JPH1164203A - 銅材の疲労寿命の推定方法 - Google Patents

銅材の疲労寿命の推定方法

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JPH1164203A
JPH1164203A JP22287097A JP22287097A JPH1164203A JP H1164203 A JPH1164203 A JP H1164203A JP 22287097 A JP22287097 A JP 22287097A JP 22287097 A JP22287097 A JP 22287097A JP H1164203 A JPH1164203 A JP H1164203A
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JP
Japan
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copper material
stress
fatigue life
repetition
curve
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JP22287097A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Watanabe
広光 渡辺
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し応力の振幅が変化する場合の銅材の
破断繰り返し数を推測するためのS−N曲線を求める。 【解決手段】 応力振幅σと応力繰り返し数Nとの関係
がN=(1000/σ)6・0又はN=(2000/σ)
4・7又はN=(3000/σ)4・2となるS−N曲線
(ロ)又は(ハ)又は(ニ)を用いて破断繰り返し数を
求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は銅材の疲労寿命の推
定方法に関し、振幅が変動する場合のS−N曲線を求め
るものである。
【0002】
【従来の技術】回転機や変電機器等に用いられる導線と
しては、抵抗値が小さくて比較的安価なタフピッチ銅が
用いられている。
【0003】銅線には2種類の繰り返し応力が加わる。
ひとつは、電気抵抗値が零ではないために発熱により変
形して熱応力を繰り返し生じることによる繰り返し応力
であり、もうひとつはロータ側の銅線が遠心力を受けて
曲げ応力を繰り返し生じることによる繰り返し応力であ
る。
【0004】このため、銅線の強度設計を行うには、繰
り返し応力に対する金属疲労を考慮する必要がある。
【0005】従来は、所定の応力で耐えられる応力繰り
返し数を推定するため、試験片に繰り返し応力を加え、
応力の値と破断までの繰り返し数との関係をグラフとし
て表示したS−N曲線を用いて設計を行っている。即
ち、銅線に加わる熱応力と遠心力とを有限要素法により
求め、求めた熱応力と遠心力とを与えたときのS−N曲
線上の繰り返し数を求めれば、その値が破断までの繰り
返し数となる。なお、場合に応じて、応力及び繰り返し
数に安全率を適用することがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、繰り返し応
力の振幅が変動する場合は、疲労損傷の原因となる塑性
ひずみの大きさの影響を受けるため、応力の変動パター
ンにより疲労寿命が変化する。特に材料が銅材の場合に
は降伏応力が低いため、塑性ひずみの影響を大きく受け
ると考えられる。
【0007】そこで本発明は、斯かる課題を解決した銅
材の疲労寿命の推定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
めに、以下のような実験を行った。
【0009】まず、試験片について説明する。試験片と
しては、JIS−C1100(1/2H)・タフピッチ
銅を用いる。このタフピッチ銅は、材料の降伏点となる
ような応力である耐力(0.2%の永久歪を生じる応
力)が25MPaであり、引張強さが214MPaであ
る。この試験片の形状は、厚さが3.2mm、幅が50
mm、長さが120mmであり、長さ方向の中間部にR
30mmの緩やかな切り欠きを有する。試験片の採取方
向は、圧延方向を試験片の長さ方向と一致するようにさ
れており、試験片は機械加工後に800℃で10分間保
持して空冷焼鈍されている。
【0010】次に、試験片を試験するための試験機は、
曲げ疲労とねじり疲労を調べるための試験機であり、容
量は98N・m、試験速度は33Hz、曲げモーメント
振幅は一定である。試験片が疲労して寿命がきた状態に
なったとするときの要件は、表面に亀裂が発生し、剛性
が低下し、変位量が10mm以上になり、リミッタが動
作して試験機が停止したときであり、このときの繰り返
し回数を記録する。
【0011】次に、試験片のS−N曲線を、図1に示
す。縦軸は応力振幅σを、横軸は破断するまでの繰り返
し数Nを夫々示したものであり、いずれも両対数目盛で
表示されている。実験点は黒塗りの正方形で示されてお
り、実験点から最小二乗法により求めた回帰直線が破線
で示されている。この回帰直線(破線)は、次式で表す
ことができる。 Nf=(650/σ)7・42 ………(1) この(1)式から得られる前記の破線を基本のS−N曲
線(イ)とする。
【0012】最後に、繰り返し応力の振幅が変化する応
力変動のパターンについて説明する。応力変動のパター
ンとして、図7に示す8つのパターンを検討した。最も
基本的な(a)〜(d)に示す2段2重の4パターン
は、第1段目に一定の応力振幅で一定の繰り返し数だけ
応力を加えたのちに、第2段目において試験片が破断す
るまで応力を繰り返すものである。次に、(e)〜
(f)の2段多重の2パターンは、応力振幅と繰り返し
数とが夫々一定の第1段目,第2段目の応力の繰り返し
を1セットとし、試験片が破断するまでこの1セットを
繰り返すものである。次に、(g)〜(h)の3段多重
のパターンは、複雑でより現実の回転機等に近いもので
あり、応力振幅と繰り返し数とが夫々一定の第1〜3段
目の応力の繰り返しを1セットとし、試験片が破断する
までこの1セットを繰り返すものである。
【0013】上記の8つの応力変動パターンに従って、
試験片が破断するまで、各パターンごとにばらつきを考
慮して2回あるいは3回行った試験結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】前記の(a)〜(h)の8パターンについ
て、応力振幅σを特定したときに図1に破線で示す基本
のS−N曲線(イ)から得られる繰り返し数Nの総和
と、表1における(a)〜(h)の現実の繰り返し数の
総和nとの比Dをパターンごとにグラフ化したものを図
2に示す。ここで、Dは次式によって求められ、Dの値
は1になるのが望ましい。
【0016】D=Σ(ni/Ni) ………(2) Ni:基本のS−N曲線(イ)において応力振幅がσの
ときのNの値 ni:現実に応力振幅を付加したときの破壊までの繰り
返し数 繰り返し応力の振幅が変動する場合には、図1に破線で
示す基本のS−N曲線(イ)を少しだけ移動させたS−
N曲線が描けるものと推定することができる。このとき
のS−N曲線の一般式は、前記(1)式を参考にする
と、 N=(a/σ)b ………(3) と表すことができる。(1)式と(3)式とを比較し
て、aは650の近傍の値に、bは7.42の近傍の値
に設定して仮のS−N曲線を描き、応力振幅σを特定し
たときのNの値を読み取ることで前記(2)式のDの値
を求める作業を仮のS−N曲線ごとに行った。その結
果、図6に示すようにaとbとの関係を示すグラフ上で
(a,b)の値を(1000,6.0),(2000,
4.7),(3000,4.2)にとったときのP,
Q,R点において、Dの値が1に最も近くなることがわ
かった。このP,Q,Rの3点を通る直線は、b=9
8.056a-0・3971と表すことができる。
【0017】P,Q,R点におけるa,bの値を(3)
式に代入すると、 N=(1000/σ)6・0 ………(4) N=(2000/σ)4・7 ………(5) N=(3000/σ)4・2 ………(6) となり、(4),(5),(6)式をグラフ上に表す
と、図1に示す直線(ロ),(ハ),(ニ)となる。直
線(ロ),(ハ),(ニ)をS−N曲線として用いれ
ば、応力振幅が変動する場合の破断繰り返し数を求める
ことができる。
【0018】以上のことから、請求項1に係る銅材の疲
労寿命の推定方法の構成は、銅材に振幅が変動する繰り
返し応力が加わる場合に、数式N=(1000/σ)
6・0におけるσに複数の繰り返し応力を個別に代入した
ときのNの値を夫々加算することによって、銅材が破断
するまでの破断繰返し数を求めるようにしたことを特徴
とし、請求項2に係る銅材の疲労寿命の推定方法の構成
は、前記数式を、N=(2000/σ)4・7としたこと
を特徴とし、請求項3に係る銅材の疲労寿命の推定方法
の構成は、前記数式を、N=(3000/σ)4・2とし
たことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例
に基づいて詳細に説明する。
【0020】銅材に振幅が変動する繰り返し応力が作用
した場合に、前記(4),(5),(6)式から得られ
るS−N曲線(ロ),(ハ),(ニ)から求めた繰返し
回数Nと現実に実験したときに破断に至ったときの繰返
し回数nとの比であるDの値を(2)式に基づいて求め
た。
【0021】まず、表1の試験に用いた振幅応力である
σ=50,60,100,120,150を加えたとき
の破断繰返し数Nの値を、式(4),(5),(6)ご
とに算出して表2,3,4に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】次に、S−N曲線(ロ)を用いた場合のD
の値を、表1の試験値と表2のグラフ値とを用いて表5
に示し、次に、S−N曲線(ハ)を用いた場合のDの値
を、表3の試験値と表2のグラフ値とを用いて表6に示
し、次に、S−N曲線(ニ)を用いた場合のDの値を、
表4の試験値と表2のグラフ値とを用いて表7に示す。
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】更に、表5,6,7における8パターンご
とのDの平均値をグラフにしたものを図3,4,5に示
す。
【0030】図3,4,5からわかるように、8つの応
力変動パターンのいずれもDの値が1に近い値であり、
中でも図3のものが平均して1に近い値になっている。
従って、応力振幅が変化する場合には、図1におけるS
−N曲線(ロ),(ハ),(ニ)を用いることによっ
て、より高精度に銅材の応力繰返し数を割り出すことが
できる。
【0031】なお、S−N曲線(ロ)は、大応力側を固
定して小応力側を下方へ移動させたコルテン・ドーラン
の方法を適用したS−N曲線に相当する。
【0032】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、請求項1
〜3に係る銅材の疲労寿命の推定方法によれば、N=
(1000/σ)6・0又はN=(2000/σ)4・7又は
N=(3000/σ)4・2をS−N曲線として用いるの
で、振幅が変動する繰り返し応力が銅材に作用する場合
における疲労寿命の推定を高精度に行うことができる。
従って製品の安全率が高くなって低コスト,小形化が可
能になる。また、使用する材料が最小限で済むため、資
源の無駄が少なくなる。更に、製品の信頼性が高くなる
ので、銅材を重要な用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による銅材の疲労寿命の推定方法に係
り、応力振幅と応力繰り返し数との関係を示すグラフ。
【図2】従来のS−N曲線を用いた場合の累計繰り返し
数と実験による累計繰り返し数との比Dをパターンごと
に示すグラフ。
【図3】請求項1によるS−N曲線を用いた場合の累計
繰り返し数と実験による累計繰り返し数との比Dをパタ
ーンごとに示すグラフ。
【図4】請求項2によるS−N曲線を用いた場合の累計
繰り返し数と実験による累計繰り返し数との比Dをパタ
ーンごとに示すグラフ。
【図5】請求項3によるS−N曲線を用いた場合の累計
繰り返し数と実験による累計繰り返し数との比Dをパタ
ーンごとに示すグラフ。
【図6】本発明による銅材の疲労寿命の推定方法に係
り、aとbとの関係を示すグラフ。
【図7】本発明による銅材の疲労寿命の推定方法に係
り、変動応力の8つのパターンを示すグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅材に振幅が変動する繰り返し応力が加
    わる場合に、数式N=(1000/σ)6・0におけるσ
    に複数の繰り返し応力を個別に代入したときのNの値を
    夫々加算することによって、銅材が破断するまでの破断
    繰返し数を求めるようにしたことを特徴とする銅材の疲
    労寿命の推定方法。
  2. 【請求項2】 前記数式を、N=(2000/σ)4・7
    とした請求項1に記載の銅材の疲労寿命の推定方法。
  3. 【請求項3】 前記数式を、N=(3000/σ)4・2
    とした請求項1に記載の銅材の疲労寿命の推定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103698236A (zh) * 2013-12-10 2014-04-02 中广核工程有限公司 一种用于核电厂管道的疲劳寿命估算方法
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CN112763353A (zh) * 2020-12-21 2021-05-07 深圳市信维通信股份有限公司 一种fpc折弯疲劳寿命s-n曲线的测试方法

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