JP2016205932A - 補機トルクの測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補機駆動用ベルトの効率的な開発に寄与させるために、さほど手間をかけずに、直接的かつ正確に、各種補機の補機トルクを測定する。【解決手段】プーリ構造体103のトルクカーブを計測するトルクカーブ計測ステップ、トルクカーブが既知となったプーリ構造体103を測定対象となるオルタネータ105の駆動軸に接続する接続ステップ、補機駆動装置101においてVリブドベルト104を走行させて、プーリ構造体103を構成する第1回転体2及び第2回転体3の回転速度を電磁ピックアップ111・112によって検出する回転速度検出ステップ、第1回転体2及び第2回転体3の回転速度の差分からねじり角度を算出し、算出したねじり角度及びトルクカーブに基づいて、オルタネータ105の補機トルクを時系列に沿って算出する補機トルク演算ステップを経て補機トルクを測定する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジンのオルタネータ、エアコン・コンプレッサ、ウォーターポンプ等各種補機の負荷トルク(以下、補機トルク)を測定する方法に関する。
自動車エンジンのオルタネータ、エアコン・コンプレッサ、ウォーターポンプ等の各種補機に動力を伝達する補機駆動用ベルト(Vリブドベルト等)を効率的に設計するに当たっては、まず、対象のベルトレイアウトや各種補機の補機トルクに対応して、補機駆動用ベルトの伝達性能が確保されているかどうかを、実機エンジンによる本格評価より前の段階で見立てる必要がある。
このとき、補機駆動用ベルトの伝達性能の限界を把握しておくことは、補機駆動用ベルトの設計値(有効張力、ベルト幅、ベルト巻付け角度、スパン長、等)が最適なるものに見立てるうえで極めて重要とされる。そして、補機駆動用ベルトの伝達性能の限界を把握するためには、各種補機の補機トルクを正確に測定することが肝要となる。なぜならば、エンジンの始動時等に、各種補機の補機トルクの大きさに依存して、補機駆動用ベルトは補機プーリ上で例えばスリップ現象、或は発音現象を惹起するからである。
このため、各種補機の補機トルクを正確に測定することができれば、実機エンジンによる本格評価より前の事前評価段階で、実走行モードに即した補機駆動用ベルトの挙動解析データとして、例えば、スリップ現象や発音現象と関連深い補機トルクの時系列波形を得ることができる。そして、得られた補機駆動用ベルトの挙動解析データから、伝達性能が確保された補機駆動用ベルトの仕様を早期に見極めることが可能となる。
この点、各種補機の補機トルクを測定することを目的に、特許文献1には、実機エンジンとは異なるベルト駆動装置を別途用意し、この装置を用いて予め個別に補機トルクを測定する方法、具体的には、一対の荷重測定プーリによって補機プーリ両側のベルトスパン部のベルト荷重を夫々測定し、このベルト荷重から補機プーリの緊張側ベルト張力と弛み側ベルト張力を演算することにより補機トルクを算出する方法が開示されている。
特開2003−98041号公報
もっとも、上記方法のベルト荷重の測定は、一対の荷重測定プーリによってなされるものであり、実機エンジンとは異なる特別な装置構成(プーリレイアウト)の準備を余儀なくされる。
また、上記方法のベルト荷重の測定は、プーリを回転自在に支承するブラケット(断面矩形のプレート状軸受固定部材)に貼付された歪みゲージにより、その曲げ歪みを測定することによってなされるものである。しかし、歪みゲージはその貼り方や使用環境温度によって負荷に対する感度(出力信号)にばらつきを生じさせ易く、また、ブラケットによっては歪み難く、精度の高い測定ができない場合がある。
とりわけ、オルタネータ(補機)は、とりわけ慣性負荷が大きく、ベルトの発音問題に影響することが多い。このため、オルタネータの補機トルクを正確に測定することは、実機エンジンによる本格評価より前の事前評価段階で、実走行モードに即した補機駆動用ベルト挙動解析データとして、例えば、発音時の補機トルクの値を得ることにつながる。そして、発音時の補機トルクの値を得ることができれば、発音問題等を引き起こさない補機駆動用ベルトの仕様を早期に見極めることができる。
そこで、本発明の目的は、補機駆動用ベルトの効率的な開発に寄与させるために、上記課題を解決して、さほど手間をかけずに、直接的かつ正確に、各種補機の補機トルクを測定できる方法を提供することである。
本発明は、補機トルクを時系列に沿って検出する測定方法であって、
前記測定方法は、
2つの回転体の間でねじりコイルばねを介してトルクが伝達されるプーリ構造体における、前記ねじりコイルばねのねじり角度とトルクとの関係性を示すトルクカーブを計測するトルクカーブ計測ステップと、
前記トルクカーブを計測した前記プーリ構造体を、補機に接続する接続ステップと、
駆動プーリと前記プーリ構造体との間に巻き掛けた補機駆動用ベルトを走行させて、前記2つの回転体の回転速度を時系列に沿ってそれぞれ検出する回転速度検出ステップと、
前記2つの回転体の回転速度の差分からねじり角度を算出し、算出した当該ねじり角度及び前記トルクカーブに基づいて、前記補機トルクを時系列に沿って算出する補機トルク演算ステップと、
を含むことを特徴としている。
上記方法によれば、補機トルクの測定に際して、特別なプーリレイアウトを要せず、測定対象の補機にプーリ構造体を接続し、2つの回転体の回転速度を測定する一対の速度センサを使用するだけで済み、手間を省くことができる。
また、2つの回転体が相対回転すると、2つの回転体の間でねじりコイルばねを介してトルクが伝達されるプーリ構造体に関して、2つの回転体が相対回転し、ねじりコイルばねが2つの回転体の間で周方向にねじれる際のねじり角度と、その際に発生するトルク(ねじりトルク)との関係性(関数式)を、トルクカーブとして計測している(このトルクカーブは、プーリ構造体の構成ごとに定まるものである)。
そして、予めプーリ構造体のトルクカーブを計測することにより、既知なるトルクカーブに基づいて、(プーリに加わる荷重測定を経なくても)さほど手間をかけずに、直接的かつ正確に補機トルクの時系列波形を得ることができる。
また、荷重測定を要せず、取扱い面倒で出力特性が変化しやすい歪みゲージ等の取付が不要であるので、測定の信頼性を高め、手間も省くことができる。
従って、特別なプーリレイアウトを要せず、また、さほど手間をかけずに、かつ正確に、補機トルクを測定することができる。
また、本発明は、上記プーリ構造体が、前記ねじりコイルばねの一端側の外周面が拡径方向の自己弾性復元力によって一方の回転体に押し付けられており、
前記2つの回転体が相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記ねじりコイルばねの他端側領域のうち少なくとも周方向一部分の内周面が他方の回転体から離れることを特徴とする補機トルクの測定方法である。
上記補機トルクの測定方法に関して、上記プーリ構造体を使用することにより、2つの回転体が相対回転した際に、ねじりコイルばねの他端側領域のうち少なくとも周方向一部分の内周面が他方の回転体から離れることにより、ねじりコイルばねの有効巻数を増加させてばね定数を低下させることができるので、ねじりコイルばねの耐疲労性を向上させることができる。
これにより、プーリ構造体の耐久性を向上させ、同じプーリ構造体を繰り返し使用したとしても測定の信頼性を確保することができる。
また、本発明は、上記プーリ構造体が、前記ねじりコイルばねの前記他端側の端面と周方向に対向する当接面を前記他方の回転体に有しており、
前記2つの回転体が相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記ねじりコイルばねの前記他端側の端面が前記当接面に当たる前に前記ねじりコイルばねの前記他端側領域の拡径変形を規制する、規制手段をさらに有する、ことを特徴とする補機トルクの測定方法である。
上記プーリ構造体を使用することにより、ねじりコイルばねの拡径方向のねじり角度が大きくなるにつれて、他方の回転体に当接するコイルばねの外周面の領域を段階的に変化させることにより、ねじりコイルばねの有効巻数を段階的に増加させて、ばね定数をより低下させることができる。これにより、ねじりコイルばねの耐疲労性をさらに向上させることができ、繰り返し使用しても測定の信頼性を十分に確保することができる。
また、本発明は、上記プーリ構造体の本体部分の構成が補機用プーリ構造体と共通することを特徴とする補機トルクの測定方法である。
上記のように、補機用プーリ構造体を補機トルク測定用に転用することにより、プーリ構造体を新規に作製する必要がなく、コスト・手間を省くことができる。また、補機トルクの測定用のプーリ構造体と、補機用プーリ構造体とが共通であるため、補機トルクの測定結果の信頼性も高めることができる。
補機駆動用ベルトの効率的な開発に寄与させるために、さほど手間をかけずに、直接的かつ正確に、各種補機の補機トルクを測定することができる。
エンジン補機駆動用ベルト装置、回転速度検出手段、及び、補機トルク演算手段の説明図である。 本実施例のプーリ構造体の断面図である。 図2のII−II線断面図である。 トルクカーブ計測装置の説明図である。 トルクカーブ(ねじり角度−ねじりトルク)を示すグラフである。 オルタネータの補機トルクの時系列波形を示すグラフである。 オルタネータ用の補機プーリとして使用するプーリ構造体の断面図である。
本実施形態では、図1に示す補機駆動装置101(エンジン補機駆動用ベルト装置)によって、自動車エンジンの出力が駆動プーリ102(クランクプーリ102)から補機駆動用ベルト104(Vリブドベルト)及びプーリ構造体103を介して伝達される補機(オルタネータ105)の負荷トルク(以下、補機トルク)を時系列に沿って検出する補機トルクの測定方法として説明する。補機トルクの測定対象となる補機としては、オルタネータ105の他に、エアコン・コンプレッサ、ウォーターポンプ等が挙げられる。なお、補機トルクとは、補機の負荷トルクのことであって、エンジンのトルクがクランクプーリ102から補機駆動用ベルト104およびプーリ構造体103を介して補機に伝達される際に、負荷装置である補機を動かすのに必要なトルクのことである。言い換えれば、補機からプーリ構造体103を介して補機駆動用ベルト104に加わる負荷の大きさに相当する。この補機トルクは補機の回転速度に対して一定とは限らず、変動する。
補機トルクの測定方法としては、主に以下ステップを経ることによって測定する。
ステップ1:補機トルクの測定対象となる補機の選定
ステップ2:プーリ構造体103のトルクカーブの計測(2つの回転体の間でねじりコイルばねを介してトルクが伝達されるプーリ構造体103における、ねじりコイルばねのねじり角度とトルクとの関係性を示すトルクカーブを計測するトルクカーブ計測ステップ)
ステップ3:トルクカーブが既知となったプーリ構造体103を、測定対象となる補機の駆動軸に接続(接続ステップ)
ステップ4:補機駆動装置101において補機駆動用ベルト104を走行させて、プーリ構造体103を構成する2つの回転体の回転速度を回転速度検出手段(速度センサ)によって検出(回転速度検出ステップ)
ステップ5:2つの回転体の回転速度の差分からねじり角度を算出し、算出した当該ねじり角度及びトルクカーブに基づいて、補機の補機トルクを時系列に沿って算出する(補機トルク演算ステップ)
(実施例)
上記補機トルクの測定方法を実施例に基づき詳細に説明する。
(ステップ1:補機の選定)
図1に示すように、エンジン補機駆動用ベルト装置101によって、自動車エンジンの出力が、1本のVリブドベルト104を介して、自動車エンジンのクランク軸に連結されたクランクプーリ102(Cr)から時計回りに、オルタネータ105(ALT)に接続されたプーリ構造体103、ウォーターポンプ(WP)に接続されたWPプーリ、エアコン・コンプレッサ(AC)に接続されたACプーリに対してそれぞれ伝達され、各補機(オルタネータ105、ウォーターポンプ、エアコン・コンプレッサ)は駆動される。また、クランクプーリ102とプーリ構造体103とのベルトスパン間に、オートテンショナ(A/T)が設けられている。ここで、本実施例で補機トルクの測定対象としたのはオルタネータ105である(補機の選定)。
なお、補機としては、上記実施例のレイアウトの補機の他、パワーステアリング用油圧ポンプ(P/S)を設けても良い。また、交流発電機である上記オルタネータ105は、ACジェネレータ(ACG)とも呼ばれている。
(ステップ2:トルクカーブ計測ステップ)
次に、プーリ構造体103のトルクカーブを計測する。本実施例では、エンジン補機駆動用ベルト装置101において配置され、オルタネータ105に接続されているプーリ構造体103のトルクカーブを測定する。ここで、トルクカーブとは、プーリ構造体103のねじりコイルばねが2つの回転体の間で周方向にねじれる際のねじり角度とねじりトルクとの関係性(XY関数式:図5参照)を示すものである。このプーリ構造体103のトルクカーブは、後述するトルクカーブ計測装置150によって計測する(図4参照)。
(プーリ構造体103:構成)
プーリ構造体103の構成について説明する。
本実施例のプーリ構造体103は、図1に示すように、エンジン補機駆動用ベルト装置101において、オルタネータ105の駆動軸に設置される。そして、自動車エンジンのクランク軸に連結されたクランクプーリ102の回転がVリブドベルト104を介してプーリ構造体103に伝達されることで、オルタネータ105が駆動される。自動車エンジンのクランク軸は、エンジン燃焼に起因して回転速度が変動し、それに伴いVリブドベルト104の走行速度も変動する。
図2および図3に示すように、本実施例のプーリ構造体103は、Vリブドベルト104が巻き掛けられる略筒状の第1回転体(プーリ)2と、第1回転体2の内側に回転軸を同一に配置される略筒状の第2回転体(ハブ)3と、第1回転体2と第2回転体3との間に形成されるばね収容空間8に収容されたねじりコイルばね4と、第1回転体2の外周に取り付けられた第1リングギヤ91と、第2回転体3の回転軸方向の一方側に取り付けられた第2リングギヤ92とを備えている。以下の説明において、図2中の紙面上の左方向を前方向、右方向を後方向と称する。
第2回転体3は、オルタネータ105の駆動軸Sに固定される筒本体31と、筒本体31の前端部の外側に配置された外筒部32と、筒本体31の前端と外筒部32の前端を連結する円環板部33とを有する。駆動軸Sは、筒本体31の内周面のネジ溝に螺合されて固定されている。
第1回転体2の前端部の内周面と、第2回転体3の外筒部32の外周面との間には、滑り軸受6が介設されている。第1回転体2の後端部の内周面と、第2回転体3の筒本体31の外周面との間には、転がり軸受7が介設されている。この2つの軸受6、7によって、第1回転体2と第2回転体3とは相対回転可能に連結されている。第1回転体2および第2回転体3は、図3の矢印方向(前方から見て時計回り)に回転する。
ばね収容空間8内において、第1回転体2の内径は、後方に向かって2段階で小さくなっている。最も小さい内径を有する部分の内周面を圧接面2aとし、2番目に小さい内径を有する部分の内周面を環状面2bとする。環状面2bの径は、第2回転体3の外筒部32の内径と同じか、それよりも大きい。圧接面2aの前方の角部は全周にわたってテーパー状に面取りされている。この面取り部2cの前後方向(回転軸方向)に対する傾斜角度αは、10〜20°が好ましく、15°がより好ましい。また、第2回転体3の筒本体31は、前端部において、ばね収容空間8内のその他の部分よりも外径が大きくなっている。この部分の外周面を接触面31aとする。
図3に示すように、第2回転体3の前端部には、ねじりコイルばね4の前端面4aと周方向に対向する当接面3aが形成されている。当接面3aは軸方向から見て円弧状に形成されている。また、外筒部32の内周面には、径方向内側に向かって突出する突起部32a(規制手段)が設けられている。突起部32aは、当接面3aから回転方向(図3中の矢印方向)と反対側に約90°離れた位置に形成されている。突起部32aは、ねじりコイルばね4の前側領域の外周面と対向する。
ねじりコイルばね4は、断面形状が矩形状の線材で形成されている。ねじりコイルばね4の線材には、例えば、ばね用オイルテンパー線(JISG3560に準拠)が用いられる。ねじりコイルばね4は、左巻き(軸方向先端に向かって反時計回り)である。ねじりコイルばね4は、外力を受けていない状態において、全長にわたって径が一定である。外力を受けていない状態でのねじりコイルばね4の外径は、第1回転体2の圧接面2aの内径よりも大きい。
ねじりコイルばね4の後側領域は、縮径された状態で第1回転体2の圧接面2aに当接している。つまり、ねじりコイルばね4の後側領域の外周面は、ねじりコイルばね4の自己弾性復元力によって第1回転体2の圧接面2aに押し付けられている。
プーリ構造体103が停止しており、ねじりコイルばね4の後側領域の外周面が自己弾性復元力によって圧接面2aに押し付けられた状態において、ねじりコイルばね4の前側領域は、若干拡径された状態で第2回転体3の接触面31aと当接している。つまり、ねじりコイルばね4の前側領域の内周面は、ねじりコイルばね4の自己弾性復元力によって第2回転体3の接触面31aに押し付けられている。
ねじりコイルばね4の前側領域の内周面が接触面31aに接触している状態において、ねじりコイルばね4の前側領域の外周面と第2回転体3の外筒部32の内周面との間には、隙間が形成されている。また、第1回転体2の環状面2bとねじりコイルばね4の外周面との間には、隙間が形成されている。本実施形態では、プーリ構造体103が停止している状態において、図3に示すように、ねじりコイルばね4の外周面と突起部32aとの間には隙間が形成されているが、ねじりコイルばね4の外周面と突起部32aが接していてもよい。
第1リングギヤ91は、磁性体からなる歯形部材であり、ボルト又は溶接により第1回転体2の外周に取り付けられている。この第1リングギヤ91の回転を、後述する電磁ピックアップによって検知し、第1回転体2の回転速度を検出する。
第2リングギヤ92も、第1リングギヤ91同様に、磁性体からなる歯形部材であり、ボルト又は溶接により第2回転体3の回転軸方向の一方側に取り付けられている。この第2リングギヤ92の回転を、後述する電磁ピックアップによって検知し、第2回転体3の回転速度を検出する。
なお、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92は、第1回転体2の回転速度及び第2回転体3の回転速度を検出するために設けられたもので、通常、オルタネータ105の補機プーリとして使用される場合には、図7に示すように、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92が取り外され、代わりに、エンドキャップ5によって第1回転体2の前方の空間14を塞がれている。このような構成にすることで、補機プーリとして使用するプーリ構造体と補機トルクを測定する場合のプーリ構造体とを共通化している。
(プーリ構造体103:動作)
次に、プーリ構造体103の動作について説明する。
先ず、第1回転体2の回転速度が第2回転体3の回転速度より速くなった場合、即ち、第1回転体2が加速する場合について説明する。この場合、第1回転体2は、第2回転体3に対して回転方向(図3の矢印方向)と同じ方向に相対回転する。
第1回転体2の相対回転に伴って、ねじりコイルばね4の後側領域は、第1回転体2の圧接面2aとともに第2回転体3に対して相対回転する。これにより、ねじりコイルばね4は、拡径方向にねじれる。ねじりコイルばね4の後側領域の圧接面2aに対する圧接力は、ねじりコイルばね4のねじり角度が大きくなるほど増大する。
ここで、ねじりコイルばね4の接触面31aと接触する領域(前側領域)のうち、前端面4aから回転軸回りに90°離れた位置付近を第2領域4b2とし、第2領域4b2よりも前端面4a側の部分を第1領域4b1とし、残りの部分を第3領域4b3とする。
ねじりコイルばね4の前端面4aから回転軸回りに90°離れた位置付近(第2領域4b2)は、最もねじり応力を受けやすいため、ねじり角度が大きくなると、ねじりコイルばね4の第2領域4b2は接触面31aから離れる。このとき、第1領域4b1と第3領域4b3は接触面31aに圧接している。第2領域4b2が接触面31aから離れるとほぼ同時、または、それよりもねじり角度が大きくなったときに、第2領域4b2の外周面は、突起部32aに当接する。
第2領域4b2の外周面が突起部32aに当接することにより、ねじりコイルばね4の前側領域の拡径変形が規制(抑制)されるため、ねじり応力が前側領域以外の巻部に分散される。特に、ねじりコイルばね4の後側の巻部にかかるねじり応力が増加する。これにより、ねじりコイルばね4の各巻部にかかるねじり応力の差を低減でき、ねじりコイルばね4全体で歪エネルギーを吸収できるため、局部的な疲労破壊を防止できる。
また、第3領域4b3の接触面31aに対する圧接力は、ねじり角度が大きくなるほど低下し、第2領域4b2が突起部32aに当接すると同時、または、それよりもねじり角度が大きくなったときに、第3領域4b3の接触面31aに対する圧接力はほぼゼロとなる。このときのねじり角度を角度θ1(例えば3°)とする。
ねじりコイルばね4の拡径方向のねじり角度が角度θ1を超えると、第3領域4b3の拡径変形により第3領域4b3は接触面31aから離れていくが、第3領域4b3と第2領域4b2の境界付近、即ち、突起部32aの当接面3aから遠い方の端部付近において、ねじりコイルばね4が湾曲(屈曲)することは無く、前側領域は円弧形状に維持される。つまり、前側領域は、突起部32aを摺動しやすい形状に維持されている。そのため、ねじり角度が大きくなって前側領域にかかるねじり応力が増加すると、ねじりコイルばね4の前側領域は、第2領域4b2の突起部32aに対する圧接力、および、第1領域4b1の接触面31aに対する圧接力に抗して、周方向に移動(突起部32aと接触面31aを摺動)し、ねじりコイルばね4の前端面4aが、第2回転体3の当接面3aを押圧する。前端面4aが当接面3aを押圧することにより、2つの回転体2、3の間で確実にトルクを伝達できる。
このように、ねじりコイルばね4の拡径方向のねじり角度が角度θ1以上(角度θ2未満)の場合には、ねじりコイルばね4の前側領域は、第3領域4b3が接触面31aから離間し(且つ外筒部32の内周面に接触しておらず)、第2領域4b2が突起部32aに圧接されているため、ねじり角度がθ1未満の場合に比べて、ねじりコイルばね4の有効巻数が増加する。コイルばねの有効巻数とは、ばね全長からばねを固定している部分を除いた範囲の巻き数であって、ばね定数(ねじりトルク/ねじり角度)と反比例する。拡径方向のねじり角度が角度θ1を超えると、有効巻数が増加することで、ばね定数が低下する。
ねじりコイルばね4の拡径方向のねじり角度が所定の角度θ2(例えば45°)になると、ねじりコイルばね4の中領域(前側領域と後側領域の間の領域)の外周面が第1回転体2の環状面2bに当接するか、もしくは、ねじり角度が限界角度に達することで、ねじりコイルばね4のそれ以上の拡径変形が規制され、第1回転体2と第2回転体3が一体的に回転する。これにより、ねじりコイルばね4の拡径変形による破損を防止できる。
次に、第1回転体2の回転速度が第2回転体3の回転速度より遅くなった場合、即ち、第1回転体2が減速する場合について説明する。この場合、第1回転体2は、第2回転体3に対して回転方向(図3の矢印方向)と逆方向に相対回転する。
第1回転体2の相対回転に伴って、ねじりコイルばね4の後側領域が、第1回転体2の圧接面2aとともに第2回転体3に対して相対回転するため、ねじりコイルばね4は、縮径方向にねじれる。
ねじりコイルばね4の縮径方向のねじり角度が所定の角度θ3(例えば10°)未満の場合には、ねじりコイルばね4の後側領域の圧接面2aに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干低下するものの、ねじりコイルばね4の後側領域は圧接面2aに圧接している。また、ねじりコイルばね4の前側領域の接触面31aに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干増大する。
ねじりコイルばね4の縮径方向のねじり角度が角度θ3以上の場合には、ねじりコイルばね4の後側領域の圧接面2aに対する圧接力はほぼゼロとなり、ねじりコイルばね4の後側領域は圧接面2aを周方向に摺動する。したがって、2つの回転体2、3の間でトルクは伝達されない。
(トルクカーブ計測装置150)
トルクカーブ計測装置150は、図4に示すように、架台151内外に設けられた、サーボモータ152、ギヤボックス153、ギヤボックス153に連結された軸154、軸154に配置されたトルク計155、軸154に配置されたエンコーダ156(回転角度計)、軸154を架台151に回転可能に支持する軸受157、軸154の先端に設けられたブラケット158、及び、回転止め具159によって構成されている。また、このトルクカーブ計測装置150のトルク計155及びエンコーダ156は、外部のデータロガー115及びパソコン116に接続されている。
ブラケット158には、トルクカーブの測定対象となるプーリ構造体103のハブに嵌合する軸(おねじ部含む)が設けられている。エンコーダ156(回転角度計)は、プーリ構造体103の第1回転体2と第2回転体3との間で周方向にねじれた際の相対的な角度差をねじりコイルばね4のねじり角度(回転角度)として測定する。トルク計155は、プーリ構造体103に接続された軸154の回転トルクを検出する。
また、回転止め具159は、軸154に接続されたプーリ構造体103の第1回転体2が回転しないよう固定するためのもので、架台151に固定されている。具体的には、架台151に固定された回転止め具159の先端部分159A(凸状矩形形状)を、プーリ構造体103の外周面に設けた径方向外側に突出し軸方向に延在する凹部を有する凹状部材159B(ボルト止め等により取付取外し自在)の凹部に、くさびを入れるような態様で挟みこんで、第1回転体2が回転できないようにする。
(トルクカーブの計測手順)
(1)プーリ構造体103をブラケット158に取付けた(プーリ構造体103のハブを、ブラケット158の軸にねじ込み接続する)。このときプーリ構造体103には、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92が装着された状態で供される。こうしたのは、後述する回転速度検出ステップにおいて、装着した第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92の質量が被測定系の物理定数(回転モーメント)に影響するのを、トルクカーブ計測においても装着することにより相殺させる(打ち消す)ためである。
(2)プーリ構造体103の第1回転体2を回転止め具159によって固定して、第1回転体2が回転できないようにした。
(3)サーボモータ152により、ハブを捻り、軸154を回転させた。このとき室温25±2℃、軸154の回転速度は、1.5rpmとした。
(4)上記軸154の回転に伴い、エンコーダ156及びトルク計155によって、ねじり角度とねじりトルクが計測され、時系列に沿って、ねじり角度とねじりトルクがデータロガー115に記録される(自動)。
(5)パソコン116(表計算ソフト)にて、データロガー115に記録されたねじり角度とねじりトルクのデータを処理し、トルクカーブ(ねじりコイルばね4のねじり角度とねじりトルクとの関係性)のグラフを得た。具体的には、図5に示すように、プーリ構造体103のねじりコイルばね4のねじり角度XとねじりトルクYとの関係性を示すトルクカーブのグラフが得られた。本実施例では、トルクカーブとして、ねじり角度0°から60°まで、ほぼ1次関数(直線)とみなせるXY関数式(図5より、Y=aX、aは傾き(ばね定数))が得られた。なお、トルクカーブは、二次関数(放物線)でもよいが、単純な一次関数(直線)である方がねじり角度の変化に対するトルク変化(感度)が一定、ばね定数が一定の関係となるので好ましい。また、トルクカーブは、折れ線になっても(関数式が変わるだけなので)構わない。トルクカーブの傾き(ばね定数)は、大きい方がねじり角度に対する感度が増すので好ましいといえる。
(ステップ3:接続ステップ)
次に、図1に示すように、ステップ2においてトルクカーブを計測したプーリ構造体103を、補機トルクの測定対象となるオルタネータ105の駆動軸に接続した。具体的には、プーリ構造体103のハブの前側(反補機側)が軸方向直角断面において正六角形の凹部になっており、六角レンチにより、ハブのめねじ部分をオルタネータ105の駆動軸先端のおねじ部分に完全にねじ込み、接続(締結)した。
(ステップ4:回転速度検出ステップ)
次に、図1に示す回転速度検出手段としての回転速度センサ、具体的には、2つの電磁ピックアップ111(第1回転体2側)及び電磁ピックアップ112(第2回転体3側)の先端を、それぞれ第1回転体2に取り付けられた第1リングギヤ91と第2回転体3に取り付けられた第2リングギヤ92とに近接しかつ対向し得るように、非接触に配設した。
電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112は、内部に磁石とコイルを持っており、被測定物である第1回転体2に取り付けた第1リングギヤ91及び第2回転体3に取り付けた第2リングギヤ92の回転動作によって電気(パルス)を発生させるもので、磁気式ギヤ速度センサ、一般には電磁ピックアップと呼ばれているセンサである。本実施例の場合、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112は、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92のそれぞれの回転動作による磁気変化を検出し、この回転速度に対応するパルス信号(周波数信号)をケーブルを介して、後述する補機トルク演算手段に出力するものである。本実施例では、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112は、ココリサーチ社製(型番FDP10-A37)を使用している。なお、電磁ピックアップを速度センサとして用いる代わりに、レーザ速度ムラ計を速度センサとして用いてもよい。この場合は、出力は速度信号であるため、FVコンバータを省略できる。
上記のように電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112(回転速度検出手段としての回転速度センサ)を配置した状態で、エンジン補機駆動用ベルト装置101において、冷間状態から、スタータによりエンジンを始動させVリブドベルト104を走行させた。そして、この際、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112によって、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92のそれぞれの回転動作による磁気変化を検出し、この回転速度に対応するパルス信号(周波数信号:単位時間当たりのピーク数)を逐次補機トルク演算手段に出力させた。ここで、本実施例では、第1リングギヤ91及び第2リングギヤ92のそれぞれの歯の1つが、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112の先端を横切ったときの磁気変化を検出し1つのピークとしてカウントする。即ち、回転速度に対応するパルス信号(周波数信号)は、1秒間に電磁ピックアップの先端を横切った歯数(歯数/sec)のデータ情報として出力される。
(ステップ5:補機トルク演算ステップ)
次に、ステップ5において出力された回転速度に対応するパルス信号(周波数信号:歯数/sec)に基づき、図1に示す補機トルク演算手段によってオルタネータ105の補機トルクを時系列に沿って算出する。
補機トルク演算手段は、図1に示すように、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112の各ケーブルがそれぞれ接続されたFVコンバータ113及びFVコンバータ114と、データロガー115と、パソコン116とによって構成されている。
FVコンバータ113及びFVコンバータ114は、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112から出力された回転速度に対応するパルス信号(周波数信号:歯数/sec)を電圧信号に変換するものである(FVコンバータは、ココリサーチ社製、型番KAZ-Mighty)。データロガー115は、FVコンバータ113及びFVコンバータ114と接続されており、電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112から出力された回転速度に対応するパルス信号から変換された電圧信号を記録する装置である(データロガー115は、キーエンス社製、型番NR-2000)。なお、データロガー115の代わりに、FFTアナライザーを用いてもよい。パソコン116は、データロガー115に接続されており、データロガー115に格納されたデータ等に基づいて、演算(表計算ソフト等により)を行い、補機トルクの時系列波形(グラフ)を、アウトプットする。
以下にパソコン116によって実行される具体的な演算手順の一例を説明する。
(1)時系列に、電磁ピックアップ111から出力された回転速度に対応するパルス信号から変換された電圧信号のデータ情報(歯数/sec)を、第1リングギヤ91の総歯数(1周当たりの歯数)で除算して、第1回転体2の回転速度(回転/sec)を演算した。
同様に、時系列に、電磁ピックアップ112から出力された回転速度に対応するパルス信号から変換された電圧信号のデータ情報(歯数/sec)を、第2リングギヤ92の総歯数(1周当たりの歯数)で除算して、第2回転体3の回転速度(回転/sec)を演算した。
(2)時系列に、第1回転体2の回転速度(回転/sec)に2πラジアンを乗じて、角速度(rad/sec)に変換した。
同様に、時系列に、第2回転体3の回転速度(回転/sec)に2πラジアンを乗じて、角速度(rad/sec)に変換した。
(3)時系列に、第1回転体2の角速度(rad/sec)と第2回転体3の角速度(rad/sec)との差分(ねじり角度データX:単位時間当たりのねじりコイルばねのねじり角度に相当)を演算した。
(4)この時系列のねじり角度データXを、直接、ステップ2において得られたトルクカーブのXY関数式(ねじりコイルばね4のねじり角度XとねじりトルクYとの関係性(図5より、Y=aX、aは傾き(ばね定数)))に代入することにより、オルタネータ105の補機トルクの時系列波形(グラフ)を得た(図6参照)。
上記ステップを経て得られたオルタネータ105の補機トルクの時系列波形の一例を、図6に示す。なお、上記一連のステップは、室温25±2℃の下で行った。図6のグラフは、冷間状態にてエンジンを始動させた時のオルタネータ105の補機トルクを時系列に沿って記録した時系列波形である。
具体的には、図6に示すように、A:スタータ始動によるクランキング段階(間欠的)での補機トルク、B:エンジンが始動した瞬間に発生する補機トルク(始動トルクと呼ぶ、このときが最大値、47Nm)、および、C:エンジンが始動して、回転数が上昇しているときのトルク波形、以上の時系列波形を得ることができた。
繰り返し使用性の評価として、上記ステップ4及びステップ5を、間欠的に行った。具体的には『補機トルク測定後、エンジンを止めて12時間以上放冷させ、完全にエンジンを冷間状態にしてから、エンジンを再始動させて補機トルクを測定する操作』を30回繰り返し実施しても、補機トルクの時系列波形、特には始動トルクの値に、違いは認められなかった。
また、上記ステップ4及びステップ5を30回繰り返したあと、ステップ2のトルクカーブを改めて計測したが、得られたトルクカーブは、上記ステップ4及びステップ5を30回繰り返す前に予め計測したトルクカーブと一致するものであった。
これにより、同じプーリ構造体103を繰り返し使用しても測定の信頼性を確保できていることがわかった。
(効果)
上記測定方法によれば、補機トルクの測定に際して、特別なプーリレイアウトを要せず、測定対象のオルタネータ105にプーリ構造体103を接続し、第1回転体2及び第2回転体3の回転速度を測定する一対の電磁ピックアップ111及び電磁ピックアップ112を使用するだけで済み、手間を省くことができる。
また、第1回転体2と第2回転体3とが相対回転すると、第1回転体2と第2回転体3との間でねじりコイルばね4を介してトルクが伝達されるプーリ構造体103に関して、第1回転体2と第2回転体3とが相対回転し、ねじりコイルばね4が第1回転体2と第2回転体3との間で周方向にねじれる際のねじり角度と、その際に発生するトルク(ねじりトルク)との関係性(関数式)を、トルクカーブとして計測している。
そして、予めプーリ構造体103のトルクカーブを計測することにより、既知なるトルクカーブに基づいて、(プーリ構造体103に加わる荷重測定を経なくても)さほど手間をかけずに、直接的かつ正確にオルタネータ105の補機トルクの時系列波形を得ることができる。
また、荷重測定を要せず、取扱い面倒で出力特性が変化しやすい歪みゲージ等の取付が不要であるので、測定の信頼性を高め、手間も省くことができる。従って、特別なプーリレイアウトを要せず、また、さほど手間をかけずに、かつ正確に、補機トルクを測定することが可能となる。
また、上記測定方法に関して、上記構造のプーリ構造体103を使用することにより、第1回転体2と第2回転体3とが相対回転した際に、ねじりコイルばね4の前側領域は、第3領域4b3が接触面31aから離間することにより、ねじりコイルばね4の有効巻数を増加させてばね定数を低下させることができるので、ねじりコイルばね4の耐疲労性を向上させることができる。これにより、プーリ構造体103の耐久性を向上させ、同じプーリ構造体103を繰り返し使用したとしても測定の信頼性を確保することができる。
また、上記プーリ構造体103を使用することにより、ねじりコイルばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるにつれて、第1回転体2に当接するねじりコイルばね4の外周面の領域が段階的に変化させることにより、ねじりコイルばね4の有効巻数を段階的に増加させて、ばね定数をより低下させることができる。これにより、ねじりコイルばね4の耐疲労性をさらに向上させることができ、繰り返し使用しても測定の信頼性を十分に確保することができる。
また、上記のように、補機プーリとして使用するプーリ構造体と補機トルクを測定する場合のプーリ構造体とを共通化することにより、プーリ構造体103を新規に作製する必要がなく、コスト・手間を省くことができる。また、補機プーリとして使用するプーリ構造体と補機トルクを測定する場合のプーリ構造体とが共通であるため、補機トルクの測定結果の信頼性も高めることができる。
更に、得られた補機トルクの大きさをVリブドベルト104の設計値と照合して、Vリブドベルト104の伝達性能の限界を超えていないか、伝達性能等が確保されているか、発音問題等を引き起こさないか等の設計事項を実機エンジンによる本格評価より前に見極めて、エンジン補機駆動用ベルト装置101に適合するVリブドベルト104の仕様を決定することができる。
(その他の実施形態)
本実施例では、予めプーリ構造体103のトルクカーブを計測してから、オルタネータ105の補機トルクを測定したが(ステップ2のトルクカーブ計測ステップ⇒ステップ4の回転速度検出ステップ⇒ステップ5の補機トルク演算ステップ)、逆に、ステップ4の回転速度検出ステップを経た後に、ステップ2のトルクカーブ計測ステップによってプーリ構造体103のトルクカーブを計測してもよい(ステップ4の回転速度検出ステップ⇒ステップ2のトルクカーブ計測ステップ⇒ステップ5の補機トルク演算ステップ)。
また、本実施例は、オルタネータ105の駆動軸にトルクカーブが既知のプーリ構造体103を接続して、オルタネータ105の補機トルクを測定したが、オルタネータ105以外の補機(ウォーターポンプ、エアコン・コンプレッサ、パワーステアリング用油圧ポンプ等)の駆動軸にトルクカーブが既知のプーリ構造体103を接続して、オルタネータ105以外の補機の補機トルクも同様に測定することができる。
101 エンジン補機駆動用ベルト装置
103 プーリ構造体
104 Vリブドベルト
105 オルタネータ
111・112 電磁ピックアップ
113・114 FVコンバータ
115 データロガー
116 パソコン
150 トルクカーブ計測装置

Claims (4)

  1. 補機トルクを時系列に沿って検出する測定方法であって、
    前記測定方法は、
    2つの回転体の間でねじりコイルばねを介してトルクが伝達されるプーリ構造体における、前記ねじりコイルばねのねじり角度とトルクとの関係性を示すトルクカーブを計測するトルクカーブ計測ステップと、
    前記トルクカーブを計測した前記プーリ構造体を、補機に接続する接続ステップと、
    駆動プーリと前記プーリ構造体との間に巻き掛けた補機駆動用ベルトを走行させて、前記2つの回転体の回転速度を時系列に沿ってそれぞれ検出する回転速度検出ステップと、
    前記2つの回転体の回転速度の差分からねじり角度を算出し、算出した当該ねじり角度及び前記トルクカーブに基づいて、前記補機トルクを時系列に沿って算出する補機トルク演算ステップと、
    を含むことを特徴とする、補機トルクの測定方法。
  2. 前記プーリ構造体は、前記ねじりコイルばねの一端側の外周面が拡径方向の自己弾性復元力によって一方の回転体に押し付けられており、
    前記2つの回転体が相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記ねじりコイルばねの他端側領域のうち少なくとも周方向一部分の内周面が他方の回転体から離れる、ことを特徴とする請求項1に記載の、補機トルクの測定方法。
  3. 前記プーリ構造体は、前記ねじりコイルばねの前記他端側の端面と周方向に対向する当接面を前記他方の回転体に有しており、
    前記2つの回転体が相対回転によって前記ねじりコイルばねが拡径方向にねじれた場合に、前記ねじりコイルばねの前記他端側の端面が前記当接面に当たる前に前記ねじりコイルばねの前記他端側領域の拡径変形を規制する、規制手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項2に記載の、補機トルクの測定方法。
  4. 前記プーリ構造体は、その本体部分の構成が補機用プーリ構造体と共通する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の、補機トルクの測定方法。
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