JP3577350B2 - 打撃診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被診断部材を打撃することにより、その被診断部材の強度を診断する打撃診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、かご形誘導電動機の2次巻線としては、鉄心のスロット中に納められた銅製のロータバーと、鉄心の両側でこれらを短絡する端絡環とから構成されたものがある。これらのロータバーは端絡環に手作業によってろう付けされるため、そのろう付けの品質管理が重要な課題となっている。
【0003】
例えば、かご形誘導電動機の運転中においては、ロータバーと端絡環とのろう付け部には、ロータバーと端絡環との温度差、ロータバーにかかる遠心力や機械的振動などによって種々の応力が発生するので、ろう付け部の接合強度が小なる場合(ろう付け品質が悪い場合)には、ロータバーが端絡環から早期に剥離する不具合が生ずる。
【0004】
また、近年の省エネルギー化の技術動向により、例えば工場などの電動機においては、その始動及び停止が頻繁に行われる傾向にある。このため、鉄心のスロットに収納された複数のロータバーには始動時の突入電流に基づく電磁加振力により強大な電磁振動が作用することになる。
【0005】
従って、製造直後には良好な装着状態にあったスロットとロータバーとの間には、電動機の始動の度に作用する電磁加振力によりギャップが形成され、始動の回数を重ねることにより次第にギャップが大きくなって緩みが生ずることもあり得る。もし、この様な緩みが発生した場合には、装着強度が小さくなり、上述した様々な応力も加味されて、ロータバーに繰返し疲労によるクラックが発生し、更に進展するとロータバーが破損する不具合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この様な事態の発生を防止するため、例えば、かご形誘導電動機においては、製造時及び総始動回数の5000乃至10000回を目安とした時点において、ロータバーと端絡環とのろう付け部の接合強度やロータバーとスロットとの装着強度を点検することが励行されている。この場合、従来の点検においては、熟練した作業者がハンマでロータバーを軽く打撃することにより、その打音の響きや、指に伝わる振動の具合などによって良否の判定を行っていた。
しかしながら、この様な従来の方法では作業者の長年の経験と勘とが必要であり、また、作業者によって判定に差が生じるなどの欠点があった。
【0007】
本発明は上記問題を解決するもので、その目的は、被診断部材の強度を自動的に判定することが可能な打撃診断装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の打撃診断装置は、作業者により把持される把持部及びこの把持部に固定されて被診断部材に打撃されるヘッド部を有するハンマ部並びにこのハンマ部のヘッド部に設けられて被診断部材への打撃力を検出する打撃力検出手段からなる打撃装置と、この打撃装置のヘッド部が被診断部材に打撃されたときに打撃力検出手段が検出した打撃力データの波形を処理してその処理結果を出力するデータ処理手段と、このデータ処理手段により出力された処理結果と基準値とを比較する比較手段と、この比較手段の比較結果を表示する表示手段とを具備し
前記データ処理手段は、前記打撃力検出手段が検出した打撃力データを周波数軸上の波形として処理し、前記比較手段は、前記データ処理手段により出力された周波数軸上の波形が最初に零点に収束する周波数と基準値とを比較する。
【0016】
【作用】
請求項1記載の打撃診断装置によれば、データ処理手段は、打撃装置のヘッド部が被診断部材に打撃されたときに打撃力検出手段が検出した打撃力データの波形を処理し、比較手段は、その比較結果と基準値とを比較する。その際、データ処理手段は、打撃力検出手段が検出した打撃力データを周波数軸上の波形として処理し、比較手段は、その周波数軸上の波形について、最初に零点に収束する周波数を比較データとする。そして、表示手段は、その比較結果を表示するので、被診断部材の強度の良否を自動的に判定することができ、その判定が作業者の違いによって異なることがない。
【0019】
【実施例】
以下、本発明をかご形誘導電動機の打撃診断に適用した場合の第1実施例について、図1乃至図8を参照して説明する。まず、打撃診断装置の打撃装置の構成を図1に従って述べる。打撃装置であるハンマ(商品名 インパクトハンマキット〜米国PCB社製)1は、棒状の把持部1aと、その一端部に直交するように取付けられた軟鋼若しくはステンレス製の円柱状のハンマ部1bとを有している。そのハンマ部1bの一端部であるヘッド部1cには、例えば、圧電素子形ロードセルからなる打撃力センサ(打撃力検出手段)1dが設けられている。そして、ハンマ1の把持部1aには、作業者が把持する場合のすべりどめのグリップ1eが装着されている。
【0020】
電気的構成を示す図4において、ハンマ1の打撃力検出センサ1dの出力信号は、増幅器2を介してA/D変換器3の入力端子に与えられるようになっている。そして、A/D変換器3の出力信号は、データ処理手段であるFFT(Fast Fourier Transform)アナライザ4の入力端子に与えられ、FFTアナライザ4は、与えられた入力信号を周波数軸上若しくは時間軸上の波形として選択的に処理する。このFFTアナライザ4の出力信号は、比較手段及び演算手段であるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)5の入力端子に与えられるようになっている。また、マイコン5は、表示手段である例えばCRTディスプレイからなる表示器6に対して、各種の表示を行わせるための表示データ信号を与えるようになっている。以上が打撃診断装置7を構成している。
【0021】
次に、被診断部材を供するかご形誘導電動機の回転子を中心とする構成について、図1乃至図3に従って述べる。図1において、回転子軸8には、複数個のリブ9を介して積層鉄心10a,10b,10c,…が嵌着されている。これらの積層鉄心10a,10b,10c,…の間には、内側間隔片11が介挿されて相互に間隔を保つようになっており、外側の積層鉄心10a(一方側のみ図示)と回転子鉄心押え板12との間には、外側間隔片13が介挿されている。そして、多数の銅若しくは銅合金製のロータバー14は、積層鉄心10a,10b,10c,…に形成された半閉形のスロット10aa,10bb,10cc,…(図3参照)に収納され、その両端部は端絡環15(一方側のみ図示)にろう付け(ろう付け部を16で示す)により接合固定されている。以上がかご形誘導電動機17を構成している。
【0022】
次に、本実施例の作用を図5乃至図7をも参照して説明する。作業者がハンマ1のグリップ1eを把持してハンマ部1bを振り下ろし、そのヘッド部1cにより被診断部材たるロータバー14における端絡環15とろう付け部16によって接合固定されている付近を打撃すると、打撃力センサ1dは、そのときの打撃力データをFFTアナライザ4に対して出力する。FFTアナライザ4は、その打撃力データを周波数軸上の波形に処理し、その処理されたデータはマイコン5に与えられる。
【0023】
この場合、FFTアナライザ4によって処理された打撃力データの波形は、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度によって異なる。ここで、図5乃至図7は、ハンマ1により3Kgfの打撃力で異なる接合強度のろう付け部16を有するロータバー14を打撃した場合の周波数特性を示す波形図であり、横軸は周波数(KHz),縦軸は各周波数成分が示す打撃力のレベル(Kgf)である。
【0024】
例えば、接合強度が大きい場合、その波形は図5に示すように、振幅値が最初に零点に収束する周波数F0 は5KHzであり、最大振幅値は0.5Kgfである。また、図6に示す波形は接合強度が中程度の場合であり、周波数F0 は約3KHz、最大振幅値は0.4Kgfである。そして、図7に示す波形は接合強度が小さい場合であり、周波数F0 は約1KHz、最大振幅値は0.35Kgfである。
【0025】
ここで、周波数F0 に注目すると、ろう付け部16の接合強度が大きいと周波数F0 は高く、接合強度が小さくなるにつれて周波数F0 は次第に低くなる傾向を示す。この場合、作業者がロータバー14にハンマ1により3Kgfの打撃力で打撃を加えたとしても、個人差若しくはその時々によって打撃力に誤差を生ずるので、実際には、同一箇所を複数回打撃するようにし、マイコン5は、FFTアナライザ4からの打撃力データを平均するように演算して平均周波数F0 を得る。
【0026】
この原理に従い、マイコン5は、平均周波数F0 を予め定めた基準値と比較することにより、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定する。例えば、平均周波数F0 が基準値(例えば4KHz)よりも高い(F0 ≧4KHz)場合は、その接合強度の確保に十分な値を示しているとして、表示器6に「good」と表示させ、平均周波数F0 が基準値よりも低い(F0 <4KHz)場合は、その接合強度の確保に不十分な値であるとして、表示器6に「bad」と表示させる。そして、接合強度が基準値を満たさないと判定された場合は、作業者は、その部分のろう付け部16の補修を行うようにする。
【0027】
以上のように本実施例によれば、作業者がハンマ1のヘッド部1cによりかご形誘導電動機17のロータバー14のろう付け部16の近傍を打撃して打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により周波数軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形の振幅値が最初に零点に収束する周波数F0 を演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように打撃診断装置7を構成した。
【0028】
従って、ろう付け部16の接合強度の良否の判定を自動的に行うことができ、従来とは異なり、作業者の違いによって判定結果が異なることがない。また、作業者は表示器6を見るだけで容易に判定結果を知ることができるので、かご形誘導電動機17の保守管理をより正確に行うことができる。しかも、ハンマ1によりロータバー14の同一箇所を複数回打撃してその平均周波数F0 を得、これと基準値とを比較してろう付部16の接合強度の良否を判定するようにしたので、打撃力にばらつきがあってもより正確な判定を行うことができる。
【0029】
尚、以上ではろう付け部16の接合強度の判定について説明したが、図8に示すように、ハンマ1によって、ロータバー14の積層鉄心10a,10b,10c,…のスロット10aa,10bb,10cc,…に収納されている部分で、例えば、積層鉄心10a,10b間、10b,10c間、10c,…間を打撃することにより、被診断部材たるロータバー14とスロット10aa,10bb,10cc,…との装着強度である緩み度合いを判定することも同様にして行われる。
【0030】
図9は本発明の第2実施例の作用を示す波形図である。この第2実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。打撃力センサ1dにより得られた打撃力データを、FFTアナライザ4によって周波数軸上の波形に処理する部分までは第1実施例と同様であるが、第2実施例では、マイコン5は、その波形の振幅値を、単位をdB(対数)で表すように演算する。この場合、横軸は周波数(KHz)である。
【0031】
そして、マイコン5は、この波形の最大振幅値から一定値として例えば30dB低下した振幅値を示す周波数Fb を演算により求める。この周波数Fb は、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度が大きい場合は高くなり、接合強度が小さい場合は低くなる。従って、周波数Fb の高低を基準値と比較することによって、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否の判定を第1実施例と同様に行うことができる。また、表示器6に対する表示も第1実施例と同様に、周波数Fb が基準値より高い場合は「good」と表示させ、周波数Fb が基準値よりも低い場合は、「bad」と表示させる。
【0032】
以上のように第2実施例によれば、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により周波数軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形の振幅値の最大振幅値から30dB低下した値を示す周波数Fb を演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第1実施例と同様の効果が得られ、しかも、ハンマ1によるロータバー14への打撃力の大きさに関係なく判定できるので、ハンマ1による1回の打撃による打撃データだけでも正確にろう付部16の接合強度の良否を判定することができる。
【0033】
図10は本発明の第3実施例の作用を示す波形図である。第3実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。第3実施例では、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4によって周波数軸上の波形に処理する部分までは第1実施例と同様であるが、第3実施例では、マイコン5は、波形が減衰する傾きの角度θを、例えばその波形が最初に収束した零点おいて演算して求める。
【0034】
この傾き角θは、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度が大きい場合は小さな値を示し、接合強度が小さい場合は大きな値を示す。従って、傾き角θの大小を基準値と比較することによって、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否の判定を第1実施例と同様に行うことができる。また、表示器6に対する表示も第1実施例と同様に、傾き角θが基準値より小さい場合は「good」と表示させ、傾き角θが基準値よりも大きい場合は、「bad」と表示させる。
【0035】
以上のように第3実施例によれば、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により周波数軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形が最初に収束した零点における傾き角θを演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第2実施例と同様の効果が得られる。
【0036】
次に、本発明の第4実施例について、再び図5乃至図7を参照して説明する。第4実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。第4実施例では、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データを、FFTアナライザ4によって周波数軸上の波形に処理する部分までは、第1実施例と同様である。
【0037】
ここで、図5乃至図7において、周波数軸上の波形が示すピーク数に注目すると、ろう付け部16の接合強度が大きい場合は波形のピーク数は少なく、接合強度が小さくなるに従って波形のピーク数は多くなる傾向を示している。第4実施例は、この原理に基づくもので、マイコン5は、周波数軸上の波形が示すピーク数を演算する。そして、そのピーク数を基準値と比較することにより、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否の判定を第1実施例と同様に行うことができる。また、表示器6に対する表示も第1実施例と同様に、波形のピーク数が基準値より少ない場合は「good」と表示させ、波形のピーク数が基準値よりも多い場合は「bad」と表示させる。
【0038】
以上のように第4実施例によれば、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により周波数軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形のピーク数を演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0039】
図11乃至図13は本発明の第5実施例の作用を示す波形図である。第5実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。第1実施例と同様に作業者がハンマ1のヘッド部1cによりかご形誘導電動機17のロータバー14を打撃して打撃力センサ1dにより得られた打撃力データを、第5実施例では、FFTアナライザ4によって時間軸上の波形に処理する。
【0040】
この場合、FFTアナライザ4によって処理された打撃力データの波形は、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度によって異なる。ここで、図11乃至図13は、ハンマ1により3Kgfの打撃力で異なる接合強度のろう付け部16を打撃した場合の時間特性を示す波形図であり、横軸は時間(msec),縦軸は各周波数成分が示す打撃力のレベル(Kgf)である。
【0041】
例えば、接合強度が大きい場合、その波形は図11に示すように、波形の立上りから最初に零点に収束するまでの時間である作用時間tは小さく、最大振幅値Fmax は3Kgfである。また、図12に示す波形は接合強度が中程度,図13に示す波形は接合強度が小さい場合であり、接合強度が小さくなるに従って、作用時間tは大きく、最大振幅値Fmax は小さくなる傾向を示す。
【0042】
第5実施例は、この原理に基づくもので、マイコン5は、作用時間tを演算により求めて予め定めた基準値と比較することにより、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定する。例えば、作用時間tが基準値よりも短い場合は、その接合強度は確保に十分な値を示しているとして、表示器6に「good」と表示させ、作用時間tが基準値よりも長い場合は、その接合強度は確保に不十分な値であるとして、表示器6に「bad」と表示させるようにする。
【0043】
以上のように第5実施例によれば、作業者がハンマ1のヘッド部1cによりかご形誘導電動機17のロータバー14を打撃して、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により時間軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形が示す作用時間tを演算により求めて基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0044】
次に、本発明の第6実施例について、再び図11乃至図13を参照して説明する。第6実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。打撃力センサ1dにより得られた打撃力データを、FFTアナライザ4によって時間軸上の波形に処理する部分までは第5実施例と同様である。
【0045】
ここで、図11乃至図13において、時間軸上の波形が示すピーク数に注目すると、ろう付け部16の接合強度が大きい場合は波形のピーク数は少なく、強度が小さくなるに従って波形のピーク数は多くなる傾向を示している。第6実施例は、この原理に基づくもので、マイコン5は、その波形のピーク数を演算して基準値と比較することによって、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否の判定を第1実施例と同様に行うことができる。また、表示器6に対する表示も第1実施例と同様に、波形のピーク数が基準値より少ない場合は「good」と表示させ、波形のピーク数が基準値よりも多い場合は「bad」と表示させる。
【0046】
以上のように第6実施例によれば、打撃力センサ1dより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により時間軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形が示すピーク数を演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0047】
そして、本発明の第7実施例について、もう一度図11乃至図13を参照して説明する。第7実施例の構成は第1実施例と同様であり、以下、異なる作用を説明する。打撃力センサ1dにより得られた打撃力データを、FFTアナライザ4によって時間軸上の波形に処理する部分までは、第5及び第6実施例と同様である。
【0048】
ここで、図11乃至図13において、時間軸上の波形が示す最大振幅値Fmax 及び第5実施例において示した作用時間tに注目すると、ろう付け部16の接合強度が大きい場合は最大振幅値Fmax は大きく、作用時間tは短い。そして、ろう付け部16の接合強度が小さくなるにつれて、最大振幅値Fmax は小さく、作用時間tは長くなる傾向を示している。従って、最大振幅値Fmax と作用時間tとの比r(=Fmax /t)を求めると、接合強度が大きい場合には比rは大きくなり、接合強度が小さい場合には比rは小さくなる。
【0049】
第7実施例は、この原理に基づくもので、マイコン5は、波形の最大振幅値Fmax と作用時間tとの比rを演算して基準値と比較することによって、ロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度の良否の判定を第1実施例と同様に行うことができる。また、表示器6に対する表示も第1実施例と同様に、比rが基準値より大きい場合は「good」と表示させ、比rが基準値よりも小さい場合は「bad」と表示させる。
【0050】
以上のように第7実施例によれば、打撃力センサ1dにより得られた打撃力データをFFTアナライザ4により時間軸上の波形に処理し、マイコン5は、その処理データ波形が示す最大振幅値Fmax と作用時間tとの比rを演算して基準値と比較することにより、かご形誘導電動機17のロータバー14と端絡環15とのろう付け部16の接合強度を判定し、その判定結果を表示器6に表示させるように構成したので、第2実施例と同様の効果が得られる。
【0051】
本発明は上記しかつ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形が可能である。
第2乃至第7実施例においても、ロータバー14と積層鉄心10a,10b,10c,…のスロット10aa,10bb,10cc,…との装着強度を判定するようにしても良い。また、ロータバー14とスロット10a,10bb,10cc,…との装着強度の診断は、積層鉄心10a,10b間、10b,10c間、10c,…間の部分に限ること無く、任意の位置において行って良い。
【0052】
打撃力センサ1dに圧電素子形ロードセルを使用したが、歪形ロードセルでも良い。
ハンマ1によりロータバー14を打撃する打撃力を3Kgfとしたが、これより多く若しくは少なくても良い。
表示器6において判定結果を表示するだけでなく、判定結果を音声で出力して作業者に報知する手段を設けても良い。
【0053】
被診断部材はかご形誘導電動機17の構成部品たるロータバー14,端絡環15,スロット10aa,10bb,10cc,…に限ること無く、ボルト,ナット,或いはビスの締付け強度や、スロット内に打ち込んだ楔の圧入強度なども同様に診断することができる。
【0054】
第2実施例において波形の振幅値が最大振幅値から一定値として30dB低下したときの周波数を周波数Fb としたが、一定値は30dBに限ること無く、これより高い値若しくは低い値でも良い。
第3実施例において波形の振幅が減衰する傾き角θを、波形が最初に収束する零点において求めたが、例えば、最大振幅値から任意の値として30dB低下した点において求めても良い。また、振幅が減衰する傾きについては傾き角θに限らず、例えばtanθで表される値と基準値とを比較しても良い。
【0055】
第4実施例において波形のピーク数を求めたが、ピーク数を求める周波数範囲を任意に限定しても良く、例えば、0Hzから10KHzの範囲においてピーク数を求めても良い。
また、各実施例における判定を任意に組合わせて、総合的に判定するように構成しても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通りであるので、以下の効果を奏する。
請求項1記載の打撃診断装置によれば、データ処理手段は、打撃装置のヘッド部が被診断部材に打撃されたときに打撃力検出手段が検出した打撃力データの波形を処理して、比較手段は、その処理結果と基準値とを比較する。その際、データ処理手段は、打撃力検出手段が検出した打撃力データを周波数軸上の波形として処理し、比較手段は、その周波数軸上の波形について、最初に零点に収束する周波数を比較データとする。そして、表示手段は、その比較結果を表示するので、被診断部材の強度の良否の判定を自動的に行うことができ、作業者の違いによって異なることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の打撃装置と共に示す要部の構成図
【図2】同斜視図
【図3】図2とは異なる方向の斜視図
【図4】電気的構成を示すブロック図
【図5】第1及び第4実施例の作用を示す波形図
【図6】図5相当図
【図7】図5相当図
【図8】変形例における図1相当図
【図9】本発明の第2実施例の作用を示す図5相当図
【図10】本発明の第3実施例の作用を示す図5相当図
【図11】本発明の第5,第6及び第7実施例の作用を示す図5相当図
【図12】図11相当図
【図13】図11相当図
【符号の説明】
1はハンマ(打撃装置)、1aは把持部、1bはハンマ部、1cはヘッド部、1dは打撃力センサ(打撃力検出手段)、4はFFTアナライザ(データ処理手段)、5はマイクロコンピュータ(比較手段)、6は表示器(表示手段)、7は打撃診断装置、10a,10b,10c,…は積層鉄心、10aa,10bb,10cc,…はスロット(被診断部材)、14はロータバー(被診断部材)、15は端絡環(被診断部材)、17はかご形誘導電動機を示す。

Claims (1)

  1. 作業者により把持される把持部と、この把持部に固定されて、被診断部材に打撃されるヘッド部を有するハンマ部と、このハンマ部のヘッド部に設けられて前記被診断部材への打撃力を検出する打撃力検出手段とからなる打撃装置と、
    この打撃装置のヘッド部が前記被診断部材に打撃されたときに前記打撃力検出手段が検出した打撃力データの波形を処理してその処理結果を出力するデータ処理手段と、
    このデータ処理手段により出力された処理結果と基準値とを比較判定する比較手段と、
    この比較手段の比較結果を表示する表示手段とを具備し、
    前記データ処理手段は、前記打撃力検出手段が検出した打撃力データを周波数軸上の波形として処理し、前記比較手段は、前記データ処理手段により出力された周波数軸上の波形が最初に零点に収束する周波数と基準値とを比較することを特徴とする打撃診断装置。
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