JP3585288B2 - メラニン生成抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、タマサキツヅラフジの抽出エキスを有効成分として含有するメラニン生成抑制剤に関する。メラニン生成抑制剤は、美白化粧料、皮膚老化防止剤、等として有用である。
【0002】
【従来の技術】
皮膚の老化現象の1 つにシミ・ソバカスの色素沈着が在る。その成因は、未だ完全に解明されてはいないが、その成因の1 つは、太陽光等からの紫外線がメラニンを産生するメラノサイトを活性化し、それによりメラニンが過剰に産生されることであると考えられている。このような観点から、シミ・ソバカスの治療剤又は防止剤として、紫外線吸収剤の他に、アスコルビン酸やハイドロキノン誘導体等の還元剤、コウジ酸やリノール酸等のチロシナーゼ阻害剤( 例えば、特開昭63−284109 号公報、特開平1−85907 号公報を参照のこと。) 、カテコール配糖体等を主成分とする美白剤( 例えば、特開平4−1115号公報を参照のこと。) 、フラボノイドを主成分とする美白剤( 例えば、特開昭55−92305号公報を参照のこと。) 、イソフエルラ酸を主成分とする美白剤( 例えば、特開昭62−10312号公報を参照のこと。) 、アゼライン酸を主成分とする美白剤( 例えば、特開昭61−85307号公報を参照のこと。) 、等が開発されてきた。
一方、タマサキツヅラフジ(Stehania cepharantha)は、中国及び日本に生育しているツヅラフジ科(Menispermaceae)の植物であり、主に台湾において、これが民間薬として解熱のために内服され、そして蛇咬、腫れ物、禿頭に外用されたことが知られている。また、タマサキツヅラフジは、アルカロイドのセファランチン(cepharanthin)を含み、日本においてかつて肺結核のために製剤として多用された。これは、現在、百日咳、糖尿病、等の白血球減少症のために使用されている( 天然薬物辞典 奥田拓男 編 廣川書店) 。また、これは、セファランチンの前駆体として含まれるアロモリン(aromoline) が強いヒスタミン遊離抑制作用や血管拡張作用を有することから、抗アレルギー剤や血管拡張剤として用いられることができる( 特開平2−282326号及び特開平2−169519号を参照のこと。) 。
しかしながら、タマサキツヅラフジの抽出エキスがメラニン産生抑制作用をもつこと、そしてこれを有効成分として含有せしめて美白剤を作り出すことは、現在、当業者に知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
先に列挙した従来技術の美白剤は、いずれもその効果が不十分であり、シミ・ソバカスの予防及び治療に対する市場の関心が非常に高まってきた今日においては、より強いメラニン産生抑制作用をもつ美白剤の開発が望まれている。
従って、本発明の目的は、より強いメラニン産生抑制作用をもつメラニン生成抑制剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決することができるメラニン生成抑制物質の探索を続けた結果、タマサキツヅラフジの抽出エキスが顕著なメラニン産生抑制作用をもつ化合物であることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に従って、タマサキツヅラフジ抽出エキスを有効成分として含有するメラニン生成抑制剤を提供する。
本発明に係るメラニン生成抑制剤は、日焼けによるシミ・ソバカス、色黒、等の発生並びに色素沈着症を予防及び治療することを目的とした皮膚外用剤の形態で、使用されることもできる。
本発明に係るタマサキツヅラフジ抽出エキスとは、a)乾燥後粉砕した30〜150gのタマサキツヅラフジに、1 リッターのエタノールを加え、70℃に加熱し、そして還流しながら3 時間、温浸したエタノール抽出物; b)乾燥後粉砕した30〜150gのタマサキツヅラフジに、1 リッターのエタノール/ 水混合溶媒を加え、時々攪拌しながら室温〜50℃において浸漬した後、圧搾分離して得た抽出物; c)乾燥後粉砕した30〜150gのタマサキツヅラフジに、1 リッターのメタノールを加え、70℃に加熱し、そして還流しながら3 時間、温浸したメタノール抽出物; d)ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、等による抽出物、等をいう。
場合により、このように調製した抽出エキスの濃度を調整する目的でその抽出溶媒をエバポレーターによりさらに留去させて、その濃度を高めたもの又は粉末化したものをそのまま製剤に混合することもできる。
【0005】
本発明に係るメラニン生成抑制剤を適用する場合、タマサキツヅラフジ抽出エキスの配合量は、特に制限されないが、その皮膚外用剤の全重量当たり、抽出エキスの乾燥重量として、好ましくは0.0001〜1 重量% 、より好ましくは0.005 〜0.1 重量% であることができる。この配合量が0.0001重量% 未満である場合、色素沈着症の予防又は治療の目的を十分に達成することができないことがあり、また、その配合量が1 重量% を超える場合、以下に述べるような剤形に調製する際に、溶解性、分散性、等の点でその調製が困難になる恐れがある。
本発明に係るメラニン生成抑制剤を、公知の方法で軟膏剤、クリーム、乳液、パック剤、化粧水、等の剤形に調製することができる。また、これらの剤形の調製において使用することができる構成成分の種類、配合量、等は、慣用例に従って当業者により適宜決定されることができる。これらの構成成分の種類、配合量、等は、以下の実施例により限定されるべきではなく、その目的の剤形を調製し得ることが知られている任意の種類、配合量、等であることができる。尚、これらの皮膚外用剤、薬剤、等の調製において、慣用のメラニン生成抑制剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症剤、等を合わせて配合してもよい。
【0006】
【実施例】
以下の実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例により限定されてはならない。
【0007】
実施例 並びに比較例 及び
まず、本発明に係るメラニン生成抑制剤の成分であるタマサキツヅラフジの抽出エキスのメラニン産生抑制作用に対する効果を評価する実験の結果を示す。
タマサキツヅラフジを、株式会社 金井藤吉商店( 東京都千代田区鍛冶町1−9−11) から入手した。このタマサキツヅラフジは、国内産であり、そして初冬、下葉が枯れた頃、根を堀取り、洗浄し、数ミリ厚に切断して、陽乾したものである。30g のタマサキツヅラフジに240ml のエタノールを加え、70℃に加熱し、還流しながら3 時間温浸し、濾過してエタノール抽出液を得て、これを抽出エキスとして使用した。
HM3KO 細胞白色化効果
細胞白色化効果の評価実験に使用した細胞は、ヒト皮膚由来のメラノーマ細胞系HM3KO である。この細胞系は、従来この種の実験において多用されてきたマウス由来のB16 メラノーマ細胞系と同様に、通常の条件下でその細胞内にメラニンを多く産生する性質を有し、本試験に使用する細胞として適するものである。また、本実験においてヒト皮膚由来の細胞系を使用することは、人体への応用を考慮した薬物評価法として、より適当であることができる。
HM3KO 細胞を直径10cmの培養皿内に1 x 10個/ 皿の密度で蒔き、そしてウシ胎児血清を10% 含むダルベッコ変法イーグル培地を使用して37℃において24時間培養した。その後、タマサキツヅラフジ抽出エキスをその培地中濃度が( 抽出エキス乾燥重量として)0.0001 〜0.01% となるように添加し、そして6 日間培養した。培養後、その細胞を回収し、遠心分離により細胞ペレットを作り、そしてその色調を、肉眼観察により以下の4 段階評価法:
+++ : 顕著な白色化を認める
++ : 十分な白色化を認める
+ : 僅かな白色化を認める
± : 白色化を認めない
において白色化度を測定することにより評価した。
【0008】
一方、比較例1 及び2 としてメラニン産生抑制作用有することが知られているハイドロキノン・モノベンジル・エーテル( 特開昭61−227516 号公報を参照のこと。) とコウジ酸( 特開昭63−2770619号公報を参照のこと。) をそれぞれ使用して実施例1 と比較した。結果を表1 中に示す。
【0009】
Figure 0003585288
表1 中から見られるように、タマサキツヅラフジ抽出エキスは、ハイドロキノン・モノベンジル・エーテル及びコウジ酸よりも強い白色化作用を有している。
【0010】
実施例 及び比較例
PUVA 処置により有色モルモット A−1 において誘導される色素沈着の抑制試験タマサキツヅラフジ抽出エキスがインビトロにおいて培養細胞(HM3KO) の白色化作用を示すことは前述の通りであるが、さらに実験動物を使用したインビボにおける試験においても同様の作用を示すか否かを調べるために、次のような試験を行った。
本試験に使用した有色モルモットA−1 は、English 系の有色モルモットJY−8とハートレー系アルビノ・モルモットとの交配種であり、シナモン色の被毛をもち、紫外線により色素沈着を誘導されることができる。48週齢の雄性のA−1 の背部被毛をバリカンとシェーバーにより剃毛した後、その背部に色素沈着を起こさせる部位を2 x 2 cmの正方形に区切って設けた。この部位に、30ppm の8−メトキシソラーレン(8−Methoxypsoralen) 50μl を塗布後、30分間放置し、そしてその部位に長波長紫外線UV−Aを、10J/cmのエネルギー量において照射した。照射直後からその試験部位に0.5%タマサキツヅラフジ抽出エキスのエタノール溶液100 μl を塗布し、その後この塗布を1 日2 回の頻度で40日間連続して行い、そしてその色素沈着の程度を、ACI ジャパンのTIASによるデンシトメトリー解析を用いて、エタノールだけを塗布した対照と比較した。その結果、タマサキツヅラフジ抽出エキスを塗布した部位が、対照に比較して、明らかに色素沈着の程度が軽減されていたことが、観察された。
【0011】
以下の表2 中に、色素沈着の程度を、色素沈着が弱い順に[1] 〜[5] の5 段階の等級により評価した結果を示す。皮膚の明度は、使用した動物の個体間での差異があるため、明度の絶対値による評価を行わずに、動物個体毎に相対的に評価した。ここで、
等級[1] は、色素沈着が誘導されていない、すなわち、紫外線が照射されていない皮膚の明度(A) を指し、
等級[5] は、薬剤を全く塗布されずに紫外線が照射された色素沈着の度合いが最も大きい皮膚の明度(A) を指し、そして
等級[2] 〜[4] は、それぞれ、上記等級[1] の明度と等級[5] の明度との差を3 段階に内分する明度(A〜A ) を指す。すなわち
= A + (A − A ) × 1/4
= A + (A − A ) × 2/4
= A + (A − A ) × 3/4
である。
【0012】
また、本試験においては、タマサキツヅラフジ抽出エキスを塗布した部位に、副作用、例えば、炎症性の過敏反応の発生、例えば、紅斑の発生、は、見られず、それ故、タマサキツヅラフジ抽出エキスが副作用を呈さない範囲内で有効にメラニンの生成を抑制することができることを確認した。
Figure 0003585288
【0013】
以下の実施例3 〜7 において、本発明に係るメラニン生成抑制剤の配合の例を挙げる。
Figure 0003585288
A に属する成分を湯浴上で溶かし( 油相) 、そして別にB に属する成分を加熱溶解する( 水相) 。得られた油相に水相を添加し、攪拌して乳化させ、そして冷却して、軟膏剤1 を得た。
【0014】
Figure 0003585288
A に属する成分を湯浴上で溶かし( 油相) 、そして別にB に属する成分を加熱溶解する( 水相) 。得られた油相に水相を添加し、攪拌して乳化させ、そして冷却して、軟膏剤2 を得た。
【0015】
Figure 0003585288
上記配合物群A 及びB を70℃においてそれぞれ溶かし、そしてB にA を添加し、そして均一に乳化させて、乳液とした。
【0016】
Figure 0003585288
上記の各成分を均一に溶かしてパック剤を得た。
【0017】
Figure 0003585288
精製水に、グリセリン及び1,3−ブチレングリコールを溶解して、水溶液を得た。一方、別にエタノール、タマサキツヅラフジ抽出エキス及びPOE(20) オレイルアルコールを混合した。この混合物を上記水溶液に添加し、溶解し、そして濾過して、化粧水を得た。
【0018】
【発明の効果】
これまで説明してきたように、本発明は、新規且つ有効なメラニン生成抑制剤を提供することができ、そしてこれらを配合した化粧料は、優れた美白効果と、日焼け等によるシミ・ソバカスの予防及び治療効果を有し、且つ安全性の高いものである。

Claims (2)

  1. タマサキツヅラフジの抽出エキスを有効成分として含有するメラニン生成抑制剤。
  2. 皮膚外用剤の形態にある、請求項1に記載のメラニン生成抑制剤。
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