JP3579288B2 - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐湿熱性と光学特性に優れた高偏光度偏光板、特に液晶ディスプレー(LCD)用に有用な高偏光度偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高偏光度偏光板は、ポリビニルアルコール系(以下、PVAという)フィルムにヨウ素又は2色性染料を吸着配向させた偏光膜に、保護膜であるトリアセチルアセテートフィルム(以下、TACという)を、接着剤であるPVA樹脂の水溶液が未乾燥又は半乾燥の流動性がある状態で貼着したものが一般的であった。このような簡単な貼着方法が可能であるのは、TACの吸水率が3〜6%と大きく、貼着直後に存在する水分が偏光膜(吸水率は一般に3〜7%である)とTACとに吸収され、そして、やがてその表面から蒸散されるからである。このようにTACは吸水率が高いがための利点もある反面、透湿度も400〜600g/m2・dayと大きいため、TACを保護膜とする偏光板は高温多湿の環境下での偏光性能の低下が激しかった。
【0003】
このため透湿度が小さい樹脂からなるフィルムを保護膜とする偏光板が提案されている。例えば、特開平5−212828号公報では、PVAシートの少なくとも一面に、アクリル系粘着剤を介して低透湿度の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートが積層され、加熱圧着されてなることを特徴とする複合シートが開示されている。また、特開平10−130402号公報では低透湿度の高分子フィルム、好ましくは芳香環含有モノマー単位の結合量が20重量%以上である熱可塑性ノルボルネン系樹脂からなる高分子フィルムが開示されている。
【0004】
しかしながら、前記各号公報の保護膜は吸水性やある種の溶剤に対する耐性に欠けるためか、PVA偏光膜と保護膜とを貼着するのに、TACの場合に比し煩雑で生産性に劣る方法によっている。即ち、特開平5−212828号公報では、(1)水系エマルジョン型のアクリル系粘着剤を用いて貼着する方法(2)PVAシートに溶剤型のアクリル系粘着剤を塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン型シートと貼着する方法(3)酢酸エチル、メチルエチルケトン等のエステル系、ケトン系、アルコール系等の熱可塑性ノルボルネン系樹脂の貧溶媒であって、アクリル系粘着剤が可溶な溶剤を用いたアクリル系粘着剤を用いる方法(4)溶剤型アクリル系粘着剤を離型膜(セパレーター)などに塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン型樹脂シートに転写し、PVAシートと貼着する方法などが採用されている。そしてアクリル系粘着剤の塗布厚みは、10〜50μmであり、前記(1)〜(4)のいずれの方法においても、塗布後、溶剤や水を加熱(例えば溶剤の場合には、塗布後、60〜110℃で1〜5分)によって揮発させ、次いで、PVAシートと熱可塑性飽和ノルボルネン型樹脂シートとを貼り合わせ、50〜120℃の温度範囲で加熱し、1〜5分保ち、次いで1〜10kg/cm2で加圧することにより接着している。
【0005】
また、特開平10−130402号公報では、離型膜の表面に、アクリル系粘着剤をバーコーターを用いて、厚さ20μmに塗布し、80℃で2分間乾燥し、高分子フィルムに転写し、PVA偏光膜の両面に、アクリル系粘着剤層を介して前記高分子フィルムを貼付け、90℃で2時間保持し、5kg/cm2加圧して接着する方法が実施例で開示されている。
【0006】
このような煩雑な貼着方法を回避するものとして例えば特開平8−5836号公報がある。これは、PVA偏光膜の両面あるいは片面に吸水率が大きい保護膜(例えばTAC)を、前記PVA偏光膜/TAC貼着方法と同じ方法で貼り合わせ、さらに保護膜の上に低透湿度の保護フィルムを貼り合わせる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液晶ディスプレー(LCD)は近年益々高画質化が図られ、また、ディスプレー面積の小さいものへの展開も進められている。これに付随して画素ピッチも必然的に小さくなり、現在では20μm×20μmの画素ピッチのものもあり、今後更に小さくなる方向にある。20μm×20μmの画素ピッチの場合には、当然、これに使用される偏光板に長径20μm以上の異物や空隙等があると高品質の画像が得られなくなる。
【0008】
前記した特開平5−212828号公報、特開平10−130402号公報においては、耐湿熱性の改善は見られるものの、偏光膜と保護膜とを貼着するときに気泡を巻き込む(空隙が生じる)ことが避けられず、高品質の画像が得られにくい傾向にある。
一方、特開平8−5836号公報においては、耐湿熱性の改善が見られ、偏光膜と保護膜とを貼着するときに気泡を巻き込む(空隙が生じる)こともないが、保護膜と保護フィルムとを必要とするため、コスト的にも工程的にも汎用性があるとは言い難いものである。
【0009】
本発明の第1の課題は、複雑な構成を必要とせず、耐湿熱性に優れ、LCDの画質に悪影響を及ぼすほどの大きな空隙が偏光膜と保護膜との貼着面に無い、高偏光度偏光板を提供することにある。
【0010】
第2の課題は、複雑な工程を必要とせずに、前記第1の課題を解決する具体的製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する手段として本発明は、ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも1方の面に、厚さ3μm以下の接着剤又は粘着剤を介して吸水率0.1%以下の保護膜が貼着されてなる偏光板であることを特徴とする。
【0012】
また、接着剤又は粘着剤と偏光膜との界面、及び、接着剤又は粘着剤と保護膜との界面に存在する空隙の長径が20μm未満であることを特徴とする。
【0013】
また、保護膜が環状オレフィン系樹脂を主成分とする膜であることを特徴とする。
【0014】
さらに、接着剤原液又は粘着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する工程を含む偏光板の製造方法であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の偏光膜は、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムを1軸延伸配向した後、ヨウ素を吸着させ、ホウ酸水処理し、緊張下で乾燥することにより製造される。あるいは、ポリビニルアルコール又はその誘導体からなるフィルムをヨウ素の水溶液に浸漬してヨウ素を吸着させた後、ホウ酸水中で1軸延伸配向し、緊張下で乾燥することからも得られる。ヨウ素の代わりに、アゾ系、アントラキノン系、テトラジン系等の二色性染料を用いた偏光膜も同様にして製造される。
かくして得られる偏光膜の偏光度は、好ましくは90.0%以上、より好ましくは99.0%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。
【0016】
吸水率が0.1%以下の保護膜の素材としては特に限定はなく、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン系樹脂を主成分とするものが例示できる。吸水率が0.1%以下の保護膜であれば透湿度も小さいので、耐湿熱性のある偏光板が得られる。保護膜には紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加してもよい。
【0017】
保護膜は実質的に無配向であることが望ましい。もしも配向していれば、偏光膜と貼り合わせるとき、偏光膜の配向方向と寸分の狂いもなく合わせなければならないからである。
保護膜の厚さは通常5〜150μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜60μmが望ましい。厚さが薄すぎる場合は取り扱いにくく、厚すぎる場合は後記する貼着後の放置時間が長くなる傾向にある。
【0018】
偏光膜との接着性や(液晶基板と接着するための)粘着剤との接着性を向上させるため、保護膜の表面にコロナ放電処理、オゾンの吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理、その他公知の表面処理を施してもよい。処理程度は濡れ張力が40dyn/cm以上、好ましくは50dyn/cm以上、さらに好ましくは55dyn/cm以上となる程度が望ましい。
【0019】
保護膜の製造方法としては特に限定はなく、公知の製膜法によればよい。例えば、押出し法、カレンダー法、溶液流延法が例示できる。
【0020】
偏光膜と保護膜とを貼着する接着剤又は粘着剤としては特に限定はなく、公知のものが使用できる。例えば、PVA系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリアミド系、塩素化ポリオレフィン系等からなる、エマルジョン型、水溶液型、溶剤型のものが例示できる。初期接着力の点からは、PVA系水溶液型、2液硬化タイプのアクリル系エマルジョン型がとりわけ好ましい。
【0021】
本発明の接着剤又は粘着剤の厚みは、乾燥後で3μm以下であることが必要である。3μm以下であれば、接着剤又は粘着剤と偏光膜との界面、及び、接着剤又は粘着剤と保護膜との界面に存在する空隙の長径は通常20μm未満であり、例え20μm又は20μmをわずかに超える空隙があったとしても単位面積あたりの数は非常に少ないので、画質を大幅に低下させるものではない。好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下の厚みが望ましい。
厚みの下限は接着剤又は粘着剤の性能によって適宜決めればよいが、一般的には0.01μmである。
【0022】
3μmを超えると、いかなる貼着方法によっても、空隙の長径が20μm以上となり、LCDにおいて高品質の画像が得られない。
即ち、接着剤原液又は粘着剤原液を塗布後、水や溶剤を加熱によって揮発させ、偏光膜と保護膜とを貼合わせ、高温に加熱し、数分間維持し、次いで、高温高圧で加圧して貼着する方法においては、塗布ムラに起因する接着剤又は粘着剤の厚みムラのため、空隙(気泡)の長径が20μm以上あるものしか得られない。
一方、接着剤原液又は粘着剤原液が未乾燥又は半乾燥の流動性がある状態で偏光膜と保護膜とを貼着する方法においては、3μmを超える厚みを確保するためには貼着圧力を下げざるをえないため、貼着時に気泡の巻き込みが発生する結果、空隙(気泡)の長径が20μm以上あるものしか得られない。
【0023】
本発明の空隙の長径は、好ましくは20μm未満、より好ましくは15μm未満、さらに好ましくは10μm未満、最も好ましくは5μm未満である。20μ以上では、前記したように高品質の画像が得られない傾向にある。
なお、空隙の長径とは、偏光板の面と平行な面方向の空隙の形状が真円の場合には直径を、形状が真円でない場合には最も長い距離をいう。
【0024】
保護膜に要求される特性である光線透過率、機械的強度、リタデーション等の点から、保護膜の素材としてはとりわけ環状オレフィン系樹脂を主成分とするものが好ましい。 環状オレフィン系樹脂とは一般的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンとのランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定するものではなく、例えばノルボルネンやテトラシクロドデセンが例示できる。
【0025】
環状オレフィン系樹脂から保護膜を得る方法は特に限定はなく、例えば押出し法、カレンダー法等熱可塑性を利用した方法でも良いが、異物の除去(フィルターによる濾過)、偏肉精度、無配向等の点から、溶液流延法による製造方法がより望ましい。
【0026】
溶液流延法に用いる溶剤としては、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素及びそれらの誘導体、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素及びそれらの誘導体が例示できる。溶剤は1種類でもよいが溶液粘度や乾燥条件によっては平滑な膜が得にくい場合がある。そのときには、レベリング剤を液に添加するか、あるいは沸点の差が10℃以上ある少なくとも2種類の混合溶剤を用いることにより望ましい膜が得られる。
保護膜の厚み、表面処理は前記した通りである。
【0027】
偏光膜と保護膜とを貼着する方法は、前記したような接着剤原液又は粘着剤原液を予め乾燥してから貼着する方法でもよいが、生産性よく、且つ、空隙の長径をより確実に、20μm未満、より好ましくは15μm未満、さらに好ましくは10μm未満、最も好ましくは5μm未満にするためには、下記の方法によるのがよい。
【0028】
即ち、接着剤原液又は粘着剤原液が未乾燥、又は半乾燥の状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する方法である。接着剤原液又は粘着剤原液は偏光膜に塗布してもよいし、保護膜に塗布してもよい。
貼着は偏光膜や保護膜の製造とは別工程であってもよいが、偏光膜の製造時に行うのが生産性の点からより好ましい。偏光膜の製造速度は一般的には5〜15m/分である。
【0029】
接着剤原液又は粘着剤原液の粘度は特に限定はないが、10〜15000cp(センチポアズ)、好ましくは100〜12000cpの範囲にあることが望ましい。10cp未満であると、原液が未乾燥の状態で貼着する場合にはニップ圧力によって流れ出す結果、得られる接着剤又は粘着剤の厚みが極端に薄くなりすぎる傾向にある。また、半乾燥の状態で貼着する場合には適度の粘度になるまで乾燥するのに要する時間が長くなり、生産性という点からは好ましいとは言い難い
。一方、15000cpを超えると、塗布時に充分な注意が必要となる。
【0030】
貼着は公知のいかなる手段を用いてもよいが、ニップロールによるのが簡便で、且つ、生産性にも優れるのでより好ましい。ニップロールとしてはゴムロール/金属ロールやゴムロール/ゴムロールの組み合わせが例示できる。
ニップ圧は、線圧で通常1〜100kg/cm、好ましくは3〜30kg/cmである。
【0031】
貼着が終了したら、ロール巻き状で常温又は加温(約40℃位)の部屋に約48〜60時間程度放置しておく。この間に偏光板と偏光板の間から接着剤原液又は粘着剤原液に含まれていた水や溶剤が蒸散される。接着剤又は粘着剤が硬化タイプの場合には、この間で硬化が完了する。ロール巻き状で放置するだけなので、生産性には何ら影響はない。
【0032】
保護膜の片面の縦方向両端部に予めエンボス加工を施しておけば、巻きロール内の空気の貫流がさらによくなるので、前記の放置時間は24〜30時間程度に短縮される。エンボス加工を施しておけば、保護膜製造の巻き取り時に、保護膜の内面と外面とがコスレてキズが入る恐れが無いという利点もある。
【0033】
【実施例】
次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。本発明において使用した物性値の測定方法及び評価方法は次の通りである。
【0034】
吸水率はASTM D570により23℃×24hrで測定した。
【0035】
透湿度はモコン法(モコン社製 PERMARTRAN−W600型透湿度測定装置)により40℃×90%で測定した。
【0036】
接着剤又は粘着剤の乾燥後の平均厚み及び空隙の長径は、任意の500ケ所の断面を走査型電子顕微鏡写真(SEM)にとり、特定した。
【0037】
偏光板の偏光度は、以下の方法により算出した。
即ち、配向方向が同一方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、分光光度計を使用して400nmから700nmまで連続的に測定した、光線透過率の値の平均値をT1 とする。次に、配向方向が互いに直交する方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、同様にして測定した光線透過率の値の平均値をT2 とする。そして下記数1により偏光度を算出した。数値が大きいほど偏光性能がよい。
【0038】
(数1)
【0039】
偏光板の耐湿熱試験は、偏光板を200mm角に切り取って、恒温恒湿器を85℃×93%RH雰囲気と25℃×99%RH雰囲気とに12時間ずつ交互に設定変更し、この恒温恒湿器内にのべ2000時間放置することにより行った。偏光度保持率とは、試験後の偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数値である。数値が大きいほど耐湿熱性がよい。
【0040】
(実施例1)
環状オレフィン系樹脂(日本ゼオン株式会社製 ZEONEX E48R)100重量部をシクロヘキサン80重量部とキシレン80重量部とからなる混合溶媒に溶解し、流延法によりフィルムを製膜し、両端約15mm幅をトリミングし、次いで両面を空気中で処理強度115W/m2・分でコロナ放電処理をして、厚み50μm、幅300mm、長さ100m×2本の保護膜を得た。この保護膜の吸水率は0.01%、透湿度は3.1g/m2・24時間、濡れ張力は60dyn/cmであった。
【0041】
(実施例2)
PVA系フィルム((株)クラレ製 クラレビニロンフィルムVF−9X75R、厚み75μm、幅280mm)を、加熱金属ロール/加熱金属ロール(温度110℃、直径350mm、加圧力3.8t)間で圧延することにより縦方向に3.4倍(厚み換算で)の1軸延伸をし、次いで、フィルムの両端約10mm幅をトリミングし、次いで、加熱金属ロール/加熱金属ロール(温度110℃、直径350mm、加圧力3.8t)間でさらに1.2倍(厚み換算で)の1軸延伸をし、次いで、パンに入れたヨウ素水溶液(水18000gにヨウ素90gとヨウ化カリウム1440gとを溶解させた液)に緊張下で30秒浸漬し、水切りロールによって水切りし、次いで、パンに入れた60℃硼酸水溶液(水6000gに硼酸300gとヨウ素1.5gとヨウ化カリウム24gとを溶解させた液)に緊張下で5秒浸漬し、水切りロールによって水切りし、次いで、緊張下で冷風によって乾燥した(これによって偏光膜が得られたことになる)。
【0042】
次いで、この偏光膜をパンに入れたエマルジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が日本合成ゴム株式会社製 イーテックエマルジョンAE322、硬化剤が日本ポリウレタン工業株式会社製 アクマネート、主剤:硬化剤=100:10、粘度600cp)に緊張下で2秒浸漬した後引き上げ、直ちに偏光膜の両面に実施例1で得た保護膜がくるようにして、ゴムロール/金属ロール(ゴムロール直径200mm、金属ロール直径350mm、線圧10kg/cm)間でニップし、巻き取った。
なお、縦延伸から巻き取りに至るまでの操作は全て一連の操作であり、巻き取り速度は10m/分であった。
【0043】
このロール巻き状物(50m長)を40℃の部屋に48時間放置した。かくして得られた偏光板の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0044】
(比較例1)
実施例1で得た保護膜に実施例2で使用したアクリル系接着剤を、(乾燥後の厚みが5μmとなるように)塗布し、80℃で30分加熱して十分乾燥を行った。次いで、実施例2のアクリル系接着剤に浸漬する前の偏光膜の両面に、接着剤を介して保護膜がくるようにして、温度90℃、線圧10kg/cmのゴムロール/金属ロール間でニップし、次いで、90℃に10分間保った後、再度温度90℃、線圧5kg/cmでニップした。次いで、これを40℃の部屋に48時間放置した。かくして得られた偏光板の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0045】
(実施例3)
接着剤としてPVA水溶液(粘度は7000cp、PVAは重合度500)を用い、偏光膜と保護膜との貼着圧を線圧5kg/cmとした以外、実施例2と同様にして偏光板を得た。この物性値及び評価結果を表2に示す。
【0046】
(比較例2)
保護膜としてTAC(貼着面を予め10wt%苛性ソーダ水溶液でケン化処理したもの)を用いた以外、実施例3と同様にして偏光板を得た。この物性値及び評価結果を表2に示す。
【0047】
(表1)
(表2)
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上のような構成からなるので、以下に記載する効果を奏す。
【0049】
本発明の偏光板は耐湿熱性に優れ、且つ、LCDの高画質化に最適な偏光板である。
【0050】
本発明の製造方法によれば、複雑な工程を必要とせず、生産性よく偏光板を製造することができる。
Claims (4)
- ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくとも1方の面と表面処理が施された吸水率0.1%以下の保護膜の表面処理面とが、ポリビニルアルコール系水溶液型接着剤から得られた厚さ3μm以下の接着剤層を介して貼着されてなる偏光板。
- 接着剤と偏光膜との界面、及び、接着剤と保護膜との界面に存在する空隙の長径が20μm未満である請求項1記載の偏光板。
- 保護膜が、環状オレフィン系樹脂を主成分とする膜である請求項1又は2記載の偏光板。
- 接着剤原液が完全には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する工程を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の偏光板の製造方法。
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