JP3584784B2 - 仮結束作業台 - Google Patents

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    • G01R31/58Testing of lines, cables or conductors
    • G01R31/59Testing of lines, cables or conductors while the cable continuously passes the testing apparatus, e.g. during manufacture

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤーハーネスを製造する際、電線を仮結束するための作業台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の電装品を接続するワイヤハーネスを製造する際には、まず比較的少数の電線から仮結束回路を作製し、複数の仮結束回路を組み合わせて本結束回路を構成する。
【0003】
上記仮結束回路の作製に際し、従来、図5に示すような仮結束作業台が使用されている。この作業台は、角樋50を多数並設し、その後方にガイド棒51を設けたものであり、角樋50の前方に配置した机52には導通確認装置53が設けられている。
【0004】
このような作業台を使用して仮結束回路を作製するには、角樋50に各種の電線Aをそれぞれ挿通し、長い電線Aの後端部はガイド棒51に掛け、所要の電線Aを一本ずつ角樋50から引き抜き、その端子tをコネクタに順次挿入した後、導通確認装置53で導通状態をチェックする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような作業台では、角樋50から電線Aを引き出す際、電線A同士が端子tの引っ掛かり等により干渉し、引き出そうとする電線A以外の電線Aも徐々に前方に引き出されて不揃いとなり、仮結束作業が行いにくくなるという問題がある。
【0006】
また、作業台の設置に広いスペースを要し、特に、電線Aが長い場合には、ガイド棒51を後方に延ばさなければならず、スペース効率が非常に悪くなるという問題もある。
【0007】
そこで、この発明は、多種類の電線をコンパクトにストックでき、かつ作業性に優れた仮結束作業台を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明では、支柱の上部にヘッドを備え、このヘッドにおいて、電線を掛ける上向き半円筒状の胴体の前端にフランジを設け、このフランジに沿って電線を引き出し可能とし、前記胴体の上方に、後端を支点として上下に揺動する揺動部材を設け、この揺動部材を胴体に掛けられた電線に被せ、前記胴体の下方に押当部材を配置し、この押当部材で胴体の一側から垂下する電線を内側に押してくびれるように屈曲させた構成を採用したのである。
【0009】
この作業台では、胴体に掛けられた電線の相互接触部は胴体頂部に沿った僅かな部分だけであり、電線の引き出しに際し、電線を長さ方向に引き抜くのではなく、斜め下方に引き落とすので、引き出そうとする電線以外の電線が共に引き出されることはない。引き出そうとする電線に絡まった電線が胴体から飛び出そうとした場合には、揺動部材で抑えられる。また、胴体の両側に垂下する電線の重量が不釣り合いであっても、押当部材により電線の落下が防止される。
【0010】
また、前記揺動部材として、前記胴体の後部から蝶番を介して前方に延びる揺動板の下面に弾性板を貼り付け、この弾性板を前記揺動板から前方に突出させ、前記揺動板から蝶番を介して前方に延びる蓋板の前端部を前記フランジに載せ、その前端部に錘を設けた構成を採用すると、引き出そうとする電線に絡まった他の電線は、まず弾性板で抑えられ、これにより抑えきれなかった電線は、蓋板で胴体上にはじき落とされる。
【0011】
また、前記押当部材として、基板に滑止材を貼着し、前記胴体に対する間隔及び傾斜角を調整可能なものを採用すると、電線の径に応じて適度に電線を屈曲させ、滑止材と電線との摩擦により、電線の落下をより確実に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係る作業台の作業時の配置例を示す。図示のように、この作業台では、複数本の支柱1が平面視コ字状に配置され、各支柱1の上部にはヘッド2が設けられている。これらの支柱1はキャスタ3を有するフレーム4に立設されている。フレーム4の内側には机5が配置され、この机5上には導通確認装置6が設けられている。
【0013】
このヘッド2においては、図2乃至図4に示すように、上向き半円筒状の胴体6の前端にフランジ7が設けられ、このフランジ7の胴体6からの突出量は一側から徐々に大きくなり、段差を介して頂部で低下し、他側へかけて再び大きくなっている。
【0014】
前記胴体6の上方には、後端を支点として上下に揺動する揺動部材8が設けられている。この揺動部材8は、胴体6の後端板9から蝶番10を介して前方に延びる揺動板11の下面に耐油ゴム製の弾性板12を貼り付け、この弾性板12を前記揺動板11から前方に突出させ、前記揺動板11から蝶番13を介して前方に延びる蓋板14の前端部を前記フランジ7に載せ、その前端部に錘15を設けた構成となっており、弾性板12の前部は胴体6の頂部に沿って屈曲している。
【0015】
前記胴体6の一側下方には、押当部材16が配置されている。この押当部材16は、基板17に網状の滑止材18を貼着したものである。前記基板17の上縁に沿う軸19は胴体6の後端板9に形成された長孔20を貫通し、その突出部にナット21をねじ込むことにより、押当部材16は胴体6に対して所定の高さ及び角度に固定される。軸19の前端部には丸玉22が取り付けられている。
【0016】
前記胴体6の一側方には、透明ビニール製の仕切シート23が吊り下げられている。この仕切シート23の上枠24は、後端板19に取り付けられた前後方向のガイドレール25にスライド自在に挿入されている。ガイドレール25は、胴体6と接離する方向に位置調整可能となっている。
【0017】
前記ヘッド2は、後端の軸26を支点として上下に揺動するブラケット27を介して支柱1に前後にスライド自在に取り付けられ、ボルト28、29により所定の角度及び前後位置に固定されている。支柱1は伸縮自在とされ、その長さを一定に保持するボルト30でヘッド2は所定の高さに固定されている。
【0018】
このような作業台を使用して仮結束回路を作製するには、まず各ヘッド2において、仕切シート23を後方へスライドさせ、揺動部材8をはね上げて電線Aを種類ごとに胴体6に掛け、揺動部材8及び仕切シート23を元の位置に戻す。
【0019】
このとき、ボルト28、29、30を緩めることにより、各ヘッド2の傾斜角度、前後位置、高さ及び向きを、電線Aの長さや作業者の体格に応じてそれぞれ調整することができる。
【0020】
また、この状態において、胴体6の両側に垂下する電線Aの重量が不釣り合いであっても、押当部材16の滑止材18が胴体6の一側から垂下する電線Aに押し当てられるので、電線Aがくびれるように屈曲して滑止材18と電線Aとの間に摩擦が生じ、その摩擦により電線Aの落下が防止される。
【0021】
なお、ナット21を緩めると、押当部材16は胴体6に対して任意の高さに昇降させることができ、また、任意の角度に傾斜させることができるので、電線Aが太い場合には、電線Aが過度に屈曲しないように、押当部材16を胴体6から下方へ離してあまり内側へ傾けず、電線Aが細い場合には、滑止材18と電線Aとの間に十分な摩擦が得られるように、押当部材16を胴体6に接近させて内側へ傾けるようにすれば、電線Aに負担をかけずに、胴体6からの電線Aの落下を確実に防止することができる。このとき、丸玉22をノブとして用いる。
【0022】
そして、上記のようにヘッド2を設定した後、必要な電線Aをフランジ7に沿って順次引き出し、コネクタに挿入した後、そのコネクタを導通確認装置6にセットして導通状態をチェックする。
【0023】
ところで、上記作業台では、胴体6に掛けられた電線Aの相互接触部は胴体6の頂部に沿った僅かな部分だけであり、電線Aの引き出しに際し、電線Aを長さ方向に引き抜くのではなく、斜め下方に引き落とすので、電線A相互の長さ方向に亘る接触や端子tの干渉がなく、引き出そうとする電線A以外の電線Aが共に引き出されることはない。従って、電線Aがツイスト線やスプライス線であっても、スムーズに引き出すことができる。
【0024】
また、引き出そうとする電線Aに絡まった他の電線Aが胴体6から飛び出そうとした場合には、まず弾性板12で抑えられ、これにより抑えきれなかった電線Aは蓋板14で胴体6上にはじき落とされる。なお、錘15の重さは、電線Aが太い場合には重く、細い場合には軽くなるように設定する。
【0025】
また、仕切シート23により、隣接するヘッド2の胴体6に掛けられた電線A同士の干渉が防止される。
【0026】
このように、上記作業台によると、電線Aの種類や長さにかかわらず、コンパクトに電線Aをストックでき、電線Aを一本ずつ確実かつスムーズに引き出すことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る作業台は、仮結束する電線の種類や長さにかかわらず、コンパクトに電線をストックでき、工場内のスペースを有効に活用することができる。また、電線を一本ずつ確実かつスムーズに引き出すことができるので、作業効率が改善され、端子の干渉による損傷もなく、優れた品質の製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る仮結束作業台の全体配置を示す斜視図
【図2】同上の拡大斜視図
【図3】同上の一部切欠側面図
【図4】同上の一部切欠正面図
【図5】従来の仮結束作業台の斜視図
【符号の説明】
1 支柱
2 ヘッド
6 胴体
7 フランジ
8 揺動部材
10、13 蝶番
11 揺動板
12 弾性板
14 蓋板
15 錘
16 押当部材
17 基板
18 滑止材
23 仕切シート
A 電線
t 端子

Claims (3)

  1. 支柱1の上部にヘッド2を備え、このヘッド2において、電線Aを掛ける上向き半円筒状の胴体6の前端にフランジ7を設け、このフランジ7に沿って電線Aを引き出し可能とし、前記胴体6の上方に、後端を支点として上下に揺動する揺動部材8を設け、この揺動部材8を胴体6に掛けられた電線Aに被せ、前記胴体6の下方に押当部材16を配置し、この押当部材16で胴体6の一側から垂下する電線Aを内側に押してくびれるように屈曲させたことを特徴とする仮結束作業台。
  2. 前記揺動部材8において、前記胴体6の後部から蝶番10を介して前方に延びる揺動板11の下面に弾性板12を貼り付け、この弾性板12を前記揺動板11から前方に突出させ、前記揺動板11から蝶番13を介して前方に延びる蓋板14の前端部を前記フランジ7に載せ、その前端部に錘15を設けたことを特徴とする請求項1に記載の仮結束作業台。
  3. 前記押当部材16の基板17に滑止材18を貼着し、この押当部材16の前記胴体6に対する間隔及び傾斜角を調整可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の仮結束作業台。
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