JP3578317B2 - ポット搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポットを着脱自在に支持する複数のポット支持部材を連結し、これらをスプロケット部材で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械で使用するツールやワークは、一般に、ポット搬送装置のエンドレス軌道上にインデックス可能に配置される。
【0003】
エンドレス軌道は、多数のポット支持部材をエンドレスに連結し、これをスプロケットで案内したものである。
【0004】
図5は、従来のポット搬送装置の軌道の一部を示している。ポットは、軌道の所定位置において、自動交換アームを用いて交換可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示した従来のポット搬送装置では、ポットを抜き出す側を内側に屈曲させる形で軌道を曲げることが出来なかった。
【0006】
このため、従来の軌道は長円形となり、1つの軌道上に配置できるポットの数は限定されていた。ポットの数をそれ以上に増やすには、エンドレス軌道を2つ以上並設しなければならなかった。
【0007】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、エンドレス軌道を内側に屈曲させることができ、それによって収容ポット数を大幅に増やすことのできるポット搬送装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、ポット支持部材(12)を主要なピン(13)でチェーン状に連結して軌道を内外に蛇行できるようにし、スプロケット部材(14)にピン係合部(16)とポット収容部(17)を形成し、ポット収容部(17)が半径方向で見てピン係合部(16)より内側に配置され、ピン係合部(16)で主要なピン(13)を受け、ポット収容部(17)でポット(11)を収容する構成になっており、エンドレス軌道を少なくとも1カ所(A)で軌道の内側に蛇行させて軌道を凹状にし、ポット支持部材(12)の軌道の内側寄りの部分に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)のポット収容部(17)の底部に内側ピン係合部(18)を設け、内側ピン係合部(18)を内側ピン(15)に係合させるようにしたことを特徴とするポット搬送装置を1つの解決手段としている。また、本発明は、ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、複数のポット支持部材(12)を主要なピン(13)でチェーン状に連結して軌道を内外に蛇行できるようにし、スプロケット部材(14)の外周にピン係合部(16)とポット収容部(17)を交互に配置し、ポット収容部(17)が半径方向で見てピン係合部(16)より内側に入り込むように形成され、ピン係合部(16)が主要なピン(13)と係合すると同時に、ポット収容部(17)がポット(11)を収容する状態で、スプロケット部材(14)がポット支持部材(12)を案内する構成になっていることを特徴とするポット搬送装置を別の解決手段としている。本発明のさらに別の解決手段は、ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、隣接する2つのポット支持部材(12)を主要なピン(13)で連結して、 多数のポット支持部材(12)をチェーンの形で軌道を形成し、スプロケット部材(14)がピン係合部(16)とそれらの間に形成されたポット収容部(17)を有し、ピン係合部(16)が主要なピン(13)と係合し、ポット収容部(17)がポット(11)を収容し、さらにポット支持部材(12)に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)に内側ピン係合部(18)を設け、内側ピン係合部(18)が内側ピン(15)に係合する構成にしたことを特徴とするポット搬送装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のポット搬送装置では、ポット支持部材を主要なピンでチェーン状に連結して軌道を内外に蛇行できるようにし、スプロケット部材にピン係合部とポット収容部を形成し、ポット収容部が半径方向で見てピン係合部よりも内側に入り込む形に形成され、ピン係合部が主要なピンに係合し、ポット収容部でポットを収容する構成になっている。そして、エンドレス軌道は、少なくとも1カ所で軌道の内側に屈曲され、そこで軌道が凹状になっている。
【0010】
このため、収容ポット数を大幅に増やすことが可能となる。
【0011】
ポット支持部材の軌道の内側寄りの部分に補助的な内側ピンを設け、スプロケット部材のポット収容部の底部に内側ピン係合部を設け、内側ピンを内側ピン係合部に係合させることが好ましい。
【0012】
ポット支持部材を連結する主要な2つのピンの中間点にポットの中心軸が来るように、ポットを支持することが好ましい。その場合、エンドレス軌道の直線部分では、主要な2つのピンの通る軌道とポットの中心軸の通る軌道は実質的に一致する。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0014】
図1は本発明のポット搬送装置を示す平面図、図2はその一部を示す拡大平面図、図3はスプロケット部材を示す平面図、図4はポットの交換方法を示す説明図である。
【0015】
ポット搬送装置10は、多数のポット支持部材12の両端部を主要なピン13で互いに連結してチェーン状にし、これらをスプロケット部材14で案内してエンドレス軌道としたものである。エンドレス軌道は、図示しない駆動モータでインデックス可能である。
【0016】
ポット支持部材12は上から見て全体的にC型形状であり、両側の張出した部分が互いにピン13で連結され、チェーン状になっている。ポット支持部材12の開口部分には、スライド移動(図4の矢印E)によりポット11を着脱することができる。
【0017】
ポット11は、例えば工作機械で使用するツールポットやワークポットであるが、これはツールホルダやワークホルダでも良い。
【0018】
主要なピン13は、通常のローラチェーンにおけるピン及びその外側に配置されるローラに相当するものであるが、本明細書では単にピンと言う。
【0019】
ポット支持部材12の中央部には、主要なピン13に加えて、内側ピン15が配置されている。内側ピン15は、前述の連結用のピン13と同様のものを使用できる。内側ピン15は、エンドレス軌道の最内部を周回する。
【0020】
チェーン状に連結されたポット支持部材12は、5個のスプロケット部材14によって、図1に示す形状に案内されている。エンドレス軌道のうち、図1の符号Aで示す部分は、内側に蛇行している。また、符号Bで示した部分は、直線軌道の1つである。
【0021】
ポット11は、ポット支持部材12の両側の(つまり2つの主要な)ピン13の中間点にポット11の中心軸が来るように、支持部材12に支持される。この場合、軌道の直線部分(B)においては、ポット11の中心軸の軌道とピン13の軌道が、実質的に一致する。
【0022】
ただし、主要なピン13の連結位置は、前述の配置から多少ズレていても良い。図4に示すように、ポット全体が通る軌道内Dを主要なピン13が通る程度であれば、許容可能である。
【0023】
スプロケット部材14は、図3に示すように、ピン係合部16とポット収容部17を有している。ピン係合部16は、主要なピン13と噛み合う部分である。ポット収容部16は、ポット11を受入れ、ポット11の通過を許容する。
【0024】
ピン係合部16とポット収容部17は、円周方向で交互に配置され、ピン係合部16の方が半径方向で見て外側に位置している。
【0025】
ピン係合部16の形状は主要なピン13の外形に対応しており、ピン13がスムーズに係合・離脱できるようになっている。
【0026】
ポット収容部17は、概ねポット11の当該部分の外周に対応した半円形になっている。ただし、ポット収容部17は、ポット11を収容できる形状であればどのような形状でも良く、断面多角形にすることもできる。また、強度に悪影響がない程度であれば、大きめに形成して良い。
【0027】
ポット収容部16の底部には、内側ピン15を受けるための内側ピン係合部18が形成されている。
【0028】
内側ピン係合部18の形状は内側ピン15の外形に対応しており、内側ピン15がスムーズに係合・離脱できるようになっている。
【0029】
エンドレス軌道の駆動は、図1の右上または左上のスプロケット部材14で行う。これらのスプロケット部材14では、内側ピン15がスプロケット部材14の内側ピン係合部18に噛み合うため、駆動をより確実に行うことができる。
【0030】
ポット11の交換は、図4に示すように、先ず、所定位置にインデックスしたポット11を、スライド手段21で外側に押し出す(矢印E)。この際、ポット11は、図示しないレールによってガイドされる。
【0031】
そして、符号Fで示す交換位置まで押し出されたポット11を、自動交換アーム20の一方の支持部で掴み、例えばスピンドルまで搬送する。
【0032】
ポット11の返却は、前記取出し動作と逆の手順で行うことができる。
【0033】
なお、本発明は前述の実施例に限定されない。例えば、エンドレス軌道は、複数の凹所を備えていても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明のポット搬送装置によれば、エンドレス軌道を少なくとも1箇所で内側に蛇行させて、そこで軌道を凹状にできるため、占有スペースが同じ従来の装置に比べて収容ポット数を大幅に増やすことができる。
【0035】
また、本発明のポット搬送装置によれば、軌道を内側と外側の両方に蛇行させることができるので、エンドレス軌道を所望の形状にすることができ、スペースの無駄を大幅に省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポット搬送装置を示す平面図。
【図2】図1のポット搬送装置の軌道の一部を示す拡大平面図。
【図3】図1のポット搬送装置のスプロケット部材を示す平面図。
【図4】図1のポット搬送装置におけるポットの交換方法を示す説明図。
【図5】従来のポット搬送装置を部分的に示す平面図。
【符号の説明】
10 ポット搬送装置
11 ポット
12 ポット支持部材
13 主要なピン
14 スプロケット部材
15 内側ピン
16 ピン係合部
17 ポット収容部
18 内側ピン係合部
Claims (7)
- ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、ポット支持部材(12)を主要なピン(13)でチェーン状に連結して軌道を内外に蛇行できるようにし、スプロケット部材(14)にピン係合部(16)とポット収容部(17)を形成し、ポット収容部(17)が半径方向で見てピン係合部(16)より内側に配置され、ピン係合部(16)で主要なピン(13)を受け、ポット収容部(17)でポット(11)を収容する構成になっており、エンドレス軌道を少なくとも1カ所(A)で軌道の内側に蛇行させて軌道を凹状にし、ポット支持部材(12)の軌道の内側寄りの部分に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)のポット収容部(17)の底部に内側ピン係合部(18)を設け、内側ピン係合部(18)を内側ピン(15)に係合させるようにしたことを特徴とするポット搬送装置。
- ポット支持部材(12)を連結する主要な2つのピン(13)の中間点にポット(11)の中心軸が来るように、ポット(11)が支持されることを特徴とする請求項1に記載のポット搬送装置。
- ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、複数のポット支持部材(12)を主要なピン(13)でチェーン状に連結して軌道を形成し、さらに、各ポット支持部材(12)に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)の外周にピン係合部(16)とポット収容部(17)を交互に配置し、そのポット収容部(17)に内側ピン係合部を形成し、ピン係合部(16)が主要なピン(13)と係合すると同時に、内側ピン(15)が内側ピン係合部(18)と係合し、ポット収容部(17)がポット(11)を収容する状態で、スプロケット部材(14)がポット支持部材(12)を案内する構成になっていることを特徴とするポット搬送装置。
- ポット支持部材(12)の軌道の内側寄りの部分に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)のポット収容部(17)の底部に内側ピン係合部(18)を設け、内側ピン係合部(18)を内側ピン(15)に係合させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のポット搬送装置。
- ポット支持部材(12)の両側に主要なピン(13)が配置されていて、それらの主要なピン(13)の中間点にポット(11)の中心軸が来るように、ポット(11)がポット収容部(17)に収容されることを特徴とする請求項3または4に記載のポット搬送装置。
- ポット(11)を着脱自在に支持する複数のポット支持部材(12)を連結し、これらをスプロケット部材(14)で案内してエンドレス軌道を形成したポット搬送装置において、隣接する2つのポット支持部材(12)を主要なピン(13)で連結して、多数のポット支持部材(12)をチェーンの形で軌道を形成し、スプロケット部材(14)が1対のピン係合部(16)とそれらの間に形成されたポット収容部(17)を有し、ピン係合部(16)が主要なピン(13)と係合し、ポット収容部(17)がポット(11)を収容し、さらにポット支持部材(12)に内側ピン(15)を設け、スプロケット部材(14)に内側ピン係合部(18)を設け、内側ピン係合部(18)が内側ピン(15)に係合する構成にしたことを特徴とするポット搬送装置。
- 各ポット支持部材(12)の主要な2つのピン(13)と内側ピン(15)が二等辺三角形の頂点に位置するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載のポット搬送装置。
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Cited By (1)
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JP2017039573A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | キタムラ機械株式会社 | ポット搬送装置 |
-
1998
- 1998-10-14 JP JP30638698A patent/JP3578317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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