JP3577641B2 - フイルム搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフイルム搬送装置に係り、特にフイルムカートリッジに収納された現像済み写真フイルムをフイルムカートリッジから送り出しながら、そのコマ画像をラインセンサで読み取るようにしたフイルムスキャナに適用されるフイルム搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のカメラでは、撮影時にフイルムカートリッジを装填すると、フイルムカートリッジのフイルム出入口から突出したリーダ部のパーフォレーションにスプロケットが噛み合い、このスプロケットを駆動させることによりフイルムをフイルムカートリッジから送り出し、そして、送り出されたフイルムのリーダ部がフイルム巻上げリールに巻き付くと、このリールを回転駆動させてフイルムを1コマ毎巻き上げるようにしている。
【0003】
一方、最近では、フイルムカートリッジに収納された現像済み写真フイルムをフイルムカートリッジから送り出しながら、そのコマ画像をラインセンサで読み取るようにしたフイルムスキャナが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
フイルムスキャナに装填されるフイルムカートリッジは、カメラの場合とは異なり、フイルムがフイルムカートリッジ内に全て収納されている。従って、フイルムスキャナに適用されるフイルム搬送装置では、前記フイルムをフイルムカートリッジから送り出す必要があり、そして、巻き上げリールに巻き上げられたフイルムをフイルムカートリッジに円滑に巻き取る必要がある。また、フイルムの送り出し時にフイルムにジャムが発生して送り出し不能となると、それを検知してフイルム送り出しを停止する必要がある。しかしながら、従来のフイルム搬送装置では、このような機能を満足したものはない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、フイルムの送り出しと巻き取りとを円滑に行うことができると共に、フイルム送り出し不能時にフイルム送り出し動作を停止することができるフイルム搬送装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、電動モータからの駆動力が伝達されるとフイルムカートリッジのスプールを回転させるスプールギアと、前記電動モータから前記スプールギアをフイルム送り出し方向に回転させる駆動力が伝達されるとスプールギアを駆動する駆動ギアから退避し、電動モータから前記スプールギアをフイルム巻き取り方向に回転させる駆動力が伝達されると前記駆動ギアに噛合する方向に揺動する遊星ギアと、前記フイルムカートリッジからのフイルムの送り出し期間中に、前記遊星ギアを前記駆動ギアと噛み合う方向にバネ付勢する付勢手段と、前記駆動ギアと前記スプールギアとの間に配設され、前記駆動ギアから伝達されるフイルム送り出し方向の駆動力のみをスプールギアに伝達する一方向クラッチと、前記駆動ギアと前記スプールギアとの間に配設され、前記駆動ギアからスプールギアに伝達されるフイルム巻き取り方向の駆動力が一定トルク以上になるとスプールギアに対して駆動ギアを滑らせる滑りクラッチと、を備えたフイルム搬送装置において、フイルムの送り出し時に送り出されたフイルムの先端部が、回転駆動されているキャプスタンを通過したこと又は回転駆動されているフイルム巻上げリールに巻き取られたことを検知するセンサと、該センサからの検知信号により駆動されて前記遊星ギアに対する前記付勢手段の付勢力を解除する解除手段とが設けられ、該解除手段によって前記遊星ギアの前記駆動ギアに対する駆動力伝達を遮断することを特徴としている。
【0007】
【作用】
発明によれば、電動モータからスプールギアをフイルム送り出し方向に回転させる駆動力が遊星ギヤに伝達されると、遊星ギアはスプールギアを駆動する駆動ギアから退避する方向に揺動しようとするが、付勢手段によるバネ付勢力によって駆動ギアと噛み合わされる。これにより、駆動ギアが回転し、そして、スプールギヤが一方向クラッチによって駆動ギヤと一体的に回転するので、フイルムカートリッジ内に収納されたフイルムを送り出すことができる。
【0008】
フイルム送り出し中にフイルムにジャムが発生してフイルムの送り出しが不能になると、スプールギアと駆動ギヤが回転不能になりロック状態になる。ロック状態になると、遊星ギアは、電動モータからの駆動力により前記付勢手段のバネ付勢力に抗して駆動ギヤから退避する方向に揺動する。これにより、駆動ギヤには、電動モータからの駆動力が伝達されなくなるので、フイルム送り出しが停止する。
【0009】
電動モータからスプールギアをフイルム巻き取り方向に回転させる駆動力が遊星ギアに伝達されると、遊星ギアが駆動ギアに噛み合うことにより、電動モータからの駆動力がスプールギヤに伝達されるので、フイルム巻き取りを行うことができる。フイルム巻き取り中に、駆動ギアからスプールギアに伝達されるフイルム巻き取り方向の駆動力が一定トルク以上になると、滑りクラッチによって駆動ギヤがスプールギアに対して滑りはじめ、これによりスプールギヤが駆動ギヤに対して滑りながら回転する。従って、フイルムは、フイルム巻き取り中に過大な張力がかからずにフイルムカートリッジ内に巻き取られる。
【0010】
また、本発明は、フイルムの送り出し時にフイルムの先端部が一定の長さ送り出されてキャプスタンを通過すると、付勢手段の遊星ギアに対するバネ付勢を解除して、遊星ギアの駆動ギアに対する駆動力伝達を遮断するようにしたものである。これにより、フイルム巻き上げ時には、キャプスタンとフイルム巻上げリールのみを駆動することになるので、電動モータの消費電力を削減することができる。
【0011】
【実施例】
以下添付図面に従って本発明に係るフイルム搬送装置の好ましい実施例について詳説する。
図1は、本発明に係るフイルム搬送装置がフイルムスキャナに適用された実施例を示す平面図である。前記フイルム搬送装置は、電動モータ10の正方向の回転駆動力でフイルムカートリッジ12内に収納された現像済み写真フイルム14をフイルムカートリッジ12から送り出すと共に、送り出されたフイルム14をキャプスタン16、16によって定速搬送してフイルム巻上げリール18で巻き上げるもので、また、電動モータ10の逆方向の回転駆動力でフイルム巻上げリール18に巻き上げられたフイルム14をキャプスタン16、16によって逆方向に定速搬送してフイルムカートリッジ12内に巻き取るものである。
【0012】
一方、フイルムスキャナは図2に示すように、フイルムを照射する光源ランプ20、光源ランプ20で照射されたフイルム14のコマ画像の透過光を反射するミラー22を有し、ミラー22で反射された透過光はラインセンサ24の結像面上で結像され、そして、ラインセンサ22から出力される電圧信号は、画像処理装置26によって画像処理されたのちモニタTV28に出力されて、モニタTV28にそのコマ画像が表示される。
【0013】
前記電動モータ10は図1に示すようにフイルム巻上げリール18内に挿入配置され、その回転軸30には図1、図3に示す太陽ギヤ32が固着されている。太陽ギヤ32の周囲には2枚の遊星ギヤ34、34が噛合されており、この遊星ギヤ34、34はリングギヤ37と固定ギヤ39に噛合されている。前記遊星ギヤ34、34は図4に示すプレート38とキャリアギヤ36に枢支されると共に、太陽ギヤ32に対して公転するように保持されている。リングギヤ37と固定ギヤ39は、同軸上に配置されたインターナルギヤで歯数が2枚異なる。これにより、キャリアギヤ36、及びリングギヤ37は、電動モータ10からの回転駆動力で回転される。
【0014】
前記キャリアギヤ36の外周部には、図3に示すようにギヤ40が噛合される。ギヤ40の同軸上には図4に示すように、ギヤ42、44、46が連設されている。ギヤ42はギヤ40と一体に形成され、ギヤ44は支軸48に自由回転可能に枢支され、ギヤ46は図4に示すようにリングギア37の下部外周に形成されたギヤ37Aに噛合されている。前記ギヤ42、又はギヤ46にはギヤ52が噛合され、このギヤ52によってフイルムカートリッジ12のスプールギヤ50(図3参照)側に回転駆動力が伝達される。また、ギヤ44にはギヤ群56が噛合され、このギヤ群56によってフイルム巻上げリール18のリールギヤ54側に回転駆動力が伝達される。前記ギヤ群56については後述する。
【0015】
前記ギヤ52は図4中上下方向に移動自在に設けられ、上方向に移動された時には前記ギヤ42、及びギヤ44に噛合されてキャリアギヤ36からの回転力が伝達される。また、ギヤ52は、下方向に移動された時には前記ギヤ44、及びギヤ46に噛合されてリングギヤ37からの回転力が伝達される。従って、ギヤ52の噛合位置を選択することにより、電動モータ10からスプールギヤ50に伝達される回転速度を切り換えることができる。
【0016】
前記ギヤ52にはギヤ58が噛合され、このギヤ58には図3に示すようにギヤ60が噛合される。ギヤ60には同軸上にギヤ62が設けられており、このギヤ62には図1に示したキャプスタン16、16を駆動するギヤ64が噛合されている。従って、前記キャプスタン16、16は電動モータ10からの回転駆動力によって駆動される。
【0017】
前記ギヤ60には図3に示すようにギヤ66が噛合され、このギヤ66には太陽ギヤ68が噛合されている。太陽ギヤ68には遊星ギヤ70が噛合されている。この遊星ギヤ70は、その支軸71がアーム72を介して太陽ギヤ68の支軸69に連結されており、太陽ギヤ68からスプールギア50をフイルム送り出し方向に回転させる駆動力が伝達されると、スプールギア50を駆動する駆動ギア74から退避し、太陽ギヤ68からスプールギア50をフイルム巻き取り方向に回転させる駆動力が伝達されると駆動ギア74に噛合する方向に揺動するようになっている。
【0018】
前記アーム72には、ねじりコイルばね76が取り付けられる。このねじりコイルばね76は、図中右端部76Aが遊星ギヤ70上に位置するアーム72に固着され、図中左端部76Bがアーム72と同軸で回転可能な舌状片73に固着されている。また、前記舌状片73の端縁にはレバー78が押圧当接されている。従って、アーム72は、ねじりコイルばね74のバネ付勢力により太陽ギヤ68の支軸69を中心として図中反時計回り方向に付勢されている。これにより、遊星ギヤ70は駆動ギヤ74に押し付けられ、また、この時の押し付け力(バネ付勢力)は、太陽ギヤ68からスプールギア50をフイルム送り出し方向に回転させた時に遊星ギヤ70が駆動ギア74から退避しようとする力よりも、大きめに設定されている。
【0019】
前記レバー78は、ピン80に固着されると共にピン80を支点に回動自在に設けられる。ピン80は、図示しないモータに連結されており、このモータは、フイルムカートリッジ12から送り出されたフイルム14のリーダ部15(図1参照)がキャプスタン16を通過したことを検知する図示しないセンサ、又は前記リーダ部15がフイルム巻上げリール18に巻き取られたことを検知する図示しないセンサからのフイルム検知信号により駆動制御されて、レバー78をアーム72から退避させる方向に駆動する。従って、遊星ギヤ70は、フイルム14のリーダ部15がキャプスタン16を通過すると、又はリーダ部15がフイルム巻上げリール18に巻き取られると、アーム72がねじりコイルばね74のバネ付勢力により時計回り方向に揺動することにより、駆動ギヤ74から退避する。これにより、駆動ギヤ74には遊星ギヤ70からの駆動力が遮断される。
【0020】
前記駆動ギヤ74の同軸上には、図1に示すようにスプールギヤ50に噛合された被動ギヤ82が配設されている。駆動ギヤ74は図5に示すように、頂部に六角部84が形成された軸86に枢支され、前記被動ギヤ82は前記軸86の六角部84にその六角孔88が嵌入されて固定されている。また、前記軸86はピン90に枢支されている。
【0021】
駆動ギヤ74と被動ギヤ82との間には、一方向クラッチとしてのコイルスプリング92が配設される。このコイルスプリング92は図6に示すように、軸86の外周部と被動ギヤ82の内周部とに挟まれた状態で配置されると共に、下部の端部93(図5参照)が駆動ギヤ74の上面に形成された溝部75に係止されている。前記コイルスプリング92は、駆動ギア74からフイルム送り出し方向の駆動力が伝達されると、その駆動力によって収縮し軸86の外周部に圧接する。これにより、駆動ギヤ74と被動ギヤ82とが連結されるので、フイルム送り出し方向の駆動力が、被動ギヤ82を介してスプールギヤ50に伝達される。また、コイルスプリング92は、駆動ギア74からフイルム巻き取り方向の駆動力が伝達されると、その駆動力によって膨張し軸86の外周部から離れる。これにより、駆動ギヤ74と被動ギヤ82との連結が解除されるので、フイルム巻き取り方向の駆動力は被動ギヤ82に直接伝達されない。
【0022】
前記駆動ギヤ74と軸86との間には図5に示すように、滑りクラッチとしての線ばね94が配設される。線ばね94は円弧状に形成されると共に、その両端部にはフック部94A、94Bが内側に折り曲げ形成されている。線ばね94は、組み立て時に膨張した状態(原形状態)から収縮されて、フック部94Aが前記軸86の下部に形成されたフランジ96の段部96Aに係合され、一方のフック部94Bが前記フランジ96の段部96Bに係合される。また、線ばね94の周部は図6に示すように、前記駆動ギア74の下部に形成されたフランジ98の内周面98Aにその付勢力(復元力)によって圧接される。これにより、駆動ギア74と線ばね94との間には、線ばね94の付勢力による所定の摩擦力が生じており、駆動ギア74から被動ギヤ82に伝達されるフイルム巻き取り方向の駆動力が一定トルク以上になると、即ち、前記摩擦力を越えると、被動ギヤ82に対して駆動ギア74が滑るようになっている。
【0023】
従って、駆動ギヤ74と被動ギヤ82との関係は、駆動ギア74からフイルム送り出し方向の駆動力が伝達されると、コイルスプリング92による一方向クラッチが優先されて被動ギヤ82が駆動ギヤ74に対して一体的に回転する。また、駆動ギア74からフイルム巻き取り方向の駆動力が伝達されると、線ばね94による滑りクラッチが優先されて、線ばね94の摩擦力を越えない範囲では被動ギヤ82が駆動ギヤ74に対して一体的に回転し、そして、前記摩擦力を越えると、被動ギヤ82に対して駆動ギア74が滑る。
【0024】
次に、ギヤ群56について説明する。ギヤ群56は、図3、図4に示すようにフイルム巻上げリール18のリールギヤ54に回転駆動力を伝達するもので、ギヤ44に噛合された遊星ギヤ100、前記リールギヤ54に噛合するギヤ102を有している。前記遊星ギヤ100は、その支軸104がアーム106を介してギヤ44の支軸48に連結されており、ギヤ44からフイルム送り出し方向の駆動力が伝達されると、ギヤ44の周部を図3中反時計回り方向に公転する。これにより、遊星ギヤ100と同軸上に配設された前記ギヤ102がリールギヤ54と噛合する。また、遊星ギヤ100は、ギヤ44からフイルム巻き取り方向の駆動力が伝達されると、ギヤ44の周部を図3中時計回り方向に公転する。これにより、ギヤ102がリールギヤ54から退避して、リールギヤ54への駆動力伝達が解除される。ギヤ102がリールギヤ54から退避した位置には図9に示すようにストッパピン108が設けられ、このストッパピン108にアーム106が当接することにより、遊星ギヤ100の公転が規制される。また、遊星ギヤ100は、ギヤ44に噛合さているので、前述したギヤ52の噛合位置をギヤ42側、若しくはギヤ46側に選択することにより、電動モータ10からリールギヤ54に伝達される回転速度、即ち、フイルム巻き上げ速度が切り換えられるようになっている。
【0025】
一方、リールギヤ54とフイルム巻上げリール18との間には図4に示すように、滑りクラッチである線ばね110が配設される。この線ばね110は図7に示すように、円弧状に形成されると共に、その両端部にはフック部110A、110Bが内側に折り曲げ形成されている。線ばね110は、組み立て時に、図7中二点鎖線で示す膨張した状態(原形状態)から実線で示すように収縮されて、フック部110Aが、リール18の上面フランジ19に形成された突片19Aと突片19Bとの間の溝21Aに係合され、一方のフック部110Bが突片19Aと突片19Dとの間の溝21Bに係合される。また、線ばね12の周部は、図4に示すようにリールギヤ54の内周面54Aにその付勢力(復元力)によって圧接される。これにより、リールギア54と線ばね110との間には、線ばね110の付勢力による所定の摩擦力が生じており、リールギア54からリール18に伝達されるフイルム巻き上げ方向の駆動力が一定トルク以上になると、リール18に対してリールギア54が滑るようになっている。即ち、リールギア54とリール18は、線ばね110の摩擦力を越えない範囲ではリール18がリールギヤ54に対して一体的に回転し、そして、前記摩擦力を越えると、リール18に対してリールギア54が滑る。
【0026】
次に、前記の如く構成されたフイルム搬送装置の作用について説明する。
先ず、フイルムカートリッジ12に収納されたフイルム14を送り出すために、電動モータ10を正方向(図3中時計回り方向)に回転させると、その駆動力は太陽ギヤ32→遊星ギヤ34、34→キャリアギヤ36、リングギヤ37を介してギヤ40、42、46に伝達される。このギヤ40、42、46の駆動力は、ギヤ52側とギヤ群56とに分岐され、ギヤ52側に伝達された駆動力はギヤ58から後段のギヤ列に伝達される。前記ギヤ群56に駆動力が伝達されると、遊星ギヤ100がギヤ44の周囲を図3中反時計回り方向に公転し始め、そして、ギヤ102がリールギヤ54と噛合することによりリール18がフイルム巻上げ方向に回転し始める。
【0027】
一方、ギヤ52側に伝達された駆動力は、ギヤ58→ギヤ60に伝達される。そして、キャプスタン16のギヤ64がギヤ62を介してギヤ60に駆動されることにより、キャプスタン16がフイルム14の巻き上げ方向(図3中反時計回り方向)に定速で回転し始める。
また、ギヤ60に伝達された駆動力は、ギヤ66→太陽ギヤ68を介して遊星ギヤ70に伝達される。この時、遊星ギヤ70は、レバー78によってアーム72の移動が規制されているため、ねじりコイルばね76の付勢力により駆動ギヤ74に噛合されている。従って、遊星ギヤ70からの駆動力は、駆動ギヤ74に伝達される。駆動ギヤ74に伝達された駆動力は、図5、図6に示したコイルスプリング92による一方向クラッチによって被動ギヤ82に伝達される。これにより、スプールギヤ50がフイルム送り出し方向に回転し始めるので、フイルムカートリッジ12内に収納されたフイルム14がフイルムカートリッジ10から送り出されるようになる。
【0028】
送り出されたフイルム14のリーダ部15がキャプスタン16を通過すると、レバー78が図3中反時計回り方向に回動してアーム70の規制を解除する。これによって、遊星ギヤ70が駆動ギヤ74から離れることにより、スプールギヤ50への駆動力伝達が解除される。そして、フイルム14は、キャプスタン16の駆動力のみによってフイルムカートリッジ12から引き出され、リール18に向けて定速搬送される。そして、フイルム14のリーダ部15がリール18に巻き付くと、フイルム14はキャプスタン16とリール18との回転速度差によって、キャプスタン16とリール18との間で所定の張力が負荷された状態で定速搬送される。そして、この状態でフイルムスキャナによるコマ画像の読み取りが行われる。
【0029】
従って、本実施例では、フイルム14のリーダ部15がキャプスタン16を通過すると、キャプスタン16とフイルム巻上げリール18のみを駆動するようにしたので、電動モータ10の消費電力を削減することができる。尚、本実施例では、キャプスタン16を通過した時にスプールギヤ50への駆動力伝達を解除するとしたが、リーダ部15がリール18に巻き付けられたタイミングで駆動力伝達を解除しても良い。
【0030】
一方、リール18に巻き上げられているフイルム14の巻き径が大きくなると、リール18はリールギア54に対して滑りながら回転して、キャプスタン16とリール18との回転速度差を吸収する。これにより、フイルム14は、過大な張力がかからずにリール18に円滑に巻き上げられる。
次に、フイルム送り出し中にジャムが発生した場合について図8を参照しながら説明する。フイルム14にジャムが発生するとフイルム14の送り出しが不能になるので、スプールギア50、被動ギヤ82、駆動ギヤ74が回転不能になりロック状態になる。ロック状態になると、遊星ギア70は、太陽ギヤ68からの駆動力と駆動ギヤ74からの反力により太陽ギヤ68の周囲を図中時計回り方向に公転し始め、そして、ねじりコイルばね76のバネ付勢力に抗して駆動ギヤ74から退避する方向(矢印A方向)に揺動する。これにより、駆動ギヤ74には、電動モータ10からの駆動力が伝達されなくなるので、フイルム14の送り出しが停止する。
【0031】
次に、リール18に巻き上げられたフイルム14をフイルムカートリッジ12に巻き取る動作について図9を参照しながら説明する。電動モータ10を逆方向(図9中反時計回り方向)に回転させると、その駆動力は太陽ギヤ32→遊星ギヤ34、34→キャリアギヤ36、リングギヤ37を介してギヤ40、42、46に伝達される。このギヤ40、42、46の駆動力がギヤ群56に伝達されると、遊星ギヤ100がギヤ44の周囲を図9中時計回り方向に公転し始め、そして、ギヤ102がリールギヤ54から退避する。これにより、リールギヤ54に対する駆動力伝達が解除され、リール18が自由回転可能となる。
【0032】
一方、ギヤ40、42、46からギヤ52側に伝達された駆動力は、ギヤ58→ギヤ60に伝達され、そして、キャプスタン16のギヤ64がギヤ62を介して駆動される。これにより、キャプスタン16がフイルム14の巻き取り方向(図9中時計回り方向)に定速で回転し始める。
また、ギヤ60に伝達された駆動力は、ギヤ66→太陽ギヤ68を介して遊星ギヤ70に伝達される。この時、遊星ギヤ70は駆動ギヤ74に噛合し、その駆動力が駆動ギヤ74に伝達される。駆動ギヤ74に伝達された駆動力は、図5、図6に示した線ばね94による滑りクラッチによって被動ギヤ82に伝達される。これにより、スプールギヤ50がフイルム巻き取り方向に回転し始めるので、キャプスタン16によって定速で逆搬送されてくるフイルム14がフイルムカートリッジ12内に巻き取られる。
【0033】
フイルムカートリッジ12側では、被動ギヤ82はリールギア74に対して滑りながら回転して、キャプスタン16とスプールギヤ50との回転速度差を吸収する。これにより、フイルム14は、過大な張力がかからずにフイルムカートリッジ12に円滑に巻き取られる。
従って、本実施例のフイルム搬送装置によれば、フイルム14の送り出しと巻き取りとを円滑に行うことができると共に、ジャム発生等のフイルム送り出し不能時にフイルム送り出し動作を強制的に停止することができる。
【0034】
また、本実施例では図4に示したように、ギヤ52の昇降移動によりフイルム送り出し速度、巻き取り速度を可変することができる。例えば、フイルムスキャナでコマ画像を読み取る場合には、ギヤ52を下降させてギヤ46側と噛合させれば良い。この場合には、フイルム送り出し速度が低速になるので、コマ画像を鮮明にスキャンすることができる。また、図示してはいないが、フイルム14の磁気記録層に磁気記録された情報を磁気ヘッドで読み取る場合には、ギヤ52を上昇させてギヤ42側と噛合させれば良い。この場合には、フイルム送り出し速度が高速になり、磁気ヘッドでの読み取りに充分な出力が得られる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るフイルム搬送装置によれば、電動モータから駆動力で揺動する遊星ギヤと、フイルムの送り出し期間中に遊星ギアを駆動ギアと噛み合う方向にバネ付勢する付勢手段と、駆動ギアから伝達されるフイルム送り出し方向の駆動力のみをスプールギアに伝達する一方向クラッチと、駆動ギアからスプールギアに伝達されるフイルム巻き取り方向の駆動力が一定トルク以上になるとスプールギアに対して駆動ギアを滑らせる滑りクラッチとを備えたので、フイルムの送り出しと巻き取りとを円滑に行うことができると共に、フイルム送り出し不能時にフイルム送り出し動作を強制的に停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフイルム搬送装置がフイルムスキャナに適用された実施例を示す平面図
【図2】フイルムスキャナの実施例を示すブロック図
【図3】本発明に係るフイルム搬送装置がフイルムを送り出す状態を示す説明図
【図4】本発明に係るフイルム搬送装置の電動モータ近傍のギヤ列を示す断面図
【図5】本発明に係るフイルム搬送装置の一方向クラッチと滑りクラッチの実施例を示す組み立て斜視図
【図6】本発明に係るフイルム搬送装置の一方向クラッチと滑りクラッチの実施例を示す断面図
【図7】本発明に係るフイルム搬送装置のリールギヤとリールとを連結する滑りクラッチの組み立て斜視図
【図8】本発明に係るフイルム搬送装置によるフイルム搬送中にジャムが発生した状態を示す説明図
【図9】本発明に係るフイルム搬送装置がフイルムを巻き取る状態を示す説明図
【符号の説明】
10…電動モータ 12…フイルムカートリッジ
14…現像済み写真フイルム 16…キャプスタン
18…フイルム巻上げリール 24…ラインセンサ
32…太陽ギヤ 34…遊星ギヤ
37…リングギヤ 50…スプールギヤ
56…ギヤ群 68…太陽ギヤ
70…遊星ギヤ 72…アーム
74…駆動ギヤ 76…ねじりコイルばね
78…レバー 82…被動ギヤ
92…コイルスプリング 94…線ばね
100…遊星ギヤ 102…ギヤ
110…線ばね

Claims (1)

  1. 電動モータからの駆動力が伝達されるとフイルムカートリッジのスプールを回転させるスプールギアと、
    前記電動モータから前記スプールギアをフイルム送り出し方向に回転させる駆動力が伝達されるとスプールギアを駆動する駆動ギアから退避し、電動モータから前記スプールギアをフイルム巻き取り方向に回転させる駆動力が伝達されると前記駆動ギアに噛合する方向に揺動する遊星ギアと、
    前記フイルムカートリッジからのフイルムの送り出し期間中に、前記遊星ギアを前記駆動ギアと噛み合う方向にバネ付勢する付勢手段と、
    前記駆動ギアと前記スプールギアとの間に配設され、前記駆動ギアから伝達されるフイルム送り出し方向の駆動力のみをスプールギアに伝達する一方向クラッチと、
    前記駆動ギアと前記スプールギアとの間に配設され、前記駆動ギアからスプールギアに伝達されるフイルム巻き取り方向の駆動力が一定トルク以上になるとスプールギアに対して駆動ギアを滑らせる滑りクラッチと、を備えたフイルム搬送装置において、
    フイルムの送り出し時に送り出されたフイルムの先端部が、回転駆動されているキャプスタンを通過したこと又は回転駆動されているフイルム巻上げリールに巻き取られたことを検知するセンサと、該センサからの検知信号により駆動されて前記遊星ギアに対する前記付勢手段の付勢力を解除する解除手段とが設けられ、該解除手段によって前記遊星ギアの前記駆動ギアに対する駆動力伝達を遮断することを特徴とするフイルム搬送装置。
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