JP3582755B2 - 熱源装置、熱回収装置および熱供給方法 - Google Patents

熱源装置、熱回収装置および熱供給方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱源装置に係り、特に負荷側の空調空間において要求される個別多様な空調負荷要求に柔軟に対応することが可能な個別空調システムに用いられる熱源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍機やボイラーなどの熱源機器により冷水や温水を製造し、ファンコイルユニットや空調機に供給する中央方式の空調システムは周知である。しかし、かかる中央方式の空調システムでは、冷却塔などの補機も含め装置規模が大がかりとなり、これらの機器を設置する機械室などのスペースも大きくならざるを得ず、建物のレンタブル比を低下させていた。そこで、近年、オフィスビルなどの空調システムの方式は、ビル機能のインテリジェント化により増えた冷房負荷への対応やオフィス環境の快適化要求とも相俟って、中央方式から個別分散方式へと変遷している。このような個別分散型ビル空調方式に対応する空調設備として、マルチ方式空調設備やユニット型ヒートポンプなどを用いた個別分散式空調システムが提案されている。
【0003】
たとえば典型的なマルチ方式空調設備は、1台の熱源装置に複数の空調ユニットが接続され、各空調ユニットごとに個別に運転停止や室温設定などの制御ができるように構成されている。このようなマルチ方式の空調設備は、個別運転制御特性に優れているため個別分散方式に最適であり、しかも熱搬送動力を軽減することが可能なため、消費エネルギーを大幅に抑えることができる点でも注目されている。
【0004】
しかしながら、上記のようなマルチ方式空調設備の設置にあたっては、室内ユニットと室外ユニットとを連絡する冷媒配管の長さや高低差が設置場所によって多様であり、さらに設置現場に応じて冷却能力の予測、配管系の設定、オイル注入量の適正調整などを個別に行う必要があるため、設計及び施工が煩雑であった。また、室外ユニット用の外気空気熱源として、大きな熱源風量が必要であった。また、近時、冷媒として利用されるフロンによるオゾン層破壊の問題が指摘されているが、上記のような方式では、現地工事が多く、フロン漏洩の可能性がつきまとっていた。
【0005】
また、ユニット型ヒートポンプとして、熱源との熱交換効率の良い水を用いた水熱源型ヒートポンプユニットも知られている。しかし、補助ボイラや冷却塔といった熱源機器を設ける必要があり、これらの機器への熱源水の搬送動力は無視できない。また熱源機器についても一応の能力制御はできるものの、負荷側の要求に応答する柔軟性という点では改善の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、上記の如き個別空調システムでは、各個別空調空間で要求される空調負荷の種類および容量が多様化するとともに、各空調システムの構成自体も多様化してきている。そこで、上記のような各種個別空調システムに柔軟に対応することができるように汎用性が高く、しかも各設備の標準化を図ることが可能な個別空調システムに好適な熱源装置の開発が要求されている。
【0007】
また熱源装置として従来のような大規模な設備構成を必要とせず、各空調ゾーンの居住者が必要に応じて自由に調整することが可能であり、さらに空調単位ごとの負荷要求に応じて、たとえば冷暖房同時負荷をもまかなえ、さらに地球環境にも配慮した熱源装置の開発が要求されている。
【0008】
本発明はかかる技術的要求に立脚してなされたものであり、その目的とするところは、各空調空間において要求される多様な空調要求に柔軟に対応することが可能であり、しかも機器施工や建物内の機器配置の標準化を達成することが可能な、個別空調システム用の熱源設備として採用するに好適な、新規かつ改良された熱源装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,蒸発器として機能する第1熱交換器(216)と凝縮器として機能する第2熱交換器(218)と圧縮機(214)と減圧装置(220)を少なくとも備え,相変化する第1熱媒が循環するヒートポンプ(210)と,負荷側に温熱および/または冷熱を供給する循環系(260)とを少なくとも備えた熱源装置が提供される。減圧装置(220)としては,膨張弁やキャビラリーチューブが挙げられる。この熱源装置は,請求項1に記載のように,第1熱交換器および第2熱交換器により生じた温熱および冷熱を負荷側に供給するために,その循環系(260)は,第1循環手段(262a)により,第2熱媒を循環させ負荷(100)側に温熱または冷熱を供給する第2熱媒循環系(262)と,第2循環手段(264a)により熱源水を循環させ負荷側を温熱または冷熱を供給する熱源水循環系(264)とから構成される。また,上記ヒートポンプ(210)において,第1熱交換器(216)は,第1熱媒と第2熱媒との熱交換を行う熱交換器として,第2熱交換器(218)は,第1熱媒と熱源水との熱交換を行う熱交換器として,それぞれ構成される。さらに,第2熱媒循環系(262)には,第2熱媒と空気との熱交換を行うことで該第2熱媒に生じた余剰熱を排熱する第3熱交換器(242)が介装されている。さらに,熱源水循環系(264)には,熱源水と空気との熱交換を行うことで該熱源水に生じた余剰熱を排熱する気液直接接触型の第4熱交換器(244)が介装されている。ここで,気液直接接触型の第4熱交換器(244)としては,例えば,充填材,エリミネータ,散水管,水槽などから構成される小型の開放型冷却塔使用のものや,蒸発式凝縮器,さらには熱媒を噴霧して気流と熱交換するエゼクター型の熱交換器などを使用することができる。そして,建物の空調単位に対応させてヒートポンプ(210)と,第3熱交換器(242)および第4熱交換器(244)とが設置され,負荷側に供給された第2熱媒の還液は第3熱交換器に供給され,負荷側に供給された熱源水の還液は第4熱交換器に供給され,かつ第3熱交換器および/または第4熱交換器は上記供給された還液を熱交換する。なお本明細書にいわゆる空調単位とは,ペリメータ側空調ゾーン,インテリア側空調ゾーンのみならず,建物の北側・南側,各階(地上階,地下階,中間階,最上階を含む。)などの熱源と負荷側を組み合わせることができるあらゆる空間単位を含むものと了解される。
【0010】
かかる構成によれば、第1熱媒−第2熱媒の熱交換を行って蒸発器として機能する第1熱交換器(216)と、第1熱媒−熱源水の熱交換を行って凝縮器として機能する第2熱交換器(218)とを内蔵するヒートポンプユニット(210)を運転することにより、第2熱媒は冷却されて低温となり、第2熱媒循環系(262)を介して負荷側に冷熱が供給される。一方、ヒートポンプユニット(210)の運転により、熱源水は加熱された温水となり、熱源水循環系(264)を介して負荷(100)側に温熱が供給される。ヒートポンプユニット(210)の運転能力は負荷側の負荷要求に応じて制御され、第2熱媒に生じた余剰熱は第2熱媒−空気の熱交換を行う第3熱交換器(242)により排熱され、熱源水に生じた余剰熱は気液直接接触型の第4熱交換器(244)により排熱される。
【0011】
以上のように,請求項1にかかる熱源装置によれば,第2熱媒により冷熱を,熱源水により温熱を,それぞれ負荷側に供給することが可能なので,各空調空間において要求される多様な空調負荷に柔軟に対応することができる。特に,請求項1の構成においては,温熱と空気との熱交換には気液直接接触型の第4熱交換器(244)を用い,冷熱と空気との熱交換には気液直接接触型の熱交換器では非効率なため,第3熱交換器(242)のような第2熱媒対空気熱交換器を用いているので,空調システムの効率化が図れる。さらにまた,気液直接接触型の第4熱交換器(244)を建物の空調単位に対応させて設けるので,熱源として,非空調室からの排気や空調空間を温調した後の還気などの熱源用空気を利用することができる。さらに,請求項1の熱源装置によれば,設備の標準化を容易に図れ,設備設計や施工の効率化に寄与する。また空調単位ごとにヒートポンプ(210)と気液直接接触型の第4熱交換器(244)を設置するため,熱源が分散され,各負荷の要求への対応が容易である。さらに熱源水の搬送も空調単位で行うので,熱源搬送動力の軽減も図れる。また,ヒートポンプ内の熱媒とは異なる熱媒により冷温熱を搬送する二次冷媒方式を採用するため,熱源の維持管理が容易で,計装配線などの工事も容易になり,しかも負荷側のリニューアルにも対応が容易である。そして,フロン漏洩のおそれも少ない。
【0012】
さらに,請求項2に記載のように,第3熱交換器(242)および第4熱交換器(244)は,建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気を熱源として利用し,第3熱交換器は,負荷側からの還液である第2熱媒と還気との熱交換で生じた余剰熱を排熱するとともに,第4熱交換器は,負荷側からの還液である熱源水と還気との熱交換で生じた余剰熱を排熱するように構成すれば,生成させた熱を以降の熱の生成のために再利用でき,より省エネルギーで効率的なシステムを構築できる。
【0013】
さらにまた、上記熱源装置において、請求項3に記載のように、第2熱媒循環系(262)は、第3熱交換器(242)を選択的に迂回する第1迂回路(262b)を備え、熱源水循環系(264)は、第4熱交換器(244)を選択的に迂回する第2迂回路(264b)を備えていることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、負荷(100)側で要求される空調負荷要求にヒートポンプの能力が一致する場合、現在循環している第2熱媒および熱源水の還液温度で十分に運転できる時点では、第2熱媒および/または熱源水に排熱系(気液直接接触型の第4熱交換器(244)および/または第2熱媒−空気熱交換用の第3熱交換器(242))を迂回させることにより、より省エネルギーの運転を行うことができる。また冬期など暖房と、場合によってはそれに加えて給湯の負荷と冷房の負荷が拮抗している場合も同様の省エネルギー運転を行うことができる。さらに暖房や給湯の負荷と冷房負荷が同時に存在するときに、迂回路への通液量を制御することにより負荷側の期待する温度の熱媒をヒートポンプ(210)を安定的に運転しながら送液できる。
【0015】
さらに、第4熱交換器(244)は、熱源水循環系(264)の主要部および第2熱交換器(218)よりも低い位置に設置されており、熱源水循環系(264)は、それぞれ独立に駆動可能な第4熱交換器(244)に通水する排熱系と負荷(100)側に通水する熱供給系とから構成されていることが好ましい。なお、本明細書において、熱源水循環系(264)の主要部とは、機器の設置条件などにより、第4熱交換器(244)よりも高い位置に設置せざるを得なくなる構成要素(例えば、気液接触のための散水管路や、気液直接接触型の第4熱交換器(244)への接続部分)を除く部分を言うものとする。
【0016】
例えば、気液直接接触型の第4熱交換器(244)として、開放型の水槽が採用される場合などには、落水対策のために、第4熱交換器(244)を、熱源水循環系(264)の主要部、およびヒートポンプユニット(210)の第1熱媒−熱源水熱交換用の第2熱交換器(218)よりも低い位置に設置することがあるが、その場合であっても、排熱系と熱供給系とを独立に運転すれば、熱源水を気液直接熱交換器に効率的に送ることができる。
【0017】
さらに、第1伝熱手段(304)と第2伝熱手段(306)とを備えた蓄熱槽(300)を有し、第1伝熱手段(304)と第1熱交換器(216)とが接続され、第2伝熱手段(306)と第2水熱交換器(218)とが接続されるように構成してもよい。このように、蓄熱槽(300)による蓄熱機能を付加すれば、第2熱媒を蓄熱槽(300)に送り、余剰熱を氷または冷水として蓄熱槽(300)内に蓄熱し、あるいは熱源水を蓄熱槽(300)に送り、余剰熱を温水として蓄熱槽(300)に蓄熱し、必要に応じて冷熱または温熱を取り出すことができる。従って、例えば電力料金が廉価な夜間に蓄熱を行い、負荷要求の高い昼間に熱を汲み上げることにより、より省エネルギータイプの熱源装置が提供される。
【0018】
また,本発明の別の観点によれば,請求項4に記載のように,蒸発器として機能する第1熱交換器と凝縮器として機能する第2熱交換器と圧縮機と減圧装置とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプを用いて供給される冷熱媒と温熱媒を空調空間からの還気と熱交換する装置であって,負荷側からの還液である冷熱媒を乾式熱交換器(242)により熱交換し,負荷側からの還液である温熱媒を気液直接接触型熱交換器(244)により熱交換し,乾式熱交換器(242)を気液直接接触型熱交換器(244)よりも還気気流の上流側に気液直接接触型熱交換器と一体的に配置したことを特徴とする熱回収装置が提供される。
【0019】
かかる構成によれば、還気は最初に乾式熱交換器(242)と熱交換されるので(気流が冷却される)、気液直接接触型熱交換器(244)での熱交換効率が良好になる。また、熱負荷の変動にかかわらず、熱媒の供給温度を所望のものに制御するに際し、この熱回収装置への熱媒の流量制御により、還液温度を調整できる。従って、従来の装置のようにポンプをインバータ制御するなどの措置は不要となる。さらに、この熱回収装置によれば、機器の示す設置スペースが小さく、還気(排気)ダクトのダクト経路が簡素化される。また計装配線や熱媒配管なども集約することができる。
【0020】
さらにまた、本発明の別の観点によれば、請求項5に記載のように、蒸発器として機能する第1熱交換器(216)と凝縮器として機能する第2熱交換器(218)と圧縮機(214)と減圧装置(220)とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプ(210)と、第1熱媒と熱交換された第2熱媒または熱源水により負荷(100)側に温熱および/または冷熱を供給する熱供給方法であって、負荷側に供給された第2熱媒または熱源水の還液温度は、建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気と熱交換されて、所定の温度に調整されることを特徴とする熱供給方法が提供される。減圧装置(220)としては、膨張弁やキャビラリーチューブが挙げられる。かかる構成によれば、建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気を熱源として利用するので、見かけ上熱源を必要としない、より省エネルギーな空調システムを構築することができる。ポンプにインバータを介装するなどの格別の設備を要することなく、熱負荷の変動に対応した所望の熱を供給することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら本発明にかかる熱源装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【0022】
図1には、本発明の第1実施例にかかる熱源装置を備えた個別空調システムの概略的な構成が示されている。この個別空調システムは、各個別空調空間に各種構成の空調設備が設置された負荷側100と熱源装置200とから構成されている。熱源装置200は、たとえば各階のペリメータゾーンの腰壁下のペリカバーに収容できる。負荷側としては、天吊ファンコイルユニットが各階に設置されている。この図1に示す構成を一単位として、ゾーニングされた建物部位ごとに設けられる。
【0023】
熱源装置200は、ヒートポンプユニット部210と排熱部240と循環系260とから主に構成されている。ヒートポンプユニット部210は、ケーシング212内に第1熱媒が循環するヒートポンプ回路が一体的に収納されたものである。ヒートポンプ回路には圧縮機214、第1熱媒−第2熱媒熱交換器(第1熱交換器)216、第1熱媒−熱源水熱交換器(第2熱交換器)218、膨張弁220が介装されている。そして運転時には、例えば第1熱媒−第2熱媒熱交換器216を蒸発器として機能させ、第1熱媒−熱源水熱交換器218を凝縮器として機能させ、第1熱媒を介して冷熱を、熱源水を介して温熱をそれぞれ後述の循環系260を介して負荷側100に供給することができる。
【0024】
排熱部240は、第2熱媒(例えば、ブライン)からの排熱を行う第2熱媒−空気熱交換器(第3熱交換器)242と熱源水からの排熱を行う気液直接接触熱交換器(第4熱交換器)244と、これらの第3および第4熱交換器242、244に排気空気または外気を送気する送気ファン246とを備えている。第2熱媒−空気熱交換器242は、例えば、通常のプレートフィンコイルであり、排気空気または外気から吸熱して第2熱媒を暖めることができる。また、気液直接接触熱交換器244は、例えば、充填材、エリミネータ、散水管、水槽から構成される小型の開放型冷却塔仕様のものであり、散水管から熱源水を散水しながら排気空気または外気と接触させて熱交換し、熱源水を冷却することができる。これらの第3および第4熱交換器242、244を一体的に構成し、図示のように、熱源用空気を第3熱交換器242、第4熱交換器244と順次通気させるように構成することも可能である。この際には、第3熱交換器242に導かれる第2熱媒の残余冷熱により第4熱交換器244での熱源水の冷却採用を促すことができ、以下に示す多種の運転制御により、負荷側へ供給する冷・温熱を安定化させることができる。なお244aは給水系であり、蒸発などにより減じた熱源水を適宜補うためのものである。
【0025】
循環系260は、ポンプ(第1循環手段)262aによりヒートポンプユニット210の第1熱媒−第2熱媒熱交換器216により冷却された第2熱媒を負荷側100に供給し、負荷側100から戻された第2熱媒を排熱部240の第2熱媒−空気熱交換器242に送ることができる第2熱媒循環系262と、ポンプ(第2循環手段)264aによりヒートポンプユニット210の第1熱媒−熱源水熱交換器218により暖められた熱源水を負荷側100に供給し、負荷側100からの還水を排熱部240の気液直接接触熱交換器244に送ることができる熱源水循環系264とから構成されている。
【0026】
さらに、第2熱源循環系262は第1迂回路262bを備えており、三方弁262cを切り換えることにより、負荷側100から戻された第2熱媒に排熱部240(第2熱媒−空気熱交換器242)を迂回させて、直接ヒートポンプユニット210に戻すことができる。同様に、熱源水循環系264は第2迂回路264bを備えており、三方弁264cを切り換えることにより、負荷側100からの還水に排熱部240(気液直接接触熱交換器244)を迂回させて、直接ヒートポンプユニット210に戻すことができる。さらに、各循環系262、264には温度センサ262d、264dが設置されており、第2熱媒の循環温度および熱源水の循環温度を適宜検出することができる。さらに、各循環系262、264の負荷側100への往路には三方弁262e、264eが介装されており、先の三方弁262c、264cと組み合わせて、熱源水または第2熱媒の全流量を排熱部240に送水して、後述するように負荷側100において、冷房負荷のみ、または暖房負荷のみが要求される場合にも対応することができる。
【0027】
なお、図示の例では、第1熱媒−第2熱媒熱交換器216および第1熱媒−熱源水熱交換器218の入口温度をそれぞれ測定するように構成されているが、各循環系の任意の場所の温度を測定するように構成することができる。さらに、検出された温度は不図示の制御器に送られ、空調システムを構成する各機器および循環系を運転制御するために用いることができる。なお負荷側は使用勝手に応じた機器構成や配管システムが考えられるが、前記の迂回路に通液する運転に対応し、送水を負荷側空調機器に送らず迂回させるバルブを適宜設けることが望ましい。
【0028】
以上のように本発明の第1実施例にかかる個別空調システムは構成されている。次に、かかる個別空調システムの運転動作の一実施例について、図2〜図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図2は冷房負荷のみの運転状態(暖房は行わず、給湯は別途ボイラを補う場合などで、夏季、中間期などに行われる。)を示し、図3は冬季の空調立ち上がり時などの運転状態を示し、図4は冬季の(給湯)暖房と冷房の負荷が同時に存在する場合を例示している。なお、以下の運転動作の説明において、計測・監視され判定の対象となる「温度」は負荷側からの還液温度である。
【0029】
(a)冷房運転のみ
まず、冷房運転のみを行う場合には、図2に示すように、ステップS10において、三方弁264c、264eを切り換えて、熱源水の全流量を気液直接接触熱交換器244に送水するように熱源水循環系264を構成し、ヒートポンプユニット210を駆動する。その結果、第1熱媒−第2熱媒熱交換器(蒸発器)216により冷却された第2熱媒のみが負荷側100に供給され、第1熱媒−熱源水熱交換器(凝縮器)218により加温された熱源水は負荷側100に供給されず、気液直接接触熱交換器244に送水され、そこで排気空気中に排熱される。この間、温度センサ262dにより第2熱媒循環系262を循環する第2熱媒の温度が監視されている。
【0030】
そして、ステップS12において第2熱媒温度が設定範囲内(例えば、7℃〜10℃)にあるかどうかが判定される。この判定の結果、第2熱媒温度が設定範囲内にある場合には、ステップS14に進み、現在のヒートポンプユニット210の運転状態が保持される。その後、ステップS10に戻り、第2熱媒温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0031】
これに対して、ステップS12において、第2熱媒温度が設定範囲内にないと判断された場合には、ステップS16に進み、第2熱媒温度が設定範囲よりも上か下かが判断される。冷熱を伝達する第2熱媒の温度が設定範囲を上回っていると判断された場合には、ステップS18に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力がアップされる。その後、ステップS10に戻り、第2熱媒温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0032】
さらにステップS16において、冷熱を伝達する第2熱媒温度が設定範囲を下回っていると判断された場合には、ステップS20に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力をダウンさせて対応する。その後、ステップS10に戻り、第2熱媒温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0033】
(b)暖房運転のみ
次に、暖房運転のみを行う場合には、図3に示すように、ステップS22において、三方弁262c、262eを切り換えて、第2熱媒の全流量を第2熱媒−空気熱交換器242に通液するように第2熱媒循環系262を構成し、ヒートポンプユニット210を駆動する。その結果、第1熱媒−熱源水熱交換器(凝縮器)218により加温された熱源水のみが負荷側100に供給され、第1熱媒−第2熱媒熱交換器(蒸発器)216により冷却された第2熱媒は負荷側100に供給されず、第2熱媒−空気熱交換器242に通液され、そこで排気空気中に排熱される。この間、温度センサ264dにより循環系264を循環する熱源水の温度が監視されている。
【0034】
そして、ステップS24において熱源水の温度が設定範囲内(例えば、37℃〜42℃)にあるかどうかが判定される。この判定の結果、熱源水の温度が設定範囲内にある場合には、ステップS26に進み、現在のヒートポンプユニット210の運転状態が保持される。その後、ステップS22に戻り、熱源水の温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0035】
これに対して、ステップS24において、熱源水の温度が設定範囲内にないと判断された場合には、ステップS28に進み、熱源水の温度が設定範囲よりも上か下かが判断される。温熱を伝達する熱源水の温度が設定範囲を下回っていると判断された場合には、ステップS30に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力がアップされる。その後、ステップS22に戻り、熱源水の温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0036】
さらにステップS28において、温熱を伝達する熱源水の温度が設定範囲を上回っていると判断された場合には、ステップS32に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力をダウンさせて対応する。その後、ステップS22に戻り、熱源水の温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0037】
(c)冷暖房同時運転
まず、冷暖房同時運転時には、ヒートポンプユニット210を駆動して、第1熱媒−第2熱媒熱交換器(蒸発器)216により冷却された第2熱媒を第2熱媒循環系262を介して二次負荷100側に供給するとともに、第1熱媒−熱源水熱交換器(凝縮器)218により加温された熱源水を熱源水循環系264を介して負荷側100に供給する。この間、温度センサ262d、264dにより循環系260を循環する第1熱媒および熱源水の温度が監視されている。
【0038】
そして、図4に示すように、ステップS34において第2熱媒温度が設定範囲内(例えば、7℃〜10℃)にあるかどうかが判定され、さらにステップS36において熱源水温度が設定範囲内(例えば、37℃〜42℃)にあるかどうかが判定される。この判定の結果、第2熱媒温度および熱源水温度がともに所定の設定範囲内にある場合には、ステップS38に進み、現在のヒートポンプユニット210の運転状態が保持される。その後、ステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0039】
これに対して、ステップS34において、第2熱媒温度が設定範囲内にないと判断された場合には、図5に示すように、ステップS46に進み、第2熱媒温度が設定範囲よりも上か下かが判断される。冷熱を伝達する第2熱媒温度が設定範囲を上回っている場合には、ステップS48に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力がアップされる。その後、図4のステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0040】
さらにステップS46において、冷熱を伝達する第2熱媒温度が設定範囲を下回っている場合には、さらにステップS50において、下限値(たとえば、5℃)を下回っているかどうか判定される。第2熱媒温度が設定範囲以下であるが下限値を上回っている場合には、ステップS52において、ヒートポンプユニット210の運転能力をダウンさせて対応する。その後、図4のステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0041】
これに対して、ステップS50において、第2熱媒温度が下限値をも下回っていると判断された場合には、ステップS54に進み、さらに熱源水の水温が設定範囲内にあるかどうかが判断される。熱源水の水温が設定範囲内にある場合には、ステップS56に進み、三方弁262c、262eを操作して負荷側100に送られる第2熱媒の流量を制御し(たとえば、負荷側へ送液する第2熱媒の液量を絞ったり、第3熱交換器242への流量を多くする。)、対応する。その後、図4のステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0042】
しかし、ステップS54において、熱源水の水温が設定範囲内にないと判断された場合には、ステップS58に進み、熱源水の水温が設定範囲よりも上か下かが判断される。熱源水の水温が設定範囲を下回っていると判断された場合には、ステップS59に進み、いったんヒートポンプの能力をアップする。すなわち、暖房負荷の不足への対応を優先し、冷房負荷が過小であることに対する対応は、以降のステップS34に戻った後で対応する。
【0043】
これに対して、ステップS58において、熱源水の水温が設定範囲を上回っていると判断された場合には、ステップS52に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力をダウンさせることにより対応する。その後、図4のステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0044】
再び図4のステップS34に戻り、第2熱媒の温度は設定範囲にあると判断されたが、熱源水の水温は設定範囲にないと判断された場合には(ステップS36)、ステップS40に進み、熱源水の水温が設定範囲を上回っているか下回っているかが判断される。熱源水の水温が設定範囲を下回っている場合には、ステップS42に進み、ヒートポンプユニット210の運転能力をアップさせて対応する。その後、ステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0045】
これに対して、ステップS40において、熱源水の水温が設定範囲を上回っていると判断された場合には、ステップS44に進み、三方弁262c、262eを操作して負荷側100に送られる熱源水(温熱)の流量を制御し(たとえば、全量を送水し、あるいは流量制御を行い残余分を迂回路264bに流す。)対応する。その後、図4のステップS34に戻り、第2熱媒温度および熱源水温度を再び監視して、ヒートポンプユニット210の運転状態を最適に制御する。
【0046】
なお、本実施形態には、ヒートポンプユニット210の運転のみにより二次負荷100側の空調負荷に十分に対応できる場合には、三方弁262c、264cを切り換えて、第2熱媒および熱源水に排熱部240を迂回させることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施例によればヒートポンプユニット210の運転能力の制御、並びに第2熱媒−空気熱交換器242および気液接触熱交換器244の運転制御を行うことにより、負荷側100において要求されるさまざまな空調負荷に柔軟に対応することができる。なお、図2〜図5に示すフローチャートは図1の装置を運転制御するための一実施例にすぎず、当業者であれば、図1に示す装置を負荷側100の条件に応じて任意の方法で運転制御することが可能であり、それらの運転制御方法についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0048】
次に図6を参照しながら、本発明の第2実施例にかかる熱源装置について説明する。なおこの第2実施例の基本的構成は、図1に示した第1実施例と実質的に同一なので、同一の構成および機能を有する構成部材については同一の参照番号を付することにより重複説明を省略することにする。ただし、第2実施例の場合には、熱源水循環系が、第1ポンプ270aにより気液直接接触熱交換器244に通水する熱交換系270と、第2ポンプ272aにより負荷側100に通水する循環系272とから構成されている。そして、かかる構成に対応して、熱交換系270と循環系272をそれぞれ独立に駆動させることができるように、ヒートポンプ210の第1熱媒−熱源水熱交換器218が、第1熱媒から抜熱して負荷側100に暖めれられた熱源水を供給する熱源供給部218aと、熱源供給部218dの加熱能力を制御すべく気液接触熱交換器244に凝縮器の冷却水を送水する排熱部218bとから構成されている。
【0049】
このように、本実施形態では、排熱系270と負荷系272とを独立に駆動させることができるので、第1実施例と異なり、気液接触熱交換器244を選択的に迂回する第2迂回路262bは省略されている。すなわち、本実施例の場合に、熱源水に気液接触熱交換器244を迂回させたい場合(例えば、暖房負荷が勝っており、熱源水から排熱する必要がない場合)には、第1ポンプ270aを停止すれば良い。また、迂回させない場合には、熱源供給部218aの加熱能力を制御するには第1ポンプ270dの回転数をインバータ制御することで対応することもできる。
【0050】
次に、図7を参照しながら本発明の第3実施例にかかる熱源装置について説明する。この第3実施例の基本的構成についても、第1実施例および第2実施例と実質的に同一である。従って、本実施例の場合にも、同一の構成および機能を有する構成部材については同一の参照番号を付することにより重複説明を省略することにする。ただし、この第3実施例の場合には、図1に示す第1実施例に加えて、蓄熱部300が付加されている。
【0051】
この蓄熱部300は、蓄熱槽302と、その蓄熱槽302内に設置される第1伝熱管304と第2伝熱管306とを備えている。この第1伝熱管304は第1の蓄熱用循環系308により第1熱媒−第2熱交換器216に接続されている。この第1の蓄熱用循環系308は、切り換えバルブ308a、308bを閉止し、バルブ308c、308dを開放することにより、第2熱媒循環系264に切り換え可能に接続されている。従って、負荷側のバルブ308a、308bを閉止し、308c、308dを開放して、循環ポンプ308eを駆動することにより、第2熱媒の循環方向を蓄熱槽302側に切り換えることにより、第2熱媒を蓄熱槽302側に送り、第1伝熱管304を介して蓄熱槽302内に冷水または氷として蓄熱することができる。その間、ポンプ262aは停止する。
【0052】
同様に第2伝熱管306は第2の蓄熱用循環系310により第1熱媒−熱源水熱交換器218に接続されている。この第2の蓄熱用循環系310は切り換えバルブ310a、310bを閉止して、310c、310dを開放することにより、熱源水循環系264に切り換え可能に接続されている。従って、負荷側のバルブ310a、310bを閉止して、バルブ310c、310dを開放して、循環ポンプ310eを駆動することにより、熱源水の循環方向を蓄熱槽302側に切り換えることにより、熱源水を蓄熱槽302側に送り、第2伝熱管306を介して蓄熱槽302内に温熱を温水として蓄熱することができる。その間、ポンプ264aは停止する。
【0053】
以上説明したように、この第3実施例によれば、ヒートポンプユニット210の排熱を蓄熱部300に温熱または冷熱として蓄熱することができる。たとえば、夜間には前記のようにして蓄熱し、空調時にはバルブ308a〜308d、バルブ310a〜310dを開放した状態でヒートポンプユニット210の運転を停止して、蓄熱した熱を利用することができる。蓄熱槽水の温度が熱源として利用不能になった時は、バルブ308c、308d、バルブ310c、310dを閉止し、ヒートポンプユニット210を稼働して対応する。その際には、循環ポンプ308e、310eは停止する。このように第3実施例によれば、例えば廉価な夜間電力を利用して蓄熱槽302内に温熱または冷熱を蓄熱し、必要な場合に汲み出すことができるので、より省エネルギーな空調システムを構築することができる。
【0054】
以上本発明の好適な実施例について添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる実施例の記載に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範疇において様々な変更および修正に想到することが可能であり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に含まれるものと了解される。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように,請求項1にかかる熱源装置によれば,第2熱媒により冷熱を,熱源水により温熱を,それぞれ負荷側に供給することが可能なので,各空調空間において要求される多様な空調負荷に柔軟に対応することができる。特に,請求項1の構成においては,温熱と空気との熱交換には気液直接接触型の第4熱交換器(244)を用い,冷熱と空気との熱交換には気液直接接触型の熱交換器では非効率なため,第3熱交換器(242)のような第2熱媒対空気熱交換器を用いているので,空調システムの効率化が図れる。さらにまた,気液直接接触型の第4熱交換器(244)を建物の空調単位に対応させて設けるので,熱源として,非空調室からの排気や空調空間を温調した後の還気などの熱源用空気を利用することができる。さらに,請求項1の熱源装置によれば,設備の標準化を容易に図れ,設備設計や施工の効率化に寄与する。また空調単位ごとにヒートポンプ(210)と気液直接接触型の第4熱交換器(244)を設置するため,熱源が分散され,各負荷の要求への対応が容易である。さらに熱源水の搬送も空調単位で行うので,熱源搬送動力の軽減も図れる。また,ヒートポンプ内の熱媒とは異なる熱媒により冷温熱を搬送する二次冷媒方式を採用するため,熱源の維持管理が容易で,計装配線などの工事も容易になり,しかも負荷側のリニューアルにも対応が容易である。そして,フロン漏洩のおそれも少ない。
【0056】
さらに、請求項2に記載のように、第3熱交換器(242)および第4熱交換器(244)は、建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気を熱源として利用するように構成すれば、生成させた熱を以降の熱の生成のために再利用でき、より省エネルギーで効率的なシステムを構築できる。
【0057】
さらにまた、請求項3の熱源装置によれば、負荷(100)側で要求される空調負荷要求にヒートポンプの能力が一致する場合、現在循環している第2熱媒および熱源水の還液温度で十分に運転できる時点では、第2熱媒および/または熱源水に排熱系(気液直接接触型の第4熱交換器(244)および/または第2熱媒−空気熱交換用の第3熱交換器(242))を迂回させることにより、より省エネルギーの運転を行うことができる。また冬期など暖房と、場合によってはそれに加えて給湯の負荷と冷房の負荷が拮抗している場合も同様の省エネルギー運転を行うことができる。さらに暖房や給湯の負荷と冷房負荷が同時に存在するときに、迂回路への通液量を制御することにより負荷側の期待する温度の熱媒をヒートポンプ(210)を安定的に運転しながら送液できる。すなわち、ヒートポンプの能力と熱負荷との差を、冷熱・温熱それぞれについて解消できる。例えば、一方の負荷が勝っているときには、排熱部の当該熱交換器を利用し、還液温度がヒートポンプの安定運転に十分な場合には、迂回路を利用する。これにより熱媒供給のためのポンプをインバータ制御するなどの必要がなくなる。
【0058】
さらに、請求項4に記載の熱回収装置によれば、還気は最初に乾式熱交換器(242)と熱交換されので(気流が冷却される)、気液直接接触型熱交換器(244)での熱交換効率が良好になる。また、熱負荷の変動にかかわらず、熱媒の供給温度を所望のものに制御するに際し、この熱回収装置への熱媒の流量制御により、還液温度を調整できる。従って、従来の装置のようにポンプをインバータ制御するなどの措置は不要となる。さらに、この熱回収装置によれば、機器の示す設置スペースが小さく、還気(排気)ダクトのダクト経路が簡素化される。また計装配線や熱媒配管なども集約することができる。
【0059】
さらにまた、請求項5に記載の熱供給方法によれば、建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気を熱源として利用するので、見かけ上熱源を必要としない、より省エネルギーな空調システムを構築することができる。ポンプにインバータを介装するなどの格別の設備を要することなく、熱負荷の変動に対応した所望の熱を供給することができる。また還液温度を計測して、これを一体にすべく制御するので、システムの維持管理も容易である。さらに、排熱部の熱交換器への熱源用空気は、温度の安定した室内空調空気の還気を利用するので、排熱量を容易に制御でき、熱負荷が低いときなどに熱供給の温度の安定に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる熱源装置を備えた個別空調システムの第1実施例の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す個別空調システムの運転制御(冷房運転のみ)を説明するフローチャートである。
【図3】図1に示す個別空調システムの運転制御(暖房運転のみ)を説明するフローチャートである。
【図4】図1に示す個別空調システムの運転制御(冷暖房同時負荷運転)を説明するフローチャートの第1の部分である。
【図5】図1に示す個別空調システムの運転制御(冷暖房同時負荷運転)を説明するフローチャートの第2の部分である。
【図6】本発明にかかる熱源装置を備えた個別空調システムの第2実施例の概略構成を示す構成図である。
【図7】本発明にかかる熱源装置を備えた個別空調システムの第3実施例の概略構成を示す構成図である。
【符号の説明】
100 負荷
200 熱源装置
210 ヒートポンプ部
214 圧縮機
216 第1熱媒−第2熱媒熱交換器
218 第1熱媒−熱源水熱交換器
220 膨張弁
240 排熱部
242 第2熱媒−空気熱交換器
244 気液直接接触熱交換器
246 送気ファン
260 循環系
262 第2熱媒循環系
262a 第1循環手段
262b 第1迂回路
264 熱源水循環系
264a 第2循環手段
264b 第2迂回路

Claims (5)

  1. 蒸発器として機能する第1熱交換器と凝縮器として機能する第2熱交換器と圧縮機と減圧装置とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプと,負荷側に温熱および/または冷熱を供給する循環系とを少なくとも備えた熱源装置において:
    前記第1熱交換器および前記第2熱交換器により生じた温熱および冷熱を負荷側に供給するために,前記循環系は,第1循環手段により第2熱媒を循環させ負荷側に温熱または冷熱を供給する第2熱媒循環系と,第2循環手段により熱源水を循環させ負荷側に温熱または冷熱を供給する熱源水循環系とから成り;
    前記第1熱交換器は,第1熱媒と第2熱媒との熱交換を行う熱交換器であり;
    前記第2熱交換器は,第1熱媒と熱源水との熱交換を行う熱交換器であり;
    前記第2熱媒循環系には,第2熱媒と空気との熱交換を行うことで該第2熱媒に生じた余剰熱を排熱する第3熱交換器が介装され;
    前記熱源水循環系には,前記熱源水と空気との熱交換を行うことで該熱源水に生じた余剰熱を排熱する気液直接接触型の第4熱交換器が介装され;
    さらに,建物の空調単位に対応させて前記ヒートポンプと,前記第3熱交換器および前記第4熱交換器とが設置され,前記負荷側に供給された前記第2熱媒の還液は前記第3熱交換器に供給され,前記負荷側に供給された前記熱源水の還液は前記第4熱交換器に供給され,かつ前記第3熱交換器および/または第4熱交換器は前記供給された還液を熱交換することを特徴とする,熱源装置。
  2. 蒸発器として機能する第1熱交換器と凝縮器として機能する第2熱交換器と圧縮機と減圧装置とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプと,負荷側に温熱および/または冷熱を供給する循環系とを少なくとも備えた熱源装置において:
    前記第1熱交換器および前記第2熱交換器により生じた温熱および冷熱を負荷側に供給するために,前記循環系は,第1循環手段により第2熱媒を循環させ負荷側に温熱または冷熱を供給する第2熱媒循環系と,第2循環手段により熱源水を循環させ負荷側に温熱または冷熱を供給する熱源水循環系とから成り;
    前記第1熱交換器は,第1熱媒と第2熱媒との熱交換を行う熱交換器であり;
    前記第2熱交換器は,第1熱媒と熱源水との熱交換を行う熱交換器であり;
    前記第2熱媒循環系には,第2熱媒と空気との熱交換を行うことで該第2熱媒に生じた余剰熱を排熱する第3熱交換器が介装され;
    前記熱源水循環系には,前記熱源水と空気との熱交換を行うことで該熱源水に生じた余剰熱を排熱する気液直接接触型の第4熱交換器が介装され;
    前記第3熱交換器および前記第4熱交換器は,建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気を熱源として利用し,前記第3熱交換器は,前記負荷側からの還液である前記第2熱媒と前記還気との熱交換で生じた余剰熱を排熱するとともに,前記第4熱交換器は,前記負荷側からの還液である前記熱源水と前記還気との熱交換で生じた余剰熱を排熱することを特徴とする,熱源装置。
  3. 前記第2熱媒循環系は,前記第3熱交換器を選択的に迂回する第1迂回路を備え,前記熱源水循環系は,前記第4熱交換器を選択的に迂回する第2迂回路を備えていることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の熱源装置。
  4. 蒸発器として機能する第1熱交換器と凝縮器として機能する第2熱交換器と圧縮機と減圧装置とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプを用いて供給される冷熱媒と温熱媒を空調空間からの還気と熱交換する装置であって,前記負荷側からの還液である冷熱媒を乾式熱交換器により熱交換し,前記負荷側からの還液である温熱媒を気液直接接触型熱交換器により熱交換し,前記乾式熱交換器を前記気液直接接触型熱交換器よりも還気気流の上流側に前記気液直接接触型熱交換器と一体的に配置したことを特徴とする,熱回収装置。
  5. 蒸発器として機能する第1熱交換器と凝縮器として機能する第2熱交換器と圧縮機と減圧装置とを少なくとも備え第1熱媒が循環するヒートポンプを用い,第1熱媒と熱交換された第2熱媒および/または熱源水により負荷側に温熱および/または冷熱を供給する熱供給方法であって,
    前記負荷側に供給された前記第2熱媒および/または熱源水の還液は,建物に取り入れた取り入れ外気量以下の空調空間からの還気と熱交換されて,さらに所定の温度に調整されて,前記ヒートポンプに導かれることを特徴とする,熱供給方法。
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