JP3577665B2 - 木造建築物における筋交い緩衝架設構造 - Google Patents
木造建築物における筋交い緩衝架設構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築物における筋交いの緩衝架設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築物において、筋交いは、土台,梁等の横架材と柱とが形成する方形の壁体骨組の対角線の位置に組み込まれるもので、従来、その筋交いの両端部は、上記横架材または柱あるいはその双方に、緊結金具を使用して、あるいは使用することなしに、しっかりと固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、地震等において壁体骨組に作用する外力は、そのまま筋交いに圧縮力または引張力として作用することになり、該筋交いは、場合によっては、容易に変形し、挫屈し、破断するおそれがある。その対策として、これらの挫屈や破断に抗し得る強度の材質の筋交いを採用するにしても、コスト等のこともあって自ずと限度がある。
【0004】
そこで本発明は、壁体骨組の隅角部に設置した補助金具に、筋交いを、その縦軸線に沿う方向に変位できる状態で支持させ、かつ、この筋交いに作用しようとする外力を緩衝する装置を使用して、上記のごとき欠点を解消しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る木造建築物における筋交い緩衝架設構造は、次の構成よりなる。 (i)土台,梁等の横架材と柱とが形成する方形の壁体骨組の対角線の位置に組み込んだ筋交いが、土台,梁等の横架材と柱とが形成する隅角部に設置した補助金具に対し、該筋交いの縦軸線に沿う相対変位ができる状態で支持され、その筋交いの斜切木口面と上記横架材との間に緩衝装置を介在させている木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0006】
(ii)緩衝装置が土台,梁等の横架材に固定され、筋交いの斜切木口面がその緩衝装置に当接している上記(i)の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0007】
(iii)緩衝装置が筋交いの斜切木口面に固定され、その緩衝装置が土台,梁等の横架材に当接している上記(i)の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0008】
(iv)緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね受け台板を土台,梁等の横架材に固定し、ばね部材を筋交いの斜切木口面に当接させている上記(i) または (ii)の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0009】
(v)緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね受け台板を筋交いの斜切木口面に固定し、ばね部材を土台,梁等の横架材に当接させている上記(i) または (iii)の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0010】
(vi)緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね部材を筋交いの斜切木口面に固定するとともに、ばね受け台板を土台または梁等の横架材に固定している上記(i)の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
【0011】
【発明の実施の形態】
先ず図1〜3により、筋交い緩衝架設構造のための第1の緩衝装置について詳しく説明する。
Aは、互いに重合して使用するばね部材aとばね受け台板bとからなる緩衝装置である。
上記ばね部材aは、土台(梁または柱)の幅の2分の1の幅の平面長方形をなし、かつ、上向きに膨出する形状をなす弧状板ばね1の長手方向両端部2,2′の中央に、ガイド片3,3′を水平に延長するとともに、そのガイド片3,3′に隣接する両外側に、下向きに膨出する形状をなす小湾曲部4,5、4′,5′を形成している。
【0012】
上記ばね受け台板bは、幅がばね部材aとほぼ同じで、長さが該ばね部材aより少し長い程度の平面長方形の鋼板6の両側長辺縁の中央部分に、上辺を弧状にした規制片7,7を起立するとともに、該鋼板6の長手方向両端部8,8′の中央に設けた起立片9,9′に窓孔10,10′を形成している。なお、11・・・は、上記規制片7,7に囲まれた区域に設けた取付け孔である。
【0013】
上記ばね部材aとばね受け台板bとは、前者のガイド片3,3′を後者の起立片9,9′の窓孔10,10′に挿通するとともに、前者の上記小湾曲部4,5、4′,5′を後者の表面に当接させ、後者の規制片7,7とばね部材aとの間に所要幅員の弧状の間隙cを保持させ、かつ、前者の小湾曲部4,5、4′,5′と後者の起立片9,9′との間に所要の間隙d,d′を保持させた状態で、互いに重合し、緩衝装置Aを構成するものである。
【0014】
この緩衝装置Aにおいて、ばね部材aに、例えば上方から所要設定値以上の外力が加わると、該ばね部材aは、上記弧状の間隙cの範囲内で、換言すると、規制片7,7に突き当たるまでの範囲内で、上記小湾曲部4,5、4′,5′をばね受け台板bすなわち鋼板6の表面に滑動させながら、そのばね力に抗し、押し潰されるような状態で伸長する。
【0015】
ばね部材aのこの伸長は、上記のように、弧状板ばね1の長手方向両端部2,2′に下向きに膨出形成した小湾曲部4,5、4′,5′を鋼板6の表面に当接して滑動し易くしていること、さらに、ガイド片3,3′を該鋼板6の起立片9,9′の窓孔10,10′に挿通していることによって、円滑にして正確に行われる。
【0016】
なお、ばね部材aの伸長の範囲を、上記のように該ばね部材aが規制片7,7に突き当たるまでとすることによって、ばね部材aが伸びきり復元力を喪失してしまうのを防止しているものである。
【0017】
また、上記した小湾曲部4,5、4′,5′と起立片9,9′との間の間隙d,d′としては、設計上、ばね部材aが規制片7,7に突き当たるまでそのばね力に抗し上記のように伸長するのを妨げないだけの十分な幅員を確保する。
【0018】
次に、図4〜8により、上記第1の緩衝装置Aを使用した本発明筋交い緩衝架設構造の第1実施形態について説明する。
12は横架材である土台、13は柱、eは補助金具である。
その補助金具eは、土台12および柱13の幅wの2分の1の幅の長方形状の底板14の一側長辺縁に起立板15を、一側短辺縁に起立板16を一体に形成してなり、土台12と柱13が形成する隅角部に設置されている。
すなわち、補助金具eは、起立板15を土台12の中心線に一致させるとともに、起立板16を柱13の側面に当接させた状態にして、底板14を土台12の一側半部に乗載し、釘17で固定されているものである。
なお、上記起立板15の所要位置には、少なくとも2個のボルト挿通円孔18を列設している。
【0019】
上記緩衝装置Aは、土台12の他側半部に、上記補助金具eと並べて乗載され、そのばね受け台板bを取付け孔11・・・を通じて打った釘19・・・で固定している(図4)。
【0020】
Bは筋交いである。この筋交いBは、厚さを上記土台12、柱13の幅の2分の1とし、下端部20の外面を互いに直角をなす斜切木口面20′,20″とするとともに、その下端部20には、該筋交いBの縦軸線に沿って少なくとも2個のボルト挿通長楕円孔21を列設している。
この列設されたボルト挿通長楕円孔21は、上記補助金具eの列設されたボルト挿通円孔18と対応一致する関係になっている。また、ボルト挿通長楕円孔21の外側開口端はボルト頭遊嵌凹処21′をなしている。
【0021】
筋交いBは、上記下端部20の斜切木口面20′を緩衝装置Aの上記ばね部材aすなわち弧状板ばね1に当接させるとともに、斜切木口面20″を柱13の側面に当接させ、かつ、該下端部20の上記ボルト頭遊嵌凹処21′が位置する外側面とは反対の内側面を、補助金具eの起立板15に当接させている。
【0022】
22は、ボルト挿通長楕円孔21側からボルト挿通円孔18に挿通したボルトで、その先端にナット23を螺合し、ボルト頭22′を上記ボルト頭遊嵌凹処21′に位置させている。
上記において、筋交いBは、ボルト挿通長楕円孔21およびボルト頭遊嵌凹処21′の各外端部分(図では下側端)が、ボルト22およびボルト頭22′に係合する状態に設定されるようにしてある(図5〜7参照)。
【0023】
上記と同様にして、横架材である梁(図示していない)と柱が形成する隅角部に緩衝装置Aおよび補助金具eを設置し、筋交いBの上端部を取り付けることによって、梁と土台と柱とが形成する方形の壁体骨組の対角線の位置に、筋交いBが架設されるものである。
【0024】
このように架設されている筋交いBの上記下端部20に対して、上方からほぼ矢印イ方向の外力が加わり、かつ、その外力が所要設定値以上になると、緩衝装置Aのばね部材aが、前記弧状の間隙cの範囲内で、換言すると、規制片7,7に突き当たるまでの範囲内で、そのばね力に抗し伸長することによって、外力を緩衝しながら、上記下端部20が下降する(図8)。
【0025】
同様に、筋交いBの上記下端部20に対し、土台12を介して下方からほぼ矢印ロ方向の外力が加わり、かつ、その外力が所要設定値以上になると、緩衝装置Aのばね部材aが外力を緩衝しながら、土台12が上昇する(図8)。
【0026】
このような、筋交いBの下端部20の下降または土台12の上昇は、補助金具eの起立板15に設けたボルト挿通円孔18に挿通したボルト22と筋交いBの下端部20に設けたボルト挿通長楕円孔21との間にある余裕内、および、ボルト頭22′とボルト頭遊嵌凹処21′との間にある余裕内において行われるものであって、筋交いBの下端部20と上記補助金具eの相対変位である。
【0027】
したがって、本実施形態におけるとは反対に、筋交いBの下端部20にボルト挿通円孔18を設け、補助金具eの起立板15にボルト挿通長楕円孔21を設けることとしてもよい。
【0028】
なお、筋交いBの下端部20の下降時または土台12の上昇時、すなわち、筋交いBの下端部20と補助金具eの上記相対変位時において、柱13の側面に当接している上記下端部20の斜切木口面20″は、その柱13の側面に食い込むことがあり得るものである。
【0029】
図9は、上記第1の緩衝装置Aを使用した本発明筋交い緩衝架設構造の第2の実施形態を示す。
この第2の実施形態のものは、緩衝装置A全体を、筋交いBの下端部20の斜切木口面20′に取り付け、ばね部材aすなわち弧状板ばね1を、土台12に当接させてなるもので、その他の構成、作用は、上記した第1実施形態の筋交い緩衝架設構造と同じなので、図面の同一部分に同一符号を付すにとどめ、詳細な説明を省略することとする。
【0030】
図10,11は、上記第1の緩衝装置の変形例である。
この変形例に係る緩衝装置A′は、概括的には、上記緩衝装置Aのばね部材aの一側のガイド片3′を取り除くとともに、ばね受け台板bの一側の起立片9′を取り除いたものに相当する。
これを、同一部分に同一符号を使用して説明すると、次のとおりである。
【0031】
すなわち、緩衝装置A′は、互いに重合して使用するばね部材aとばね受け台板bとからなる。
そのばね部材aは、土台等の横架部材および柱の幅の2分の1の幅を有する平面長方形をなし、かつ、上向きに膨出する形状をなす弧状板ばね1の長手方向一側端部2の中央に、ガイド片3を水平に延長するとともに、そのガイド片3に隣接する両外側に下向きに膨出する形状をなす小湾曲部4,5を形成し、また、該弧状板ばね1の長手方向他側端部a′全体を下向きに膨出する形状をなす小湾曲部としている。
【0032】
上記ばね受け台板bは、幅がばね部材aとほぼ同じで、長さが該ばね部材aより少し長い程度の平面長方形の鋼板6の両側長辺縁の中央部分に、上辺を弧状にした規制片7,7を起立するとともに、該鋼板6の長手方向一側端部8の中央に設けた起立片9に窓孔10を形成している。なお、11・・・は、上記規制片7,7に囲まれた区域に設けた取付け孔である。
【0033】
そして、ばね部材aとばね受け台板bとは、前者のガイド片3を後者の起立片9の窓孔10に挿通するとともに、前者の上記小湾曲部4,5を後者の表面に当接させ、後者の規制片7,7とばね部材aとの間に所要幅員の弧状の間隙cを保持させ、かつ、前者の小湾曲部4,5と後者の起立片9との間に所要の間隙dを保持させ、しかも、互いの長手方向他側端部をほぼ揃えた状態で、互いに重合し、緩衝装置A′を構成するものである。
【0034】
この緩衝装置A′において、ばね部材aにその上方から所要設定値以上の外力が加わると、該ばね部材aは、上記弧状の間隙cの範囲内で、換言すると、規制片7,7に突き当たるまでの範囲内で、上記小湾曲部4,5と小湾曲部をなす他側端部a′をばね受け台板bすなわち鋼板6の表面に滑動させながら、そのばね力に抗し、押し潰されるような状態で伸長する。
【0035】
ばね部材aのこの伸長は、上記のように、弧状板ばね1の長手方向一側端部2に下向きに膨出させて形成した小湾曲部4,5と小湾曲部をなす他側端部a′を鋼板6の表面に当接して滑動し易くしていること、さらに、ガイド片3を該鋼板6の起立片9の窓孔10に挿通していることによって、円滑にして正確に行われる。
【0036】
なお、上記した小湾曲部4,5と起立片9との間の間隙dとしては、ばね部材aとばね受け台板bが互いの長手方向他側端部をほぼ揃えた状態において、ばね部材aが規制片7に突き当たるまで、そのばね力に抗し、予め設定してある所要長さ伸長するのを妨げないだけの十分な幅員が確保されている。
【0037】
図12は、上記構成の緩衝装置A′を使用した場合の本発明筋交い緩衝架設構造の第1実施形態の変形例を示している。
この変形例では、緩衝装置A′が、ばね部材aとばね受け台板bとを互いの長手方向他側端部をほぼ揃えた状態で重合し、その揃えた長手方向他側端部を柱13の側面に当接させた状態で、土台12に乗載固定されている。
この点が上記第1実施形態の場合と相違し、その他の構成は同第1実施形態と同じなので、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
(i)このように架設されている筋交いBの下端部20に対して、上方からほぼ矢印イ方向の外力が加わり、あるいはまた、土台12を介して下方からほぼ矢印ロ方向の外力が加わり、かつ、その外力が所要設定値以上になると、緩衝装置A′のばね部材aが、前記弧状の間隙cの範囲内で、換言すると、規制片7,7に突き当たるまでの範囲内で、そのばね力に抗し伸長することによって、上記外力を緩衝しながら、上記下端部20が下降し、あるいはまた、土台12が上昇すること、
(ii)このような、筋交いBの下端部20の下降または土台12の上昇は、補助金具eの起立板15に挿通したボルト22と筋交いBの下端部20に設けたボルト挿通長楕円孔21(図12には示していない)との間にある余裕内、および、ボルト頭22′とボルト頭遊嵌凹処21′との間にある余裕内において行われるもので、筋交いBの下端部20と補助金具eの相対変位であることは、いずれも上記第1実施形態の場合と同じである。
【0039】
ただ本変形例において、ばね部材aは、上記のように、その揃えた長手方向他側端部を柱13の側面に当接させているので、該ばね部材aの上記伸張は、弧状板ばね1の長手方向一側端部2側、すなわち、小湾曲部4,5だけを鋼板6の表面に滑動させることになる。
【0040】
次に、図13,14により、筋交い緩衝架設構造のための第2の緩衝装置について説明する。
この第2の緩衝装置Cは、ばね部材fとばね受け台板gとからなる。
上記ばね部材fは、幅を、筋交いの厚さと同じであって、土台、梁または柱の幅の2分の1とする平面長方形にして、かつ、上向きに膨出する形状をなす弧状板ばね24で、その長手方向両端部25,25′を下向きに膨出する形状をなす小湾曲部としている。26,26は上記膨出頂部に設けた取付け孔である。
【0041】
上記ばね受け台板gは、幅がばね部材fとほぼ同じで、長さが該ばね部材fより少し長い平面長方形の鋼板27の両側長辺縁の中央部分に、上辺を弧状にした規制片28,28を起立している。29は、その規制片28,28に囲まれた区域に設けた取付け孔である。
【0042】
これらばね部材fとばね受け台板gとは、前者の長手方向両端部25,25′の小湾曲部を後者の表面に当接して重合させたとき、後者の規制片28,28とばね部材fとの間に所要幅員の弧状の間隙hを保持させる関係に設定されているものである。
【0043】
図15は、上記第2の緩衝装置Cを使用した本発明筋交い緩衝架設構造の第3の実施形態を示す。
この第3の実施形態のものは、緩衝装置Cのばね部材fを、筋交いBの下端部20の斜切木口面20′に、取付け孔26,26を通じて打着の釘30で取り付けるとともに、ばね受け台板gすなわち鋼板27を、土台12に取付け孔29を通じて打着の釘31で取り付ける。
【0044】
上記筋交いBは、第1実施形態の筋交い緩衝架設構造におけると同じ要領で、すなわち、土台12と柱13が形成する隅角部に設置した補助金具eに対して相対移動可能な状態で取り付けられている。したがって、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
(i)このように架設されている筋交いBの下端部20に対して、上方からほぼ矢印イ方向の外力が加わり、あるいはまた、土台12を介して下方からほぼ矢印ロ方向の外力が加わり、かつ、その外力が所要設定値以上になると、緩衝装置Cのばね部材fが、前記弧状の間隙hの範囲内で、換言すると、規制片28,28に突き当たるまでの範囲内で、そのばね力に抗し伸長することによって、上記外力を緩衝しながら、上記下端部20が下降し、あるいはまた、土台12が上昇すること、
(ii)このような、筋交いBの下端部20の下降または土台12の上昇は、補助金具eの起立板15に挿通したボルト22と筋交いBの下端部20に設けたボルト挿通長楕円孔21(図15には示していない)との間にある余裕内、および、ボルト頭22′とボルト頭遊嵌凹処21′との間にある余裕内において行われるもので、筋交いBの下端部20と補助金具eの相対変位であることは、いずれも上記第1実施形態の場合と同じである。
【0046】
本第3の実施形態において、ばね部材fは、長手方向両端部25,25′が小湾曲部をなし、その小湾曲部を受け台板gの表面に当接しているので、上記のように伸長するとき円滑に滑動することができ、その伸長、したがってまた筋交いBに加わる外力の緩衝を確実にする。
【0047】
なお、緩衝装置は、上述のものに限定されるものではない。すなわち、例えば、ばね部材は、板ばね以外のコイルばね等も採用でき、その場合は、受け台板の形状または構成を適宜適合させるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明に係る木造建築物における筋交い緩衝架設構造は、土台,梁等の横架材と柱とが形成する方形の壁体骨組の対角線の位置に組み込んだ筋交いが、土台,梁等の横架材と柱とが形成する隅角部に設置した補助金具に対し、該筋交いの縦軸線に沿う相対変位ができる状態で支持され、その筋交いの斜切木口面と上記横架材との間に緩衝装置を介在させているから、地震等において壁体骨組に作用する外力は、上記緩衝装置によって緩衝され、そのまま筋交いに圧縮力または引張力として作用することがない。
【0049】
したがって、筋交いは、従来のように容易に変形し、挫屈し、破断するというおそれがなく、また、変形、挫屈、破断に抗し得る格別強度の材質の筋交いを採用する必要もないので、安全にして経済的である。
【0050】
また、上記緩衝装置は、互いに重合するばね部材とばね受け台板とからなるきわめて簡単な構成で、壁体骨組に作用する外力を効果的に緩衝することができるとともに、製造が容易であり、取付けも簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の緩衝装置の斜視図である。
【図2】同上のばね部材の斜視図である。
【図3】同上のばね受け台板の斜視図である。
【図4】本発明筋交い緩衝架設構造の第1実施形態において、上記第1の緩衝装置と補助金具とを、土台と柱が形成する隅角部に設置した状態の側面図である。
【図5】筋交いを架設した状態の斜視図である。
【図6】同上の側面図である。
【図7】同上の断面図である。
【図8】同上の筋交いに外力が作用している状態の側面図である。
【図9】上記第1の緩衝装置を使用した本発明筋交い緩衝架設構造の第2実施形態を示す側面図である。
【図10】上記第1の緩衝装置の変形例の斜視図である。
【図11】同上のばね部材の斜視図である。
【図12】同上の緩衝装置を使用した場合の本発明筋交い緩衝架設構造の第1実施形態の変形例を示す側面図である。
【図13】第2の緩衝装置の斜視図である。
【図14】同上のばね部材の斜視図である。
【図15】上記第2の緩衝装置を使用した本発明筋交い緩衝架設構造の第3実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
A,A′ 緩衝装置
B 筋交い
C 緩衝装置
a ばね部材
b ばね受け台板
e 補助金具
f ばね部材
g ばね受け台板
1 弧状板ばね
2,2′ 端部
3,3′ ガイド片
4,5 小湾曲部
4′,5′ 小湾曲部
6 鋼板
7 規制片
8,8′ 端部
9,9′ 起立片
10,10′窓孔
12 土台
13 柱
15 起立板
18 ボルト挿通円孔
20 下端部
20′ 斜切木口面
20″ 斜切木口面
21 ボルト挿通長楕円孔
21′ ボルト頭遊嵌凹処
24 弧状板ばね
25,25′端部
27 鋼板
28 規制片
Claims (6)
- 土台,梁等の横架材と柱とが形成する方形の壁体骨組の対角線の位置に組み込んだ筋交いが、土台,梁等の横架材と柱とが形成する隅角部に設置した補助金具に対し、該筋交いの縦軸線に沿う相対変位ができる状態で支持されていること、その筋交いの斜切木口面と上記横架材との間に緩衝装置を介在させていることを特徴とする木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
- 緩衝装置が土台,梁等の横架材に固定され、筋交いの斜切木口面がその緩衝装置に当接していることを特徴とする請求項1記載の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
- 緩衝装置が筋交いの斜切木口面に固定され、その緩衝装置が土台,梁等の横架材に当接していることを特徴とする請求項1記載の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
- 緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね受け台板を土台,梁等の横架材に固定し、ばね部材を筋交いの斜切木口面に当接させていることを特徴とする請求項1または2記載の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
- 緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね受け台板を筋交いの斜切木口面に固定し、ばね部材を土台,梁等の横架材に当接させていることを特徴とする請求項1または3記載の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
- 緩衝装置がばね部材とばね受け台板を重合させてなり、ばね部材を筋交いの斜切木口面に固定するとともに、ばね受け台板を土台または梁等の横架材に固定していることを特徴とする請求項1記載の木造建築物における筋交い緩衝架設構造。
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