200メッシュ〜3000メッシュ程度であることが好適である。WA砥粒を用いた場合、砥粒の粒度は700μm〜1200μm程度であることが好適である。FO砥粒を用いた場合、砥粒の粒度は400メッシュ〜800メッシュ程度であることが好適である。FQ砥粒を用いた場合、砥粒の粒度は400メッシュ〜800メッシュ程度であることが好適である。ダイヤモンド砥粒を用いた場合、砥粒の平均粒径は0.5μm〜4.0μm程度であることが好適である。
【0034】
そして、ここに列挙した砥粒以外にも、例えば他のセラミックス酸化物(Fe2 O3 ,TiO2 ,MgO,CeO2 ,Cr2 O3 ,CrO3 等)、セラミックス炭化物(ZrC,B4 C,TiC等)、セラミックス窒化物(BN,Si3 N4 ,TiN等)などを主成分として含む砥粒を用いても良い。この後、仕上げとしてダイヤモンド砥粒を用いた研磨が行われる。
【0035】
本発明においてエッチングとは、NaOH,KOH等を溶解した強アルカリ液や、Na2 CO3 ,K2 CO3 ,NH3 等を溶解した弱アルカリ液を用いて、被加工物の表面を溶解するという方法をいうものである。
【0036】
上記のいずれかの表面処理方法を実施することによって得られた粗化面には、次いでセラミックス基板において導体層や絶縁層となるような金属薄膜や非金属薄膜が形成される。
【0037】
金属薄膜は、メタライジング法、スパッタリング法、めっき法、蒸着法、イオンプレーティング法、活性金属法及びCVD法から選択される少なくともいずれかの成膜法によって形成される。これらの方法は、密着性に優れた金属薄膜をセラミックス焼結体の粗化面に形成する手段として適しているからである。
【0038】
前記の各種の成膜法によって得られる金属薄膜としては、例えば導体パターン形成用材料として一般に使用されるCuのほか、Au,Ag,Ni,Co,Al,Fe,Ti,Cr等の薄膜が挙げられる。なお、金属薄膜の厚さは、0.05μm〜5μm程度であることが良い。
【0039】
非金属薄膜は、ドライフィルム及び液体レジストから選択される少なくともいずれかを用いることによって形成される。これらの材料は、非金属薄膜(例えば、各種レジスト等のような樹脂絶縁層など)を粗化面に形成する材料として適しているからである。なお、上記材料を用いた場合の非金属薄膜の厚さは、5μm〜50μm程度であることが良い。
【0040】
そして、非金属薄膜として樹脂絶縁層を形成するような場合にあっては、例えば感光性ポリイミド樹脂、感光性エポキシ樹脂、感光性アルカリ樹脂等を用いることが好適である。
【0041】
なお、このような非金属薄膜は、先に挙げたメタライジング法、スパッタリング法、めっき法、蒸着法、イオンプレーティング法、活性金属法及びCVD法から選択される少なくともいずれかの成膜法によっても形成可能である。
【0042】
上述したように、本発明のセラミックス基板は、好適なアンカー効果をもたらし得るような表面粗さに設定された粗化面を備えたものとなっている。よって、同一面内にセラミックス部分と金属部分とが混在しているときでも、当該粗化面に形成された薄膜であれば、極めて密着性に優れたものとなる。
【0043】
また、本発明の表面処理方法によると、同一面内にセラミックス部分と金属部分とが混在しているときでも、両部分の削り取られ程度に大きな差が生じないことが実験的にわかっている。このため、セラミックス部分の表面粗さを金属部分の表面粗さとほぼ同程度にしたり、セラミックス部分の表面粗さを金属部分の表面粗さより大きくしたりすることが可能となる。従って、好適なアンカー効果をもたらし得るような粗化面が容易にかつ確実に得られる結果となる。しかも、導体層の端面にボイドが生じることもなく、導体層の端面と絶縁基材の表面とが非同一面化することもないということが確認されている。
【0044】
そして、本発明の薄膜形成方法によると、粗化面に対して密着性に優れた薄膜を容易にかつ確実に形成することが可能となる。
【0045】
【実施例】
以下、本発明をAlN基板に具体化した実施例を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
【0046】
本実施例では、平均粒径が1.1μmのAlN粉末1000gに、焼結助剤としてのY2 O3 粉末を50g、アクリル系バインダを120g、並びに所定量の可塑剤、分散剤及び溶剤としてのエタノールを添加したものを均一に混練することによって、グリーンシート7を得るための原料スラリーを作製した。
【0047】
また、平均粒径が1.3μmのW粉末5000gにアクリル系バインダを120g添加し、溶剤及び分散剤を添加したものを均一に混練しかつ所定の粘度に調整することによって、スルーホール内導体層3を得るためのWペースト9を作製した。
【0048】
次いで、ドクターブレード法のシート成形の手順に従って、前記原料スラリーから平板状のグリーンシート7を作製した。そして、得られたグリーンシート7の所定部分をパンチングで打ち抜くことにより、スルーホール形成用孔8を形成した(図1(a) 参照)。このグリーンシート7をスクリーン印刷機にセットした状態でWペースト9を印刷することにより、スルーホール形成用孔8内にWペースト9を完全に充填させた(図1(b) 参照)。
【0049】
次に、グリーンシート7を700℃で脱脂し、かつ1600℃で仮焼成した後、不活性雰囲気下かつ3時間,1830℃,200kg/cm2の条件下でホットプレスを施した。前記処理によってグリーンシート7及びWペースト9を同時に焼結させ、AlN基板1aを得た(図1(c) 参照)。
【0050】
なお、焼成を経て得られるAlN基板1aは、図1(c)に示されるように、スルーホール形成用孔8の開口部からスルーホール内導体層3の端面が露出した状態にある。従って、このAlN基板1aは、セラミックス部分と金属部分とがほぼ同一面内にて混在しているといい得るものとなっている。また、このAlN基板1aは表面処理前のものであることから、AlN基材2の表面粗さRa1及びスルーホール内導体層3の表面粗さRa2はいずれも未だ大きな状態にある。
【0051】
ここで、前記AlN基板1aの表裏両面に対して物理的または化学的な手法による表面処理を施すことにより、粗化面6を有しかつ肉薄化されたAlN基板1を得た(図1(d) 参照)。
【0052】
本実施例では、以下に述べるような2種の表面処理を実施することにより、合計13個の試験サンプルを作製した。
まず第1の表面処理方法として、小型両面ラッピングマシン(日本エンギス製)によるラッピングを行った。このときの加工条件として、回転数を900rpm に、加工時間を10分間に設定した。
【0053】
また、ラッピング用の砥粒として、表1に示すような10種の砥粒を選択し、各砥粒を用いて所定濃度(350g/リットル)のラップ液をそれぞれ作製した。そして、上記の条件にてラッピングを行った後、ダイヤモンド砥粒にて仕上げ加工を行うことにより、試験サンプル1〜10を得た。
【0054】
【表1】
【0055】
また、第2の表面処理方法として、上記のラッピング処理を施した各サンプル1〜10に対し、3種のアルカリ性エッチング液(表2参照)によるエッチングを行った。そして、表2に示されるような条件に従って処理を行うことにより、試験サンプル11〜13を得た。
【0056】
【表2】
【0057】
前記各種表面処理によって得られたサンプル1〜13について、接触式表面粗さ計による、AlN基材2及びスルーホール内導体層3の表面粗さ(中心線平均粗さ)Ra1,Ra2の測定を行った。それらの測定結果を表3にまとめて示す。
【0058】
【表3】
【0059】
その結果、表3から明らかなように、いずれの試験サンプルについても、表面粗さRa1,Ra2の値がいずれも所定範囲内(Ra1=0.01μm〜5μm,Ra2=0.002μm〜2μm)となることが確認された。また、AlN基材2の表面粗さRa1と、スルーホール内導体層3の表面粗さRa2とを比較すると、後者が前者の約数分の1以下となることも確認された(図2参照)。
【0060】
次いで、各試験サンプル1〜13の粗化面6に対する金属・非金属薄膜の形成を以下に示す方法により行った。
まず前記AlN基板1を洗浄・乾燥した後、粗化面6に無電解銅めっきを析出させるための触媒核を付与した。次いで、AlN基板1に感光性エポキシ樹脂を塗布して露光・現像を行うことにより、粗化面6上に厚さ20μmのめっきレジスト5を形成した。次に、前記触媒核を活性化した後、無電解銅めっき浴を用いて無電解銅めっきを施した。その結果、めっきレジスト5の非形成部分に、厚さ20μmの導体パターン4を形成した(図3参照)。
【0061】
このような手順により得られた各々の薄膜を観察したところ、いずれの試験サンプルについても薄膜に剥離等が見られることはなく、極めて形成状態が良好であることが認められた(表3参照)。また、導体パターン4とスルーホール内導体層3の端面とが接する部分にボイド等が生じることもなく、両者間の接続状態は極めて良いものとなっていた(図3参照)。
【0062】
なお、本発明は上記実施例のみに限定されることはなく、以下のように変更することが可能である。例えば、
(a)本発明をセラミックス両面板に具体化した実施例に代えて、シート成形したグリーンシートを積層・焼成してなるセラミックス多層板に具体化することも勿論可能である。この場合、導電性金属ペースト等を用いて、シート積層工程の前に予め内層に導体パターンを形成しておくことが良い。
【0063】
(b)また、表面研磨及び薄膜の形成をセラミックス基板の片面のみについて行うこととしても良い。
(c)実施例のような表面処理方法に代え、例えばエッチング液をラップ液としても用いた、いわゆるメカノケミカルラッピングを行うことも可能である。このような表面処理方法によると、エッチング及びラッピングを単独で行うときよりも、処理の簡略化・効率化を図ることができる。
【0064】
なお、前記メカノケミカルラッピングとしては、ラップ液と非加工物との間の固液反応が支配的プロセスであるものばかりでなく、砥粒と非加工物との間の固相反応が支配的プロセスであるものも同様に有効である。
【0065】
(d)セラミックス製の絶縁基材に設けられる金属製の導体層は、実施例のようなスルーホール内導体層のみに限定されることはない。例えば、絶縁基材に凹部を設け、その凹部の内面に導体層を設けるというようなものなどであっても良い。
【0066】
(e)粗化面上に形成される非金属薄膜は樹脂のみに限定されることはなく、例えばセラミックス等であっても良い。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のセラミックス基板の表面処理方法によると、同一面内にセラミックス部分と金属部分とが混在しているときでも、好適なアンカー効果をもたらし得るような粗化面を容易にかつ確実に形成することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は実施例におけるAlN基板の製造工程を示す部分概略断面図である。
【図2】AlN基板に対する表面処理によって粗化面を形成した状態を示す部分概略断面図である。
【図3】AlN基板に導体パターン及びめっきレジストを形成した状態を示す部分概略断面図である。
【図4】従来のセラミックス基板を示す部分概略断面図である。
【図5】従来のセラミックス基板における問題点を説明するための部分概略断面図である。
【符号の説明】
1,1a…セラミックス基板としてのAlN基板、2…絶縁基材としてのAlN基材、3…金属製の導体層としてのスルーホール内導体層、4…金属薄膜としての導体パターン、5…非金属薄膜としてのめっきレジスト、6…粗化面、Ra1…絶縁基材の表面粗さ、Ra2…導体層の表面粗さ。
Claims (1)
- セラミックス酸化物、セラミックス炭化物、セラミックス窒化物及びダイヤモンドから選択される少なくともいずれかを主成分として含む研磨用の砥粒を用いたラッピングを行った後に、アルカリ液を用いたエッチングを行うことによって、窒化アルミニウム製の絶縁基材(2)と金属製の導体層(3)とからなるセラミックス基板(1a)に粗化面(6)を形成し、前記絶縁基材(2)の表面粗さ(R a1 )が0.01μm〜5μmの範囲内であり、前記導体層(3)の表面粗さ(R a2 )が0.002μm〜2μmの範囲内であり、かつ前記絶縁基材(2)の表面粗さ(R a1 )が、前記導体層(3)の表面粗さ(R a2 )より大きくなるように設定することを特徴とするセラミックス基板の表面処理方法。
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