JP3581088B2 - 型締駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、型締駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、射出装置の加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において樹脂を冷却し、固化させることによって成形品を成形するようになっている。
【0003】
そのために、前記金型装置は固定金型及び可動金型から成り、型締装置のトグル機構を作動させることによって前記可動金型を進退させ、前記固定金型に対して接離させることにより、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0004】
そして、前記トグル機構を作動させる手段としてモータを使用する場合、該モータを駆動することによって発生させられた回転運動をボールねじによって直線運動に変換し、該直線運動を前記トグル機構に伝達するようにしている。そのために、前記モータの出力軸と、ボールねじを構成するボールナット及びボールねじ軸のうちの一方、例えば、ボールねじ軸とを連結し、かつ、前記トグル機構を構成するクロスヘッドと前記ボールナットとを連結するとともに、出力軸の回転をボールねじ軸に伝達することによって、ボールナットを進退させ、前記クロスヘッドを進退させるようになっている。
【0005】
そして、前記モータを駆動するために制御装置が配設され、該制御装置は、型開閉位置制御を行うことによって、可動金型の位置を制御したり、型締力を制御したりする。この場合、出力軸とボールねじ軸とをプーリ、タイミングベルト等を介して連結すると、出力軸の回転とボールねじ軸の回転とを完全に同期させることができず、可動金型の位置、型締力等を正確に制御することができない。そこで、出力軸とボールねじ軸とを直接連結し、型締装置をダイレクトドライブ方式で作動させるようにしている。なお、前記ボールねじ、クロスヘッド、モータ等によって型締駆動装置が構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の型締駆動装置においては、モータを駆動してボールナットを進退させたときに反力が発生させられるが、該反力が出力軸に伝達されるので、出力軸を回転自在に支持するベアリングの機能が低下してしまう。
【0007】
そして、該ベアリングの機能が低下すると、出力軸の回転をボールねじ軸に正確に伝達することができなくなり、可動金型の位置、型締力等を正確に制御することができなくなってしまう。
【0008】
そこで、前記ベアリングに、スラスト荷重を受けることが可能な構造を有するものを使用すること考えられるが、その場合、市販のモータを使用することができなくなるので、型締駆動装置のコストが高くなってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来の型締駆動装置の問題点を解決して、出力軸を支持するベアリングの機能が低下することがなく、可動金型の位置、型締力等を正確に制御することができ、コストを低くすることができる型締駆動装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の型締駆動装置においては、ベースプレートに取付部材を介して取り付けられたケーシングと、該ケーシングに取り付けられたステータと、前記ケーシング内において回転自在に配設された出力軸と、該出力軸の両端を支持する第1、第2のベアリングと、前記ステータより径方向内方において前記出力軸に取り付けられたロータと、進退自在に配設された進退部材と、前記出力軸と回転伝達手段を介して連結された第1の部材、及び前記進退部材に取り付けられた第2の部材を備え、前記第1の部材の回転運動を第2の部材の直線運動に変換する運動方向変換手段と、前記第1の部材を支持する第3のベアリングとを有する。
【0011】
そして、前記回転伝達手段は、前記出力軸と第1の部材とが、前記第2の部材の進退に伴って軸方向において相対的に移動するのを許容し、反力が出力軸に伝達されるのを防止する。
【0012】
本発明の他の型締駆動装置においては、さらに、前記回転伝達手段は、前記回転伝達手段は、前記出力軸に取り付けられた筒状の連結スリーブを備える。そして、前記第1の部材に形成された連結部の外周面及び前記連結スリーブの内周面は、スプライン歯によってスプライン係合させられる。
【0013】
本発明の更に他の型締駆動装置においては、さらに、前記第1の部材はボールねじ軸である。
【0014】
そして、前記第2の部材はボールナットである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略図である。
【0017】
図において、10は型締装置、11は固定プラテン、12はベースプレートとしてのトグルサポートであり、前記固定プラテン11とトグルサポート12との間に図示されないタイバーが架設される。また、14は前記固定プラテン11と対向させて配設され、前記タイバーに沿って進退(図における左右方向に移動)自在に配設された可動プラテンであり、前記固定プラテン11における可動プラテン14と対向する面に固定金型15が、前記可動プラテン14における前記固定プラテン11と対向する面に可動金型16がそれぞれ取り付けられる。なお、固定金型15及び可動金型16によって金型装置が構成される。また、前記可動プラテン14の後端 (図における左端) には、図示されないエジェクタ装置が配設され、トグルサポート12の後端には、駆動手段としてのモータ、例えば、サーボモータ48が配設される。
【0018】
そして、前記トグルサポート12と可動プラテン14との間には、トグル機構43、及び該トグル機構43を作動させるために進退自在に配設された進退部材としてのクロスヘッド41が配設される。前記トグル機構43は、前記トグルサポート12に対してピンp1を介して揺動自在に配設されたトグルレバー44、前記可動プラテン14の後端面(図における左端面)に形成されたブラケット14aに対してピンp2を介して、かつ、前記トグルレバー44に対してピンp3を介して揺動自在に配設されたトグルアーム45、及び前記トグルレバー44に対してピンp4を介して揺動自在に配設され、かつ、クロスヘッド41に対してピンp5を介して揺動自在に配設されたトグルレバー46を備える。
【0019】
また、サーボモータ48を駆動することによって発生させられた回転運動を直線運動に変換し、該直線運動を前記クロスヘッド41に伝達するために運動方向変換手段としてのボールねじ21が配設される。該ボールねじ21は、サーボモータ48の出力軸35と連結された第1の部材としてのボールねじ軸51、及びボールねじ軸51と螺(ら)合させて配設され、クロスヘッド41に取り付けられた第2の部材としてのボールナット23を備える。なお、前記ボールねじ21、クロスヘッド41、サーボモータ48等によって型締駆動装置が構成される。
【0020】
したがって、サーボモータ48を駆動し、クロスヘッド41を進退させることによって、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きを行うことができる。すなわち、型閉じ時に、サーボモータ48を正方向に駆動し、クロスヘッド41を前進(図における右方に移動)させることによって、可動プラテン14を前進させ、可動金型16を固定金型15に当接させることができる。このようにして型閉じが行われる。これに伴って、可動金型16と固定金型15との間に図示されないキャビティ空間が形成される。
【0021】
続いて、型締め時に、前記サーボモータ48を更に正方向に駆動すると、前記トグル機構43によってトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、該型締力で可動金型16を固定金型15に押し付けることができる。このようにして型締めが行われる。このとき、図示されない射出装置の射出ノズルから射出された成形材料としての樹脂が前記キャビティ空間に充填される。
【0022】
また、型開き時に、サーボモータ48を逆方向に駆動し、クロスヘッド41を後退(図における左方に移動)させることによって、可動プラテン14を後退させ、可動金型16を固定金型15から離すことができる。このようにして型開きが行われる。
【0023】
次に、型締駆動装置について説明する。
【0024】
図1は本発明の実施の形態における型締駆動装置の概略図、図3は本発明の実施の形態における型締駆動装置の要部を示す概略図である。
【0025】
図において、12はトグルサポート、36は図示されないボルトによってトグルサポート12に取り付けられた取付部材としての取付板であり、サーボモータ48は前記取付板36を介してトグルサポート12に取り付けられる。前記サーボモータ48は、環状の端部プレート27、28及び筒状のフレーム29から成るケーシングMC、該ケーシングMCに取り付けられ、ステータコア32及びステータコイル33から成るステータ31、前記ケーシングMC内において回転自在に配設された中空の出力軸35、並びに前記ステータ31の径方向内方において回転自在に配設され、かつ、前記出力軸35に取り付けられたロータ34を備える。前記フレーム29と端部プレート27、28とは、ボルトβ1、β2によって連結される。また、端部プレート27と取付板36とはボルトβ3によって連結される。そして、前記端部プレート27に環状の段部27aが、取付板36に環状の段部36aが形成され、前記段部27a、36aによって端部プレート27と取付板36とがいんろう接合される。
【0026】
前記出力軸35は、ケーシングMCに対して回転自在に配設され、両端が第1の支持機構及び第1のベアリングとしてのベアリングb1、並びに第2の支持機構及び第2のベアリングとしてのベアリングb2によってそれぞれ支持される。そのために、出力軸35の前端(図における右端)がベアリングb1を介して端部プレート27に、出力軸35の後端(図1における左端)がベアリングb2を介して端部プレート28に取り付けられる。
【0027】
また、前記ボールねじ軸51は、その後端が取付板36を介して第3の支持機構及び第3のベアリングとしてのベアリングb3〜b5によって片持ち梁(はり)式に、かつ、回転自在に支持される。そのために、前記ボールねじ軸51は、ねじ部53、該ねじ部53の後端に隣接させて形成され、ねじ部53よりわずかに径が小さい支持部37、該支持部37の後端に隣接させて形成され、支持部37よりわずかに径が小さい螺合部61、及び該螺合部61の後端に取り付けられ、前記出力軸35との間で回転を伝達する連結部54から成り、支持部37が筒状のスリーブ軸38に嵌(かん)入されるとともに、該スリーブ軸38がベアリングb3〜b5によって取付板36対して回転自在に支持される。
【0028】
そのために、前記取付板36に嵌入穴36cが形成され、該嵌入穴36cにベアリングb3〜b5が嵌入され、前記スリーブ軸38が前記べアリングb3〜b5内に嵌入される。該スリーブ軸38は、筒状の本体部57、及び本体部57の前端に径方向外方に向けて突出させて一体に形成されたフランジ部58から成る。
【0029】
また、前記ロータ34の回転を前記ボールねじ軸51に伝達するために、出力軸35と連結部54とが連結部材としての連結スリーブ39を介して連結される。そのために、該連結スリーブ39は、筒状の本体部55、及び本体部55の前端に径方向外方に向けて突出させて一体に形成されたフランジ部56から成り、該フランジ部56を介してボルトβ5によって前記出力軸35の前端に取り付けられる。そして、連結部54が連結スリーブ39内に挿入され、連結スリーブ39の内周面及び連結部54の外周面に形成されたスプライン歯によって前記連結スリーブ39と連結部54とがスプライン係合させられる。
【0030】
したがって、サーボモータ48を駆動することによってロータ34を回転させると、ロータ34の回転が出力軸35及び連結スリーブ39を介してボールねじ軸51に伝達され、それに伴ってボールナット23及びクロスヘッド41が進退(図における左右方向に移動)させられる。この場合、前記スプライン歯によって、出力軸35の回転をボールねじ軸51に伝達するとともに、出力軸35及びボールねじ軸51が軸方向において相対的に移動するのを許容する回転伝達手段が構成される。なお、回転伝達手段としてキーを使用することもできる。
【0031】
その結果、前記サーボモータ48を駆動することによって発生させられた回転運動をボールねじ21によって直線運動に変換し、該直線運動を前記トグル機構43(図2)に伝達することができる。すなわち、サーボモータ48を正方向に駆動することによってボールねじ軸51を正方向に回転させると、ボールナット23が前進(図における右方に移動)させられ、それに伴ってクロスヘッド41が前進させられる。また、サーボモータ48を逆方向に駆動することによってボールねじ軸51を逆方向に回転させると、ボールナット23が後退(図における左方に移動)させられ、それに伴ってクロスヘッド41が後退させられる。
【0032】
この場合、クロスヘッド41を進退させるためにボールねじ軸51を回転させるようになっていて、ボールナット23を回転させる必要がない。そして、ボールねじ軸51の外径がボールナット23の外径より小さいので、ボールナット23を回転させる場合より、回転モーメントを小さくすることができる。
【0033】
そして、前記サーボモータ48を駆動するために図示されない制御装置が配設され、該制御装置は、型開閉位置制御を行うことによって、可動金型16の位置を制御したり、型締力を制御したりする。この場合、出力軸35とボールねじ軸51とがプーリ、タイミングベルト等を介することなく連結スリーブ39を介して連結され、型締装置がダイレクトドライブ方式で作動させられるので、出力軸35の回転とボールねじ軸51の回転とを完全に同期させることができ、可動金型16の位置、型締力等を正確に制御することができる。
【0034】
ところで、サーボモータ48を駆動してボールナット23を進退させたときに反力が発生させられ、該反力が出力軸35に伝達されると、ベアリングb1、b2の機能が低下し、出力軸35の回転をボールねじ軸51に正確に伝達することができなくなるだけでなく、可動金型16の位置、型締力等を正確に制御することができなくなってしまう。
【0035】
ところが、本実施の形態においては、連結スリーブ39と連結部54とがスプライン係合させられ、連結スリーブ39及び連結部54は軸方向において相対的に移動自在に配設されるので、反力が出力軸35に伝達されることはない。したがって、ベアリングb1、b2の機能が低下することなく、出力軸35の回転をボールねじ軸51に正確に伝達することができ、可動金型16の位置、型締力等を正確に制御することができる。また、サーボモータ48として市販のモータを使用することができるので、型締駆動装置のコストを低くすることができる。なお、サーボモータ48に使用されるベアリングb1、b2として通常のボールベアリングが使用される。
【0036】
そして、前記ベアリングb3〜b5として、いずれもスラスト荷重を受けることが可能なアンギュラベアリングが使用される。すなわち、ベアリングb3、b4として、出力軸35が正方向に回転させられ、ボールナット23が前進させられるときにスラスト荷重を受けることが可能なアンギュラベアリングが、ベアリングb5として、出力軸35が逆方向に回転させられ、ボールナット23が後退させられるときにスラスト荷重を受けることが可能なアンギュラベアリングが使用される。なお、ベアリングb3、b4として、出力軸35が逆方向に回転させられ、ボールナット23が後退させられるときにスラスト荷重を受けることが可能なアンギュラベアリングを、ベアリングb5として、出力軸35が正方向に回転させられ、ボールナット23が前進させられるときにスラスト荷重を受けることが可能なアンギュラベアリングを使用することもできる。
【0037】
そして、前記取付板36に対してベアリングb3〜b5を位置決めするとともに、安定させて取り付けるために、取付板36の前端面(図における右端面)にベアリングb3と当接させて環状の第1のベアリング押え62が配設され、ボルトβ6によって取付板36に取り付けられる。なお、前記第1のベアリング押え62の内周縁はベアリングb3〜b5の外周縁より大きくされる。また、前記フランジ部58と前記ベアリングb3とが当接させられる。そして、前記本体部57の後端に、ベアリングb5と当接させて環状の第2のベアリング押え63が配設され、該第2のベアリング押え63は、後端面(図における左端面)に隣接させて配設されたベアリングナット64によって支持部37の軸方向における所定の位置に置かれる。また、前記取付板36には、ベアリングb5の後端に隣接させて、径方向内方に向けて突出させて環状の突起36bが形成され、該突起36bによって段部が形成される。なお、前記フランジ部58は第3のベアリング押えとして機能する。
【0038】
そして、前記ベアリングナット64の内周面に形成された雌ねじと螺合部61の外周面に形成された雄ねじとが螺合させられる。したがって、ベアリングナット64を所定の工具によって挟み、ボールねじ軸51に対して相対的に回動させると、ベアリングナット64が回動させられた分だけ第2のベアリング押え63をボールねじ軸51に対して軸方向に移動させることができる。
【0039】
その結果、ねじ部53と支持部37との間の段部がフランジ部58に当たり、フランジ部58が所定の押付力でベアリングb3に押し付けられるとともに、第2のベアリング押え63が前記押付力でベアリングb5に押し付けられる。また、ベアリングb3が前記第1のベアリング押え62に、ベアリングb5が前記突起36bにそれぞれ押し付けられるので、前記ベアリングb3〜b5を取付板36の所定の部分、本実施の形態においては突起36bに押し付け、取付板36に対して位置決めすることができる。また、ベアリングb3〜b5に所定の予圧を加えることができるので、ベアリングb3〜b5をケーシングMCに安定して取り付けることができる。そして、前記ベアリングナット64をボールねじ軸51に対して相対的に回動させることによって、前記ベアリングナット64と螺合部61との螺合量を変化させると、予圧が調整される。
【0040】
したがって、サーボモータ48を駆動してボールナット23を進退させたときに反力が発生させられ、該反力がスリーブ軸38に伝達されても、ベアリングb3〜b5の機能が低下することがない。
【0041】
なお、71はフランジ部58と第1のベアリング押え62との間に配設されたメカニカルシール、72は第2のベアリング押え63と突起36bとの間に配設されたメカニカルシール、73はボルトβ7によって取付板36の後端面に取り付けられ、前記メカニカルシール72を保持するシール押えである。そして、前記第1のベアリング押え62はメカニカルシール71を保持するシール押えを兼ねる。
【0042】
本実施の形態においては、連結スリーブ39の内周面及び連結部54の外周面にスプライン歯が形成されるようになっているが、連結スリーブの外周面及び出力軸の内周面にスプライン歯を形成することもできる。
【0043】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、型締駆動装置においては、ベースプレートに取付部材を介して取り付けられたケーシングと、該ケーシングに取り付けられたステータと、前記ケーシング内において回転自在に配設された出力軸と、該出力軸の両端を支持する第1、第2のベアリングと、前記ステータより径方向内方において前記出力軸に取り付けられたロータと、進退自在に配設された進退部材と、前記出力軸と回転伝達手段を介して連結された第1の部材、及び前記進退部材に取り付けられた第2の部材を備え、前記第1の部材の回転運動を第2の部材の直線運動に変換する運動方向変換手段と、前記第1の部材を支持する第3のベアリングとを有する。
【0045】
そして、前記回転伝達手段は、前記出力軸と第1の部材とが、前記第2の部材の進退に伴って軸方向において相対的に移動するのを許容し、反力が出力軸に伝達されるのを防止する。
【0046】
この場合、前記回転伝達手段は、前記出力軸及び第1の部材が軸方向において相対的に移動するのを許容するので、第2の部材が進退させられるのに伴って、反力が出力軸に伝達されることはない。したがって、第1、第2のベアリングの機能が低下することなく、出力軸の回転を第1の部材に正確に伝達することができ、可動金型の位置、型締力等を正確に制御することができる。そして、駆動手段として市販のモータを使用することができるので、型締駆動装置のコストを低くすることができる。
【0047】
また、出力軸と第1の部材とがプーリ、タイミングベルト等を介することなく連結され、型締装置がダイレクトドライブ方式で作動させられるので、出力軸の回転と第1の部材の回転とを完全に同期させることができ、可動金型の位置、型締力等を正確に制御することができる。
【0048】
そして、駆動手段を駆動して第2の部材を進退させたときに反力が発生させられても、第3のベアリングの機能が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における型締駆動装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態における金型装置及び型締装置の概略図である。
【図3】本発明の実施の形態における型締駆動装置の要部を示す概略図である。
【符号の説明】
12 トグルサポート
21 ボールねじ
23 ボールナット
31 ステータ
34 ロータ
35 出力軸
36 取付板
36b 突起
41 クロスヘッド
48 サーボモータ
51 ボールねじ軸
62 第1のベアリング押え
63 第2のベアリング押え
b1〜b5 第1〜第3のベアリング
MC ケーシング

Claims (3)

  1. (a)ベースプレートに取付部材を介して取り付けられたケーシングと、
    (b)該ケーシングに取り付けられたステータと、
    (c)前記ケーシング内において回転自在に配設された出力軸と、
    (d)該出力軸の両端を支持する第1、第2のベアリングと、
    (e)前記ステータより径方向内方において前記出力軸に取り付けられたロータと、
    (f)進退自在に配設された進退部材と、
    (g)前記出力軸と回転伝達手段を介して連結された第1の部材、及び前記進退部材に取り付けられた第2の部材を備え、前記第1の部材の回転運動を第2の部材の直線運動に変換する運動方向変換手段と、
    (h)前記第1の部材を支持する第3のベアリングとを有するとともに、
    (i)前記回転伝達手段は、前記出力軸と第1の部材とが、前記第2の部材の進退に伴って軸方向において相対的に移動するのを許容し、反力が出力軸に伝達されるのを防止することを特徴とする型締駆動装置。
  2. (a)前記回転伝達手段は、前記出力軸に取り付けられた筒状の連結スリーブを備え、
    (b)前記第1の部材に形成された連結部の外周面及び前記連結スリーブの内周面は、スプライン歯によってスプライン係合させられる請求項1に記載の型締駆動装置。
  3. (a)前記第1の部材はボールねじ軸であり、
    (b)前記第2の部材はボールナットである請求項1に記載の型締駆動装置。
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