JP2000266935A - 偏光板及びその製造方法 - Google Patents

偏光板及びその製造方法

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JP2000266935A JP7512499A JP7512499A JP2000266935A JP 2000266935 A JP2000266935 A JP 2000266935A JP 7512499 A JP7512499 A JP 7512499A JP 7512499 A JP7512499 A JP 7512499A JP 2000266935 A JP2000266935 A JP 2000266935A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複雑な構成を必要とせず、耐湿熱性に優れ、L
CDの画質に悪影響を及ぼすほどの大きな空隙が偏光膜
と保護膜との貼着面に無い、高偏光度偏光板を提供する
こと。そしてその具体的製造方法を提供すること。 【解決手段】ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくと
も1方の面に、厚さ3μm以下の接着剤又は粘着剤を介
して吸水率0.1%以下の保護膜が貼着されてなる偏光
板とする。また、接着剤原液又は粘着剤原液が完全には
乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する工
程を含む偏光板の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿熱性と光学特
性に優れた高偏光度偏光板、特に液晶ディスプレー(L
CD)用に有用な高偏光度偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高偏光度偏光板は、ポリビニルア
ルコール系(以下、PVAという)フィルムにヨウ素又
は2色性染料を吸着配向させた偏光膜に、保護膜である
トリアセチルアセテートフィルム(以下、TACとい
う)を、接着剤であるPVA樹脂の水溶液が未乾燥又は
半乾燥の流動性がある状態で貼着したものが一般的であ
った。このような簡単な貼着方法が可能であるのは、T
ACの吸水率が3〜6%と大きく、貼着直後に存在する
水分が偏光膜(吸水率は一般に3〜7%である)とTA
Cとに吸収され、そして、やがてその表面から蒸散され
るからである。このようにTACは吸水率が高いがため
の利点もある反面、透湿度も400〜600g/m
dayと大きいため、TACを保護膜とする偏光板は高
温多湿の環境下での偏光性能の低下が激しかった。
【0003】このため透湿度が小さい樹脂からなるフィ
ルムを保護膜とする偏光板が提案されている。例えば、
特開平5−212828号公報では、PVAシートの少
なくとも一面に、アクリル系粘着剤を介して低透湿度の
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートが積層され、加
熱圧着されてなることを特徴とする複合シートが開示さ
れている。また、特開平10−130402号公報では
低透湿度の高分子フィルム、好ましくは芳香環含有モノ
マー単位の結合量が20重量%以上である熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂からなる高分子フィルムが開示されてい
る。
【0004】しかしながら、前記各号公報の保護膜は吸
水性やある種の溶剤に対する耐性に欠けるためか、PV
A偏光膜と保護膜とを貼着するのに、TACの場合に比
し煩雑で生産性に劣る方法によっている。即ち、特開平
5−212828号公報では、(1)水系エマルジョン
型のアクリル系粘着剤を用いて貼着する方法(2)PV
Aシートに溶剤型のアクリル系粘着剤を塗布し、溶剤を
揮発させた後、熱可塑性飽和ノルボルネン型シートと貼
着する方法(3)酢酸エチル、メチルエチルケトン等の
エステル系、ケトン系、アルコール系等の熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂の貧溶媒であって、アクリル系粘着剤が
可溶な溶剤を用いたアクリル系粘着剤を用いる方法
(4)溶剤型アクリル系粘着剤を離型膜(セパレータ
ー)などに塗布し、溶剤を揮発させた後、熱可塑性飽和
ノルボルネン型樹脂シートに転写し、PVAシートと貼
着する方法などが採用されている。そしてアクリル系粘
着剤の塗布厚みは、10〜50μmであり、前記(1)
〜(4)のいずれの方法においても、塗布後、溶剤や水
を加熱(例えば溶剤の場合には、塗布後、60〜110
℃で1〜5分)によって揮発させ、次いで、PVAシー
トと熱可塑性飽和ノルボルネン型樹脂シートとを貼り合
わせ、50〜120℃の温度範囲で加熱し、1〜5分保
ち、次いで1〜10kg/cmで加圧することにより
接着している。
【0005】また、特開平10−130402号公報で
は、離型膜の表面に、アクリル系粘着剤をバーコーター
を用いて、厚さ20μmに塗布し、80℃で2分間乾燥
し、高分子フィルムに転写し、PVA偏光膜の両面に、
アクリル系粘着剤層を介して前記高分子フィルムを貼付
け、90℃で2時間保持し、5kg/cm加圧して接
着する方法が実施例で開示されている。
【0006】このような煩雑な貼着方法を回避するもの
として例えば特開平8−5836号公報がある。これ
は、PVA偏光膜の両面あるいは片面に吸水率が大きい
保護膜(例えばTAC)を、前記PVA偏光膜/TAC
貼着方法と同じ方法で貼り合わせ、さらに保護膜の上に
低透湿度の保護フィルムを貼り合わせる方法が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】液晶ディスプレー(L
CD)は近年益々高画質化が図られ、また、ディスプレ
ー面積の小さいものへの展開も進められている。これに
付随して画素ピッチも必然的に小さくなり、現在では2
0μm×20μmの画素ピッチのものもあり、今後更に
小さくなる方向にある。20μm×20μmの画素ピッ
チの場合には、当然、これに使用される偏光板に長径2
0μm以上の異物や空隙等があると高品質の画像が得ら
れなくなる。
【0008】前記した特開平5−212828号公報、
特開平10−130402号公報においては、耐湿熱性
の改善は見られるものの、偏光膜と保護膜とを貼着する
ときに気泡を巻き込む(空隙が生じる)ことが避けられ
ず、高品質の画像が得られにくい傾向にある。一方、特
開平8−5836号公報においては、耐湿熱性の改善が
見られ、偏光膜と保護膜とを貼着するときに気泡を巻き
込む(空隙が生じる)こともないが、保護膜と保護フィ
ルムとを必要とするため、コスト的にも工程的にも汎用
性があるとは言い難いものである。
【0009】本発明の第1の課題は、複雑な構成を必要
とせず、耐湿熱性に優れ、LCDの画質に悪影響を及ぼ
すほどの大きな空隙が偏光膜と保護膜との貼着面に無
い、高偏光度偏光板を提供することにある。
【0010】第2の課題は、複雑な工程を必要とせず
に、前記第1の課題を解決する具体的製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として本発明は、ポリビニルアルコール系偏光膜の少
なくとも1方の面に、厚さ3μm以下の接着剤又は粘着
剤を介して吸水率0.1%以下の保護膜が貼着されてな
る偏光板であることを特徴とする。
【0012】また、接着剤又は粘着剤と偏光膜との界
面、及び、接着剤又は粘着剤と保護膜との界面に存在す
る空隙の長径が20μm未満であることを特徴とする。
【0013】また、保護膜が環状オレフィン系樹脂を主
成分とする膜であることを特徴とする。
【0014】さらに、接着剤原液又は粘着剤原液が完全
には乾燥していない状態で、偏光膜と保護膜とを貼着す
る工程を含む偏光板の製造方法であることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の偏光膜は、ポリビニルア
ルコール又はその誘導体からなるフィルムを1軸延伸配
向した後、ヨウ素を吸着させ、ホウ酸水処理し、緊張下
で乾燥することにより製造される。あるいは、ポリビニ
ルアルコール又はその誘導体からなるフィルムをヨウ素
の水溶液に浸漬してヨウ素を吸着させた後、ホウ酸水中
で1軸延伸配向し、緊張下で乾燥することからも得られ
る。ヨウ素の代わりに、アゾ系、アントラキノン系、テ
トラジン系等の二色性染料を用いた偏光膜も同様にして
製造される。かくして得られる偏光膜の偏光度は、好ま
しくは90.0%以上、より好ましくは99.0%以
上、さらに好ましくは99.9%以上である。
【0016】吸水率が0.1%以下の保護膜の素材とし
ては特に限定はなく、例えば、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、環状オレフィン系樹脂を主成分とするも
のが例示できる。吸水率が0.1%以下の保護膜であれ
ば透湿度も小さいので、耐湿熱性のある偏光板が得られ
る。保護膜には紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、
滑剤、安定剤等各種公知の添加剤を合目的に添加しても
よい。
【0017】保護膜は実質的に無配向であることが望ま
しい。もしも配向していれば、偏光膜と貼り合わせると
き、偏光膜の配向方向と寸分の狂いもなく合わせなけれ
ばならないからである。保護膜の厚さは通常5〜150
μm、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは
20〜60μmが望ましい。厚さが薄すぎる場合は取り
扱いにくく、厚すぎる場合は後記する貼着後の放置時間
が長くなる傾向にある。
【0018】偏光膜との接着性や(液晶基板と接着する
ための)粘着剤との接着性を向上させるため、保護膜の
表面にコロナ放電処理、オゾンの吹き付け、紫外線照
射、火炎処理、化学薬品処理、その他公知の表面処理を
施してもよい。処理程度は濡れ張力が40dyn/cm
以上、好ましくは50dyn/cm以上、さらに好まし
くは55dyn/cm以上となる程度が望ましい。
【0019】保護膜の製造方法としては特に限定はな
く、公知の製膜法によればよい。例えば、押出し法、カ
レンダー法、溶液流延法が例示できる。
【0020】偏光膜と保護膜とを貼着する接着剤又は粘
着剤としては特に限定はなく、公知のものが使用でき
る。例えば、PVA系、アクリル系、ウレタン系、ポリ
エステル系、エポキシ系、ポリアミド系、塩素化ポリオ
レフィン系等からなる、エマルジョン型、水溶液型、溶
剤型のものが例示できる。初期接着力の点からは、PV
A系水溶液型、2液硬化タイプのアクリル系エマルジョ
ン型がとりわけ好ましい。
【0021】本発明の接着剤又は粘着剤の厚みは、乾燥
後で3μm以下であることが必要である。3μm以下で
あれば、接着剤又は粘着剤と偏光膜との界面、及び、接
着剤又は粘着剤と保護膜との界面に存在する空隙の長径
は通常20μm未満であり、例え20μm又は20μm
をわずかに超える空隙があったとしても単位面積あたり
の数は非常に少ないので、画質を大幅に低下させるもの
ではない。好ましくは2μm以下、より好ましくは1μ
m以下の厚みが望ましい。厚みの下限は接着剤又は粘着
剤の性能によって適宜決めればよいが、一般的には0.
01μmである。
【0022】3μmを超えると、いかなる貼着方法によ
っても、空隙の長径が20μm以上となり、LCDにお
いて高品質の画像が得られない。即ち、接着剤原液又は
粘着剤原液を塗布後、水や溶剤を加熱によって揮発さ
せ、偏光膜と保護膜とを貼合わせ、高温に加熱し、数分
間維持し、次いで、高温高圧で加圧して貼着する方法に
おいては、塗布ムラに起因する接着剤又は粘着剤の厚み
ムラのため、空隙(気泡)の長径が20μm以上あるも
のしか得られない。一方、接着剤原液又は粘着剤原液が
未乾燥又は半乾燥の流動性がある状態で偏光膜と保護膜
とを貼着する方法においては、3μmを超える厚みを確
保するためには貼着圧力を下げざるをえないため、貼着
時に気泡の巻き込みが発生する結果、空隙(気泡)の長
径が20μm以上あるものしか得られない。
【0023】本発明の空隙の長径は、好ましくは20μ
m未満、より好ましくは15μm未満、さらに好ましく
は10μm未満、最も好ましくは5μm未満である。2
0μ以上では、前記したように高品質の画像が得られな
い傾向にある。なお、空隙の長径とは、偏光板の面と平
行な面方向の空隙の形状が真円の場合には直径を、形状
が真円でない場合には最も長い距離をいう。
【0024】保護膜に要求される特性である光線透過
率、機械的強度、リタデーション等の点から、保護膜の
素材としてはとりわけ環状オレフィン系樹脂を主成分と
するものが好ましい。 環状オレフィン系樹脂とは一般
的な総称であり、具体的には、(a)環状オレフィンの
開環(共)重合体を必要に応じ水素添加した重合体、
(b)環状オレフィンの付加(共)重合体、(c)環状
オレフィンとエチレン、プロピレン等α−オレフィンと
のランダム共重合体、(d)前記(a)〜(c)を不飽
和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体
等が例示できる。環状オレフィンとしては特に限定する
ものではなく、例えばノルボルネンやテトラシクロドデ
センが例示できる。
【0025】環状オレフィン系樹脂から保護膜を得る方
法は特に限定はなく、例えば押出し法、カレンダー法等
熱可塑性を利用した方法でも良いが、異物の除去(フィ
ルターによる濾過)、偏肉精度、無配向等の点から、溶
液流延法による製造方法がより望ましい。
【0026】溶液流延法に用いる溶剤としては、シクロ
ヘキサン、シクロヘキセン等の脂環式炭化水素及びそれ
らの誘導体、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素及びそれらの誘導体が例示できる。溶剤
は1種類でもよいが溶液粘度や乾燥条件によっては平滑
な膜が得にくい場合がある。そのときには、レベリング
剤を液に添加するか、あるいは沸点の差が10℃以上あ
る少なくとも2種類の混合溶剤を用いることにより望ま
しい膜が得られる。保護膜の厚み、表面処理は前記した
通りである。
【0027】偏光膜と保護膜とを貼着する方法は、前記
したような接着剤原液又は粘着剤原液を予め乾燥してか
ら貼着する方法でもよいが、生産性よく、且つ、空隙の
長径をより確実に、20μm未満、より好ましくは15
μm未満、さらに好ましくは10μm未満、最も好まし
くは5μm未満にするためには、下記の方法によるのが
よい。
【0028】即ち、接着剤原液又は粘着剤原液が未乾
燥、又は半乾燥の状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する
方法である。接着剤原液又は粘着剤原液は偏光膜に塗布
してもよいし、保護膜に塗布してもよい。貼着は偏光膜
や保護膜の製造とは別工程であってもよいが、偏光膜の
製造時に行うのが生産性の点からより好ましい。偏光膜
の製造速度は一般的には5〜15m/分である。
【0029】接着剤原液又は粘着剤原液の粘度は特に限
定はないが、10〜15000cp(センチポアズ)、
好ましくは100〜12000cpの範囲にあることが
望ましい。10cp未満であると、原液が未乾燥の状態
で貼着する場合にはニップ圧力によって流れ出す結果、
得られる接着剤又は粘着剤の厚みが極端に薄くなりすぎ
る傾向にある。また、半乾燥の状態で貼着する場合には
適度の粘度になるまで乾燥するのに要する時間が長くな
り、生産性という点からは好ましいとは言い難い。一
方、15000cpを超えると、塗布時に充分な注意が
必要となる。
【0030】貼着は公知のいかなる手段を用いてもよい
が、ニップロールによるのが簡便で、且つ、生産性にも
優れるのでより好ましい。ニップロールとしてはゴムロ
ール/金属ロールやゴムロール/ゴムロールの組み合わ
せが例示できる。ニップ圧は、線圧で通常1〜100k
g/cm、好ましくは3〜30kg/cmである。
【0031】貼着が終了したら、ロール巻き状で常温又
は加温(約40℃位)の部屋に約48〜60時間程度放
置しておく。この間に偏光板と偏光板の間から接着剤原
液又は粘着剤原液に含まれていた水や溶剤が蒸散され
る。接着剤又は粘着剤が硬化タイプの場合には、この間
で硬化が完了する。ロール巻き状で放置するだけなの
で、生産性には何ら影響はない。
【0032】保護膜の片面の縦方向両端部に予めエンボ
ス加工を施しておけば、巻きロール内の空気の貫流がさ
らによくなるので、前記の放置時間は24〜30時間程
度に短縮される。エンボス加工を施しておけば、保護膜
製造の巻き取り時に、保護膜の内面と外面とがコスレて
キズが入る恐れが無いという利点もある。
【0033】
【実施例】次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明す
る。本発明において使用した物性値の測定方法及び評価
方法は次の通りである。
【0034】吸水率はASTM D570により23℃
×24hrで測定した。
【0035】透湿度はモコン法(モコン社製 PERM
ARTRAN−W600型透湿度測定装置)により40
℃×90%で測定した。
【0036】接着剤又は粘着剤の乾燥後の平均厚み及び
空隙の長径は、任意の500ケ所の断面を走査型電子顕
微鏡写真(SEM)にとり、特定した。
【0037】偏光板の偏光度は、以下の方法により算出
した。即ち、配向方向が同一方向になるように2枚の偏
光板を重ね合わせて、分光光度計を使用して400nm
から700nmまで連続的に測定した、光線透過率の値
の平均値をT1 とする。次に、配向方向が互いに直交
する方向になるように2枚の偏光板を重ね合わせて、同
様にして測定した光線透過率の値の平均値をT2 とす
る。そして下記数1により偏光度を算出した。数値が大
きいほど偏光性能がよい。
【0038】(数1)
【0039】偏光板の耐湿熱試験は、偏光板を200m
m角に切り取って、恒温恒湿器を85℃×93%RH雰
囲気と25℃×99%RH雰囲気とに12時間ずつ交互
に設定変更し、この恒温恒湿器内にのべ2000時間放
置することにより行った。偏光度保持率とは、試験後の
偏光度を試験前の偏光度で除した値に100を掛けた数
値である。数値が大きいほど耐湿熱性がよい。
【0040】(実施例1)環状オレフィン系樹脂(日本
ゼオン株式会社製 ZEONEX E48R)100重
量部をシクロヘキサン80重量部とキシレン80重量部
とからなる混合溶媒に溶解し、流延法によりフィルムを
製膜し、両端約15mm幅をトリミングし、次いで両面
を空気中で処理強度115W/m・分でコロナ放電処
理をして、厚み50μm、幅300mm、長さ100m
×2本の保護膜を得た。この保護膜の吸水率は0.01
%、透湿度は3.1g/m・24時間、濡れ張力は6
0dyn/cmであった。
【0041】(実施例2)PVA系フィルム((株)ク
ラレ製 クラレビニロンフィルムVF−9X75R、厚
み75μm、幅280mm)を、加熱金属ロール/加熱
金属ロール(温度110℃、直径350mm、加圧力
3.8t)間で圧延することにより縦方向に3.4倍
(厚み換算で)の1軸延伸をし、次いで、フィルムの両
端約10mm幅をトリミングし、次いで、加熱金属ロー
ル/加熱金属ロール(温度110℃、直径350mm、
加圧力3.8t)間でさらに1.2倍(厚み換算で)の
1軸延伸をし、次いで、パンに入れたヨウ素水溶液(水
18000gにヨウ素90gとヨウ化カリウム1440
gとを溶解させた液)に緊張下で30秒浸漬し、水切り
ロールによって水切りし、次いで、パンに入れた60℃
硼酸水溶液(水6000gに硼酸300gとヨウ素1.
5gとヨウ化カリウム24gとを溶解させた液)に緊張
下で5秒浸漬し、水切りロールによって水切りし、次い
で、緊張下で冷風によって乾燥した(これによって偏光
膜が得られたことになる)。
【0042】次いで、この偏光膜をパンに入れたエマル
ジョン型2液タイプのアクリル系接着剤(主剤が日本合
成ゴム株式会社製 イーテックエマルジョンAE32
2、硬化剤が日本ポリウレタン工業株式会社製 アクマ
ネート、主剤:硬化剤=100:10、粘度600c
p)に緊張下で2秒浸漬した後引き上げ、直ちに偏光膜
の両面に実施例1で得た保護膜がくるようにして、ゴム
ロール/金属ロール(ゴムロール直径200mm、金属
ロール直径350mm、線圧10kg/cm)間でニッ
プし、巻き取った。なお、縦延伸から巻き取りに至るま
での操作は全て一連の操作であり、巻き取り速度は10
m/分であった。
【0043】このロール巻き状物(50m長)を40℃
の部屋に48時間放置した。かくして得られた偏光板の
物性値及び評価結果を表1に示す。
【0044】(比較例1)実施例1で得た保護膜に実施
例2で使用したアクリル系接着剤を、(乾燥後の厚みが
5μmとなるように)塗布し、80℃で30分加熱して
十分乾燥を行った。次いで、実施例2のアクリル系接着
剤に浸漬する前の偏光膜の両面に、接着剤を介して保護
膜がくるようにして、温度90℃、線圧10kg/cm
のゴムロール/金属ロール間でニップし、次いで、90
℃に10分間保った後、再度温度90℃、線圧5kg/
cmでニップした。次いで、これを40℃の部屋に48
時間放置した。かくして得られた偏光板の物性値及び評
価結果を表1に示す。
【0045】(実施例3)接着剤としてPVA水溶液
(粘度は7000cp、PVAは重合度500)を用
い、偏光膜と保護膜との貼着圧を線圧5kg/cmとし
た以外、実施例2と同様にして偏光板を得た。この物性
値及び評価結果を表2に示す。
【0046】(比較例2)保護膜としてTAC(貼着面
を予め10wt%苛性ソーダ水溶液でケン化処理したも
の)を用いた以外、実施例3と同様にして偏光板を得
た。この物性値及び評価結果を表2に示す。
【0047】(表1) (表2)
【0048】
【発明の効果】本発明は以上のような構成からなるの
で、以下に記載する効果を奏す。
【0049】本発明の偏光板は耐湿熱性に優れ、且つ、
LCDの高画質化に最適な偏光板である。
【0050】本発明の製造方法によれば、複雑な工程を
必要とせず、生産性よく偏光板を製造することができ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BA28 BA37 BB22 BB30 BB43 BB51 BC14 BC22 4F100 AK03C AK21A AK25G AK69A BA03 BA10A BA10C BA32 CB05B EC182 EH012 EH46 EJ19 EJ37 EJ42 EJ91 GB41 JD04 JD15C JJ03 JL11B JL13B JM02A JN00 JN10A YY00B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系偏光膜の少なくと
    も1方の面に、厚さ3μm以下の接着剤又は粘着剤を介
    して吸水率0.1%以下の保護膜が貼着されてなる偏光
    板。
  2. 【請求項2】接着剤又は粘着剤と偏光膜との界面、及
    び、接着剤又は粘着剤と保護膜との界面に存在する空隙
    の長径が20μm未満である請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】保護膜が、環状オレフィン系樹脂を主成分
    とする膜である請求項1又は2記載の偏光板。
  4. 【請求項4】接着剤原液又は粘着剤原液が完全には乾燥
    していない状態で、偏光膜と保護膜とを貼着する工程を
    含む請求項1〜3のいずれか1項記載の偏光板の製造方
    法。
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