JP3583966B2 - テレビジョン受像機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、フロントキャビネットにバックカバーを被せてテレビキャビネットを構成し、キャビネット内にスピーカを組み込んだテレビジョン受像機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のブラウン管型テレビジョン受像機において、スピーカの取り付け構造は
.フロントキャビネットにスピーカを直接に取り付ける
.スピーカを組み込んだスピーカボックスをフロントキャビネットの内側或いは外側に取り付ける
.フロントキャビネットの壁面の一部に、コ字状又は板状の部品を取り付けて密閉したスピーカボックスを構成し、該ボックスにスピーカを取り付ける
が実施されている。
【0003】
は、図6に示す如く、テレビジョンキャビネット(4)との前壁(12)の左右両側に多数の小孔を開設し、該前壁(12)の裏面にスピーカ(5)を直接に取り付ける。
この場合、スピーカ(5)を正面に向けて取り付けることになるため、テレビジョン受像機の横長さが大きくなってしまう。
【0004】
は、ドームスピーカ、波動スピーカと呼ばれる方式であって、スピーカをテレビジョン受像機の後部、即ち、ブラウン管の縮径部の両側に配置できるので、テレビジョン受像機の横長さを小さく抑えることができる。但し、フロントキャビネットやバックキャビネットとは別個に箱形、管形或いはコ字状の部品が必要となる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、画面周囲を大きくすることなく、且つ別部品を必要せずにスピーカを組み込んだテレビジョン受像機を明らかにするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明のテレビジョン受像器は、合成樹脂製のフロントキャビネット(1)に合成樹脂製のバックカバー(2)を被せてテレビジョンキャビネット(4)を構成し、フロントキャビネット(1)内の左右両側の少なくとも何れか一方にスピーカ(5)を組み込んだテレビジョン受像機において、フロントキャビネット(1)とバックカバー(2)を正しく固定した時に、フロントキャビネット(1)と一体成形されたボックス前部(3a)とバックカバー(2)に一体成形されたボックス後部(3b)とによって、キャビネット ( ) の横側壁をスピーカボックス ( ) の外側壁 (31) に共用するスピーカボックス ( ) が形成され、該スピーカボックス ( ) の該外側壁 (31) と対向する内側壁 (32) に設けたスピーカ取付け孔 (37) に、該外側壁(31)に向けてスピーカ(5)が取り付けられている。
【0007】
【作用及び効果】
スピーカボックス(3)は、フロントキャビネット(1)と一体に形成したボックス前部(3a)と、バックカバー(2)に一体に形成したボックス後部(3b)とによって構成されるため、ボックスを形成するための特別の別部品は不要となる。
【0008】
スピーカ(5)は、スピーカボックス(3)の内側壁(32)に、スピーカボックス(3)の外側壁(31)に向けて取り付けられているため、即ち、スピーカ(5)はフロントキャビネット(1)の前方に向いていないため、テレビジョンキャビネット(4)の左右の長さを小さく出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、テレビジョンキャビネット(4)の左右にスピーカ(5)( ) 配備したブラウン管型テレビ受像機を示している。
テレビジョンキャビネット(4)は、横長矩形枠状のフロントキャビネット(1)と、全面が開口したバックカバー(2)とによって構成され、フロントキャビネット(1)に対してバックカバー(2)が短い嵌め込み代で後方から嵌め込まれて、ネジ止め固定されている。
【0010】
フロントキャビネット(1)の前壁(12)の左右両端部には、多数の小孔(13)が開設されている。
バックカバー(2)の左右の横側壁(11)(11)及び上壁は、フロントキャビネット(1)の軸心に近づく様に傾斜して後方へ延びている。
【0011】
テレビジョンキャビネット(4)内の左右両側にスピーカボックス(3)が形成される。
図2、図3に示す如く、スピーカボックス(3)は、フロントキャビネット(1)に形成したボックス前部(3a)と、バックカバー(2)に形成したボックス後部(3b)とによって構成され、ボックス前部(3a)、ボックス後部(3b)は夫々合成樹脂の射出成形によりフロントキャビネット(1)、バックカバー(2)と一体成形されている。
従って、ボックス前部(3a)、ボックス後部(3b)には成形金型から抜出し不能のアンダーカット部分は存在しない。
【0012】
スピーカボックス(3)の内側壁(32)には、円形のスピーカ取付け孔(37)が開設され、スピーカ取付け孔(37)の上下に平行な嵌込み条(35)(35)が形成され、該嵌込み条(35)にスピーカ(5)の上下に対向する2辺が嵌まって、スピーカボックス(3)にスピーカ(5)が取り付けられている。
【0013】
スピーカボックス(3)の前部(3a)は、前壁(30)、外側壁(31a)、内側壁(32a)、上壁(33a)及び下壁(34a) ら成り、後面は開口している。
前記フロントキャビネット(1)の前壁(12)の一部が、ボックス前部(3a)の前部前壁(30)となっている。
フロントキャビネット(1)の横側壁(11)の一部が、ボックス前部(3a)の外側壁(31a)となっている。
ボックス前部内側壁(32a)に1/2円弧の切欠(37a)が開設されており、該切欠の上下に前記嵌込み条(35)(35)の前部分(35a)(35a)が設けられている。
【0014】
図2に示す如く、スピーカボックス(3)の後部(3b)は、略三角形の上壁(33b)と下壁(34a)、斜めに傾斜した後壁(36)及び内側壁(32ba)とからなり、前面は開口している。
前記バックカバー(2)の傾斜壁(21)の一部がボックス後部(3b)の後壁(36)となっている。
ボックス後部内側壁(32b)に1/2円弧の切欠(37b)が開設されており、該切欠の上下に前記嵌込み条(35)(35)の後部分(35b)(35b)が設けられている。
【0015】
フロントキャビネット(1)に、バックカバー(2)を嵌め込んだとき、ボックス前部(3a)とボックス後部(3b)の上壁(33a)(33b)、下壁(34a)(34b)、内側壁(32a)(32b)は連続し、ボックス前部(3a)の切欠(37a)とボックス後部(3b)の切欠(37b)とによって円形のスピーカ取付け孔(37)が形成される。
ボックス前部(3a)の嵌込み条前部分(35a)と、ボックス後部(3b)の嵌込み条後部分(35b)も連続する。
【0016】
然して、フロントキャビネット(1)にバックカバー(2)を被せる前に、ボックス前部(3a)の嵌込み条前部分(35a)(35a)にスピーカ(5)の上下2辺の前部を嵌めて、該スピーカ(5)を外側壁(31)に向けて取り付ける。
次に、バックカバー(2)をフロントキャビネット(1)に後方から嵌め込む。このとき、スピーカ(5)の上下2辺の後部をボックス後部(3b)の嵌込み条後部(35b)(35b)に嵌める。
フロントキャビネット(1)とバックカバー(2)をビス止め固定する。
【0017】
スピーカ(5)は嵌込み条(35)(35)上で移動してはならないので、その虞れがある場合、図2に示す様に内側壁(32)にスピーカ(5)の移動を防止するストッパ(38)(38)を設けておけばよい。
【0018】
上記の如く、スピーカボックス(3)は、フロントキャビネット(1)と一体成形したボックス前部(3a)と、バックカバー(2)と一体形成したボックス後部(3b)とによって構成されため、ボックスを形成するための特別の別部品は不要となる。
【0019】
スピーカ(5)は、スピーカボックス(3)の内側壁(32)に、スピーカボックス(3)の外側壁(31)に向けて取り付けられているため、即ち、スピーカ(5)はフロントキャビネット(1)の前方に向いていないため、テレビジョンキャビネット(4)の左右の長さを小さく出来る。
【0020】
スピーカ(5)は、スピーカボックス(3)の嵌込み条(35)(35)に嵌めて取り付けるため、スピーカ(5)取り付け用のビス、及びビス止めの手間は不要である。
スピーカボックス(3)の後壁(36)は、音をフロントキャビネット(1)の前方に反射する方向に傾いているため、臨場感のある音を出すことができる。
【0021】
実施例では、スピーカ(5)は、ボックス前部(3a)とボックス後部(3b)で1/2づつ保持したが、この支持バランスに限定されるこはない。この場合、スピーカ取付け孔(37)は円形ではなくスピーカ(5)より少し小さい角孔とすればよい。
【0022】
尚、本発明の実施に際して、テレビジョンキャビネット(4)内の上部又は下部にスピーカ(5)を組み込むこともでき、この場合、図2、図3を右或いは左側に90°回転させた状態となり、外側壁(31a)はキャビネットの底壁又は天井壁となり、他の構成は上記と同じである。
【0023】
本発明は上記実施例の構成に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】テレビジョン受像機の正面図、平面図及び側面図である。
【図2】フロントキャビネット側から見たスピーカボックスの分解斜面図である。
【図3】後方から見たスピーカボックス前部の斜面図である。
【図4】スピーカ取り付け状態の概略平面図である。
【図5】スピーカ取り付け状態の概略正面図である。
【図6】従来のテレビジョン受像機の正面図、平面図及び側面図である。
【符号の説明】
(1) フロントキャビネット
(2) バックカバー
(3) スピーカボックス
(3a) ボックス前部
(3b) ボックス後部
(35) 嵌込み条
(37) スピーカ取付け孔
(5) スピーカ
(4) テレビジョンキャビネット

Claims (5)

  1. 合成樹脂製のフロントキャビネット(1)に合成樹脂製のバックカバー(2)を被せてテレビジョンキャビネット(4)を構成し、フロントキャビネット(1)内の左右両側の少なくとも何れか一方にスピーカ(5)を組み込んだテレビジョン受像機において、フロントキャビネット(1)とバックカバー(2)を正しく固定した時に、フロントキャビネット(1)と一体成形されたボックス前部(3a)と、バックカバー(2)と一体成形されたボックス後部(3b)とによって、キャビネット ( ) の横側壁がスピーカボックス ( ) の外側壁 (31) を兼用するスピーカボックス ( ) が形成され、該スピーカボックス ( ) の該外側壁 (31) と対向する内側壁 (32) に設けたスピーカ取付け孔 (37) に、該外側壁(31)に向けてスピーカ(5)が取り付けられているテレビション受像機。
  2. 合成樹脂製のフロントキャビネット(1)に合成樹脂製のバックカバー(2)を被せてテレビジョンキャビネット(4)を構成し、フロントキャビネット(1)内の上下の何れか一方にスピーカ(5)を組み込んだテレビジョン受像機において、フロントキャビネット(1)とバックカバー(2)を正しく固定した時に、フロントキャビネット(1)と一体成形されたボックス前部(3a)と、バックカバー(2)と一体成形されたボックス後部(3b)とによって、キャビネット ( ) の底壁又は天井壁がスピーカボックス ( ) の外壁を兼用するスピーカボックス ( ) が形成され、該スピーカボックス ( ) の該外壁と対向する内壁に設けたスピーカ取付け孔に、該外壁に向けてスピーカが取り付けられているテレビション受像機。
  3. バックカバー(2)はフロントキャビネット(1)に対して後方から前方に嵌まり込んで被さっており、スピーカ取付け孔(37)を挟みバックカバー(2)の嵌まり方向に対して平行に嵌込み条(35)(35)が設けられ、該嵌込み条(35)にスピーカ(5)の対向する2辺が嵌合して取り付けられている請求項1又は2に記載のテレビジョン受像機。
  4. スピーカ取付け孔(37)及び嵌込み条(35)(35)は、フロントキャビネット(1)とバックカバー(2)に跨って形成されている請求項3に記載のテレビジョン受像機。
  5. バックカバー(2)の側面は後方へ向けてキャビネットの中心軸に接近する様に傾斜しており、該傾斜壁の一部がスピーカボックス(3)の後壁(36)となっている請求項1乃至4の何れかに記載のテレビジョン受像機。
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