JP3580706B2 - クランク軸の傾き予測方法およびその軸受の据付方法 - Google Patents

クランク軸の傾き予測方法およびその軸受の据付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクランク軸の傾き予測方法およびその軸受の据付方法に関し、特にエンジンなどのピストン・クランク機構におけるクランク軸の傾き予測方法およびその軸受の据付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関などのエンジンはピストンの往復運動をクランク軸によって回転運動に変換する構成を有するのが一般的である。このようなピストン・クランク機構においては、クランク軸は傾き無く配置されているのが理想的である。しかし、実際にはクランク軸に傾きが発生し、その傾き量が大きければ、クランク軸とその軸受との間で片当たりが生じて、軸受を損傷する要因となる。
【0003】
この場合に、従来においては、軸受の損傷などのトラブルが発生したしたときに、そのトラブルの発生箇所から片当たりが発生している場所を推測して、熟練技能者の経験にもとづいて主軸受の据付量を変更している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の手法は、技能者の経験にもとづいたトライ・アンド・エラーによる対応でしかないという問題点がある。
【0005】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、クランク軸の傾きを補正するためのその傾き量を簡易にかつ精度良く求めることができるクランク軸の傾き予測方法と、その補正を行うための軸受の据付方法とを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は、エンジンなどにおけるピストン・クランク機構のクランク軸の回転時にこのクランク軸に作用する力を求めるとともに、各クランク角におけるクランク軸の剛性を求めて、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから、各クランク角における軸受に対するクランク軸の傾きを求め、この求められたクランク軸の傾きにもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させるものである。
【0007】
こうすると、クランク軸に作用する力のみならず、その剛性をも考慮して、クランク軸の傾きを求めるため、その傾き量を、一般に高精度ではあるが処理に数時間以上を要するスーパーコンピュータを用いて解析を行う場合などに比べて、簡易に、しかも実用上の良好な精度を保ってほぼ一瞬のうちに求めることができるのみならず、クランク軸の傾きが格段に小さくなるようにその軸受の据付量を調節することができる
【0008】
また本発明は、エンジンなどにおけるピストン・クランク機構のクランク軸の、その軸受に対する傾きを予測するに際し、このクランク軸の回転時にこのクランク軸に作用する力を求めるとともに、各クランク角におけるクランク軸の剛性を求めて、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから、各クランク角における軸受に対するクランク軸の傾きを求め、前記ピストン・クランク機構を備えた装置の熱膨張に伴う軸受位置の変化を求め、隣り合う一対の軸受についての軸受位置の差から、これら隣り合う一対の軸受どうしの間の傾き角を求め、各軸受における一方の側部についての傾き角と他方の側部についての傾き角との差を求めることで、その軸受における熱膨張の影響によるクランク軸の傾きを求め、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きと、前記熱膨張の影響によるクランク軸の傾きとの和を求めて、この和をクランク軸の傾きとするものである。
【0009】
こうすると、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きに加えて、熱膨張の影響によるクランク軸の傾きをも考慮することになるため、その傾き量をいっそう精度良く求めることができる。
【0010】
さらに本発明は、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きと、熱膨張の影響によるクランク軸の傾きとの和から得られた傾き量の結果にもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させるものである。
【0011】
こうすると、クランク軸の傾きが格段に小さくなるようにその軸受の据付量を調節することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図5は、7気筒の舶用ディーゼルエンジンのクランク軸回りの概略構成を示す正面図である。ここで、クランク軸1は、7つのクランク2A〜2Gを有する。3A〜3Hはジャーナルである。各ジャーナル3A〜3Gは、軸受4A〜4Gによって支持されている。船舶の後側に対応したエンジン後端部のジャーナル3Hは、他のジャーナルよりも長く形成されて、一対の軸受4H、4Iによって支持されている。5は、プロペラシャフトへの接続部である。各軸受4A〜4Iは、図示を省略したハウジングによって、船底などの機関据付面6から一定の高さhの位置に据え付けられている。
【0013】
図6は、図5に示された部分を側方から見た図である。この図では、クランク2A〜2Gと、シリンダ7の内部を上下に摺動するピストン8とが連接棒9によって接続された状態を示す。θはクランク角で、ここでは上死点位置を0度としている。
【0014】
図1は、本発明にもとづくクランク軸の傾き予測方法のフローを示し、以下、この図1にしたがって説明する。なお、詳細な説明は後述する。まず、ステップ101で処理が開始されたなら、ステップ102において、処理を行うコンピュータに初期条件を入力する。次に、ステップ103において、クランク軸に作用する力を、機関の運転の一工程について計算する。この運転の一工程は、たとえば4サイクル機関ならクランク軸の2回転すなわち0度から720度までの間、2サイクル機関なら1回転すなわち0度から360度までの間となる。この力としては、シリンダ内のガス圧や、慣性力や、遠心力などがある。
【0015】
そして、このようにして求められたクランク軸に作用する力と、クランク軸の剛性とにもとづいて、クランク軸の傾きを求める。すなわち、ステップ104において、まずクランク角θが0度のときのクランク軸の剛性を計算し、次にステップ105において、ステップ103で求めたクランク角θが0度のときにクランク軸に作用する力と、上記クランク軸の剛性とにもとづいて、このクランク角θが0度のときのクランク軸の傾き(1)を求める。また、ステップ106とステップ107とによって、クランク軸の運転の一工程にわたって、所定角度ごとに、同様にクランク軸の傾きを求める。これにより、クランク軸に作用する力のみならず、その剛性をも考慮して、クランク軸の傾きを求めることになるため、その傾き量を簡易にかつ精度良く求めることができる。
【0016】
本発明においては、このようにして所定クランク角θごとのクランク軸の傾きを求めた段階で処理を終了することが可能である。あるいは、以下に述べるように熱膨張の影響を加味して、クランク軸の傾きをより精度良く求めることも可能である。
【0017】
すなわち、クランク軸が上述のようにエンジンに設けられたものである場合には、運転中に常温よりも温度が上昇し、それに伴ってクランク軸のジャーナルを支持する軸受すなわち軸支持部の高さが変化する。その場合に、図5の各クランクの両側のジャーナルの部分を支持する一対の軸受において温度条件などが異なると、これら軸受の高さが相互に変化して、クランク軸に傾きが生じる。図1のステップ108では、このようにして発生したクランク軸の傾き(2)を求める。
【0018】
そして、ステップ109において、上述のクランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾き(1)に加えて、熱膨張の影響によるクランク軸の傾き(2)をも考慮して、両傾きの和(1)+(2)から、クランク軸の傾きを求める。これにより、いっそう精度良く傾き量を求めることができる。
【0019】
最後に、ステップ110において計算結果を出力することで、ステップ111で処理を終える。
【0020】
以下、上述の各処理を詳細に説明する。図2は、図1におけるステップ102の初期条件の入力処理と、ステップ103のクランク軸に作用する力の計算との詳細を示すものである。ステップ201で処理が開始されたなら、ステップ102に相当するステップ202において、初期条件の入力を行う。すなわち、クランク軸の長さや径や重量などの諸元データ、軸受間隔、往復運動部質量、回転部質量、重心位置、シリンダ径、シリンダストローク、連接棒長さ、回転数、着火順序、ガス爆発力、機関潤滑油温度、機関周囲温度、機関据付面からクランク軸中心までの高さなどのデータを、初期条件として与える。
【0021】
次に、図1のステップ103に相当した、クランク軸に作用する力の計算を実行する。まず、ステップ203において、クランク角θが0度の場合から計算を開始する。そして、まずクランク軸の先端のクランクに関し、ステップ204において計算を行う。
【0022】
このとき、簡単のために、図7に示すように、一対の軸受4A、4Bによって支持されたクランク軸1の部分を真っ直ぐな丸棒であると近似して、機関の運転中にクランク軸中心に作用する力を計算により求める。このとき、軸受4A、4Bどうしの間の中央部には、ガス圧による荷重と、往復運動部の慣性力と、クランクピンなどの回転運動部の遠心力とを合計した力F1が作用する。そして、クランク軸の構造にもとづき、この力F1が作用する部分の両側には、クランクアームの遠心力とカウンターウエイトの遠心力とを合計した力F2、F3がそれぞれ働く。
【0023】
クランク軸1は、これらの力F1、F2、F3を受けて図示のように撓み、この撓みが発生することによって軸受4A、4Bの部分ではクランク軸1に傾きが生じる。αはその傾き角である。
【0024】
図2のステップ204では、このようにクランク軸1の中心に作用する力の水平方向成分と鉛直方向成分とを求める。そして、ステップ205において、クランク軸の先端から後端に向かう各クランクについて、同様の計算を行う。ステップ205において、クランク軸の後端までの計算が行われたことが確認されたなら、次にステップ206、207によって、クランク角θを一定角度すなわちここでは5度進めて、同様の計算を繰り返す。そして、ステップ206において、運転一工程すなわちクランク軸の2回転あるいは1回転についての計算が完了したことが確認されたなら、ステップ208に移って処理を終わる。計算結果は、メモリーに格納される。
【0025】
次に、図1のステップ104〜107に示された、クランク軸の剛性の計算とその傾き(1)の計算との詳細を、図3を参照して説明する。この図3において、ステップ301により処理が開始されたなら、ステップ302において、先のステップ203の場合と同様に、クランク角θが0度の場合から計算を開始する。そして、まずクランク軸の先端のクランクに関し、ステップ303において、クランク軸の剛性を計算する。
【0026】
上述のように上死点位置においてクランク角が0度であるとすると、各クランク角θにおけるクランク軸の剛性は、主軸受でのクランク軸の傾きを等しくする次の式で表すことができる。
【0027】
【数1】
Figure 0003580706
【0028】
このクランク軸の剛性は、鉛直方向の力に対しては、クランク角90度と270度とにおいて最大となり、また0度と180度とにおいて最小となる。水平方向の力に対してはその逆となる。なお、上式におけるクランク角0度と90度での剛性は、材料力学の計算式から得られる値である。また、上式において、第1項は、クランク角θにおける剛性の変化量を表し、φは各シリンダの着火順序に関連したクランク角位相を表す。第1項の「±」は、鉛直方向の力に対して「+」をとり、水平方向の力に対して「−」をとる。第2項は、剛性の両振幅の平均を表す。
【0029】
このようにして、図3のステップ303では、そのときのクランク角におけるクランク軸の剛性が計算される。次に、ステップ304では、そのときのクランク角における、図2のフローにて計算されたクランク軸中心に作用する力を、メモリーから呼び出す。そして、ステップ305では、クランク軸の傾きの計算のために必要な、クランク軸両端の境界条件を与える。
【0030】
クランク軸の傾きの計算は、構造解析法の一つである伝達マトリックス法を用いて、任意の支持条件を有する真っ直ぐな丸棒に近似したクランク軸の支持部における傾きを計算することによって行う。すなわち、ステップ306において伝達マトリックスの定数要素を与え、ステップ307において伝達マトリックスの積の計算を行う。そして、ステップ308において、クランク軸の後端の軸受まで同様の計算を行う。
【0031】
次に、この計算結果にもとづき、ステップ309、310、311において、クランク軸の先端から後端に向けて、各軸受における軸状態量すなわちその変位、傾き(1)を計算する。
【0032】
そして、以上の計算をステップ312にあるように水平方向と鉛直方向とに分けて行い、またステップ313および314にあるようにクランク角θを一定角度すなわちここでは5度進めて、同様の計算を繰り返す。そして、ステップ313において、運転一工程についての計算が完了したことが確認されたなら、ステップ315に移って処理を終わる。計算結果は、メモリーに格納する。
【0033】
次に、図1のステップ108〜110に示された、機関の熱膨張を考慮した傾きの計算の詳細を、図4を参照して説明する。すなわち、ステップ401で処理が開始されたなら、ステップ402、403において、機関の熱膨張に伴う軸支持部つまり軸受の高さの変化を、全ての軸受について、熱膨張の計算式により求める。そして、ステップ404において、相隣り合う軸受の高さの差を求め、ステップ405では、その値を軸受間距離で除算することで、傾き角を計算する。ステップ406では、すべての軸受について同様の計算を行う。さらに、ステップ407において、軸受における両側の傾き角の差を求めることで、機関の熱影響による軸受の高さの変化にもとづく傾き(2)を求める。ステップ408では、すべての軸受について同様の計算を行う。
【0034】
そして、ステップ409において、先に格納しておいた傾き(1)のデータを呼び出し、ステップ410において両方の傾きの和(1)+(2)を計算することで、求めるクランク軸の傾きが得られる。ステップ411において計算結果を出力すれば、ステップ412において処理を終わる。
【0035】
このように、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾き(1)と、熱膨張の影響によるクランク軸の傾き(2)とを加算することで、クランク軸の傾き量をきわめて精度良く求めることができる。
【0036】
図8は、エンジンの運転中に片当たりを起こした軸受についての実際のクランク軸の傾き(1)+(2)の計算結果を示す。図中、横軸はクランク角θを示し、縦軸は傾き角Aを示す。この傾き角Aの正負は、図9に示すように傾きの方向が逆になっていることを意味する。Axは鉛直方向の傾き角、Ayは水平方向の傾き角である。図8では、水平方向の傾き角Ayが、0度から360度にわたってマイナス方向に偏っており、マイナス方向の傾きが生じていることが判る。線図の凹凸は傾きの大小を表す。
【0037】
なお、上記においてはピストン・クランク機構を備えた装置としてエンジンを例にとって説明したが、他の装置においても同様に適用することができる。また、上述のようにエンジンにおいては、運転時に装置温度が常温よりも上昇するので、熱膨張の影響によるクランク軸の傾き(2)を考慮することはきわめて意義のあることである。しかし、他の装置においては、このような装置温度の上昇を考慮する必要が無い場合もあり、その場合には、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めた傾き(1)だけで足りることもある。
【0038】
次に、上記により求めた傾き(1)+(2)から、エンジンのクランク軸のための軸受の据付方法すなわち据付量の算出方法について説明する。
まず、上記の計算結果にもとづき、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求め、次にそれらの平均値を求める。次に、各クランクの両側の一対の軸受について、上記のように求めたクランク軸傾きの平均値の差をとる。そして、その差を両側の軸受間距離で除算することで、傾き角を計算する。この結果、各クランクごとにクランク軸の傾き角が求められる。
【0039】
そこで、隣り合うクランクの傾き角を考慮しながら、その傾き角を0にするための逆向きの傾きを与えるのに必要な軸受の変位量を求める。これによって、最終的な据付量が求められる。なお、実際は、据付量すなわち傾きの修正のための軸受の変位量は微小であるため、軸受のハウジングなどは変位させずに、軸受メタルの厚さを変化させることなどによってその調節を行うことができる。下表は、エンジンの軸受の据付量すなわち傾きを解消するための対策量について、従来の技能者の経験にもとづいたトライ・アンド・エラーによる対策量と、本発明の計算結果とを比較したものである。両者においてほぼ同様の傾向が見られることがわかる。
【0040】
【表1】
Figure 0003580706
【0041】
このようにして傾き角が0になるようにすると、たとえば図8の水平方向の傾き角Ayの線図が、その凹凸を有したままの状態で0.0E+0に近づくように変化することになる。
【0042】
なお、クランク軸の傾き量は、そのクランク軸の剛性に影響する。したがって、本発明にもとづきクランク軸の傾き量すなわちクランク軸と軸受との片当たりが事前に予測でき、その片当たり量が判るのであれば、反対に、それにもとづきクランク軸の剛性を適切に変化させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、クランク軸の回転時にこのクランク軸に作用する力を求めるとともに、各クランク角におけるクランク軸の剛性を求めて、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから、各クランク角における軸受に対するクランク軸の傾きを求めるため、その傾き量を簡易にかつ精度良く求めることができるのみならず、得られた傾き量の結果にもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させるため、クランク軸の傾きが格段に小さくなるようにその軸受の据付量を調節することができる。
【0044】
また本発明によると、ピストン・クランク機構を備えた装置の熱膨張に伴う軸受位置の変化を求め、隣り合う一対の軸受についての軸受位置の差から、これら隣り合う一対の軸受どうしの間の傾き角を求め、各軸受における一方の側部についての傾き角と他方の側部についての傾き角との差を求めることで、その軸受における熱膨張の影響によるクランク軸の傾きを求め、この熱膨張の影響によるクランク軸の傾きと、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きとの和を求めて、この和をクランク軸の傾きとするため、その傾き量をいっそう精度良く求めることができる。
【0045】
さらに本発明によると、クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きと、熱膨張の影響によるクランク軸の傾きとの和から得られた傾き量の結果にもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させるため、クランク軸の傾きが格段に小さくなるようにその軸受の据付量を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のクランク軸の傾き予測方法のフローチャートである。
【図2】図1の要部の詳細を示す図である。
【図3】図1の他の要部の詳細を示す図である。
【図4】図1のさらに他の要部の詳細を示す図である。
【図5】本発明のクランク軸の傾き予測方法を適用可能な舶用ディーゼルエンジンのクランク軸回りの概略構成を示す正面図である。
【図6】図5に示された部分を側方から見た図である。
【図7】クランク軸に作用する力を説明するための図である。
【図8】エンジンの運転中に片当たりを起こした軸受についてのクランク軸の実際の傾きの計算結果を示す図である。
【図9】クランク軸の傾きの方向について説明するための図である。
【符号の説明】
1 クランク軸
4A〜4I 軸受
θ クランク角
A 傾き角

Claims (3)

  1. エンジンなどにおけるピストン・クランク機構のクランク軸の回転時にこのクランク軸に作用する力を求めるとともに、各クランク角におけるクランク軸の剛性を求めて、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから、各クランク角における軸受に対するクランク軸の傾きを求め、この求められたクランク軸の傾きにもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させることを特徴とするクランク軸の軸受の据付方法。
  2. エンジンなどにおけるピストン・クランク機構のクランク軸の、その軸受に対する傾きを予測するに際し、このクランク軸の回転時にこのクランク軸に作用する力を求めるとともに、各クランク角におけるクランク軸の剛性を求めて、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから、各クランク角における軸受に対するクランク軸の傾きを求め、前記ピストン・クランク機構を備えた装置の熱膨張に伴う軸受位置の変化を求め、隣り合う一対の軸受についての軸受位置の差から、これら隣り合う一対の軸受どうしの間の傾き角を求め、各軸受における一方の側部についての傾き角と他方の側部についての傾き角との差を求めることで、その軸受における熱膨張の影響によるクランク軸の傾きを求め、前記クランク軸に作用する力とクランク軸の剛性とから求めたクランク軸の傾きと、前記熱膨張の影響によるクランク軸の傾きとの和を求めて、この和をクランク軸の傾きとすることを特徴とするクランク軸の傾き予測方法。
  3. 請求項2に記載のクランク軸の傾き予測方法により得られた結果にもとづいて、各軸受におけるクランク軸の最大傾きと最小傾きとを求めるとともにそれらの平均値を求め、隣り合う一対の軸受における前記平均値の差をこれら軸受どうしの間の距離で除算することによって軸受間傾き角を求め、この軸受間傾き角が0になるように軸受の位置を変化させることを特徴とするクランク軸の軸受の据付方法。
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