JP3582100B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンの運転状態に応じて目標空燃比を変更するエンジンの空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの燃費を向上させる手段として、燃焼室内の成層化や燃料噴射時期の調整による燃料の気化・霧化の促進を行って燃焼性を高めながら、特定運転領域において理論空燃比よりもリーン側の空燃比で希薄燃焼を行うものが知られている。さらに近年は、エンジンの運転状態に応じて複数種の目標空燃比を設定し、この目標空燃比と酸素センサの検出結果(すなわち実際の空燃比)との偏差に基づきフィードバック制御する装置も数々提供されるに至っている。
【0003】
ところが、このように酸素センサ等を用いて燃料フィードバック制御を行う装置では、目標空燃比が例えば図8の実線80に示すようにリーン側からリッチ側へ瞬時に変化するのに伴って燃料噴射量を増加させても、酸素センサの出力には、同図一点鎖線82に示すようなむだ時間要素(燃料噴射量を増加させたことが酸素センサに影響を及ぼすまでのロスタイムにかかる要素;期間A1)と、一次遅れ要素(上記影響が酸素センサに及んでからこれに酸素センサが反応して実際に出力が変化するまでのロスタイムにかかる要素;期間A2)とによる応答遅れが発生するため、この期間中に上記酸素センサ出力を拾うとこれに基づいて過多のフィードバック補正量を設定することになり、図8二点鎖線84に示すように実際の空燃比を余分にリッチ側へはみ出させてしまうおそれがある。このような過度のフィードバック補正を回避する手段として、フィードバックゲインを小さく設定することが考えられるが、このようにフィードバックゲインを設定すると、目標空燃比が一定の通常状態におけるフィードバック応答性を害してしまうおそれが生じる。
【0004】
そこで、特開昭62−251441号公報には、原目標空燃比に、上記酸素センサ等を含むフィードバック制御系の一次遅れ要素を加味するための応答遅れ処理を施し、このように処理を施した後の空燃比を実際の目標空燃比として設定するようにしたものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の装置において、上記フィードバック制御系の一次遅れ特性はエンジンの運転状態に応じて大きく変動し、また、酸素センサのばらつきや経年変化によっても変動するものであるため、このような一次遅れ特性を的確に加味して常に適切な目標空燃比を定めることは事実上困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、エンジンの空燃比制御装置において、簡単な構成で、空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正の発生を防ぐことができるエンジンの空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、運転状態に応じて複数種の目標空燃比を設定し、この目標空燃比に基づいて燃料噴射量の制御を行うエンジンの空燃比制御装置において、実際の空燃比に対応する値を検出する空燃比検出手段と、この空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を行う空燃比制御手段とを備えるとともに、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック制御のフィードバック補正量の増量は制限せずに当該フィードバック補正量の減量のみを制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック補正量の減量は制限せずに当該フィードバック補正量の増量のみを制限するように上記空燃比制御手段を構成したものである(請求項1)。
【0008】
ここで、上記燃料噴射量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いるように上記空燃比制御手段を構成することが、より好ましい(請求項2)。
【0009】
また、上記空燃比制御手段としては、目標空燃比の変更後上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量の増減を制限するものが好適である(請求項3)。
【0010】
【作用】
請求項1記載の装置によれば、空燃比検出手段により検出される実際の空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量がフィードバック制御されるとともに、上記目標空燃比の変更直後所定期間は上記目標空燃比の増減方向と同方向への上記フィードバック補正量の増減を制限することにより、上記空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正(すなわち目標空燃比の増減方向と同方向への過度のフィードバック補正)が防がれる一方、上記目標空燃比の変更直後であっても、上記目標空燃比の増減方向と逆方向へのフィードバック補正量の増減は制限されないので、上記空燃比検出手段の応答遅れとは関係のない方向へのフィードバック補正は実行される。また、目標空燃比が変更されてからしばらくした後はフィードバック補正量の制限が解除されるため、目標空燃比が一定の通常状態における燃料フィードバック特性も良好に維持される。
【0011】
具体的には、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック制御のフィードバック補正量の増量は制限せずに当該フィードバック補正量の減量のみを制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック補正量の減量は制限せずに当該フィードバック補正量の増量のみを制限することにより、空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正が防がれる。
【0012】
ここで、請求項2記載の装置では、上記フィードバック補正量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いることにより、目標空燃比変更時よりも大きなフィードバック補正量が設定されることが防止され、よって過度のフィードバック補正が防がれる。
【0013】
また、請求項3記載の装置では、目標空燃比が変更された後、上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量が制限され、この期間の経過後はフィードバック補正量の制限が解除される。
【0014】
【実施例】
まず、本発明とは別の実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すエンジンは、その本体1に複数の気筒を有し、各気筒の燃焼室2には、吸気ポート4および排気ポート5が開口している。吸気ポート4及び排気ポート5にはこれを開閉する吸気弁6および排気弁7が設けられ、上記燃焼室2の頂部には点火プラグ8が設けられている。
【0016】
このエンジンの吸気通路9は上記吸気ポート4に通じ、この吸気通路9には吸入空気量を検出するエアフローメータ11、アクセル操作に応じて作動するスロットル弁12、及び燃料噴射弁13が設けられている。
【0017】
排気ポート5には排気通路10が通じている。この排気通路10には触媒装置15が設けられ、その上流に、空燃比検出手段としてリニアO2 センサ14が設けられている。このリニアO2 センサ14は、空燃比に対応する排気ガス中の酸素濃度に応じて出力が略リニアに変化するものである。
【0018】
上記点火プラグ8には、ディストリビュータ16および点火コイル17が接続され、上記ディストリビュータ16には、クランク角センサ18及び気筒判別センサ19が設けられている。上記クランク角センサ18は一定クランク角毎にクランク角信号を出力し、気筒判別センサ19は上記クランク角センサ18の出力のオンオフと一定の相対関係を保ってオンオフするように構成されており、これらのセンサ18,19の出力により気筒判別が可能とされ、またクランク角センサ18の出力からエンジン回転数が検出可能とされている。
【0019】
上記エアフローメータ11をはじめとする各センサ類の出力信号は、マイクロコンピュータ等からなるECU(エンジン制御用のコントロールユニット;空燃比制御手段)20に入力されるようになっている。このECU20は、各気筒の燃料噴射弁13に噴射パルス信号を出力し、そのパルス幅に相当する時間だけ燃料噴射弁13を開弁させるように構成されており、従ってこの噴射パルスのパルス幅が燃料噴射量に対応し、噴射パルス出力のタイミングが噴射タイミングとなっている。
【0020】
より具体的に、上記ECU20は、図1に示すような要求噴射量演算手段21、トレーリング噴射可能量演算手段22、判別手段23、及び燃料噴射制御手段24を備えている。
【0021】
上記要求噴射量演算手段21は、運転状態に応じた要求燃料噴射量、例えばエアフローメータ11および回転数センサ19等からの信号に基づいて所定空燃比が得られるような噴射量を演算する。この実施例では、図5に示すように、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷Peがそれぞれ一定値N1,P1未満の低速低負荷領域(例えばアイドル領域)では目標空燃比を理論空燃比(第2の空燃比)とし(すなわち空気過剰率λを1とし)、エンジン回転数Neが一定値N2(>N1)以上もしくはエンジン負荷Peが一定値P2(>P1)以上の高速または高負荷領域では、目標空燃比を理論空燃比よりも低い第3の空燃比とし(すなわち空気過剰率λを1よりも小さくし)、上記第2の領域と第3の領域とに挾まれた中間領域では、目標空燃比を上記理論空燃比よりも高い第1の空燃比とする(すなわち空気過剰率λを1よりも大きくする)とともに、この目標空燃比と上記リニアO2 センサ14により検出される実際の空燃比との偏差に基づいてフィードバック補正することにより要求燃料噴射量を求めるように構成されている。なお、その具体的な演算動作については後述する。
【0022】
トレーリング噴射可能量演算手段22は、後に詳述するようにトレーリング側噴射タイミングによる噴射可能な量を演算するものである。両演算手段21,22による演算は、リーディング側噴射タイミングでの噴射量を演算するリーディング側噴射量演算時に行われ、上記要求燃料噴射量とトレーリング噴射可能量との大小が判別手段23により判別される。
【0023】
燃料噴射制御手段24は、リーディング側およびトレーリング側の2回の噴射タイミングを設定するとともに、各噴射タイミングでの燃料噴射量を制御するものであり、特に、上記要求燃料噴射量が上記噴射可能量以下のときにはトレーリング側噴射タイミングによる燃料噴射のみ行い、上記要求燃料噴射量が上記噴射可能量より大きいときにはリーディング側噴射タイミングとトレーリング側噴射タイミングとに分割して燃料噴射を行う。
【0024】
次に、このECU20の行う具体的な空燃比制御動作を説明する。
【0025】
図3のフローチャートに示すように、まず各種信号を取込み(ステップS1)、吸入空気量等に応じて要求噴射量Taを演算する(ステップS2)。この要求噴射量Taは、前記図5に示した目標空燃比が理論上得られるような基本噴射量にフィードバック補正を施すことにより求められ、そのフィードバック補正量は、上記目標空燃比と、リニアO2センサにより検出される実際の空燃比との偏差に基づいて算出される。その演算内容については後に詳述する。
【0026】
次に、トレーリング噴射可能量Tapを演算する(ステップS3)。このトレーリング噴射可能量Tapは、予め設定されているトレーリング側噴射の噴射開始角C1および許容最大噴射終了角C2と、クランク角180°毎のクランク角信号の周期Tsgとから、クランク角によるトレーリング噴射可能な期間(C2−C1)をパルス幅(時間)に換算し、かつバッテリー電圧に応じた無効噴射時間Tvを減じることにより求める。すなわち、このトレーリング噴射可能量Tapは次式で与えられる。
【数1】
Tap=Tsg×(C2−C1)/180−Tv
【0027】
次に、リーディング要求噴射量Talを演算する(ステップS4)。このリーディング要求噴射量Talは、上記要求噴射量Taからトレーリング噴射可能量Tapを差し引いた量(Ta−Tap)と0とのうちの大きい方を選択する。つまり、上記要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより大きい場合はその差をリーディング要求噴射量Talとし、上記要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより小さい場合はリーディング要求噴射量Talを0とする。
【0028】
このリーディング要求噴射量Talが0より大きい場合(ステップS5でYES)、リーディング要求噴射量Talに無効時間Tvを加えた値をリーディング噴射のパルス幅Tilとし(ステップS6)、リーディング側噴射タイミングを燃料噴射時期に設定する。上記リーディング要求噴射量Talが0の場合(ステップS5でNO)は、リーディング噴射のパルス幅Tilを0とする(ステップS7)。
【0029】
次に、トレーリング要求噴射量Tatを求める(ステップS8)。このトレーリング要求噴射量Tatは、要求噴射量Taからリーディング要求噴射量Talを減じた値である。従って、要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより小さいとき(Til=0とするとき)には要求噴射量Taをトレーリング要求噴射量Tatとし、要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより大きいときはトレーリング噴射可能量Tapをトレーリング要求噴射量Tatとする。
【0030】
このトレーリング要求噴射量Tatが前記トレーリング噴射可能量Tapより小さい場合(ステップS9でYES)には、トレーリング要求噴射量Tatに無効時間Tvを加えた値をトレーリング側噴射のパルス幅Titとし(ステップS10)、トレーリング要求噴射量Tatが前記トレーリング噴射可能量Tap以上の場合(ステップS9でNO)には、トレーリング噴射可能量Tapに無効時間Tvを加えた値をトレーリング側噴射のパルス幅Titとする(ステップS10´)。
【0031】
以上の内容をタイムチャートに示すと図4のようになる。なお、本発明ではこのように燃料噴射時期を2回に分割するものに限らず、1回で全必要量を噴射するものであってもよい。
【0032】
次に、上記ステップS2におけるフィードバック補正量の演算内容を図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、同図においてKはサンプル番号であり、このサンプル番号Kは所定のサンプリング周期が経過する度に1ずつ更新される。
【0033】
まず、エンジンの運転状態に基づいて設定される目標空燃比 caf(K)と、リニアO2センサ14により検出される空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)(= caf(K)−lafs(K))を演算する(ステップS11)。
【0034】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の比例要素cfbp(K)=Kp×daf(K)を演算する(ステップS12)。ここでKpは比例ゲインである。
【0035】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の積分要素 cfbi(K)=cfbi(K-1)+Ki×clip(daf(K),−α,α)を演算する(ステップS13)。ここで、Kiは積分ゲイン、「clip(daf(K),−α,α)」はdaf(K)を下限値−α(α>0)及び上限値αでクリップした値であり、具体的にdaf(K)>αの場合にはclip(daf(K),−α,α)=α、−α≦daf(K)≦αの場合にはclip(daf(K),−α,α)=daf(K)、clip(daf(K),−α,α)=daf(K)<−αの場合には−αとなる。すなわち、この積分要素は偏差に応じた値を前回値に加算することにより求められ、しかもこの実施例では、上記加算値が所定の範囲でクリップされる。
【0036】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の微分要素(偏差の変化に応じた値)cfbd(K)=Kd×(daf(K)−daf(K-1))を演算する(ステップS14)。ここでKdは微分ゲインである。
【0037】
そして、上記ステップS12〜14で求められた各要素に基づき、最終的なフィードバック補正量cfb(K)=cfbp(K)+cfbi(K)+cfbd(K)を求める(ステップS15)。以上の演算動作をサンプル番号Kが更新される度に(すなわち一定のサンプリング周期が経過する度に)行い、これによって求めたフィードバック補正量cfb(K)を基本噴射量に加算することにより、燃料の要求噴射量のフィードバック補正を実行する。
【0038】
以上のように、この装置では、エンジンの運転状態に基づいて設定される目標空燃比 caf(K)と、リニアO2センサ14により検出される空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)に基づいて要求噴射量のフィードバック制御を行う際、そのフィードバック補正量の積分要素cfbi(K)の加算値に対応する偏差daf(K)を制限値−α,αでクリップしているため、運転状態に応じて目標空燃比が瞬時に変更された後、上記偏差daf(K)が−α≦daf(K)≦αの範囲に収まるまでの期間は上記クリップの分だけフィードバック補正量cfb(K)が制限されることになる。このため、上記目標空燃比変更の際にリニアO2センサ14の出力に前記図8の一点鎖線82で示したような応答遅れが生じても、これに起因して同図二点鎖線84に示すように過度のフィードバック補正がなされることが防がれ、簡単な構成で、より適切な燃料フィードバック制御が実現される。しかも、上記偏差daf(K)が−α≦daf(K)≦αの範囲に収まった後はフィードバック補正の制限が解除されるため、この期間では従来と同様に良好なフィードバック特性が確保される。
【0039】
なお、この実施例では、フィードバック補正を制限する「所定期間」として、偏差daf(K)が一定以上である期間を設定しているが、これに代え、目標空燃比が変更されてから予め定められた一定期間が経過した後にフィードバック補正の制限を解除するようにしてもよい。ただし、上記のように偏差daf(K)が一定以上の期間だけフィードバック補正の制限を行うようにすれば、目標空燃比の度合に応じたフィードバック補正制限期間を設定することができる利点がある。
【0040】
次に、本発明に係る実施例を説明する。
【0041】
この実施例では、前記図6に示したフローチャートに代え、図7のフローチャートに示されるようなフィードバック補正量cfb(K)の演算が実行される。
【0042】
まず、前記実施例のステップS1と同様、目標空燃比 caf(K)とリニアO2センサ14による検出空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)(= caf(K)−lafs(K))を演算する(ステップS21)。
【0043】
次に、目標空燃比 caf(K)に基づき、リニアO2センサ14の出力のモデル値(理論的に推測される値)を演算する(ステップS22)。このモデル値は次に示すモデル式を用いて演算する。
【数2】
cafm(K)=Km×cafm(K-1)+(1−Km)・caf(K-7)
【0044】
ここで、Kmは0<Km<1の範囲で予め設定されたフィルタ定数である。この式は、理論空燃比の変更に伴うリニアO2センサ14の応答についてのむだ時間がサンプリング周期のほぼ7倍に相当することを前提とし、7回前に設定されている理論空燃比caf(K-7)と前回求めたモデル値cafm(K-1)とを適当な配分で加算することにより、今回のモデル値cafm(K)を求めんとするものである。
【0045】
そして、上記目標空燃比caf(K)と、上記出力モデル値cafm(K)との偏差 dcaf(K)=caf(K)−cafm(K)を演算する(ステップS23)。
【0046】
このモデル偏差dcaf(K)が予め設定された上限値α(>0)よりも大きい場合(ステップS24でYES)、すなわち、出力モデル値cafm(K)が目標空燃比caf(K)に対して一定以上の度合でリッチ気味にある場合には、フィードバック補正量の増加を制限するべくフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を正の整数(フローチャート例では+5)に設定する(ステップS25)。逆に、上記偏差dcaf(K)が予め設定された下限値−αよりも大きい場合(ステップS26でYES)、すなわち、出力モデル値cafm(K)が目標空燃比caf(K)に対して一定以上の度合でリーン気味にある場合には、フィードバック補正量の減少を制限するべくフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を負の整数(フローチャート例では−5)に設定する(ステップS27)。
【0047】
従って、目標空燃比を増加方向に変更した直後は原則として上記ステップS24に該当し、逆に目標空燃比を増加方向に変更した直後は原則として上記ステップS26に該当することになる。
【0048】
フィードバック補正量ホールドタイマ cfbhld(K)を正の整数(フローチャート例では+5)に設定した場合において、上記モデル偏差dcaf(K)が一定値β(0<β<α)まで低下した場合には(ステップS28でYES)、上記フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を1ずつ減少させる(ステップS29)。逆に、フィードバック補正量ホールドタイマ cfbhld(K)を負の整数(フローチャート例では−5)に設定した場合において、上記モデル偏差dcaf(K)が一定値−βまで増加した場合には(ステップS30でYES)、上記フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)をサンプリング周期経過毎に1ずつ増加させる(ステップS32)。すなわち、モデル偏差dcaf(K)が−β以上β以下の範囲内に収まるまではフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を初期値に維持し、上記範囲内に収まった時点からフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)の絶対値を1ずつカウントダウンする。
【0049】
そして、このフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が正でかつ実際の偏差 daf(K)が0以上である場合、あるいは、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が負でかつ実際の偏差 daf(K)が0以下である場合には(ステップS33)、今回のフィードバック補正量cfb(K)を前回のフィードバック補正量cfb(K-1)に維持し、それ以上フィードバック補正値cfb(K)を増減させないようにする(ステップS34)。これに対し、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が切れて0である場合、または、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0より大きくても実際の偏差 daf(K)が負である場合、あるいはフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0より小さくても実際の偏差 daf(K)が正である場合には(ステップS33でNO)、次式に基づいてフィードバック補正量cfb(K)を演算する(ステップS35)。
【数3】
cfbp(K)=Kp×daf(K)
【0050】
cfbi(K)=cfbi(K-1)+Ki・dcaf(K)
【0051】
cfbd(K)=Kd×(daf(K)−daf(K-1))
【0052】
cfb(K)=cfbp(K)+cfbi(K)+cfbd(K)
【0053】
以上のように、この実施例では、目標空燃比の変更により偏差がプラス方向に一定以上大きくなった場合(すなわち目標空燃比がリーン側に変更された場合)、その後所定期間(フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0までカウントダウンされていない間)は噴射量を減少させる方向のフィードバック補正量の増加を規制し、逆に目標空燃比の変更により偏差がマイナス方向に一定以上大きくなった場合(すなわち目標空燃比がリッチ側に変更された場合)には、しばらくの間は噴射量を増加させる方向のフィードバック補正量の増加を規制しているので、応答遅れに起因して過度のフィードバック補正が実行されるのを防ぐことができる。しかも、上記目標空燃比の増減方向と逆方向に偏差が発生した場合には、フィードバック補正を規制することなく、適正な制御を確保することができる。また、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が切れた後はフィードバック補正の制限を解除するので、従来と同様の良好なフィードバック制御特性を確保することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば次の効果を得ることができる。
【0055】
請求項1記載の装置では、空燃比検出手段により検出される実際の空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御するとともに、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後は上記フィードバック補正量の減量を制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後は上記フィードバック補正量の増量を制限するようにしているので、上記空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正(すなわち目標空燃比の増減方向と同方向への過度のフィードバック補正)を防ぐ一方、上記目標空燃比の変更直後であっても上記目標空燃比の増減方向と逆方向へのフィードバック補正量の増減は制限しないことにより、上記空燃比検出手段の応答遅れとは関係のない方向へのフィードバック制御は維持してより適正な空燃比のフィードバック制御を行うことができる。また、目標空燃比が変更されてからしばらくした後はフィードバック補正量の制限を解除することにより、目標空燃比が一定の通常状態における燃料フィードバック特性も良好に維持することができる。
【0056】
ここで、請求項2記載の装置では、上記フィードバック補正量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いるようにしているので、目標空燃比変更時よりも大きなフィードバック補正量が設定されることをより確実に防止し、過度のフィードバック補正を防ぐことができる。
【0057】
また、請求項3記載の装置では、目標空燃比が変更された後、上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量の増減を制限するようにしているので、フィードバック補正の制限期間を実際の目標空燃比の変更度合に応じた期間に合せることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明とは別の実施例におけるエンジンの全体構成図である。
【図2】上記エンジンに装備されたECUの機能構成を示すブロック図である。
【図3】上記ECUにより行われる要求噴射量演算動作を示すフローチャートである。
【図4】上記要求噴射量の設定内容を説明するためのタイムチャートである。
【図5】上記ECUにより設定される目標空燃比とエンジンの運転領域との関係を示すグラフである。
【図6】上記ECUにより行われるフィードバック補正量の演算動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例において行われるフィードバック補正量の演算動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の空燃比制御装置における目標空燃比の変化とリニアO2センサの出力信号と実際の空燃比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 燃焼室
13 燃料噴射弁
14 リニアO2センサ
20 ECU(空燃比制御手段)
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンの運転状態に応じて目標空燃比を変更するエンジンの空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの燃費を向上させる手段として、燃焼室内の成層化や燃料噴射時期の調整による燃料の気化・霧化の促進を行って燃焼性を高めながら、特定運転領域において理論空燃比よりもリーン側の空燃比で希薄燃焼を行うものが知られている。さらに近年は、エンジンの運転状態に応じて複数種の目標空燃比を設定し、この目標空燃比と酸素センサの検出結果(すなわち実際の空燃比)との偏差に基づきフィードバック制御する装置も数々提供されるに至っている。
【0003】
ところが、このように酸素センサ等を用いて燃料フィードバック制御を行う装置では、目標空燃比が例えば図8の実線80に示すようにリーン側からリッチ側へ瞬時に変化するのに伴って燃料噴射量を増加させても、酸素センサの出力には、同図一点鎖線82に示すようなむだ時間要素(燃料噴射量を増加させたことが酸素センサに影響を及ぼすまでのロスタイムにかかる要素;期間A1)と、一次遅れ要素(上記影響が酸素センサに及んでからこれに酸素センサが反応して実際に出力が変化するまでのロスタイムにかかる要素;期間A2)とによる応答遅れが発生するため、この期間中に上記酸素センサ出力を拾うとこれに基づいて過多のフィードバック補正量を設定することになり、図8二点鎖線84に示すように実際の空燃比を余分にリッチ側へはみ出させてしまうおそれがある。このような過度のフィードバック補正を回避する手段として、フィードバックゲインを小さく設定することが考えられるが、このようにフィードバックゲインを設定すると、目標空燃比が一定の通常状態におけるフィードバック応答性を害してしまうおそれが生じる。
【0004】
そこで、特開昭62−251441号公報には、原目標空燃比に、上記酸素センサ等を含むフィードバック制御系の一次遅れ要素を加味するための応答遅れ処理を施し、このように処理を施した後の空燃比を実際の目標空燃比として設定するようにしたものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報の装置において、上記フィードバック制御系の一次遅れ特性はエンジンの運転状態に応じて大きく変動し、また、酸素センサのばらつきや経年変化によっても変動するものであるため、このような一次遅れ特性を的確に加味して常に適切な目標空燃比を定めることは事実上困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、エンジンの空燃比制御装置において、簡単な構成で、空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正の発生を防ぐことができるエンジンの空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、運転状態に応じて複数種の目標空燃比を設定し、この目標空燃比に基づいて燃料噴射量の制御を行うエンジンの空燃比制御装置において、実際の空燃比に対応する値を検出する空燃比検出手段と、この空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を行う空燃比制御手段とを備えるとともに、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック制御のフィードバック補正量の増量は制限せずに当該フィードバック補正量の減量のみを制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック補正量の減量は制限せずに当該フィードバック補正量の増量のみを制限するように上記空燃比制御手段を構成したものである(請求項1)。
【0008】
ここで、上記燃料噴射量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いるように上記空燃比制御手段を構成することが、より好ましい(請求項2)。
【0009】
また、上記空燃比制御手段としては、目標空燃比の変更後上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量の増減を制限するものが好適である(請求項3)。
【0010】
【作用】
請求項1記載の装置によれば、空燃比検出手段により検出される実際の空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量がフィードバック制御されるとともに、上記目標空燃比の変更直後所定期間は上記目標空燃比の増減方向と同方向への上記フィードバック補正量の増減を制限することにより、上記空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正(すなわち目標空燃比の増減方向と同方向への過度のフィードバック補正)が防がれる一方、上記目標空燃比の変更直後であっても、上記目標空燃比の増減方向と逆方向へのフィードバック補正量の増減は制限されないので、上記空燃比検出手段の応答遅れとは関係のない方向へのフィードバック補正は実行される。また、目標空燃比が変更されてからしばらくした後はフィードバック補正量の制限が解除されるため、目標空燃比が一定の通常状態における燃料フィードバック特性も良好に維持される。
【0011】
具体的には、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック制御のフィードバック補正量の増量は制限せずに当該フィードバック補正量の減量のみを制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック補正量の減量は制限せずに当該フィードバック補正量の増量のみを制限することにより、空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正が防がれる。
【0012】
ここで、請求項2記載の装置では、上記フィードバック補正量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いることにより、目標空燃比変更時よりも大きなフィードバック補正量が設定されることが防止され、よって過度のフィードバック補正が防がれる。
【0013】
また、請求項3記載の装置では、目標空燃比が変更された後、上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量が制限され、この期間の経過後はフィードバック補正量の制限が解除される。
【0014】
【実施例】
まず、本発明とは別の実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すエンジンは、その本体1に複数の気筒を有し、各気筒の燃焼室2には、吸気ポート4および排気ポート5が開口している。吸気ポート4及び排気ポート5にはこれを開閉する吸気弁6および排気弁7が設けられ、上記燃焼室2の頂部には点火プラグ8が設けられている。
【0016】
このエンジンの吸気通路9は上記吸気ポート4に通じ、この吸気通路9には吸入空気量を検出するエアフローメータ11、アクセル操作に応じて作動するスロットル弁12、及び燃料噴射弁13が設けられている。
【0017】
排気ポート5には排気通路10が通じている。この排気通路10には触媒装置15が設けられ、その上流に、空燃比検出手段としてリニアO2 センサ14が設けられている。このリニアO2 センサ14は、空燃比に対応する排気ガス中の酸素濃度に応じて出力が略リニアに変化するものである。
【0018】
上記点火プラグ8には、ディストリビュータ16および点火コイル17が接続され、上記ディストリビュータ16には、クランク角センサ18及び気筒判別センサ19が設けられている。上記クランク角センサ18は一定クランク角毎にクランク角信号を出力し、気筒判別センサ19は上記クランク角センサ18の出力のオンオフと一定の相対関係を保ってオンオフするように構成されており、これらのセンサ18,19の出力により気筒判別が可能とされ、またクランク角センサ18の出力からエンジン回転数が検出可能とされている。
【0019】
上記エアフローメータ11をはじめとする各センサ類の出力信号は、マイクロコンピュータ等からなるECU(エンジン制御用のコントロールユニット;空燃比制御手段)20に入力されるようになっている。このECU20は、各気筒の燃料噴射弁13に噴射パルス信号を出力し、そのパルス幅に相当する時間だけ燃料噴射弁13を開弁させるように構成されており、従ってこの噴射パルスのパルス幅が燃料噴射量に対応し、噴射パルス出力のタイミングが噴射タイミングとなっている。
【0020】
より具体的に、上記ECU20は、図1に示すような要求噴射量演算手段21、トレーリング噴射可能量演算手段22、判別手段23、及び燃料噴射制御手段24を備えている。
【0021】
上記要求噴射量演算手段21は、運転状態に応じた要求燃料噴射量、例えばエアフローメータ11および回転数センサ19等からの信号に基づいて所定空燃比が得られるような噴射量を演算する。この実施例では、図5に示すように、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷Peがそれぞれ一定値N1,P1未満の低速低負荷領域(例えばアイドル領域)では目標空燃比を理論空燃比(第2の空燃比)とし(すなわち空気過剰率λを1とし)、エンジン回転数Neが一定値N2(>N1)以上もしくはエンジン負荷Peが一定値P2(>P1)以上の高速または高負荷領域では、目標空燃比を理論空燃比よりも低い第3の空燃比とし(すなわち空気過剰率λを1よりも小さくし)、上記第2の領域と第3の領域とに挾まれた中間領域では、目標空燃比を上記理論空燃比よりも高い第1の空燃比とする(すなわち空気過剰率λを1よりも大きくする)とともに、この目標空燃比と上記リニアO2 センサ14により検出される実際の空燃比との偏差に基づいてフィードバック補正することにより要求燃料噴射量を求めるように構成されている。なお、その具体的な演算動作については後述する。
【0022】
トレーリング噴射可能量演算手段22は、後に詳述するようにトレーリング側噴射タイミングによる噴射可能な量を演算するものである。両演算手段21,22による演算は、リーディング側噴射タイミングでの噴射量を演算するリーディング側噴射量演算時に行われ、上記要求燃料噴射量とトレーリング噴射可能量との大小が判別手段23により判別される。
【0023】
燃料噴射制御手段24は、リーディング側およびトレーリング側の2回の噴射タイミングを設定するとともに、各噴射タイミングでの燃料噴射量を制御するものであり、特に、上記要求燃料噴射量が上記噴射可能量以下のときにはトレーリング側噴射タイミングによる燃料噴射のみ行い、上記要求燃料噴射量が上記噴射可能量より大きいときにはリーディング側噴射タイミングとトレーリング側噴射タイミングとに分割して燃料噴射を行う。
【0024】
次に、このECU20の行う具体的な空燃比制御動作を説明する。
【0025】
図3のフローチャートに示すように、まず各種信号を取込み(ステップS1)、吸入空気量等に応じて要求噴射量Taを演算する(ステップS2)。この要求噴射量Taは、前記図5に示した目標空燃比が理論上得られるような基本噴射量にフィードバック補正を施すことにより求められ、そのフィードバック補正量は、上記目標空燃比と、リニアO2センサにより検出される実際の空燃比との偏差に基づいて算出される。その演算内容については後に詳述する。
【0026】
次に、トレーリング噴射可能量Tapを演算する(ステップS3)。このトレーリング噴射可能量Tapは、予め設定されているトレーリング側噴射の噴射開始角C1および許容最大噴射終了角C2と、クランク角180°毎のクランク角信号の周期Tsgとから、クランク角によるトレーリング噴射可能な期間(C2−C1)をパルス幅(時間)に換算し、かつバッテリー電圧に応じた無効噴射時間Tvを減じることにより求める。すなわち、このトレーリング噴射可能量Tapは次式で与えられる。
【数1】
Tap=Tsg×(C2−C1)/180−Tv
【0027】
次に、リーディング要求噴射量Talを演算する(ステップS4)。このリーディング要求噴射量Talは、上記要求噴射量Taからトレーリング噴射可能量Tapを差し引いた量(Ta−Tap)と0とのうちの大きい方を選択する。つまり、上記要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより大きい場合はその差をリーディング要求噴射量Talとし、上記要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより小さい場合はリーディング要求噴射量Talを0とする。
【0028】
このリーディング要求噴射量Talが0より大きい場合(ステップS5でYES)、リーディング要求噴射量Talに無効時間Tvを加えた値をリーディング噴射のパルス幅Tilとし(ステップS6)、リーディング側噴射タイミングを燃料噴射時期に設定する。上記リーディング要求噴射量Talが0の場合(ステップS5でNO)は、リーディング噴射のパルス幅Tilを0とする(ステップS7)。
【0029】
次に、トレーリング要求噴射量Tatを求める(ステップS8)。このトレーリング要求噴射量Tatは、要求噴射量Taからリーディング要求噴射量Talを減じた値である。従って、要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより小さいとき(Til=0とするとき)には要求噴射量Taをトレーリング要求噴射量Tatとし、要求噴射量Taがトレーリング噴射可能量Tapより大きいときはトレーリング噴射可能量Tapをトレーリング要求噴射量Tatとする。
【0030】
このトレーリング要求噴射量Tatが前記トレーリング噴射可能量Tapより小さい場合(ステップS9でYES)には、トレーリング要求噴射量Tatに無効時間Tvを加えた値をトレーリング側噴射のパルス幅Titとし(ステップS10)、トレーリング要求噴射量Tatが前記トレーリング噴射可能量Tap以上の場合(ステップS9でNO)には、トレーリング噴射可能量Tapに無効時間Tvを加えた値をトレーリング側噴射のパルス幅Titとする(ステップS10´)。
【0031】
以上の内容をタイムチャートに示すと図4のようになる。なお、本発明ではこのように燃料噴射時期を2回に分割するものに限らず、1回で全必要量を噴射するものであってもよい。
【0032】
次に、上記ステップS2におけるフィードバック補正量の演算内容を図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、同図においてKはサンプル番号であり、このサンプル番号Kは所定のサンプリング周期が経過する度に1ずつ更新される。
【0033】
まず、エンジンの運転状態に基づいて設定される目標空燃比 caf(K)と、リニアO2センサ14により検出される空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)(= caf(K)−lafs(K))を演算する(ステップS11)。
【0034】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の比例要素cfbp(K)=Kp×daf(K)を演算する(ステップS12)。ここでKpは比例ゲインである。
【0035】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の積分要素 cfbi(K)=cfbi(K-1)+Ki×clip(daf(K),−α,α)を演算する(ステップS13)。ここで、Kiは積分ゲイン、「clip(daf(K),−α,α)」はdaf(K)を下限値−α(α>0)及び上限値αでクリップした値であり、具体的にdaf(K)>αの場合にはclip(daf(K),−α,α)=α、−α≦daf(K)≦αの場合にはclip(daf(K),−α,α)=daf(K)、clip(daf(K),−α,α)=daf(K)<−αの場合には−αとなる。すなわち、この積分要素は偏差に応じた値を前回値に加算することにより求められ、しかもこの実施例では、上記加算値が所定の範囲でクリップされる。
【0036】
次に、上記偏差daf(K)に基づき、フィードバック補正量の微分要素(偏差の変化に応じた値)cfbd(K)=Kd×(daf(K)−daf(K-1))を演算する(ステップS14)。ここでKdは微分ゲインである。
【0037】
そして、上記ステップS12〜14で求められた各要素に基づき、最終的なフィードバック補正量cfb(K)=cfbp(K)+cfbi(K)+cfbd(K)を求める(ステップS15)。以上の演算動作をサンプル番号Kが更新される度に(すなわち一定のサンプリング周期が経過する度に)行い、これによって求めたフィードバック補正量cfb(K)を基本噴射量に加算することにより、燃料の要求噴射量のフィードバック補正を実行する。
【0038】
以上のように、この装置では、エンジンの運転状態に基づいて設定される目標空燃比 caf(K)と、リニアO2センサ14により検出される空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)に基づいて要求噴射量のフィードバック制御を行う際、そのフィードバック補正量の積分要素cfbi(K)の加算値に対応する偏差daf(K)を制限値−α,αでクリップしているため、運転状態に応じて目標空燃比が瞬時に変更された後、上記偏差daf(K)が−α≦daf(K)≦αの範囲に収まるまでの期間は上記クリップの分だけフィードバック補正量cfb(K)が制限されることになる。このため、上記目標空燃比変更の際にリニアO2センサ14の出力に前記図8の一点鎖線82で示したような応答遅れが生じても、これに起因して同図二点鎖線84に示すように過度のフィードバック補正がなされることが防がれ、簡単な構成で、より適切な燃料フィードバック制御が実現される。しかも、上記偏差daf(K)が−α≦daf(K)≦αの範囲に収まった後はフィードバック補正の制限が解除されるため、この期間では従来と同様に良好なフィードバック特性が確保される。
【0039】
なお、この実施例では、フィードバック補正を制限する「所定期間」として、偏差daf(K)が一定以上である期間を設定しているが、これに代え、目標空燃比が変更されてから予め定められた一定期間が経過した後にフィードバック補正の制限を解除するようにしてもよい。ただし、上記のように偏差daf(K)が一定以上の期間だけフィードバック補正の制限を行うようにすれば、目標空燃比の度合に応じたフィードバック補正制限期間を設定することができる利点がある。
【0040】
次に、本発明に係る実施例を説明する。
【0041】
この実施例では、前記図6に示したフローチャートに代え、図7のフローチャートに示されるようなフィードバック補正量cfb(K)の演算が実行される。
【0042】
まず、前記実施例のステップS1と同様、目標空燃比 caf(K)とリニアO2センサ14による検出空燃比 lafs(K)との偏差daf(K)(= caf(K)−lafs(K))を演算する(ステップS21)。
【0043】
次に、目標空燃比 caf(K)に基づき、リニアO2センサ14の出力のモデル値(理論的に推測される値)を演算する(ステップS22)。このモデル値は次に示すモデル式を用いて演算する。
【数2】
cafm(K)=Km×cafm(K-1)+(1−Km)・caf(K-7)
【0044】
ここで、Kmは0<Km<1の範囲で予め設定されたフィルタ定数である。この式は、理論空燃比の変更に伴うリニアO2センサ14の応答についてのむだ時間がサンプリング周期のほぼ7倍に相当することを前提とし、7回前に設定されている理論空燃比caf(K-7)と前回求めたモデル値cafm(K-1)とを適当な配分で加算することにより、今回のモデル値cafm(K)を求めんとするものである。
【0045】
そして、上記目標空燃比caf(K)と、上記出力モデル値cafm(K)との偏差 dcaf(K)=caf(K)−cafm(K)を演算する(ステップS23)。
【0046】
このモデル偏差dcaf(K)が予め設定された上限値α(>0)よりも大きい場合(ステップS24でYES)、すなわち、出力モデル値cafm(K)が目標空燃比caf(K)に対して一定以上の度合でリッチ気味にある場合には、フィードバック補正量の増加を制限するべくフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を正の整数(フローチャート例では+5)に設定する(ステップS25)。逆に、上記偏差dcaf(K)が予め設定された下限値−αよりも大きい場合(ステップS26でYES)、すなわち、出力モデル値cafm(K)が目標空燃比caf(K)に対して一定以上の度合でリーン気味にある場合には、フィードバック補正量の減少を制限するべくフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を負の整数(フローチャート例では−5)に設定する(ステップS27)。
【0047】
従って、目標空燃比を増加方向に変更した直後は原則として上記ステップS24に該当し、逆に目標空燃比を増加方向に変更した直後は原則として上記ステップS26に該当することになる。
【0048】
フィードバック補正量ホールドタイマ cfbhld(K)を正の整数(フローチャート例では+5)に設定した場合において、上記モデル偏差dcaf(K)が一定値β(0<β<α)まで低下した場合には(ステップS28でYES)、上記フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を1ずつ減少させる(ステップS29)。逆に、フィードバック補正量ホールドタイマ cfbhld(K)を負の整数(フローチャート例では−5)に設定した場合において、上記モデル偏差dcaf(K)が一定値−βまで増加した場合には(ステップS30でYES)、上記フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)をサンプリング周期経過毎に1ずつ増加させる(ステップS32)。すなわち、モデル偏差dcaf(K)が−β以上β以下の範囲内に収まるまではフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)を初期値に維持し、上記範囲内に収まった時点からフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)の絶対値を1ずつカウントダウンする。
【0049】
そして、このフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が正でかつ実際の偏差 daf(K)が0以上である場合、あるいは、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が負でかつ実際の偏差 daf(K)が0以下である場合には(ステップS33)、今回のフィードバック補正量cfb(K)を前回のフィードバック補正量cfb(K-1)に維持し、それ以上フィードバック補正値cfb(K)を増減させないようにする(ステップS34)。これに対し、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が切れて0である場合、または、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0より大きくても実際の偏差 daf(K)が負である場合、あるいはフィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0より小さくても実際の偏差 daf(K)が正である場合には(ステップS33でNO)、次式に基づいてフィードバック補正量cfb(K)を演算する(ステップS35)。
【数3】
cfbp(K)=Kp×daf(K)
【0050】
cfbi(K)=cfbi(K-1)+Ki・dcaf(K)
【0051】
cfbd(K)=Kd×(daf(K)−daf(K-1))
【0052】
cfb(K)=cfbp(K)+cfbi(K)+cfbd(K)
【0053】
以上のように、この実施例では、目標空燃比の変更により偏差がプラス方向に一定以上大きくなった場合(すなわち目標空燃比がリーン側に変更された場合)、その後所定期間(フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が0までカウントダウンされていない間)は噴射量を減少させる方向のフィードバック補正量の増加を規制し、逆に目標空燃比の変更により偏差がマイナス方向に一定以上大きくなった場合(すなわち目標空燃比がリッチ側に変更された場合)には、しばらくの間は噴射量を増加させる方向のフィードバック補正量の増加を規制しているので、応答遅れに起因して過度のフィードバック補正が実行されるのを防ぐことができる。しかも、上記目標空燃比の増減方向と逆方向に偏差が発生した場合には、フィードバック補正を規制することなく、適正な制御を確保することができる。また、フィードバック補正量ホールドタイマcfbhld(K)が切れた後はフィードバック補正の制限を解除するので、従来と同様の良好なフィードバック制御特性を確保することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば次の効果を得ることができる。
【0055】
請求項1記載の装置では、空燃比検出手段により検出される実際の空燃比と目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量をフィードバック制御するとともに、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後は上記フィードバック補正量の減量を制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後は上記フィードバック補正量の増量を制限するようにしているので、上記空燃比検出手段の応答遅れに起因する過度のフィードバック補正(すなわち目標空燃比の増減方向と同方向への過度のフィードバック補正)を防ぐ一方、上記目標空燃比の変更直後であっても上記目標空燃比の増減方向と逆方向へのフィードバック補正量の増減は制限しないことにより、上記空燃比検出手段の応答遅れとは関係のない方向へのフィードバック制御は維持してより適正な空燃比のフィードバック制御を行うことができる。また、目標空燃比が変更されてからしばらくした後はフィードバック補正量の制限を解除することにより、目標空燃比が一定の通常状態における燃料フィードバック特性も良好に維持することができる。
【0056】
ここで、請求項2記載の装置では、上記フィードバック補正量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いるようにしているので、目標空燃比変更時よりも大きなフィードバック補正量が設定されることをより確実に防止し、過度のフィードバック補正を防ぐことができる。
【0057】
また、請求項3記載の装置では、目標空燃比が変更された後、上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量の増減を制限するようにしているので、フィードバック補正の制限期間を実際の目標空燃比の変更度合に応じた期間に合せることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明とは別の実施例におけるエンジンの全体構成図である。
【図2】上記エンジンに装備されたECUの機能構成を示すブロック図である。
【図3】上記ECUにより行われる要求噴射量演算動作を示すフローチャートである。
【図4】上記要求噴射量の設定内容を説明するためのタイムチャートである。
【図5】上記ECUにより設定される目標空燃比とエンジンの運転領域との関係を示すグラフである。
【図6】上記ECUにより行われるフィードバック補正量の演算動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例において行われるフィードバック補正量の演算動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の空燃比制御装置における目標空燃比の変化とリニアO2センサの出力信号と実際の空燃比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 燃焼室
13 燃料噴射弁
14 リニアO2センサ
20 ECU(空燃比制御手段)
Claims (3)
- 運転状態に応じて複数種の目標空燃比を設定し、この目標空燃比に基づいて燃料噴射量の制御を行うエンジンの空燃比制御装置において、実際の空燃比に対応する値を検出する空燃比検出手段と、この空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を行う空燃比制御手段とを備えるとともに、上記目標空燃比をリーン側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック制御のフィードバック補正量の増量は制限せずに当該フィードバック補正量の減量のみを制限し、上記目標空燃比をリッチ側に変更した直後の所定期間は、上記フィードバック補正量の減量は制限せずに当該フィードバック補正量の増量のみを制限するように上記空燃比制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
- 請求項1記載のエンジンの空燃比制御装置において、上記フィードバック補正量の制限量として上記目標空燃比の変更時に設定されたフィードバック補正量を用いるように上記空燃比制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
- 請求項1または2記載のエンジンの空燃比制御装置において、上記目標空燃比の変更後、上記空燃比検出手段により検出される空燃比と上記目標空燃比との偏差が所定値以上にある期間内で上記フィードバック補正量の増減を制限するように上記空燃比制御手段を構成したことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
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