JP3585790B2 - 可変エリアアドホックネットワーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
ローカルに無線通信装置間で通信を行う孤立したネットワークをアドホックネットワークといい、本発明は、このアドホックネットワークを構成する無線通信装置に利用する。
【0002】
【従来の技術】
複数の無線通信装置から構成され、その無線通信装置間で無線パケットによってデータの送受信が行われるアドホックネットワークでは、従来は、無線通信装置間で無線パケットを送信する際の送信電力はあらかじめ固定されている。
【0003】
そのため無線通信装置間の距離に対し送信電力によって決定される電波到達距離が大きな場合は、送信先無線通信装置や中継する無線通信装置の存在する領域以上に電波が輻射され周波数利用効率が低下する。
【0004】
図18に従来技術で周波数利用効率が低下する例を示す。ここでは無線通信装置Aから無線通信装置Fに無線パケットを送信している。逆に、無線通信装置間の距離に対し送信電力によって決定される電波到達距離が小さな場合は、遠くの無線通信装置に無線パケットを送信するためには、多くの無線通信装置を中継して転送する必要があるので、転送時間が増加するという問題がある。図19に従来技術で転送時間が増加してしまう例を示す。ここでは無線通信装置Aから無線通信装置Fに無線パケットを送信している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、無線通信装置間の距離に対し送信電力の大きな無線ネットワークでは、少ないホップ数で多くの無線通信装置に無線パケットを送信できるため、転送時間が少ないという利点があるが、周波数利用効率が低下し、無線ネットワーク内での通信量が制限されてしまう。
【0006】
また、無線通信装置間の距離に対し送信電力が小さな無線ネットワークでは、周波数の繰り返し利用により周波数利用効率の向上が期待できるという利点があるが、無線パケットを中継するのにホップ数がかさみ、転送時間がかかるという問題がある。
【0007】
したがって、周波数利用効率が重視されるノンリアルタイムデータ通信と、平均転送時間の短縮が重視されるネットワーク制御データ送信およびリアルタイムデータ通信とが混在する場合に、双方にそれぞれ最適な転送方法を選択することは困難である。
【0008】
本発明は、このような背景に行われたものであって、周波数利用効率が重視される通信と、平均転送時間の短縮が重視される通信とが混在する場合に、双方にそれぞれ最適な転送方法を選択することができる可変エリアアドホックネットワークを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、経路毎の周波数利用効率および所要転送時間および発信する情報の重要度および種類を考慮して送信電力を決定することにより、情報の重要度および種類に応じて最適な無線パケット転送方法を選択することを特徴とする。
【0010】
なお、周波数利用効率については、電波到達エリアの半径の二乗をそのエリアの面積とし、通信に使用される通信装置の使用エリアの面積の総和を求め、この使用エリア面積の値が大きければ、周波数利用効率は小さいとし、使用エリア面積が小さいほど、より多くの周波数再利用が可能となり、周波数利用効率は大きいとする。
【0011】
また、転送時間とは、無線パケットの一回の転送時間が1単位時間かかるとして、必要となる転送回数の総和を転送時間とする。この転送時間を通信データの宛先端末数で割った値が平均転送時間である。
【0012】
また、情報の重要度および種類は、通信に要求される条件が、転送時間(転送遅延時間)を極力短くすることに重点が置かれるか、あるいは、データの転送遅延が気にならないようなデータであるかといったことにより分類される。本発明では、転送遅延が気にならないデータであれば、周波数の有効利用を図ることに重点を置く。
【0013】
すなわち、本発明は、複数の無線通信装置を備え、この無線通信装置は、相互に無線パケットを送受信する手段を備えたアドホックネットワークである。
【0014】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記無線通信装置は、無線パケットの送信に先立ってこの送信に必要な送信電力を決定する手段と、この決定する手段により決定した送信電力を用いて無線パケットを送信する手段とを備え、可変エリアアドホックネットワークを実現するところにある。これにより、周波数利用効率が重視される通信と、平均転送時間の短縮が重視される通信とが混在する場合に、双方にそれぞれ最適な転送方法を選択することができる。
【0015】
前記無線通信装置は、ネットワークを構成する各無線通信装置間の経路情報を記録したルーチングテーブルを備え、このルーチングテーブルには、各経路毎の通信可否情報およびその情報の信頼性の情報および通信に必要な送信電力情報が記録されることが望ましい。
【0016】
前記送信電力を決定する手段は、前記ルーティングテーブルを参照して複数の発信先の無線通信装置までの複数経路についての周波数利用効率および所要転送時間を推定する手段と、この推定する手段により推定された周波数利用効率および所要転送時間にしたがって発信情報の重要度および種類に応じて要求される周波数利用効率および所要転送時間が最適となる経路を選択する手段と、この選択する手段により選択された経路を用いる通信に要する送信電力を決定された送信電力とする手段とを含む構成とすることが望ましい。
【0017】
無線パケットの経路情報フィールドに、当該無線パケットが送信されたときの送信電力情報が記録され、前記無線通信装置は、自無線通信装置が宛先に指定されている無線パケットを受信したときにその無線パケットの経路情報フィールドから経路情報を取り出す手段と、その経路情報から取得した送信電力情報にしたがう送信電力により無線パケットを送信する手段とを備える構成とすることが望ましい。これにより、無線パケットを受信した無線通信装置は、その無線パケットに対する応答を行うときに必要な送信電力の情報を受信した無線パケットから得ることができる。
【0018】
前記無線通信装置は、受信した無線パケットの経路情報フィールドから経路情報を取り出す手段と、この経路情報と自己のルーティングテーブルに記載された経路情報とを比較して周波数利用効率およびまたは所要転送時間が改善される経路の有無を判定する手段と、その判定結果にしたがって前記改善される経路があるときにはその経路にしたがって無線パケットを送信する手段とを備える構成とすることが望ましい。これにより、無線パケットが送信された時点の経路情報がその無線パケットが送信された後に変更となり、さらに、適当な経路が存在する場合には、その適当な経路を用いて無線パケットを転送することができる。
【0019】
前記無線通信装置は、一定時間毎あるいは所定回数のルーチングテーブルの更新が行われる毎にルーチングテーブルの更新情報を含む無線パケットを送信する手段と、ルーチングテーブルの更新情報を含む無線パケットを受信したときには当該無線パケットに含まれる転送履歴情報を参照し自己が保持するルーチングテーブルの更新時刻が当該無線パケットに含まれる更新情報の転送時刻よりも古いときには当該更新情報にしたがって自己が保持するルーチングテーブルを更新する手段とを備える構成とすることが望ましい。これにより、可変エリアアドホックネットワークに属する各無線通信装置のルーチングテーブルを定期的に最新のものとすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の可変エリアアドホックネットワークの構成を図1ないし図6を参照して説明する。図1は本発明実施例の可変エリアアドホックネットワークの構成例を示す図である。図2は本発明実施例の無線通信装置の送信系統の要部ブロック構成図である。図3は本発明実施例のルーチングテーブルの構成例を示す図である。図4は本発明実施例の経路および送信電力決定部の要部ブロック構成図である。図5は本発明実施例の無線通信装置の受信系統の要部ブロック構成図である。図6は本発明実施例のデータパケットとしての無線パケットおよび制御パケットとしての無線パケットの構成例を示す図である。本発明実施例では、データパケットおよび制御パケットを同じく無線パケットということにする。
【0021】
本発明は、図1に示すように、複数の無線通信装置1−1〜1−3を備え、この無線通信装置1−1〜1−3は、相互に無線パケットを送受信するアドホックネットワークである。
【0022】
ここで、本発明の特徴とするところは、無線通信装置1−1〜1−3は、図2に示すように、無線パケットの送信に先立ってこの送信に必要な送信電力を決定する経路および送信電力決定部10と、この経路および送信電力決定部10により決定した送信電力を用いて無線パケットを送信する送信部11とを備え、可変エリアアドホックネットワークを実現するところにある。
【0023】
無線通信装置1−1〜1−3は、ネットワークを構成している各無線通信装置1−1〜1−3間の経路情報を記録したルーチングテーブル12を備え、このルーチングテーブル12には、図3に示すように、各経路毎の通信可否情報および通信に必要な送信電力情報が記録されており、さらに、更新時刻情報から通信可否情報の信頼性情報を算出することができる。この算出方法については後述する。
【0024】
図4に示すように、経路および送信電力決定部10は、ルーティングテーブル12を参照して複数の発信先の無線通信装置までの複数経路について所定の通信の信頼性を満たす周波数利用効率および所要転送時間を推定する周波数利用効率および所要転送時間推定部20と、この周波数利用効率および所要転送時間推定部20により推定された周波数利用効率および所要転送時間にしたがって発信情報の重要度および種類に応じて要求される周波数利用効率および所要転送時間が最適となる経路を選択する最適経路選択部21と、この最適経路選択部21により選択された経路を用いる通信に要する送信電力を決定された送信電力とする送信電力選定部22とを含む。
【0025】
図6に示すように、無線パケットの経路情報フィールド30に、当該無線パケットが送信されたときの送信電力情報が記録され、図5に示すように、無線通信装置1−1〜1−3は、自無線通信装置1−1〜1−3が宛先に指定されている無線パケットを受信したときにその無線パケットの経路情報フィールドから経路情報を取り出す経路情報取得部40を備え、経路および送信電力決定部10は、その経路情報から取得した送信電力情報にしたがう送信電力により無線パケットを送信する。
【0026】
また、無線通信装置1−1〜1−3は、経路情報取得部40により受信した無線パケットの経路情報フィールド30から経路情報を取り出し、最適経路選択部21は、この経路情報と自己のルーティングテーブル12に記載された経路情報とを比較して通信の信頼性およびまたは周波数利用効率およびまたは所要転送時間が改善される経路の有無を判定し、その判定結果にしたがって前記改善される経路があるときにはその経路にしたがって無線パケットを送信する。
【0027】
無線通信装置1−1〜1−3は、一定時間毎あるいは所定回数のルーチングテーブル12の更新が行われる毎にルーチングテーブル12の更新情報を含む無線パケットを送信する更新情報生成部13と、ルーチングテーブル12の更新情報を含む無線パケットを受信したときには更新情報取得部41により当該無線パケットに含まれる転送履歴情報を参照し自己が保持するルーチングテーブル12の更新時刻が当該無線パケットに含まれる更新情報の転送時刻よりも古いときには当該更新情報にしたがって自己が保持するルーチングテーブル12を更新する更新情報判定部42とを備える。
【0028】
図1に示す可変エリアアドホックネットワークでは、各無線通信装置1−1〜1−3は無線パケットを送信する際、経路および送信電力決定部10により送信電力値を変化させることにより、電波到達範囲を変化させる。また、各無線通信装置1−1〜1−3は無線パケットの送受信機能を有している。
【0029】
フレームフォーマットには、図6(a)に示すように、データ通信を行うデータパケットとしての無線パケットと、図6(b)に示すように、ルーチングテーブルや無線通信装置のネットワーク構成情報などを無線通信装置間でやり取りする制御パケットとしての無線パケットがある。無線パケットは各パケットを識別するためのシーケンス番号、無線パケットの次の中継先の無線通信装置番号を記載する宛先フィールド、データの種別や重要度を示すデータ識別情報フィールド32、転送経路を示す経路情報フィールド30、最終的な宛先の無線通信装置番号を記載する転送先無線通信装置、このパケットが転送されてきた経路を示す転送履歴フィールド31と送信データからなり、制御パケットとしての無線パケットはデータパケットとしての無線パケットの送信データの部分に制御データが格納される。また、データパケットと制御パケットはデータ識別情報フィールド32によって識別される。
【0030】
経路情報フィールド30の構成例を図7に示す。経路情報フィールド30は無線パケットを発信する無線通信装置番号、その送信における送信電力と着信先の複数の無線通信番号を組にしたものを複数つなげたものである。図7においては無線通信装置番号が1の端末が(1,50,2,3)(3,100,4,5)という経路情報フィールド30をもつ無線パケットを受信した場合における送信元無線通信装置指定の無線パケットの中継経路が図示されている。
【0031】
図8に転送履歴フィールド31の構成例を示す。転送履歴フィールド31は無線通信装置番号、送信電力、送信した時刻からなる組を複数つなげたものである。図8には例として無線通信装置番号が4の無線通信装置が下記の(1,50,10)(2、100、15)(3,500,35)という転送履歴フィールドを持つ無線パケットを受信した場合の該無線パケットが転送されてきた転送経路を示してある。
【0032】
図3に示すように、ルーチングテーブルは二つの無線通信装置の番号と両無線通信装置が無線パケットを送受信するのに必要な送信電力とこのルーチングテーブルを最後に更新した際の時刻と通信の信頼性が記載されている。
【0033】
次に、本発明実施例の可変エリアアドホックネットワークにより無線パケットを送信する際の動作を第一実施例〜第五実施例として説明する。
【0034】
(第一実施例)
第一実施例のフローチャートを図9に示す。各無線通信装置は無線パケットの送信要求が発生したら、宛先の各無線通信装置に対して無線パケットを送信する毎にこの送信に必要な電波の送信電力を自ら保持しているルーチングテーブルの情報などから決定し、決定した送信電力を用いて無線パケットを送信することにより、電波到達エリアを変化させ、周波数利用効率を改善させる。この動作は経路および送信電力決定部10により行われる。
【0035】
図3に示すルーチングテーブルの必要送信電力は、最初には適当な初期値が書き込まれているが、通信装置が通信を繰り返すことにより、転送履歴フィールドに示された送信無線通信装置番号と送信電力とその時刻情報から、自端末が受信した無線パケットに示された前記転送履歴フィールド情報の該無線パケットの送信無線通信装置の送信電力値とそのときの受信信号の受信品質の情報から、前記送信無線通信装置に必要かつ十分な送信電力がいくらかを推定でき、この情報を元にルーチングテーブルを逐次更新していくことにより最新の送信電力情報を得ることができる。この動作は更新情報判定部42により行われる。
【0036】
(第二実施例)
第二実施例のフローチャートを図10に示す。このフローチャートでは、送信元の無線通信装置の経路決定方法および送信方法を示している。以下に、手順を示す。まず、無線パケットの送信元の無線通信装置は送信要求を受け、経路決定の動作に移る。経路決定の動作は、はじめに自らが保持しているルーチングテーブルの情報を用い、送信先無線通信装置までの経路の候補を作成する。経路の候補を作成する一方法として、各無線通信装置をノードとみて、各無線通信装置間で必要な送信電力を三乗したものを対応するノード間のコストとするグラフを作成し、Bellman−Fordアルゴリズム等を用いて、コストまたは中継数が少なくなるような経路を求めていく方法がある。そして、信頼性をルーチングテーブルの更新時刻を元に算出する。
【0037】
信頼性を算出する一方法としては、現在時刻と更新時刻との差をとり、例えばその差に対して、30秒、1分、5分、10分という閾値を設け、0秒から30秒までを信頼度5、30秒から1分までを信頼度4、といった具合に5段階の信頼度を設ける方法がある。そして、転送元無線通信装置で決められた信頼性を満たしていない候補は破棄し、次の経路候補を作成する動作に移り、信頼性を満たしている場合はその経路候補を記憶しておく。この動作を繰り返すことにより、複数の信頼性の高い経路候補を見つけることができる。さらに、これらの経路候補それぞれに対し、周波数利用効率、転送時間の推定値を計算し、転送要求データの重要度および種類によって最適な経路を決定する。この動作は経路および送信電力決定部10により行われる。
【0038】
次に無線パケットの送信動作に移る。無線パケットの送信動作は、決定した経路とその経路に伴って転送する場合の各中継動作における送信電力を無線パケットの経路情報フィールドに記載する。
【0039】
そして、無線パケットにシーケンス番号、宛先、転送先無線通信装置、転送履歴フィールドの各項目を記載し、送信データまたは制御データを格納し、決められた送信電力で送信を行う。この動作は送信部11により行われる。
【0040】
(第三実施例)
次に、第三実施例のフローチャートを図11に示す。このフローチャートは中継無線通信装置の送信元で指定された経路にて中継するための動作が示してある。
【0041】
まず、中継無線通信装置は自無線通信装置が宛先に指定されている無線パケットを受信する。次に無線パケットの経路情報フィールドから自無線通信装置が中継していく転送経路とその転送経路に伴う送信電力を取り出す。取り出した経路情報フィールドを送信する無線パケットの経路情報フィールドとする。この動作は経路情報取得部40により行われる。
【0042】
さらに、無線パケットの宛先フィールドを取り出した経路における次の宛先とする。受信した無線パケットの転送履歴に自無線通信装置の無線パケットの送信動作を追加し送信する無綿パケットの転送履歴フィールドに記載し、送信データまたは制御データを受信した無線パケットまたは無線パケットから複写する。最後に受信した無線パケットまたは無線パケットの経路情報フィールドにて指定された送信電力で無線パケットを送信する。この動作は経路および送信電力決定部10および送信部11により行われる。
【0043】
(第四実施例)
第四実施例のフローチャートを図12に示す。このフローチャートは中継無線通信装置における経路決定方法と決定した経路にて中継するための動作が示してある。この動作は第三実施例の中継動作を置き替えることができ、中継無線通信装置にて経路を再構築することにより、さらに最適な経路を発見するものである。
【0044】
以下にその動作を説明する。まず、中継無線通信装置は自無線通信装置が宛先に指定されている無線パケットを受信する。次に経路決定の動作に移る。経路決定の動作においては、初めに無線パケットの経路情報フィールドから自無線通信装置が中継していく転送経路とその転送経路に伴う送信電力を取り出す。この動作は経路情報取得部40により行われる。
【0045】
さらに自らが保持しているルーチングテーブルの情報を用い、転送先無線通信装置までの経路の候補を図10のフローチャートの説明で記載した方法等を用いて作成し、その経路候補の信頼性を、ルーチングテーブルの更新時刻を元に、図10のフローチャートの説明で記載した方法等により算出し、転送元無線通信装置で決められた信頼性を満たしていない候補は破棄し、次の経路候補を作成する動作に移り、信頼性を満たしている場合はその経路候補を記憶しておく。この動作を繰り返すことにより、複数の信頼性の高い経路候補を見つけることができる。さらに、この経路候補それぞれに対し、周波数利用効率、転送時間の推定値を計算し、転送要求データの重要度および種類によって、最適な経路を決定する。この動作は経路および送信電力決定部10により行われる。
【0046】
ここで、決定された最適な経路と受信した無線パケットの経路情報フィールドから取り出した経路とを比較し、取り出した経路の方が最適であった場合は、取り出した経路情報フィールドを送信する無線パケットの経路情報フィールドとする。さらに、無線パケットの宛先フィールドを取り出した経路における次の宛先とする。受信した無線パケットの転送履歴に自無線通信装置の無線パケットの送信動作を追加し送信する無線パケットの転送履歴フィールドに記載する。最後に受信した無線パケットの経路情報フィールドにて指定された送信電力で無線パケットを送信する。
【0047】
新たに作成した経路の方が最適であった場合には、その経路とその経路に沿って転送した場合の送信電力を無線パケットの経路情報フィールドに記載する。次に無線パケットにシーケンス番号、宛先、転送先無線通信装置、転送履歴フィールドの各項目を記載し送信データ、制御データ等を受信したパケットから複写する。最後に作成した経路で決められた送信電力にて無線パケットを送信する。この動作は、更新情報取得部41、更新情報判定部42、更新情報生成部13により行われる。
【0048】
(第五実施例)
第五実施例のフローチャートを図13、14、15に示す。図13はルーチングテーブル更新情報を含む無線パケットを受信したときのルーチングテーブルを更新する動作を示している。この動作においては、ルーチングテーブル更新情報を含む無線パケットを受信したら、無線パケットからルーチングテーブル更新情報を取り出し、この情報を元に保持しているルーチングテーブルを更新する。この動作は更新情報取得部41および更新情報判定部42により行われる。
【0049】
図14は無線パケットの転送履歴フィールドの情報からルーチングテーブルを更新する動作を示している。この動作においては、無線パケットを受信したら無線パケットから転送履歴を取り出し、この情報を元に保持しているルーチングテーブルを更新する。
【0050】
図15は自無線通信装置が保持するルーチングテーブルの更新情報を他の無線通信装置に通知するための動作を示している。この動作においては、自無線通信装置のルーチングテーブルの更新情報を一定時間送信していないか、ルーチングテーブルの更新がn回発生した場合はルーチングテーブル更新情報を含む無線パケットを図10に示すフローチャートにしたがって送信する。ただし、以上の動作においてルーチングテーブルの更新は、保持しているルーチングテーブルの更新時刻が更新情報の更新時刻よりも古い場合にのみ行われる。この動作は更新情報判定部42により行われる。
【0051】
(実施例まとめ)
図16、17に周波数利用効率を重視して転送した場合と転送時間を重視して転送した場合の例を示す。図16、17は無線通信装置Aから無線通信装置B、C、D、E、Fに無線パケットを送信する場合を想定している。図16、17において、円は決定された送信電力で無線パケットを送信したときの電波到達範囲を示しており、図17は無線通信装置Dを中継して無線パケットが転送されるため、周波数利用効率は電波到達範囲の半径2と半径1の面積を計算し、1×1+2×2=5と計算される。また、平均転送時間は無線パケットの一回の転送に1単位時間かかるとすると、(1+1+2+2)/4=1.5と計算される。
【0052】
同様に図17において、周波数利用効率は3×3=9と計算され、平均転送時間は(1+1+1+1)/4=1と計算される。
【0053】
以上のように、本発明においては送信電力を制御することにより、可変エリアアドホックネットワーク内における周波数利用効率と平均転送時間を制御することが可能となる。このため、周波数利用効率が重視されるノンリアルタイムデータ通信と平均転送時間の短縮が重視されるネットワーク制御データ送信、リアルタイムデータ通信において最適な転送方法を選択することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、周波数利用効率が重視される通信と、平均転送時間の短縮が重視される通信とが混在する場合に、双方にそれぞれ最適な転送方法を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の可変エリアアドホックネットワークの構成例を示す図。
【図2】本発明実施例の無線通信装置の送信系統の要部ブロック構成図。
【図3】本発明実施例のルーチングテーブルの構成例を示す図。
【図4】本発明実施例の経路および送信電力決定部の要部ブロック構成図。
【図5】本発明実施例の無線通信装置の受信系統の要部ブロック構成図。
【図6】本発明実施例のデータパケットおよび制御パケットの構成例を示す図。
【図7】経路フィールドの構成例を示す図。
【図8】転送履歴フィールドの構成例を示す図。
【図9】第一実施例のフローチャート。
【図10】第二実施例のフローチャート。
【図11】第三実施例のフローチャート。
【図12】第四実施例のフローチャート。
【図13】第五実施例のルーチング情報を含む無線パケットを受信したときのルーチングテーブルを更新する動作を示すフローチャート。
【図14】第五実施例の無線パケットの転送履歴フィールドの情報からルーチングテーブルを更新する動作を示すフローチャート。
【図15】第五実施例の自無線通信装置が保持するルーチングテーブルの更新情報を他の無線通信装置に通知するための動作を示すフローチャート。
【図16】周波数利用効率を重視して転送した場合の周波数利用効率および平均転送時間を説明するための図。
【図17】転送時間を重視して転送した場合の周波数利用効率および平均転送時間を説明するための図。
【図18】従来技術で周波数利用効率が低下する例を示す図。
【図19】従来技術で転送時間が増加してしまう例を示す図。
【符号の説明】
1−1〜1−3、1〜5、A〜F 無線通信装置
10 経路および送信電力決定部
11 送信部
12 ルーチングテーブル
13 更新情報生成部
20 周波数利用効率および所要転送時間推定部
21 最適経路選択部
22 送信電力選定部
30 経路情報フィールド
31 転送履歴フィールド
32 データ識別情報フィールド
40 経路情報取得部
41 更新情報取得部
42 更新情報判定部
Claims (4)
- 複数の無線通信装置を備え、この無線通信装置は、相互に無線パケットを送受信する手段を備えたアドホックネットワークにおいて、
前記無線通信装置は、無線パケットの送信に先立ってこの送信に必要な送信電力を決定する手段と、この決定する手段により決定した送信電力を用いて無線パケットを送信する手段と、ネットワークを構成する各無線通信装置間の経路情報を記録したルーチングテーブルとを備え、
このルーチングテーブルには、各経路毎の通信可否情報およびその情報の信頼性の情報および通信に必要な送信電力情報が記録され、
前記送信電力を決定する手段は、前記ルーチングテーブルを参照して複数の発信先の無線通信装置までの複数経路についての周波数利用効率および所要転送時間を推定する手段と、この推定する手段により推定された周波数利用効率および所要転送時間にしたがって発信情報の重要度および種類に応じて要求される周波数利用効率および所要転送時間が最適となる経路を選択する手段と、この選択する手段により選択された経路を用いる通信に要する送信電力を決定された送信電力とする手段とを含む
ことを特徴とする可変エリアアドホックネットワーク。 - 無線パケットの経路情報フィールドに、当該無線パケットが送信されたときの送信電力情報が記録され、前記無線通信装置は、自無線通信装置が宛先に指定されている無線パケットを受信したときにその無線パケットの経路情報フィールドから経路情報を取り出す手段と、その経路情報から取得した送信電力情報にしたがう送信電力により無線パケットを送信する手段とを備えた請求項1記載の可変エリアアドホックネットワーク。
- 前記無線通信装置は、受信した無線パケットの経路情報フィールドから経路情報を取り出す手段と、この経路情報と自己のルーチングテーブルに記載された経路情報とを比較して周波数利用効率およびまたは所要転送時間が改善される経路の有無を判定する手段と、その判定結果にしたがって前記改善される経路があるときにはその経路にしたがって無線パケットを送信する手段とを備えた請求項1記載の可変エリアアドホックネットワーク。
- 前記無線通信装置は、一定時間毎あるいは所定回数のルーチングテーブルの更新が行われる毎にルーチングテーブルの更新情報を含む無線パケットを送信する手段と、ルーチングテーブルの更新情報を含む無線パケットを受信したときには当該無線パケットに含まれる転送履歴情報を参照し自己が保持するルーチングテーブルの更新時刻が当該無線パケットに含まれる更新情報の転送時刻よりも古いときには当該更新情報にしたがって自己が保持するルーチングテーブルを更新する手段とを備えた請求項1記載の可変エリアアドホックネットワーク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30731199A JP3585790B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 可変エリアアドホックネットワーク |
Applications Claiming Priority (1)
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