JP3585573B2 - ブラシロールの接地幅を調整する装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、道路や飛行場の滑走路等の路面の清掃、特に除雪を行なうブラシロールの接地幅を調整する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、路面の清掃を行なう清掃車は、回転駆動するロール状の清掃ブラシ(以下、ブラシロールという。)を備えたブラシ装置を走行車体に装着して成る。このような清掃車は、ブラシロールを路面に接触させた状態で回転させながら車体を走行させることにより路面清掃を行なう。
【0003】
ブラシロールによる清掃性能は、ブラシロールの掃き面幅、すなわち、ブラシロールの接地幅によって大きく左右される。つまり、ブラシロールが路面の状態に応じた適正な接地幅で接地されていないと、十分な清掃を行なうことができない場合がある。一般に、ブラシロールの接地幅が小さすぎると清掃が不十分となり、また、接地幅が大きすぎるとブラシロールが過度に摩耗する。さらに、ブラシロールが路面に対して平行に接地されず、ブラシロールの両端で接地幅が異なる場合には、均一な路面清掃を行なうことができず、掃き残しができるとともに、ブラシロールの摩耗も均一にならなくなる。特に、除雪車の場合には、風向きによって左斜め前方と右斜め前方とに除雪方向を切換えるが、その場合、ブラシロールを左斜め方向または右斜め方向に旋回させると、除雪ブラシ装置の重心のアンバランスによってブラシロールの平行がくずれ、ブラシロールの両端で接地幅にズレが出てしまう。したがって、左斜め前方と右斜め前方とに除雪方向を切換える度に、ブラシロールの左右両端の接地幅をそれぞれ再調整する必要がでてくる。
【0004】
こうしたことから、従来は、ブラシロールの接地幅をある程度の範囲で変化させることができる調整機構をブラシ装置に設け、この調整機構によってブラシロールの接地幅を適当な値に設定することにより、清掃性能の向上を図っている。
【0005】
図7は、ブラシ装置の一例である除雪ブラシ装置80を示すものである。図7の(a)に示すように、この除雪ブラシ装置80は、車体88のシャーシの前端部に連結体81を介して取り付けられており、回転駆動可能なブラシロール83を有するブラシ体80aと、このブラシ体80aの両側に設けられ、ブラシ体80aを支持する支持タイヤ85を有する支持体80bとによって構成されている。また、除雪ブラシ装置80は、連結体81に対して、旋回軸89を中心に旋回自在に取り付けられ、また、図示しない揺動軸を中心に揺動自在に取り付けられている。
【0006】
また、図7の(b)に示すように、除雪ブラシ装置80は、ブラシ体80aと支持体80bとを上下方向に相対的に移動させる調整機構を備えている。具体的には、アジャストスクリュー87が設けられ、このアジャストスクリュー87を工具によって例えば時計方向に回すと支持タイヤが下降するとともにブラシロール83が上昇し、また、アジャストスクリュー87を反時計方向に回すと支持タイヤが上昇するとともにブラシロール83が下降する。この動作により、ブラシ体80aの荷重を受けて路面90に常時接地される支持タイヤ85に対してブラシロール83が上下し、これによって、ブラシロール83の路面90に対する接地幅B(図7の(c)参照)が変化する。
【0007】
この図7の構成はオペレータが手動でアジャストスクリュー87を回転させてブラシロール83の接地幅Bを感覚的に調整するものであるが、こうした接地幅の調整動作を自動制御する装置が特開平3ー115610号公報に開示されている。
【0008】
この公報に示された装置は、センサによってブラシロール83の直径を検知し、この検知した直径に基づいて制御装置が調整機構を駆動させてブラシロールの接地幅を目標とする接地幅に自動調整するものである。具体的には、ブラシロールに向かって移動可能な探触子が設けられ、この探触子が回転するブラシロールに接触して振動するまでの探触子移動量からブラシロールの直径が求められる。探触子の振動は加速度センサによって検知され、探触子の移動量は距離測定装置によって測定され、これらの信号が制御装置に送られてブラシロールの直径ひいては目標とする接地幅に応じたブラシロールの移動量(調整機構の駆動量)が決定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示す手動調整の構成では、決められた短い除雪時間の中でブラシロールの高さ調整(接地幅の調整)が必要となった場合に、オペレータが運転席から降りてアジャストスクリューを工具で回さなければならないため、作業性が悪い。特に、左斜め前方または右斜め前方に除雪方向を切換えた場合には、その度に、除雪ブラシ装置の重心のアンバランスによって生じるブラシロール両端の接地幅のズレを、ブラシロールの両端に設置されたそれぞれのアジャストスクリューを別個に調整することによって修正しなければならず、その作業は極めて繁雑である。
【0010】
また、ブラシロールの高さ調整はオペレータの勘に頼って行なわれるため、ブラシロールの接地幅が路面の状態に応じた適正な接地幅に正確に設定されていない場合もある。
【0011】
一方、特開平3ー115610号公報に示された自動調整の構成によれば、作業性の向上を図ることができ、また、ブラシロールの接地幅を路面の状態に応じた適正な接地幅に正確に設定することが可能であるが、自動調整を行なうために距離測定装置や探触子移動装置あるいは加速度センサ等といった各種の複雑なセンサや装置を必要とするため、構造が複雑になり、コスト高となる。また、電気的なトラブルが発生する虞もある。
【0012】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、簡単な機構によってブラシロールの接地幅を路面の状態に応じた適正な接地幅に自動設定することができ、また、ブラシロールの全長にわたってその接地幅を均一に設定することができるブラシロールの接地幅調整装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、路面に接地可能な清掃ブラシロールを回転自在に支持してなるブラシ体を、このブラシ体を両側で支持する支持体に対して相対的に移動させて、前記ブラシロールの路面に対する接地幅を調整する装置において、前記ブラシ体を前記支持体に対して相対的に移動させる駆動手段と、前記ブラシ体に揺動可能に軸支され、前記ブラシロールの外面に接線方向で接触可能な揺動体と、前記揺動体の傾斜角を計測する角度計測手段と、前記ブラシロールの接地幅を所望の接地幅に設定するための接地幅設定手段と、前記角度計測手段によって計測された前記揺動体の傾斜角からブラシロールの径を演算し、この演算で求めたブラシロールの径と前記接地幅設定手段により設定されたブラシロール接地幅の設定値とによって、ブラシロールの回転中心と路面との間の設定距離を演算する演算手段と、ブラシロールの回転中心と路面との間の距離が前記設定距離と一致するように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを具備している。
【0014】
【作用】
上記構成によれば、接地幅設定手段でブラシロール接地幅の設定値を設定し、且つ、揺動体をブラシロールの外面に接触させるだけで、演算手段と制御手段とにより駆動手段の駆動が制御され、ブラシロールの接地幅が設定幅に自動的に左右均一に調整される。特に、除雪車の場合には、除雪時の雪の質と積雪量とに応じた接地幅に自動設定することができる。
【0015】
【実施例】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例について説明する。
図1に除雪車1が示されている。この除雪車1は、作業用エンジンを搭載しエアノズル10等が装着された走行車体2と、この走行車体2のシャーシの前端部に連結体8を介して取り付けられた除雪ブラシ装置3とから成る。
【0016】
ブラシ装置3は、連結体8に連結され且つ車体2の幅方向に延びる長尺なブラシ体3aと、このブラシ体3aの両側にそれぞれ設けられてブラシ体3aを支持する支持体3b,3bとによって構成されている。この場合、ブラシ体3aは、連結体8に対して回動自在に軸支されており、連結体8とブラシ体3aとの間に架設された油圧シリンダ7が伸縮動作されることによって回動軸9を中心として左右に旋回することができるようになっている。
【0017】
また、ブラシ装置3は、そのブラシ体3aの部分に、油圧モータ11によって回転駆動されるロール状の除雪ブラシ4(以下、ブラシロール4という。)を有している。また、ブラシ装置3は、その支持体3b,3bの部分に、路面に接地されてブラシ装置3の荷重を受ける支持タイヤ13を有しており、この支持タイヤ13によって車体2の走行に追従することができるようになっている。
【0018】
なお、図中、5は除雪ブラシ4によって掃き出された雪が飛散することを防止する飛散防止カバーであり、6は油圧モータ11に圧油を供給する油圧管路である。
【0019】
図2にブラシ装置3の詳細が示されている。前述したように、ブラシ装置3はブラシ体3aと支持体3b,3bとから成るが、このうち、ブラシ体3aは、車体2の幅方向に延び且つその略中央部で連結体8の先端部8bに対して回動自在に軸支された長尺な本体部14と、この本体部14の長手方向に沿って延在するブラシロール4とから主に構成されている。ブラシロール4は、長尺な軸部材12の周囲に剛毛を植設してロール状に形成したものであり、その軸部材12が連結部材44を介して本体部14に回転自在に取り付けられている。また、本体部14には、ブラシロール4の回転動作によって掃き出された雪が飛散することを防止する飛散防止カバー5が取付けられている。この飛散防止カバー5は、ブラシロール4と所定距離離間して位置し、ブラシロール4の前方をその略全長にわたってカバーしている。
【0020】
また、本体部14の両側には、本体部14を各支持体3b,3bに連結するアーム部15,15が車体2側に向けて延設されている。
また、本体部14の両側には、ブラシロール4の外面に接線方向で接触可能な測定板23が揺動可能に取り付けられている。この測定板23は、その自重によって下方に回動してブラシロール4の外面に接線方向で接触することができ、また、図5の(a)に示す測定板格納機構69(図2には図示されていない)によって上方に回動されて図2中点線で示す格納位置に格納される。なお、この場合、測定板23の揺動軸24とブラシロール4の軸部材12のそれぞれの軸心は、路面35に垂直な同一平面上に存在し、互いに平行に位置している。
【0021】
また、図2には示されていないが、測定板23の回動量、具体的には測定板23の揺動中心とブラシロール4の回転中心とを結ぶ線と測定板23とがなす角θ(揺動軸24と軸部材12とを含む平面と測定板23とがなす角θ…以下、傾斜角θという…図4参照)を求める角度測定手段が設けられている。この角度測定手段は、例えばエンコーダやポテンションメータ等を含む角度計(図5の(a)参照)であり、測定板23がブラシロール4の外面に接線方向で接触した際の前記傾斜角θを電気的に読み取ることができる。
【0022】
一方、ブラシ体3aの両側に設けられた支持体3b,3bは、ブラシ体3aを上下に昇降移動させる駆動装置60(図5参照)と、ブラシ体3aを支持する支持タイヤ13とを有している。
【0023】
駆動装置60は、油圧モータ32と、この油圧モータ32によって駆動されるウォームギヤ30と、ウォームギヤ30によって回転駆動され且つその外周面に雄ねじが形成された回転軸19とから成る。なお、ウォームギヤ30は、図示されているように、ウォーム30aと、このウォーム30aに噛み合うウォーム歯車30bとから構成されている。
【0024】
回転軸19は、支持体3bのハウジング16の第1の収容部16a内に配置されており、ブラシ体3aのアーム部15の先端に固設された連結部材20と噛み合っている。すなわち、連結部材20は回転軸19の雄ねじと噛み合う雌ねじを有しており、この連結部材20と回転軸19のねじ同士の噛み合いによりブラシ体3aと支持体3bとの連結が成されている。
【0025】
したがって、この構成によれば、油圧モータ32によってウォームギヤ30が駆動して回転軸19が回転すると、連結部材20が回転軸19の長手方向に沿って上下する。この連結部材20の上下移動に伴ってアーム部15が上下し、ブラシ体3aが昇降する。
【0026】
また、ブラシ体3aの昇降動作を可能にするために、連結体8には、平行リンク機構26a,26bが設けられている。この平行リンク機構26a,26bは、前述したようにブラシ体3aが昇降移動すると、連結体8を車体2のシャーシの前端部に対し上下に揺動させる。
【0027】
支持体3bに設けられた支持タイヤ13は、これを支持する支持軸18に対して回転自在に取付けられている。また、支持軸18はハウジング16の第2の収容部16b内で回動自在に保持されている。
【0028】
また、支持体3bのハウジング16には長さ計21が固定して設けられている。この長さ計21からはワイヤ等からなるメジャー22が繰出し可能となっており、このメジャー22の端部がアーム部15の下端面に固定されている。この構成によれば、ブラシ体3aの昇降移動に伴ってメジャー22が長さ計21から繰り出され或いは長さ計21に引き込まれる。したがって、ブラシ体3aの昇降移動に伴って変化する長さ計21とアーム部15の下端面との間の距離L(図4参照)を、長さ計21から繰り出されるメジャー22の繰出し量から測定できる。
【0029】
図3に油圧モータ32を駆動させる駆動回路61が示されている。図示のように、油圧モータ32に対するメインポンプ36からの圧油の供給は方向切換え弁37によって制御される。この方向切換え弁37は、油圧モータ32に対する圧油の供給を停止するニュートラル位置ロ(図3の位置)と、油圧モータ32を正転・逆転させる2つの供給位置イ,ハとを有するパイロット圧作動弁として形成されている。パイロット圧によって方向切換え弁37がいずれか一方の供給位置イ,ハに切換えられると、油圧モータ32が正転もしくは逆転し、ウォームギヤ30を介して回転軸19が正転もしくは逆転する。これによって、ブラシ体3aが上昇もしくは下降する。
【0030】
また、方向切換え弁37の切換え操作を行なうパイロット圧は、油圧ポンプ39からパイロット弁38,38を介して方向切換え弁37に送られる。この場合、パイロット弁38,38の弁切換え動作は、制御部40からの制御信号によって制御される。
【0031】
次に、制御部40について説明する。図5の(a)に示すように、制御部40は、演算部41と、比較部42と、制御信号発信部43とを有している。この制御部40には、前述した測定板23の傾斜角θを測定する角度計と、車体2の運転室のダッシュボードに設けられブラシロール4の目標とする接地幅B´(以下、設定幅B´という。)を設定するための設定部65と、支持体3bに設置された長さ計21と、ブラシ体3aの左右回動方向を検出する回動検出部45(例えばリミットスイッチ)とがそれぞれ電気的に接続されている。そして、角度計で得られた角度情報(測定板23がブラシロール4の外面に接触した際の測定板23の傾斜角θ)と、オペレータが接地幅設定部65で設定した設定幅B´と、回動検出部45で検出された回動方向とが制御部40の演算部41に入力され、長さ計21によって計測された距離L(長さ計21とアーム部15の下端面との間の距離L)が比較部42に入力されるようになっている。
【0032】
制御部40の演算部41は、前記角度計から得られた測定板23のブラシロール接触時の傾斜角θと接地幅設定部65から入力された設定幅B´とに基づいて、ブラシロール4の接地幅Bが設定幅B´に設定された際のブラシロール4の回転中心と路面35との間の距離x(以下、設定距離x´という。…図4参照)を演算する。具体的には、ブラシ体3aの昇降移動に伴なう距離xの変化によって距離Lが変化することに着目し、設定距離x´を代表する値として、ブラシロール4の接地幅Bが設定幅B´に設定された際の長さ計21とアーム部15の下端面との間の距離L(以下、設定距離L´という。)を演算する。この設定距離L´の演算方法について以下に示す。
【0033】
図4に示すように、測定板23がブラシロール4の外面に接線方向で接触した際の測定板23の傾斜角θが求まると、測定板23の揺動中心とブラシロール4の回転中心との間の距離Sが既知の定数であることから、摩耗によって刻々と変化するブラシロール4の半径D/2が以下の式(1)から求まる。
【0034】
D/2=S sinθ …(1)
また、ブラシロール4の回転中心と路面35との間の距離xと、ブラシロール4の接地幅Bと、ブラシロール4の半径D/2との関係は、三平方の定理から、x2 +(B/2)2 =(D/2)2 …(2)
のように表現できる。
【0035】
また、ブラシロール4の回転中心とアーム部15の下端面との間の距離をh、ブラシ装置3の荷重による支持タイヤ13の沈み量をZ、支持タイヤ13の接地面とアーム部15の下端面との間の距離をHとすると、
x+h=HーZ …(3)
といった関係式が成り立つ。
【0036】
この場合、距離hは既知の定数であり、また、沈み量Zも定数として演算部41にインプットしてある。すなわち、支持タイヤ13の沈み量Zは、ブラシ体3aを左斜め前方に向けた時と右斜め前方に向けた時とでそれぞれ左右の支持タイヤ13,13にかかる荷重を計算し、その荷重に基づいて支持タイヤの荷重ー沈み量線図から決定することができるため、ブラシ体3aの回動方向に応じた沈み量Zのデータは定数として演算部41に予めインプットされてある。したがって、例えば、ブラシ体3aを左斜め前方に向けた場合には、ブラシ体3aの左右回動方向を検出する検出部45がこれを検知してその検知信号を演算部41に送る。これにより、演算部41は、予めインプットされている沈み量データから、左側の支持タイヤ13の沈み量ZL1と右側の支持タイヤ13の沈み量ZR1とを決定する。
【0037】
また、支持タイヤ13の接地面と長さ計21との間の距離も既知の定数であることから、
L+H=定数 …(4)
が成り立つ。
【0038】
したがって、ブラシロール4の設定幅B´が設定され且つ測定板23の傾斜角θが分かれば、(1)式と(2)式とからブラシロール4の設定幅B´に対応する距離xすなわち設定距離x´の値が求まり、この値x´と式(3)(4)とからブラシロール4の設定幅B´に対応する距離Lすなわち設定距離L´が求まる。
【0039】
このような演算方法によって求められた設定距離L´は、図5の(a)に示す制御部40の比較部42に入力される。この比較部42は、長さ計21から入力される長さ計21とアーム部15の下端面との間の実際の距離Lと、演算部41から入力される設定距離L´とを比較し、これらが一致しない場合には制御信号発信部43にその旨の信号を入力する。制御信号発信部43は、この信号を受けて、駆動装置60を所定の回転方向で駆動させるための制御信号を、駆動回路61に発信する。
【0040】
この駆動制御信号により、駆動回路61では、パイロット弁38の弁動作が制御され、油圧ポンプ39からのパイロット圧がパイロット弁38を介して方向切換え弁37に送られる。これにより、方向切換え弁37は、前記制御信号に対応したいずれか一方の供給位置イ,ハに切換えられる。その結果、メインポンプ36からの圧油が油圧モータ32に供給されて油圧モータ32が所定の方向に回転する。
【0041】
油圧モータ32が前記制御信号に対応した所定の方向に回転されると、図5の(b)に示すように、ウォームギヤ30を介して回転軸19が所定方向に回転し、長さ計21とアーム部15の下端面との間の距離Lが設定距離L´となるようにアーム部15が上昇もしくは下降する。このアーム部15の昇降移動に伴って、長さ計21のメジャー22が繰り出され或いは引き込まれるが、メジャー22の繰出し量によって計測される距離Lの情報は、長さ計21から比較部42に常時送られるとともに、運転室に設置された表示部66に送られて表示される。そして、長さ計21とアーム部15の下端面との間の計測距離Lが設定距離L´と一致すると、比較部42はその旨の信号を制御信号発信部43に送るとともに、制御信号発信部43はこの信号を受けて駆動回路61に駆動装置60を停止させるための制御信号を発信する。
【0042】
この停止制御信号により、パイロット弁38の弁動作が制御され、方向切換え弁37がニュートラル位置ロに切換えられる。その結果、メインポンプ36から油圧モータ32に至る圧油の供給が停止されて、油圧モータ32が停止される。したがって、ブラシ体3aの移動が停止し、ブラシロール4の接地幅Bが設定幅B´に設定されて維持される。
【0043】
また、この時、制御信号発信部43は測定板格納駆動機構69に制御信号を送り、測定板格納駆動機構69はこの信号を受けて測定板23を格納位置(図2及び図4の点線位置)に格納する。無論、この格納動作を手動で行なっても良い。
【0044】
なお、以上のような制御は、ブラシ体3aの両側に支持体3bが設けられていることから、ブラシ体3aの左右で別個に行なわれる。
次に、本実施例のブラシ装置3を備えた除雪車1によって滑走路の除雪作業を行なう場合について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0045】
まず、滑走路の端まで除雪車1を搬送し、除雪車1を除雪スタート位置に付かせる。また、この時、風向きにより除雪方向を決定しその方向にブラシロール4を旋回させる。そして、滑走路に積もった雪の質(雪の密度)と積雪量とに応じてブラシロール4の接地幅を決定する。この決定した接地幅を接地幅設定部65に設定幅B´として入力し、運転席に設けられたブラシセットスイッチをONする。ブラシセットスイッチがONされると、格納位置に保持されていた測定板23は、その保持状態が解除され、自重によって回動してブラシロール4の外面に接線方向で接触する。無論、この動作を手動で行なっても良い。
【0046】
制御部40は、接地幅設定部65で設定された設定幅B´と角度計から得られた測定板23の角度情報θとによって設定距離L´を演算する。この場合、ブラシ体3aの左右の回動方向を検出する検出部45からの情報により、ブラシ体3aの回動方向(左斜め方向または右斜め方向)に対応した支持タイヤ13の沈み量Zが演算部41で決定されて演算に使用される。
【0047】
そして、制御部40は、長さ計21とアーム部15の下端面との間の距離Lが設定距離L´となるように左右の各支持体3bの駆動装置60を別個に駆動させてブラシ体3aを昇降させる。この昇降動作中、制御部40は、設定距離L´と長さ計21によって計測された距離Lとを比較し、設定距離L´と計測距離Lとが一致しない場合には、引き続き駆動装置60を駆動させ、設定距離L´と計測距離Lとが一致した場合には駆動装置60を停止させる。これにより、ブラシロール4の接地幅Bが設定幅B´に設定されて維持される。また、この時、測定板23も駆動機構69によって格納位置に戻される。無論、この動作も手動で行なうことが可能である。
【0048】
このような一連の動作の終了は前記ブラシセットスイッチのランプ表示によってオペレータに告知される。すなわち、ブラシセットスイッチがONされると、スイッチランプが点灯し、ブラシロール4の接地幅が設定幅にセットされて測定板23が格納されたら、スイッチランプが消灯する。
【0049】
この状態で、今度は、ブラシ体3aを回転駆動させるとともに車体2を走行させて除雪作業を開始する。作業中は、ブラシロール4で除雪し且つその残雪をエアノズル10で側方に吹き飛ばしながら走行路面35の除雪を行ない、Uターンしたら必要に応じてブラシロール4を反対側に旋回させる。この時、接地幅Bの狂いを再調整した後に除雪作業を再開する。
【0050】
以上説明したように、本実施例のブラシ装置3は、接地幅設定部65で設定幅B´を設定し、且つ、測定板23をブラシロール4の外面に接触させるだけで、制御部40が左右の各駆動装置60の駆動を制御して、ブラシロール4の接地幅が設定幅B´に自動的に調整される。したがって、ブラシロールの接地幅を積雪状態に応じた適正な接地幅に正確に設定することができ、作業性が向上する。
【0051】
また、ブラシ体3aを左方向斜めまたは右方向斜めに向けた場合には、左右の支持タイヤ13の沈み量Zが異なり、設定距離L´も左右両側で異なるものとなるが、本実施例では、ブラシ体3aの左右両側に支持体3bが設けられ、接地幅Bの調整制御が左右独立して行なわれることから、左右の支持タイヤ13の沈み量Zの状態(相違)にかかわらずブラシロール4の接地幅Bを左右均一(全長にわたって均一)に設定することができる。
【0052】
また、このような自動制御を行なうために、本実施例では、その自重によって下方に回動してブラシロール4の外面に接線方向で接触することができる計測板23を設け、この計測板23の傾斜角θと設定幅B´とから設定距離L´を演算し、駆動装置60の駆動制御を行なっている。つまり、前述した従来技術のようにブラシロール4の径を求めるための探接子や、探接子を移動させる装置、探接子の振動を検知するセンサといった複雑な装置やセンサを使用せず、簡単な計測手段によってブラシロール4の径を求めてブラシロール4の接地幅Bが設定幅B´に設定されるようにブラシ体3aを昇降移動させることができる。
このように、簡単な機構でブラシ接地幅の自動設定が行なえるため、コストを低く抑えることができ、また、電気的なトラブルが発生することもない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な機構によってブラシロールの接地幅を路面の状態(例えば、積雪路面の場合には、除雪時の雪の質と積雪量の状態)に応じた適正な接地幅に自動設定することができ、また、ブラシロールの全長にわたってその接地幅を均一に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る装置を備えた除雪車の斜視図である。
【図2】ブラシ装置の側面図である。
【図3】ブラシ装置を駆動させる駆動回路図である。
【図4】演算値を演算するために必要な寸法が表示されたブラシ装置の側面図である。
【図5】ブラシ装置の駆動を制御する制御手段のブロック図である。
【図6】ブラシ装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】従来のブラシ装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
3…ブラシ装置、3a…ブラシ体、3b…支持体、4…ブラシロール、23…測定板(揺動体)、40…制御部(制御手段)、60…駆動装置(駆動手段)。
Claims (3)
- 路面に接地可能な清掃ブラシロールを回転自在に支持してなるブラシ体を、このブラシ体を両側で支持する支持体に対して相対的に移動させて、前記ブラシロールの路面に対する接地幅を調整する装置において、
前記ブラシ体を前記支持体に対して相対的に移動させる駆動手段と、
前記ブラシ体に揺動可能に軸支され、前記ブラシロールの外面に接線方向で接触可能な揺動体と、
前記揺動体の傾斜角を計測する角度計測手段と、
前記ブラシロールの接地幅を所望の接地幅に設定するための接地幅設定手段と、 前記角度計測手段によって計測された前記揺動体の傾斜角からブラシロールの径を演算し、この演算で求めたブラシロールの径と前記接地幅設定手段により設定されたブラシロール接地幅の設定値とによって、ブラシロールの回転中心と路面との間の設定距離を演算する演算手段と、
ブラシロールの回転中心と路面との間の距離が前記設定距離と一致するように前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とするブラシロールの接地幅を調整する装置。 - 前記支持体の所定部位と前記ブラシ体の所定部位との間の長さを計測する長さ計測手段を備え、
前記演算手段は、支持体の前記所定部位とブラシ体の前記所定部位との間の設定長さを前記設定距離に基づいて演算し、
前記制御手段は、前記長さ計測手段によって計測される長さが前記設定長さと一致するように前記駆動手段の駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 路面に接地可能な清掃ブラシロールを回転自在に支持してなるブラシ体を、このブラシ体を両側で支持する支持体に対して相対的に移動させて、前記ブラシロールの路面に対する接地幅を調整する方法において、
接地幅設定手段によってブラシロールの接地幅の設定値を入力し、
前記ブラシ体に揺動可能に軸支された揺動体を回動させて前記ブラシロールの外面に接線方向で接触させ、
ブラシロールの外面に接線方向で接触した揺動体の傾斜角からブラシロールの径を演算するとともに、この演算により求めたブラシロールの径と前記接地幅設定手段で設定した設定値とによって、ブラシロールの回転中心と路面との間の設定距離を演算し、
ブラシロールの回転中心と路面との間の距離が前記設定距離と一致するようにブラシ体を支持体に対して相対的に移動させる
ことを特徴とするブラシロールの接地幅を調整する方法。
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JP14367895A JP3585573B2 (ja) | 1995-06-09 | 1995-06-09 | ブラシロールの接地幅を調整する装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101245305B1 (ko) * | 2010-09-27 | 2013-03-19 | 주식회사 자동기 | 트럭 장착식 다목적 브러쉬 장치 |
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- 1995-06-09 JP JP14367895A patent/JP3585573B2/ja not_active Expired - Fee Related
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