JP3577423B2 - 遠心薄膜乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品工業、化学工業、産業廃棄物処理業、及び水処理業等で用いられる遠心薄膜乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遠心薄膜乾燥機は、無薬注の運転を一回行うだけで、高含水率の生汚泥を自然焼却可能な低含水率の程度にまで脱水及び乾燥させることが出来る。
【0003】
このため、この遠心薄膜乾燥機は、生汚泥等の脱水及び乾燥のための装置として、省エネルギー及び環境保護の面から注目されている。
【0004】
ここで、従来の遠心薄膜乾燥機について図4を参照して説明する。
【0005】
図4は従来の遠心薄膜乾燥機の内部構成を示した断面図で、遠心薄膜乾燥機1には薄肉の伝熱胴2と、その内部に伝熱胴2と同軸に設けられた主軸3とが備えられている。伝熱胴2の上部には生汚泥4が投入される汚泥投入口5Aが設けられ、下端部には乾燥汚泥6が排出される汚泥排出口5Bが設けられている。
【0006】
主軸3は駆動モーター7の駆動によってプーリー8及びベルト9を介して回転するようになっており、その回転速度は300〜900rpmの高速で、後記する分配リング周囲の汚泥を伝熱胴2の内壁に押し付け貼り付ける圧延機能を有している。また、主軸3の汚泥投入口5A近ぼうには前記分配リング10が設けられており、この分配リング10は汚泥投入口5Aから伝熱胴2内に供給された生汚泥4を伝熱胴2の内面に沿って分散させる。
【0007】
一方、伝熱胴2の外側には汚泥の脱水及び乾燥用の熱源となる蒸気ジャケット11が設けられており、この蒸気ジャケット11内に加熱蒸気が蒸気入口12Aから流入し、蒸気出口12Bから流出するようになっている。
【0008】
このように構成された遠心薄膜乾燥機1において、汚泥投入口5Aから伝熱胴2内に供給された生汚泥4は、主軸3と共に回転する分配リング10によって伝熱胴2の内壁に沿うように分散される。さらに、生汚泥4は主軸3と共に回転する複数個のブレード13によって伝熱胴2の内壁に押し付けられ薄板状に引き延ばされる。なお、この複数個のブレード13は主軸3に固着されている固定軸13Aを中心に伝熱胴2の内壁に対して回動するように取り付けられていて、生汚泥4を伝熱胴2の内壁に押圧して薄板状にする役目を果たしいてる。
【0009】
薄板状となった生汚泥4は、自身の自重及び次々に供給される新たな生汚泥4の圧力によって少しずつ下降する。その下降の際、生汚泥4は蒸気ジャケット11内の加熱蒸気によって熱せられている伝熱胴2を介して加熱され、その水分は蒸発して乾燥し、乾燥汚泥6となって、汚泥排出口5Bから排出される。
【0010】
一方、生汚泥4から蒸発した水分は伝熱胴2の上部に設けられた蒸気排出口14から外部に排出される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の遠心薄膜乾燥機においては、分配リング10が生汚泥4を伝熱胴2の内面に沿って分散させるだけの機能として採用されていたため、分配リング10の位置では生汚泥4の水分は元の状態に近いものであり、このことが原因で伝熱胴2の内部での分散降下速度が早く、最終的な乾燥汚泥6も完全な乾燥状態にはなっていないことが多いという問題があった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、ほぼ完全な乾燥状態に近い乾燥汚泥を排出される遠心薄膜乾燥機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上部に汚泥が投入される汚泥投入口を、下部に汚泥が排出される汚泥排出口を有する円筒状の伝熱胴と、この伝熱胴内に回転自在に配設された主軸と、この主軸に固着されるとともに前記汚泥投入口から投入された汚泥を前記伝熱胴内周面に分散させる分散リングと、この分散リングにより分散された汚泥を前記伝熱胴内周面に沿って薄板状に圧延しつつ前記伝熱胴内下方に移動させるように前記主軸に固着されるブレードとを備えた遠心薄膜乾燥機において、前記分配リングは、薄板によりその周面が前記伝熱胴内下方に向って径大となるテーパー形状に形成され、そのテーパーの内側に前記伝熱胴内を上昇する高温抽気が当り、テーパー外側に投入された汚泥を暖めるように構成したことを特徴とする遠心薄膜乾燥機が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、前記テーパー形状の分配リングの外周面に複数のストライプ状の突起物を主軸方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の遠心薄膜乾燥機が得られる。
【0015】
さらに、本発明によれば、前記テーパー形状の分配リングの断面形状をそのテーパー状外周面と前記主軸との角度が約15度となるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心薄膜乾燥機が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明による遠心薄膜乾燥機の一実施形態を示した断面図、図2は本発明による分配リング部分を示した説明図である。なお、図1乃至図2において、図4と同一構成部分には同一符号を付して示し、詳細な説明は省略し、以下には図4と相違する部分について主として説明する。
【0018】
図1において、遠心薄膜乾燥機1は円筒状の伝熱胴2と、この伝熱胴2内に回転自在に配設された主軸3に固着した分配リング15とブレード13とを備えている。
【0019】
この分配リング15は薄板で、図2に示されているように、垂直面内(紙面)において主軸3に対して約15度の角度を持たせたテーパー形状になっており、汚泥投入口5Aから投入された生汚泥4をこのテーパー形状の分配リング15の外周面にで担持してその落下速度を遅くする役目を果たしている。次に、このような構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0020】
図1において、汚泥投入口5Aから伝熱胴2内に供給された生汚泥4は、主軸3と共に回転する分配リング15によって伝熱胴2の内壁に沿うように分散されるが、この時薄板からなる分配リング15は、図2に示されているように、約100℃の抽気16の熱により暖められているため、その外周面に担持された生汚泥4は伝熱胴2の内壁に分散される前に徐々に暖められ乾燥し易い状態となる。この乾燥し易い状態となった生汚泥4はブレード13の回転によって伝熱胴2の内壁に押し付けられ薄板状に圧延される。
【0021】
この薄板状となった生汚泥4は、自身の自重及び次々に供給される新たな生汚泥4の圧力によって、少しずつ降下していくが、この降下速度は、すでに乾燥しやすい状態となっているため、従来に較べて非常に遅い速度となっている。その降下の際、生汚泥4は蒸気ジャケット11内の加熱蒸気によって熱せられている伝熱胴2を介してさらに加熱され、生汚泥4の乾燥が一層促進される。このようにして低含水率の乾燥汚泥6が汚泥排出口5Bから排出される。他方、生汚泥4から蒸発した水分は、伝熱胴2の上部に設けられた蒸気排出口14から外部へ排出される。
【0022】
次に、本発明による他の実施形態について、図3を参照して説明する。なお、図3において、図4と同一構成部分には同一符号を付して示し、詳細な説明は省略し、図4と相違する部分についてのみ主として説明する。
【0023】
同図において、分配リング17の外周面上には、複数のストライプ状の突起物18が主軸3の方向に設けられており、生汚泥4はこの突起物18に支持されることにより、分配リング17の外周面から落下する速度が遅くなる。すなわち、生汚泥4は抽気16(図2)によって熱せられている分配リング17に接触している時間がより長くなり、それだけ温度も上がり乾燥し易い状態が一層促進されるため、上記した実施形態より、さらに低含水率の乾燥汚泥6が汚泥排出口5Bから排出されることになる。
【0024】
【発明の効果】
上記した本発明によれば、テーパー形状の外周面を有する分配リングにより、従来の装置に比較してより長い時間高熱、例えば約100℃の抽気により生汚泥が暖められ、乾燥した状態となってるため、より低含水率な乾燥汚泥を得ることが出来る。
【0025】
また、分配リングのテーパー形状の外周面に複数の突起を設けることによって、生汚泥はこの分配リングの外周面に残留する時間がさらに長くなり、従来に較べて著しく低含水率な乾燥汚泥が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による遠心薄膜乾燥機の一実施形態を示した断面図である。
【図2】本発明による分配リング部分を示した説明図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】従来の遠心薄膜乾燥機の内部構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 遠心薄膜乾燥機
2 伝熱胴
3 主軸
4 生汚泥
5A 汚泥投入口
5B 汚泥排出口
6 乾燥汚泥
7 駆動モーター
8 プーリー
9 ベルト
10 分配リング
11 蒸気ジャケット
12A 蒸気入口
12B 蒸気出口
13 ブレード
14 蒸気排気口
15 分配リング
16 抽気
17 分配リング
18 突起物
Claims (3)
- 上部に汚泥が投入される汚泥投入口を、下部に汚泥が排出される汚泥排出口を有する円筒状の伝熱胴と、この伝熱胴内に回転自在に配設された主軸と、この主軸に固着されるとともに前記汚泥投入口から投入された汚泥を前記伝熱胴内周面に分散させる分散リングと、この分散リングにより分散された汚泥を前記伝熱胴内周面に沿って薄板状に圧延しつつ前記伝熱胴内下方に移動させるように前記主軸に固着されるブレードとを備えた遠心薄膜乾燥機において、前記分配リングは、薄板によりその周面が前記伝熱胴内下方に向って径大となるテーパー形状に形成され、そのテーパーの内側に前記伝熱胴内を上昇する高温抽気が当り、テーパー外側に投入された汚泥を暖めるように構成したことを特徴とする遠心薄膜乾燥機。
- 前記テーパー形状の分配リングの外周面に複数のストライプ状の突起物を主軸方向に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の遠心薄膜乾燥機。
- 前記テーパー形状の分配リングの断面形状をそのテーパー状外周面と前記主軸との角度が約15度となるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心薄膜乾燥機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02852599A JP3577423B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | 遠心薄膜乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02852599A JP3577423B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | 遠心薄膜乾燥機 |
Publications (2)
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Family
ID=12251094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02852599A Expired - Lifetime JP3577423B2 (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | 遠心薄膜乾燥機 |
Country Status (1)
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CN106679345A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-17 | 苏州固特斯电子科技有限公司 | 一种高温烘干装置 |
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- 1999-02-05 JP JP02852599A patent/JP3577423B2/ja not_active Expired - Lifetime
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