JP3585524B2 - 有機薄膜el素子の製造方法 - Google Patents

有機薄膜el素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3585524B2
JP3585524B2 JP10429594A JP10429594A JP3585524B2 JP 3585524 B2 JP3585524 B2 JP 3585524B2 JP 10429594 A JP10429594 A JP 10429594A JP 10429594 A JP10429594 A JP 10429594A JP 3585524 B2 JP3585524 B2 JP 3585524B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
emitting layer
light emitting
organic
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10429594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07288185A (ja
Inventor
真 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP10429594A priority Critical patent/JP3585524B2/ja
Publication of JPH07288185A publication Critical patent/JPH07288185A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3585524B2 publication Critical patent/JP3585524B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/805Electrodes
    • H10K50/82Cathodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/841Self-supporting sealing arrangements
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,面光源等に用いられる有機薄膜EL(エレクトロルミネッセンス)素子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機半導体を使った発光素子は,有機蛍光体を対向電極に挟んで構成されており,一方の電極から注入された電子と,もう一方の電極から注入された正孔が,発光層内で再結合するときに発光する。
このような素子は,発光体として1963年にM.Pope,H.P.Kallmann等によりアントラセンの単結晶に直流電圧を印加すると発光がおこることが見いだされた。その後,1987年にKODAK社のT.W.Tang等により有機薄膜積層構造を利用した有機薄膜EL素子として発表されている。そして,その後,このモデルを中心に研究開発が活発に行なわれて,現在に至っている。
その代表構造を図5に示す。従来の構造は,有機薄膜の積層構造からなる発光層の形成に際して,真空蒸着法等の真空成膜技術を使う必要があったため,設備投資が大きくなり,また,製造工程に難点があり,コストの面でも望ましくなかった。さらに,封止枠を形成し,窒素ガスを封入した構造のために,薄型化の要請に対応できなかった。
【0003】
上記の構成に対して,本発明者は,特願平5−319270号において図6あるいは図7に示すように,真空成膜技術を用いずに発光層を形成するとともに,防湿フイルムにより封止することによって,生産性を向上させ,コストの低減,薄型化,軽量化を可能にした有機薄膜EL素子を提案している。
すなわち,図6に示すものは,有機発光体層2cと正孔注入材料層3とを積層にして,正孔注入材料層3側に陽極(透明電極)5を配し,有機発光体層2c側に陰極(背面電極)1を配する。そして,その上下を吸湿フイルム8で挟み,更に,その上下を防湿フイルム9で挟み,最後に全体をラミネートして構成する。あるいは,図7に示すように,パネル化するにあたり,有機発光体層2cと正孔注入材料層3の材料と必要に応じた結合剤を混ぜて発光層2とすることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが,このような有機薄膜EL素子においては,陽極または陰極の上に発光層を塗布し,次いで発光層の上に陰極または陽極を積層する際に,発光層の塗膜表面が完全に乾燥してしまうので,後から発光層上に積層する電極と発光層の接合が不完全になって接触抵抗が高くなり,発光輝度や発光効率の低下が生じやすい,という問題があった。
また,陰極としてAl箔にMg−Ag等の金属膜をスパッタ等の真空成膜技術で形成した金属フイルムを用いているために,設備投資に伴い製造コストが高くなることや生産性が低い点が問題となっていた。
【0005】
本発明は,上記の問題点を解決し,発光輝度,発光効率を高めた,生産性,コスト,薄型光源,軽量光源,自由形状の光源を得るフイルム状有機薄膜EL素子を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の手段は,有機発光体を含む発光層に陽極より正孔を注入し,陰極より電子を注入することにより発光させる有機薄膜EL素子であり,前記発光層を陽極及び陰極で挟み込み,その両側に防湿層を配設した有機薄膜EL素子の製造方法において,陽極上に発光層を形成する工程と,支持体フイルム上に設けた金属インジウムからなる金属膜を前記発光層面に転写して陰極を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜EL素子の製造方法である。本発明の請求項2記載の手段は,金属インジウムが,膜厚3.5±0.5μmで支持体フイルム上に設けられ,純度4Nであることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子の製造方法である。本発明の請求項3記載の手段は,金属インジウムの転写が,金属インジウムの溶融接着により行われることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子の製造方法である。本発明の請求項4記載の手段は,金属インジウムの溶融接着を,熱ラミネーター方式で行うことを特徴とする請求項3記載の有機薄膜EL素子の製造方法である。
【0007】
以下,図面を用いて本発明の各構成要素の詳細を説明する。
図1は,本発明の有機薄膜EL素子の実施例について,防湿フイルムの一部を切除して示す模式的な斜視図である。
本実施例の有機薄膜EL素子は,陽極5の上に発光層2が形成されており,発光層2の上には金属インジウムの薄膜が転写されて陰極1が形成されている。陽極5と陰極1には,それぞれ電極リード7が固定テープ10により取り付けられている。このように積層された陽極5,発光層2,陰極1は2枚の防湿フイルム9によって両側から封止されている。
【0008】
本発明の有機薄膜EL素子の発光機構は,無機薄膜EL素子及び粉末分散型EL素子の電界発光タイプと異なり,注入発光タイプであり電極から電荷を注入するので,電極の材料選択が難しい。
すなわち,この有機薄膜EL材料は,一般に半絶縁性であるため材料自身には,キャリヤが存在しない。電流に寄与するキャリヤの大部分は金属電極から,金属界面/有機薄膜EL層を乗り越えて注入される。更に,各層間の界面にも電位障壁が存在し,これを乗り越えて流れる必要がある。そして,この界面の接合部において,電位障壁の高さ自身は変化せず,キャリヤは熱放出,電界放出,トンネル等の手段でこのバリアを乗り越えて移動する必要がある。
そこで,陰極は,仕事関数の小さな金属(目安として4.0eV以下)またはその合金の電気導電性化合物で,イオン化ポテンシャルが小さく,電子親和力が大きい材料が使われる。例えば,Mg,Ca等のII族化合物, Ga,InのIII 族金属(B,Alを除く)が適しており,一般的には,Mgが広く用いることができ,Mgのみでは酸化が早いので,AgまたはCuを3〜15%添加して,酸化を進みにくくした材料が使われる。最適範囲の添加量は,5〜10%である。本発明においては,Inが,比較的低温で溶融し発光層上に転写しやすいことから,仕事関数の小さな金属として金属インジウムが好適に用いられる。
【0009】
陰極1は,予めフイルム上に形成された金属インジウム膜を加熱溶融させて,発光層2上に転写して形成したものであり,フイルム上の金属インジウムが発光層2に接するように重ね合わせ,この状態で加熱ロ−ル間を通過させることによって,金属インジウムの転写を行うことができる。金属インジウムは157℃で溶融するので,160℃程度の低温で陰極1の形成が可能であり,有機発光体等に対する熱劣化の影響を回避することができる。金属インジウムの支持体となるフイルムは,比較的薄くて耐熱性のあるものが好ましく,四フッ化エチレン樹脂フイルム等が適用し得る。またフイルム上への金属インジウム膜の形成は,真空蒸着法またはスパッタリング法により行うことができる。
【0010】
陽極5は,仕事関数の大きな金属またはその合金の電気導電性化合物であり,イオン化ポテンシャルが高く,電子親和力が小さい材料が最適である。例えば,Au,CuI,SnO,ITO,Pt,Se,Te等が用いられ,更に光透過率の良いものが使われ,ITOが普通一般的に用いられる。
【0011】
本発明の有機薄膜EL素子の発光層2としては,図4にその構造モデルを示すすように,図4(b)が標準的で,図4(a)及び図4(c)がその応用構造である。
まず,図4(b)の構造について説明する。ここで,陽極5と陰極1に挟持された発光層2は陽極5側から順に正孔注入材料層3,有機発光体層2b,電子注入材料層4からなる。発光は陽極5から正孔注入材料層3を通過して正孔が有機発光体層2bに入り,陰極1から電子注入材料層4を通過して電子が入り,有機発光体層2b内で正孔と電子との再結合が起きて,有機発光体層2b内の分子を励起させて,その励起エネルギを光として取り出すのである。
図4(a)に示す構造の有機発光体層2aは,図4(b)の各層のうち,正孔注入材料と有機発光体との性質を兼ね備えた材料で構成するものであり,図4(c)の有機発光体層2cは,図4(b)の各層のうち,有機発光体と電子注入材料との性質を兼ね備えた材料で構成するものである。また,より発光効率をあげるため,正孔注入材料層3と有機発光体層2及び有機発光体層2と電子注入材料層4との間に,それぞれ正孔障壁層,電子障壁層等を介在させた構造でもよい。さらに,図4(a)に示す有機発光体層2aを,有機発光体と正孔注入材料とを混合することにより構成してもよく,図4(c)に示す有機発光体層2cを,有機発光体と電子注入材料とを混合することにより構成してもよい。
また,発光層を,有機発光体,正孔注入材料,電子注入材料が均一に混合されたバルク状の単一層として構成すると,パネル化が容易であり,耐久性を向上させる点で有利である。
さらに,パネル化してより一層,実用レベルに近づけるには,正孔注入材料,有機発光体,電子注入材料等が十分に分子歪の発生しない材料,すなわち,分子置換基の相互作用の少ない材料よりなり,また陰極は,仕事関数が小さく,酸化されにくい材料から構成され,更に,熱的及び電気的に材料が劣化されることのない,十分に選択された材料であることが望ましい。
その上,パネル内の水分を捕集して,外部からの水分の侵入を防いでパネル化することにより本発明の有機薄膜EL素子が得られ,その使用範囲が更に拡大する。
【0012】
発光層としては,蛍光色素が用いられる。構造によっては,正孔注入材料と電子注入材料の性質を具備した蛍光色素が用いられる。例えば,蛍光染料,蛍光顔料,蛍光増白剤,レーザ用染料,蛍光分析用試薬等があり,以下の条件を満たすものが使われる。
Figure 0003585524
上記の条件を満足するものとして,正孔を注入し易くするために,発光層のイオン化ポテンシャルは,6.0eV以下であること,また,電子を注入し易くするためには,電子親和力が2.5eV以上であることが望ましい。
前述した図4(a)に示すような有機発光体層2aに用いられる正孔注入材料の機能を兼ねる有機発光体としては,ピラゾリン2量体等が挙げられる。
また,図4(c)に示すような有機発光体層2cに用いられる電子注入材料の機能を兼ねる有機発光体としては,ペリレン,ナフタレン,クマリン,ビススチリル,ピラジン等が挙げられる。
ただし,ここに挙げた材料については同一の材料であっても,有機発光体として使用したり,正孔注入材料あるいは電子注入材料として使用した例が種々学会等で報告されており,適宜,所望のものを選択して用いてもよい。
本発明においては,有機発光体,正孔注入材料,電子注入材料を必要に応じて,結合剤と混合したものを,スプレー法,スピンナ法,浸漬塗布法,スクリーン印刷法,ロ−ルコーター法,LB法等で電極上に塗布することができ,真空成膜技術を用いなくてもよい。
【0013】
正孔注入材料は,陽極より注入された正孔を有機発光体層に伝達する機能を有するもので,この層を陽極と有機発光体層との間に置くことにより,低い電圧で多くの正孔を有機発光体層に伝達する機能を有する。更に,有機発光体層と正孔注入材料層の界面に存在する電子の障壁により,陰極から有機発光体層に注入された電子は,有機発光体層と正孔注入材料層との界面近傍に蓄積され,発光効率が向上する。
この層に用いられる材料は,イオン化ポテンシャルが小さく,電界印加時に10−6〜10−2cm/V・Sの移動度をもつものが用いられる。
【0014】
電子注入材料は,陰極より注入された電子を有機発光体に伝達する機能を有し,この層を陰極と有機発光体層の間に置くことにより,より低い電界で多くの電子を発光体に注入できる。この電子注入材料としては,電子受容性の物質が用いられるが,電子受容性が大きすぎるものは,有機発光体と錯体を形成したり,有機発光体からエネルギー移動を起こし易いため,このような問題の生じないものを選択する。
【0015】
また,本発明においては,集電効果を高めるために,陽極の(ITO)電極面に電極リード7と接続する集電体を用いることができ,集電体は,陽極5から有機発光体層(2a,2b,2c)に正孔を注入しやすくするために陽極5と有機発光体層との間に形成する。集電体を形成するにあたっては,パネルの面積にもよるが,代表的には,発光面積が小さい場合には,線状の集電体6を,発光面積が中程度の場合には,L字状の集電体を,発光面積が大きい場合には,□型状の集電体を配設する。集電体の材質としては,仕事関数の大きい金属,例えば,Au,Te,Pt,Seの他にCuIが用いられ,スパッタリング法,スクリーン印刷法等により形成される。さらに,各電極と防湿層(防湿フイルム9)との間に吸湿層を配置してもよい。
【0016】
防湿層は,外部からの水分の侵入を防ぐためのフイルムで,通常は三フッ化塩化エチレン樹脂膜またはポリエステル樹脂のフイルム上に水分を通過させないバリヤー層,例えば,シリカ蒸着層や塩化ビニリデンをコートしたものを使うこともできる。すなわち,防湿効果を施したフイルム上に接着剤をコートし,その目的に用いられる。
【0017】
【作用】
本発明においては,陽極上に発光層材料を塗布して形成した発光層の面に,予め金属インジウム等の薄膜が形成されたフイルムを,その金属インジウム膜等の形成面が発光層に接するように重ね合わせて,金属インジウム等を加熱溶融させて発光層に転写することにより陰極を形成しているので,陰極と発光層の接合が良好に行われ,また,前述のように,陰極として仕事関数の小さい金属として,金属インジウム等を用いうるので,発光輝度,発光効率の向上が可能となる。
更に,金属インジウム膜等が形成されたフイルムは,予め巻き取り蒸着機等で連続的に生産しておくことにより生産性良く,比較的安価に入手可能であり,素子を形成する際には真空成膜技術を適用することなく,密着性の良い陰極が生産性良く得られる。
【0018】
【実施例】
以下,図を用いて本発明の実施例を説明する。
図2は本発明実施例の工程図を示し,図3は,その要部の工程を模式的に説明する断面図であり,これを中心にして本発明の実施例を説明する。
A:ITO切断
まず,図3(a)に示すように,厚さ125μmのポリエステルフイルムの陽極支持体5a上に陽極材料層(ITO膜)5bを付けた透明導電性フイルムを所定の寸法に切断する。
B:剥離用フイルム貼合せ
ついで,図3(b)に示すように,接着剤を設けた30μmのポリエチレンフイルムからなる剥離用フイルム50を,後工程の図3(f)でITO膜上の電極リード7を取り付け得る面積より少し大きめのサイズとしたものを,電磁誘導加熱コイル付きラミネーター装置により貼り付ける。その条件は,以下のようである。
上ロ−ラ温度: 80℃
下ロ−ラ温度:100℃
線圧力 : 10kg/cm
ロ−ラ速度 : 15cm/min
C:発光層塗布
次に,図3(c)に示すように,発光層2用の塗布液をスピンコータにより塗布する。その条件は,数滴の塗布液を滴下し,3500rpmで20sec間回転する。膜厚は,30〜50nmとなる。そして,80℃,20minの乾燥を行う。
発光層2用の塗布液は以下の成分である。
ポリ(N−ビニルカルバゾール) 1.00重量部(正孔注入材料)
ペリレン 0.13重量部(電子注入材料)
クマリン 0.50重量部(有機発光体)
1,2−ジクロロエタン 50.00重量部
塗布の方法は,スピンコータに限らず,浸漬,電気泳動等適宜選ぶことができる。
【0019】
D:剥離用フイルムの剥離
ついで,図3(d)に示すように,上記の剥離用フイルム50を剥離する。この場合,当然,その上の発光層2も一緒に剥離し,電極リード7の取り付け部が剥き出しになる。
E:陰極転写
次に,図示しないが,転写体60として,厚さ100μmの四フッ化エチレン樹脂フイルムからなる支持体フイルム60a上に,陰極1用の金属インジウムを真空蒸着法により3.5±0.5μmの厚みで成膜する。この時の金属インジウムの剥離強度は2.6±0.7g/5mmであった。ついで,図3(e)に示すように,金属インジウム面と発光層2の面とを合わせ,電磁誘導加熱コイルの間を通過させて,金属インジウムを溶かして,金属インジウムを溶融接着する。転写時の金属インジウムの温度は,金属インジウムの融点157℃より少し高い160℃で行われる。その時の条件は,以下のようである。
上ロ−ラ温度:150℃
下ロ−ラ温度:150〜180℃
線圧力 : 30kg/cm2
ロ−ラ速度 : 10cm/min
溶融接着後,表面の支持体フイルム60aを取り去る。また,この工程の転写は,部分転写でも面転写でも表示の目的を達する方法であればどらちでも良い。
F:電極リード取り付け
ついで,T字形電極リード7を図示を省略した固定テープと共に,図3(f)に示すように,陰極1(金属インジウム)面の所定の位置及び前記図3(d)で説明した陽極材料層(ITO)面の剥き出しになった電極取付部のそれぞれに取り付ける。以上が図3の説明であり,ついで図3には図示しない後工程について説明する。
G:封止
三フッ化塩化エチレン樹脂フイルムに接着剤をコートした防湿膜(総厚み250μm)を所定寸法に切断し,図3(f)で得られた電極リード7を取り付けた積層体の上下面に,上記三フッ化塩化エチレン樹脂フイルムの防湿膜をそれぞれ配し,電磁誘導加熱コイルの間を通過させて,防湿膜を熱圧着シールする。その時の条件は,次の通りである。
上ロ−ラ温度:130℃
下ロ−ラ温度:130〜150℃
線圧力 : 30kg/cm2
ロ−ラ速度 : 10cm/min
H:性能評価
上記の完成品を定電流測定法を用いて,各パラメータ毎に輝度を測定する。従来法のガラス基板の上にITO及び発光層等を成膜し,陰極材料にMg−Ag(10%)をスパッター装置で成膜したサンプルに比し,低い駆動電圧で高い相対輝度が得られた。測定結果は,電流密度50mA/cm2 で約1000cd/m2 の輝度であった。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば,仕事関数の小さい金属の薄膜が形成されたフイルムから仕事関数の小さい金属を加熱溶融させて発光層に転写することにより陰極を形成しているので,陰極と発光層の接合が良好に行なわれ,発光輝度,発光効率の向上が可能となる。また,金属インジウム等の仕事関数の小さい金属膜が形成されたフイルムは,予め巻き取り蒸着機等で連続的に生産しておくことにより生産性が向上し,比較的安価に入手可能であり,素子を形成する際には,真空成膜技術を適用することなく,密着性の良い陰極構成を生産性良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜EL素子の実施例について,防湿フイルムの一部を切除して示す模式的な斜視図である。
【図2】本発明実施例の工程図である。
【図3】本発明実施例の要部の工程を模式的に説明する断面図である。
【図4】本発明における発光層の構造モデルの態様を説明する図である。
【図5】公知の有機薄膜EL素子の側面図である。
【図6】従来技術の有機薄膜EL素子の側面図である。
【図7】従来技術の有機薄膜EL素子の他の例を示し,図7(a)はその構造の要部を展開して説明する斜視図,図7(b)はその層構成を説明する模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 陰極
2 発光層
2a 有機発光体層
2b 有機発光体層
2c 有機発光体層
3 正孔注入材料層
4 電子注入材料層
5 陽極
5a 陽極支持体
5b 陽極材料層
6 集電体
7 電極リード
8 吸湿フイルム
9 防湿フイルム
10 固定テープ
50 剥離用フイルム
60 転写体
60a 支持体フイルム
101 陰極
102 発光層
103 正孔注入層
105 陽極
111 封止枠
112 Nガス
113 ガラス

Claims (4)

  1. 有機発光体を含む発光層に陽極より正孔を注入し,陰極より電子を注入することにより発光させる有機薄膜EL素子であり,前記発光層を陽極及び陰極で挟み込み,その両側に防湿層を配設した有機薄膜EL素子の製造方法において,陽極上に発光層を形成する工程と,支持体フイルム上に設けた金属インジウムからなる金属膜を前記発光層面に転写して陰極を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜EL素子の製造方法。
  2. 金属インジウムが,膜厚3.5±0.5μmで支持体フイルム上に設けられ,純度4Nであることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子の製造方法。
  3. 金属インジウムの転写が,金属インジウムの溶融接着により行われることを特徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子の製造方法。
  4. 金属インジウムの溶融接着を,熱ラミネーター方式で行うことを特徴とする請求項3記載の有機薄膜EL素子の製造方法。
JP10429594A 1994-04-20 1994-04-20 有機薄膜el素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3585524B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10429594A JP3585524B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 有機薄膜el素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10429594A JP3585524B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 有機薄膜el素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07288185A JPH07288185A (ja) 1995-10-31
JP3585524B2 true JP3585524B2 (ja) 2004-11-04

Family

ID=14376942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10429594A Expired - Fee Related JP3585524B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 有機薄膜el素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3585524B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4547723B2 (ja) * 1998-03-09 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 有機el表示装置の製造方法
US6867539B1 (en) * 2000-07-12 2005-03-15 3M Innovative Properties Company Encapsulated organic electronic devices and method for making same
JP2002093586A (ja) * 2000-09-19 2002-03-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置およびその作製方法
US6956324B2 (en) 2000-08-04 2005-10-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and manufacturing method therefor
EP1309994A2 (de) * 2000-08-18 2003-05-14 Siemens Aktiengesellschaft Verkapseltes organisch-elektronisches bauteil, verfahren zu seiner herstellung und seine verwendung
US7495390B2 (en) 2000-12-23 2009-02-24 Lg Display Co., Ltd. Electro-luminescence device with improved thermal conductivity
JP2006515709A (ja) * 2003-01-21 2006-06-01 オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 有機エレクトロニックモジュール用の陰極
JP4887602B2 (ja) * 2003-12-16 2012-02-29 大日本印刷株式会社 有機機能素子の製造方法
KR20060089839A (ko) * 2005-02-04 2006-08-09 삼성에스디아이 주식회사 패터닝된 유기전계발광소자의 제조 방법
JP4548153B2 (ja) * 2005-03-07 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 有機el表示装置の製造方法
US7541671B2 (en) * 2005-03-31 2009-06-02 General Electric Company Organic electronic devices having external barrier layer
JP2010238479A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Brother Ind Ltd 有機el素子及び有機el素子の製造方法
KR20130118083A (ko) * 2012-04-19 2013-10-29 삼성전기주식회사 터치패널 및 그 제조방법
JP5895762B2 (ja) * 2012-07-27 2016-03-30 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子および有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法
CN103921496A (zh) * 2013-01-10 2014-07-16 海洋王照明科技股份有限公司 导电薄膜、其制备方法及应用
JP6520049B2 (ja) * 2014-10-31 2019-05-29 コニカミノルタ株式会社 面発光モジュール

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01313892A (ja) * 1988-06-13 1989-12-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 画像表示装置及びその製造方法
JPH0337994A (ja) * 1989-06-30 1991-02-19 Nec Corp 有機薄膜発光素子
JP3005909B2 (ja) * 1989-12-11 2000-02-07 日本電気株式会社 有機薄膜el素子
JP3069139B2 (ja) * 1990-03-16 2000-07-24 旭化成工業株式会社 分散型電界発光素子
JPH04137483A (ja) * 1990-09-28 1992-05-12 Toshiba Corp 有機薄膜el素子
JPH04334894A (ja) * 1991-05-10 1992-11-20 Ricoh Co Ltd 有機薄膜型電界発光素子
JP2843924B2 (ja) * 1991-06-24 1999-01-06 パイオニア株式会社 面発光装置
JPH05114486A (ja) * 1991-08-28 1993-05-07 Ricoh Co Ltd 電界発光素子
JP3226581B2 (ja) * 1992-01-17 2001-11-05 パイオニア株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07288185A (ja) 1995-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3585524B2 (ja) 有機薄膜el素子の製造方法
JP3278611B2 (ja) 有機el素子の封止方法
JP3757272B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2776040B2 (ja) 有機薄膜el素子
JPH113782A (ja) 有機薄膜el素子
KR100258776B1 (ko) 유기 el소자
JPH04357694A (ja) 有機薄膜el素子
WO2001058222A1 (en) Organic electroluminescent element and method of manufacture thereof
JP2002367784A (ja) 有機el素子
JP3254570B2 (ja) 有機薄膜el素子
JP2011096374A (ja) 有機el装置
JP5575353B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP4797285B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP6102741B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネル及び有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法
JP2003123990A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2001297883A (ja) 有機電界発光素子
JP2003045674A (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子
JPH07166160A (ja) 有機薄膜el素子
JP2021007074A (ja) 電子デバイス及び電子デバイスの製造方法
JP2012048934A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子のエージング方法
JP2837171B2 (ja) 透明導電性フィルム
JPH113781A (ja) 有機薄膜el素子
JP3535659B2 (ja) 有機el素子の製造方法
JP3479358B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5093136B2 (ja) 有機溶媒ガス濃度の検出方法、有機溶媒ガス濃度の調整方法、有機溶媒ガス濃度検出装置及び有機デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees