JP3580617B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
ブロック基調のトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、タイヤトレッドの耐偏摩耗性能、特に、いわゆるヒール・アンド・トウ摩耗に対する耐摩耗性を向上させるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブロック基調のトレッドパターンを有するタイヤトレッドのヒール・アンド・トウ摩耗の耐摩耗性能を向上させるために、タイヤトレッド両側区域のブロックの鋭角隅部における横断方向溝に面したブロック側壁が、鈍角隅部における横断方向溝に面したブロック側壁に比べて強化されたタイヤは、例えば特開昭61−200007号公報等において公知である。
【0003】
さらに、回転方向を一方に特定したタイヤのブロックにおいて、その接地面と横溝に面した踏み込み側壁面との交角αと、上記接地面と横溝に面した蹴り出し側壁面との交角βとが、α>βの関係にある空気入りタイヤも、例えば特開平5−270214号公報等において公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、ブロックを基調としたトレッドパターンには、ヒール・アンド・トウ偏摩耗が発生する特徴がある。
この抑制技術として、タイヤ赤道面に対して角度を持つ溝をタイヤの回転方向に対して一定方向に傾斜させる手法が、極めて良好な効果を奏することが上記公報に開示されている。
【0005】
図6において、タイヤ回転方向に傾斜角θを持つ傾斜溝の概略を示している。
実際にこの手法を用いる場合、上記溝の傾斜角θを20°以上にするとブロック蹴出端Tの剛性が低くなり、路面との摩擦により「もげる現象」が見られた。このことにより、傾斜角を20°より大きくできないという難点があった。
従って、従来のものに於いては上記の制限により、この技術を十分に生かし切っていないことになる。
【0006】
本発明は、この様なブロックパターンのヒール・アンド・トウ摩耗を抑制するタイヤにおいて、タイヤ赤道面に対して角度を持つ溝を、タイヤの回転方向に対し傾斜角度を持たせることにより得られる効果を最大限に引き出すため、溝形状自体を改良するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ブロック基調のトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道面に対して角度を持つ溝の走る方向の直交断面形状が、ブロックの根元から溝深さの30〜60%の長さ位置で、ブロックの根元方向でかつタイヤ回転方向に従って屈曲或いは屈折した溝形状をもつ空気入りタイヤである。
【0008】
【発明の実施の形態】
ブロックパターンにおけるヒール・アンド・トウ摩耗の進展は、特開平5−270214号公報に開示されたメカニズムにより、該公報に記載のごとくタイヤ赤道面に対して角度を持つ溝を、回転方向に対して傾斜角度を設定することで極めて有効な抑制がなされることがわかっている。
また、その傾斜角は大きくなるほど効果が大きいことも判明している。
しかし、傾斜角が20°を越すとブロック蹴出端の曲げ剛性が小さくなり、実路面の凸凹に食い込んで蹴出端がもげてしまう現象があった。また、ブロックのもげは外観の悪化をもたらし好ましくない。
【0009】
そこで、傾斜溝の効果を最大に生かすため、溝のどの部位の傾斜が耐摩耗性の向上に重要な効果をもたらすかを調べたところ、曲げモーメントが最大となるブロックの根元(トレッドベース部)の傾斜角が耐摩耗性能に重要な影響を与えることが判明した。
このことから、ブロックの根元部の傾斜角を大きくし、接地面に近い側は20°以下に設定した、いわゆる屈曲溝が発明された。
そして、該溝はブロックの根元から溝深さの30〜60%の長さ位置で、ブロックの根元方向でかつタイヤ回転方向に従って屈曲或いは屈折した溝形状とするものである。
また、この時前記形状を適用する溝は、タイヤ赤道面に対して10°以上の角度を有することが好ましい。
【0010】
【実施例】
本願発明の実施例を図により説明する。
図1及び図2には、本願発明に掛かるタイヤのトレッドパターンが示されている。
図1に示すパターンにおいては、複数本のタイヤ周方向溝1とこれに対しほぼ直交する横溝2とにより、いわゆるキャラメルブロック3が形成される。
また、図2に示す例においては、周方向溝1に対し斜に走る主溝5と、これに直交する枝溝6を有し、これらの溝によりブロック3が構成される。
そして、これらの全てのブロックの横溝2、主溝5及び枝溝6を後述のごとき屈曲溝或いは屈折溝として構成している。
【0011】
図3に、上記ブロック3を囲む横溝2、主溝5、枝溝6等の溝に直交する断面形状を屈折状とした、すなわち屈折溝の実施例が記載されている。
図において、屈折溝10の深さをhとすると、該溝の底部11と屈折溝10の屈折点12との間の深さは約0.3hないし0.6hの位置となるように屈折位置を定め、該屈折位置12よりブロック3の根元方向に向って、タイヤの回転方向である矢印方向に向って傾斜させてある。
【0012】
図4には、上記各溝の断面形状が屈曲状である、すなわち屈曲溝の実施例が示されている。
図において、図3と同様に屈曲溝10の深さをhとすると、溝底部11と屈曲溝10の屈曲開始点12との間の深さは約0.3hないし0.6hに成るように屈曲開始点が設定され、図3と同様にタイヤの回転方向に傾斜させてある。
そして、図3、図4に示す実施例においては、いずれも溝10の先端、すなわちブロック先端部の側壁は、トレッド面に対して概ね垂直に設けられている。
【0013】
図5は、他の屈折溝10を持つ実施例を示している。
図において、屈折溝10の先端、すなわちブロック先端部の側壁とトレッド面に対して垂直な面との成す角θ1は20°以内で、トレッド面に対しタイヤ回転方向に傾斜している。
しかし、その他の屈折溝10の形状は、図3の実施例のものと類似である。
【0014】
【発明の効果】
図1及び図2に記載のごときパターンにて実車テストを行った。
すなわち、図1に示すパターンでは図示のごときキャラメルブロックを有するものであり、また、図2に示すものでは方向性パターンを有するものである。
屈曲溝又は屈折溝は全てのブロックに施した。特に図2のものに対しては、斜めに走る主溝5だけでなく、それと直行する枝溝6にも施した。
【0015】
テスト条件(11R22,5フロント軸装着、一般舗装道路主体30000km走行)において、図1及び図2のパターンにおける各種の溝形状とこれに対して行ったテスト結果である、ヒール・アンド・トウ(H&Tと記す)性能との関係を表1に示す。
この表中、屈曲溝は屈折溝をも含むものとする。
【0016】
表1
【0017】
これにより、屈曲溝で傾斜溝と同等の性能を示し、さらに実質上傾斜(15°)溝にはできない大傾斜(30°)を屈曲溝で実現することにより、大きなヒール・アンド・トウ改良効果がもたらされていることがわかる。
なお、図7はヒール・アンド・トウ(H&T)摩耗の発生とこれを比較するH&T段差部面積Sとの関係を示している。すなわち、H&T段差部面積Sの実測面積をその指数化されたものと共に表1に記載している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る溝を施した1実施例のタイヤパターンである。
【図2】本願発明に係る溝を施した他の実施例のタイヤパターンである。
【図3】本願発明に係る溝の1実施例を示す、屈折溝の断面図である。
【図4】本願発明に係る溝の他の実施例を示す、屈曲溝の断面図である。
【図5】本願発明に係る溝の他の実施例を示す、屈折溝の断面図である。
【図6】従来公知のタイヤにおける傾斜溝の断面図である。
【図7】タイヤブロックのヒール・アンド・トウ(H&T)摩耗を示す概略図である。
【符号の説明】
1 タイヤ周溝
2 横溝
3 ブロック
5 主溝
6 枝溝
12 溝屈曲部又は溝屈折部
Claims (2)
- ブロック基調のトレッドパターンを有する空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道面に対して角度を持つ溝の走る方向の直交断面形状が、ブロックの根元から溝深さの30〜60%の長さ位置で、ブロックの根元方向でかつタイヤ回転方向に従って屈曲或いは屈折した溝形状をもつ空気入りタイヤ。
- 前記角度を持つ溝のタイヤ赤道面に対する角度が、10°以上である請求項1の空気入りタイヤ。
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JP27508095A JP3580617B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 空気入りタイヤ |
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EP96302026A EP0734887B1 (en) | 1995-03-29 | 1996-03-25 | Pneumatic tire |
US08/623,989 US5769977A (en) | 1995-03-19 | 1996-03-29 | Pneumatic tire with grooves having bending or winding portion |
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Family Applications (1)
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1995
- 1995-09-29 JP JP27508095A patent/JP3580617B2/ja not_active Expired - Fee Related
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