JPH10169637A - クランク軸の設計方法及びクランク軸 - Google Patents

クランク軸の設計方法及びクランク軸

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JPH10169637A
JPH10169637A JP33007096A JP33007096A JPH10169637A JP H10169637 A JPH10169637 A JP H10169637A JP 33007096 A JP33007096 A JP 33007096A JP 33007096 A JP33007096 A JP 33007096A JP H10169637 A JPH10169637 A JP H10169637A
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crankshaft
counterweight
load
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arm
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JP33007096A
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English (en)
Inventor
Kazuo Okamura
一男 岡村
Takahiro Fujimoto
隆裕 藤本
Yasuo Hida
安雄 肥田
Teruyuki Doi
照幸 土居
Toshiyuki Sadoi
俊之 佐土井
Shuji Nagano
修治 長野
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Mitsubishi Motors Corp
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン高出力化に伴うジャーナル軸受け部
への負荷増大を低減させるクランク軸の設計方法の提
供。 【解決手段】 クランク軸をジャーナル軸受け部に各支
点を有する連続はりに近似させ、各支点部に生じる荷重
を計算し(S18〜22)、次に、その計算した荷重の
最大値を求め(S26)、次に、各カウンタウェイト重
心部の回転半径、各カウンタウェイトの質量及び各カウ
ンタウェイト重心部のクランク軸周方向の位置の何れか
一又は複数を設計変数として、前記荷重の最大値を減少
させるべく(S28)設計変数を変化させて(S30,
36)計算する(S12〜22,26)ことにより、前
記荷重を最小化する設計変数を求める(S34)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用クランク
軸において、エンジン運転中に生じるジャーナル軸受け
荷重を予測し、その軸受け荷重を低減するクランク軸の
形状を設計するためのクランク軸の設計方法及びクラン
ク軸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1(a)は、自動車用エンジンに使用
されるクランク軸の形状を示す正面図である。このクラ
ンク軸10は、直列4気筒エンジン用であり、図示しな
いシリンダ(気筒)内を往復運動するピストン11のそ
の往復運動が、ピストン11に回動自在に連結されたコ
ネクティングロッド(以下、コンロッドと記す)16に
より、コンロッド16の他側に回動自在に連結された、
クランク軸10のアーム14の回転運動に変換される。
アーム14の回転運動の中心には、クランク軸10の回
転軸であるジャーナル15が設けられている。
【0003】ピストン11の上部には、ピストンを円周
状に囲むようにピストンリング12が付設され、シリン
ダの内壁とピストン11との隙間からのガス洩れを防止
している。ピストン11とコンロッド16との連結は、
ピストン11に固定されたピストンピンが、コンロッド
16の上端部である小端部18(図2参照)をその往復
運動方向と垂直方向に貫く形でなされている。コンロッ
ド16とアーム14との連結は、2つのアーム14の間
にその回転運動方向と垂直方向に固定されたクランクピ
ン19が、コンロッド16の下端部である大端部17
(図2参照)を貫く形でなされている。
【0004】ジャーナル15は、アーム14のクランク
ピン19が設けられていない側に、アーム14の回転運
動方向と垂直方向に固定され、クランクピン19により
結合された4対のアーム14を結合している。アーム1
4の回転運動の中心の反対側は、バランスを取るための
カウンタウェイト13が設けられている。クランク軸1
0を構成するジャーナル15、アーム14、カウンタウ
ェイト13及びクランクピン19は、一体物として鍛造
されることが多い。
【0005】図1(b)は、図1(a)に示したクラン
ク軸10の構造を、分かり易くするために簡略化して示
した説明図である(カウンタウェイト13は省略)。ク
ランク軸10の各ジャーナル15は、図示しないクラン
クケースに支持されたそれぞれのジャーナル軸受け部2
0により保持される。4対のアーム14のそれぞれの方
向は、外側の2対と内側の2対とのなす角度が180°
となっている。
【0006】回転中のクランク軸10には、シリンダ内
の爆発によって、ピストン11にかかる圧力、ピストン
11の往復運動による慣性力、コンロッド16の運動に
よる慣性力、クランク軸10自体の回転慣性力が作用す
る。コンロッド16の運動による慣性力は、コンロッド
16の運動が往復運動と回転運動とを合成した運動であ
ることから、通常、図2に示すように、等価質量法を用
いて、小端部質量mrsと大端部質量mrbとに分け、小端
部質量mrsは往復運動慣性力のみに寄与し、大端部質量
rbは回転運動慣性力のみに寄与すると近似する。
【0007】従って、コンロッド16の小端部18に働
く力Fsは、 Fs=ガス圧による力Fg+往復運動慣性力Fi (1) ここで、Fg=−P・A A:ピストンヘッドの受圧面積 (2) である。ガス圧による力Fgは、図3(a)のピストン
11とコンロッド16との運動を示す説明図に示すよう
に、下向きに働くので、負の符号を付す。図3(b)に
おいて、ピストン11の上死点方向にy軸を取り、y軸
とクランク軸10の軸方向とに垂直な方向にx軸を取る
と、y軸とアーム14との時計回り方向になすクランク
角θにおける、小端部18の中心点のy座標は、
【0008】
【数1】
【0009】と表されるので、ピストン11、ピストン
ピン及びピストンリング12の各質量の合計をmH とす
ると、上述した往復運動慣性力Fiは、
【0010】
【数2】
【0011】である。ここで、θ=ωtとして、
【0012】
【数3】
【0013】と表される。一方、クランクピン(ピンメ
タルを含む)19の質量mp とコンロッド16の大端部
17の質量mrbとによって、クランクピン19に作用す
る回転慣性力Frot は、クランクピン19の質量mp
びアーム14の質量ma の各重心位置を図4に示すよう
に取ると、 Frot =rω2 (mp +mrb) (6) と表される。この他に、クランク軸10には、アーム1
4の回転慣性力PA が働く。即ち、 PA =ma ・ra ・ω2 (7) である。
【0014】従って、クランク軸10に働くx軸、y軸
方向の力(Fx ,Fy )は、y軸とコンロッド16とが
なす角度をψとすると、隣合うジャーナル間である1ス
ロー中において、 Fx =(2PA +Frot )sinθ+(Fg+Fi)tanψ (8) Fy =(2PA +Frot )cosθ+Fg+Fi (9) となる。但し、(8)式及び(9)式においては、力は
1スロー中の合力であり、クランク軸10の軸方向のど
の位置にどの力が働くかということは、厳密には区別し
ていない。
【0015】(8)式及び(9)式から回転慣性力のみ
を取り出して、Fx ’,Fy ’と表すものとすると、 Fx ’=(2PA +Frot )sinθ =ω2 {2ma ・ra +(mp +mrb)r}sinθ (10) Fy ’=(2PA +Frot )cosθ =ω2 {2ma ・ra +(mp +mrb)r}cosθ (11) である。
【0016】従来より、この回転慣性力による不釣り合
い力Fx ’,Fy ’を打ち消すように、カウンタウェイ
トの配置を決定する方法がある(例えば、日本機械学会
編:機械工学便覧(基礎編A3)力学・機械力学(昭和
61)、A3−142、日本機械学会)。多気筒エンジ
ンにおいては、各気筒で生じる不釣り合い力を全気筒で
打ち消すように、カウンタウェイトの配置を決定する。
また、クランク軸の軸上のある一点に着目し、不釣り合
い力と着目点からの軸方向距離との積で定義されるモー
メント(x軸及びy軸周りのモーメント)の合計で定義
される不釣り合いモーメントを打ち消すように、カウン
タウェイトの配置を決定する方法もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のカウン
タウェイトの配置の決定方法では、カウンタウェイトの
質量と配置とは、不釣り合い力を相殺することを指標と
して決定されていた。そのため、クランク軸が受ける負
荷として、シリンダ内のガス圧による力及び往復慣性力
は、その値が大きいにも関わらず、釣り合い不可能な力
として考慮されていない。
【0018】このような従来の方法によって設計された
クランク軸も、エンジン出力が小さい段階においては、
それほど問題にはならなかった。即ち、エンジン出力
は、エンジンの排気量の増加で補うことができたので、
クランク軸自体それを支えるジャーナル軸受け部も必要
十分な大きさを確保でき、クランク軸、ジャーナル軸受
け部にかかる負荷は相対的に小さくなり、長時間の使用
において亀裂及び磨耗等の欠陥が生じることは無かっ
た。一方、小型高出力化した場合には、ジャーナル軸受
け部のメタルの磨耗損傷が生じ、甚だしい場合には、焼
き付きによるクランク軸自体の欠損に至ることがある。
【0019】今日では、小排気量において高出力が求め
られるようになってきており、またさらに、エンジンか
ら発生する振動及び騒音に対して、従来は、制振機構及
び遮音機構の付加等の2次的な対策が講じられていた
が、今日では、振動源の振動レベルそのものを低減させ
る要求が高まっている。
【0020】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、第1,2発明では、エンジン高出力化に伴
うジャーナル軸受け部への負荷増大を低減させるクラン
ク軸の設計方法を提供することを目的とする。第3発明
では、エンジン高出力化に伴うジャーナル軸受け部への
負荷増大を低減させ、また、設計に伴う計算精度が向上
する、クランク軸の設計方法を提供することを目的とす
る。第4発明では、エンジン高出力化に伴うジャーナル
軸受け部への負荷増大を低減させ、また、クランク軸の
鍛造工程における型抜きが容易なクランク軸の設計方法
を提供することを目的とする。
【0021】第5発明では、エンジン高出力化に伴うジ
ャーナル軸受け部への負荷増大を低減させ、また、エン
ジンから発生する振動及び騒音を低減させるクランク軸
の設計方法を提供することを目的とする。第6発明で
は、エンジン高出力化に伴うジャーナル軸受け部への負
荷増大を低減させ、また、エンジンの小型化に対応でき
るクランク軸の設計方法を提供することを目的とする。
第7,8発明では、エンジン高出力化に伴うジャーナル
軸受け部への負荷増大を低減できるクランク軸を提供す
ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
クランク軸の設計方法は、クランク軸をジャーナル軸受
け部に各支点部を有する連続はりに近似させ、前記各支
点部に生じる荷重を計算し、次に、計算した前記荷重の
最大値を求め、次に、各カウンタウェイト重心部の回転
半径、各カウンタウェイトの質量及び各カウンタウェイ
ト重心部のクランク軸周方向の位置の何れか一又は複数
を設計変数として、前記荷重の最大値を減少させるべく
前記設計変数を変化させて計算することにより、前記荷
重を最小化する前記設計変数を求めることを特徴とす
る。
【0023】第2発明に係るクランク軸の設計方法は、
一又は複数のエンジン運転条件について、クランク角度
毎に、それぞれのエンジンシリンダ内圧による力と、ピ
ストン、ピストンピン、ピストンリング及びコネクティ
ングロッド小端部の往復運動による慣性力と、それぞれ
のコネクティングロッド大端部及びクランクピンの回転
運動による慣性力とを当該クランクピンに加え、それぞ
れのアーム及びカウンタウェイトの回転運動による慣性
力を当該アームに加えることによって、前記連続はりの
各支点部に生じる荷重を計算することを特徴とする。
【0024】このクランク軸の設計方法において、軸受
け荷重を最小化する理由は、ジャーナル軸受け部の損傷
を防止するためには、ジャーナル軸受け部において、ク
ランク軸とジャーナル軸受けとの間に働く力、即ち軸受
け反力を低減することが効果的であるからである。ま
た、クランク軸に起因するエンジン振動は、ジャーナル
軸受け部の軸受け荷重によってエンジン筐体に伝えられ
るのであるから、振動低減の観点からも、ジャーナル軸
受け部の軸受け荷重を低減することは、効果が大きい。
【0025】このような軸受け荷重を低減するという目
的に対して、上述した従来の方法では有効性が乏しい。
なぜならば、従来の方法は不釣り合い力、すなわち、回
転慣性力のバランスにのみに着目した方法であって、軸
受け荷重はもとより、これに大きな影響を及ぼすガス圧
及び往復慣性力を考慮していないからである。
【0026】またさらに、従来の方法ではクランク軸の
剛性について考慮されていない。クランク軸は、剛体で
はなく弾性体であるので、慣性力及びガス圧等を受け
て、ジャーナル軸受け間で弾性変形する。このとき、各
ジャーナル軸受け間におけるクランク軸の変形は、それ
ぞれ独立に生じることはなく、各ジャーナル軸受けの左
右両側の変形は、これらの撓み角が連続的に変化するよ
うに生じる。これらの撓み角の連続性を保つために曲げ
モーメントが生じ、この曲げモーメントによる軸受け反
力が、クランク軸が外部から受ける横荷重(慣性力及び
ガス圧による力)の他に加わることになる。従来の方法
では、このようなクランク軸の弾性変形により生じる力
についても考慮されていない。
【0027】従って、第1、2発明においては、従来の
ように単に不釣り合い力を相殺するのではなく、ジャー
ナル軸受けの軸受け荷重そのものを低減するように、カ
ウンタウェイトの重心部の回転半径と質量と配置とを決
定する。このためには、軸受け反力を計算する必要があ
るが、この計算は、従来の不釣り合い力の計算に比べれ
ば遙に複雑であり、コンピュータを使用しなければ、計
算は不可能に近い。
【0028】また、カウンタウェイトの重心部の回転半
径と質量と配置との決定は、多設計変数の最適化(軸受
け荷重最小化)問題であって、熟練者による直観的な洞
察で設計できるものではなく、軸受け荷重計算と最小化
のための計算とを平行して行って、初めて、軸受け荷重
を最小化するという意味で最適なカウンタウェイトの質
量と配置とを求めることが可能である。
【0029】ジャーナル軸受けの軸受け荷重を計算する
ためには、上述したように、クランク軸に作用する全て
の横荷重とクランク軸の剛性とを考慮する必要がある。
一般に弾性体の変形計算には、有限要素法及び境界要素
法等の数値解法が用いられるが、これらの方法でクラン
ク軸が回転している際の変形及び支持境界の反力を求め
ることは、非常に困難である。またさらに、各回転角度
毎に計算する必要があることから、例えば、4サイクル
エンジンの場合には720°の範囲で上述した変形計算
を多数行わなければならず、計算処理に多大な時間が必
要となる。そこで、本発明では、ジャーナル軸受けの軸
受け荷重を計算するために、クランク軸を、各ジャーナ
ル軸受けを支点として支えられた連続はりで近似し、支
点反力として軸受け荷重を求める。この連続はり近似に
よる解法そのものは目新しいものではなく、材料力学に
おける応用の一つである。
【0030】第1、2発明では、設計変数は、(a)各
カウンタウェイト重心部の回転半径、(b)各カウンタ
ウェイトの質量、(c)各カウンタウェイト重心部のク
ランク軸周方向の位置(軸周りの取り付け角度)として
いる。各アームの取り付け位置及び質量、クランクピン
の質量等は、エンジンシリンダとの兼ね合い及びエンジ
ン性能から決定される物理量であり、ジャーナル軸受け
の軸受け荷重を基にした設計だけでは決定できない。そ
のため、上述した3項目以外の形状は、設計の初期段階
において決定されているものとする。
【0031】上述した設計変数は、それぞれ単独で設計
変数としても良く、(a)、(b)、(c)全てを、ま
たは、(a)と(c)、(b)と(c)のように組み合
わせて設計変数としても良い。但し、(a)と(b)の
組み合わせは、カウンタウェイト質量と重心回転半径と
は、共に回転慣性力の大きさのみに影響することから、
組み合わせて設計変数としても、設計変数の数を増すだ
けで得られる効果は同じである。尚、本発明では、カウ
ンタウェイトと表現しているが、ジャーナル軸受けの軸
受け荷重計算においては、カウンタウェイトとアームと
を区別する必要はなく、カウンタウェイトとアームとを
統合した質量と重心位置の回転半径、周方向の取り付け
位置と考えても同じ意味を持つ。従って、カウンタウェ
イトとアームとを統合した部材の質量、重心の回転半
径、重心の周方向位置を設計することも、本発明に含ま
れるものである。
【0032】第3発明に係るクランク軸の設計方法は、
前記連続はりは、前記クランク軸の隣合うジャーナル間
である各スロー内において、前記ジャーナル、アーム及
びクランクピンの各部の曲げ剛性を区別してあることを
特徴とする。
【0033】上述したように、ジャーナル軸受けの軸受
け荷重の計算においては、クランク軸の剛性を考慮する
ことは最低限必要である。1スロー、即ち、はりの1ス
パンは、ジャーナル、アーム及びクランクピンによって
構成されているので、これら構成部材毎に曲げ剛性(は
りの断面2次モーメント)を区別することによって、軸
受け荷重をさらに厳密に計算することができる。
【0034】このクランク軸の設計方法では、1スパン
を構成するはりは、曲げ剛性が長さ方向の各部で異なる
段付き棒で構成されていると考えて、定式化することに
よって、各構成部材毎に曲げ剛性が異なる効果を取り入
れることを可能にした。
【0035】ジャーナル及びクランクピンは、断面形状
が円形であるので、ジャーナル及びクランクピンの直径
によって曲げ剛性(断面2次モーメント)は、材料力学
公式に従って決めることできる。アームについては、元
々クランク形状の部材を直線状のはりで近似しているた
めに、部材断面形状から断面2次モーメントを計算して
も意味をなさない。アーム部の曲げ剛性は、3次元的な
弾性変形解析(例えば有限要素法)を行って、その変形
状態をはりモデルで再現するために必要な等価的な剛性
を予め求めておく必要がある。
【0036】このようにして求めたアーム部の等価剛性
は、一般にジャーナル及びクランクピンよりも小さな値
を与える。また、クランクピン径は、一般にジャーナル
径よりも小さいので、クランクピンの曲げ剛性は、ジャ
ーナルの曲げ剛性よりも小さくなる。従って、1スパン
間は、ジャーナルとジャーナルよりも小さな剛性を有す
る部材で構成されていることになり、このような場合の
軸受け反力は、曲げ剛性が各部で等しいとした場合より
も、一般的に約10〜20%程度大きな値となる。
【0037】第4発明に係るクランク軸の設計方法は、
前記設計変数は、前記クランク軸の鍛造工程における型
抜きの容易性から、上下限値を定めてあることを特徴と
する。
【0038】ある目標関数を最小化する最適設計問題に
おいては、設計変数に全く制限を付けない場合の方が、
最適解における目標関数の値は小さくなる。しかし、設
計を行って得られたクランク軸形状を実現する場合、鍛
造により製造するときには、鍛造後に製品が型から抜け
ないような形状になっている可能性もある。従って、設
計段階において、予め、型抜きの容易性を考慮して設計
変数が取り得る範囲の上下限値を定めておき、その範囲
の中で最適設計する方が無駄が少ない。
【0039】第5発明に係るクランク軸の設計方法は、
次式で示すMx ,My をそれぞれの所定値内に収めるこ
とを特徴とする。 Mx =Σ{maj・raj・sin(θaj)+mcj・rcj
sin(θcj)}+Σ(mp +mrb)r・sin
(θpj) My =Σ{maj・raj・cos(θaj)+mcj・rcj
cos(θcj)}+Σ(mp +mrb)r・cos
(θpj) 但し、ma :前記アームの質量、ra :前記アームの重
心回転半径、θa :前記アームの取付け角度、mc :前
記カウンタウェイトの質量、rc :前記カウンタウェイ
ト重心部の回転半径、θc :前記カウンタウェイトの取
付け角度、mp :前記クランクピンの質量、r:前記ク
ランクの回転半径、θp :前記クランクピンの取付け角
度、mrb:前記コネクティングロッド大端部の等価質量
であり、添字jは、それが付加されたアーム及びカウン
タウェイトが何番目であるかを示し、Σはjに関する総
和を示す。
【0040】ここで、取付け角度とは、クランク軸のあ
る一点(例えば第1番目のクランクピン)を基準点にし
て、この基準点と各部材の重心とがクランク軸の回転中
心においてなす角度である。Mx ,My の定義式に回転
角速度ω2 を乗じたものを、式(10)、(11)のF
x ’,Fy ’と比較すれば、Mx ,My は、不釣り合い
力をカウンタウェイトで釣り合わせた後に残った不釣り
合い力の残差量であることが分かる。即ち、Mx ,My
をある所定値以内に抑えるということは、不釣り合い力
をカウンタウェイトで釣り合わせていた従来の方法を、
最適化の制約条件に組み込み、従来の方法での評価も満
足させながら、軸受け荷重を低減することを意味する。
【0041】第6発明に係るクランク軸の設計方法は、
前記カウンタウェイトの質量と該カウンタウェイト重心
部の回転半径との積の総和を所定値内に収めることを特
徴とする。
【0042】このクランク軸の設計方法では、カウンタ
ウェイトの質量とカウンタウェイト重心部の回転半径と
の積の総和において、カウンタウェイト重心部の回転半
径を変化させない場合は、総重量を所定値内に収めるこ
とと同様の意味を有する。
【0043】第7発明に係るクランク軸は、ジャーナル
軸受け部に各支点を有する連続はりに近似させ、前記ジ
ャーナル軸受け部に生じる軸受け荷重を計算し、次に、
計算した前記軸受け荷重の最大値を求め、次に、各カウ
ンタウェイト重心部の回転半径、各カウンタウェイトの
質量及び各カウンタウェイト重心部のクランク軸周方向
の位置の何れか一又は複数を設計変数として、前記軸受
け荷重の最大値を減少させるべく前記設計変数を変化さ
せて計算することにより、前記軸受け荷重を最小化する
前記設計変数を求めて設計されたことを特徴とする。
【0044】このクランク軸では、各カウンタウェイト
重心部の回転半径、各カウンタウェイトの質量及び各カ
ウンタウェイト重心部のクランク軸周方向の位置の何れ
か一又は複数を設計変数として、軸受け荷重の最大値を
減少させるべく設計変数を変化させて計算することによ
り、軸受け荷重を最小化する設計変数を求めて設計され
ているので、エンジンから発生する振動及び騒音が低
い。
【0045】第8発明に係るクランク軸は、一又は複数
のエンジン運転条件について、クランク角度毎に、それ
ぞれのエンジンシリンダ内圧による力と、ピストン、ピ
ストンピン、ピストンリング及びコネクティングロッド
小端部の往復運動による慣性力と、それぞれのコネクテ
ィングロッド大端部及びクランクピンの回転運動による
慣性力とを当該クランクピンに加え、それぞれのアーム
及びカウンタウェイトの回転運動による慣性力を当該ア
ームに加えることによって、前記ジャーナル軸受け部に
生じる軸受け荷重を前記連続はりの各支点反力として計
算され設計されたことを特徴とする。
【0046】このクランク軸では、クランク角度毎に、
それぞれのエンジンシリンダ内圧による力と、ピスト
ン、ピストンピン、ピストンリング及びコネクティング
ロッド小端部の往復運動による慣性力を当該クランクピ
ンに加えることによって、前記ジャーナル軸受け部に生
じる軸受け荷重を前記連続はりの各支点反力として計算
され、各カウンタウェイト重心部の回転半径、各カウン
タウェイトの質量及び各カウンタウェイト重心部のクラ
ンク軸周方向の位置の何れか一又は複数を設計変数とし
て、軸受け荷重の最大値を減少させるべく設計変数を変
化させて計算することにより、軸受け荷重を最小化する
設計変数を求めて設計されているので、エンジンから発
生する振動及び騒音が低い。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をその実施の形態
を示す図面に基づいて説明する。図1(a)は、自動車
用エンジンに使用されるクランク軸の形状を示す正面図
である。このクランク軸10は、直列4気筒エンジン用
であり、図示しないシリンダ(気筒)内を往復運動する
ピストン11のその往復運動が、ピストン11に回動自
在に連結されたコネクティングロッド(以下、コンロッ
ドと記す)16により、コンロッド16の他側に回動自
在に連結された、クランク軸10のアーム14の回転運
動に変換される。アーム14の回転運動の中心には、ク
ランク軸10の回転軸であるジャーナル15が設けられ
ている。
【0048】ピストン11の上部には、ピストンを円周
状に囲むようにピストンリング12が付設され、シリン
ダの内壁とピストン11との隙間からのガス洩れを防止
している。ピストン11とコンロッド16との連結は、
ピストン11に固定されたピストンピンが、コンロッド
16の上端部である小端部18(図2参照)を、その往
復運動方向と垂直に貫く形でなされている。コンロッド
16とアーム14との連結は、2つのアーム14の間に
その回転運動方向と垂直に固定されたクランクピン19
が、コンロッド16の下端部である大端部17(図2参
照)を貫く形でなされている。
【0049】ジャーナル15は、アーム14のクランク
ピン19が設けられていない側に、アーム14の回転運
動方向と垂直方向に固定され、クランクピン19により
結合された4対のアーム14を結合している。アーム1
4の回転運動の中心の反対側は、バランスを取るための
カウンタウェイト13が設けられている。クランク軸1
0を構成するジャーナル15、アーム14、カウンタウ
ェイト13及びクランクピン19は、一体物として鍛造
されることが多い。
【0050】図1(b)は、図1(a)に示したクラン
ク軸10の構造を、分かり易くするために簡略化して示
した説明図である(カウンタウェイト13は省略)。ク
ランク軸10の各ジャーナル15は、図示しないクラン
クケースに支持されたそれぞれのジャーナル軸受け部2
0により保持される。4対のアーム14のそれぞれの方
向は、外側の2対と内側の2対とのなす角度が180°
となっている。
【0051】以下に、このようなクランク軸10を設計
するための、本発明に係るクランク軸の設計方法の実施
の形態を説明する。 1.軸受け荷重の計算 クランク軸10に作用する力を、連続はりに近似させて
計算するには、従来のように1スロー間で加わる力の合
力ではなく、クランク軸10に作用する全ての横荷重を
その作用位置に加えて計算する必要がある。
【0052】図5(a)は、クランク軸10を連続はり
に近似させて、ジャーナル軸受け部20の軸受け荷重を
計算する際の荷重作用点の一例を示す説明図である。図
5(a)は、クランク軸10の1スロー分を示してお
り、P1 ,P2 は、アーム14及びカウンタウェイト1
3の回転慣性力を、P3 は、クランクピン19の回転慣
性力及びコンロッド16からクランクピン19に加わる
力(コンロッド大端部17の回転慣性力、並びにコンロ
ッド小端部及びピストンの往復慣性力)を示している。
図7(a)に示すようなクランク軸10を、(b)に示
すような連続はりに近似させて、(c)に示すような例
えば5個の支点におけるそれぞれの反力を求める。
(b)に示す連続はりが段付き棒であるのは、1スロー
中の各構成部材における曲げ剛性の差異があるためであ
る。
【0053】この例から分かるように、クランクピン1
9に作用する力と、アーム14またはカウンタウェイト
13に作用する力とは、それぞれ作用点を区別する必要
がある。これらの力は、各部材の長さ方向の重心位置に
作用させる。 (a)アーム及びカウンタウェイトに作用する荷重 アーム及びカウンタウェイトに作用する力は、表記を簡
単にするためにまとめて記述したが、力が作用する方向
は必ずしも一致していないので、図6(a)に示すよう
に、全体X軸、全体Y軸を定め、それぞれの方向に分け
て扱う。図6(a)では、全体X軸は、エンジン前方
(車両前方)から見て、右方を正、全体Y軸は、エンジ
ン上方を正とし、全体Z軸は、クランク軸の軸方向のエ
ンジンの後方向を正としている。
【0054】図6(a)は、V型6気筒エンジンの例を
示しており、直列型エンジンの場合は、θV を0と置け
ば良い。♯1〜6は、エンジン前方からのシリンダの番
号を表し、θV は、クランク軸の軸中心から見たシリン
ダの方向の相対角度である。図6(b)は、V型6気筒
エンジンのクランク軸の構造を、分かり易くするために
簡略化して示した説明図である(カウンタウェイト13
は省略)。クランク軸の各ジャーナル15は、図示しな
いクランクケースに支持されたそれぞれのジャーナル軸
受け部20により保持される。
【0055】6個のクランクピン19それぞれが、クラ
ンク軸の軸中心を中心としてなす相対角度は、クランク
ピン19の番号♯1〜6の順に30°(♯1〜♯2),
180°(♯2〜♯3),30°(♯3〜♯4),18
0°(♯4〜♯5),120°(♯5〜♯6)となって
おり、クランクピン19の♯1と♯2、♯3と♯4、♯
5と♯6の各間はアーム14で結合され、これら各間に
はジャーナルは存在しない。図3を用いて説明した局所
座標系で定義した力を、図6(a)の全体座標系に変換
すると、次式で表される。
【0056】
【数4】
【0057】ここで、PX ,PY は、アーム14及びカ
ウンタウェイト13に作用するX軸、Y軸方向の荷重を
表し、PAX,PAYは、アーム14に作用するX軸、Y軸
方向の荷重を表し、PCX,PCYは、カウンタウェイト1
3に作用するX軸、Y軸方向の荷重を表す。添え字j
は、エンジン前方から見て第j番目のアーム14または
カウンタウェイト13を表し、ma ,mc は、それぞれ
アーム14の質量、カウンタウェイト13の質量を表
し、ra ,rc は、アーム14及びカウンタウェイト1
3のそれぞれの重心位置の回転半径を表している。
【0058】θarmj,θcwj は、それぞれ、1番目のク
ランクピン19のクランク角がθであるとき、全体Y軸
から見たj番目のアーム14、カウンタウェイト13の
それぞれの重心位置の回転角度(右回りを正とする)で
あり、 θarmj=θ+θaj−(θV /2) (15) θcwj =θ+θcj−(θV /2) (16) である。ここで、θaj,θcjは、それぞれ1番クランク
ピンを基準とした場合の第j番目のアーム14、カウン
タウェイト13のそれぞれの重心位置の取り付け角度で
ある。
【0059】(b)クランクピンに作用する荷重 クランクピンに作用する荷重の局所座標系(x,y)に
おける値は、式(8),(9)に示したFx ,Fy から
アーム14の回転慣性力PA を除いたFx ”,Fy ”で
ある。 Fx ”=Frot ・sinθ+(Fg+Fi)tanψ Fy ”=Frot ・cosθ+Fg+Fi 各気筒毎にこれらの力を全体座標系(X,Y)に変換
し、
【0060】
【数5】
【0061】で与える。ここで、jは気筒番号であり、
添え字jはj番目のクランクピンに作用するものである
ことを示す。以上のように、全体座標系における横荷重
の値を定義し、全体X方向及び全体Y方向について、次
の連立方程式(18)を解き、式(19)からk番目の
支点反力Rk を求める。
【0062】
【数6】
【0063】ここで、Mk は、図5(b)に示すよう
に、支点kにおける曲げモーメント、Eは構成部材の弾
性係数、Rk R ,Rk L は、それぞれ、スパンkに作用
する横荷重によって、スパンk(支点kから支点k+
1)の右支点、左支点に生じる支点反力を表し、x
i は、図5(a)に示すように、スパンkにおける構成
部材の境界位置のスパン左側からの距離、lk は、図5
(b)に示すように、スパンkの長さ、Ii は、図5
(b)に示すように、スパンkにおける各構成部材の断
面2次モーメント、ik R ,ik L は、図5(b)に示
すように、スパンkの右支点、左支点に生じるたわみ角
である。
【0064】図6(b)に示すV型エンジン用クランク
軸のように、1スパン中に5個以上の構成部材がある
(通常、1スロー中に2個のクランクピン、3個のアー
ムがあるため、部材数は7となる)場合には、構成部材
の数に応じて、上式を拡張して用いれば良い。尚、1ス
パン中における構成部材の曲げ剛性の差異を考慮せず一
定とする場合には、式(18)は一般の材料力学の教科
書に記されている、いわゆる3モーメントの式と同じ式
になる。
【0065】2.軸受け荷重の最小化 式(19)で得られる支点反力は、全体X方向、全体Y
方向の分力であるから、軸受け荷重としては、これらの
分力を合成した値を評価する。ある一つの運転条件にお
いて、クランク角を、4サイクルエンジンであれば72
0°、2サイクルエンジンであれば360°に達するま
で、例えば1°宛増加させながら、この軸受け荷重を計
算する。この4サイクルまたは2サイクル中にそれぞれ
のジャーナルで発生する最大軸受け荷重を求める。
【0066】全ジャーナルの内、最大の軸受け荷重が、
ある運転条件で生じる最大軸受け荷重である。クランク
軸の設計において、どの運転条件で最大軸受け荷重が生
じるかが、予め不明の場合には、数種類のエンジン運転
条件を予め用意しておき、それぞれのエンジン運転条件
において発生する最大軸受け荷重の内から最大の値のも
のを選び、軸受け荷重最小化の目標関数とする。
【0067】このようにして得られた目標関数の値を最
小化する方向に設計変数を修正して(変化させて)いく
方法は、最小化または最大化問題の教科書に記されてい
るところであり、例えば、設計変数に制約条件を付加し
ない最適化の場合には、BFGS(Broyden -Fletcher-
Goldfarb-Shanno )法(例えば、Broyden,C.G:J.Inst.M
ath.Appl.,6(1970),p.76) 制約条件を付加する最適化の場合には、修正可能方向法
(例えば、Vaderplaats,G.N.:AIAA J., Vol.22,No.11
(1984) )等を用いれば良い。
【0068】図8は、上述したクランク軸の設計方法を
まとめたフローチャートである。先ず、ピストン、コン
ロッドの質量及び重心位置と、元になるクランク軸の形
状とを読み込む(S10)。次に、図9に示すようなク
ランク角とシリンダ内圧との関係データから、最大筒内
圧Pmax 及びそのときのクランク角θPmaxとエンジン回
転数Nとの一連のデータを、エンジン運転条件として1
種類又は複数種類読み込む(S12)。次に、読み込ん
だ(S10、12)数値に基づき、クランク軸に働く慣
性力(S14)、ガス圧(S16)をそれぞれ計算す
る。次に、計算した(S14、16)慣性力とガス圧と
から、クランク軸にかかる負荷を計算する(S18)。
【0069】続いて、クランク軸の曲げ剛性を考慮(区
別)しない場合は(S20)、各ジャーナル軸受荷重を
一様連続はりモデルを用いて計算する(S22)。クラ
ンク軸の曲げ剛性を考慮する場合は(S20)、各ジャ
ーナル軸受荷重を段付連続はりモデルを用いて計算する
(S24)。各ジャーナル軸受荷重を一様連続はりモデ
ルを用いて計算する(S22)方法は第2発明に、段付
連続はりモデルを用いて計算する(S24)方法は第3
発明にそれぞれ対応する。
【0070】次に、計算した(S22、24)各エンジ
ン運転条件での各ジャーナル軸受荷重の中から最大値を
選び、それを目標関数Fとする(S26)。次に、この
目標関数Fの値が、他の設計変数値における目標関数F
の値と比較して最小であるか否かを、上述した最小化問
題の方法によって判断する(S28)。目標関数Fの値
が最小でない場合は(S28)、目標関数Fの値を最小
とするような設計変数値を、上述した最小化問題の方法
によって計算する(S30)。次に、計算した(S3
0)設計変数値により得られるクランク軸が設計制約条
件内であるか否かを判断し(S32)、設計制約条件内
でない場合は、設計変数値を計算し直す(S30)。
【0071】ここで、設計制約条件(S32)が、鍛造
後の型抜きの容易性による条件である場合は第4発明に
係るクランク軸の設計方法に、Mx ,My を制約する条
件である場合は第5発明に係るクランク軸の設計方法
に、カウンタウェイトの質量と重心部の回転半径との積
の総和を制約する条件である場合は第6発明に係るクラ
ンク軸の設計方法にそれぞれ対応する。
【0072】計算した(S30)設計変数値により得ら
れるクランク軸が設計制約条件内である場合は(S3
2)、その設計変数値に基づきクランク軸形状を修正し
て(S36)、再度、最大筒内圧Pmax 及びそのときの
クランク角θPmaxとエンジン回転数Nとの一連のデータ
を、エンジン運転条件として1種類又は複数種類読み込
み(S12)、以下、同様に上述した各ステップS14
〜S26を行う。目標関数Fの値が最小である場合は
(S28)、そのときの設計半数に基づくクランク軸形
状を最適な形状として決定する(S28)。これによ
り、第7,8発明に係るクランク軸を得ることができ
る。
【0073】以下に、本発明に係るクランク軸の設計方
法を実施して得た結果を説明する。図10は、上述した
図1(a),(b)に示すような直列4気筒エンジンの
クランク軸を設計したときのエンジンの運転条件を示し
た図表である。図11は、設計前のクランク形状(元形
状)を規定する各部の主要寸法、質量を示した図表であ
り、今回は、「各カウンタウェイト重心の回転半径」
(各カウンタウェイトとアームとを統合した部材の重心
の回転半径)を設計変数とした。
【0074】図12、13、14は、それぞれ図10に
示すエンジン運転条件1、2、3の場合の、従来設計方
法(元形状)による場合の各ジャーナルの最大軸受け荷
重と、カウンタウェイト重心の回転半径を設計変数とし
た設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け荷重
とを示すグラフである。それぞれ、1スロー中の各構成
部材における曲げ剛性を区別しなかった場合(第2発
明)と、曲げ剛性を区別した場合(第3発明)とを示し
てある。図15は、図10に示すエンジン運転条件1〜
3(図12、13、14)の中での、従来設計方法によ
る場合の各ジャーナルの最大軸受け荷重(曲げ剛性を区
別しなかった場合のみ)と、カウンタウェイト重心の回
転半径を設計変数とした設計方法による場合の各ジャー
ナルの最大軸受け荷重とを示すグラフである。
【0075】図12〜14では、従来方法による形状で
の最大軸受け荷重は、エンジン運転条件3における第3
番ジャーナルにおいて生じるが、第2、3発明に係るク
ランク軸の設計方法による場合の最大軸受け荷重は、運
転条件1(図12)における4番ジャーナル(2番ジャ
ーナルも同程度である)となる。また、図15では、第
2、3発明に係るクランク軸の設計方法による場合は、
従来設計方法による場合よりも、ジャーナルの最大軸受
け荷重が大幅に低減される。このときの各カウンタウェ
イト重心の回転半径の設計結果を図16に示す。これら
一連の設計の手続きが、第1、2発明に係るクランク軸
の設計方法(曲げ剛性を区別しなかった場合)及び第3
発明に係るクランク軸の設計方法(曲げ剛性を区別した
場合)に相当し、得られた設計結果(図16)が、第
7、8発明に係るクランク軸である。
【0076】図17、18、19は、それぞれ図10に
示すエンジン運転条件1、2、3の場合の、クランク軸
の従来設計方法(元形状)による場合の各ジャーナルの
最大軸受け荷重と、カウンタウェイト重心の回転半径を
設計変数としたクランク軸の設計方法による場合の各ジ
ャーナルの最大軸受け荷重とを示すグラフである。カウ
ンタウェイト重心の回転半径を設計変数とする際に、鍛
造時の型抜きの容易性を考慮して、その重心半径の上限
値を25mmとした(第4発明)。1スロー中の各構成
部材における曲げ剛性は区別してある。図20は、図1
0に示すエンジン運転条件1〜3(図17、18、1
9)の中での、従来設計方法による場合の各ジャーナル
の最大軸受け荷重と、カウンタウェイト重心の回転半径
を設計変数(≦25mm)とした設計方法による場合の
各ジャーナルの最大軸受け荷重とを示すグラフである。
【0077】図17〜19では、従来方法による形状で
の最大軸受け荷重は、エンジン運転条件3における第3
番ジャーナルにおいて生じるが、第4発明に係るクラン
ク軸の設計方法による場合は、最大軸受け荷重は運転条
件1(図17)における4番ジャーナル(2番ジャーナ
ルも同程度である)となる。また、図20では、第4発
明に係るクランク軸の設計方法による場合は、従来設計
方法による場合よりも、各ジャーナルの最大軸受け荷重
の差が小さくなると共に、ジャーナルの最大軸受け荷重
が大幅に低減される。このときの各カウンタウェイト重
心の回転半径の設計結果を図21の設計(b)に示す。
【0078】図21の設計(c)は、カウンタウェイト
の重心半径を設計変数とし、My ,Mx に上限値を設け
た場合の、各カウンタウェイトの重心半径の設計結果を
示すグラフである。上述した設計結果においてMy ,M
x の最大値が90g・cmであったものを上限値40g
・cmに制約した。1スロー中の各構成部材における曲
げ剛性は区別してある。このクランク軸の設計方法は、
第5発明に係るクランク軸の設計方法に相当する。
【0079】図21の設計(d)は、カウンタウェイト
の重心半径を設計変数とし、カウンタウェイトの重心半
径とカウンタウェイトの質量との積の和の上限値を、従
来設計によるその値の1.1倍とした場合の、各カウン
タウェイトの重心半径の設計結果を示すグラフである。
1スロー中の各構成部材における曲げ剛性は区別してあ
る。このクランク軸の設計方法は、第5発明に係るクラ
ンク軸の設計方法に相当する。図21の「制約無し」
は、比較のために、図16に示した第3発明に係るクラ
ンク軸の設計方法による各カウンタウェイト重心の回転
半径の設計結果(剛性区別有り)を再掲したものであ
る。
【0080】次に、上述した図6(b)に示すようなV
型6気筒エンジンのクランク軸を設計したときの結果を
説明する。設計手順は、上述した直列4気筒の場合と同
様である。実施の形態として、第3、6発明に係るクラ
ンク軸の設計方法に相当する形態と、第7、8発明に係
るクランク軸に相当する形態とを説明する。図22は、
このときのエンジンの運転条件を示した図表である。図
23は、設計前のクランク形状(元形状)を規定する各
部の主要寸法、質量を示した図表である。
【0081】図24、25、26は、それぞれ図22に
示すエンジン運転条件1、2、3の場合の、クランク軸
の従来設計方法(元形状)による場合の各ジャーナルの
最大軸受け荷重と、カウンタウェイトの質量及びカウン
タウェイトの重心の取り付け角度(カウンタウェイト重
心部のクランク軸周方向の位置)を設計変数としたクラ
ンク軸の設計方法(b−2)による場合の各ジャーナル
の最大軸受け荷重とを示すグラフである。1スロー中の
各構成部材における曲げ剛性は区別してある。図27
は、図22に示すエンジン運転条件1〜3(図24、2
5、26)の中での、従来設計方法による場合の各ジャ
ーナルの最大軸受け荷重と、カウンタウェイトの質量及
びカウンタウェイトの重心の取り付け角度を設計変数と
したクランク軸の設計方法による場合の各ジャーナルの
最大軸受け荷重とを示すグラフである。
【0082】図24〜26では、従来方法による形状で
の最大軸受け荷重は、エンジン運転条件3(図26)に
おける第2番ジャーナルにおいて生じるが、カウンタウ
ェイトの質量及びカウンタウェイトの重心の取り付け角
度を設計変数としたクランク軸の設計方法によると、最
大軸受け荷重は運転条件3(図26)における2番ジャ
ーナル(3番ジャーナルも同程度である)となる。ま
た、図27では、カウンタウェイトの質量及びカウンタ
ウェイトの重心の取り付け角度を設計変数としたクラン
ク軸の設計方法による場合は、従来設計方法による場合
よりも、各ジャーナルの最大軸受け荷重が低減される。
【0083】このときの各カウンタウェイトの質量及び
各カウンタウェイトの重心の取り付け角度の設計結果を
図28のb−2及び図29のb−2に示す。図28のb
−2は、元形状に対する質量比を、図29のb−2は、
元形状に対する取り付け角度の増減をそれぞれ示す。こ
のときの、図22に示すエンジン運転条件1、2、3の
それぞれにおける、ジャーナルの最大軸受け荷重低減効
果例を図30に示す。何れのエンジン運転条件において
も、元形状より最大軸受け荷重が低減されている。この
一連の設計手続きは、第3発明に係るクランク軸の設計
方法の実施の形態に相当し、図28のb−2及び図29
のb−2に示される形状のクランク軸は、第7、8発明
に係るクランク軸の実施の形態に相当する。
【0084】
【発明の効果】本発明の第1、2発明に係るクランク軸
の設計方法によれば、エンジン高出力化に伴うクランク
軸のジャーナル軸受け部への負荷増大を低減させること
ができる。
【0085】第3発明に係るクランク軸の設計方法によ
れば、エンジン高出力化に伴うクランク軸のジャーナル
軸受け部への負荷増大を低減させ、また、設計に伴う計
算精度を向上させることができる。
【0086】第4発明に係るクランク軸の設計方法によ
れば、エンジン高出力化に伴うクランク軸のジャーナル
軸受け部への負荷増大を低減させ、また、クランク軸の
鍛造工程における型抜きが容易なクランク軸の設計方法
を実現することができる。
【0087】第5発明に係るクランク軸の設計方法によ
れば、エンジン高出力化に伴うクランク軸のジャーナル
軸受け部への負荷増大を低減させ、また、エンジンから
発生する振動及び騒音を低減させることができる。
【0088】第6発明に係るクランク軸の設計方法によ
れば、エンジン高出力化に伴うジャーナル軸受け部への
負荷増大を低減させ、また、エンジンの小型化に対応で
きるクランク軸の設計方法を実現することができる。
【0089】第7、8発明に係るクランク軸によれば、
エンジン高出力化に伴うジャーナル軸受け部への負荷増
大を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランク軸の形状を示す正面図である。
【図2】コネクティングロッドにおける等価質量法を説
明するための説明図である。
【図3】ピストンとコンロッドとの運動の形態を示す説
明図である。
【図4】クランクピンの質量及びアームの質量の各重心
位置を示す説明図である。
【図5】クランク軸を連続はりに近似させて、ジャーナ
ル軸受け部の軸受け荷重を計算する際の荷重作用点の一
例を示す説明図である。
【図6】全体X軸、全体Y軸を説明するための説明図で
ある。
【図7】クランク軸を連続はりに近似させることを説明
するための説明図である。
【図8】本発明に係るクランク軸の設計方法を示すフロ
ーチャートである。
【図9】クランク角とシリンダ内圧との関係例を示すグ
ラフである。
【図10】直列4気筒エンジンのクランク軸を設計した
ときのエンジン運転条件の例を示した図表である。
【図11】設計前のクランク形状を規定する各部の主要
寸法、質量を示した図表である。
【図12】カウンタウェイト重心の回転半径を設計変数
とした設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け
荷重を示すグラフである。
【図13】カウンタウェイト重心の回転半径を設計変数
とした設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け
荷重を示すグラフである。
【図14】カウンタウェイト重心の回転半径を設計変数
とした設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け
荷重を示すグラフである。
【図15】図12〜14の中での、各ジャーナルの最大
軸受け荷重を示すグラフである。
【図16】カウンタウェイト重心の回転半径を設計変数
としたクランク軸の設計結果を示すグラフである。
【図17】上限値を設けたカウンタウェイト重心の回転
半径を設計変数とした設計方法による場合の各ジャーナ
ルの最大軸受け荷重を示すグラフである。
【図18】上限値を設けたカウンタウェイト重心の回転
半径を設計変数とした設計方法による場合の各ジャーナ
ルの最大軸受け荷重を示すグラフである。
【図19】上限値を設けたカウンタウェイト重心の回転
半径を設計変数とした設計方法による場合の各ジャーナ
ルの最大軸受け荷重を示すグラフである。
【図20】図17〜19の中での、各ジャーナルの最大
軸受け荷重を示すグラフである。
【図21】設計変数の上下限値を制約した場合のクラン
ク軸の設計結果を示すグラフである。
【図22】V型6気筒エンジンのクランク軸を設計した
ときのエンジンの運転条件の例を示した図表である。
【図23】設計前のクランク形状を規定する各部の主要
寸法、質量を示した図表である。
【図24】カウンタウェイトの質量及びカウンタウェイ
トの重心の取り付け角度を設計変数としたクランク軸の
設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け荷重を
示すグラフである。
【図25】カウンタウェイトの質量及びカウンタウェイ
トの重心の取り付け角度を設計変数としたクランク軸の
設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け荷重を
示すグラフである。
【図26】カウンタウェイトの質量及びカウンタウェイ
トの重心の取り付け角度を設計変数としたクランク軸の
設計方法による場合の各ジャーナルの最大軸受け荷重を
示すグラフである。
【図27】図24〜26の中での、各ジャーナルの最大
軸受け荷重を示すグラフである。
【図28】カウンタウェイトの質量及びカウンタウェイ
トの重心の取り付け角度を設計変数としたクランク軸の
設計結果を示すグラフである。
【図29】カウンタウェイトの質量及びカウンタウェイ
トの重心の取り付け角度を設計変数としたクランク軸の
設計結果を示すグラフである。
【図30】図22に示すエンジン運転条件のそれぞれに
おける、ジャーナルの最大軸受け荷重低減効果例を示す
グラフである。
【符号の説明】
10 クランク軸 11 ピストン 12 ピストンリング 13 カウンタウェイト 14 アーム 15 ジャーナル 16 コンロッド(コネクティングロッド) 17 (コンロッドの)大端部 18 (コンロッドの)小端部 19 クランクピン 20 ジャーナル軸受け部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥田 安雄 大阪府大阪市此花区島屋5丁目1番109号 住友金属工業株式会社関西製造所製鋼品 事業所内 (72)発明者 土居 照幸 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 佐土井 俊之 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 長野 修治 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸をジャーナル軸受け部に各支
    点部を有する連続はりに近似させ、前記各支点部に生じ
    る荷重を計算し、 次に、計算した前記荷重の最大値を求め、 次に、各カウンタウェイト重心部の回転半径、各カウン
    タウェイトの質量及び各カウンタウェイト重心部のクラ
    ンク軸周方向の位置の何れか一又は複数を設計変数とし
    て、前記荷重の最大値を減少させるべく前記設計変数を
    変化させて計算することにより、前記荷重を最小化する
    前記設計変数を求めることを特徴とするクランク軸の設
    計方法。
  2. 【請求項2】 一又は複数のエンジン運転条件につい
    て、クランク角度毎に、それぞれのエンジンシリンダ内
    圧による力と、ピストン、ピストンピン、ピストンリン
    グ及びコネクティングロッド小端部の往復運動による慣
    性力と、それぞれのコネクティングロッド大端部及びク
    ランクピンの回転運動による慣性力とを当該クランクピ
    ンに加え、それぞれのアーム及びカウンタウェイトの回
    転運動による慣性力を当該アームに加えることによっ
    て、前記連続はりの各支点部に生じる荷重を計算する請
    求項1記載のクランク軸の設計方法。
  3. 【請求項3】 前記連続はりは、前記クランク軸の隣合
    うジャーナル間である各スロー内において、前記ジャー
    ナル、アーム及びクランクピンの各部の曲げ剛性を区別
    してある請求項1又は2記載のクランク軸の設計方法。
  4. 【請求項4】 前記設計変数は、前記クランク軸の鍛造
    工程における型抜きの容易性から、上下限値を定めてあ
    る請求項1〜3の何れかに記載のクランク軸の設計方
    法。
  5. 【請求項5】 次式で示すMx ,My をそれぞれの所定
    値内に収める請求項1〜4の何れかに記載のクランク軸
    の設計方法。 Mx =Σ{maj・raj・sin(θaj)+mcj・rcj
    sin(θcj)}+Σ(mp +mrb)r・sin
    (θpj) My =Σ{maj・raj・cos(θaj)+mcj・rcj
    cos(θcj)}+Σ(mp +mrb)r・cos
    (θpj) 但し、ma :前記アームの質量、ra :前記アームの重
    心回転半径、θa :前記アームの取付け角度、mc :前
    記カウンタウェイトの質量、rc :前記カウンタウェイ
    ト重心部の回転半径、θc :前記カウンタウェイトの取
    付け角度、mp :前記クランクピンの質量、r:前記ク
    ランクの回転半径、θp :前記クランクピンの取付け角
    度、mrb:前記コネクティングロッド大端部の等価質量
    であり、添字jは、それが付加されたアーム及びカウン
    タウェイトが何番目であるかを示し、Σはjに関する総
    和を示す。
  6. 【請求項6】 前記カウンタウェイトの質量と該カウン
    タウェイト重心部の回転半径との積の総和を所定値内に
    収める請求項1〜5の何れかに記載のクランク軸の設計
    方法。
  7. 【請求項7】 ジャーナル軸受け部に各支点部を有する
    連続はりに近似させ、前記各支点部に生じる荷重を計算
    し、 次に、計算した前記荷重の最大値を求め、 次に、各カウンタウェイト重心部の回転半径、各カウン
    タウェイトの質量及び各カウンタウェイト重心部のクラ
    ンク軸周方向の位置の何れか一又は複数を設計変数とし
    て、前記荷重の最大値を減少させるべく前記設計変数を
    変化させて計算することにより、前記荷重を最小化する
    前記設計変数を求めて設計されたことを特徴とするクラ
    ンク軸。
  8. 【請求項8】 一又は複数のエンジン運転条件につい
    て、クランク角度毎に、それぞれのエンジンシリンダ内
    圧による力と、ピストン、ピストンピン、ピストンリン
    グ及びコネクティングロッド小端部の往復運動による慣
    性力と、それぞれのコネクティングロッド大端部及びク
    ランクピンの回転運動による慣性力とを当該クランクピ
    ンに加え、それぞれのアーム及びカウンタウェイトの回
    転運動による慣性力を当該アームに加えることによっ
    て、前記各支点部に生じる荷重を前記連続はりの各支点
    部に生じる荷重として計算する請求項7記載のクランク
    軸。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009150434A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Ntn Corp 転がり軸受の保持器およびその設計方法
US10385911B2 (en) 2014-07-16 2019-08-20 Nippon Steel Corporation Crankshaft for reciprocating engine, and design method thereof

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