JP3579079B2 - スライド窓 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はスライド窓に関する。さらに詳しくは、建物のトップライト(天窓)などとして使用される、閉じたときの密閉効果が高いスライド窓に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なスライド式のトップライトは、窓枠と、その窓枠の表面に固定したシール材と、そのシール材を介して窓枠上に押しつけられる障子体とを備えている。このものはそのまま障子体をスライドさせるとシール材が擦れてしまうので、シール材を下側に逃がすか、障子体を上側に浮かしてからスライドさせる必要がある。前者の形式のスライド窓として、たとえばシール材を支持する枠状の部材(シール枠)を窓枠に対して上下方向にスライド自在に設け、障子体が窓の位置に来たときにシール枠を上昇させて密閉し、窓を開けるときはシール枠を下側に退避させるものがある(特開平4−102680号公報など)。このものは実質的に左右一対のケーブルを引き回すことにより、シール枠の上昇に続いて障子体の前進を行い、障子体の後退に続いてシール枠の下降を行うという一連の動作を1個の駆動源で順次行うようにしている。しかしこのものは、シール枠と障子体の二つのものを別々の方向に移動させ、しかもそれぞれの摺動部でシールをする必要があるので構成がきわめて複雑になる。さらにシール枠は前後左右の幅に比してスライドストロークが短いので、スティックを防ぐため、および均一なシール圧をうるために周囲全体の同調をとるのが好ましいが、その同調機構も複雑になる。
【0003】
また障子体の後部の左右に比較的短い間隔をあけてネジ式のリフト機構を設け、障子体を窓枠と平行にいわば片持ち支持するタイプのスライド窓も提案されている(実開平2−51676号公報参照)。このものは障子体が片持ち支持の状態でリフト・ダウンするので、運動剛性が低く、動作時、とくにリフト・ダウンのときに振動が大きい問題がある。また片持ち支持の状態でシール材を窓枠に押しつけるので、均一に押しつけることができず、とくに長期間の使用後はシールが不均一になる問題がある。
【0004】
他方、窓を開けるとき、まず障子体の後部側だけを浮かせ、ついで障子体を斜めの状態に保持したまま前方へスライドさせる、いわゆるチルト式のスライド窓も提案されている(特開昭57−112584号、実開平3−35178号、実開平3−63680号の各公報参照)。これらのスライド窓はチルト駆動とスライド駆動とを同一の駆動機構で行いやすい利点があるが、障子体のスライドガイドが屋外に出るので防錆上好ましくない。また障子体がシ−ル材を押し付けるときに不均一なりやすい。さらに前記いずれのスライド窓も、ネジやリンクなどの多くの部品を使用し、複雑であるため、比較的高価になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来のスライド窓における難点を解消し、比較的機構が簡単で、障子体の支持の剛性が高く、安定して昇降操作および開閉操作をすることができ、均一なシール作用がえられるスライド窓を提供することを技術課題としている。さらに本発明は前記利点を有しつつ、防錆上の問題が少ないスライド窓を提供すること、および一つの駆動源でリフト・ダウンと往復スライドを行うことができるスライド窓を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
窓枠と、その窓枠の表面にシール材を介して押しつけられる障子体と、その障子体をリフト・ダウンさせるリフト機構と、前記障子体をリフトした位置から窓枠と平行に前進・後退させる走行駆動装置とからなり、前記障子体の後端部に、窓枠に対して走行自在である後部サポートが取付けられており、前記窓枠の前端部に、障子体に対して相対的に走行する前部サポートが取付けられており、前部サポートと後部サポートとが、走行駆動装置による前進操作の初期に前後が同調したリフト動作を行い、かつ、後退操作の最後に前後が同調したダウン動作を行うように構成されていることを特徴としている。
【0007】
かかるスライド窓の構成は、たとえば前記窓枠の左右に、前後に延びると共に、後端が後方に向かって斜めに下降する第1ガイドが設けられ、前記障子体の左右に、前後に延びると共に前端が前方に向かって斜めに上昇する第2ガイドが設けられており、前記後部サポートが第1ガイドによって案内され、前部サポートが第2ガイドによって案内されており、かつ、前記走行駆動装置が障子体に連結されていることによって実現しうる。前記第1ガイドおよび(または)第2ガイドがそれぞれ側方に開口するガイド溝であり、前記後部サポートおよび(または)前部サポートが、対応するガイド溝内を転動するローラをもうけるものが好ましい。また前記第1ガイドおよび(または)第2ガイドがそれぞれ側方に突出するガイドレールであり、前記後部サポートおよび(または)前部サポートが、対応するガイドレールを上下から挟んで転動する一対のローラを設けるものが好ましい。
【0008】
また本発明のスライド窓の第2の態様においては、窓枠と、その窓枠の表面にシール材を介して押しつけられる障子体と、その障子体を窓枠と対応する位置でリフト・ダウンさせるリフト機構と、前記障子体をリフトした位置から窓枠と平行に前進・後退させる走行駆動装置とからなり、前記窓枠の左右に、前記走行駆動装置によりそれぞれ前後方向に往復駆動されるガイドバーが設けられており、前記リフト機構がそのガイドバーの前進・後退させることにより駆動するものであり、障子体と窓枠との間に障子体がリフトするまで障子体の前進を妨げるストッパ機構が設けられており、前記リフト機構が、走行駆動装置による障子体の相対的な前進運動の初期に、障子体をリフトし、走行駆動装置による障子体の相対的な後退運動の最後に、障子体をダウンするように構成されている。そのようなリフト機構としては、障子体またはガイドバーのうちいずれか一方に固定されたサポートに形成された傾斜カムと、その傾斜カムによって案内されるガイド要素とから構成することができる。また、両端が障子体およびガイドバーにそれぞれ回動自在に連結されたリンクからなる後部サポートおよび前部サポートを有し、それらのリンクが障子体のダウン時に後部に向かって下降するように傾斜させることによっても構成することができる。さらに前記ストッパ機構が、ストッパローラと、障子体が下降しているときにそのストッパローラと当接して障子体の前進を妨げるストッパ段部とから構成することができる。
【0009】
【作用】
本発明のスライド窓においては、窓が閉じている状態から走行駆動装置が障子体を前進させようとすると、まず窓枠と障子体の間で、それぞれの後端近辺の左右および前端近辺の左右にあるサポートがリフト動作をし、障子体を窓枠と平行にリフトさせる。それによりシールが解除され、空気の流通が確保されると共に、雨の降り込みを防ぐ。そのとき、障子体は前後左右のサポートにより4隅が安定して支持されている。そしてリフト動作の完了後、その平行な状態を維持したまま、障子体を前進させることにより、窓を開放することができる。窓を閉じる場合は、前記と逆に、障子体は平行状態を維持しながら後退し、窓枠に対応する位置でリフト機構により下降し、窓枠のシール材に押しつけられる。そのばあい障子体はサポートによりその4隅が均等にシール材に押しつけられる。
【0010】
さらに本発明のスライド窓は、後部側のサポートが障子体の後端近辺に取りつけられており、前部側のサポートが窓枠の前端近辺に取りつけられているので、昇降時には障子体をその4隅で安定して支持し、かつシール時には障子体をその4隅で窓枠にしっかりと押しつける。なお障子体が一旦上昇した後は、前後のサポートの間隔がしだいに狭くなりながら前進し、障子体が開ききったときは片持ち状態になるが、それらの運動の間は昇降動作もシール動作も行わないので問題はない。
【0011】
請求項2のスライド窓では、窓が閉じている状態から走行駆動装置によって窓枠が前進方向に駆動されると、窓枠に設けられる第1ガイドの傾斜部によって障子体の後部サポートが斜め前方に案内され、同時に窓枠の前方の前部サポートによって障子体の第2ガイドが斜め前方に案内される。そのため障子体全体が窓枠と平行な状態を維持しながら斜め前方に引き上げられる。さらに走行駆動装置により障子体が前方に引かれると、障子体は後部サポートが第1ガイドに案内され、第2ガイドが前部サポートで方向付けされながら前方に移動する。窓を閉じるときは前述とは逆の順で閉じる。そして最終的に障子体は第1ガイドの傾斜部および第2ガイドの傾斜部に対応する角度で、その4隅が窓枠に押しつけられることになる。
【0012】
請求項3および請求項4のスライド窓では、ガイドとサポートとが、ローラとガイド溝ないしガイドレールの係合で案内されるので、摩擦が少なく、動きがスムーズで効率がよい。
【0013】
本発明のスライド窓の第2の態様では、窓を開く動作の初期にガイドバーが走行駆動装置で前方に引かれるが、障子体はストッパで元の位置に停止している。そのためガイドバーと障子体との間に相対的なずれが生じ、そのずれによりリフト機構が働いて、障子体がその位置で、すなわち前進せずにまっすぐ上昇する。そして上昇が完了してストッパの作用が解除された後、障子体はガイドバーに引かれるようにして前進する。後退する場合は上記の逆の動きとなる。なおリフト機構はカム式でもリンク式でもよいが、シール材を押しつける力についてはリンク式の方が高くすることが可能である。ストッパ機構にストッパロールを用いると動きがスムーズになる。
【0014】
【実施例】
つぎに図面を参照しながら本発明のスライド窓を説明する。図1は本発明のスライド窓の一実施例を示す一部切り欠き斜視図、図2aはその作動順序を示す作動線図、図2bは図1のII−II 線断面図、 図3は図1のIII−III 線断面図、図4は図3の要部拡大断面図、図5は図4の矢印Vから見た要部拡大側面図、図6は本発明に関わるスライド窓における駆動部の一実施例を示す斜視図、図7は本発明に関わるガイドの他の実施例を示す要部断面図、図8は図7のガイドを備えたスライド窓の概略側面図、図9は本発明のスライド窓の他の実施例を示す一部省略斜視図、図10は図9のスライド窓におけるリフト機構を示す拡大斜視図、図11は本発明に関わる駆動部の他の実施例を示す要部断面図、図12は図11のXII−XII 線断面図、図13は図11の駆動機構を駆動するモータおよび減速機の部分を示す断面図、図14および図15はそれぞれ図10に示すリフト機構の動作状態を示す部分拡大側面図、図16は本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す部分斜視図、図17は本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す部分断面図、図18および図19はそれぞれ本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す概略斜視図である。
【0015】
図1に示すスライド窓Aは建物の開口部に固定される窓枠1と、その窓枠1に対し、前後左右の板状のサポート2、3で支持される枠状の障子体4とから構成される。障子体4には板ガラス5が嵌め込まれており、窓枠1の表面にはゴム製のシール材6が固定されている。前記サポート2、3のうち、後部側(図面の左手前側)の左右の一対のサポート(以下後部サポートという)2は障子体4の内側面に固定されており、前部側の一対のサポート(前部サポート)3は窓枠1の内側面に固定されている。さらに窓枠1の左右の内側面および障子体4の左右の内側面には、図2bに詳細に示すように、それぞれ第1ガイド溝7および第2ガイド溝8が設けられている。そして前記後部サポート2の下端および前部サポート3の上端には、それぞれそれらの第1ガイド溝7および第2ガイド溝8内を転動するように嵌め込まれるローラ9、10が回転自在に取りつけられている(図3および図4参照)。なお上記の説明で「前」、「後」というのは、障子体4が窓を開けるために前進する方向および閉じるために後退する方向を意味し、建物に対する取りつけ方向とは無関係である。また「右」、「左」というのは後部側から見た場合で示している。
【0016】
図2bに示すように、前記第1ガイド溝7の後端には後方に向かって下降するように傾斜する後カム部11が設けられており、第2ガイド溝8の前端には前側に向かって上昇するように傾斜する前カム部12が設けられている。さらに図3に示すように、後部サポート2の下部には、窓枠1の内側面上を転動する横ガイドローラ13が回転自在に取りつけられており、前部サポート8の上部には障子体4の内側面と当接してガイドする横ガイドローラ14が回転自在に取りつけられている。なお図3の符号15、16は左右の後部サポート2、2の下部に連結された公知のスライド駆動用のギヤードケーブルであり、符号17、18はそれらのギヤードケーブル15、16を摺動自在に案内するための案内溝である。また符号17a、18aはそれらのギヤードケーブル15、16の自由端側を摺動自在に収容する案内溝である。
【0017】
図4および図5は左側の案内溝17によって案内されるギヤードケーブル15と後部サポート2との連結状態を示している。なお右側の場合も同じである。案内溝17はギヤードケーブル15が摺動する断面円形の孔19と、その孔の側方から外部と連通するスリット20とを備えている。後部サポート2の下端には、ピン21で連結リンク22が回動自在に連結されており、ギヤードケーブル15の先端には連結治具23が固着されている。連結治具23はスリット20を通って側方に伸びる枝部24を有し、その枝部24に一体に設けられるピン25に、前記連結リンク22の下部が回動自在に連結されている。なお案内溝17、18の後端側、すなわち図2bの後カム部11と対応する部分は、まっすぐに延びていてもよいが、後カム部11と同じように後方に向かって下降するようにしてもよい。なお図4にはローラ9がピン26により後部サポート2に回転自在に取りつけられている状態が詳細に示されている。
【0018】
図6は前記の左右一対のギヤードケーブル15、16の駆動装置Bまわりの構成を示している。案内溝17、18aの前端部には、窓枠1の側壁1aに沿って配索されてきたギヤードケーブル15、16の向きを前壁1bの方向に変えるためのパイプ27、28が連結されており、それらのパイプ27、28は長さ調節部材29を介してそれぞれハウジング30に連結されている。そのハウジング30内にはギヤードケーブル15、16と噛み合うギヤ31が回転自在に設けられており、ハウジング30内に平行に導かれた一対のギヤードケーブル15、16はそのギヤ31の上下の両側とかみ合っている。そしてハウジング30から出てきたギヤードケーブル15、16はさらに交差状に配設される一対のパイプ27a、28aにより上下が逆にされた上で、右側の側壁1cに沿うように方向を変えられ、左側の場合と同じように窓枠1の右側の案内溝18、17aに導かれる。なお図6の符号Mは減速機およびベベルギヤを介して前記ギヤ31を回転駆動するためのモータであり、符号32は手動でギヤ31を往復回転するための駆動軸である。
【0019】
つぎに上記のごとく構成されるスライド窓Aの作用を説明する。まず窓が閉じている状態では、図2bの実線で示すように、後部のローラ9は後カム部11の下端に位置しており、前のローラ10は前カム部12の上端に位置している。そのため障子体4はもっとも下降しており、ギヤードケーブル15、16の押し圧力でシール材(図1の符号6)を介して窓枠1に押しつけられている。この状態から、図6のモータMの駆動によりギヤ31が矢印S1方向に回転すると、左右のギヤードケーブル15、16がそれぞれ右および左に駆動される。そのため左右の壁部1a、1cに沿っている部分は、それぞれ前側に引かれる。したがって図2の後部サポート2も前側(矢印F)に駆動される。その駆動力により、後部のローラ9は後カム部11の傾斜面を昇ると共に、障子体4の前側は、前カム部12が前のローラ10で案内されることにより、その前カム部12の方向に上昇していく。したがって障子体4の全体は図2aに示す矢印F1のように窓枠1との平衡状態を維持しながら上昇し、矢印F2のごとく前進する。それによりシール作用が解除される(図2bの想像線P1)。
【0020】
引き続いて左右のギヤードケーブル15、16が前方に駆動されると、前のローラ9は窓枠1の第1ガイド溝7に案内されてその中を前方へ転動し、障子体4の前側は第2ガイド溝8が前のローラ10によって案内されながら前進する(図2aの矢印F2)。そして後のローラ9が第1ガイド溝7の前端に当接し、第2ガイド溝8の後端が前のローラ10に当接したときが窓の全開の状態である(想像線P2)。また前進するにつれてハウジング30から出ていくギヤードケーブル15、16は反対側の壁部に設けられている案内溝17a、18bに収容されていく。なお窓が開いていくにしたがって後部サポート2は前部サポート3に近づいていき、しだいに片持ち支持の状態になっていくが、単なるスライド移動であるため、振動が生じたり不安定な状態になったりすることはない。
【0021】
窓を閉じる場合は前述と逆の順に進行する。すなわちモータMが矢印S2方向に回転すると、左右のギヤードケーブル15、16は後方に押され、それにより障子体4は窓を閉じていく。そしてそれぞれのローラ9、10が前および後のカム部11、12にかかると、障子体4は下降しながら後退し、最終的にシール材を押圧する。
【0022】
以上のように図1などのスライド窓Aは、障子体4に固定した後部サポート2が窓枠1によって前後に案内され、窓枠1に固定した前部サポート3が障子体4の前部を前後に案内するので、障子体4が窓枠1と対応する位置でリフト・ダウンするとき、サポート2、3が障子体4の4隅を支持しながらリフト・ダウンする。そのため振動が少なく、耐久性が高く、しかもシール材6を均一に、かつ、しっかりと押えられる利点がある。また前記実施例では、障子体4のリフト・ダウンは、ローラ9、10とカム部11、12との係合からなるカム機構により前後方向の運動を上下方向の運動に変換することにより行なっているので、ギヤードケーブル15、16およびその駆動装置Bを有する同一の駆動源で逐次的に操作することができる。そのため駆動源を別にする場合のような電気的ないしメカ的なインターロックをとる必要がなく、機構がシンプルである。
【0023】
上記実施例では、ローラ9、10と第1ガイド溝7および第2ガイド溝8により障子体4の前後の動きを案内し、かつその一部で上下操作を行なうカム機構を構成しているが、図7および図8に示すように、第1ガイド溝7および第2ガイド溝8に代えて、それぞれ側方(内側)に突出する第1ガイドレール35および第2ガイドレール36でガイドを構成してもよい。その場合はローラとして、それらのガイドレール35、36を上下からはさむ一対のローラ対37、38を用いるのが好ましい。なお図7における符号39は摺動摩擦を少なくするためのライナであり、図8の符号40はストッパである。
【0024】
また上記実施例では、カム機構により前後方向の運動を上下の運動に変換しているが、たとえば後述するリンク機構(図15、16参照)やXアームないしパンタグラフのようなリンク機構など、他の機構を採用してもよい。さらに前後左右のサポート2、3内に、前後方向の駆動源と同一または別個の駆動源で互いに同調して作動する同じようなリンク機構などからなるリフト機構を内蔵させれば、後部サポート2と窓枠1、および前部サポート3と障子体4とのガイドは、ローラを用いないスライドガイド装置、たとえばロッドとスライドブッシュなどにより行わせることができる。
【0025】
図9に示すスライド窓A2は、前述の実施例とは異なり、窓枠1に対して前後方向に移動自在に設けたガイドバー41と、障子体4の4隅に下向きに突出させたカム板42、43との間の相対運動に基づくカム機構で障子体4をリフト・ダウンさせるものである。すなわち図10に詳細に示すように、ガイドバー41はローラ44により窓枠1のガイド面1d上に移動自在に設けられており、前後端部に上向きにサポート2、3を固定している。サポート2、3の上端にはローラ9、10が回転自在に取りつけられており、それらのローラはカム板42、43に形成したカム溝45と係合している。さらに後部のカム板42の後端は下方に伸ばされ、その下端にストッパローラ46が回転自在に取りつけられている。そして窓枠1のストッパローラ46と対応する部分には、ストッパローラ46が上昇しない限り前進できないような壁部ないしストッパ段部47が形成されている。さらにストッパローラ46の後部には図11に示す後端ストッパ47aが設けられている。
【0026】
さらに本実施例では、走行駆動装置として、図11および図12に示すように、ガイドバー41の下面に固定したラック48と、そのラックと噛み合うように、窓枠1内に回転自在に設けられたギヤ49と、そのギヤを回転駆動する軸50とを備えている。その軸50は、たとえば図13に示す遊星歯車減速機の一種であるハイポサイクロ減速機51などの逆転させにくい減速機、さらに平歯車列からなる減速機52、53を介してモータMに連結されている。なお平歯車列からなる減速機とハイポサイクロ減速機51とを連結する出力軸54には、ベベルギヤ55、56を介して手動操作用の駆動軸57が連結されている。
【0027】
上記のように構成されるスライド窓A2において、図13のモータMが回転すると、軸50を介して図11のギヤ49が回転し、ラック48およびそれに固定したガイドバー41を前後に駆動する。そして窓が閉まっている状態からガイドバー41が前進すると、図14および図15に示すように、ローラ9がカム溝45の上面を前方に押す。そのときストッパローラ46がストッパ段部47に当接しているので、障子体4は前進せず、ローラ9とカム溝45との係合により、その場で上昇する。そして図15のように障子体4が上昇しきったとき、はじめてストッパローラ46が窓枠1のガイド面1dに乗り上げる。さらにガイドバー41を前進させると、ローラ9がカム溝45の前端と係合して、障子体4を前進させる。なお障子体4の前側ではストッパローラがないが、図9のローラ10とカム溝45との係合により、上昇位置に保持されているので、障子体4の窓枠1に対する平行は確保されている。
【0028】
窓を閉じる場合は前述と逆に、ガイドバー41が後退するとローラ9がカム溝45の下面を後方に押し、障子体4を後退させる。なおストッパローラ46がガイド面1dで支持されていること、および前後のローラ9、10がガイドバー41で連結されていることから、前後のローラ9、10はそれぞれカム溝45の前端の位置を維持したままカム板42、43を後方に押すことができる。そしてストッパローラ46がストッパ段部47内に達し、後端ストッパ47aに当接したとき、ローラ9の後方に押す力がカム溝45の傾斜面により障子体4を下降させる力に変換され、障子体4がシール材に強く押しつけられる。
【0029】
上記スライド窓A2においてはローラ9をカム溝45内で転動させているが、ローラ9に代えて、単なる軸ないしロッドあるいはスライドブッシュなどの各種のガイド要素を採用することができる。またローラ9などをカム溝45の傾斜面にスライドさせて前後方向の運動を上下方向の運動に変換しているが、図16に示すスライド窓A3のように、障子体4とガイドバー41との間に設けた平行リンク58、59により変換するようにしてもよい。なお下降状態では、平行リンク58、59はガイドバー41との連結側、すなわち下端側が後方にずれるように傾斜させておく。それによりガイドバー41が前進すると、障子体4はストッパローラ46で前進が阻まれているので、平行リンク58、59が障子体4との連結部60を回転中心として矢印N方向に回動し、障子体4が上昇する。その他の作用は前述の図9のスライド窓A2と同じである。
【0030】
図17は前記スライド窓A3において、ストッパローラ46が転動する窓枠1上のガイド面61とガイドバー41を支持するローラ42が転動するガイド面1dとが異なる場合を示している。なおこのような構成は図9のスライド窓A2においても採用しうる。
【0031】
図18は図9のリフト機構の変形例であり、後部側は図9のスライド窓A2と同じカム機構を採用し、前部側はそのカム機構を上下逆に設けている。すなわち後部側では短いガイドバー41に設けたローラ9、9とカム板42に設けたカム溝45とを係合させ、さらにストッパローラ46とストッパ段部47とを係合させており、それにより前後方向の運動を上下方向に変換している。そして前部側では短いガイドバー41aを障子体4の側にスライド自在に設け、そのガイドバー41aに設けたローラ10、10とカム溝45a、45aとの係合により前後運動を上下運動に変換している。なお前部側のガイドバー41aは、窓を開く初期、すなわち障子体4が上昇する間は後部側のガイドバー41と逆方向(矢印Q)に同調して動き、上昇が完了するとローラ9a、10aとカム溝45との係合でそれ以上後退しないように、たとえば作動歯車など(図示されていない)を介して前部のガイドバー41と連結されている。このものは図1のスライド窓Aと同じように、窓が開くにしたがって前後のサポート2、3間の距離が狭くなるが、ガイドバー41aが窓枠1から前方へ突出しない利点がある。なお前部側のカム溝45a、45aの傾斜方向を逆にし、窓を開ける初期に前後のガイドバー41、41aを同じ方向に動かすようにしてもよい。
【0032】
図19は図16のリフト機構に対し、図18と同様の変形を行なった例を示している。したがって対応する符号を付して詳細な説明を省略する。なお後部の平行リンク58および前部の平行リンク59をそれぞれ2個ずつにしてもよい。またこのものにおいても、前部の平行リンク59の向きを逆にし、窓を開ける初期に前後のガイドバー41、41aを同方向に動かすようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明のスライド窓は、障子体の4隅を支持しながら障子体を窓枠に対して平行に保ちつつ強制的にリフト・ダウンさせるので、振動などが少ない安定した動作を行なうことができる。しかも障子体をシール材を介して窓枠に均一に押し付けるので、シールが確実であり、また耐久性が高い。さらに簡単な構成で障子体のリフトダウンと前後のスライド動作とを、同一の駆動源で一連の動きで行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライド窓の一実施例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】図2aは図1のスライド窓の作動順序を示す作動線図であり、図2bは図1のII−II 線断面図である。
【図3】図1のIII−III 線断面図である。
【図4】図3の機構の要部拡大断面図である。
【図5】図4の矢印Vから見た要部拡大側面図である。
【図6】本発明に関わるスライド窓における駆動部の一実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明に関わるガイドの他の実施例を示す要部断面図である。
【図8】図7のガイドを備えたスライド窓の概略側面図である。
【図9】本発明のスライド窓の他の実施例を示す一部省略斜視図である。
【図10】図9のスライド窓におけるリフト機構を示す拡大斜視図である。
【図11】本発明に関わる駆動部の他の実施例を示す要部断面図である。
【図12】図11のXII−XII 線断面図である。
【図13】図11の駆動機構を駆動するモータおよび減速機の部分を示す要部断面図である。
【図14】図10に示すリフト機構の動作状態を示す部分拡大側面図である。
【図15】図10に示すリフト機構の動作状態を示す部分拡大側面図である。
【図16】本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す部分斜視図である。
【図17】本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す部分断面図である。
【図18】本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す概略斜視図である。
【図19】本発明に関わるリフト機構のさらに他の実施例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
A スライド窓
1 窓枠
2 後部サポート
3 前部サポート
4 障子体
6 シール材
7 第1ガイド溝
8 第2ガイド溝
9 ローラ
10 ローラ
11 後カム部
12 前カム部
B 駆動装置
35 第1ガイドレール
36 第2ガイドレール
37 ローラ
38 ローラ
A2 スライド窓
41 ガイドバー
45 カム溝
46 ストッパローラ
47 ストッパ段部
A3 スライド窓
58 平行リンク
59 平行リンク
Claims (9)
- 窓枠と、その窓枠の表面にシール材を介して押しつけられる障子体と、その障子体をリフト・ダウンさせるリフト機構と、前記障子体をリフトした位置から窓枠と平行に前進・後退させる走行駆動装置とからなり、前記障子体の後端部に、窓枠に対して走行自在である後部サポートが取付けられており、前記窓枠の前端部に、障子体に対して相対的に走行する前部サポートが取付けられており、前部サポートと後部サポートとが、走行駆動装置による前進操作の初期に前後が同調したリフト動作を行い、かつ、後退操作の最後に前後が同調したダウン動作を行うように構成されている、スライド窓。
- 前記窓枠の左右に、前後に延びると共に、後端が後方に向かって斜めに下降する第1ガイドが設けられ、前記障子体の左右に、前後に延びると共に前端が前方に向かって斜めに上昇する第2ガイドが設けられており、前記後部サポートが第1ガイドによって案内され、前部サポートが第2ガイドによって案内されており、かつ、前記走行駆動装置が障子体に連結されている請求項1記載のスライド窓。
- 前記第1ガイドおよび(または)第2ガイドがそれぞれ側方に開口するガイド溝であり、前記後部サポートおよび(または)前部サポートが、対応するガイド溝内を転動するローラを有する請求項1記載のスライド窓。
- 前記第1ガイドおよび(または)第2ガイドがそれぞれ側方に突出するガイドレールであり、前記後部サポートおよび(または)前部サポートが、対応するガイドレールを上下から挟んで転動する一対のローラを有する請求項1記載のスライド窓。
- 前記窓枠の左右に、前記走行駆動装置によりそれぞれ前後方向に往復駆動され、その往復運動によって前記障子体を前進・後退させるガイドバーが設けられており、
それらのガイドバーと障子体との間に前記リフト機構が介在されると共に、
前記障子体と窓枠との間に、障子体がリフトするまで障子体の前進を妨げるストッパ機構が設けられている請求項1記載のスライド窓。 - 窓枠と、その窓枠の表面にシール材を介して押しつけられる障子体と、その障子体を窓枠と対応する位置でリフト・ダウンさせるリフト機構と、前記障子体をリフトした位置から窓枠と平行に前進・後退させる走行駆動装置とからなり、前記窓枠の左右に、前記走行駆動装置によりそれぞれ前後方向に往復駆動されるガイドバーが設けられており、前記リフト機構がそのガイドバーを前進・後退させることにより駆動するものであり、障子体と窓枠との間に障子体がリフトするまで障子体の前進を妨げるストッパ機構が設けられており、前記リフト機構が、走行駆動装置による障子体の相対的な前進運動の初期に、障子体をリフトし、走行駆動装置による障子体の相対的な後退運動の最後に、障子体をダウンするように構成されている、スライド窓。
- 前記リフト機構が、障子体またはガイドバーのうちいずれか一方に固定されたサポートに形成された傾斜カムと、その傾斜カムによって案内されるガイド要素とからなる請求項5または6記載のスライド窓。
- 前記リフト機構が、両端が障子体およびガイドバーにそれぞれ回動自在に連結されたリンクからなる後部サポートおよび前部サポートを有し、それらのリンクが障子体のダウン時に後部に向かって下降するように傾斜している請求項5または6記載のスライド窓。
- 前記ストッパ機構が、ストッパローラと、障子体が下降しているときにそのストッパローラと当接して障子体の前進を妨げるストッパ段部とからなる請求項5または6スライド窓。
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