JP3580151B2 - クランプ取付治具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス外周へクランプを位置決めして取り付けるためのクランプ取付治具に関し、詳しくは、クランプ取付後にクランプ保持具を他の作業の邪魔にならないように退避可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、ワイヤハーネスW/Hの組立作業台1上で、分岐部2を組み立てるに際し、所定位置に立設された電線保持具3に沿って布線されたワイヤハーネスW/Hの外周所定位置に、車体係止用のクランプ4を取り付ける状態を示している。クランプ4は車体の取付孔のピッチに正確に合致させなければならないため、クランプ4は、組立作業台1上に立設されたクランプ保持具5に保持させることでワイヤハーネスW/Hへの位置決めがなされる。
【0003】
上記クランプ保持具5として一般的に使用されるものは、組立作業台1上に固定された基部5aに下端を回動可能に取り付けることで起伏可能な支柱5bと、該支柱5bの上端に取り付けられ、クランプ4を着脱可能に嵌合保持するクランプ受け部5cとから構成されている。そして、クランプ4の取り付けに際しては、クランプ保持具5を起立させることでワイヤハーネスW/Hの外周所定位置に位置決めし、クランプ4をワイヤハーネスW/Hに固定した後は、クランプ保持具5を倒することで、その他の組立作業およびワイヤハーネスW/Hの取り外し時にクランプ保持具5が邪魔にならないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記倒伏式のクランプ保持具5では、図10に示すように、分岐部2が密集しているために、クランプ保持具5を倒そうとすると、隣の分岐線2aに干渉するような状況においては、クランプ保持具5を退避することができない。よって、ワイヤハーネスW/Hへのクランプ4の取り付け後における他の組立作業、およびワイヤハーネスW/Hの取り外し操作に支障をきたし、このため、干渉する分岐線2aを電線保持具3から取り外した後にクランプ保持具5を倒さなければならず、作業性に問題があった。
【0005】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、分岐部が密集している場合においても、クランプ保持具を他の分岐線に干渉することなく退避可能とすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1で、組立作業台上で所定経路に沿って布線されるワイヤハーネスの外周所定位置にクランプを取り付けるためのクランプ取付治具であって、
上記クランプ取付治具は、組立作業台上に立設される支軸の上部に、ワイヤハーネスを保持するための受け部を備えたワイヤハーネス保持具と、該ワイヤハーネス保持具に一体的に取り付けられたクランプ保持具とからなり、
上記クランプ保持具は、上記支軸に対し一端を水平方向に回動可能に取り付けると共に、他端を所定寸法水平方向に延出して上方に立ち上げた回動アームと、該回動アームの立ち上げ端部に取り付けられ、上記クランプを着脱可能に保持するクランプ受け部とを備え、
上記支持具を支点とする回動アームの回動によりクランプ受け部をクランプの取付位置と退避位置との間で移動可能としていることを特徴とするクランプ取付治具を提供している。
【0007】
具体的には、上記ワイヤハーネス保持具としては、ワイヤハーネスの端末において電線束を支持するため使用されるU字状の電線受け部を備えた電線支持具、もしくは端末においてコネクタを嵌合支持する箱状のコネクタ受け部を備えたコネクタ支持具が利用される。そして、クランプ保持具は、上記端末に使用されるワイヤハーネス保持具を中心として水平方向に回動させることで、クランプ受け部をワイヤハーネスへの取付位置と退避位置との間で移動可能としている。
【0008】
上記構成によれば、分岐部におけるワイヤハーネスの端末にクランプ取付治具を用いることで、ワイヤハーネス保持具による端末の保持と、クランプ保持具によるクランプの保持とをひとつの取付治具で兼用することができる。ワイヤハーネス外周へのクランプの取付に際しては、回動アームをワイヤハーネス側へ回動操作するのみで、所定の取付位置へクランプを位置決めすることができる。一方、クランプの取付後には、上記と反対方向へ回動アームを回動操作することで、クランプ受け部を他の作業またはワイヤハーネスの取り外しに支障のない退避位置へ簡単に退避させることができる。その際、クランプ受け部の退避軌道は、直接隣接する分岐線の方向へ向かうのではなく、端末方向への回動軌道に沿って退避するため、密集した分岐部においても倒伏式のクランプ治具に比し、隣接する分岐線との干渉を回避することができる。
【0009】
請求項2では、上記クランプ受け部は、下面側をクランプの保持面としてクランプをワイヤハーネスの外周上面に位置決めする構成とする一方、上記回動アームを上記支軸に対し上下方向に移動可能とし、回動アームの下降位置をワイヤハーネス外周へのクランプの取付高さ位置に対応させると共に、回動アームの上昇位置をワイヤハーネスに取り付けられたクランプの離脱位置に対応させている。
【0010】
上記構成とすると、特にワイヤハーネスの外周上面をクランプの取付位置とした場合、ワイヤハーネスへのクランプの固定後、クランプ受け部を退避するに際し、回動アームを上方へ引き上げるようにすることで、クランプ受け部を上昇連動させてクランプを容易に離脱することができる。そして、引き続き回動アームを回動操作するのみで、クランプ受け部を退避位置へ移動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6はクランプ取付治具の第1実施形態を示し、該クランプ取付治具10は、ワイヤハーネスW/Hの組立作業台11上の所定位置に立設されるワイヤハーネス保持具12と、該ワイヤハーネス保持具12に一体的に取り付けられるクランプ保持具13とからなっている。
【0012】
上記ワイヤハーネス保持具12は、本実施形態では布線経路の各部および端末部に使用され、電線を保持するためのU字状の受け部12aと、該受け部12aを上部に固定すると共に、組立作業台11上に立設される支軸12bとからなっている。
【0013】
上記クランプ保持具13は、支軸12bの下方位置に水平方向に回動可能に取り付けられるリング部14aを一端に備え、他端方を所定寸法水平方向に延出すると共に、端部を上方に立ち上げたL字状の回動アーム14と、該回動アーム14の立ち上げ端部に取り付けられるクランプ受け部15とを備えている。該クランプ受け部15は、クランプ4の上面に突設された係止部4aを着脱可能に嵌合する係合部15aを下面に備え、クランプ4を取付姿勢で保持可能としている。上記支軸12bにはリング部14aの回動位置を定めるために、該リング部14aを上下方向から挟持する一対のストッパー12c、12dを固定している。なお、リング部14aの取付に際しては、図2に示すように、上記ストッパー12c、12dの間にリング部14aを無理入れ状態で嵌合するか、若しくはリング部14aを支軸12bの下端から挿通した後に、下側のストッパー12dを固定して位置決めするようにしている。
【0014】
上記クランプ受け部15は、保持するクランプ4がワイヤハーネス保持具12の受け部12aに保持されたワイヤハーネスW/Hの外周上面に対応する高さ位置となるように回動アーム14の高さ寸法を設定している。一方、クランプ4の所定の取付位置に対応して、受け部12aからクランプ受け部15までの寸法を合致すべく回動アーム14の水平方向の延出寸法を設定している。
【0015】
上記構成からなるクランプ取付治具10を用いてワイヤハーネスW/Hの所定位置にクランプ4を取り付けるには、先ず図3に示すように、クランプ受け部15を布線経路から退避させた位置でクランプ4を係合部15aに嵌合保持する。次いで、ワイヤハーネスW/Hの端末にテープ巻き等の所定の加工を施した後、図4に示すように、回動アーム14を回動操作して、クランプ受け部15に保持したクランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周上面の所定位置に位置決めする。この状態でクランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周にテープ止めして固定した後、図5に示すように、クランプ4をクランプ受け部15から外すと同時に、回動アーム14を逆方向に回動操作することで、クランプ受け部15を初期の退避位置へ移動させる。次いで、必要に応じてワイヤハーネスW/Hの端末部へ追加加工を施し、その後、ワイヤハーネスW/Hを上方へ引き上げることにより組み立てられたワイヤハーネスW/Hの取り外しを行う。その際、クランプ受け部15は、退避位置にあるため、取り外しに支障をきたすことがない。
【0016】
上記のようにクランプ受け部15は、回動アーム14の回動操作により、取付位置と退避位置との間で水平方向に移動させるようにしているため、図6に示すように、分岐部2において、分岐線2a、2b、2cが密集する部位での使用に際し、隣接する分岐線2aに干渉するのを防止できる。即ち、端末のワイヤハーネス保持具12を回動基点とするクランプ受け部15の退避軌道は、各分岐線2a、2b、2cの端末へ至るに従い広がり状となる形態に対応しており、クランプ受け部15の分岐線2aとの干渉防止に有利となる。
【0017】
なお、上記第1実施形態では、クランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周上面に取り付ける態様を示したが、側面または下面に取り付ける場合は、回動アーム14に対するクランプ受け部15の係合部15aの位置を側面または上面に設定すればよい。
【0018】
図7はクランプ取付治具の第2実施形態を示し、クランプ4をワイヤハーネスW/Hの上面側に取り付ける場合において、クランプ4固定後のクランプ受け部15からの取り外しを容易に行い得るようにしたものである。第2実施形態では、回動アーム24を支軸22bに対し、上下方向に移動可能としたものであり、上側のストッパー22dを所定寸法上方へずらすことで回動アーム24の上方への移動スペースを確保している。そして、下側のストッパー22cで位置規制される回動アーム24の下降位置を、ワイヤハーネスW/H外周へのクランプ4の取付高さ位置に対応させると共に、上側のストッパー22dで位置規制される回動アーム24の上昇位置をクランプ4の離脱可能な位置としている。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0019】
上記構成によれば、ワイヤハーネスW/Hの外周上面にクランプ4を位置決めして固定した後、クランプ受け部15を退避させる際に、回動アーム24を上方に持ち上げることで、係合部15aに係合したクランプ4のクリップ部4aを容易に離脱することができる。その後は、回動アーム24を回動操作するのみで、クランプ受け部15を容易に退避位置へ移動させることができる。
【0020】
上記各実施形態においては、ワイヤハーネス保持具12として電線を保持するU字状の電線保持具を図示したが、図8に示すように、電線端末のコネクタCを嵌合保持するために、コネクタCの外形形状に合致する凹部を有するコネクタ保持具をワイヤハーネス保持具32としてもよい。
【0021】
また、クランプ取付治具10は、図9に示すように、ワイヤハーネス保持具12を分岐部2での電線保持用として使用し、該分岐部2をクランプ受け部15の回動支点とすることもできる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明より明きらかなように、本発明に係わるクランプ取付治具では、分岐線が密集する分岐部においても、クランプ取付後に回動アームを回動操作するのみで、クランプ受け部を分岐線に干渉することなく退避させることができ、作業性を向上することができる。また、クランプ受け部は回動アームを介して、ワイヤハーネス保持具の支軸に一体化されているため、ワイヤハーネスの組立作業台への立設作業を軽減することができると共に、支軸を基点とするクランプ取付位置の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のクランプ取付治具の斜視図である。
【図2】支軸への回動アームの取付状態を示す図である。
【図3】クランプ取付前の状態を示す斜視図である。
【図4】クランプの位置決め状態を示す斜視図である。
【図5】クランプ取付後のクランプ保持具の退避状態を示す斜視図である。
【図6】分岐部へのクランプの取付状態を示す平面図である。
【図7】第2実施形態における支軸への回動アームの取付状態を示す図である。
【図8】ワイヤハーネス保持具をコネクタ保持具とした状態を示す斜視図である。
【図9】他の使用状態を示す斜視図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
W/H ワイヤハーネス
2 分岐部
2a 分岐線
4 クランプ
10、20 クランプ取付治具
11 組立作業台
12、22、32 ワイヤハーネス保持具
12a 受け部
12b 支軸
13 クランプ保持具
14、24 回動アーム
15 クランプ受け部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス外周へクランプを位置決めして取り付けるためのクランプ取付治具に関し、詳しくは、クランプ取付後にクランプ保持具を他の作業の邪魔にならないように退避可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、ワイヤハーネスW/Hの組立作業台1上で、分岐部2を組み立てるに際し、所定位置に立設された電線保持具3に沿って布線されたワイヤハーネスW/Hの外周所定位置に、車体係止用のクランプ4を取り付ける状態を示している。クランプ4は車体の取付孔のピッチに正確に合致させなければならないため、クランプ4は、組立作業台1上に立設されたクランプ保持具5に保持させることでワイヤハーネスW/Hへの位置決めがなされる。
【0003】
上記クランプ保持具5として一般的に使用されるものは、組立作業台1上に固定された基部5aに下端を回動可能に取り付けることで起伏可能な支柱5bと、該支柱5bの上端に取り付けられ、クランプ4を着脱可能に嵌合保持するクランプ受け部5cとから構成されている。そして、クランプ4の取り付けに際しては、クランプ保持具5を起立させることでワイヤハーネスW/Hの外周所定位置に位置決めし、クランプ4をワイヤハーネスW/Hに固定した後は、クランプ保持具5を倒することで、その他の組立作業およびワイヤハーネスW/Hの取り外し時にクランプ保持具5が邪魔にならないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記倒伏式のクランプ保持具5では、図10に示すように、分岐部2が密集しているために、クランプ保持具5を倒そうとすると、隣の分岐線2aに干渉するような状況においては、クランプ保持具5を退避することができない。よって、ワイヤハーネスW/Hへのクランプ4の取り付け後における他の組立作業、およびワイヤハーネスW/Hの取り外し操作に支障をきたし、このため、干渉する分岐線2aを電線保持具3から取り外した後にクランプ保持具5を倒さなければならず、作業性に問題があった。
【0005】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、分岐部が密集している場合においても、クランプ保持具を他の分岐線に干渉することなく退避可能とすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1で、組立作業台上で所定経路に沿って布線されるワイヤハーネスの外周所定位置にクランプを取り付けるためのクランプ取付治具であって、
上記クランプ取付治具は、組立作業台上に立設される支軸の上部に、ワイヤハーネスを保持するための受け部を備えたワイヤハーネス保持具と、該ワイヤハーネス保持具に一体的に取り付けられたクランプ保持具とからなり、
上記クランプ保持具は、上記支軸に対し一端を水平方向に回動可能に取り付けると共に、他端を所定寸法水平方向に延出して上方に立ち上げた回動アームと、該回動アームの立ち上げ端部に取り付けられ、上記クランプを着脱可能に保持するクランプ受け部とを備え、
上記支持具を支点とする回動アームの回動によりクランプ受け部をクランプの取付位置と退避位置との間で移動可能としていることを特徴とするクランプ取付治具を提供している。
【0007】
具体的には、上記ワイヤハーネス保持具としては、ワイヤハーネスの端末において電線束を支持するため使用されるU字状の電線受け部を備えた電線支持具、もしくは端末においてコネクタを嵌合支持する箱状のコネクタ受け部を備えたコネクタ支持具が利用される。そして、クランプ保持具は、上記端末に使用されるワイヤハーネス保持具を中心として水平方向に回動させることで、クランプ受け部をワイヤハーネスへの取付位置と退避位置との間で移動可能としている。
【0008】
上記構成によれば、分岐部におけるワイヤハーネスの端末にクランプ取付治具を用いることで、ワイヤハーネス保持具による端末の保持と、クランプ保持具によるクランプの保持とをひとつの取付治具で兼用することができる。ワイヤハーネス外周へのクランプの取付に際しては、回動アームをワイヤハーネス側へ回動操作するのみで、所定の取付位置へクランプを位置決めすることができる。一方、クランプの取付後には、上記と反対方向へ回動アームを回動操作することで、クランプ受け部を他の作業またはワイヤハーネスの取り外しに支障のない退避位置へ簡単に退避させることができる。その際、クランプ受け部の退避軌道は、直接隣接する分岐線の方向へ向かうのではなく、端末方向への回動軌道に沿って退避するため、密集した分岐部においても倒伏式のクランプ治具に比し、隣接する分岐線との干渉を回避することができる。
【0009】
請求項2では、上記クランプ受け部は、下面側をクランプの保持面としてクランプをワイヤハーネスの外周上面に位置決めする構成とする一方、上記回動アームを上記支軸に対し上下方向に移動可能とし、回動アームの下降位置をワイヤハーネス外周へのクランプの取付高さ位置に対応させると共に、回動アームの上昇位置をワイヤハーネスに取り付けられたクランプの離脱位置に対応させている。
【0010】
上記構成とすると、特にワイヤハーネスの外周上面をクランプの取付位置とした場合、ワイヤハーネスへのクランプの固定後、クランプ受け部を退避するに際し、回動アームを上方へ引き上げるようにすることで、クランプ受け部を上昇連動させてクランプを容易に離脱することができる。そして、引き続き回動アームを回動操作するのみで、クランプ受け部を退避位置へ移動させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6はクランプ取付治具の第1実施形態を示し、該クランプ取付治具10は、ワイヤハーネスW/Hの組立作業台11上の所定位置に立設されるワイヤハーネス保持具12と、該ワイヤハーネス保持具12に一体的に取り付けられるクランプ保持具13とからなっている。
【0012】
上記ワイヤハーネス保持具12は、本実施形態では布線経路の各部および端末部に使用され、電線を保持するためのU字状の受け部12aと、該受け部12aを上部に固定すると共に、組立作業台11上に立設される支軸12bとからなっている。
【0013】
上記クランプ保持具13は、支軸12bの下方位置に水平方向に回動可能に取り付けられるリング部14aを一端に備え、他端方を所定寸法水平方向に延出すると共に、端部を上方に立ち上げたL字状の回動アーム14と、該回動アーム14の立ち上げ端部に取り付けられるクランプ受け部15とを備えている。該クランプ受け部15は、クランプ4の上面に突設された係止部4aを着脱可能に嵌合する係合部15aを下面に備え、クランプ4を取付姿勢で保持可能としている。上記支軸12bにはリング部14aの回動位置を定めるために、該リング部14aを上下方向から挟持する一対のストッパー12c、12dを固定している。なお、リング部14aの取付に際しては、図2に示すように、上記ストッパー12c、12dの間にリング部14aを無理入れ状態で嵌合するか、若しくはリング部14aを支軸12bの下端から挿通した後に、下側のストッパー12dを固定して位置決めするようにしている。
【0014】
上記クランプ受け部15は、保持するクランプ4がワイヤハーネス保持具12の受け部12aに保持されたワイヤハーネスW/Hの外周上面に対応する高さ位置となるように回動アーム14の高さ寸法を設定している。一方、クランプ4の所定の取付位置に対応して、受け部12aからクランプ受け部15までの寸法を合致すべく回動アーム14の水平方向の延出寸法を設定している。
【0015】
上記構成からなるクランプ取付治具10を用いてワイヤハーネスW/Hの所定位置にクランプ4を取り付けるには、先ず図3に示すように、クランプ受け部15を布線経路から退避させた位置でクランプ4を係合部15aに嵌合保持する。次いで、ワイヤハーネスW/Hの端末にテープ巻き等の所定の加工を施した後、図4に示すように、回動アーム14を回動操作して、クランプ受け部15に保持したクランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周上面の所定位置に位置決めする。この状態でクランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周にテープ止めして固定した後、図5に示すように、クランプ4をクランプ受け部15から外すと同時に、回動アーム14を逆方向に回動操作することで、クランプ受け部15を初期の退避位置へ移動させる。次いで、必要に応じてワイヤハーネスW/Hの端末部へ追加加工を施し、その後、ワイヤハーネスW/Hを上方へ引き上げることにより組み立てられたワイヤハーネスW/Hの取り外しを行う。その際、クランプ受け部15は、退避位置にあるため、取り外しに支障をきたすことがない。
【0016】
上記のようにクランプ受け部15は、回動アーム14の回動操作により、取付位置と退避位置との間で水平方向に移動させるようにしているため、図6に示すように、分岐部2において、分岐線2a、2b、2cが密集する部位での使用に際し、隣接する分岐線2aに干渉するのを防止できる。即ち、端末のワイヤハーネス保持具12を回動基点とするクランプ受け部15の退避軌道は、各分岐線2a、2b、2cの端末へ至るに従い広がり状となる形態に対応しており、クランプ受け部15の分岐線2aとの干渉防止に有利となる。
【0017】
なお、上記第1実施形態では、クランプ4をワイヤハーネスW/Hの外周上面に取り付ける態様を示したが、側面または下面に取り付ける場合は、回動アーム14に対するクランプ受け部15の係合部15aの位置を側面または上面に設定すればよい。
【0018】
図7はクランプ取付治具の第2実施形態を示し、クランプ4をワイヤハーネスW/Hの上面側に取り付ける場合において、クランプ4固定後のクランプ受け部15からの取り外しを容易に行い得るようにしたものである。第2実施形態では、回動アーム24を支軸22bに対し、上下方向に移動可能としたものであり、上側のストッパー22dを所定寸法上方へずらすことで回動アーム24の上方への移動スペースを確保している。そして、下側のストッパー22cで位置規制される回動アーム24の下降位置を、ワイヤハーネスW/H外周へのクランプ4の取付高さ位置に対応させると共に、上側のストッパー22dで位置規制される回動アーム24の上昇位置をクランプ4の離脱可能な位置としている。なお、その他の構成は第1実施形態と同様のため説明を省略する。
【0019】
上記構成によれば、ワイヤハーネスW/Hの外周上面にクランプ4を位置決めして固定した後、クランプ受け部15を退避させる際に、回動アーム24を上方に持ち上げることで、係合部15aに係合したクランプ4のクリップ部4aを容易に離脱することができる。その後は、回動アーム24を回動操作するのみで、クランプ受け部15を容易に退避位置へ移動させることができる。
【0020】
上記各実施形態においては、ワイヤハーネス保持具12として電線を保持するU字状の電線保持具を図示したが、図8に示すように、電線端末のコネクタCを嵌合保持するために、コネクタCの外形形状に合致する凹部を有するコネクタ保持具をワイヤハーネス保持具32としてもよい。
【0021】
また、クランプ取付治具10は、図9に示すように、ワイヤハーネス保持具12を分岐部2での電線保持用として使用し、該分岐部2をクランプ受け部15の回動支点とすることもできる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明より明きらかなように、本発明に係わるクランプ取付治具では、分岐線が密集する分岐部においても、クランプ取付後に回動アームを回動操作するのみで、クランプ受け部を分岐線に干渉することなく退避させることができ、作業性を向上することができる。また、クランプ受け部は回動アームを介して、ワイヤハーネス保持具の支軸に一体化されているため、ワイヤハーネスの組立作業台への立設作業を軽減することができると共に、支軸を基点とするクランプ取付位置の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のクランプ取付治具の斜視図である。
【図2】支軸への回動アームの取付状態を示す図である。
【図3】クランプ取付前の状態を示す斜視図である。
【図4】クランプの位置決め状態を示す斜視図である。
【図5】クランプ取付後のクランプ保持具の退避状態を示す斜視図である。
【図6】分岐部へのクランプの取付状態を示す平面図である。
【図7】第2実施形態における支軸への回動アームの取付状態を示す図である。
【図8】ワイヤハーネス保持具をコネクタ保持具とした状態を示す斜視図である。
【図9】他の使用状態を示す斜視図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
W/H ワイヤハーネス
2 分岐部
2a 分岐線
4 クランプ
10、20 クランプ取付治具
11 組立作業台
12、22、32 ワイヤハーネス保持具
12a 受け部
12b 支軸
13 クランプ保持具
14、24 回動アーム
15 クランプ受け部
Claims (2)
- 組立作業台上で所定経路に沿って布線されるワイヤハーネスの外周所定位置にクランプを取り付けるためのクランプ取付治具であって、
上記クランプ取付治具は、組立作業台上に立設される支軸の上部に、ワイヤハーネスを保持するための受け部を備えたワイヤハーネス保持具と、該ワイヤハーネス保持具に一体的に取り付けられたクランプ保持具とからなり、
上記クランプ保持具は、上記支軸に対し一端を水平方向に回動可能に取り付けると共に、他端を所定寸法水平方向に延出して上方に立ち上げた回動アームと、該回動アームの立ち上げ端部に取り付けられ、上記クランプを着脱可能に保持するクランプ受け部とを備え、
上記支持具を支点とする回動アームの回動によりクランプ受け部をクランプの取付位置と退避位置との間で移動可能としていることを特徴とするクランプ取付治具。 - 上記クランプ受け部は、下面側をクランプの保持面としてクランプをワイヤハーネスの外周上面に位置決めする構成とする一方、上記回動アームを上記支軸に対し上下方向に移動可能とし、回動アームの下降位置をワイヤハーネス外周へのクランプの取付高さ位置に対応させると共に、回動アームの上昇位置をワイヤハーネスに取り付けられたクランプの離脱位置に対応させている請求項1に記載のクランプ取付治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31913598A JP3580151B2 (ja) | 1998-11-10 | 1998-11-10 | クランプ取付治具 |
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