JP3580451B2 - 直列型熱電対 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼熱によって熱起電力を発生させて電力を供給する直列型熱電対に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃焼制御装置等の電源として蓄電池を設け、炎の燃焼熱によって発生する熱起電力を利用し、蓄電池に充電するタイプのガス燃焼器がある。そこで、蓄電池に充電する為の従来技術として、図8に示した直列型熱電対について説明する。
蓄電池を効率よく容易に充電する為には、高い起電力を得る必要がある。そこで、従来、複数個の熱電対素子12を直列に接続して構成した直列型熱電対10が使用された。例えば、1個の熱電対素子12で30mVの起電力しか得られない場合であっても、50個の熱電対素子12を集積したならば、全体として1.5Vの起電力を得ることができるからである。
【0003】
図8に示した直列型熱電対10のように、2種の異なる金属線材17,18の端部を接続してジグザグ状に連結し、複数個の熱電対素子12が連なる直列型熱電対10を作る。従って、直列型熱電対10は各熱電対素子12の数だけ高温接点12aと冷温接点12bとが形成され、先頭と最後の熱電対素子12にそれぞれリ−ド線11a,11bを溶接することで完成する。
この結果、1つ1つの熱電対素子12から得られる起電力は小さくても、全体的には安定した高い起電力が得られるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の直列型熱電対10では、高温接点12aが直接炎に接触する為に、その高温の熱によって金属線材17,18表面で酸化が起こり、高温腐食(酸化)・劣化してしまうという耐久性能上の問題があった。特に、高い起電力が得られるコンスタンタンとステンレスとを組み合わせた場合、ステンレスは耐熱性に優れるが、コンスタンタンは耐熱性に劣る為に高温腐食・劣化が起こりやすくなってしまう。
また、この種の直列型熱電対10は高温接点12aと冷温接点12bとの温度差に比例した起電力が得られる特性を持つものであるから、その温度差が大きいほど高い起電力が得られることが知られている。
本発明は上記課題を解決し、簡単な構成で、高熱による高温接点での高温腐食(酸化)・劣化を抑制し、且つ安定した高起電力が得られる直列型熱電対を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
本発明の請求項1記載の直列型熱電対は、
2つの異種金属片を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の先端から所定距離だけ離した位置に、耐熱性の低い方の金属片の先端を接合して高温接点を形成し、上記耐熱性の高い方の金属片の先端のみを炎で加熱するようにしたことを要旨とする。
【0006】
上記構成を有する本発明の直列型熱電対は、2種類の金属片を接合して形成した熱電対素子を複数使用するが、これを構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の先端側を炎と接触するようにして、この先端から所定距離だけ離した高温接点での過熱を防止し、耐熱性が低い方の金属片を酸化から保護する。この為、耐熱性の劣る金属片を利用することができ、熱電対素子を構成する金属片の組み合わせのバリエ−ションを増やすことができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の直列型熱電対は、
請求項1記載の直列型熱電対において、
上記耐熱性が高い方の金属片の断面積を上記耐熱性が低い方の金属片の断面積よりも大きくしたことを要旨とする。
【0010】
上記構成を有する請求項2記載の直列型熱電対は、請求項1記載の直列型熱電対において、熱電対素子を構成する2種類の金属片の断面積がそれぞれ異なっており、断面積が大きい方の金属片を火炎と接触するように構成することによって熱伝導性が向上する。従って、他方の金属片に比べて耐熱性が低い金属片の先端を、耐熱性が高い方の金属片の先端から離して接合し、高温接点を形成することによって、耐熱性が低い方の金属片の高温腐食・劣化を抑制でき、且つ高温接点での温度を適度な高温に維持することができる。一方、熱損失によって炎から遠い冷温接点での温度は低くなるので、高温接点と冷温接点との温度差は大きくなり、高い起電力を確保することができる。
【0011】
本発明の請求項3記載の直列型熱電対は、
請求項1又は2記載の直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する上記耐熱性が高い方の金属片の断面積が、その先端となる炎と接触する高温部から上記高温接点までの間では、上記高温接点から冷温接点までの間の部分よりも大きくなるようにしたことを要旨とする。
【0012】
上記構成を有する請求項3記載の直列型熱電対は、請求項1又は2記載の直列型熱電対において、上述した熱電対素子を構成する耐熱性が高い方の金属片の断面積が炎と接触する高温部から高温接点までの部分では、高温接点から冷温接点までの部分よりも大きい為、高温部から高温接点への熱伝導性は良くなり、高温接点では適度な高温に維持できる。一方、高温接点から冷温接点までの部分では、断面積が小さくなる為、反対に熱伝導性は悪く、熱損失量が大きくなるので、冷温接点では温度が上がりにくくなる。その為、高温接点と冷温接点との温度差は大きくなるので、高温腐食・劣化を抑制することができると共に、より高い起電力を確保することもできる。
【0013】
本発明の請求項4記載の直列型熱電対は、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の直列型熱電対において、
こんろバ−ナの周りの全周あるいはその一部に配列したことを要旨とする。
【0014】
上記構成を有する請求項4記載の直列型熱電対は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の直列型熱電対において、こんろバ−ナの形状に合わせてバ−ナの周りの全周あるいはその一部に配列した為、バ−ナ火炎から発生する熱を効率良く大量に受けることができ、且つ得られる起電力も安定する。
また、本発明の請求項5記載の直列型熱電対は、
2つの異種金属片の端面同士を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の途中に曲げ加工を施し、上記曲げ部分に炎が当たるように構成するとともに、耐熱性が高い方の金属片の断面積を耐熱性が低い方の金属片の断面積よりも大きくしたことを要旨とする。
上記構成を有する本発明の請求項5記載の直列型熱電対は、2種類の金属片の端面同士を接合して形成した熱電対素子を複数使用するが、これを構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片に曲げ加工を施し、その曲げ部分を炎と接触する高温部とする。その為、高温接点が過熱されず、耐熱性の低い方の金属片を保護することができるので、高温の熱による高温腐食(酸化)・劣化を抑制することができる。また、組立が容易であるし、高温接点と冷温接点との位置を正確に決めることもできる。
さらに、熱電対素子を構成する2種類の金属片の断面積がそれぞれ異なっており、断面積が大きい方の金属片を火炎と接触するように構成することによって熱伝導性が向上する。従って、他方の金属片に比べて耐熱性が低い金属片の先端を、耐熱性が高い方の金属片の先端から離して接合し、高温接点を形成することによって、耐熱性が低い方の金属片の高温腐食・劣化を抑制でき、且つ高温接点での温度を適度な高温に維持することができる。一方、熱損失によって炎から遠い冷温接点での温度は低くなるので、高温接点と冷温接点との温度差は大きくなり、高い起電力を確保することができる。
また、本発明の請求項6記載の直列型熱電対は、
2つの異種金属片の端面同士を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の途中に曲げ加工を施し、上記曲げ部分に炎が当たるように構成するとともに、耐熱性が高い方の金属片の断面積が、炎と接触する高温部から高温接点までの間では、高温接点から冷温接点までの間の部分よりも大きくなるようにしたことを要旨とする。
上記構成を有する本発明の請求項6記載の直列型熱電対は、2種類の金属片の端面同士を接合して形成した熱電対素子を複数使用するが、これを構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片に曲げ加工を施し、その曲げ部分を炎と接触する高温部とする。その為、高温接点が過熱されず、耐熱性の低い方の金属片を保護することができるので、高温の熱による高温腐食(酸化)・劣化を抑制することができる。また、組立が容易であるし、高温接点と冷温接点との位置を正確に決めることもできる。
さらに、上述した熱電対素子を構成する耐熱性が高い方の金属片の断面積が炎と接触する高温部から高温接点までの部分では、高温接点から冷温接点までの部分よりも大きい為、高温部から高温接点への熱伝導性は良くなり、高温接点では適度な高温に維持できる。一方、高温接点から冷温接点までの部分では、断面積が小さくなる為、反対に熱伝導性は悪く、熱損失量が大きくなるので、冷温接点では温度が上がりにくくなる。その為、高温接点と冷温接点との温度差は大きくなるので、高温腐食・劣化を抑制することができると共に、より高い起電力を確保することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする為に、以下本発明の直列型熱電対の好適な実施例について説明する。
【0016】
図2は、一実施例としての直列型熱電対を表すもので、ステンレスからなる金属片(以後、単にステンレスと呼ぶ)51とコンスタンタンからなる金属片(以後、単にコンスタンタンと呼ぶ)52を溶接して、高温接点55と冷温接点56とを構成して、複数個の熱電対素子が連なる直列型熱電対50を作る。しかし、ステンレスに比べてコンスタンタンは耐熱性が劣る。そこで、高温接点55は、コンスタンタン52に比べて耐熱性の高いステンレス51の先端54から離れた位置に設ける。これは、熱伝導が熱の伝達距離に反比例する性質を利用し、高温接点55の温度を、耐熱性の低いコンスタンタン52の耐熱温度まで下げる為である。一般に、多くの金属については、高温の熱によって起こる金属の酸化現象の反応速度は、ある一定の温度までは非常に遅いが、それを越えると急激に速くなる放物線型のグラフ形状となることが知られていることから、高温接点での温度を、酸化現象の速度が大きく変化する直前の温度、つまり、ほぼコンスタンタン52の耐熱温度になるように諸条件を調整することによって、酸化現象を抑制すると共に、高い起電力を得ることもできる。
また、上述した直列型熱電対50に使用されている熱電対素子の内、先頭と最後に位置するものには、それぞれリード線53を接続する。また、熱電対素子の接点同士が電気的に短絡することを防止する為に、表面にホーロー処理等の表面処理を施す。
【0017】
この結果、ステンレス51の先端部のみを炎と接触させる構成にすることによって、熱は高温部54から高温接点55へ移動する際に、熱損失の為にその温度が低下するので、酸化によるコンスタンタン52の高温腐食・劣化を抑制することができる。また、その低下した温度は、ステンレス51の断面積及び高温部54から高温接点55までの距離に依存する。更に、両金属片の形状は、図示した以外に、一方が板材で他方が丸棒、あるいは共に丸棒としても良い。
また、本実施例では、冷温接点56をステンレス51の端部から離れた位置に設けた為、冷温部58が放熱フィンの代わりをするので、冷温接点56の温度が上がりにくくなり、且つ高温接点55との温度差が大きくなる為、高い起電力を得ることもできる。
【0018】
他の実施例として、図3に示した直列型熱電対60は、ステンレスのS字材61の端面と、コンスタンタンの丸棒62の端面とを溶接して固定・形成した複数個の熱電対素子を接続したものである。ただし、この2つの異種金属片の断面積を、
(ステンレス61の断面積)>(コンスタンタン62の断面積)
に設定する。
また、ステンレス61の曲げ加工が施されている部分、つまり高温部64と炎とを接触させ、一定時間後の高温接点65での温度T1、及びコンスタンタン62の酸化に対する耐熱限界温度T2との関係は、
(耐熱限界温度T2)>(高温接点での温度T1)
とする。また、温度T1とT2との差は、少なくとも100℃前後あった方が高温接点65でのコンスタンタン62の耐久性が著しく向上し、熱電対素子の寿命も延びる。更に、この条件を満たしているならば、図4に例示した形状のように、断面積の異なるステンレス71及びコンスタンタン72の丸棒を溶接しただけの単純なものでも良い。
尚、高温接点75と冷温接点76との間の距離は、大きくするほど高温接点75と冷温接点76との温度差が大きくなり、その結果、高い起電力を確保することもできる。
【0019】
更に、図5に示した直列型熱電対80は、炎と接触する高温部84から高温接点85までの直径をRとし、高温接点85から冷温接点86までの直径をr1(ただし、R>r1である)とした異形のステンレス材81と、直径r2(ただし、R>r2である)の丸棒であるコンスタンタン材82とをステンレス82の段部にて接合・形成したものである。この直列型熱電対80は、高温部84から高温接点85までの熱伝導性を向上させ、高温接点85での高温腐食がほとんど起こらない程度の高温に維持することができる反面、高温接点85から冷温接点86へ熱が伝わりにくくなる為、図3,4に示した直列型熱電対60,70のように、高温接点85と冷温接点86との間の距離を大きくしなくても高い起電力を得ることができる。
また、ステンレス71及びコンスタンタン72の形状は、図6,7に例示した形状でも良く、直列型熱電対90,100は、共に曲げ加工が施された高温部94,104のみに炎が当たる。
【0020】
図6に示した直列型熱電対90は、断面積の大きさがS3であるU字状に曲折した丸棒、及び断面積がS4(ただし、S3>S4)である逆U字状に曲折した丸棒とをS字状に一体形成したステンレス材91と、断面積の大きさがS4であるコンスタンタン材の丸棒92とを波状に直列接続したものである。
【0021】
また、図7に示した直列型熱電対100は、断面積の大きさがS5である平板をV字状に曲折したもの、及び断面積の大きさがS6(ただし、S5>S6)である平板をV字状に曲折したものをZ字状に一体形成したステンレス材101と、断面積の大きさがS6である材質がコンスタンタンの平板102とを波状に直列接続したものである。
【0022】
こうした直列型熱電対の設置形態に示した実施例を、図1の親子こんろバ−ナ31により説明する。図1中で使用している直列型熱電対50は、図3のものである。
親子こんろバ−ナ31は、火力の大きい親バ−ナ33の中央部に火力の小さい子バ−ナを設けたもので、調理品に応じてどちらかあるいは両方に点火して火力を調節するようにしたこんろバ−ナである。
【0023】
親バーナは、鋳鉄等の鋳物で作成された親バーナ本体32と、そのバーナ本体32に上から嵌合された黄銅等の熱間鍛造品からなる略円盤状の親バーナヘッド33とから構成される。親バーナ本体32は、導入された燃料ガスと1次空気とを混合する混合管34と、その下流にあって混合気を環状に分布させ、親バーナヘッド33との隙間より噴出させる環状の混合室35とが一体となっている。
混合室35の混合気噴出側(親バーナヘッド33との嵌合側)の中央には、燃焼時の2次空気通路を兼ねた円筒状の位置決めガイド36が設けられ、親バーナヘッド33の中央部に形成されたリング状の突起37がそこに位置決めされながら嵌合される。また、混合管34より混合室35へ送られた混合気は、親バーナヘッド33と親バーナ本体32との合わせ面により形成された隙間を炎口として噴出し、リング状の火炎31aを形成する。
【0024】
子バ−ナは、親バ−ナ本体32及び親バ−ナヘッド33中央の円孔部を通って突出した子バ−ナ本体38と、この子バ−ナ本体38に上方から嵌合された黄銅等の熱間鍛造品からなる略円盤状の子バ−ナヘッド39とから構成される。
【0025】
直列型熱電対50は、この火炎31aの下方から高温部54が火炎31aに臨む位置に固定され、熱起電力を発生する。そして、発生した熱起電力に応じて、電源を必要とする各制御装置(図示略)を作動させる。
尚、こうした親子こんろバ−ナ31では、子バ−ナばかりでなくその周囲に設けられた親バ−ナにおいても、同様にして直列型熱電対を設置することができ、同様の作用・効果を得ることができる。また、直列型熱電対50は、バ−ナの全周に限らず、その一部として円弧状に配置しても良い。
【0026】
以上説明したように、本実施例の直列型熱電対50によれば、酸化に対する耐久性の高いステンレス51のみが炎に接触するように形成されているので、燃焼時に起こる高温酸化に対する耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。また、高温接点55が炎と接触する高温部54から離れている為に、高温接点55と冷温接点56との温度差が大きくなり、高い起電力も得ることができる。更に、本実施例のコンスタンタンとステンレスとの組み合わせに限らず、他の金属材料での組み合わせのバリエ−ションを増やすこともできる。
また、多数の熱電対素子を直列につなぎ、しかもその高温部54をこんろバ−ナ31の周囲に均一に並べ、且つこんろバーナ31の火炎31a全体に臨ませている。その結果、高温腐食を抑制できると共に、火炎31aから発生する熱を効率良く大量に受けることができる。
【0027】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、湯沸器等のガス燃焼器にも適用できるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上記述したように本発明の請求項1記載の直列型熱電対によれば、高温接点を炎と接触する耐熱性が高い方の金属片の先端部から離して設けた為、燃焼時に起こる高温腐食・劣化に対する熱電対全体の耐久性と信頼性を向上させることができる。
また、請求項2記載の直列型熱電対によれば、炎と接触する耐熱性が高い方の金属片の断面積を、耐熱性が低い方の金属片よりも大きくすることにより、炎と接触する方の金属片の熱伝導性が高くなるので、高温接点と炎とを接触させなくても、高温接点では高温腐食がほとんど起こらない程度の高温に維持でき、高い起電力を確保することもできる。
また、請求項3記載の直列型熱電対によれば、炎と接触する部分のみを他の部分よりも断面積を大きくすることによって、高温部から高温接点までの部分の熱伝導性を向上させることができる。また、高温部から伝わってきた熱は、高温接点で断面積が小さくなる為、熱伝導性が急に低下し、冷温接点に到達するまでには、かなりの熱損失を受けるので、高温接点と冷温接点との温度差が大きくなる。その為、高温腐食を抑制できると共に、より高い起電力を得ることもできる。
また、請求項4記載の直列型熱電対によれば、こんろバ−ナから発生する熱を大量に受ける為、効率よく起電力を得ることができる。
また、請求項5記載の直列型熱電対によれば、耐熱性が高い方の金属片に曲げ加工を施し、その曲げ部分を炎と接触する高温部とした為、高温接点を酸化腐食・劣化から保護することができる。また、組立が容易であり、高温接点と冷温接点との位置を正確に決めることができるので、安定した高起電力も得られる。さらに、炎と接触する耐熱性が高い方の金属片の断面積を、耐熱性が低い方の金属片よりも大きくすることにより、炎と接触する方の金属片の熱伝導性が高くなるので、高温接点と炎とを接触させなくても、高温接点では高温腐食がほとんど起こらない程度の高温に維持でき、高い起電力を確保することもできる。
また、請求項6記載の直列型熱電対によれば、耐熱性が高い方の金属片に曲げ加工を施し、その曲げ部分を炎と接触する高温部とした為、高温接点を酸化腐食・劣化から保護することができる。また、組立が容易であり、高温接点と冷温接点との位置を正確に決めることができるので、安定した高起電力も得られる。さらに、炎と接触する部分のみを他の部分よりも断面積を大きくすることによって、高温部から高温接点までの部分の熱伝導性を向上させることができる。また、高温部から伝わってきた熱は、高温接点で断面積が小さくなる為、熱伝導性が急に低下し、冷温接点に到達するまでには、かなりの熱損失を受けるので、高温接点と冷温接点との温度差が大きくなる。その為、高温腐食を抑制できると共に、より高い起電力を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のこんろバ−ナの概略図である。
【図2】第1実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図3】第2実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図4】第2実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図5】第3実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図6】第3実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図7】第3実施例の直列型熱電対の説明図である。
【図8】従来技術の直列型熱電対の説明図である。
【符号の説明】
ステンレス材 ・・・51,61,71,81,91,101
コンスタンタン材・・・52,62,72,82,92,102
リ−ド線 ・・・53
高温部 ・・・54,64,74,84,94,104
高温接点 ・・・55,65,75,85,95,105
冷温接点 ・・・56,66,76,86,96,106
Claims (6)
- 2つの異種金属片を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の先端から所定距離だけ離した位置に、耐熱性の低い方の金属片の先端を接合して高温接点を形成し、上記耐熱性の高い方の金属片の先端のみを炎で加熱するようにしたことを特徴とする直列型熱電対。 - 請求項1記載の直列型熱電対において、
上記耐熱性が高い方の金属片の断面積を上記耐熱性が低い方の金属片の断面積よりも大きくしたことを特徴とする直列型熱電対。 - 請求項1又は2記載の直列型熱電対において、
上記耐熱性が高い方の金属片の断面積が、炎と接触する高温部から上記高温接点までの間では、上記高温接点から冷温接点までの間の部分よりも大きくなるようにしたことを特徴とする直列型熱電対。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の直列型熱電対において、
こんろバ−ナの周りの全周あるいはその一部に配列したことを特徴とする直列型熱電対。 - 2つの異種金属片の端面同士を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の途中に曲げ加工を施し、上記曲げ部分に炎が当たるように構成するとともに、耐熱性が高い方の金属片の断面積を耐熱性が低い方の金属片の断面積よりも大きくしたことを特徴とする直列型熱電対。 - 2つの異種金属片の端面同士を接合・形成した熱電対素子を複数接続した直列型熱電対において、
上記熱電対素子を構成する金属片のうち、耐熱性が高い方の金属片の途中に曲げ加工を施し、上記曲げ部分に炎が当たるように構成するとともに、耐熱性が高い方の金属片の断面積が、炎と接触する高温部から高温接点までの間では、高温接点から冷温接点までの間の部分よりも大きくなるようにしたことを特徴とする直列型熱電対。
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