JP3583881B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、販売動作時に、原料などを収納する収納容器すなわちキャニスタから原料を原料シュートを通してカップに供給するときの原料シュートの開放作動時間を制御する機能を備えた自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる自動販売機は、その機体内にコーヒ等の各種原料を収納する複数のキャニスタを備え、かつカップを保持しながら原料投入位置や湯、水等の各供給位置に搬送するカップ搬送機構を備え、例えばホットコーヒの販売動作時に、カップ搬送機構でカップを保持し、コーヒ原料投入位置や湯の各供給位置に順次搬送してカップ内にコーヒ原料や湯、さらには必要に応じてクリームを供給し、この後、カップ内に撹拌機構の撹拌翼を進入させてコーヒ原料や湯を撹拌し、ホットコーヒを製造している。
【0003】
図8は原料キャニスタ1に接続された原料シュート2の構成図である。
原料キャニスタ1には、原料3を吐き出すための吐出機構4が設けられ、原料モータ5の駆動により原料3を排出口6から吐き出すようになっている。
【0004】
この排出口6には、排出筒7が下方に延び、その下方に筒状の原料シュート2が設けられている。
この原料シュート2は、図示しない駆動機構を介して上下方向(矢印イ方向)に移動自在に設けられ、かつ筒状の内部の途中にはシャッタ弁8が設けられている。
【0005】
このような原料シュート2は、通常、原料キャニスタ1の排出筒7に対して上方の待機位置に配置され、かつその筒内がシャッタ弁8により閉じている。
そして、コインが投入され、販売信号が発生すると、カップ搬送機構9にカップ10が投入され、このカップ搬送機構9がコーヒ原料投入位置や湯の各供給位置に順次搬送する。
【0006】
ここで、飲料水の調合に要する販売までのトータル時間の短縮化を図るべくカップ搬送機構9がコーヒ原料投入位置に到達するまでの時間を利用して、この間に原料モータ5の駆動によって原料キャニスタ1から原料3が排出筒7を通して原料シュート2内に排出され、シャッタ弁8の上に一時保留される。
【0007】
この状態で、カップ搬送機構9がコーヒ原料投入位置に配置されると、原料シュート2は下降して、その下端がカップ10内に進入し又はカップ10の開口に近接させる原料シュート2の下降動作に応じてシャッタ弁8が開放され、原料3がカップ10内に放出される。
この後、原料シュート2は上昇してこれに応じてシャッタ弁8も閉じられた状態で元の待機位置に戻り、カップ搬送機構9は次の位置に搬送される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
カップ1内に投入する原料3の量は、原料の種類や所望する飲料の濃度などにおいても例えばクリームや砂糖の増量、減量等により増減されるように、同じ原料であっても、原料キャニスタ1から吐き出される原料3の量も増減する。又、特にコールド系の原料を用いるものでは、大カップが使用されるなどにおいて調合飲料の量や使用カップの選択によっても使用原料の量が増減する。
【0009】
しかしながら、上記原料シュート2では、原料3の吐出し量に無関係にシャッタ弁8の開く時間は、原料キャニスタ1に設けられる全ての原料キャニスタ1に対し、画一的なものとして一定に設定してあり、このために原料3の吐出し量が多いと、全ての原料3が原料シュート2からカップ10に放出される前に、シャッタ弁8が閉じて原料シュート2が元の待機位置に戻ってしまい、全原料3が放出されずに原料シュート2内に残ってしまう。
【0010】
逆に原料3の吐き出し量が少ないと、原料シュート2内の全ての原料3がカップ10内に放出され終わっても、原料シュート2は下降した状態を保ち、一定時間経過の後に元の待機位置に戻る。このため、シャッタ弁8が開いている一定時間経過するまでは、原料シュート2は待機位置に戻ることはなく、無駄な時間を待つことになり、本来なら販売までの時間を短くしてもよいものまでが、この結果してカップ搬送機構90の搬送時間が長くなり、コーヒ等の販売までの待ち時間を長引かせている現象も見られる。
【0011】
そこで本発明は、原料シュート内に原料を残すことなく、かつ無駄な時間を経過することなく原料の必要量が無駄なく適格にカップ内に放出できる自動販売機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、収納容器に収納されている原料を原料シュートを通してカップ内に供給し、かつこのカップ内に希釈用の飲料用水を供給し、これら原料及び飲料用水を撹拌して飲料水を製造販売する自動販売機において、
原料シュート内に設けられ、カップへの供給する原料を一時保留させるシャッタ弁と、シャッタ弁を開閉動作させるシャッタ弁開閉機構と、シャッタ弁開閉機構によりシャッタ弁を開放動作して原料シュート内に一時保留されている原料をカップに供給するシャッタ弁を開放作動時間を、収納容器から吐き出される都度に原料の原料吐出量に応じて可変するシュート開放制御手段とを備えた自動販売機である。
【0013】
請求項2によれば、請求項1記載の自動販売機において、シュート開放制御手段は、収納容器に収納されている原料を吐き出す原料モータの動作時間に基づいてシャッタ弁の開放作動時間を算出する。
【0014】
請求項3によれば、請求項1記載の自動販売機において、カップの放出位置からこのカップを受け、当該カップを原料投入位置とカップ内に供給された原料及び飲料用水を撹拌する撹拌位置とに搬送移動して飲料水を製造するカップ搬送機構を備え、カップ搬送機構の搬送移動中に原料シュート内に原料を一時保留させるカップへの原料供給装置に適用した。
請求項4によれば、請求項1記載の自動販売機において、原料を受けて一時保留するシャッタ弁は、原料シュートの上下動作に応動して開閉動作する。
請求項5によれば、請求項1記載の自動販売機において、原料及び飲料用水をカップ内で撹拌するときの撹拌翼の回転数を、初期に第1の回転数で回転させ、所定時間経過後に第1の回転数よりも大きい第2の回転数に制御する撹拌制御手段を付加した。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図8と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は自動販売機の構成図である。
【0016】
自動販売機の前扉には、セレクションスイッチ群20、ファンクションスイッチ群21などが設けられている。セレクションスイッチ群20は、ホットレギュラーコーヒ、コールドレギュラーコーヒ、カフェオレ、クリーム入りホットレギュラーコーヒ、砂糖入りホットレギュラーコーヒなどを選択するための複数のスイッチを備えている。
【0017】
ファンクションスイッチ群21は、必要に応じて飲料の濃度調整を含むクリーム増量、砂糖増量、クリーム無し、砂糖無し、クリーム減量、砂糖減量などを指定するための複数のスイッチを備えている。
【0018】
コイン機構22は、自動販売機の前扉に設けられたコイン投入口からコイン、紙幣が投入されると、セレクションスイッチ群20及びファンクションスイッチ群21で選択された飲料水の代金の決済を行い、釣り銭があれば、この釣り銭に相当する金銭を自動販売機の前扉に設けられた返却口から返金する機能を有している。
【0019】
又、自動販売機内には、湯タンク23や図示しないが冷凍装置、製氷機が備えられている。湯タンク23には、その底部にヒータ24が設けられている。又、湯タンク23の上部に設けられた湯供給口には、電磁弁25を介して湯供給パイプが導出されている。この湯供給パイプは、図示しないレギュラーコーヒ用のコーヒ抽出器又はミキシングボールなどを経て、或いはダイレクトでカップの供給される販売口まで延びている。
【0020】
なお、冷却装置には、水を貯水する水槽が設けられ、この水の中に水槽コンプレッサに接続された冷却器が配置され、所定の水温に冷やされている。そして、水槽内には、水道水を供給する冷却管が配置され、水道水が冷却管内を通ることにより主にコールド飲料水の冷却用希釈水として用いられる。
【0021】
なお、冷却管の後続側には、冷却水供給パイプが接続され、これが必要によりミキシングボールなどを経て、又はダイレクトでカップの供給される販売口まで延びている。
【0022】
製氷装置には、製氷するための製氷コンプレッサが備えられ、かつ製氷機内に製氷された氷を細かく砕くための粉砕機が設けられている。この製氷機には、氷放出口が設けられ、これに氷供給パイプが接続され、カップの供給される販売口まで延びている。
【0023】
又、自動販売機内には、コーヒの粉末原料、クリームなどを収納する複数の原料キャニスタ1が備えられている。なお、図中では、図示する関係上から1台の原料キャニスタ1のみ示してある。
【0024】
この原料キャニスタ1には、上記同様、原料3を吐き出すための吐出機構4が設けられ、原料モータ5の駆動により原料3を排出口6から吐き出すようになっている。この原料モータ5は、駆動部30により原料3の吐き出し量に相当する時間だけ回転駆動するものとなっている。
【0025】
原料キャニスタ1の排出口6には、排出筒7が下方に延び、その下方に筒状の原料シュート2が設けられている。
この原料シュート2は、原料シュートモータを備えた昇降駆動機構31の駆動によって上下方向(矢印イ方向)に移動自在に設けられ、かつ筒状の内部の途中にはシャッタ弁8が設けられている。
【0026】
昇降駆動機構31は、図示しない開位置スイッチ及び待機位置スイッチを備え、このうち開位置スイッチは原料シュート2を下降させてその下端がカップ10内に進入するに対応する位置か、カップ10の開口に接近される位置に合わせて設けられ、後述するシャッタ弁8が開放されている時期とも関連させることができる。又待機位置スイッチは原料シュート2を上昇させて待機位置に戻すに対応する位置に設けられている。
【0027】
シャッタ弁8は、従来の技術で述べたものと同様に原料シュート2の下降、上昇動作に応動連動させて開閉するものであってもよいが、説明上図1に示すように上下動作と切り離した独立させたシヤッタ弁開閉機構32により開閉動作するものとしておく。これによって、通常、図2(a) に示すように原料キャニスタ1の排出筒7に対して上方の待機位置に配置されているときはその筒内を閉じており、原料3の排出時には同図(b) に示すように排出筒7に対して下方に降下した際にその筒内を開くものとなっており、その作動は従来構成のものと変わるものでない。
【0028】
撹拌機構40は、インペラミキシングモータ41を備え、このモータ41の回転軸にインペラシャフト42を介してインペラ43を連結されている。インペラミキシングモータ41は、インペラ駆動部44により回転駆動するものとなっている。
【0029】
又、撹拌昇降機構45は、撹拌機構体46を上下方向(矢印ロ方向)に昇降させるものとなっている。
なお、この撹拌機構40は、カップを保持して原料投入位置や湯供給位置に搬送するカップ搬送機構9の移動可能な経路上であればよく、例えば前扉の販売口の後ろ側に配置してもよい。
【0030】
一方、コントローラ50は、湯タンク23や図示しない冷凍装置、製氷機をそれぞれ動作制御し、コイン機構22にコイン、紙幣が投入され、セレクションスイッチ群20及び必要に応じたファンクションスイッチ群21の各選択に応じて、カップ搬送機構9をカップ受取り位置、原料投入位置、湯供給位置、ミキシング位置に搬送制御し、かつ湯タンク23の電磁弁25を開閉制御、原料キャニスタ1の原料モータ5、撹拌機構40などを動作制御して、カップ10内に例えばホットコーヒ飲料を製造する販売動作を制御する機能を有している。
【0031】
又、このコントローラ50は、販売動作時に、カップ搬送機構9によりカップ10が原料供給位置に到達したとき、図3に示す原料シュート開放動作時間算出フローチャート及び図4に示す原料シュート動作フローチャートの各プログラムに従い、原料シュート2のシャッタ弁8を開放して少なくとも原料3を搬送されたカップ10に供給する原料シュート開放動作時間を、原料キャニスタ1からの原料が予め吐出される原料吐出量に応じて都度可変されるシュート開放制御手段51としての機能を有している。
【0032】
又、コントローラ50は、撹拌機構40の動作によりカップ10内の原料及び湯などを撹拌するときのインペラ43の回転数を、図5に示すインペラ回転パターンに従い、初期に第1の回転数で回転させ、所定時間ti の経過後に第1の回転数よりも大きい第2の回転数に制御する撹拌制御手段52としての機能を有している。
【0033】
ここで、所定時間ti は、カップ10のサイズや原料、湯量に応じてそれぞれ設定されている。
なお、コントローラ50は、シュート開放制御手段51により決定されたシャッター弁8の開放時間に従ってカウントアップする開時間タイマ53、上記シュート開放制御手段51により決定されたシャッター弁8の開放時間等を格納するメモリ54の各機能を備えている。
【0034】
次に上記の如く構成された自動販売機の作用について説明する。
コイン機構22にコインが投入され、かつセレクションスイッチ群20及び必要に応じてファンクションスイッチ群21がそれぞれ選択されると、コントローラ50は、これらスイッチ群20、21の選択に応じてカップ搬送機構9を搬送制御し、先ず、カップ受取り位置に搬送してカップ10を受け取り、次に原料投入位置に搬送する。
【0035】
このようにカップ搬送機構9を搬送制御しているとき、コントローラ50のシュート開放制御手段は、図3に示す原料シュート開放作動時間算出フローチャートのプログラムに従い、原料シュート2のシャッタ弁8の開放作動時間を算出する。
【0036】
すなわち、コントローラ50のシュート開放制御手段51は、ステップ#1において、原料キャニスタ1から吐き出す原料3の量、すなわちスロー値(g単位)を基準値(原料3を1g吐き出すのに必要な原料モータ5の動作時間)を用いて原料モータ5の動作時間に変換する。
【0037】
次にシュート開放制御手段51は、ステップ#2において、原料モータ5の動作時間が例えば5秒以上であるか否かを判断する。
この判断の結果、原料モータ5の動作時間が5秒以上であれば、シュート開放制御手段51は、ステップ#3に移って原料シュート2内のシャッタ弁8の開放時間を1秒に決定する。
【0038】
続いてシュート開放制御手段51は、ステップ#4において、シャッタ弁8の開放時間1秒をメモリ54に格納する。
一方、上記ステップ#2の判断の結果、原料モータ5の動作時間が5秒以内であれば、シュート開放制御手段51は、ステップ#5に移り、その原料モータ5の動作時間に応じたシャッタ弁8の開放作動時間を原料シュート2の動作時間として次式に従って算出する。
【0039】
原料シュート2の動作時間(ms)
=(700/300)×(原料モータ5の動作時間)+300 …(1)
そして、原料シュート2内のシャッタ弁8の開放時間が算出されると、シュート開放制御手段51は、上記同様にステップ#4において、シャッタ弁8の開放時間をメモリ54に格納する。
【0040】
このように決定されるシャッタ弁8の開放作動時間は、図6に示すように原料モータ5の動作時間5秒を境界とし、5秒以下(未満)であれば、原料モータ5の動作時間0秒から5秒の間で300msから比例的に長くなり、かつ5秒以上であれば、1sで一定となる。
【0041】
一方、カップ搬送機構9がコーヒ等の原料投入位置に到達するまでの時間を利用して、原料モータ5の駆動によって原料キャニスタ1から原料3が排出筒7を通して原料シュート2内に排出され、シャッタ弁8の上に一時保留される。
【0042】
この状態で、カップ搬送機構9がコーヒ原料投入位置に配置されると、シュート開放制御手段51は、ステップ#10において、昇降駆動機構31の原料シュートモータを正転させ、原料シュート2を下降して、その下端をカップ10内に進入又はカップ10の開口部に近接させる。
【0043】
そうして、原料シュート2の下端がカップ10内に進入し、又は近接されると開位置スイッチがステップ#11における判断でオンとなると、シュート開放制御手段51は、ステップ#12において原料シュートモータを停止し、次のステップ#13において開時間タイマー53をメモリに格納されているシャッタ弁8の開放作動時間、すなわち原料モータ5の動作時間に応じた作動時間だけ起動しカウント動作する。
【0044】
このときシュート開放制御手段51は、開時間タイマー53がカウントアップしている間、シャッタ弁開閉機構32に対して開放信号を送出し、原料シュート2内のシャッタ弁8を開放状態に保持する。
【0045】
従って、このシャッタ弁8は、シャッタ弁8の開放時間、すなわち原料モータ5の動作時間に応じた作動時間だけ開かれているので、原料3がカップ10内に放出される、すなわちシャッタ弁8の上に一時保留される原料3の量が増減されてもその量に応じた時間だけシャッタ弁8が開き、原料3がカップ10内に全て放出されるものとなる。
【0046】
この後、開時間タイマー53がタイムアップすると、シュート開放制御手段51は、ステップ#14からステップ#15に移り、昇降駆動機構31の原料シュートモータを逆転させ、原料シュート2を上昇させて、シャッター弁8を閉じながら元の待機位置に戻す。
【0047】
そうして、昇降駆動機構31の待機位置スイッチがオンとなると、シュート開放制御手段51は、ステップ#16からステップ#17に移り、昇降駆動機構31の原料シュートモータを停止する。
【0048】
なお、上記したシャッタ弁開閉機構32を独立させてこれに開放信号を直接送出して原料シュート2内のシャッタ弁8の開放時間を制御するようにしたが、原料シュート2に対する昇降駆動機構31へ直接信号を送出させて、原料シュート2の上下動作に連動させてシャッター弁8を間接的に応動させる従来の構成に適用させてもよいものとする。
【0049】
又、原料シュート2は、昇降駆動する構成を適用させるだけでなく、不動タイプの原料シュートへも適用されるものであり、この場合は、上述のシャッタ弁開閉機構32が独立機能として作用するものとする。
【0050】
このようにカップ10内に原料3が供給されると、この後、カップ搬送機構9は次の湯供給位置及び撹拌位置に搬送される。
ここでは、これら湯供給位置及び撹拌位置が、いずれも販売口の後ろ側に配置されている場合を例にとって説明する。
【0051】
カップ搬送機構9が湯供給位置及び撹拌位置に到達すると、コントローラ50は、例えばホット飲料水であれば、湯タンク23の電磁弁25を所定の時間だけ開放し、湯をカップ10内に供給する。
【0052】
これと共にコントローラ50の撹拌制御手段52は、撹拌昇降機構45に対して下降信号を送出し、図7(a) に示すようにインペラ43をカップ10内に供給されている原料3及び供給中の湯の中に進入させる。なお、同図(a) はインペラ43の回転開始直前の状態を示している。
【0053】
次にカップ10内への湯の供給されている間に、撹拌制御手段52は、インペラ駆動部44にインペラ回転信号を送出し、図5に示すインペラ回転パターンに従い、初期に低速である第1の回転数で回転制御する。
【0054】
図7(b) は低速でインペラ43が回転しているときのカップ10内の撹拌状態を示しており、このときカップ10内に供給される湯や同カップ10内の液体がインペラ43の回転に追い付かづにカップ外にはねどばされる現象は起きない。
【0055】
この後、インペラ43が低速で回転開始してから所定時間経過すると、撹拌制御手段52は、インペラ43の速度を第1の回転数よりも高速の第2の回転数に制御する。図7(c) は高速でインペラ43が回転しているときのカップ10内の撹拌状態を示しており、このときには湯の供給は終了しているので、供給された湯及び原料3等が支障なく撹拌される。
【0056】
このように上記一実施の形態においては、原料シュート2内のシャッタ弁8を開放して原料3をカップ10に供給する原料シュートの開放作動時間を、原料モータ5の駆動時間すなわち原料キャニスタ1からの原料吐出量に応じて可変するようにしたので、カップ1内に投入する原料3の量は、調合される飲料の濃度であるとか使用カップの注入量等により増減するものであり、原料キャニスタ1から吐き出される原料3の量も増減するが、これら原料の量に応じてシャッター弁8が開くことになり、原料3の吐出量が多くても、全ての原料3を原料シュート2からカップ10に放出させることができ、原料3が放出されずに決して原料シュート2内に残ることはない。
【0057】
逆に、原料3の吐き出し量が少なくても、原料3がカップ10に放出され次第、原料シュート2が待機位置に戻るので、無駄な時間を要することなく、適格にカップ10内に供給されるのでコーヒ等の販売までの時間を飲料種別ごとに短くできる。
【0058】
又、カップ10内の湯及び原料3を撹拌するときのインペラ43の回転数を、初期に第1の回転数で回転させ、所定時間経過後に第1の回転数よりも大きい第2の回転数に制御するので、カップ10の飲み口にコーヒ等の飲料水の飛散液が付着することによる、商品価値を低下させることは全くなくなる。
【0059】
そのうえ、カップ10の外へコーヒ等の飲料水が飛散しないので、衛生管理が容易であり、かつカップ10内のコーヒ等の飲料水の量が規定量よりも減少することもない。
【0060】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。
例えば、原料キュニスタ1は、コーヒの粉末原料に限らず、ココア、粉末状の茶、クリーム、砂糖などを収納したものもあり、これら原料キャニスタ1の原料シュート内に設けられているシャッター弁の開放時間の制御にも適用できる。
又、カップ10内の撹拌は、ホット飲料水に限らず、コールド飲料水にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、原料シュート内に一時保留されている原料をカップに供給するシャッタ弁を開放作動時間を、収納容器から吐き出される都度に原料の原料吐出量に応じて可変するので、原料シュート内に原料を残すことなく、かつ無駄な時間を経過することなく原料の必要量が無駄なく適格にカップ内に放出できる自動販売機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる自動販売機の一実施の形態を示す構成図。
【図2】原料シュート内のシャッタ弁の開閉を示す図。
【図3】原料シュート開時間算出フローチャート。
【図4】原料シュート動作フローチャート。
【図5】インペラ回転パターンを示す図。
【図6】原料モータに対する原料シュートの開時間の関係を示す図。
【図7】カップ内の撹拌作用について示す図。
【図8】従来における原料キャニスタに接続された原料シュートの構成図。
【符号の説明】
1…原料キャニスタ、
2…原料シュート、
3…原料、
4…吐出し機構、
5…原料モータ、
8…シャッタ弁、
20…セレクションスイッチ群、
21…ファンクションスイッチ群、
31…昇降駆動機構、
32…シヤッタ弁開閉機構、
40…撹拌機構、
41…インペラミキシングモータ、
44…インペラ駆動部、
45…撹拌昇降機構、
50…コントローラ。
Claims (5)
- 収納容器に収納されている原料を原料シュートを通してカップ内に供給し、かつこのカップ内に希釈用の飲料用水を供給し、これら原料及び飲料用水を撹拌して飲料水を製造販売する自動販売機において、
前記原料シュート内に設けられ、前記カップへの供給する前記原料を一時保留させるシャッタ弁と、
前記シャッタ弁を開閉動作させるシャッタ弁開閉機構と、
前記シャッタ弁開閉機構により前記シャッタ弁を開放動作して前記原料シュート内に一時保留されている前記原料を前記カップに供給する前記シャッタ弁を開放作動時間を、前記収納容器から吐き出される都度に前記原料の原料吐出量に応じて可変するシュート開放制御手段と、
を具備したことを特徴とする自動販売機。 - 前記シュート開放制御手段は、前記収納容器に収納されている前記原料を吐き出す原料モータの動作時間に基づいて前記シャッタ弁の前記開放作動時間を算出することを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
- 前記カップの放出位置からこのカップを受け、当該カップを原料投入位置と前記カップ内に供給された前記原料及び前記飲料用水を撹拌する撹拌位置とに搬送移動して前記飲料水を製造するカップ搬送機構を備え、前記カップ搬送機構の搬送移動中に前記原料シュート内に前記原料を一時保留させる前記カップへの原料供給装置に適用したことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
- 前記原料を受けて一時保留する前記シャッタ弁は、前記原料シュートの上下動作に応動して開閉動作することを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
- 前記原料及び前記飲料用水を前記カップ内で撹拌するときの撹拌翼の回転数を、初期に第1の回転数で回転させ、所定時間経過後に前記第1の回転数よりも大きい第2の回転数に制御する撹拌制御手段を付加したことを特徴とする請求項1記載の自動販売機。
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