JP3579911B2 - 軌道用作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は例えば鉄道線路及びその周囲の補修作業等に用いられる軌道用作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の軌道用作業機として、例えばショベル系掘削機構等の交換可能な各種のアタッチメントが装着され、地上走行用の車輪又は履帯により地上走行可能な作業機体に軌条走行用の車輪を備えたものが知られている。
【0003】
しかして、例えば鉄道線路上に地上走行用の前後左右四カ所二個一組、計八個の車輪又は左右二個の履帯の駆動により作業機体を地上走行して搬入し、揺動機構としての上下動用シリンダにより揺動部材を下向き揺動させて上記軌条走行用の車輪を下降動作して軌条上に載架すると共に地上走行用の車輪又は履帯を地上から浮かせて離し、この状態で各種アタッチメントにより例えば掘削作業や鉄道線路の道床交換作業等を行い、場所移動時には軌条走行用の車輪を駆動して作業機体を軌条走行させ、また鉄道線路から搬出する際には、揺動機構としての上下動用シリンダにより揺動部材を上向き揺動させて上記軌条走行用の車輪を上昇動作して軌条上から離すと共に地上走行用の車輪又は履帯を接地させ、この状態で地上走行用の車輪又は履帯を駆動して作業機体を地上走行させて搬出するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来構造の場合、例えば保線作業時等は軌条走行用の車輪を軌条上に載架した状態で行うことになるが、この際に各種のアタッチメントによる作業に伴う反動によって、作業機体の前部が後部の軌条走行用の車輪と軌条との接触面を中心として浮き上がって、作業機体の位置が不安定になり易くてそれだけ転倒のおそれが生ずることもあり、また作業機体の総重量が後部の車輪に掛かり、そのため車軸に過大な負荷を加えてしまうおそれがあるという不都合を有している。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、その要旨は、各種のアタッチメントが装着され、下部走行機体と上部旋回機体からなる作業機体に地上走行用の車輪又は履帯及び軌条走行用の車輪を備えて成り、上記下部走行機体の前後部にそれぞれ揺動部材を配設し、該揺動部材に上記軌条走行用の車輪を配設し、該揺動部材を上下揺動させる揺動機構を設け、かつ該前後の揺動部材のうちの後部の揺動部材に鉄道線路の道床に接地離反可能な接地部材を備えるアウトリガー機構を配設し、該アウトリガー機構の接地部材を上記後部の軌条走行用の車輪の軸線近傍に配置して構成したことを特徴とする軌道用作業機にある。
【0006】
また上記アウトリガー機構として油圧シリンダを用いることができる。
【0007】
【作用】
下部走行機体の前後部にそれぞれ配設された揺動部材を揺動機構により下向き揺動させて上記軌条走行用の車輪を下降動作して軌条上に載架すると共に地上走行用の車輪又は履帯を鉄道線路の道床から浮かせて離し、この状態で各種アタッチメントにより例えば掘削作業や鉄道線路の道床交換作業等を行うことになり、この作業に際して、該前後の揺動部材のうちの後部の揺動部材に配設されたアウトリガー機構の上記後部の軌条走行用の車輪の軸線近傍に配置した接地部材を鉄道線路の道床に接地させることになる。
【0008】
【実施例】
図1乃至図8は本発明の実施例を示し、1は作業機体であって、下部走行機体1aと上部旋回機体1bからなり、上部旋回機体1bは下部走行機体1aに旋回軸心1c中心で図示省略の歯車機構からなる旋回操作機構により旋回動作可能に設けられ、この場合交換可能なバケット2aを有するショベル系掘削機構であるアタッチメント2がブーム2bに連なるアーム2cに備えられ、下部走行機体1aに地上走行用の車輪3、この場合前後左右両側二個一組ずつ、計八個のゴムタイヤを配設し、この車輪3を駆動させる駆動機構4を配設し、駆動機構4により車輪3を駆動して作業機体1を地上走行させるように構成している。この際、車輪3に変えて、下部走行機体1aの左右両側に地上走行用のゴムクローラ等の履帯を配設し、履帯により地上走行させるように構成することもある。
【0009】
5は軌条走行用の車輪、6は揺動機構であって、この場合上記下部走行機体1aの走行方向前後位置に取付板7を突設し、この各前後の取付板7に揺動部材8を支点軸9により上下揺動可能に枢着し、下部走行機体1aと揺動部材8との間に油圧シリンダたる上下動用リンダ10を枢着架設し、図示省略の油圧モータにより駆動される軌条走行用の車輪5を揺動部材8の左右両側に取付けて構成している。
【0010】
11はアウトリガー機構であって、進行方向後部の上記揺動部材8の左右両側に配設され、この場合角筒体12を揺動部材8に取付け、角筒体12内に角筒状の上下筒13を回り止め状態で上下動自在に内装し、上下筒13の下部に連結軸14を進行方向を横切る左右方向に横設し、角筒体12に接地用の油圧シリンダ15の基部を取付け、油圧シリンダ15のロッドを連結軸14に連結し、かつ連結軸14に接地部材16を上記軌条走行用の車輪5の軸線Oの近傍にして進行方向前後に揺動可能に軸着して構成したものである。
【0011】
この実施例は上記構成であるから、例えば図1の如く、鉄道線路上に地上走行用の車輪3の駆動により作業機体1を地上走行して搬入し、図2の如く、揺動機構6としての上下動用シリンダ10により前後の揺動部材8を下向き揺動させ、上記軌条走行用の車輪5を下降動作して左右二本の軌条R上に載架すると共にこれにより地上走行用の車輪3は浮上して道床Wから離れ、この状態で、図7の如く、アウトリガー機構11の油圧シリンダ15を作動し、上下筒13を下降して接地部材16を道床Wに接地し、例えば車輪5の転動面5aが軌条Rから少し浮き、しかも車輪5の鍔5bの外周縁が軌条R上面より上がらない程度に接地部材16を接地させ、この状態でアタッチメント2により例えば掘削作業や鉄道線路の道床交換作業等を行うことになり、又、場所移動時には、アウトリガー機構11の接地部材16を油圧シリンダ15により上昇し、軌条走行用の車輪3を駆動して作業機体1を軌条走行させ、また鉄道線路から搬出する際には、揺動機構6としての上下動用シリンダ10により前後部の揺動部材8を上向き揺動させて上記軌条走行用の車輪5を上昇動作して軌条R上から離すと共に地上走行用の車輪3を接地させ、この状態で地上走行用の車輪3を駆動して作業機体1を地上走行させて搬出することになる。
【0012】
このようにアタッチメント2により各種の鉄道線路作業を行う際に、揺動機構6により前後の揺動部材8を下向き揺動させ、上記軌条走行用の車輪5を下降動作して左右二本の軌条R上に載架すると共にこれにより地上走行用の車輪3は浮上して道床Wから離れ、この状態で、アウトリガー機構11の接地部材16を道床Wに接地することから、作業に伴う反動を接地部材16が受けることになり、このため、各種作業時における作業機体1の安定性を向上することができると共に作業機体1の前部が後部の軌条走行用の車輪と軌条との接触面を中心として浮き上がったとしても、アウトリガー機構11の接地部材16が作業機体1の位置を保持し、また作業機体の総重量が後部の車輪5に掛かることを防ぐことができ、掘削や枕木交換等の線路作業能率を向上することができ、線路保線作業の安全性を高めることができる。
【0013】
この際上記アウトリガー機構11は、揺動機構6により上下揺動する揺動部材8に取り付けられているから、揺動部材8の上下揺動に支障がなく、アウトリガー機構11を容易に取り付けることができて構造を簡素化することができる。
【0014】
また上記アウトリガー機構として油圧シリンダ15を用いることにより、接地部材16の接地離反構造を簡素化することができ、また更にアウトリガー機構11の接地部材16を上記軌条走行用の車輪5の軸線Oの近傍に配置することにより、例えば後部の車輪5よりも後側に接地部材16を配置した場合を想定すると分かるように、作業機体1の作業反動に伴う浮き上がり時における後部の車輪5の脱輪現象を防ぐことができる。すなわち、例えば後部の車輪5よりも後側に接地部材16を配置したとすると、作業機体1と一緒に後部の車輪5も浮き上がってしまい後部の車輪5の脱輪現象が生ずるおそれがあり、またこれと逆に後部の車輪5よりも前側に接地部材16を配置した場合には作業機体1の作業反動に伴う浮き上がり時において、後部の車輪5と軌条Rとの接触面を中心として接地部材16も浮き上がって、接地部材16の役目が果たせないことになる。
【0015】
尚、上記アウトリガー機構11、接地部材16等の構造は適宜変更して設計されるものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は上述の如く、アタッチメントにより各種の鉄道線路作業を行う際に、揺動機構により前後の揺動部材を下向き揺動させ、上記軌条走行用の車輪を下降動作して左右二本の軌条上に載架すると共にこれにより地上走行用の車輪は浮上して道床から離れ、この状態で、前後の揺動部材のうちの後部の揺動部材に設けたアウトリガー機構の接地部材を道床に接地することから、作業に伴う反動を接地部材が受けることになり、このため、各種作業時における作業機体の安定性を向上することができると共に作業機体の前部が後部の軌条走行用の車輪と軌条との接触面を中心として浮き上がったとしても、アウトリガー機構の接地部材が作業機体の位置を保持し、また作業機体の総重量が後部の車輪に掛かることを防ぐことができ、掘削や枕木交換等の線路作業能率を向上することができ、線路保線作業の安全性を高めることができ、この際上記アウトリガー機構は、揺動機構により上下揺動する揺動部材に取り付けられているから、揺動部材の上下揺動に支障がなく、アウトリガー機構を容易に取り付けることができて構造を簡素化することができ、更に、上記アウトリガー機構の接地部材を上記後部の軌条走行用の車輪の軸線の近傍に配置しているから、作業機体の作業反動に伴う浮き上がり時における後部の車輪の軌条からの脱輪現象を防ぐことができる。
【0017】
また上記アウトリガー機構として油圧シリンダを用いることにより、接地部材の接地離反構造を簡素化することができる。
【0018】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体側面図である。
【図2】図1で示す実施例の全体側面図である。
【図3】図1で示す実施例の全体平面図である。
【図4】図1で示す実施例の部分側断面図である。
【図5】図1で示す実施例の部分後面図である。
【図6】図1で示す実施例の後部平面図である。
【図7】図1で示す実施例の部分側断面図である。
【図8】図1で示す実施例の部分正断面図である。
【符号の説明】
R 軌条
O 軸線
1 作業機体
1a 下部走行機体
1b 上部走行機体
2 アタッチメント
3 地上走行用の車輪
5 軌条走行用の車輪
6 揺動機構
8 揺動部材
11 アウトリガー機構
15 油圧シリンダ

Claims (2)

  1. 各種のアタッチメントが装着され、下部走行機体と上部旋回機体からなる作業機体に地上走行用の車輪又は履帯及び軌条走行用の車輪を備えて成り、上記下部走行機体の前後部にそれぞれ揺動部材を配設し、該揺動部材に上記軌条走行用の車輪を配設し、該揺動部材を上下揺動させる揺動機構を設け、かつ該前後の揺動部材のうちの後部の揺動部材に鉄道線路の道床に接地離反可能な接地部材を備えるアウトリガー機構を配設し、該アウトリガー機構の接地部材を上記後部の軌条走行用の車輪の軸線近傍に配置して構成したことを特徴とする軌道用作業機。
  2. 上記アウトリガー機構として油圧シリンダを用いて構成したことを特徴とする請求項1記載の軌道用作業機。
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