JP3581436B2 - 美白化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、美白作用が高く、且つ肌荒れなどに有効な皮膚の美白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料の原料として使用できる美白作用のある物質としては種々の物質が知られているが、合成品は、長期間人間の肌に適用した場合の安全性の保証がなく、使用が制限されつつある。一方、天然物では美白作用が弱いものが多い。
【0003】
しかし人の肌に対する安全性の面から天然物で、多年人が食したりして、安全性の面で保証されており、しかも美白作用が強く更に皮膚に対する潤滑性や柔軟性保持や、老化防止などの他の効果も合わせてもつ物質が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、皮膚に適用して安全であると共に、美白作用が大きく、更に肌荒れなどに有効な成分を含んだ皮膚の美白化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために、すでに多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリーニングして調べ、化粧品として利用価値のあるものを検討した。
その結果、ジァトバ(JATOBA)、ジェキティバ(JEQUITIBA)、プサ(PUCA)、ベロニカ(VERONICA)、カスカ−ドーチェ(CASCA−DOCE)が非常に化粧品原料として、或いは医薬部外品として有効性を有することを見出して、本発明を完成した。確認された効果として美白作用、活性酸素抑制、抗酸化性、プラスミン活性阻害性、コラゲナーゼ活性阻害性が確認された。
【0006】
すなわち本発明は、ジァトバ(JATOBA)(学名Hymenaea coubaril)、ジェキティバ(JEQUITIBA)(学名Cariniana brasiliensis又はCouratari legalis又はPyxidaria macrocarpa)、プサ(PUCA)(学名Cissus antiparaliticus)、ベロニカ(VERONICA)(学名Veronica officinalis)、カスカ−ドーチェ(CASCA−DOCE)(学名Pradosia lactescens又はLucuma glyciphloea又はChrysophyllum buranhem)の植物体よりなる群より選んだ少なくとも1種の溶媒抽出物を有効成分として含有する(但し、ヒスタミン遊離抑制、ヒアルロニダーゼ阻害活性、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害活性及び乾癬用を除く)ことを特徴とする美白化粧料。
ジァトバの植物体としては、実、樹皮、ジェキティバの植物体としては樹皮、プサの植物体としては実、ベロニカ、カスカ−ドーチェの植物体としては樹皮が特に効果が大きかった。
【0007】
ジァトバ、ジェキティバ、プサ、ベロニカ、カスカ−ドーチェの利用方法としては、水或いは親水性有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、アセトン等で抽出する。しかしながら化粧品原料の抽出であるから、水或いはエタノール或いはこれらの混合溶媒での抽出が好ましいのは当然である。
また、場合によっては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール又は多価アルコールと水との混液も抽出に利用できる。
またさらに凍結乾燥して粉体として利用することも利用方法によっては有効である。
【0008】
この物質を他の化粧品原料、例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の保湿剤や各種薬剤等を添加してさまざまな剤形の化粧料を調製することができる。例えばローション、クリーム、乳液、パック等で目的に応じて利用形態を考えればよい。
【0009】
本発明の抽出物としての効果は、前記した如く、第1に肌の美白作用である。
【0010】
第2に活性酸素抑制作用である。空気中には酸素があり、これがないと生物(嫌気性のものを除く)は存在しえない。しかし酸素は紫外線や酵素等の影響を受けて活性酸素になる。活性酸素は脂肪酸を酸化し過酸化物を生成させる。生体の生体膜のリン脂質も酸化させ、障害を与える。
その上、生成した過酸化物と活性酸素はDNAに損傷を与え、老化を促進するといわれている。この活性酸素は、チロシンからメラニンを作る機構にも影響を与え皮膚の黒化にも関与している。この活性酸素を抑制することは皮膚にとって重要な、言い換えれば化粧料に求められる重要な要素である。
本発明のジャトバ等の植物体の溶媒抽出物は、この活性酸素抑制作用、抗酸化性も有している。
【0011】
【実施例】
以下に実際の利用方法である実施例を記載するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明で使用したジァトバ(JATOBA)、ジェキティバ(JEQUITIBA)、プサ(PUCA)、ベロニカ(VERONICA)、カスカ−ドーチェ(CASCA‐DOCE)の植物体の溶媒抽出物の製造例を次に示す。
【0012】
(製造例1)
ジャトバJATOBAの実(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0013】
(製造例2)
ジャトバJATOBAの実(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0014】
(製造例3)
ジャトバJATOBAの実(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0015】
(製造例4)
ジャトバJATOBAの樹皮(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0016】
(製造例5)
ジャトバJATOBAの樹皮(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0017】
(製造例6)
ジャトバJATOBAの樹皮(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0018】
(製造例7)
ジェキティバJEQUITIBAの樹皮(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0019】
(製造例8)
ジェキティバJEQUITIBAの樹皮(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0020】
(製造例9)
ジェキティバJEQUITIBAの樹皮(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0021】
(製造例10)
プサPUCAの実(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0022】
(製造例11)
プサPUCAの実(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0023】
(製造例12)
プサPUCAの実(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0024】
(製造例13)
ベロニカVERONICAの樹皮(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0025】
(製造例14)
ベロニカVERONICAの樹皮(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0026】
(製造例15)
ベロニカVERONICAの樹皮(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0027】
(製造例16)
カスカ−ドーチェCASCA−DOCEの樹皮(乾燥品)を10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0028】
(製造例17)
カスカ−ドーチェCASCA−DOCEの樹皮(乾燥品)を10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後エバポレートした後、凍結乾燥した。
【0029】
(製造例18)
カスカ−ドーチェCASCA−DOCEの樹皮(乾燥品)を10gに精製水300mlを加えて3時間加熱する。これを放冷した後濾過後凍結乾燥した。
【0030】
(実施例1)ローション
オリーブ油 0.5
製造例1のエタノール抽出物 0.5
ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0
エタノール 10.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
精製水 80.0
【0031】
(実施例2)クリーム
A スクワラン 20.0
オリーブ油 2.0
ミンク油 1.0
ホホバ油 5.0
ミツロウ 5.0
セトステアリルアルコール 2.0
グリセリンモノステアレート 1.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
製造例2の50%エタノール抽出物 1.0
B 精製水 47.9
ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
グリセリン 5.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを撹拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり撹拌しつつ30℃まで冷却した。
【0032】
(実施例3)
実施例3は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例3の抽出物に変え作成したローション。
【0033】
(実施例4)
実施例4は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例4の抽出物に変え作成したクリーム。
【0034】
(実施例5)
実施例5は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例5の抽出物に変え作成したローション。
【0035】
(実施例6)
実施例6は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例6の抽出物に変え作成したクリーム。
【0036】
(実施例7)
実施例7は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例7の抽出物に変え作成したローション。
【0037】
(実施例8)
実施例8は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例8の抽出物に変え作成したクリーム。
【0038】
(実施例9)
実施例9は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例9の抽出物に変え作成したローション。
【0039】
(実施例10)
実施例10は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例10の抽出物に変え作成したクリーム。
【0040】
(実施例11)
実施例11は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例11の抽出物に変え作成したローション。
【0041】
(実施例12)
実施例12は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例12の抽出物に変え作成したクリーム。
【0042】
(実施例13)
実施例13は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例13の抽出物に変え作成したローション。
【0043】
(実施例14)
実施例14は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例14の抽出物に変え作成したクリーム。
【0044】
(実施例15)
実施例15は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例15の抽出物に変え作成したローション。
【0045】
(実施例16)
実施例16は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例16の抽出物に変え作成したクリーム。
【0046】
(実施例17)
実施例17は、実施例1の製造例1の抽出物を製造例17の抽出物に変え作成したローション。
【0047】
(実施例18)
実施例18は、実施例2の製造例2の抽出物を製造例18の抽出物に変え作成したクリーム。
【0048】
(チロシナーゼ活性阻害試験)
(試験方法)
リン酸緩衝液(PH6.8、30mM)0.9ml、1.66mMチロシン(Tyrosine)溶液1.0ml、前記製造例(凍結乾燥品)の0.1wt/v%水溶液(溶解しにくい場合はエタノールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレートし、エタノールを除去したのち、0.1wt/v%になるよう調製した)1.0mlをスクリューバイアルにとり、37℃恒温水槽中で5分以上加温した。
チロシナーゼ溶液(Sigma社製、マッシュルーム由来、914ユニット/ml)0.1mlを加え、37℃恒温水槽中で保温し、10分後に475nmで吸光度を測定した。
対照として、上記試料液のかわりに純水を加え同様に測定した。
この試験では試料の終濃度は0.033%となる。
(計算式)
チロシナーゼ活性阻害率(%)={B−(A−P)}/B×100
但し A:試料検体の吸光度
B:対照の吸光度
P:試料検体の着色による吸光度(3倍希釈)
【0049】
【表1】
Figure 0003581436
【0050】
(活性酸素抑制試験)
活性酸素を抑制する効果を測定する方法は各種あるが、今回以下の方法を利用した。
Figure 0003581436
上の試薬の混合物を2.4ml、検体を0.3ml加えて、キサンチンオキシナーゼ(予め検体を水とし、実験するとき、吸光度が1分当たり0.02前後上昇するように上記のリン酸カリウム緩衝液で調整しておく)液を0.1ml加えて直ちに吸光度(560nm)を測定する。(測定は2分位し、直線性を確認する)
計算式 阻害率=〔(A−B)/A〕×100
A:検体を水としたときの1分当たりの吸光度の変化
B:検体の1分当たりの吸光度の変化
濃度段階を数段階行い、50%活性酸素生成阻害濃度を探した。検体の作成方法は前記製造例(凍結乾燥品)を適当な濃度の水溶液(溶解しにくい場合はエタノールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレートし、エタノールを除去したのち適当な濃度%になるように調製した)とした。
製造例2〜18の抽出物の凍結乾燥物についての結果を下記表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003581436
【0052】
抗酸化試験
以下の試験液をネジキャップ付50ml試験管に作成した。
検体 5mg
2%リノール酸エタノール溶液 10ml
0.1M,pH7.0リン酸緩衝液 10ml
精製水 5ml
これを50℃の恒温槽に遮光して放置する。
これを恒温槽に入れる前、4日後、7日後、10日後に以下の測定をした。
試験液0.125ml、75%エタノール12.125ml、30%チオシアン酸アンモニウム0.125mlを加えて撹拌し3分間放置後、0.02N塩化第一鉄3.5%HCl水溶液0.125mlを加えて撹拌し3分間放置後波長500nmで吸光度を測定した。セル長10mm、対照セルは試験液を水に置き換えたもの。
その結果を下記表3に示す。
【0053】
【表3】
Figure 0003581436
【0054】
プラスミンは、血中に存在する蛋白分解酵素の1つである。血中にある前駆体のプラスミノーゲンがプラスミノーゲンアクチベータという酵素によって切断されてプラスミンになる。プラスミンの重要な生理作用は血栓溶解である。血栓の成分であるフィブリンに対して、血中のプラスミノーゲンアクチベータは親和性があり、フィブリン塊中(血栓)のプラスミノーゲンに作用してプラスミンへと活性化する。その結果フィブリン塊中にできたプラスミンが塊の内部から血栓を溶解する。
【0055】
このプラスミンは、血液凝固過程で形成されたフィブリン(繊維素)を溶解する作用を有する。このプラスミンの作用に拮抗する因子がプラスミン・インヒビターであり、出血をとめるトラネキサム酸やε−アミノカプロン酸が化学合成されたプラスミン・インヒビターとして知られており、出血防止剤として使用されている。プラスミンは、自身の持つクリングル構造のリジン結合部位(Lysine Binding Site:LBS)で血栓に結合して、効率的にフィブリンを分解する。この作用をトラネキサム酸やα−アミノカプロン酸がLBSに結合して立体障害を起こし、プラスミンのフィブリン分解を阻害する。
ヒトの血中にはα2プラスミン・インヒビターという天然のプラスミン・インヒビターが存在し、生成されたプラスミンに働き、急速に失活させ、その作用を抑えて、血液の流出を防いでいる。α2プラスミン・インヒビターはLBSに結合すると共に、プラスミン活性中心に対する阻害作用を持つ。この天然のインヒビターと同様の機作を持つ化合物の研究開発が活発に行われている。本発明の天然物より抽出した物質も、このプラスミンの活性を阻止する作用をもっている。
【0056】
(抗プラスミン試験)
試験方法
9cmシャーレにプラスミノーゲン除去フィブリノーゲンタイプ2−0.6%水溶液4mlを入れ、pH7.4の0.1Mリン酸緩衝液4mlを加えて撹拌し、トロンビン(10単位/ml)0.1ml滴下し、ゆっくりと混和し、30分放置した。
トロンビンを加えることによってフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、ゲルを形成する。
検体0.1mlとプラスミン溶液(10単位/ml)0.1ml混合した液を30μlをシャーレのゲル上に乗せた後、37℃で2時間放置した。検体は0.2mg/ml水溶液を用いた。
そしてフィブリンゲルの溶解した面積を測定した。
検体の替わりに33%ジメチルスルホキシド水溶液を用いて同様な実験を行い、次のような式1でプラスミン活性の阻害率を求めた。
その結果を下記表4に示す。
【0057】
【数1】
Figure 0003581436
【0058】
陽性対照としてトラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸を試験したところ、50%阻害濃度はトラネキサム酸が30mg/ml、ε−アミノカプロン酸40mg/mlであった。
【0059】
【表4】
Figure 0003581436
【0060】
コラーゲンは、動物の結合組織、すなわち皮膚、血管、腱、骨、歯などの主要タンパク質であり、哺乳動物の場合、全タンパク質の約30%がコラーゲンである。
コラーゲンは分子量30万、長さ3,000オングストローム、直径15オングストロームの棒状分子で、分子量10万の3本のα鎖から成り、コラーゲン特有のらせん構造を形成している。
コラーゲン分解の阻害蛋白の解明も進んでいる。コラーゲンを分解する酵素(コラゲナーゼ)の活性を阻害する阻害蛋白としてメタロプロテアーゼもヒト組織から単離されている。
本発明の天然物より抽出した物質も、このコラゲナーゼ活性阻害作用を有している。
【0061】
(コラゲナーゼ阻害試験)
試験方法
I型コラーゲナーゼ活性測定キッド YU−16001 コスモ・バイオを用いて実験した。すなわち、マイクロチューブに蛍光標識I型コラーゲン(50μg/50μl/tube)を入れ、以下の表のように試薬、検体を入れた。
中和液とは0.1Mトリス−HCl、pH7.5(含0.4M NaCl、0.01M CaCl2、NaN3)緩衝液で、酵素反応停止剤とはo−フェナントロン(含エタノール)溶液である。また、コラーゲナーゼ溶液とは、コラーゲナーゼ(アマノ製1000unit/mg)の1unit/ml 2倍希釈の中和液溶液である。
【0062】
【表5】
Figure 0003581436
【0063】
上記表5に示した手順で、検体、検体ブランク、ブランク1、ブランク2の値を求め、次の式2によって、コラーゲナーゼ活性阻害率を計算した。
その結果を下記表6に示す。
【0064】
【数2】
Figure 0003581436
【0065】
【表6】
Figure 0003581436
【0066】
(B−16メラノーマ細胞試験)
製造例2の検体を所定の濃度になるように、EaglesMEM培地に加え、除菌フィルターでろ過後、牛胎児血清が10%になるように加え、pHを7.6±0.1になるように炭酸水素ナトリウムで調整し、シャーレに6ml分注し、B−16メラノーマ細胞浮遊液(1×106cell/ml)を0.05ml加え、 5%CO2、95%airの条件下で37℃で3日間培養した。
さらに、培地交換(上記の検体が入った10%牛胎児血清含有EaglesMEM培地)を行い、3日間培養した(このとき、細胞増殖を判定する)。
細胞を剥離し、遠心分離して、細胞を集め、肉眼で白色度の判定を行った。この結果を下記表7に示す。
白色度
ブランクと同程度 ±
わずかに白色化傾向 +
明らかに白色化傾向 ++
強い白色化傾向 +++
細胞増殖
ブランクの80%以上 A
ブランクの60〜80% B
ブランクの30〜60% C
ブランクの30%以下 D
【0067】
【表7】
Figure 0003581436
【0068】
(使用テスト)
女性4名づつの顔面を左右に分け、一方を実施例、もう一方を比較例として毎日、1回以上使用してもらって、3月後、アンケートした。なお、比較例は実施例1,2より製造例の各種の抽出物を水にかえたものである。(比較例1,2)なお、36名を9班にわけ、下記表8の試料を使って実験した。
判定基準は以下の通りで、この評点の合計値をまとめたのが、以下の表18である。
実施例の方が非常によい 3
実施例の方がかなりよい 2
実施例の方がややよい 1
差がない 0
比較例の方がややよい −1
比較例の方がかなりよい −2
比較例の方が非常によい −3
【0069】
【表8】
Figure 0003581436
【0070】
【表9】
Figure 0003581436
【0071】
上記表1〜表9の結果を総合すると、チロシナーゼ活性阻害試験で明らかなように、本発明の植物体の溶媒抽出物はチロシナーゼの活性を阻害して美白作用が強く、活性酸素を抑制し、抗酸化作用が大きいので、肌荒れや老化を防ぎ、抗プラスミン効果が大きいので出血を抑制し、コラゲナーゼを阻害する効果によって、皮膚のコラーゲン分解を抑制する効果が大きいことが判った。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、抗酸化作用を有し、チロシナーゼの活性及び活性酸素を抑制し、美白、肌の荒れ防止、肌のつや、肌のはりに有効な安全性の高い美白化粧料が提供される。

Claims (2)

  1. ジァトバ(JATOBA)(学名Hymenaea coubaril)、ジェキティバ(JEQUITIBA)(学名Cariniana brasiliensis又はCouratari legalis又はPyxidaria macrocarpa)、プサ(PUCA)(学名Cissus antiparaliticus)、ベロニカ(VERONICA)(学名Veronica officinalis)、カスカ−ドーチェ(CASCA−DOCE)(学名Pradosia lactescens又はLucuma glyciphloea又はChrysophyllum buranhem)の植物体よりなる群より選んだ少なくとも1種の溶媒抽出物を有効成分として含有する(但し、ヒスタミン遊離抑制、ヒアルロニダーゼ阻害活性、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害活性及び乾癬用を除く)ことを特徴とする美白化粧料。
  2. ジァトバ(JATOBA)の実、樹皮、ジェキティバ(JEQUITIBA)の樹皮、プサ(PUCA)の実、ベロニカ(VERONICA)の樹皮、カスカ−ドーチェ(CASCA−DOCE)の樹皮よりなる群より選んだ少なくとも1種の溶媒抽出物を有効成分として含有する(但し、ヒスタミン遊離抑制、ヒアルロニダーゼ阻害活性、テストステロン−5α−レダクターゼ阻害活性及び乾癬用を除く)ことを特徴とする美白化粧料。
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