JP3584117B2 - 遠心ポンプおよびこれを用いた自動給水ポンプ装置 - Google Patents

遠心ポンプおよびこれを用いた自動給水ポンプ装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下式受水槽などから水を吸い上げて給水するなどに使用して有効な遠心ポンプおよびこれを用いた自動給水ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遠心ポンプは、ポンプケーシング内にインペラを収容し、このインペラは前シュラウドと後シュラウドの間に周方向に沿って複数の渦巻状羽根を備えるとともに、これら複数の渦巻状羽根の間に複数の渦巻き流路が形成された構造を有しており、ポンプケーシングの外部に設けたモータによりインペラを回転駆動すると、ポンプケーシングの前面に設けた吸込み口より水を吸い込み、これをインペラの渦巻き流路に導いて加圧し、渦巻き流路の出口からボリュート通路を介してポンプケーシングの吐出口より吐出するようになっている。
【0003】
ところで、このような遠心ポンプを、地下式受水槽などから水を吸い上げて給水末端へ給水するなどの給水系に使用した場合、すなわち低い箇所から吸上げ運転するとき、吐出流量が設計流量より極端に少ない締切り運転に近い極小流量域で運転すると、インペラの渦巻き流路内の流速が遅く、かつインペラ入口部において羽根角度と水の流入角度が大幅に異なるようになるため挾角が大きくなり、渦巻き流路の入口部で羽根の前縁から剥離を起こすことがある。このような剥離が生じると渦流が発生するようになり、このため流路の入口部に局部的に負圧部が発生し、水の中に溶解されている空気が水から分離して微小な気泡となり、これが入口部の低圧部に滞留するようになる。そして、このような気泡は次第に増加し、渦巻き流路の出口に向かって全体的に成長し、流路全体を塞いでしまう。このようになると、ポンプの吐出圧力が低下し、ついには揚水不能に陥ってしまう。
【0004】
このような現象は、吸上げ揚程が大きいほど、つまり吸込み側の圧力が低いほど、また、吐出流量が少ないほど発生しやすい。
このような問題を解決するため、従来、特開平3−160195号公報に記載されているような遠心ポンプが提案されている。このものは、ジェット方式と称しており、小水量運転時に剥離渦が発生する箇所に対応して前シュラウドまたは後シュラウドに貫通孔を設けたものである。
【0005】
このような構成によれば、前シュラウドまたは後シュラウドに設けた貫通孔はボリュート通路に連通することから、ボリュート通路の高圧水の一部が貫通孔よりインペラの剥離渦が発生する箇所、すなわち負圧を発生する箇所へ噴射されるようになる。よって、この噴射水により低圧部の負圧を緩和し、この低圧部に気泡や滞留が発生するのを防止するようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなジェット方式の遠心ポンプは、前シュラウドまたは後シュラウドに形成した貫通孔から導かれる高圧力水が圧力の低い主流水と衝突して流れに乱れを発生するようになり、これが振動を誘発してポンプの運転騒音が大きくなるといった不具合がある。
【0007】
また、貫通孔を通じてボリュート通路の水が噴射されるので、渦巻き通路からボリュート通路および貫通孔を経て循環流れが発生し、この循環のために余分の水を吸上げる必要があり、漏れ損失が生じるのと同じことになってランニングコストが増大するなどの問題もある。
【0008】
特に、遠心ポンプを自動給水ポンプ装置に適用した場合、自動給水ポンプ装置は一般家庭、アパート、マンション、ビルディングなどの一般生活給水系に使用することが多く、この種の生活用水の給水系では使用水量が極小流量域、すなわち設計流量の5%程度の小水量で運転する場合もあり、よって前記空気の分離による低圧部が発生し易く、揚水不能になる割合が高いという心配がある。
【0009】
しかも、居住空間に近い場所に設置されることから、ポンプの運転騒音が大きいと生活環境に弊害を招くといった不具合もある。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、吸上げ揚程が大きくてしかも極小流量域であっても低圧部の発生を防止し、かつ運転騒音を低減するとともにランニングコストも節減できる遠心ポンプおよびこれを用いた自動給水ポンプ装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ポンプケーシングと;このポンプケーシング内に収容され、前シュラウドおよび後シュラウドの間に周方向に沿って設けられた複数の渦巻状羽根およびこれら渦巻状羽根間に形成された複数の渦巻き流路を有するインペラと;上記渦巻状羽根の回転方向前面に形成され、小水量運転時に剥離渦が発生する領域に亘り渦巻き流路の面積を絞るように設けられた突出部と;を具備していることを特徴とする遠心ポンプである。
【0011】
本発明の遠心ポンプは、単段ポンプまたは多段ポンプを含む。但し、多段ポンプの場合は、小水量運転時に剥離渦が発生して負圧部が発生する可能性のあるインペラは1段目のインペラであり、よって多段ポンプに実施した場合は1段目のインペラに本発明を適用すればよい。
【0012】
請求項1の発明によれば、インペラの渦巻状羽根前面側に小水量運転時に剥離渦が発生する領域に亘り突出部を形成したから、羽根前面側で水は突出部に沿って流れるようになり、突出部がない場合のように、水が羽根入口部の前縁部から羽根前面側の流線より離れて流れるのが防止される。よって渦巻き流路内で剥離渦が発生するのが抑止され、負圧部の発生がなくなる。このため、水の中に溶解されている空気が水から分離されるのが防止され、渦巻き流路全体に亘り低圧部が生じなくなり、吐出圧力の低下が防止される。よって吸上げ揚程を大きくしても揚水不能に陥いるなどの不具合を防止することができる。しかも、前シュラウドや後シュラウドに貫通孔を形成する必要がなく、このような貫通孔からの高圧水噴射がないので、乱流の発生もなく、振動の誘発による運転騒音の発生を抑止することができる。また、貫通孔を経て循環流れの発生もないから、ランニングコストを低減することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遠心ポンプにおいて、突出部は、当該羽根と回転方向前方に隣接する渦巻状羽根との重なり部の範囲および流路幅の1/3の範囲とで囲まれる領域内に形成されており、突出面が流線に沿うように形成されていることを特徴とする遠心ポンプである。
【0014】
請求項2の発明は、突出部を形成する領域を規定にしたものであり、請求項1の発明と同様な作用を奏する。
請求項3の発明は、突出部は、請求項1または請求項2に記載の遠心ポンプにおいて、前シュラウドと後シュラウドの間に部分的に形成されていることを特徴とする遠心ポンプである。
【0015】
請求項3の発明によれば、突出部は前シュラウドと後シュラウドの間に部分的に形成されているから、渦巻き流路の面積を部分的に絞るようになり、突出部によって中水量ないし大水量運転時の流れが規制されるという弊害を軽減することができ、中水量ないし大水量運転時に対する影響を少なくすることができる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の遠心ポンプと;上記遠心ポンプの吐出側流体圧力または流量に応じて上記遠心ポンプを自動運転する制御装置と;を具備していることを特徴とする自動給水ポンプ装置である。
【0017】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の遠心ポンプの利点を生かした自動給水ポンプ装置を提供することができ、吐出圧力の低下が防止されて吸上げ揚程を大きくしても揚水不能に陥いるなどの不具合を防止することができ、かつ振動による運転騒音の発生を抑止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明について、図1ないし図3に示す第1の実施の形態にもとづき説明する。
図1に示す遠心ポンプ100は2段式遠心ポンプであり、同図において1はケーシング、2はケーシングカバーを示す。ケーシング1には前面に吸込み口3が形成されているとともに、上面には吐出口4が開口されている。上記ケーシング1およびケーシングカバー2間には内部ケーシングを兼ねるガイドベーン5,6が設けられている。これらガイドベーン5,6間には、1段目インペラ7が収容されているとともに、後側ガイドベーン6とケーシングカバー2との間には2段目インペラ8が収容されている。これら1段目インペラ7および2段目インペラ8は主軸9に取付けられており、この主軸9はケーシングカバー2に連設した電動機10に連結されている。
【0019】
電動機10を作動させると主軸9が回転され、よって1段目インペラ7および2段目インペラ8が同動して回転される。これにより吸込み口3から水を吸引し、この水を1段目インペラ7で加圧し、この加圧された水はガイドベーン5,6間を通って2段目インペラ8でさらに加圧され、ボリュート部11を経て吐出口4から排出されるようになっている。
【0020】
上記1段目インペラ7は、図2に示すように構成されている。すなわち、1段目インペラ7は、前後方向に対向する一対の前シュラウド12および後シュラウド13を備えるとともに、これら前シュラウド12および後シュラウド13の間に介在して周方向に配設された複数の渦巻状羽根14…(図は6枚の場合を示す)…を有し、これら複数の渦巻状羽根14…間に複数の渦巻状流路15…を備えている。
【0021】
複数の渦巻状流路15…はインペラ7の内周側に開口された入口部16および外周部に開放された出口部17を有している。前シュラウド12の前側には流入口18を開口したインペラリング部19が軸方向に突設されており、この流入口18が前記渦巻状流路15…の入口部16に連通している。
【0022】
上記渦巻状羽根14…には、それぞれの渦巻状羽根14…の回転方向(矢印X方向)の前面に突出部20…が一体に形成されている。この突出部20…は、小水量運転時にこれら渦巻状羽根14…の前面側に発生する剥離渦の発生領域に亘り、各渦巻き流路15…の面積を絞るように設けられており、実質的に入口部16側における渦巻状羽根14…の回転方向前面側を肉厚にしたものである。
【0023】
剥離渦の発生する領域というのは、突出部20が形成される羽根14とこの羽根14の回転方向前方に隣接する羽根14との重なり部の範囲(線A−O−Bで囲まれた範囲、Oは羽根の中心)内であり、しかも流路15を幅方向に3等分した場合の1/3の流線(a−a線で示す)内に囲まれた領域(斜線で示す領域)である。
【0024】
すなわち、突出部20は、羽根14の前縁から隣接する羽根との重なり部の後端(線B)までの範囲内であり、かつ流路15の1/3の流線a−aとで囲まれた範囲(斜線で示す領域)内に形成されている。そして、この突出部20の突出面は上記流線a−aにほぼ沿った形状をなしている。
【0025】
具体的に、突出部20は、羽根14の前縁から隣接する羽根との重なり部の後端(線B)までの範囲内であり、突出高さhが羽根10の肉厚tの1/5〜2の範囲、好ましくは肉厚tの1/3〜1の範囲に形成されている。
【0026】
2段目インペラ8は、基本的構造が1段目インペラ7と同様な構成であるが、渦巻状羽根14…の回転方向前面に突出部20…を形成していない点で1段目インペラ7と異なる。すなわち、2段目インペラ8は従来構造のインペラであってよく、図示による説明を省略する。
【0027】
このように構成した第1の実施の形態について作用を説明する。
電動機10の作動により主軸9が駆動されると、1段目インペラ7および2段目インペラ8が回転され、これにより吸込み口3から水を吸引し、1段目インペラ7および2段目インペラ8で加圧して吐出口4から排出する。
【0028】
1段目インペラ7および2段目インペラ8では、それぞれ入口部16から吸込まれた水が渦巻状流路15…を通る間で遠心力により昇圧され、出口部17…より吐出される。
【0029】
ところで、一般に遠心ポンプを用いて低い箇所から吸上げ運転するとき、吐出流量が設計流量より極端に少ない締切り運転に近い極小流量域で運転すると、渦巻き流路15内の流速が遅く、しかも渦巻き流路15の入口部16において羽根角度と水の流入角度が大幅に異なるようになるため挾角が大きくなり、渦巻き流路15の入口部における羽根14…の前縁から剥離を起こすことがある。このような剥離が生じると渦流が発生するようになり、このため入口部16の近傍に局部的に負圧部が発生し、水の中に溶解されている空気が水から分離して微小な気泡となり、これが入口部16の低圧部に滞留するようになる。そして、このような気泡は次第に増加し、渦巻き流路15の出口部17に向かって成長し、流路15全体を塞いでしまう。このようになると、ポンプの吐出圧力が低下し、ついには揚水不能に陥ってしまう。
【0030】
このような現象は、吸上げ揚程が大きいほど、つまり吸込み側の圧力が低いほど、また、吐出流量が少ないほど発生しやすい。
しかしながら、本実施の形態のポンプ100は、羽根14…の回転方向前面に、入口部16の近傍に位置して、羽根14の前縁から隣接する羽根との重なり部の後端(線B)までの範囲内でしかも流路15の1/3の流線a−aとで囲まれた範囲(斜線で示す領域)内に突出部20を形成したから、渦巻き流路15の入口部16において羽根角度と水の流入角度が近似するようになり、挾角が狭くなることから羽根14…の前縁より剥離の発生するのが防止される。入口部16に流入した水は突出部20の突出面に案内されて流線方向に流れるようになる。このため入口部16の近傍に局部的な負圧が発生するのが防止され、よって水の中に溶解されている空気が水から分離するのが防止される。
【0031】
このような突出部20は隣接する羽根との重なり部の後端(線B)近傍まで延びているから、剥離渦の発生するおそれのある領域に突出部20が存在することになり、よって剥離渦の発生が防止され、低圧部の発生が抑止されるようになる。 したがって、このような遠心ポンプ100であれば、極小流量域で運転してもポンプの吐出圧力が低下するのが防止され、揚水不能に陥いる等の不具合を回避することができる。
【0032】
しかも、突出部20はインペラ7の型成形と同時に一体成形することができ、従来のようなジェット噴射のための貫通孔を格別に加工する必要はないから製造が容易である。そして、突出部20は流線a−aに沿った突出面を有しているから、水の流れが円滑であり乱流が生じない。また、従来のように貫通孔から高圧水を噴出することがないので低圧部で高圧水と主流が衝突して乱流を生じることもなくなり、振動の発生を防止することができ、運転騒音を低減することができる。
【0033】
さらに、従来のように貫通孔から高圧水を噴出させる必要がないから、循環水流を確保する必要がなくなり、ランニングコストも安価になる。
図3は、突出部20を形成した本発明の遠心ポンプと、突出部20を備えない従来の遠心ポンプを極小流量域で運転した場合の吐出圧力の変化具合を測定した特性図である。従来の遠心ポンプは破線で示すように、運転開始後ほぼ10秒で吐出圧力の低下が生じ、圧力の変動が認められるが、本発明の遠心ポンプは実線で示すように、吐出圧力の低下はほとんど生じなく、圧力変動も少ないことが確認される。
【0034】
図4は本発明の第2の実施の形態を示すもので、図2のIV−IV線に沿う断面図である。
この実施の形態では、突出部20が前シュラウド12および後シュラウド13の間で部分的に形成されている。すなわち、渦巻状羽根14に突出部20を形成する場合、前シュラウド12から後シュラウド13に亘る全面に設けると流路面積が絞られるので、中流量や大流量運転時に流路15面積が不足するといった心配があるが、これを防止するため前シュラウド12から後シュラウド13に亘る途中に突出部20を設けない部分、つまり凹み部21を形成してある。
【0035】
このようにすれば、凹み部21を設けたことにより、流路15の面積が絞られる割合を低減することができ、中流量や大流量運転時に凹み部21が流路面積を確保するから、突出部20を設けたことによる絞り作用を緩和することができる。
【0036】
図5および図6は第3の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態の2段式遠心ポンプ100を自動給水ポンプ装置に用いた例である。
図5および図6に示す自動給水ポンプ装置は、2台の2段式遠心ポンプ100,100を並列接続して場合であり、図5に示す通り、基台51には図1および図2に示されたポンプ100,100が並列に取付けられている。これら遠心ポンプ100、100の吐出側は圧力制御弁52,52、合流吐出管53および流量検出部(流量スイッチ)54などを介して送水管55に接続されている。上記合流吐出管53には圧力検出部(圧力センサー)56および圧力タンク57が接続されている。上記流量検出部54および圧力検出部56は制御装置58に接続されている。制御装置58は判定部、インバータ回路部などを有しており、ポンプ100,100を交互運転または同時運転するようになっている。
【0037】
図5に示す自動給水ポンプ装置は、図6に示すように配管接続されて例えばマンションの給水系に使用される。図6において、60は地下式受水槽、61は受水槽60へ水を供給する水道管、62は合流吸込み管、63は末端給水栓である。
【0038】
このような構成の給水系では、ポンプ100,100の運転により、地下式受水槽60の水を吸い上げ、高層階の末端給水栓63へ供給する。そして、ポンプ100,100の停止時に末端給水栓63側で水を使用すると、ポンプ100,100より下流側の送水管55内圧力が低下する。送水管55側の圧力が所定以下に低下すると、これを圧力検出部(圧力センサー)56が検知して制御装置58の判断によりポンプ100,100へ運転指令を発し、この指令にもとづきこれらポンプ100,100を交互運転または同時運転する。
【0039】
末端給水栓63側で水の使用を止めると、送水管55側の流量が少なくなり、これを流量検出部54で検出して制御装置58の判断によりポンプ100,100へ運転停止指令を出し、これによりポンプ100,100を停止する。
【0040】
このような給水系では、末端給水栓63側で使用水量が極小流量域、すなわち設計流量の5%程度の小水量で運転する場合があるが、図1および図2の構成を有する遠心ポンプ100,100を用いれば、低い箇所に設置された受水槽60から吸上げ運転したり、上記のように吐出流量が極端に少ない締切り運転に近い極小流量域で運転しても、ポンプの吐出圧力が低下するのを防止することができ、揚水不能に陥いる等の不具合を回避することができる。
しかも、居住空間に近い場所に設置されても、ポンプの運転騒音が小さいので生活環境に影響を及ぼすといった不具合も回避することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、インペラの羽根前面側に突出部を形成したから、極小流量域で運転しても渦巻き流路内で剥離渦を発生するのが抑止され、負圧部の発生がなくなる。このため、水の中に溶解されている空気が水から分離されるのが防止され、渦巻き流路全体に亘り低圧部が生じなくなり、吐出圧力の低下が抑止され、揚水不能に陥いるなどの不具合が防止される。しかも、前シュラウドや後シュラウドに貫通孔を形成する必要がなく、このような貫通孔からの噴射がないので、乱流の発生もなく、振動の誘発による運転騒音の発生を抑止することができる。また、貫通孔を経て循環流れの発生もないから、ランニングコストを低減することができる。
【0042】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な作用を奏する。
請求項3の発明によれば、突出部を前シュラウドと後シュラウドの間に部分的に形成したから、渦巻き流路の面積を部分的に絞るようになり、突出部によって中水量ないし大水量運転時の流れが規制されるという影響を軽減し、中水量ないし大水量運転時での障害が少なくなる。
【0043】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の遠心ポンプの利点を生かした自動給水ポンプ装置を提供することができ、揚水不能に陥いるなどの不具合が防止されるとともに、運転騒音の発生を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す2段式遠心ポンプの一部切欠した側面図。
【図2】同実施の形態におけるインペラを示し、(A)は横断面図、(B)は縦断面図。
【図3】突出部を形成した本発明の遠心ポンプと、突出部を備えない従来の遠心ポンプを極小流量域で運転した場合の吐出圧力の変化具合を測定した特性図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示し、図2のIV−IV線に相当する箇所の断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示し、第1の実施の形態の遠心ポンプを用いた自動給水ポンプ装置の正面図。
【図6】同実施例の自動給水ポンプ装置を給水系に用いた配管接続図。
【符号の説明】
1…ケーシング
2…ケーシングカバー
3…吸込み口
4…吐出口
5,6…ガイドベーン
7…1段目インペラ
8…2段目インペラ
9…主軸
10…電動機
12…前シュラウド
13…後シュラウド
14…渦巻状羽根
15…渦巻状流路
16…流路の入口部
17…流路の出口部
20…突出部

Claims (4)

  1. ポンプケーシングと;
    このポンプケーシング内に収容され、前シュラウドおよび後シュラウドの間に周方向に沿って設けられた複数の渦巻状羽根およびこれら渦巻状羽根間に形成された複数の渦巻き流路を有するインペラと;
    上記渦巻状羽根の回転方向前面に形成され、小水量運転時に剥離渦が発生する領域に亘り渦巻き流路の面積を絞るように設けられた突出部と;
    を具備していることを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 請求項1に記載の遠心ポンプにおいて、
    上記突出部は、当該羽根と回転方向前方に隣接する渦巻状羽根との重なり部の範囲および流路幅の1/3の範囲とで囲まれる領域内に形成されており、突出面が流線に沿うように形成されていることを特徴とする遠心ポンプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遠心ポンプにおいて、
    上記突出部は、前シュラウドと後シュラウドの間に部分的に形成されていることを特徴とする遠心ポンプ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の遠心ポンプと;
    上記遠心ポンプの吐出側流体圧力または流量に応じて上記遠心ポンプを自動運転する制御装置と;
    を具備していることを特徴とする自動給水ポンプ装置。
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