JP2022114408A - 二分割コンロッド式圧縮比連続可変装置 - Google Patents

二分割コンロッド式圧縮比連続可変装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ピストンとクランクを連結するコンロッドを分割し圧縮比を可変する機構において、コントロールリンク側でシリンダ芯軸直角方向のバランスをとること。【解決手段】ピストンとクランクを連結するコンロッドを二分割し、その対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角とし、その角度を変え圧縮比を可変するものにおいて、対偶軸ストローク軌跡を内角側に適切な凸状とするか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とし、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差を略180°にする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車、船舶、船外機等のエンジンで圧縮比を随時任意に連続無段階可変するものにおいて、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、その対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角とし、その角度を変え圧縮比を可変するものにおいて、対偶軸ストローク軌跡を内角側に適切な凸状とするか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とすることで、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差を略180°にするもので、ピストンストロークカーブが正弦波(クランクピン上死点基準では余弦波)に近づき、180°クランク時の平均ピストンストロークカーブを、少なくとも圧縮比可変一部領域で略直線に出きると共に、圧縮比可変全域においても波高を非常に小さく抑えられる。対偶軸ストローク軌跡を凸状としたものにおいて、下死点時対偶軸軸芯を上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上に設定すれば、ピストンストローク上下死点時位相差が180°となり、ピストンストローク中間付近でのストロークカーブに僅かな位相差が残るが、上下死点時が合致するので、ピストンストロークカーブの平均が更に直線に近づく、又、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせるものは、ピストンストロークカーブが上下死点位相に対し略対称となるので、ピストンストロークカーブの平均が限りなく直線となる。シリンダヘッド高が高くなる欠点はあるが、圧縮比可変範囲が広く振動面で優れたエンジンに出きる。
本発明の第一実施形態は、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸を揺動アームにて内角側に凸の円弧状にストロークさせものにおいて、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、揺動アームの揺動軸を外角側で線状(本実施例では円弧状)に変位させ、シリンダ芯軸に対する対偶軸のストローク軌跡の傾斜を変え圧縮比を可変制御するものである。対偶軸のストローク軌跡が円弧状に制限されるので、平均ピストンストロークカーブをより直線に近づけることに限界があると共に、揺動アームの慣性力、軸受け部の抵抗共に大きくなりがちで振動、メカロス面で少し不利であるが、単純な構造故にコスト面で優れる。
第二実施形態は、第一実施形態に対し対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせるもので、内角側に任意の凸形状にて転動ストロークさせるか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とし、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変えることで圧縮比を可変するもので、対偶軸のストローク軌跡が円弧に限定されず任意なストローク軌跡に設定可能となるので、180°クランク時の平均ピストンストロークカーブを第一実施形態より更に直線に近づけることが出きると共に、対偶軸をコロガリ接触にてストロークさせるのでメカロス低減出きるものである。
しかし両実施形態共、クランクジャーナル軸芯からのシリンダヘッド高が高くなってしまう欠点があり、自動車に搭載した場合直立シリンダではエンジンフード部が高くなってしまうが、シリンダを傾斜させシリンダ側に変速機の出力軸を配置すれば欠点をかなり解消できる。
自動車等に用いられる燃焼圧、回転数の可変幅の大きな内燃機関では、運転条件に応じ圧縮比を連続自在に選択すると共にピストン側圧も低減出きれば、熱効率向上、ポンピングロス低減が図れ燃費の良いエンジンとなるので、ピストンとクランクを連結するコンロッドを二分割し圧縮比を可変する機構が従来から提案されている。
一例として、単コンロッドクランク機構のコンロッドを二分割し、その対偶軸を揺動アームにて円弧状、或いは他の方法で類似した軌跡にてストロークさせるものにおいて、ピストン上死点高さは変えずに、下死点時の対偶軸軸芯位置をシリンダ芯軸直角方向にずらすことでストロークを増やして圧縮比を高くし、圧縮比を可変することを特徴とする特許文献1が開示されている。
特開昭62-35033号公報 又、クランクピンに回転自在に軸支したロッカアーム状のロアリンクの片方先端に、ピストンに揺動自在に軸支されたアッパリンクの大端を対偶にて揺動自在に軸支し、もう一方のロアリンク先端にコントロールリンク小端を対偶にて揺動自在に軸支すると共に、大端を揺動中心シャフトにて揺動自在に軸支し、その揺動中心シャフト軸芯位置を変えることで圧縮比を可変するものにおいて、クランクピン軸芯とロアリンク両端の対偶軸軸芯を一直線上に結び、(結んだ線をピストン上下死点時でクランクジャーナル軸芯を通りシリンダ芯軸Yに直角な軸Xに対し略同一角度にすると共に、上下死点時のコントロールリンク小端軸芯位置を略X軸上の同一位置とし、アッパリンク大端軸芯の最下点を略Y軸上とする)ことを特徴とする特許が開示され、後に( )内を、アッパリンクの大小端軸芯を結ぶ線が、高圧縮比側より低圧縮比側でY軸に対しより平行にすると、手続き補正された特許文献2が開示されている。(図11左図参照)
特開2012-92843号公報
特許文献1は、ストロークを増やすことで圧縮比を高くする機構故に圧縮比可変幅が非常に狭くなる。低圧縮比時にクランクジャーナル軸芯と上死点時対偶軸軸芯とを結ぶ直線上に下死点時対偶軸軸芯がくるストロークにすれば、ピストン側圧を大幅低減できると共に、上下死点クランクピン位相差が180°となり、4気筒180°クランクとした場合一次クランクバランスが上下死点付近は釣り合うが、ストローク中間点付近では対偶軸が円弧状ストローク故に不釣り合いになる。シリンダヘッド高、往復運動部重量を抑える為にクランク側リンク長を短くすれば連桿比が小さくなり、更にバランスが崩れ振動面で不利となる。しかも高圧縮比時の下死点時ではクランクピン位相がずれ上死点時との位相差が180°からずれるので、上下死点付近でも一次クランクバランスが不釣り合いとなり、従来の単コンロッドクランク機構より振動面で大幅に不利となるもので、始動時及び低負荷時に圧縮比を少し上げればよく、低回転運転のディーゼルエンジン等に採用出きるもので、一つのエンジンでHCCIから過給まで実行する為に2倍近くの圧縮比可変を必要とし、高回転も要求されるガソリンエンジンには到底採用できないものであった。
又、特許文献2では、当初の請求範囲にクランクピン軸芯Pとロアリンク両端の対偶軸軸芯を一直線上に結び、結んだ線がピストン上下死点時でクランクジャーナル軸芯Ojを通るX軸に対し略同一角度になると共に、上下死点時のコントロールリンク小端軸芯CSt,CSb位置を略X軸上の同一位置とし、アッパリンク大端軸芯の最下点RBbを略Y軸上とするとあるが、コントロールリンク小端が直線状にストロークするのであれば、180°クランクとした場合の平均ピストン頂面カーブが略直線状となり、バランスの良いエンジンとなるが、リンクであるので円弧状にストロークしピストンストローク中間付近のカーブに位相のずれが生じ、平均ピストンストロークカーブの波が大きくなってしまいバランスが崩れるので、図11左図の様に、最低圧縮比側で上下死点時Pt,Pbのコントロールリンク小端軸芯位置CSt,CSbをX軸付近にすると共に、Ptから90°での小端軸芯CS90をシリンダから遠ざけ、270°での小端軸芯CS270をシリンダに近づけるように、コントロールリンク大端の揺動中心シャフト軸芯OC位置をY軸側に近づける等調整することで、図12の下側カーブの様に平均ピストンストロークカーブを略直線に出きるが、最高圧縮比側ではコントロールリンク小端軸芯ストローク位置を、シリンダから遠ざける方向にX軸からずらすこととなり、平均ピストン頂面カーブの波が上側カーブの様に大きくなるが、単コンロッドクランク機構よりは非常に小さな波高であり振動面で優れたもので、シリンダヘッド高も低くできるものであった。
しかし、ロアリンクのアーム比(クランクピンとコントロールリンク小端の軸芯スパン/アッパリンク大端とコントロールリンク小端の軸芯スパン)により、クランク半径rが単コンロッドクランク機構より小さくなるので、クランクピン軸とクランクジャーナル軸のオーバーラップが大きくなり剛性が向上するが、クランクピン軸に掛る荷重はアーム比により増加するので、クランクピン径、軸受容量を増やす必要があった。図11左図が特許文献2、右図が本発明案での同ストロークとした場合の実寸法比較図で、左図のクランク半径rは単コンロッドクランク機構より略アーム比分小さくなり、右図のクランク半径rはY軸とY’線の角度が180°より小さくなるに比例して大きくなっている。又、アッパリンク大端のストローク軌跡はY軸方向で略ピストンストローク、X軸方向で略クランク直径の楕円を描くので、ピストンストローク中間点付近でのアッパリンク大端がX軸方向で大きくずれ(図11のRB90,RB270参照)、モーメントが発生するが4気筒180°クランクとすれば打ち消すことが出きるが、コントロールリンク小端の揺動折返し点(図11の点線時)でのクランクピン位相差がβだけ発生するので、小端の慣性力カーブのバランスが崩れたものとなり、X軸方向で振動が発生する欠点があった。
本発明は、運転条件に応じ圧縮比を連続自在に選択できるものにおいて、シリンダヘッドは高くなるが、ピストン側圧を低減出きると共に振動面で特許文献2より優れ、圧縮比可変幅を大きくとれHCCI燃焼から過給まで可能にすると共に、無電力での圧縮比の固定、保持をも可能にする圧縮比連続可変装置を提供するもので、
第一実施形態は、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸を揺動アームにて内角側に凸の円弧状にストロークさせるものにおいて、揺動アームの揺動軸を外角側で線状(本実施例では円弧状)に変位させ、シリンダ芯軸に対する対偶軸のストローク軌跡の傾斜を変え圧縮比を可変制御するもので、第二実施形態は、第一実施形態に対し対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせるもので、内角側に任意の凸形状にて転動ストロークさせるか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とし、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変えることで可変制御するものであり、両実施形態共に圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリとするものである。
前述の課題を解決する為の請求項1の発明は、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸を揺動アームにて内角側に凸の円弧状にストロークさせものにおいて、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、揺動アームの揺動軸を外角側で線状に変位させ、シリンダ芯軸に対する対偶軸のストローク軌跡の傾斜を変え圧縮比を可変制御することを特徴とする。
従来例の特許文献1は、圧縮比可変幅が非常に狭く、往復運動部増加、単コンロッドクランク機構の様に連桿比による二次振動の発生により、広い圧縮比可変範囲、高回転が要求されるガソリンエンジンでは採用困難なものであった。特許文献2はシリンダヘッド高を低く出きると共に、圧縮比可変幅が広く取れ振動面でもアッパリンク側では略バランスがとれ実用化に至った優れたものであるが、コントロールリンク側にアンバランスが残り、アッパリンク大端も長楕円軌跡を描くので小端を軸に揺動し鞭打ち運動するものであった。
ピストンの往復運動をクランクの回転運動に単コンロッドにて変換する機構では、連桿比を無限大にすればピストンストロークカーブがクランクピン位相基準で余弦波となり、180°クランクでの平均ピストンストロークカーブを直線に出きるが、連桿比を大きくとることに限界があり二次クランクバランスが取れないものであった。
コンロッドを二分割しその対偶軸をストロークさせる機構としても、対偶軸の上下死点時軸芯がシリンダ芯軸上となるものでは、単コンロッドクランク機構と同様にクランク側コンロッドの連桿比による二次のアンバランスが発生してしまい、180°クランクでの平均ピストンストロークカーブが大きな波となる。
本発明実施例図11右図の様に、対偶軸の上死点時軸芯RBtとクランクジャーナル軸芯Ojを結ぶ直線Y’とシリンダ芯軸Yの内角αを鈍角に設定すると共に、対偶軸を揺動アームにて内角側に適切な凸形状にストロークさせることで、上死点時クランクピン位相Ptから90°及び270°回転した時のクランクピン軸芯位相P90,P270を軸芯にコンロッドを揺動させた時の小端軸芯(対偶軸軸芯)軌跡LP90,LP270に囲まれた範囲内に、ピストンストローク中間点時ピストンロッド小端軸芯RScを軸芯に揺動させた時のピストンロッド大端軸芯(対偶軸軸芯)軌跡LRScが出きる限り中央付近に入る位置で対偶軸軸芯がストロークするジオメトリにし、下死点時コンロッド小端軸芯(対偶軸軸芯)RBbをY’線上に設ければ、180°クランクでの平均ピストンストロークカーブは、ピストンストローク中間で僅かな波がでるが略直線となるバランスの良いエンジンに出きる。対偶軸軸芯のストロークを外角側に凸形状にすると、LP90,LP270に囲まれた範囲内からLRScが外れ、平均ピストン頂面カーブの波が高くなり二次アンバランスの大きなエンジンとなってしまう。
又、図11右図の内角角度にて偶軸軸軸芯のストロークをY’線上で直線にしても、LP90,LP270に囲まれた範囲内からLRScが外れ、平均ピストン頂面カーブの波が高くなり二次アンバランスの大きなエンジンとなってしまう。
本実施例ではコンロッド連稈比3、ピストンロッド及び揺動アーム長(=対偶軸の円弧半径)をコンロッドの略80%に設定しており、適切な内角角度は145°付近となっているが、連稈比を大き目に、ピストンロッドをピストン側圧が許される範囲で短めにしたり、揺動アーム長(=対偶軸の円弧半径)を短くすれば、内角角度をより大きくできRBbのY軸からの移動量を小さくできる。逆に、内角角度を小さくすれば対偶軸の円弧半径を大きくでき、請求項3の様な適切な内角角度に設定すれば直線ストロークにでき、RBbのY軸からの移動量は大きくなるが平均ピストンストロークカーブを限りなく直線に出きる。
請求項1の様に、対偶軸を揺動アームにて内角側に適切な凸の円弧状(図11右図実線)にストロークさせることで、Ptから90°及び270°回転した時の、ピストンロッド小端軸芯位置RS90,RS270がピストンストローク中間点時ピストンロッド小端軸芯位置RScを極近くで挟み込む形に出き、RSc時におけるピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯Pcd,Pcu位相差θが図1,2の様に略180°となり、図14~16の様に圧縮比可変範囲全域に亘り、180°クランクでの平均ピストンストロークカーブの波高を小さく抑えることが出きる。(本実施例では最低圧縮比10時を最良とするジオメトリとしており、図16の太線が相当し略直線に出きている)対偶の下死点時軸芯RBbをY’線上にすればピストン上下死点時クランクピン位相差は180°となり、ピストンストローク中間点時のクランクピン軸芯位相差も略180°であるので、ピストンロッド大端、揺動アーム共に略ピストンと同様な運動をするのでバランスが取れ振動面で優れると共に、ピストンロッド大端のY軸直角方向の動きも単コンロッドクランク機構の半分程度に抑えられると共に、鞭打ち現象も小さく抑えられる。(図11,14~16参照)
又、請求項2の発明は、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体の軸芯を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせるもので、内角側に任意の凸形状ストロークとし、その頂点を対偶のストローク中間点よりクランク側に設け、上死点側又は上下死点側を直線又は逆凸形状の対偶ストローク軌跡とし、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変え圧縮比を可変制御することを特徴とする。
請求項2の様に、第一実施形態に対し対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせ、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変え圧縮比を可変することで、対偶軸のストロークが円弧状に限定されることなく、任意な形状にてストロークさせることが可能となり、対偶軸軸芯のストロークを図11右図長点線の様に上死点側を直線にすれば、図17~19の様に第一実施形態より更に180°クランクでの平均ピストン頂面カーブを直線に近づけることができ、図11右図短点線の様に上下死点両側を直線にすれば頂点付近の曲率を小さくする必要があるが、図20~22の様に更に近づけることが出きると共に、対偶のストロークを転がりに出きるのでメカロス低減となる。
又、請求項3の発明は請求項2の発明において、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とすることを特徴とする。
請求項3実施例図11右図の様に、Ptから90°及び270°回転した時のP90,P270を軸芯に、コンロッドを揺動させた時の小端軸芯(対偶軸軸芯)軌跡LP90,LP270のY’線上の交点RBLM90,270を軸に、ピストンロッドを揺動させた時の小端軸芯RSLMcが、上下死点時対偶軸軸芯RBt,RBbを軸に揺動させた時の小端軸芯RSLMt,RSLMbの中間点となる様に、Ojからのシリンダ芯軸YLMのオフセット量及び内角角度αLMを選定すれば、図24(最低圧縮比10)の様にピストンストロークカーブが上下死点位相に対し完全に対称に略余弦波となるので、180°クランク時の平均ピストンストロークカーブが限りなく直線となる。本実施例ではコンロッド連稈比3、ピストンロッド、揺動アーム長をコンロッドの略80%に設定しており、適切な内角角度は130°付近となるが、連稈比を大き目にピストンロッドをピストン側圧が許される範囲で短めに設定すれば内角角度を大きくできる。
最高圧縮比18では内角角度が大きくなるので、交点を軸にピストンロッドを揺動させた時の小端軸芯がピストンストローク中間点から少しずれるので、図23の様に180°クランク時の平均ピストンストロークカーブに僅かな波がでるが、略バランスがとれた振動面で非常に優れたものとなる。但し、本案はRBbのYLM直角方向移動量が大きくなるのでピストン側圧が大きくなる欠点が発生し対策が必要となる。
又、請求項4の発明は請求項1~3の発明において、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線に対するピストン下死点時の対偶軸軸芯位置を、内角を大きくする時は内角側に、小さくする時は外角側にずらすことで、ピストンストロークを調整することを特徴とする。
Y軸に対するY’線の角度を鈍角としその角度を変えることで圧縮比を可変する機構故に、内角を小さくする低圧縮比側でストロークが減少し、内角を大きくする高圧縮比側でストロークが増加する特徴があるが、むしろ高圧縮比側では低出力で良くストロークは短く、低圧縮比側では高出力が要求されるのでストロークが長い方が良い場合が多いので、請求項4の発明を採用することでストロークを略一定にしたり、低圧縮比側のストロークを増加させる等調整出きることが望ましい。但し、下死点時の対偶軸軸芯位置をずらすことにより、ピストンストローク上下死点時位相差が180°からずれると共に、総てのピストンストローク時におけるピストン上昇、下降時の位相差も180°からずれてしまい振動面で不利となるので、常用域では対偶軸軸芯位置をY’線上に設定することが望ましい。(図13及び図16の細線参照)
特許文献2の様にシリンダヘッド高を低く出きると共に、圧縮比可変幅が広く取れ振動面でもアッパリンク側では略バランスがとれ実用化に至った優れたものがあるが、コントロールリンク側にアンバランスが残り、アッパリンク大端も長楕円軌跡を描くので小端を軸に揺動し鞭打ち運動する欠点があった。
特許文献1は単純な機構にて圧縮比可変を可能にするものだが、圧縮比可変幅が非常に狭く、往復運動部増加、単コンロッドクランク機構の様に連桿比による二次振動の発生により、広い圧縮比可変範囲、高回転が要求されるガソリンエンジンでは採用困難なものであった。
本発明は特許文献1の様にコンロッドを二分割したものにおいて、Y軸,Y’線の内角を鈍角とし、対偶軸のストローク軌跡を内角側に凸形状とするか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とし、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、Y軸に対するY’線の内角角度を変え圧縮比を連続可変可能とすることで、圧縮比可変幅が広く、180°クランクでの平均ピストンストロークカーブが、圧縮比可変範囲内で略直線又は極僅かな波となり振動面で優れたエンジンに出きるものである。
本発明による圧縮比連続可変装置は、自動車、船舶、船外機等に搭載される各種ガソリン、ディーゼル、HCCIエンジン等の動力装置に適用可能であり、以下図面にて実施例を詳細説明する。
第一実施形態は、ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸を揺動アームにて内角側に凸の円弧状にストロークさせものにおいて、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、揺動アームの揺動軸を外角側で線状に変位させ、シリンダ芯軸に対する対偶軸のストローク軌跡の傾斜を変え圧縮比を可変制御するもので、クランク機構10、圧縮比可変機構20、圧縮比制御機構30を含む。
クランク機構10は、四気筒180°位相クランクのクランクシャフト15が、アッパ、ロアクランクケース2、3に半割のジャーナルメタル軸受15-1によりジャーナル軸15bにて回転自在に軸支され、クランクケースのジャーナル軸受部両側側面とカウンタウエイト部15w及び変速機係合ボス部15cの側面間に、半割シム15-2を挿入し厚さを調整することで適正隙間にて軸方向規制されており、反対側のクランクシャフト段付軸に、カムシャフト、オイルポンプに動力を伝達するカムシャフトドライブスプロケット15d、オイルポンプドライブスプロケット15eが設けられている。図1、2に於いて本実施例ではシリンダ方向(時計回り)に回転させているが、可変ストローク全域に亘って上死点及び下死点のクランク位相が略変化せず、上下死点間と下上死点間のクランク角も略180°一定なので、反時計回りとすることも可能である。(図1~3参照)
コンロッド13の大端に半割のコンロッドメタル軸受13-2、コンロッドキャップ13-1をボルト13-3にて締結することでクランクピン穴を形成し、クランクピン軸15aにコンロッドをクランクジャーナル軸方向規制、回転自在に軸支している。コンロッド小端穴には段付軸を有する対偶軸12-1が回転自在に軸支され、対偶軸両端段付軸に圧入固定された揺動アーム14の内側面と、小端外側面に挟まれる形にてコの字状の大端部を有するピストンロッド12が揺動自在に対偶軸に軸支されることで、コンロッド小端に対しピストンロッド、揺動アームが軸方向規制、揺動自在に軸支されている。(図1~3参照)
最大膨張圧力時でのピストン側圧を最大限低減出きる様に、上死点後20°前後にてピストンロッドの大小端穴芯を結ぶ線が、略Y軸上にて平行となるようにOjに対しY軸をオフセットして配置したシリンダ1に、ピストン11がストローク自在に挿入され、クランクジャーナル軸に平行に配置したピストンピン11-1にピストンロッドが揺動自在に軸支されている。(図1~3参照)
圧縮比可変機構20は、対偶軸の円弧状ストロークのY軸に対する傾斜を可変する揺動アームピン軸心OS位置を線状(円弧状)に変位させ圧縮比を変える為に、クランクジャーナル軸に平行に配置された圧縮比可変シャフト22に、圧縮比可変アーム21をノックボルト21-1の先端ネジ部を圧縮比可変アームネジ穴に締付後に、ナット21-2にて締付けWナットにて弛み止めをし、位相、軸方向位置を決めて固定し、圧縮比可変シャフトと共に揺動自在とした圧縮比可変アームの先端穴に揺動自在に軸支された揺動アームピン16の両端部に圧縮比可変アームの先端両側面を挟み込む形で揺動アームを圧入固定することで、揺動アームが圧縮比可変アーム先端穴に対し回転自在に軸支されると共に軸方向規制されている。
尚、コンロッド小端、ピストンロッド大端、対偶軸、圧縮比可変アームの先端穴、揺動アームピン、揺動アーム側部は、圧縮比可変シャフト、圧縮比可変アーム、揺動アームピン、揺動アーム、対偶軸に設けたオイル通路により、オイルギャラリ、クランクケースオイル通路を経由して供給されるオイルにて潤滑されている。(図1~4参照)
圧縮比制御機構30は、揺動アーム揺動軸心位置を線状(円弧状)に変位させ圧縮比を変える圧縮比可変アームの位相可変及び固定保持を行う圧縮比制御アーム37を、カムチェーン室の圧縮比可変シャフトに配置し、キー37-3とノックボルト37-1にて位相及び軸方向位置を決め、ノックボルトの先端ネジ部を圧縮比制御アームネジ穴に締付後に、ナット37-2を締付けWナットにて弛み止めし、圧縮比可変シャフトと共に揺動自在としている。圧縮比可変アームの圧縮比可変シャフトへの取付ボス部側面を、圧縮比可変シャフトを軸支するクランクケース穴の一部側面にて挟み込み圧縮比可変シャフトの軸方向を規制している。(図4,5参照)
ジョイント35は、圧縮比制御アームの先端穴に回転自在に挿入されたジョイントピン36と、圧縮比可変雄送りネジ34のジョイントホルダ部34aの穴に、回転自在に挿入されたジョイントピン36の両端に、圧縮比制御アーム先端及び圧縮比可変雄送りネジのジョイントホルダ部両側面部を挟み込むように圧入されており、圧縮比制御アーム及び圧縮比可変雄送りネジに対し、ジョイントをジョイントピン軸方向規制、揺動自在に軸支すると共に、圧縮比可変雄送りネジの軸直角方向を規制し、ジョイントホルダ部が雌ネジから離れた時の倒れを防止すると共に、雄ネジの回転を止めて雌ネジの回転により雄ネジが雌ネジに対し軸方向に出入りすることで、圧縮比制御アームを揺動可能にしている。圧縮比可変雄送りネジに噛合い雄送りネジを軸方向に出し入れする圧縮比可変雌送りネジ33は、アッパクランクケースの穴に回転自在に軸支されると共に、圧縮比可変雌送りネジ穴端面と、液体ガスケットにて液封しボルト31-1、32-1にて固定された制御モータホルダ32の合せ面とで、軸端に設けたドリブンギャ部33aの両側面を挟み込み軸方向規制している。(図4,5参照)
回転軸を送りネジの軸に平行に配置した圧縮比制御モータ31のドライブピニオンギャ部31aを、圧縮比可変雌送りネジのドリブンギャに噛合せモータの動力を雌送りネジに伝達しており、圧縮比制御モータはOリング31-2にて液封し、ボルト31-1にて制御モータホルダ、アッパクランクケースに固定されている。(図5参照)
圧縮比制御モータの正逆回転による圧縮比可変雄送りネジの前後進により、圧縮比可変シャフトに固定された圧縮比制御アームが、気筒毎に圧縮比可変シャフトに固定された圧縮比可変アームの位相を変える。圧縮比可変シャフトの変速機室側ジャーナル軸側部ケースにはプラグ2-1を圧入して液封し、軸方向反対側先端中心穴部には-溝付軸22-1が圧入されており、-溝にカムチェーンカバー4にOリング41-2にて液封しボルト41-1にて締結された、圧縮比可変シャフト位相検知センサ41の-突起を臨ませて、圧縮比可変シャフトの位相を検知することでY軸に対するY’線の内角傾斜角度αを検知しRBtを求めることにより、ピストン頂面位置を知り圧縮比を制御している。(図1,2,4,5参照)
第二実施形態は、第一実施形態に対し対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせるもので、内角側に任意の凸形状にて転動ストロークさせるか、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とし、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変え圧縮比を可変するもので、クランク機構10、圧縮比可変機構20、圧縮比制御機構30を含む。
クランク機構10は、四気筒180°位相クランクのクランクシャフト15が、アッパ、ロアクランクケース2、3に半割のジャーナルメタル軸受15-1によりジャーナル軸15bにて回転自在に軸支され、クランクケースのジャーナル軸受部両側側面とカウンタウエイト部15w及び変速機係合ボス部15cの側面間に、半割シム15-2を挿入し厚さを調整することで適正隙間にて軸方向規制されており、反対側のクランクシャフト段付軸に、カムシャフト、オイルポンプに動力を伝達するカムシャフトドライブスプロケット15d、オイルポンプドライブスプロケット15eが設けられている。図6、7に於いて本実施例ではシリンダ方向(時計回り)に回転させているが、可変ストローク全域に亘って上死点及び下死点のクランク位相が略変化せず、上下死点間と下上死点間のクランク角も略180°一定なので、反時計回りとすることも可能である。(図6~8参照)
コンロッド13の大端に半割のコンロッドメタル軸受13-2、コンロッドキャップ13-1をボルト13-3にて締結することでクランクピン穴を形成し、クランクピン軸15aにコンロッドをクランクジャーナル軸方向規制、回転自在に軸支している。コンロッド小端穴には段付軸を有するクロスヘッド軸12-1が回転自在に軸支され、小端外側面を挟む形のコの字状の大端部を有するピストンロッド12がクロスヘッド軸に圧入固定され、大端部両外側のクロスヘッド小径軸にベアリング12-4を介し回転体12-3が回転自在に軸支され、ベアリング、回転体は軸方向をクロスヘッドガイド18に挟まれて規制されると共に、径方向は両側面状ガイドレールにて挟み込み回転体を転動させて、対偶軸であるクロスヘッド軸(コンロッド小端、ピストンロッド大端)の軸芯RBを、内角側に任意の凸状軌跡、又は対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上付近で直線状にストローク可能にしている。
尚、コンロッド小端、クロスヘッド軸、ベアリング、回転体はコンロッドのアーム部に設けたオイル通路により、オイルギャラリ、クランクオイル通路を経由して供給されるオイルにて潤滑されている。(図6~8参照)
最大膨張圧力時でのピストン側圧を最大限低減出きる様に上死点後20°前後にてピストンロッドの大小端穴芯を結ぶ線が略Y軸上にて平行となるようにOjに対しY軸をオフセットして配置したシリンダ1に、ピストン11がストローク自在に挿入され、クランクジャーナル軸に平行に配置したピストンピン11-1にピストンロッドが揺動自在に軸支されている。(図6~8参照)
圧縮比可変機構20は、クロスヘッドガイドの面状ガイドレールのクロスヘッド軸(ピストンロッド大端、コンロッド小端)上下死点軸芯RBt,RBbを結んだ線に対し、クロスヘッドガイドのシリンダ側ブラケット部を軸支する圧縮比可変原動リンク23の角度を小さく、クランク側ブラケット部を軸支する圧縮比可変従動リンク25の角度を大きく適切な角度に設定することで、4節リンク機構によりRBt,RBbを略クランクジャーナル軸芯Ojを通る線Y’上で位相を変え、上下死点間、下上死点間位相を略180°一定に保つと共に、RBtのシリンダに対する位置を変え圧縮比を可変するもので、圧縮比可変原動リンクはクランクジャーナル軸に平行に配置した対偶である圧縮比可変原動リンクシャフト24に、ノックボルト23-1の先端ネジ部を圧縮比可変原動リンクネジ穴に締付後に、ナット23-2にて締付けWナットにて弛み止めをし、位相、軸方向位置を決めて固定され、圧縮比可変原動リンクシャフトと共に揺動自在としている。圧縮比可変原動リンクの圧縮比可変原動リンクシャフトへの取付ボス部側面を、圧縮比可変原動リンクシャフトを軸支するクランクケース穴の一部側面にて挟み込み、圧縮比可変原動リンクシャフトの軸方向を規制している。(図6~9参照)
一方圧縮比可変従動リンクはクランクジャーナル軸に平行に配置した対偶である圧縮比可変従動リンクシャフト26に揺動自在に軸支されており、揺動穴ボス部両側面をケース穴両側面にて挟み込み軸方向規制されている。円筒状回転体の外周両側を外径幅一定にて内角側に凸形状に挟み込むクロスヘッドガイドの両側の面状ガイドレールはコの字状断面として連結一体化すると共に、クロスヘッド軸の軸方向両側に設けたクロスヘッドガイドのクランク側、シリンダ側二ヵ所のブラケット部にガイド連結ピン18-1,2を圧入することで一体化させ剛性、強度を確保しており、圧縮比可変原動、従動リンクの先端穴部をガイド連結ピンにて揺動自在に軸支すると共に、先端穴部両側面を両側クロスヘッドガイドブラケット部圧入穴側面にて挟み込み軸方向規制している。尚、圧縮比可変原動、従動リンクシャフトは変速機室側をプラグ2-1,2にて液封すると共に、従動リンクシャフトはカムチェーン室側のサークリップ26-1にて抜け止めされている。(図6~9参照)
尚、ピストンストロークを調整する為にRBbをY’線上からずらす場合は、クロスヘッド軸上下死点軸芯を結んだ線に対する圧縮比可変原動リンクの角度に対し、圧縮比可変従動リンクの角度を調整し適切な角度に設定する必要があり、RBbがY’線上となる圧縮比は自動的に決まってしまう。
圧縮比制御機構30は、クロスヘッドガイドのガイドレールの位相可変及び固定保持を行う圧縮比制御アーム37を、カムチェーン室の圧縮比可変原動リンクシャフトに配置し、キー37-3とノックボルト37-1にて位相及び軸方向位置を決め、ノックボルトの先端ネジ部を圧縮比制御アームネジ穴に締付後に、ナット37-2を締付けWナットにて弛み止めし、圧縮比可変原動リンクシャフトと共に揺動自在としている。圧縮比可変アームの圧縮比可変原動リンクシャフトへの取付ボス部側面を、圧縮比可変原動リンクシャフトを軸支するクランクケース穴の一部側面にて挟み込み圧縮比可変シャフトの軸方向を規制している。(図6,7,9,10参照)
ジョイント35は、圧縮比制御アームの先端穴に回転自在に挿入されたジョイントピン36と、圧縮比可変雄送りネジ34のジョイントホルダ部34aの穴に、回転自在に挿入されたジョイントピン36に、圧縮比制御アーム先端及び圧縮比可変雄送りネジのジョイントホルダ部両側面部を挟み込むように圧入されており、圧縮比制御アーム及び圧縮比可変雄送りネジに対し、ジョイントをジョイントピン軸方向規制、揺動自在に軸支すると共に、圧縮比可変雄送りネジの軸直角方向を規制し、ジョイントホルダ部が雌ネジから離れた時の倒れを防止すると共に、雄ネジの回転を止めて雌ネジの回転により雄ネジが雌ネジに対し軸方向に出入りすることで、圧縮比制御アームを揺動している。圧縮比可変雄送りネジに噛合い雄送りネジを軸方向に出し入れする圧縮比可変雌送りネジ33は、アッパクランクケースの穴に回転自在に軸支されると共に、圧縮比可変雌送りネジ穴端面と、液体ガスケットにて液封しボルト31-1、32-1にて固定された制御モータホルダ32の合せ面とで、軸端に設けたドリブンギャ部33aの両側面を挟み込み軸方向規制している。(図9,10参照)
回転軸を送りネジの軸に平行に配置した圧縮比制御モータ31のドライブピニオンギャ部31aを、圧縮比雌送りネジのドリブンギャに噛合せモータの動力を雌送りネジに伝達しており、圧縮比制御モータはOリング31-2にて液封しボルト31-1にて制御モータホルダと共にアッパクランクケースに固定されている。(図10参照)
圧縮比制御モータの正逆回転による圧縮比可変雄送りネジの前後進により、圧縮比可変原動リンクシャフトに固定された圧縮比制御アームが、気筒毎に圧縮比可変原動リンクシャフトに固定された圧縮比可変原動リンクの位相を変え、圧縮比可変原動リンクシャフトの位相を検知することでクロスヘッドガイドのガイドレールのシリンダ芯軸に対する傾斜を変えることで圧縮比を可変している。
圧縮比可変原動リンクシャフトのカムチェーン室側先端中心穴部には-溝付軸24-1が圧入されており、-溝にカムチェーンカバー4にOリング41-2にて液封しボルトにて締結された、圧縮比可変原動リンクシャフト位相検知センサ41の-突起を臨ませて、圧縮比可変原動リンクシャフトの位相を検知することで、Y軸に対するY’線の内角傾斜角度αを検知しRBtを求めることにより、ピストン頂面位置を知り圧縮比を制御している。(図6,7,9参照)
本発明案では、第一、第二実施形態共に制御モータと圧縮比可変機構の動力伝達機構の一部に非可逆伝達機構である送りネジを設け、無電力にて圧縮比を一定保持し電力消費を抑え燃料消費を低減している。
送りネジとしては、台形ネジ、角ネジ、鋸歯ネジ等が考えられるが、ネジ部を確実な非可逆伝動とする為には、ネジリード角を使用材質の動摩擦係数以下にするのが良く、最低限静摩擦係数以下にする必要がある。
以下本実施例は、図1~5が第一実施形態、図6~10が第二実施形態を示し、最高、最低圧縮比時に於ける圧縮比連続可変装置が収まるクランクケースブロック部にて主に説明し、動弁カムチェーン関係及びオイルポンプ、補機類は図示、説明共に省略すると共に、各図では必要に応じて一部図面化を省略している。
図1,6は最高圧縮比上死点時を、図2,7は最低圧縮比上死点時を示し、二点鎖線は下死点時を示す。本実施例で説明する圧縮比連続可変装置は180°クランク四気筒であるが、本発明は四気筒に限らず単気筒から多気筒まで採用可能である。
最高圧縮比18上死点時を示す断面図(図3のA-A線に沿う断面図)である。 最低圧縮比10上死点時を示す断面図(図3のA-A線に沿う断面図)である。 図1のB-B線に沿う断面図である。 図1のC-C線に沿う断面図である。 図4のD-D線に沿う断面図である。 最高圧縮比18上死点時を示す断面図(図8のE-E線に沿う断面図)である。 最低圧縮比10上死点時を示す断面図(図8のE-E線に沿う断面図)である。 図6のF-F線に沿う断面図である。 図6のG-G線に沿う断面図である。 図9のH-H線に沿う断面図である。 左図は特許文献2での最低圧縮比8、右図は本発明第一、第二実施形態例最高圧縮比18での上下死点及び90°270°回転時の各軸芯を直線で結んだジオメトリ図である。 図11左図ジオメトリを最低圧縮比8とし、OC位置をシリンダの反対側にずらし最高圧縮比14、とした最高、最低圧縮比のピストンストローク例である。クランク位相はY軸に平行な線(図13~24はクランクピン上死点位相)からの時計回り角度を、ピストン頂面位置はOjからの高さを示す。細線カーブが最高、太線カーブが最低圧縮比時を示し、点線カーブが従来の単コンロッドクランク(連稈比3.5)とした時を示し、一点鎖線カーブが上死点クランクピン位相基準での余弦カーブを示す。一点鎖線横線は上下死点の平均ピストン頂面高さを、横線付近の小カーブは180°クランク時の平均ピストンストローク頂面カーブを示す。 RBbh’を内角側にずらし図1点線ストロークとし、ピストンストロークを圧縮比14並に調整した場合の圧縮比18ピストンストローク例である。 RBbhをY’線上とし図1の実線ストロークとした時の圧縮比18ピストンストローク例である。 RBbmをY’線上とした時の圧縮比14ピストンストローク例である。 太線がRBblをY’線上とし図2の実線ストロークとした時の圧縮比10ピストンストローク例で、細線がRBbl’を外角側にずらし図2点線ストロークとし、ピストンストロークを圧縮比14並とした時の圧縮比10ピストンストローク例である。 図6(図11右図長点線ストローク)とした時の最高圧縮比18ピストンストローク例である。 Y軸に対する図11右図長点線ストロークの傾斜を変え、圧縮比14とした時のピストンストローク例である。 Y軸に対する図11右図長点線ストロークの傾斜を変え、図7とした時の最低圧縮比10ピストンストローク例である。 図11右図短点線ストローク とした時の最高圧縮比18ピストンストローク例である。 Y軸に対する図11右図短点線ストロークの傾斜を変え、圧縮比14とした時のピストンストローク例である。 Y軸に対する図11右図短点線ストロークの傾斜を変え、最低圧縮比10とした時のピストンストローク例である。 LM軸に対する図24のストロークの傾斜を変え、最高圧縮比18とした時のピストンストローク例である 対偶を直動とし、RBLM90,270時のRSLMcをピストンストローク中間点とし、最低圧縮比10とした時のピストンストローク例である。
1 シリンダ
1-1 シリンダガスケット
2 アッパクランクケース
2-1,2 プラグ
3 ロアクランクケース
4 カムチェーンカバー
10 クランク機構
11 ピストン
11-1 ピストンピン
11-2 サークリップ
12 ピストンロッド
12-1 対偶軸(クロスヘッド軸)
12-2 プラグ
12-3 回転体
12-4 ベアリング
13 コンロッド
13-1 コンロッドキャップ
13-2 コンロッドメタル軸受
13-3 ボルト
13-4 プラグ
14 揺動アーム
15 クランクシャフト 15a クランクピン軸
15b ジャーナル軸
15w カウンタウエイト部
15c 変速機係合ボス部
15d カムシャフトドライブスプロケット
15e オイルポンプドライブスプロケット
15-1 ジャーナルメタル軸受
15-2 半割シム
15-3 オイルシール
15-4 プラグ
16 揺動アームピン
16-1 プラグ
18 クロスヘッドガイド
18-1,2 ガイド連結ピン
20 圧縮比可変機構
21 圧縮比可変アーム
21-1 ノックボルト
21-2 ナット
22 圧縮比可変シャフト
22-1 -溝付軸
23 圧縮比可変原動リンク
23-1 ノックボルト
23-2 ナット
24 圧縮比可変原動リンクシャフト
24-1 -溝付軸
25 圧縮比可変従動リンク
26 圧縮比可変従動リンクシャフト
26-1 サークリップ
30 圧縮比制御機構
31 圧縮比制御モータ 31a ドライブピニオンギヤ部
31-1 ボルト
31-2 Oリング
32 制御モータホルダ
32-1 ボルト
33 圧縮比可変雌送りネジ 33a ドリブンギヤ部
34 圧縮比可変雄送りネジ 34a ジョイントホルダ部
35 ジョイント
36 ジョイントピン
37 圧縮比制御アーム
37-1 ノックボルト
37-2 ナット
37-3 キー
41 圧縮比可変(原動リンク)シャフト位相検知センサ
41-1 ボルト
41-2 Oリング
CS コントロールリンク小端軸芯
Oj クランクジャーナル軸芯
OS 揺動アームピン軸芯
OC 揺動中心シャフト軸芯
P クランクピン軸 軸芯
RB ピストンロッド大端(クロスヘッド軸)軸芯
RS ピストンロッド小端軸芯
Y シリンダ芯軸
Y’ OjとRBtを結ぶ直線
X Y軸に直角な軸
h 最高圧縮比時 h’ 最高圧縮比ストローク調整時
l 最低圧縮比時 l’ 最低圧縮比ストローク調整時
m 中間圧縮比(14)時
t 上死点時
b 下死点時
c ストローク中間点時
d ピストン下降時
u ピストン上昇時
r クランク半径
90,270 Ptからのクランクピン位相
α Y軸とY’線の内角角度
β CSの両側揺動折返し点とOjを結ぶ線の角度差
θ ピストンストローク中間点RSc時におけるピストン下降、上昇時のク
ランクピン軸芯Pcd,Pcu位相差
LM 対偶軸直線ストローク時

Claims (4)

  1. ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸を揺動アームにて内角側に凸の円弧状にストロークさせものにおいて、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、揺動アームの揺動軸を外角側で線状に変位させ、シリンダ芯軸に対する対偶軸のストローク軌跡の傾斜を変え圧縮比を可変制御する圧縮比連続可変装置。
  2. ピストンの往復運動をクランクの回転運動に変換するコンロッドを二分割し、それらを揺動自在に連接する対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線とシリンダ芯軸の内角を鈍角に設定し、対偶軸の両端に回転自在に軸支した円筒状回転体の軸芯を、面状ガイドレールを有するクロスヘッドガイドにて転動ストロークさせるもので、内角側に任意の凸形状ストロークとし、その頂点を対偶のストローク中間点よりクランク側に設け、上死点側又は上下死点側を直線又は逆凸形状の対偶ストローク軌跡とし、圧縮比可変範囲の少なくとも一部領域で、ピストンストローク中間点時のピストン下降、上昇時のクランクピン軸芯位相差が略180°となるジオメトリにて、シリンダ芯軸に対するクロスヘッドガイドのガイドレールの傾斜を変え圧縮比を可変制御する圧縮比連続可変装置。
  3. 請求項3の発明は請求項2の発明において、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線上で対偶軸を直線ストロークさせ、クランクピン軸上死点後90,270°の対偶軸軸芯とピストンストローク中間点時の対偶軸軸芯が略一致する内角角度とする圧縮比連続可変装置。
  4. 請求項4の発明は請求項1~3の発明において、対偶の上死点時軸芯とクランクジャーナル軸芯を結ぶ直線に対するピストン下死点時の対偶軸軸芯位置を、内角を大きくする時は内角側に、小さくする時は外角側にずらすことで、ピストンストロークを調整する圧縮比連続可変装置。
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