JP3578423B2 - 三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物および金属表面処理剤 - Google Patents

三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物および金属表面処理剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属表面の防錆の改善等を行うための表面処理剤、特にはプリント回路用銅張積層板等に用いられる銅箔用表面処理剤およびそれに好適な新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路用の銅張積層板は銅箔を紙−フェノール樹脂含浸基材やガラス−エポキシ樹脂含浸基材等に加熱、加圧して積層して形成され、これをエッチングして回路網を形成し、これに半導体装置等の素子を搭載することにより電子機器用のボードが作られる。
【0003】
これらの過程では基材との接着、加熱、酸やアルカリ液への浸漬、レジストインクの塗布、ハンダ付け等が行われるため、銅箔には各種の性能が要求される。また保管時に銅箔の酸化変色がないことも要求されている。これらの要求を満たすために、黄銅層形成処理(特公昭51−35711号公報、同54−6701号公報)やクロメート処理、亜鉛または酸化亜鉛とクロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混合物被覆処理等(特公昭58−7077号公報)が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近プリント回路が緻密化しているので、使用されるプリント回路用銅箔に要求される特性はますます厳しくなっている。
本発明はこうした要請に対応できる、すなわち金属表面に対する防錆作用が高い新規化合物およびそれを有効成分とする表面処理剤、特に銅箔用表面処理剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究を進めた結果、下記一般式(1)および(2)に示す三つのカルボニル基と1つ以上の二重結合を有する化合物が金属表面に対して優れた防錆作用を有することを見出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、その要旨は、
(1)下記一般式(1)で表わされる三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物。
【0006】
【化3】
Figure 0003578423
【0007】
〔ただし、該化合物は、上記一般式(1)の互変異性体であるエノール形も含む。また、一般式(1)において、R,R,Rは炭素数2〜10の末端に二重結合を有する基または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、R,R,Rの少なくとも一つは炭素数6〜10)であって、かつR,R,Rの少なくとも一つは末端に二重結合を有する基、x,y,zは0または1を示す。〕
(2)下記一般式(2)で表わされる三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物を有効成分とする金属表面処理剤。
【0008】
【化4】
Figure 0003578423
【0009】
〔ただし、該化合物は、上記一般式(2)の互変異性体であるエノール形も含む。また、一般式(2)において、R,R,Rは炭素数2〜10の末端に二重結合を有する基、または炭素数1〜10のアルキル基であって、かつそれらの少なくとも一つは末端に二重結合を有する基、x,y,zは0または1〕
にある。
【0010】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。上記一般式(2)におけるR,RおよびRは、炭素数が2〜10の末端に二重結合を有する基または炭素数1〜10のアルキル基である。二重結合を有する基は、金属上に表面処理した後、熱処理することにより表面で重合してポリマーの皮膜を形成させるためのものである。R,RおよびRのすべてが二重結合を有しているとポリマーのネットワークが密になり強固な皮膜が金属表面に形成されるが、二重結合を有する基が一つのみであっても金属に対して十分な防錆作用を有する。二重結合を有する基の炭素数は2〜10であれば本発明の効果を十分発揮するが、炭素数が少ないとトリカルボニル基の立体障害により金属表面で重合しにくいため、炭素数が多いほうが好ましい。また、アルキル基が長いと金属に表面処理したときにそのアルキル基が外側に配向するため撥水性を示す。これらの点からは、一般式(1)におけるR,R,Rと同様に、一般式(2)におけるR,R,Rにおいても少なくともそれらのいずれか一つは炭素数6〜10であることが好ましい。一方、アルキル基が短いと立体障害が減少するためトリカルボニル基の金属に対する吸着性が増加する。すなわち、アルキル基の炭素数は使用する金属の種類およびその用途によって変えることが望ましい。例えば、重合性、撥水性と吸着性のバランスからは、一般式(1)におけるR,R,Rはそれらのいずれかが炭素数6〜10で、その他が炭素数1〜5である場合が特に好ましい。また、一般式(2)においても同様である。また、x,y,は0または1である。
本発明の上記一般式(1)で表わされる三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物として特に好ましいものを挙げると、例えば
【0011】
【化5】
Figure 0003578423
【0012】
【化6】
Figure 0003578423
【0013】
などがある。ただし、上記化合物はケト形のみ記載しているが、下記式に示すようにケト形とエノール形の互変異性体で存在しており、エノール形についても本特許の請求範囲に含まれる(以下、ケト形のみを記載するが、エノール形も含まれているものとする)。
【0014】
【化7】
Figure 0003578423
【0015】
本発明の上記一般式(2)で表わされるトリカルボニル基含有化合物は、以下の反応式(3)で表わされる反応により合成される。すなわち、ジカルボニル化合物と化合物iを塩化マグネシウムおよびアミンの存在下で反応させることにより得られる〔反応式(3)参照〕。
【0016】
【化8】
Figure 0003578423
【0017】
(ただし、上記式中、R,RおよびRは炭素数が2〜10の末端に二重結合を有する基または炭素数1〜10のアルキル基であり、かつ三つの置換基のうち少なくとも1つは二重結合を有する基、x,y,zは0または1)
また、上記反応式(3)により同様にして一般式(1)で表わされる二重結合を有するトリカルボニル基含有化合物も製造することができる。
上記反応式(3)に表わされる化合物iとしては、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、t−ブチルアセチルクロリド、2−エチルブチリルクロリド、バレリルクロリド、イソバレリルクロリド、2−メチルバレリルクロリド、ヘキサノイルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、ヘプタノイルクロリド、オクタノイルクロリド、ノナノイルクロリド、デカノイルクロリド、アクリル酸クロリド、10−ウンデセノイルクロリドである。又、カルボン酸を塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン等により酸クロリド化してもよい。
【0018】
上記反応式(3)に表わされているジカルボニル化合物は、2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、プロピオニル酢酸エチル、ブチリル酢酸エチル、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、アセト酢酸アリル等が挙げられる。
上記反応式(3)の反応は文献〔M.W.Rathke,P.J.,Cowan,J.Org.Chem.,50,2622,1988またはJ.Skarzewski,Tetrahedron,45,4593(1989)〕に基づいて合成できる。すなわち、反応溶媒にジカルボニル化合物と塩化マグネシウムを混合して混合溶液を得、この混合溶液中にアミンおよび化合物iを順次滴下する。そしてこれらを滴下後、反応を十分行わせるために、還流することが好ましい。反応時間は5分〜24時間程度で十分である。反応溶媒としては、塩化メチレンまたはアセトニトリル等が好適である。また、この反応は水分を嫌うので気相から水分が混入しないように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない体の雰囲気下で行うことが好ましい。
【0019】
反応混合物はカラムクロマトグラフィー、抽出、蒸留等の既知の手段により精製され、単離されうるが、抽出し蒸留する方法が簡便で好ましい。
上記三つのカルボニル基と1つ以上の二重結合を有する化合物を金属表面処理剤として用いる場合、その対象金属には特に制限はない。例えば銅、鉄鋼、アルミニウムおよびそれらの合金等の表面処理剤として有用である。しかし、銅の表面処理剤として用いることが好適であり、特にはプリント回路用銅張積層板等に用いられる銅箔の表面処理剤として用いると本発明の効果を十分に発揮することができる。この銅箔には銅箔の表面を粗面化処理したもの、銅箔に黄銅層形成処理したもの、クロメート処理したもの等も包含される。又、その膜厚は用途によってそれぞれ異なるが、数分子層〜数百μmが好ましい。
上記三つのカルボニル基と1つ以上の二重結合を有する化合物は、そのまま金属に塗布してもよいが、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、酢酸エチル等の溶剤で0.001〜20重量%になるように希釈し、この液に金属を浸漬させる方法またはこの液を金属にシャワーする方法で塗布することが簡便で好ましい。
【0020】
【実施例】
I.二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例1
(アセト酢酸メチルと10−ウンデセノイルクロリドとの反応)
【0021】
【化9】
Figure 0003578423
【0022】
温度計、還流冷却器、滴下ロートを取り付けた500mlの四つ口フラスコを十分アルゴンで置換した後、アセト酢酸メチル0.15mol(17.2g)、塩化メチレン200ml、塩化マグネシウム0.15mol(14.1g)を入れた。0℃に冷却した後、ピリジン0.3mol(23.4g)を加え、15分間撹拌した。混合液中に10−ウンデセノイルクロリド0.15mol(30g)を滴下し、0℃で1時間撹拌後、2時間、50℃で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、6mol/Lの塩酸を110ml滴下した。十分に撹拌後、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去後、減圧蒸留により二重結合を有するトリカルボニル化合物Aを得た〔沸点:123.5〜130.0℃/0.4mmHg、収率:81%(収量:33.8g)〕。得られた化合物はGCにより単成分であることを確認し、H−NMR、13C−NMR、FT−IRにより同定した。これらの結果を図1〜3に示す。
図1〜3に示すように、下記の各シグナルが認められた。本化合物AはH−NMRの積分比より、ほとんどエノール形で存在することが確認された。
【0023】
【化10】
Figure 0003578423
【0024】
〔図1.H−NMR(CDCl,δppm)〕
a:2.3(s,3H)
b:17.9(s,エノール形),3.4(s,ケト形)
c:3.8(s,3H)
d:2.6〜2.7(t,2H)
e:1.6(m,2H)
f:1.3(m,10H)
g:1.9〜2.0(m,2H)
h:5.7〜5.9(m,1H)
i:4.8〜5.0(m,2H)
〔図2.13C−NMR(CDCl,δppm)〕
a:25.7
b:108.1(エノール形),48.0(ケト形)
c:51.4
d:37.8
e:25.7
f:28.9〜29.8
g:33.7
h:138.9
i:114.0
jまたはl:195.6または199.0
k:167.4
〔図3.IR(cm−1)〕
νCH:2820〜3030、νC=O:1550〜1720
II.二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例2
アセト酢酸アリルとオクタノイルクロリドとの反応
【0025】
【化11】
Figure 0003578423
【0026】
温度計、還流冷却器、滴下ロートを取り付けた500mlの四つ口フラスコを十分アルゴンで置換した後、アセト酢酸アリル0.06mol(8.5g)、塩化メチレン70ml、塩化マグネシウム0.06mol(5.7g)を入れた。0℃に冷却した後、ピリジン0.12mol(9.5g)を加え、15分間撹拌した。混合液中にオクタノイルクロリド0.06mol(9.8g)を滴下し、0℃で1時間撹拌後、2時間、50℃で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、6mol/Lの塩酸を40ml滴下した。十分に撹拌後、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去後、減圧蒸留により二重結合を有するトリカルボニル化合物Bを得た〔沸点:102.2〜104.1℃/0.55mmHg、収率:67%(収量:10.8g)〕。得られた化合物はGCにより単成分であることを確認し、H−NMR、13C−NMR、FT−IRにより同定した。これらの結果を図4〜6に示す。
図4〜6に示すように、下記の各シグナルが認められた。本化合物はケト形とエノール形で存在し、その存在比はH−NMRの積分比より、約10:90(ケト形:エノール形)であることが確認された。
【0027】
【化12】
Figure 0003578423
【0028】
〔図4.H−NMR(CDCl,δppm)〕
a:2.3(s,3H)
b:17.9(s,エノール形),3.4(s,ケト形)
c:4.7(m,2H)
d:5.9〜6.0(m,1H)
e:5.2〜5.4(m,2H)
f:2.6〜2.7(m,2H)
g:1.5〜1.7(m,2H)
h:1.3(m,8H)
i:0.9(m,3H)
〔図5.13C−NMR(CDCl,δppm)〕
a:25.6
b:108.1(エノール形),48.0(ケト形)
c:65.5
d:131.8
e:118.9
f:37.8
g:25.8
h:29.0〜37.8
i:14.0
jまたはl:198.9または195.7
k:166.7
〔図6.IR(cm−1)〕
νCH:2820〜3030、νC=O:1550〜1720
III.二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例3
アセト酢酸アリルとアセチルクロリドとの反応
【0029】
【化13】
Figure 0003578423
【0030】
温度計、還流冷却器、滴下ロートを取り付けた500mlの四つ口フラスコを十分アルゴンで置換した後、アセト酢酸アリル0.15mol(21.3g)、塩化メチレン160ml、塩化マグネシウム0.15mol(14.3g)を入れた。0℃に冷却した後、ピリジン0.3mol(23.7g)を加え、15分間撹拌した。混合液中にアセチルクロリド0.15mol(11.8g)を滴下し、0℃で1時間撹拌後、2時間、50℃で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、6mol/Lの塩酸を100ml滴下した。十分に撹拌後、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去後、減圧蒸留により二重結合を有するトリカルボニル化合物Cを得た〔沸点:55.3〜57.5℃/1.1mmHg、収率:56%(収量:15.5g)〕。得られた化合物はGCにより単成分であることを確認し、H−NMR、13C−NMR、FT−IRにより同定した。これらの結果を図7〜9に示す。
図7〜9に示すように、下記の各シグナルが認められた。本化合物はH−NMRの積分比より、ほとんどエノール形で存在することが確認された。
【0031】
【化14】
Figure 0003578423
【0032】
〔図7.H−NMR(CDCl,δppm)〕
a:2.4(s,3H)
b:18.0(s,エノール形),3.4(s,ケト形)
c:4.7(m,2H)
d:5.9〜6.0(m,1H)
e:5.3〜5.4(m,2H)
f:2.4(s,3H)
〔図8.13C−NMR(CDCl,δppm)〕
a:26.0
b:108.4(エノール形),49.0(ケト形)
c:65.3
d:131.8
e:118.8
f:26.0
g:196.5
h:166.5
i:196.5
〔図9.IR(cm−1)〕
νCH:2890〜3100、νC=O:1550〜1720
IV.二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例4
アセト酢酸アリルと10−ウンデセノイルクロリドとの反応
【0033】
【化15】
Figure 0003578423
【0034】
温度計、還流冷却器、滴下ロートを取り付けた500mlの四つ口フラスコを十分アルゴンで置換した後、アセト酢酸アリル0.15mol(21.0g)、塩化メチレン160ml、塩化マグネシウム0.15mol(14.1g)を入れた。0℃に冷却した後、ピリジン0.3mol(23.4g)を加え、15分間撹拌した。混合液中に10−ウンデセノイルクロリド0.15mol(30.0g)を滴下し、0℃で1時間撹拌後、2時間、50℃で撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、6mol/Lの塩酸を110ml滴下した。十分に撹拌後、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を除去後、減圧蒸留により二つの不飽和結合を有するトリカルボニル化合物Dを得た〔沸点:125.0〜137.1℃/0.5mmHg、収率:71.0%(収量:32.4g)〕。得られた化合物はGCにより単成分であることを確認し、H−NMR、13C−NMR、FT−IRにより同定した。これらの結果を図10〜12に示す。
図10〜12に示すように、下記の各シグナルが認められた。本化合物DはH−NMRの積分比より、ほとんどエノール形で存在することが確認された。
【0035】
【化16】
Figure 0003578423
【0036】
〔図10.H−NMR(CDCl,δppm)〕
a:2.3(s,3H)
b:17.9(s,エノール形),3.4(s,ケト形)
c:4.7(m,2H)
d:6.0〜6.1(m,1H)
e:5.3〜5.4(m,2H)
f:1.3〜2.7(m,16H)
g:5.7〜6.0(m,1H)
h:4.7〜5.0(m,2H)
〔図11.13C−NMR(CDCl,δppm)〕
a:25.7
b:108.2(エノール形)
c:65.5
d:131.9
e:119.0
f:28.8〜37.8
g:139.0
h:114.1
iまたはk:195.8または199.1
j:166.8
〔図12.IR(cm−1)〕
νCH:2820〜3030、νC=O:1550〜1720
III.銅に対する防錆試験
電解銅箔(日鉱グールドフォイル製JTC箔:厚さ75μm、4.5×4.5cm)をアセトンで脱脂し、3%の硫酸水溶液で洗浄した。この銅箔に上記の二重結合を有するトリカルボニル化合物A〜Dの6%メタノール溶液をスピンコーターで塗布後、150℃、30分間乾燥させ、0.3μmの薄膜を作成し、これを試験片とした。この試験片を温度80℃、湿度95%の恒温恒湿槽に24時間入れ、変色の程度で耐湿性を評価した。この結果を表1に示した。また比較として何も塗布していない銅箔および下記に示した二重結合を有していないトリカルボニル化合物Eについても同様に評価した。その結果を表1に併せて示した。
【0037】
【化17】
Figure 0003578423
【0038】
【表1】
Figure 0003578423
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の二重結合を有するトリカルボニル化合物は金属表面処理剤、特に銅箔用表面処理剤として有用なもので、防錆作用に優れるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例1で得られた化合物AのH−NMR、
【図2】同13C−NMR、
【図3】同FT−IR、
【図4】二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例2で得られた化合物BのH−NMR、
【図5】同13C−NMR、
【図6】同FT−IR、
【図7】二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例3で得られた化合物CのH−NMR、
【図8】同13C−NMR、
【図9】同FT−IR、
【図10】二重結合を有するトリカルボニル化合物の合成例4で得られた化合物DのH−NMR、
【図11】同13C−NMR、
【図12】同FT−IR。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で表わされる三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物。
    Figure 0003578423
    〔ただし、該化合物は、上記一般式(1)の互変異性体であるエノール形も含む。また、一般式(1)において、R,R,Rは炭素数2〜10の末端に二重結合を有する基または炭素数1〜10のアルキル基(ただし、R,R,Rの少なくとも一つは炭素数6〜10)であって、かつ、R,R,Rの少なくとも一つは末端に二重結合を有する基、x,y,zは0または1を示す。〕
  2. 下記一般式(2)で表わされる三つのカルボニル基と一つ以上の二重結合を有する化合物を有効成分とする金属表面処理剤。
    Figure 0003578423
    〔ただし、該化合物は、上記一般式(2)の互変異性体であるエノール形も含む。また、一般式(2)において、R,R,Rは炭素数2〜10の末端に二重結合を有する基、または炭素数1〜10のアルキル基であって、かつそれらの少なくとも一つは末端に二重結合を有する基、x,y,zは0または1〕
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