JP3580005B2 - 補機トルク算出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補機トルク算出装置に関するもので、特に、自動車エンジンの補機である空調装置の冷媒圧縮機、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ等の負荷トルクの総量を算出する補機トルク算出装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、その補機、例えば、空調装置の冷媒圧縮機、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ、ラジエータ用冷却ファン等を、機関のクランク軸に取り付けられたクランク軸プーリによって一連のベルトを介して同時に駆動している。
【0003】
そして、これらの補機の負荷トルク(補機トルク)を正確に測定することができれば、アイドル回転数をより高い精度をもって制御することができるので、 アイドル回転数を更に低く抑えて燃費の低減を図ることが可能になるし、オートマティック・トランスミッションの制御をよりきめ細かなものとして、シフト・チェンジをより円滑なものとすることができる。
【0004】
これに対して、補機トルクを測定する一般的な方法として、実開昭63−167230号公報には、回転駆動軸が、補機トルクの総量に応じて弾性的なねじれ変形を起こすのを利用して、この回転駆動軸の一部に歪みゲージを貼りつけて歪みゲージの電気抵抗値を計測し、その変化から回転駆動軸の微小なねじれ量を検出することにより、補機トルクの総量を測定する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術による測定方法では、歪みゲージの貼り方によって出力特性が大きく変化してしまうので、一定のトルク量に対する測定値にばらつきが生じやすく、計測精度が低いものである。また、歪みゲージが、回転駆動軸のような回転体に接着されているので、この歪みゲージからの出力信号(電気信号)を取り出すには、スリップリングのような摺動機構を用いる必要がある。これによれば、スリップリング等の寸法誤差や、摺動部分の磨耗による寸法変化等により、出力特性が大きく変化してしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたもので、高い測定精度を有する補機トルク算出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、上記回転駆動軸の弾性的なねじれ変形以外の、補機トルクと相関関係のある要素について検討した結果、駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側のベルト(71)の移動速度(V1 )と、駆動軸プーリ(6)の回転方向後側のベルト(72)の移動速度(V2 )との移動速度比(V1 /V2 )が、補機トルクと相関関係がある、ということを見いだした。
【0008】
そこで、請求項1ないし5に記載の発明では、第1移動速度検出手段(8、101)により駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側のベルト(71)の移動速度(V1 )を検出し、第2移動速度検出手段(10、102)により駆動軸プーリ(6)の回転方向後側のベルト(72)の移動速度(V2 )を検出している。そして、第1、第2移動速度検出手段(8、101)、(10、102)によって検出されたベルト(71、72)の移動速度(V1 、V2 )に基づいて、補機トルクを算出する演算手段(200)を備えていることを特徴としている。
【0009】
これによれば、第1、第2移動速度検出手段(8、101)、(10、102)により、非接触でベルト(71、72)の移動速度(V1 、V2 )を検出して、補機トルクを算出することができる。従って、歪みゲージを用いる従来技術のように取り付け方によって出力信号が変化するようなことはなく、しかも、回転軸のような回転体から出力信号を取り出すものではないから、スリップリングのような摺動機構を使用する必要がなく、測定精度の高い補機トルク算出装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1に示すように、自動車等に搭載される内燃機関1においては各種の補機を駆動するための補機プーリ、例えば、空調装置の冷媒圧縮機用の第1補機プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用の第2補機プーリ3、発電機用の第3補機プーリ4、ラジエータの冷却ファン用の第4補機プーリ5というような補機用の多くのプーリが、内燃機関1のクランク軸プーリ(駆動軸プーリ)6によって一連のベルト7を介して同時に駆動されようになっている。なお、クランク軸プーリ6は図1中矢印Rで示す方向に回転している。
【0011】
また、補機の駆動に関係しない第1アイドラプーリ8が、クランク軸プーリ6の回転方向手前側(図1中、クランク軸プーリ6の右側)のベルト71に設けられている。さらに、ベルト7の張力が一定値になるように自動的に調整するオートテンショナ9が、一個の第2アイドラプーリ10を伴って、駆動軸プーリの回転方向後側(図1中、クランク軸プーリ6の左側)のベルト72に設けられている。
【0012】
そして、101、102は、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を電気的に検出する第1、第2回転速度検出手段であり、200は、第1、第2回転速度検出手段101、102からの検出信号に基づいて補機トルクを算出する算出手段を備えた電気制御装置である。300は電子制御式燃料噴射装置であり、算出された補機トルクの値に応じて、この電子制御式燃料噴射装置300の燃料噴射量が電気制御装置200にて制御される。
【0013】
以下に、第2アイドラプーリ10の具体的構造について、図2(a)および(b)に基づいて説明する。なお、第1アイドラプーリ8は、第2アイドラプーリ10とほぼ同じ構造であるため、具体的説明は省略する。
図2(a)および(b)に示すように、第2アイドラプーリ10の円環状内面11には、磁性体からなる多数の歯12が等間隔に設けられている。そして、オートテンショナ9のアーム13の基部14は、内燃機関1の本体側面に設けられた図示しない軸に、狭い角度範囲(例えば2°程度)内で回動可能に支持されている。また、アーム13は、図示しない付勢手段によって、ベルト7を緊張させる方向に付勢されている。また、アーム13の自由端に一体的に取り付けられた軸15には軸受16が設けられており、これによって第2アイドラプーリ10が軸15に回転自在に支持されている。
【0014】
そして、アーム13から略垂直に突出する突起17には、第2回転速度検出手段102としての電磁ピックアップ18が取り付けられている。なお、この電磁ピックアップ18の先端は、磁性体からなる多数の歯12に対して所定の間隙を保って対向し得る位置に突出している。
この電磁ピックアップ18は、永久磁石にコイルを巻いたものであって、コイルの両端を可撓性のあるリード線19、20によって直接に外部の固定端子へ接続している。ここで、アーム13の移動(回動)範囲は狭い角度内に限られているため、このアーム13に固定されている電磁ピックアップ18のコイルからの出力信号を取り出す際に、従来技術におけるスリップリングのような摺動機構を用いる必要はない。
【0015】
なお、第1アイドラプーリ8は、内燃機関1の本体側面に一体に固定された図示しない軸に回動可能に支持されており、上記第2アイドラプーリ10の突起17に相当する突起は、内燃機関1の本体に形成されているので、第1アイドラプーリ8の電磁ピックアップも、上記摺動機構を用いる必要はない。
以下に、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 の検出方法、および補機トルクの算出方法を図に基づいて説明する。図3は、電気制御装置200による補機トルク算出の手順を示すフローチャートである。なお、第1アイドラプーリ8の回転速度W1 の検出方法は、上記回転速度W2 と同じであるため、説明は省略する。
【0016】
まず、ベルト7の回転に伴って第2アイドラプーリ10が回転すると、図2(b)において電磁ピックアップ18の検出端を多数の歯12が通過するが、この通過の前後において、電磁ピックアップ18のコイルには電圧波形として略等間隔のピークを有するパルス電流が発生し、このパルス電流が、回転速度W2 に対応する出力信号としてリード線19、20等を介して直接に外部の固定端子へ取り出され、演算手段を備えた電気制御装置200(図1参照)に入力される。
【0017】
また、電気制御装置200においては、上記パルス電流の単位時間当たりのピーク数をカウントすることによって、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を測定する。なお、本実施形態では、第2アイドラプーリ10、電磁ピックアップ18、および多数の歯12により、第2回転速度検出手段102(図1参照)を構成している。また、第2アイドラプーリ10および第2回転速度検出手段102により請求項でいう第2移動速度検出手段を構成している。
【0018】
そして、発明者らにより、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 の回転速度比W1 /W2 と、補機トルクTrqとが、下記の数式7に示す関係式で表される、ということが後述する過程を経て見いだされている。
そこで、この第2回転速度検出手段102にて第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を常時検出し(図3中S2)、同様にして、第1回転速度検出手段101にて第1アイドラプーリ8の回転速度W1 を常時検出する(図3中S1)。そして、この検出信号を電気制御装置200に入力し、電気制御装置200に備えられた図示しない演算手段にて、上記回転速度W1 、W2 の回転速度比W1 /W2 を算出し(図3中S3)、さらに、この回転速度比W1 /W2 を下記の数式7に代入して、補機トルクTrqを算出している(図3中S4)。
【0019】
こうして算出された補機トルクTrqの値の変動に応じて、内燃機関1の電子制御式燃料噴射装置300の燃料噴射量を制御している。具体的に、補機トルクTrqが増加したときは、上記燃料噴射量を多くして、アイドル回転数を大きくすることでエンストを防止している。また、補機トルクTrqが減少したときは、上記燃料噴射量を少なくして、アイドル回転数を小さくすることで燃費向上を図っている。
【0020】
このような方法によれば、非接触で第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を検出できるので、従来のような歪みゲージを用いる必要はなく、補機トルクをきわめて高い精度で算出できる。
以下に、補機トルクTrqと回転速度比W1 /W2 との関係式(下記の数式7)を導出する過程について説明する。
【0021】
まず、補機トルクが発生すると、クランク軸プーリ6の回転方向手前側のベルト71は張り、クランク軸プーリ6の回転方向後側のベルト72は緩む。ここで、クランク軸プーリ6の半径をR、張り側のベルト71の張力をT1 、緩み側のベルト7の張力をT2 とすると、クランク軸21に作用する補機トルクTrqは、下記の数式1で表される。
【0022】
【数1】
Trq=R×(T1 −T2 )
また、ベルト7の弾性定数をK、単位長さ辺りのベルト歪み量をε1 (張り側)、ε2 (緩み側)とすると、張力T1 、T2 は下記の数式2で表される。
【0023】
【数2】
T1 =K×ε1 、T2 =K×ε2
そして、ベルト7に張力がはたらかない状態(自然長)のベルト7の線密度をρとすると、張力がT1 、T2 のときのベルト7の線密度ρ1 、ρ2 は、下記の数式3で表される。
【0024】
【数3】
ρ1 =ρ/(1+ε1 )、ρ2 =ρ/(1+ε2 )
そして、張り側、緩み側のベルト71、72の移動速度をV1 、V2 とし、質量保存の法則、およびε1 ≪1という近似を適用すると、下記の数式4が導き出される。
【0025】
【数4】
V1 /V2 −1=(ε1 −ε2 )
そして、上記数式1、2、4を用いると、補機トルクTrqは、下記の数式5で表される。
【0026】
【数5】
Trq=R×K×(V1 /V2 −1)
ここで、第1、第2アイドラプーリ8、10は、補機の駆動に関係しないため、ベルト71、72と、第1、第2アイドラプーリ8、10との間のスリップは無視することができ、R1 、R2 を第1、第2アイドラプーリ8、10の半径とすると、張り側、緩み側のベルト71、72の移動速度V1 、V2 は、下記の数式6で表される。
【0027】
【数6】
V1 =R1 ×W1
V2 =R2 ×W2
そして、上記数式5および数式6より、補機トルクTrqは、下記の数式7で表される。
【0028】
【数7】
Trq=R×K×((R1 /R2 )×(W1 /W2 )−1)
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では第1、第2回転速度検出手段101、102として電磁ピックアップ18を使用したが、第2の実施形態としては、第1、第2回転速度検出手段101、102に光を使ったものを説明する。図4(a)および(b)において、22は発光ダイオードのような発光素子で、23はフォトダイオードのような受光素子であり、この発光素子22および受光素子23は、第2アイドラプーリ10の縁部において互いに対向するように配置されている。なお、発光素子22は、アーム13に一体の支持部24に支持固定され、受光素子23は、アーム13に固定されている。
【0029】
また、第2アイドラプーリ10の縁部には、ドーナツ状の回転スリット25が固定されている。この回転スリット25は、図4(b)に示すように、ドーナツ状の板26に、放射方向に細長形状の開口部27を、円周方向に関して等間隔に形成したものである。また、受光素子23において発光素子22側の面には、マスクとしての板状の固定スリット29が固定されており、固定スリット29には幾つかの開口部30が形成されている。
【0030】
そして、第2アイドラプーリ10がベルト7の回転に伴って回転すると、回転スリット25が共に回転する。ここで、回転スリット25の開口部27と、固定スリット29の開口部30とが、発光素子22の光軸方向に関して重なる時だけ、発光素子22の発する光が受光素子23に到達し、パルス電流が受光素子23から出力される。
【0031】
そして、パルス電流の単位時間当たりのピーク数を電気制御装置200(図1参照)によりカウントして、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を測定している。つまり、発光素子22、受光素子23、回転スリット25、および、固定スリット29により、第2回転速度検出手段102(図1参照)をなしている。これによれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
(他の実施形態)
そして、上記実施形態では、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を検出して、この回転速度比W1 /W2 から補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、直接、張り側、緩み側のベルト7の移動速度V1 、V2 を非接触で検出し、この移動速度比V1 /V2 を上記数式5に代入して補機トルクを算出するものであってもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、回転速度比W1 /W2 を上記式7に代入して補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、補機トルクと回転速度比W1 /W2 との較正曲線を予め求めておいて、検出した回転速度比W1 /W2 に対応する補機トルクをこの較正曲線から読み取ってもよい。
また、上記実施形態では、車両の補機駆動装置の補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、種々な用途の補機トルクを算出するものであってもよい。
【0034】
また、上記実施形態の補機トルク算出装置により算出される補機トルクを、電子制御式自動変速機の制御に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】(a)は第1の実施形態の要部を示す断面図で、(b)は(a)における第2アイドラプーリの下面図である。
【図3】第1の実施形態における補機トルク算出の手順を示すフローチャートである。
【図4】(a)は第2の実施形態の要部を示す断面図で、(b)は(a)における回転速度検出手段の要部の概念的斜視図である。
【符号の説明】
2、3、4、5…補機プーリ、
6…クランク軸プーリ(駆動軸プーリ)、7、71、72…ベルト、
8…第1アイドラプーリ、10…第2アイドラプーリ、
101、102…第1、第2回転速度検出手段、
200…電気制御装置(演算手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、補機トルク算出装置に関するもので、特に、自動車エンジンの補機である空調装置の冷媒圧縮機、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ等の負荷トルクの総量を算出する補機トルク算出装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に搭載される内燃機関においては、その補機、例えば、空調装置の冷媒圧縮機、パワーステアリングの油圧ポンプ、オルタネータ、ラジエータ用冷却ファン等を、機関のクランク軸に取り付けられたクランク軸プーリによって一連のベルトを介して同時に駆動している。
【0003】
そして、これらの補機の負荷トルク(補機トルク)を正確に測定することができれば、アイドル回転数をより高い精度をもって制御することができるので、 アイドル回転数を更に低く抑えて燃費の低減を図ることが可能になるし、オートマティック・トランスミッションの制御をよりきめ細かなものとして、シフト・チェンジをより円滑なものとすることができる。
【0004】
これに対して、補機トルクを測定する一般的な方法として、実開昭63−167230号公報には、回転駆動軸が、補機トルクの総量に応じて弾性的なねじれ変形を起こすのを利用して、この回転駆動軸の一部に歪みゲージを貼りつけて歪みゲージの電気抵抗値を計測し、その変化から回転駆動軸の微小なねじれ量を検出することにより、補機トルクの総量を測定する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術による測定方法では、歪みゲージの貼り方によって出力特性が大きく変化してしまうので、一定のトルク量に対する測定値にばらつきが生じやすく、計測精度が低いものである。また、歪みゲージが、回転駆動軸のような回転体に接着されているので、この歪みゲージからの出力信号(電気信号)を取り出すには、スリップリングのような摺動機構を用いる必要がある。これによれば、スリップリング等の寸法誤差や、摺動部分の磨耗による寸法変化等により、出力特性が大きく変化してしまう。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたもので、高い測定精度を有する補機トルク算出装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、上記回転駆動軸の弾性的なねじれ変形以外の、補機トルクと相関関係のある要素について検討した結果、駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側のベルト(71)の移動速度(V1 )と、駆動軸プーリ(6)の回転方向後側のベルト(72)の移動速度(V2 )との移動速度比(V1 /V2 )が、補機トルクと相関関係がある、ということを見いだした。
【0008】
そこで、請求項1ないし5に記載の発明では、第1移動速度検出手段(8、101)により駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側のベルト(71)の移動速度(V1 )を検出し、第2移動速度検出手段(10、102)により駆動軸プーリ(6)の回転方向後側のベルト(72)の移動速度(V2 )を検出している。そして、第1、第2移動速度検出手段(8、101)、(10、102)によって検出されたベルト(71、72)の移動速度(V1 、V2 )に基づいて、補機トルクを算出する演算手段(200)を備えていることを特徴としている。
【0009】
これによれば、第1、第2移動速度検出手段(8、101)、(10、102)により、非接触でベルト(71、72)の移動速度(V1 、V2 )を検出して、補機トルクを算出することができる。従って、歪みゲージを用いる従来技術のように取り付け方によって出力信号が変化するようなことはなく、しかも、回転軸のような回転体から出力信号を取り出すものではないから、スリップリングのような摺動機構を使用する必要がなく、測定精度の高い補機トルク算出装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1に示すように、自動車等に搭載される内燃機関1においては各種の補機を駆動するための補機プーリ、例えば、空調装置の冷媒圧縮機用の第1補機プーリ2、パワーステアリングの油圧ポンプ用の第2補機プーリ3、発電機用の第3補機プーリ4、ラジエータの冷却ファン用の第4補機プーリ5というような補機用の多くのプーリが、内燃機関1のクランク軸プーリ(駆動軸プーリ)6によって一連のベルト7を介して同時に駆動されようになっている。なお、クランク軸プーリ6は図1中矢印Rで示す方向に回転している。
【0011】
また、補機の駆動に関係しない第1アイドラプーリ8が、クランク軸プーリ6の回転方向手前側(図1中、クランク軸プーリ6の右側)のベルト71に設けられている。さらに、ベルト7の張力が一定値になるように自動的に調整するオートテンショナ9が、一個の第2アイドラプーリ10を伴って、駆動軸プーリの回転方向後側(図1中、クランク軸プーリ6の左側)のベルト72に設けられている。
【0012】
そして、101、102は、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を電気的に検出する第1、第2回転速度検出手段であり、200は、第1、第2回転速度検出手段101、102からの検出信号に基づいて補機トルクを算出する算出手段を備えた電気制御装置である。300は電子制御式燃料噴射装置であり、算出された補機トルクの値に応じて、この電子制御式燃料噴射装置300の燃料噴射量が電気制御装置200にて制御される。
【0013】
以下に、第2アイドラプーリ10の具体的構造について、図2(a)および(b)に基づいて説明する。なお、第1アイドラプーリ8は、第2アイドラプーリ10とほぼ同じ構造であるため、具体的説明は省略する。
図2(a)および(b)に示すように、第2アイドラプーリ10の円環状内面11には、磁性体からなる多数の歯12が等間隔に設けられている。そして、オートテンショナ9のアーム13の基部14は、内燃機関1の本体側面に設けられた図示しない軸に、狭い角度範囲(例えば2°程度)内で回動可能に支持されている。また、アーム13は、図示しない付勢手段によって、ベルト7を緊張させる方向に付勢されている。また、アーム13の自由端に一体的に取り付けられた軸15には軸受16が設けられており、これによって第2アイドラプーリ10が軸15に回転自在に支持されている。
【0014】
そして、アーム13から略垂直に突出する突起17には、第2回転速度検出手段102としての電磁ピックアップ18が取り付けられている。なお、この電磁ピックアップ18の先端は、磁性体からなる多数の歯12に対して所定の間隙を保って対向し得る位置に突出している。
この電磁ピックアップ18は、永久磁石にコイルを巻いたものであって、コイルの両端を可撓性のあるリード線19、20によって直接に外部の固定端子へ接続している。ここで、アーム13の移動(回動)範囲は狭い角度内に限られているため、このアーム13に固定されている電磁ピックアップ18のコイルからの出力信号を取り出す際に、従来技術におけるスリップリングのような摺動機構を用いる必要はない。
【0015】
なお、第1アイドラプーリ8は、内燃機関1の本体側面に一体に固定された図示しない軸に回動可能に支持されており、上記第2アイドラプーリ10の突起17に相当する突起は、内燃機関1の本体に形成されているので、第1アイドラプーリ8の電磁ピックアップも、上記摺動機構を用いる必要はない。
以下に、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 の検出方法、および補機トルクの算出方法を図に基づいて説明する。図3は、電気制御装置200による補機トルク算出の手順を示すフローチャートである。なお、第1アイドラプーリ8の回転速度W1 の検出方法は、上記回転速度W2 と同じであるため、説明は省略する。
【0016】
まず、ベルト7の回転に伴って第2アイドラプーリ10が回転すると、図2(b)において電磁ピックアップ18の検出端を多数の歯12が通過するが、この通過の前後において、電磁ピックアップ18のコイルには電圧波形として略等間隔のピークを有するパルス電流が発生し、このパルス電流が、回転速度W2 に対応する出力信号としてリード線19、20等を介して直接に外部の固定端子へ取り出され、演算手段を備えた電気制御装置200(図1参照)に入力される。
【0017】
また、電気制御装置200においては、上記パルス電流の単位時間当たりのピーク数をカウントすることによって、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を測定する。なお、本実施形態では、第2アイドラプーリ10、電磁ピックアップ18、および多数の歯12により、第2回転速度検出手段102(図1参照)を構成している。また、第2アイドラプーリ10および第2回転速度検出手段102により請求項でいう第2移動速度検出手段を構成している。
【0018】
そして、発明者らにより、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 の回転速度比W1 /W2 と、補機トルクTrqとが、下記の数式7に示す関係式で表される、ということが後述する過程を経て見いだされている。
そこで、この第2回転速度検出手段102にて第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を常時検出し(図3中S2)、同様にして、第1回転速度検出手段101にて第1アイドラプーリ8の回転速度W1 を常時検出する(図3中S1)。そして、この検出信号を電気制御装置200に入力し、電気制御装置200に備えられた図示しない演算手段にて、上記回転速度W1 、W2 の回転速度比W1 /W2 を算出し(図3中S3)、さらに、この回転速度比W1 /W2 を下記の数式7に代入して、補機トルクTrqを算出している(図3中S4)。
【0019】
こうして算出された補機トルクTrqの値の変動に応じて、内燃機関1の電子制御式燃料噴射装置300の燃料噴射量を制御している。具体的に、補機トルクTrqが増加したときは、上記燃料噴射量を多くして、アイドル回転数を大きくすることでエンストを防止している。また、補機トルクTrqが減少したときは、上記燃料噴射量を少なくして、アイドル回転数を小さくすることで燃費向上を図っている。
【0020】
このような方法によれば、非接触で第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を検出できるので、従来のような歪みゲージを用いる必要はなく、補機トルクをきわめて高い精度で算出できる。
以下に、補機トルクTrqと回転速度比W1 /W2 との関係式(下記の数式7)を導出する過程について説明する。
【0021】
まず、補機トルクが発生すると、クランク軸プーリ6の回転方向手前側のベルト71は張り、クランク軸プーリ6の回転方向後側のベルト72は緩む。ここで、クランク軸プーリ6の半径をR、張り側のベルト71の張力をT1 、緩み側のベルト7の張力をT2 とすると、クランク軸21に作用する補機トルクTrqは、下記の数式1で表される。
【0022】
【数1】
Trq=R×(T1 −T2 )
また、ベルト7の弾性定数をK、単位長さ辺りのベルト歪み量をε1 (張り側)、ε2 (緩み側)とすると、張力T1 、T2 は下記の数式2で表される。
【0023】
【数2】
T1 =K×ε1 、T2 =K×ε2
そして、ベルト7に張力がはたらかない状態(自然長)のベルト7の線密度をρとすると、張力がT1 、T2 のときのベルト7の線密度ρ1 、ρ2 は、下記の数式3で表される。
【0024】
【数3】
ρ1 =ρ/(1+ε1 )、ρ2 =ρ/(1+ε2 )
そして、張り側、緩み側のベルト71、72の移動速度をV1 、V2 とし、質量保存の法則、およびε1 ≪1という近似を適用すると、下記の数式4が導き出される。
【0025】
【数4】
V1 /V2 −1=(ε1 −ε2 )
そして、上記数式1、2、4を用いると、補機トルクTrqは、下記の数式5で表される。
【0026】
【数5】
Trq=R×K×(V1 /V2 −1)
ここで、第1、第2アイドラプーリ8、10は、補機の駆動に関係しないため、ベルト71、72と、第1、第2アイドラプーリ8、10との間のスリップは無視することができ、R1 、R2 を第1、第2アイドラプーリ8、10の半径とすると、張り側、緩み側のベルト71、72の移動速度V1 、V2 は、下記の数式6で表される。
【0027】
【数6】
V1 =R1 ×W1
V2 =R2 ×W2
そして、上記数式5および数式6より、補機トルクTrqは、下記の数式7で表される。
【0028】
【数7】
Trq=R×K×((R1 /R2 )×(W1 /W2 )−1)
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では第1、第2回転速度検出手段101、102として電磁ピックアップ18を使用したが、第2の実施形態としては、第1、第2回転速度検出手段101、102に光を使ったものを説明する。図4(a)および(b)において、22は発光ダイオードのような発光素子で、23はフォトダイオードのような受光素子であり、この発光素子22および受光素子23は、第2アイドラプーリ10の縁部において互いに対向するように配置されている。なお、発光素子22は、アーム13に一体の支持部24に支持固定され、受光素子23は、アーム13に固定されている。
【0029】
また、第2アイドラプーリ10の縁部には、ドーナツ状の回転スリット25が固定されている。この回転スリット25は、図4(b)に示すように、ドーナツ状の板26に、放射方向に細長形状の開口部27を、円周方向に関して等間隔に形成したものである。また、受光素子23において発光素子22側の面には、マスクとしての板状の固定スリット29が固定されており、固定スリット29には幾つかの開口部30が形成されている。
【0030】
そして、第2アイドラプーリ10がベルト7の回転に伴って回転すると、回転スリット25が共に回転する。ここで、回転スリット25の開口部27と、固定スリット29の開口部30とが、発光素子22の光軸方向に関して重なる時だけ、発光素子22の発する光が受光素子23に到達し、パルス電流が受光素子23から出力される。
【0031】
そして、パルス電流の単位時間当たりのピーク数を電気制御装置200(図1参照)によりカウントして、第2アイドラプーリ10の回転速度W2 を測定している。つまり、発光素子22、受光素子23、回転スリット25、および、固定スリット29により、第2回転速度検出手段102(図1参照)をなしている。これによれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0032】
(他の実施形態)
そして、上記実施形態では、第1、第2アイドラプーリ8、10の回転速度W1 、W2 を検出して、この回転速度比W1 /W2 から補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、直接、張り側、緩み側のベルト7の移動速度V1 、V2 を非接触で検出し、この移動速度比V1 /V2 を上記数式5に代入して補機トルクを算出するものであってもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、回転速度比W1 /W2 を上記式7に代入して補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、補機トルクと回転速度比W1 /W2 との較正曲線を予め求めておいて、検出した回転速度比W1 /W2 に対応する補機トルクをこの較正曲線から読み取ってもよい。
また、上記実施形態では、車両の補機駆動装置の補機トルクを算出しているが、本発明はこれに限定されることはなく、種々な用途の補機トルクを算出するものであってもよい。
【0034】
また、上記実施形態の補機トルク算出装置により算出される補機トルクを、電子制御式自動変速機の制御に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】(a)は第1の実施形態の要部を示す断面図で、(b)は(a)における第2アイドラプーリの下面図である。
【図3】第1の実施形態における補機トルク算出の手順を示すフローチャートである。
【図4】(a)は第2の実施形態の要部を示す断面図で、(b)は(a)における回転速度検出手段の要部の概念的斜視図である。
【符号の説明】
2、3、4、5…補機プーリ、
6…クランク軸プーリ(駆動軸プーリ)、7、71、72…ベルト、
8…第1アイドラプーリ、10…第2アイドラプーリ、
101、102…第1、第2回転速度検出手段、
200…電気制御装置(演算手段)。
Claims (5)
- 補機を駆動するために回転駆動源に取り付けられた駆動軸プーリ(6)と、
少なくとも一個の前記補機に取り付けられた補機プーリ(2、3、4、5)と、
前記駆動軸プーリ(6)および前記補機プーリ(2、3、4、5)に共通に巻き掛けられたベルト(7)とを備えた補機駆動装置に用いる補機トルク算出装置であって、
前記駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側のベルト(71)の移動速度(V1 )を検出する第1移動速度検出手段(8、101)と、
前記駆動軸プーリ(6)の回転方向後側のベルト(72)の移動速度(V2 )を検出する第2移動速度検出手段(10、102)と、
前記第1、第2移動速度検出手段(8、101)、(10、102)によって検出されたベルト(71、72)の移動速度(V1 、V2 )に基づいて、補機トルクを算出する演算手段(200)とを備えていることを特徴とする補機トルク算出装置。 - 前記第1移動速度検出手段(8、101)は、
前記駆動軸プーリ(6)の回転方向手前側の前記ベルト(71)を懸架し、前記補機の駆動に関係しない第1アイドラプーリ(8)と、
前記第1アイドラプーリ(8)の回転速度を検出する第1回転速度検出手段(101)とを備えており、
前記第2移動速度検出手段(10、102)は、
前記駆動軸プーリ(6)の回転方向後側の前記ベルト(72)を懸架し、前記補機の駆動に関係しない第2アイドラプーリ(10)と、
前記第2アイドラプーリ(10)の回転速度を検出する第2回転速度検出手段(102)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の補機トルク算出装置。 - 前記第1、第2回転速度検出手段(101)、(102)は、電磁ピックアップ(18)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の補機トルク算出装置。
- 前記第1、第2回転速度検出手段(101)、(102)は、発光素子(22)、受光素子(23)、および回転するスリット(25)を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の補機トルク算出装置。
- 前記駆動軸プーリ(6)の半径をR、前記ベルト(7)の弾性定数をKとし、以下の関係式を用いて、前記演算手段(200)により補機トルクを算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の補機トルク算出方法。
Trq=R×K×(V1 /V2 −1)
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